第32期十段戦決勝 最終日観戦記 滝沢 和典

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柴田吉和は最終半荘、最終局で国士無双を決め、第32期十段位を獲得した。

力量に差があるもの同士ならシステマティックに打つだけで数字は上がるが、実際プロ同士の対局では、一見どちらを選択してもいいような、些細な場面の選択で勝敗が決まっている。
その選択が数字に大きく影響して勝敗が決する場合もあるし、僅かなプラスしか得られない場合もある。しかし、その些細な選択を真剣に繰り返す以外に手段はない。
トリッキーな手段が勝ちに繋がることなど稀なのだ。
今回の決定戦は、櫻井、藤崎両者が競っていたオーラスでの大逆転劇となったわけだが、柴田を無理やり主役に見立てて書くことはせずに、決定戦進出者それぞれの選択を選手の視点で考察したいと思う。

2日目終了時成績
櫻井+58.1P 藤崎+46.5P 野方+2.6P 柴田▲18.4P ダンプ▲88.8P

100

9回戦
起家から(藤崎→ダンプ→野方→柴田) 抜け番 櫻井

10回戦終了時に最下位(5位)が敗退となってしまうため、現状最下位のダンプとしては1回1回の親番が正念場となる(4位柴田とは70.4ポイント差)また、敗退を免れたところで残り半荘2回となるため、優勝を狙えるポジションに立つにはかなりのプラスが必要となる。

東2局

二万四索四索六索一筒二筒三筒三筒四筒六筒七筒八筒九筒  ツモ一万  ドラ六索

東家・ダンプはこの手牌から打三筒とする。
先手はとりたい、しかし高い打点にも仕上げたい。なるべくなら、どっちつかずの良いとこどりのような選択は避けたいところだが、現在の状況がダンプの打牌を制限している。

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ところがこの後、場面はもつれ、ハイテイで柴田から18,000の出アガリとなった。
柴田の七対子リーチは、三索単騎からの待ちかえ。9巡目の東を待ちに選択すると、野方からの1,600でなんなく終了している1局であった。
ダンプは打三筒とした後に二筒をツモっており、三筒以外の打牌選択したときは、良くて4,000オール。アガリ逃しや放銃となる手順もあっただけに、最高な結果に結び付く一打となった。
ダンプ大橋は、南1局にも2,000、4,000のツモアガリ

六万七万八万四索六索八索八索八索南南北北北  リーチ  ツモ五索  ドラ南

この時点で、4位の柴田とは62.6ポイント差が縮まった。

南2局 東家・ダンプ配牌

一万一万二万二万五万七万八万三索五索六索八索九索四筒七筒  ドラ八万

ドラ含みのリャンメンターツもあるので、ここは受け入れ枚数を重視したいところだが、ダンプは打四筒を選択した。
この半荘の解説を担当していた私は、パッと見打九索に目がいったが、この打牌を選択する思考がなければ、東場の親番でアガった18,000が成就することもなかったのかもしれない。

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9回戦成績
ダンプ+31.8P 野方+4.4P 藤崎▲5.2P 柴田▲31.0P

9回戦終了時
櫻井+51.8P 藤崎+41.3P 野方+7.0P 柴田▲49.4P ダンプ▲57.0P

 

10回戦
起家から(ダンプ→藤崎→櫻井→柴田)

東2局

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4巡目、南家の櫻井が2枚目の北を仕掛けると、その手出し牌発を藤崎がポン。
1枚目の三索をチーテン取らずとして、2枚目の三索をチーしたところ。
おそらく櫻井の仕掛けはピンズのホンイツだ。1枚目の三索を仕掛けないのは、できればピンズを打ち出さずに、というのが大きな理由であろうか。

この場面で藤崎は打四筒を選択した。
三筒五筒より八筒九筒の方が形が重く、打七筒は重いターツを処理させることになり得る。ライバルに対して、甘い打牌を簡単には打ち出さないという強い意志が打四筒にはある。

このとき櫻井の手牌はこうなっていた。

一筒三筒六筒六筒八筒八筒九筒西西西  ポン北北北

この局は藤崎が1,500をアガったが、逆に四筒を打ったことが悪い結果につながることだってあるだろう。
しかし、結果に関わらず怠ってはいけない選択であることは間違いない。

東2局1本場 西家・柴田の2巡目

二万三万一索二索三索四索五索八索二筒二筒四筒五筒六筒  ツモ五万  ドラ八索

打点を求める柴田らしい打一索という選択だが、次巡のツモ九索で打二索とする。
ここはさらにツモ切りが正着打ではないだろうか?
というのが実況を担当した勝又と私の意見だ。

ただ、柴田としては自身の打ち筋を利用したかったというのが意図だったかもしれない。
柴田はここまで、打点を意識する打牌を繰り返してきた。
その柴田のデータは対局者にインプットされているわけで、そのデータを裏切るプレーで撹乱しようと試みたのかもしれない。
6巡目にペン七索でテンパイした柴田は、7巡目に待ちも打点もかわらない七筒四筒を入れ替え、リーチ。

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ダンプが追いかけ、藤崎がダブ東ドラドラの手牌でさらに追いかけリーチ。
3メンチャンのダンプがツモアガリ。

次局もダンプは藤崎から7,700を出アガリ、

三万四万二索三索四索八索八索二筒三筒四筒七筒八筒九筒  ロン二万  ドラ南

この時点で敗退争いのライバル、柴田とのポイント差はほぼ並びとなった。

南3局

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ダンプ、柴田の敗退争いを尻目に、櫻井、藤崎の首位争いも繰り広げられている。

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決定打を放ちたい東家・櫻井は、7巡目にリーチをかけると、同巡、柴田が現物の六筒が高目となるピンフ三色のテンパイ。
テンパイ打牌の西は場に顔を見せてはいないが、暗刻からの西にはさほどの気配が出ていなかったのであろう。
櫻井の勝負リーチが後押しとなり、勝負を先延ばしにしたダンプの六筒を捕えた。
柴田が1人浮きで10回戦目を制し、勝ち残りとなった。柴田は首位櫻井まで80ポイントほどの点差を残し、最終2半荘に望みを託す。

