第6回麻雀トライアスロン雀豪決定戦 プロ雀士予選D卓レポート ケネス徳田
2015年06月12日
5月5日に行われた「予選プロD卓」でプロ準々決勝に進出する最後の2人が決定する。
ここまでのA~C卓に比べると、このD卓がもっとも異質かもしれない。
鳳凰位・十段位、計6期獲得の瀬戸熊直樹、現鳳凰位・前田直哉、プロ連盟最強のファイター・佐々木寿人、そして麻雀界の生きる伝説・灘麻太郎名誉会長…正直まったく勝ち上がりの予想がつかない、展開すら予想困難な卓組と言える。
★東風戦(順位点5-15)
様子見と位置付けられているはずの東風戦、だが最初から己の持ち味がぶつかり合う。
東1局、3巡目で南家・灘
出る ドラ
七対子1シャンテンからこのをポン。トイトイ仕掛けと思いきやと引いて
ポン ロン
切れ味バツグンのアガリを見せる。
そして迎えた東2局の親番で3本場まで連荘。
東2局1本場で9,600のアガリが大きく43,800まで点棒を増やす。
だが同3本場で南家・瀬戸熊が快心の3,000・6,000。
灘・瀬戸熊とほぼ並びでむかえたオーラス、ラス目の親番・前田が連荘。同1本場ではをポン、を重ねて以下の手牌
ここでではなくから。ピンズのホンイツの匂いを消す一打である。
結果は引きテンパイ、そして自力でをツモって4,000オール。
同2本場は瀬戸熊から5,800。
リーチ ロン ドラ 裏
そして3本場は出来三色リーチ、そしてツモアガって4,000オール。
ラス目から一気に逆転、しかも大きなトップとなった。
東風戦成績
前田+33.5P 灘+9.3P 瀬戸熊▲7.6P 佐々木▲35.2P
★半荘戦(順位点10-30)
東風戦に比べて静かな立ち上がりの半荘戦。東風戦で唯一見せ場のなかった佐々木寿人にとっては1撃で抜け出せるチャンスか?
東3局、5巡目に先制リーチ。
1枚目のをスルーし、自力で暗刻にしてのリーチ。このリーチに対し、南家・瀬戸熊が12巡目に
佐々木の4巡目の切りからが切れないとみてのシャンポン待ちである。
そして東家・灘も佐々木のリーチをと読んだか、同巡上家から出たを
出る
鳴いて打、で佐々木に放銃。裏ドラが乗って5,200となる。
この佐々木のリーチに立ち向かった瀬戸熊も徐々に体勢を上げてくる。
南1局に佐々木から3,900の直取り。
このアガリで瀬戸熊がトップに立つものの、南3局で佐々木が再逆転。
この満貫が決定打で半荘戦は佐々木がトップ。東風戦のラスを帳消しにした。
半荘戦成績
佐々木+40.3P 瀬戸熊+16.3P 前田▲16.1P 灘▲40.5P
半荘戦終了時
前田+17.4P 瀬戸熊+8.7P 佐々木+5.1P 灘▲31.2P
★三麻戦(順位点10-20、5万点持ちスタート)
大接戦でむかえた三麻戦。
前田・瀬戸熊・佐々木は完全着順勝負。トータルラスの灘でも、6万点台の通常トップでも2位勝ち上がりは堅い。
この三麻戦、ようやく瀬戸熊が先制することに成功。トータル2位での起家スタート。9巡目に7,700を灘から。
ロン ドラ
そして同1本場でも先制リーチ。
カンを入れての待ち。北家・前田が同巡、
ポン ツモ ドラ
1枚切れのを落として放銃回避。そして
を引き入れてテンパイ、そしてツモアガリ。見事瀬戸熊のを止めきってのアガリである。
こういった前田の受けつつ反撃のアガリは終盤でも見られる。
西3局で、瀬戸熊のポン、灘のポンを受けて
ここから生牌のを止めて切り。そして終盤
ロン ドラ
瀬戸熊からメンホン・七対子のアガリ。
前田「対局前は必ず麻雀格闘倶楽部の三人麻雀で調整します」
この、アガリに向かうための受けこそが前田の最大の武器かもしれない。
残る焦点は灘・佐々木の2位争い。
残り2局で灘は前田を超えてトップに立つか、このままの着順なら佐々木と16,400点差以上つけること。
現状14,500点差なのであと1,900点で逆転である。
さて、このカンテンパイだが、ここにツモ…で灘がアガる。
満貫、ハネ満が必要ならばトイツ落としになるが、なまじ接戦なだけに、ここはアガリを宣言する。
そして300点差という大接戦でのオーラス。もちろんアガった方が準々決勝進出だが…。
前田が先にテンパイ。となると、前田に放銃した方が予選敗退。そしてこのを掴んだのは…灘だった!
三麻戦成績
前田+56.7P 灘+15.5P 佐々木▲12.5P 瀬戸熊▲59.7P
最終成績
前田+74.1P 佐々木▲7.4P 灘▲15.7P 瀬戸熊▲51.0P
プロ予選D卓勝ち上がり 前田直哉 佐々木寿人
次回トライアスロンは
6月14日(日)14:00~!
お楽しみにーーー♪
カテゴリ:プロ雀士コラム