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10回戦成績
柴田+21.8P 櫻井▲2.2P 藤崎▲6.6P ダンプ▲13.0P

10回戦終了時
櫻井+55.9P 藤崎+34.7P 野方+7.0P 柴田▲27.6P (5位 ダンプ)

 

11回戦
起家から(野方→藤崎→櫻井→柴田)

残すところあと2半荘。
現在首位を走る櫻井からの点差は、
藤崎21.2P
野方48.9P
柴田83.5P
となっている。

東1局は抜け番明けの野方が2,900を柴田から出アガリ。

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柴田はまたしても野方に阻まれる。

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次局、東1局1本場

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野方が仕掛けた藤崎の発打ちは2巡目。三万の手出し後ツモ切りが続いているなか、打六筒のツモ切りリーチをかけた。
対する野方だが、藤崎のツモ切りリーチを受けて、この手牌から打三筒とする。
自身が前巡に通している七筒と藤崎のツモ切りリーチで、三筒四筒のターツが一番外しやすいと考えての選択であろう。
しかし、藤崎の手牌は

五万六万七万二索三索四索五索六索七索四筒四筒白白

リャンメンに変化しずらくなったことと、また野方の打った七筒で手牌の四筒トイツがスジにかかったこと。藤崎がツモ切りリーチをかけるタイミングがピッタリはまり、野方の四筒が5,200の放銃となった。
フーロの多い野方だからこそ、この場面での選択が四筒三筒)となってしまったところもある。フーロ率が高い打ち手が直線的に打てば、放銃率も高くなってしまうからだ。
手牌だけ見れば打八索しかないとは思うが、野方のバランスがそういったところにあるため、ある意味仕方のない出来事なのかもしれない。
あるいは、ただ藤崎のリーチ判断が完璧だったということだけなのかもしれない。

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東2局1本場

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決定戦でときおり見せる、藤崎の愚形リーチ。
ドラトイツの柴田が追いかけると、藤崎から5,200出アガリとなった。
リーチの精度が高い藤崎は他者の自分に対する評価を逆手にとっている部分は少なからずあるだろう。
対して、追いかける柴田はドラトイツの看板があるとはいえ、とにかく待ちが悪く巡目も深い。一か八かの勝負に打って出ざるを得ないという得点状況もあるが、執念でアガリをものにした感がある。
お互いに敗因ともなり得る選択であったが、それはいよいよ場面が終盤を迎えている証拠でもある。

南3局

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11巡目に藤崎が打った南をスルー、同巡の櫻井が合わせ打った南を仕掛けると。
柴田が4,000、8,000ツモ

二万二万二万四索四索六筒六筒九筒九筒九筒  ポン南南南  ツモ六筒

5巡目の打三索の時点で高打点を目指し、トイツ手を強くしていた柴田にとっては何の迷いもない1局だったのかもしれない。
次局、南4局でも2,600オールをツモアガリ。

四索五索五索六索六索二筒三筒四筒四筒五筒六筒八筒八筒  ツモ七索  ドラ発

柴田は1人浮きのトップで最終半荘を迎える。

11回戦成績
柴田+33.1P 藤崎▲5.1P 櫻井▲7.7P 野方▲20.3P

11回戦終了時
櫻井+48.2P 藤崎+29.6P 柴田+5.5P 野方▲13.3P

 

12回戦(最終戦)
起家から(藤崎→柴田→野方→櫻井)
※規定により、起家から2位→3位→4位→1位の順番で席順が決まる。

100

東1局
野方が櫻井から3,900を出アガリ。

六万七万八万二索三索四索二筒二筒八筒八筒  ポン白白白  ロン八筒  ドラ二筒

東2局

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ドラドラ仕掛けの藤崎が仕掛け、四索六索六索七索八索のカン五索テンパイから七索を食い延ばすると、野方が2,000、4,000ツモアガリ。

日本プロ麻雀連盟Aルールは、順位点が小さいが(3万点を基準に、2人浮きなら1位+8、2位+4、3位▲4、4位▲8)トータル1位の失点は下位3名にとっては嬉しいアガリとなる。

東3局

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藤崎は、7巡目五万をカンチャンで仕掛け、打七索のテンパイとらずとすると、淀みなくツモが伸び、2,000、3,900のツモアガリとなる。

一万二万三万七万八万九万九万九万東東  チー五万 左向き四万 上向き六万 上向き  ツモ東

このアガリで一気に櫻井を捲り、藤崎がトータルトップに躍り出る。

南2局

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東家・柴田が2巡目リーチで、野方から5,800を出アガリ。
この場面、柴田が先手を取れば周りは前に出ずらくなる。
そういった状況を逆に捉えれば、待ちにこだわったリーチをかける余裕もなくなるため、手が入った者からすれば恰好の標的となる。
野方としては悔いのない放銃であろう。

南2局2本場

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9巡目の打二万でテンパイした柴田だが、待ちの三索は残り1枚しか残っていない。
1枚目の白を仕掛けた藤崎の現物待ちでもあるため、一瞬の躊躇があったが思い直して四筒ツモ切りでリーチをかけるも、同巡藤崎の300、500。
柴田がテンパイ即リーチをかけていたら、藤崎が打四索とするかどうか微妙なところであった。そのとき櫻井との点差が大きな焦点となるのだが、今日の藤崎はおそらく勝負をかけていたのではないかと思う。決して調子が良いとは言えないが、それくらいやることなすこと、精度が高く感じられた。

南3局

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1シャンテンの藤崎は、南家・櫻井が打った四筒二筒三筒でチーして打一筒とした。(現物以外の喰い替え有)

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すると、櫻井が2,000、4,000のツモアガリとなる。
一見、速度や手役を限定させないようにするため、カン四筒で仕掛ける方が良いのでは?と思ったが、おそらくこれは上家櫻井に対してプレッシャーをかけにいったことが理由ではないだろうか。
櫻井の立場としては、手が入るまでは1局でも多く局数を増やしたい。トップに遠い野方の親なら尚更だ。
藤崎が不運だったのは、このときすでに櫻井の手が勝負に値する段階にあったことだ。

それにしても、ここまで仕掛けの多い藤崎はめずらしい。すべては自身の不調を感じてのことか。
ここで喰い替えをしなければ、なんて意見もちらほら聞こえてくるが、この1局だけを切り取って論じること自体意味がないことで、それならここまで本来の藤崎より軽い仕掛けを多用していることに注目するべきではないだろうか?

そして、このツモアガリで藤崎と櫻井は同点となり、冒頭の国士無双の局に至る。

人間は他人から認められたいという願望の強いものだが、麻雀のそれは無難な手順を踏み、無難な選択をするところに落ち着くことが多い。
ただ、自分らしさなんてものはそもそも人真似。こだわる必要はないし、こだわりが成長を妨げている部分だってあるはずだ。
はっきり言って、何が正しくて、何が間違っているかすらわからない。
とにかく今回も、勝つことに対して貪欲であった選手たちの対局は素晴らしいものであった。

G1タイトル初載冠となった柴田が勝利の余韻に浸っているヒマはない。
第32期十段位という名前を背負い、次のステージに向けて稽古を重ねる日々が始まる。

100
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十段戦 決勝観戦記/第32期十段戦決勝 最終日観戦記 滝沢 和典

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柴田吉和は最終半荘、最終局で国士無双を決め、第32期十段位を獲得した。
力量に差があるもの同士ならシステマティックに打つだけで数字は上がるが、実際プロ同士の対局では、一見どちらを選択してもいいような、些細な場面の選択で勝敗が決まっている。
その選択が数字に大きく影響して勝敗が決する場合もあるし、僅かなプラスしか得られない場合もある。しかし、その些細な選択を真剣に繰り返す以外に手段はない。
トリッキーな手段が勝ちに繋がることなど稀なのだ。
今回の決定戦は、櫻井、藤崎両者が競っていたオーラスでの大逆転劇となったわけだが、柴田を無理やり主役に見立てて書くことはせずに、決定戦進出者それぞれの選択を選手の視点で考察したいと思う。
2日目終了時成績
櫻井+58.1P 藤崎+46.5P 野方+2.6P 柴田▲18.4P ダンプ▲88.8P

100

9回戦
起家から(藤崎→ダンプ→野方→柴田) 抜け番 櫻井
10回戦終了時に最下位(5位)が敗退となってしまうため、現状最下位のダンプとしては1回1回の親番が正念場となる(4位柴田とは70.4ポイント差)また、敗退を免れたところで残り半荘2回となるため、優勝を狙えるポジションに立つにはかなりのプラスが必要となる。
東2局
二万四索四索六索一筒二筒三筒三筒四筒六筒七筒八筒九筒  ツモ一万  ドラ六索
東家・ダンプはこの手牌から打三筒とする。
先手はとりたい、しかし高い打点にも仕上げたい。なるべくなら、どっちつかずの良いとこどりのような選択は避けたいところだが、現在の状況がダンプの打牌を制限している。
masters21_01
ところがこの後、場面はもつれ、ハイテイで柴田から18,000の出アガリとなった。
柴田の七対子リーチは、三索単騎からの待ちかえ。9巡目の東を待ちに選択すると、野方からの1,600でなんなく終了している1局であった。
ダンプは打三筒とした後に二筒をツモっており、三筒以外の打牌選択したときは、良くて4,000オール。アガリ逃しや放銃となる手順もあっただけに、最高な結果に結び付く一打となった。
ダンプ大橋は、南1局にも2,000、4,000のツモアガリ
六万七万八万四索六索八索八索八索南南北北北  リーチ  ツモ五索  ドラ南
この時点で、4位の柴田とは62.6ポイント差が縮まった。
南2局 東家・ダンプ配牌
一万一万二万二万五万七万八万三索五索六索八索九索四筒七筒  ドラ八万
ドラ含みのリャンメンターツもあるので、ここは受け入れ枚数を重視したいところだが、ダンプは打四筒を選択した。
この半荘の解説を担当していた私は、パッと見打九索に目がいったが、この打牌を選択する思考がなければ、東場の親番でアガった18,000が成就することもなかったのかもしれない。
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9回戦成績
ダンプ+31.8P 野方+4.4P 藤崎▲5.2P 柴田▲31.0P
9回戦終了時
櫻井+51.8P 藤崎+41.3P 野方+7.0P 柴田▲49.4P ダンプ▲57.0P
 
10回戦
起家から(ダンプ→藤崎→櫻井→柴田)
東2局
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4巡目、南家の櫻井が2枚目の北を仕掛けると、その手出し牌発を藤崎がポン。
1枚目の三索をチーテン取らずとして、2枚目の三索をチーしたところ。
おそらく櫻井の仕掛けはピンズのホンイツだ。1枚目の三索を仕掛けないのは、できればピンズを打ち出さずに、というのが大きな理由であろうか。
この場面で藤崎は打四筒を選択した。
三筒五筒より八筒九筒の方が形が重く、打七筒は重いターツを処理させることになり得る。ライバルに対して、甘い打牌を簡単には打ち出さないという強い意志が打四筒にはある。
このとき櫻井の手牌はこうなっていた。
一筒三筒六筒六筒八筒八筒九筒西西西  ポン北北北
この局は藤崎が1,500をアガったが、逆に四筒を打ったことが悪い結果につながることだってあるだろう。
しかし、結果に関わらず怠ってはいけない選択であることは間違いない。
東2局1本場 西家・柴田の2巡目
二万三万一索二索三索四索五索八索二筒二筒四筒五筒六筒  ツモ五万  ドラ八索
打点を求める柴田らしい打一索という選択だが、次巡のツモ九索で打二索とする。
ここはさらにツモ切りが正着打ではないだろうか?
というのが実況を担当した勝又と私の意見だ。
ただ、柴田としては自身の打ち筋を利用したかったというのが意図だったかもしれない。
柴田はここまで、打点を意識する打牌を繰り返してきた。
その柴田のデータは対局者にインプットされているわけで、そのデータを裏切るプレーで撹乱しようと試みたのかもしれない。
6巡目にペン七索でテンパイした柴田は、7巡目に待ちも打点もかわらない七筒四筒を入れ替え、リーチ。
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ダンプが追いかけ、藤崎がダブ東ドラドラの手牌でさらに追いかけリーチ。
3メンチャンのダンプがツモアガリ。
次局もダンプは藤崎から7,700を出アガリ、
三万四万二索三索四索八索八索二筒三筒四筒七筒八筒九筒  ロン二万  ドラ南
この時点で敗退争いのライバル、柴田とのポイント差はほぼ並びとなった。
南3局
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ダンプ、柴田の敗退争いを尻目に、櫻井、藤崎の首位争いも繰り広げられている。
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決定打を放ちたい東家・櫻井は、7巡目にリーチをかけると、同巡、柴田が現物の六筒が高目となるピンフ三色のテンパイ。
テンパイ打牌の西は場に顔を見せてはいないが、暗刻からの西にはさほどの気配が出ていなかったのであろう。
櫻井の勝負リーチが後押しとなり、勝負を先延ばしにしたダンプの六筒を捕えた。
柴田が1人浮きで10回戦目を制し、勝ち残りとなった。柴田は首位櫻井まで80ポイントほどの点差を残し、最終2半荘に望みを託す。
masters21_01
10回戦成績
柴田+21.8P 櫻井▲2.2P 藤崎▲6.6P ダンプ▲13.0P
10回戦終了時
櫻井+55.9P 藤崎+34.7P 野方+7.0P 柴田▲27.6P (5位 ダンプ)
 
11回戦
起家から(野方→藤崎→櫻井→柴田)
残すところあと2半荘。
現在首位を走る櫻井からの点差は、
藤崎21.2P
野方48.9P
柴田83.5P
となっている。
東1局は抜け番明けの野方が2,900を柴田から出アガリ。
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柴田はまたしても野方に阻まれる。
masters21_01
次局、東1局1本場
masters21_01
野方が仕掛けた藤崎の発打ちは2巡目。三万の手出し後ツモ切りが続いているなか、打六筒のツモ切りリーチをかけた。
対する野方だが、藤崎のツモ切りリーチを受けて、この手牌から打三筒とする。
自身が前巡に通している七筒と藤崎のツモ切りリーチで、三筒四筒のターツが一番外しやすいと考えての選択であろう。
しかし、藤崎の手牌は
五万六万七万二索三索四索五索六索七索四筒四筒白白
リャンメンに変化しずらくなったことと、また野方の打った七筒で手牌の四筒トイツがスジにかかったこと。藤崎がツモ切りリーチをかけるタイミングがピッタリはまり、野方の四筒が5,200の放銃となった。
フーロの多い野方だからこそ、この場面での選択が四筒三筒)となってしまったところもある。フーロ率が高い打ち手が直線的に打てば、放銃率も高くなってしまうからだ。
手牌だけ見れば打八索しかないとは思うが、野方のバランスがそういったところにあるため、ある意味仕方のない出来事なのかもしれない。
あるいは、ただ藤崎のリーチ判断が完璧だったということだけなのかもしれない。
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東2局1本場
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決定戦でときおり見せる、藤崎の愚形リーチ。
ドラトイツの柴田が追いかけると、藤崎から5,200出アガリとなった。
リーチの精度が高い藤崎は他者の自分に対する評価を逆手にとっている部分は少なからずあるだろう。
対して、追いかける柴田はドラトイツの看板があるとはいえ、とにかく待ちが悪く巡目も深い。一か八かの勝負に打って出ざるを得ないという得点状況もあるが、執念でアガリをものにした感がある。
お互いに敗因ともなり得る選択であったが、それはいよいよ場面が終盤を迎えている証拠でもある。
南3局
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11巡目に藤崎が打った南をスルー、同巡の櫻井が合わせ打った南を仕掛けると。
柴田が4,000、8,000ツモ
二万二万二万四索四索六筒六筒九筒九筒九筒  ポン南南南  ツモ六筒
5巡目の打三索の時点で高打点を目指し、トイツ手を強くしていた柴田にとっては何の迷いもない1局だったのかもしれない。
次局、南4局でも2,600オールをツモアガリ。
四索五索五索六索六索二筒三筒四筒四筒五筒六筒八筒八筒  ツモ七索  ドラ発
柴田は1人浮きのトップで最終半荘を迎える。
11回戦成績
柴田+33.1P 藤崎▲5.1P 櫻井▲7.7P 野方▲20.3P
11回戦終了時
櫻井+48.2P 藤崎+29.6P 柴田+5.5P 野方▲13.3P
 
12回戦(最終戦)
起家から(藤崎→柴田→野方→櫻井)
※規定により、起家から2位→3位→4位→1位の順番で席順が決まる。

100

東1局
野方が櫻井から3,900を出アガリ。
六万七万八万二索三索四索二筒二筒八筒八筒  ポン白白白  ロン八筒  ドラ二筒
東2局
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ドラドラ仕掛けの藤崎が仕掛け、四索六索六索七索八索のカン五索テンパイから七索を食い延ばすると、野方が2,000、4,000ツモアガリ。
日本プロ麻雀連盟Aルールは、順位点が小さいが(3万点を基準に、2人浮きなら1位+8、2位+4、3位▲4、4位▲8)トータル1位の失点は下位3名にとっては嬉しいアガリとなる。
東3局
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藤崎は、7巡目五万をカンチャンで仕掛け、打七索のテンパイとらずとすると、淀みなくツモが伸び、2,000、3,900のツモアガリとなる。
一万二万三万七万八万九万九万九万東東  チー五万 左向き四万 上向き六万 上向き  ツモ東
このアガリで一気に櫻井を捲り、藤崎がトータルトップに躍り出る。
南2局
masters21_01
東家・柴田が2巡目リーチで、野方から5,800を出アガリ。
この場面、柴田が先手を取れば周りは前に出ずらくなる。
そういった状況を逆に捉えれば、待ちにこだわったリーチをかける余裕もなくなるため、手が入った者からすれば恰好の標的となる。
野方としては悔いのない放銃であろう。
南2局2本場
masters21_01
9巡目の打二万でテンパイした柴田だが、待ちの三索は残り1枚しか残っていない。
1枚目の白を仕掛けた藤崎の現物待ちでもあるため、一瞬の躊躇があったが思い直して四筒ツモ切りでリーチをかけるも、同巡藤崎の300、500。
柴田がテンパイ即リーチをかけていたら、藤崎が打四索とするかどうか微妙なところであった。そのとき櫻井との点差が大きな焦点となるのだが、今日の藤崎はおそらく勝負をかけていたのではないかと思う。決して調子が良いとは言えないが、それくらいやることなすこと、精度が高く感じられた。
南3局
masters21_01
1シャンテンの藤崎は、南家・櫻井が打った四筒二筒三筒でチーして打一筒とした。(現物以外の喰い替え有)
masters21_01
すると、櫻井が2,000、4,000のツモアガリとなる。
一見、速度や手役を限定させないようにするため、カン四筒で仕掛ける方が良いのでは?と思ったが、おそらくこれは上家櫻井に対してプレッシャーをかけにいったことが理由ではないだろうか。
櫻井の立場としては、手が入るまでは1局でも多く局数を増やしたい。トップに遠い野方の親なら尚更だ。
藤崎が不運だったのは、このときすでに櫻井の手が勝負に値する段階にあったことだ。
それにしても、ここまで仕掛けの多い藤崎はめずらしい。すべては自身の不調を感じてのことか。
ここで喰い替えをしなければ、なんて意見もちらほら聞こえてくるが、この1局だけを切り取って論じること自体意味がないことで、それならここまで本来の藤崎より軽い仕掛けを多用していることに注目するべきではないだろうか?
そして、このツモアガリで藤崎と櫻井は同点となり、冒頭の国士無双の局に至る。
人間は他人から認められたいという願望の強いものだが、麻雀のそれは無難な手順を踏み、無難な選択をするところに落ち着くことが多い。
ただ、自分らしさなんてものはそもそも人真似。こだわる必要はないし、こだわりが成長を妨げている部分だってあるはずだ。
はっきり言って、何が正しくて、何が間違っているかすらわからない。
とにかく今回も、勝つことに対して貪欲であった選手たちの対局は素晴らしいものであった。
G1タイトル初載冠となった柴田が勝利の余韻に浸っているヒマはない。
第32期十段位という名前を背負い、次のステージに向けて稽古を重ねる日々が始まる。

100
100

第13期プロクイーンベスト8B卓レポート 編集部

A卓から2日後。ベスト8B卓が行われた。
宮内こずえがまさかの敗退。
B卓の選手はA卓の試合をどのような気持ちで観戦したのか。

この日試合開始約2時間前に姿を現したのは優木。

100
優木美智

初代女流桜花。昨年のファイナリスト。
女流桜花では降級を経験したが、今期はAリーグに復帰可能な位置につけている。
(掲載時点でAリーグ復帰を決めた)

女流桜花Bリーグ

 

100

1回戦 起家から(鳥越・優木・茅森・瑠美)

厳しいとされるこのB卓の初アガリは優木。
気迫と、覚悟のようなものが表情から見て取れる。

東2局 鳥越に手役。

五万五万五索五索五索五索六索七索四筒四筒五筒五筒五筒  ロン五万  ドラ八索

ヤミテンに構え茅森から5,200。茅森にとってはボーンヘッド。
しかし、次局の親番でチャンス手。

6巡目にテンパイ。

四万五万六万六万七万七万八万七索八索九索南南南  ドラ六万

ここはヤミテンと構えたが8巡目のツモ西でほんの逡巡の間。
3者が真っ直ぐ手を組んでいるのを見て、タイミングを計ったか。
瑠美も8巡目にテンパイはずし。茅森のリーチは瑠美の先制リーチによるものだった。
ツモ切りリーチをするも

一万二万三万五万六万七万六索六索五筒六筒七筒七筒八筒  リーチ  一発ツモ九筒  ドラ六万  裏五索

瑠美の2,000・4,000。
次局も茅森はリーチを打つが、優木がサバく。感触が悪い。

南1局 親番の鳥越がリーチ。

優木
一万二万三万九索九索七筒七筒八筒八筒九筒発発発  ドラ西

親の現物には六筒。ここはヤミテンを選択する。
そしてツモ四万。ヤミテンにした以上ということか、打一万とする。
結果は九筒ツモの1,000・2,000。
この始終に優木のプロクイーンへの気持ちが伝わる。
絶対にもう一度あの舞台に立ちたいのだ。

南2局 茅森についにアガリが生まれる。

一万二万三万六万六万六万一索一索一索七筒七筒七筒南  リーチ  ロン南  ドラ四筒  裏一筒

1シャンテンで白南を手中に残す七万切りが秀逸。
安全牌に屈し、一枚切れの南をトイツ落としとした鳥越の放銃。
これで鳥越は4着に落ちる。

南4局は親番瑠美からリーチが入るも流局。
続く1本場は優木がアガリきりトップで1回戦を終えた。

ベスト8の卓割が発表されて以降、「厳しい卓に入ったね」周囲の会う人全員にそう言われたそうだ。
対戦相手のほうが上だ。そう聞こえてしまった。悔しかった。

1回戦成績
優木+30.8P 瑠美+11.8P 茅森▲14.2P 鳥越▲28.4P

 

2回戦 起家から(優木・瑠美・茅森・鳥越)

この2回戦は接戦となった。
東1局、鳥越はこのリーチをかけ見事1人テンパイ。

一万二万三万五万六万七万五索五索八索八索八筒八筒八筒  ドラ九万

東2局

優木
二万三万四万四万五万五万七万八万九万四筒五筒中中中  打四万 左向き  ドラ北  裏七索

ここに鳥越もぶつける

鳥越
一万一万一万六万六万四索五索六索四筒五筒六筒南南  リーチ

勝負手の茅森も応戦するが、優木のツモアガリ。1,000・2,000。
2局連続で鳥越の戦う姿勢が見受けられる。

100
鳥越智恵子

最高位戦日本プロ麻雀協会所属。池袋の雀荘のママ。
実力は織り込み済み。決定戦に進んでも何ら不思議ではない。

東3局2本場
鳥越にとっては自然な手順でようやく大物手が成就。

一万一万七万八万九万三索四索五索七索七索八索八索九索  リーチ  ツモ九索  ドラ八万  裏西

2,000・4,000。
1回戦4着の鳥越がトップ目に立った。
そして親番を迎えたが、ここは瑠美が400・700。

南場に入り点数状況は以下。

鳥越36,700
優木31,600
茅森29,400
瑠美22,800

南1局 鳥越リーチ。
優木南ホンイツの7,700テンパイ。しかし一度もツモらせることなく茅森が400・700。
鳥越、優木ともに引き離せない。

南2局 テンパイ一番乗りは鳥越

七万八万九万一索三索三索四索五索六索三筒四筒五筒東東  ドラ東

チャンス手なのだがドラの東は2枚切れ。二索が2枚きれ三索が1枚きれ。ここは打一索のヤミテンを選択。
次巡、親の瑠美がリーチ。

四万五万六万七万八万二索三索四索二筒二筒七筒七筒七筒  リーチ

茅森も追いかけリーチ

五万五万五万五索六索七索三筒三筒五筒六筒七筒発発  リーチ

そして鳥越のツモは生牌の発。これは茅森のアガリ牌。
ここで鳥越はオリを選択。冷静の一言。打てば8,000の放銃。
そして瑠美の2,000オール。

南4局

鳥越31,900
優木30,500
瑠美29,300
茅森28,300

1着から4着までの差がわずか3,600点。
順位点が15,000点5,000点▲5,000点▲15,000点。
1着順10,000点の差がつく。
全員がトップを取りたいが、鳥越は連続4着は取りたくないところ。

1回戦トップの優木はドラが2枚あることよりもスピード優先で、白を1枚目から仕掛ける。
そして現在4着目の茅森からリーチ。テンパイの優木、余ったドラを勝負し放銃。
緊迫した2回戦は茅森に勝ち星が付いた。

2回戦成績
茅森+19.5P 鳥越+6.9P 瑠美▲6.7P 優木▲19.7P

2回戦終了時
優木+11.1P 茅森+5.3P 瑠美+5.1P 鳥越▲21.5P

 

3回戦 起家から(鳥越・瑠美・優木・茅森)

1人沈みの鳥越であるが、半荘1回で取り返せる差ではある。
ただし4着を引いてしまうと4回戦以降の戦い方に制限がついてしまう。

東1局 鳥越1人テンパイ
東1局1本場 鳥越タンヤオドラ2のテンパイも優木に2,000の放銃。
東2局 親の瑠美のリーチで1人テンパイ。
その1本場。

東家、瑠美の積極的なドラポン

三万四万五万七万八万三索三索  ポン五索 上向き五索 上向き五索 上向き  ポン二万 上向き二万 上向き二万 上向き  ドラ二万

そしてヤミテンの入っている南家、優木。

八万九万二索三索四索七索八索九索七筒八筒九筒南南

ドラを切った西家、茅森も勝負。

四万五万六万七万八万九万五筒五筒六筒六筒七筒東東  リーチ

最後にテンパイは北家・鳥越。

二万四万六万七万八万一索一索一索二索三索四筒六筒七筒  ツモ五筒

この四筒は親の瑠美に抑えていた牌。切り遅れていることと、待ちの悪さから、冷静であれば止まったか。
5,200は5,500を七筒で茅森に放銃。ここで4着を押し付けられるわけにはいかない鳥越。

親の優木に大チャンス。

二万四万二索三索四索二筒三筒三筒三筒四筒五筒六筒七筒  ドラ四索

北家・瑠美の切り出しを見てヤミテンに構えると、鳥越に以下のリーチが入る。

二万四万五万五万五万六万八万八万三索四索五索四筒五筒六筒  打六万 左向き

全くの同じ待ち取り。ここは鳥越が引き勝つ2,000・4,000。
この時、優木の顔はワイプが捉えていたが全くの無表情。

100

そして次局、この手を決めてくる。

八万九万七索八索九索九筒九筒九筒南南南中中  リーチ  ロン七万  ドラ九万  裏七索

やはり優木の出来がいい。精神的にも充実している。
この半荘の決まり手はこちら。

一索一索五索五索五索一筒二筒三筒五筒六筒六筒七筒八筒  リーチ  一発ツモ四筒  ドラ二筒  裏東

鳥越の4,000オール。
このあと失点もなく見事トップを取り天地逆転の図を作った。

3回戦成績
鳥越+28.0P 瑠美+4.3P 優木▲10.0P 茅森▲22.3P 

3回戦終了時
瑠美+9.4P  鳥越+6.5P 優木+1.1P 茅森▲17.0P 

各半荘ごとに通過者が入れ替わる。

 

4回戦 起家から(瑠美・鳥越・優木・茅森)

現在総合1位は瑠美。なんとトップを一度も取らずに総合1位である。
この2名勝ち上がりのトーナメントの戦い方においての瑠美は恐ろしい。
主役にならずともしっかり勝ち上がる方法を知っているのだ。
実はこの4回戦も2着でまとめている。(ここまで2・3・2着)

100
二階堂瑠美

第11期プロクイーン。昨年は無念の途中敗退となってしまったものの、麻雀の安定感は格別。
天衣無縫でありながら、したたかさも手に入れた。

東1局 瑠美がリーチするも鳥越が500・1,000。
東2局 瑠美のリーチを受け、

一万一万四万五万六万四索五索六索一筒一筒二筒三筒四筒  リーチ  ドラ一筒

南家・優木は以下のテンパイ。

一万二万三万八万八万八万三索三索二筒三筒四筒五筒五筒

このままだとハイテイは優木。ハイテイ前に打たれた五筒をポンをして、共通安全牌の三万を打つかと思われたが、スルー。
するとなんとハイテイにはラス牌の三索が眠っていた。
絶好調の優木の決め手のアガリ。

南2局

二万二万四万五万五万六万七万七索七索七索三筒四筒五筒  リーチ  ツモ三万  ドラ三筒  裏六索

この2,000・4,000。優木はこのアガリでトップをもぎ取り決定戦進出をほぼ手中に収めたか。
1人沈みで始まった茅森、この4回戦、連帯を外してしまう。
最終戦を前に綺麗に並んでいた隊列が少し間隔が空いてしまった。

4回戦成績
優木+24.7P  瑠美+5.7P  茅森▲7.1P 鳥越▲23.3P 

4回戦終了時
優木+25.8P 瑠美+15.1P 鳥越▲16.8P 茅森▲24.1P 

2着瑠美と3着鳥越の差が31.9ポイント
2着瑠美と4着茅森の差が39.2ポイント
1着順の差が10ポイントの為、簡単に逆転できる数字ではなくなってしまった。

 

最終5回戦 起家から(茅森・瑠美・優木・鳥越)

東1局 トータルトップ優木が400・700で流す。
東2局 北家・茅森に、このベスト8の苦戦を象徴する出来事。

五万六万七万二索四索五筒五筒西西西  ポン北北北

1巡目に早くもテンパイ。ドラはなんと西
そして5巡目に五筒が暗刻になり単騎選択。二索単騎にすると、次巡のツモはなんと四索
捨牌は以下。
七筒 上向き四筒 上向き七索 上向き九筒 上向き四索 上向き四索 上向き

それ以降、場況と照らし合わせながら待ち取りを選択していくものの、ことごとく裏目を引いてしまう。
そして優木に1,300の放銃。

100
茅森早香

最高位戦日本プロ麻雀協会所属。天才と称される。
昨年の決定戦では優勝目前で和久津にクイーンの冠を奪われた。
今年こそリベンジを果たしたいところだが、、、、、。

南3局2本場供託1,000
現在の持ち点と総合成績

瑠美35,000(+35.1)
優木31,600(+32.4)
鳥越30,300(▲21.5)
茅森22,100(▲47.0)

残る親は優木と鳥越のみ。
南4局の鳥越がどれだけ粘れるか。視聴者はそう思っていたに違いない。

しかし、、、、
瑠美の初手の白を茅森がポン。。。
場が一気に凍る。優木の心境はいかに。

もしここで跳満などをツモアガリされれば、1着、4着の並びが出来てしまう。
すると瑠美+21.9P 優木+6.2P 鳥越▲24.7P 茅森▲3.4P
南4局に、茅森は満貫ツモ。
鳥越はトップになればいいので2,000オール。などで逆転。一気に僅差。

瑠美、優木からすれば直撃はさらに条件を軽くしてしまう。
両者はここから字牌を切ることはなかった。
が、信じられないことが起きる。

100

100
100
100
100

これは神様のいたずらか。大きすぎる字一色。
ここまで完璧な戦いぶりをしたかに見えた優木が、天才茅森に捕らえられた瞬間だった。
南4局 逆転手が入った優木。しかし勝利の女神は微笑んでくれなかった。

最終戦成績
茅森+42.2P  瑠美+1.4P  鳥越▲13.6P 優木▲30.0P 

最終戦終了時
茅森+18.1P 瑠美+16.5P 優木▲4.2P  鳥越▲30.4P

決定戦進出 茅森早香(2年連続2回目)  二階堂瑠美(3年連続3回目)

プロクイーン決定戦 レポート/第13期プロクイーンベスト8B卓レポート 編集部

A卓から2日後。ベスト8B卓が行われた。
宮内こずえがまさかの敗退。
B卓の選手はA卓の試合をどのような気持ちで観戦したのか。
この日試合開始約2時間前に姿を現したのは優木。
100
優木美智
初代女流桜花。昨年のファイナリスト。
女流桜花では降級を経験したが、今期はAリーグに復帰可能な位置につけている。
(掲載時点でAリーグ復帰を決めた)
女流桜花Bリーグ
 
100
1回戦 起家から(鳥越・優木・茅森・瑠美)
厳しいとされるこのB卓の初アガリは優木。
気迫と、覚悟のようなものが表情から見て取れる。
東2局 鳥越に手役。
五万五万五索五索五索五索六索七索四筒四筒五筒五筒五筒  ロン五万  ドラ八索
ヤミテンに構え茅森から5,200。茅森にとってはボーンヘッド。
しかし、次局の親番でチャンス手。
6巡目にテンパイ。
四万五万六万六万七万七万八万七索八索九索南南南  ドラ六万
ここはヤミテンと構えたが8巡目のツモ西でほんの逡巡の間。
3者が真っ直ぐ手を組んでいるのを見て、タイミングを計ったか。
瑠美も8巡目にテンパイはずし。茅森のリーチは瑠美の先制リーチによるものだった。
ツモ切りリーチをするも
一万二万三万五万六万七万六索六索五筒六筒七筒七筒八筒  リーチ  一発ツモ九筒  ドラ六万  裏五索
瑠美の2,000・4,000。
次局も茅森はリーチを打つが、優木がサバく。感触が悪い。
南1局 親番の鳥越がリーチ。
優木
一万二万三万九索九索七筒七筒八筒八筒九筒発発発  ドラ西
親の現物には六筒。ここはヤミテンを選択する。
そしてツモ四万。ヤミテンにした以上ということか、打一万とする。
結果は九筒ツモの1,000・2,000。
この始終に優木のプロクイーンへの気持ちが伝わる。
絶対にもう一度あの舞台に立ちたいのだ。
南2局 茅森についにアガリが生まれる。
一万二万三万六万六万六万一索一索一索七筒七筒七筒南  リーチ  ロン南  ドラ四筒  裏一筒
1シャンテンで白南を手中に残す七万切りが秀逸。
安全牌に屈し、一枚切れの南をトイツ落としとした鳥越の放銃。
これで鳥越は4着に落ちる。
南4局は親番瑠美からリーチが入るも流局。
続く1本場は優木がアガリきりトップで1回戦を終えた。
ベスト8の卓割が発表されて以降、「厳しい卓に入ったね」周囲の会う人全員にそう言われたそうだ。
対戦相手のほうが上だ。そう聞こえてしまった。悔しかった。
1回戦成績
優木+30.8P 瑠美+11.8P 茅森▲14.2P 鳥越▲28.4P
 
2回戦 起家から(優木・瑠美・茅森・鳥越)
この2回戦は接戦となった。
東1局、鳥越はこのリーチをかけ見事1人テンパイ。
一万二万三万五万六万七万五索五索八索八索八筒八筒八筒  ドラ九万
東2局
優木
二万三万四万四万五万五万七万八万九万四筒五筒中中中  打四万 左向き  ドラ北  裏七索
ここに鳥越もぶつける
鳥越
一万一万一万六万六万四索五索六索四筒五筒六筒南南  リーチ
勝負手の茅森も応戦するが、優木のツモアガリ。1,000・2,000。
2局連続で鳥越の戦う姿勢が見受けられる。
100
鳥越智恵子
最高位戦日本プロ麻雀協会所属。池袋の雀荘のママ。
実力は織り込み済み。決定戦に進んでも何ら不思議ではない。
東3局2本場
鳥越にとっては自然な手順でようやく大物手が成就。
一万一万七万八万九万三索四索五索七索七索八索八索九索  リーチ  ツモ九索  ドラ八万  裏西
2,000・4,000。
1回戦4着の鳥越がトップ目に立った。
そして親番を迎えたが、ここは瑠美が400・700。
南場に入り点数状況は以下。
鳥越36,700
優木31,600
茅森29,400
瑠美22,800
南1局 鳥越リーチ。
優木南ホンイツの7,700テンパイ。しかし一度もツモらせることなく茅森が400・700。
鳥越、優木ともに引き離せない。
南2局 テンパイ一番乗りは鳥越
七万八万九万一索三索三索四索五索六索三筒四筒五筒東東  ドラ東
チャンス手なのだがドラの東は2枚切れ。二索が2枚きれ三索が1枚きれ。ここは打一索のヤミテンを選択。
次巡、親の瑠美がリーチ。
四万五万六万七万八万二索三索四索二筒二筒七筒七筒七筒  リーチ
茅森も追いかけリーチ
五万五万五万五索六索七索三筒三筒五筒六筒七筒発発  リーチ
そして鳥越のツモは生牌の発。これは茅森のアガリ牌。
ここで鳥越はオリを選択。冷静の一言。打てば8,000の放銃。
そして瑠美の2,000オール。
南4局
鳥越31,900
優木30,500
瑠美29,300
茅森28,300
1着から4着までの差がわずか3,600点。
順位点が15,000点5,000点▲5,000点▲15,000点。
1着順10,000点の差がつく。
全員がトップを取りたいが、鳥越は連続4着は取りたくないところ。
1回戦トップの優木はドラが2枚あることよりもスピード優先で、白を1枚目から仕掛ける。
そして現在4着目の茅森からリーチ。テンパイの優木、余ったドラを勝負し放銃。
緊迫した2回戦は茅森に勝ち星が付いた。
2回戦成績
茅森+19.5P 鳥越+6.9P 瑠美▲6.7P 優木▲19.7P
2回戦終了時
優木+11.1P 茅森+5.3P 瑠美+5.1P 鳥越▲21.5P
 
3回戦 起家から(鳥越・瑠美・優木・茅森)
1人沈みの鳥越であるが、半荘1回で取り返せる差ではある。
ただし4着を引いてしまうと4回戦以降の戦い方に制限がついてしまう。
東1局 鳥越1人テンパイ
東1局1本場 鳥越タンヤオドラ2のテンパイも優木に2,000の放銃。
東2局 親の瑠美のリーチで1人テンパイ。
その1本場。
東家、瑠美の積極的なドラポン
三万四万五万七万八万三索三索  ポン五索 上向き五索 上向き五索 上向き  ポン二万 上向き二万 上向き二万 上向き  ドラ二万
そしてヤミテンの入っている南家、優木。
八万九万二索三索四索七索八索九索七筒八筒九筒南南
ドラを切った西家、茅森も勝負。
四万五万六万七万八万九万五筒五筒六筒六筒七筒東東  リーチ
最後にテンパイは北家・鳥越。
二万四万六万七万八万一索一索一索二索三索四筒六筒七筒  ツモ五筒
この四筒は親の瑠美に抑えていた牌。切り遅れていることと、待ちの悪さから、冷静であれば止まったか。
5,200は5,500を七筒で茅森に放銃。ここで4着を押し付けられるわけにはいかない鳥越。
親の優木に大チャンス。
二万四万二索三索四索二筒三筒三筒三筒四筒五筒六筒七筒  ドラ四索
北家・瑠美の切り出しを見てヤミテンに構えると、鳥越に以下のリーチが入る。
二万四万五万五万五万六万八万八万三索四索五索四筒五筒六筒  打六万 左向き
全くの同じ待ち取り。ここは鳥越が引き勝つ2,000・4,000。
この時、優木の顔はワイプが捉えていたが全くの無表情。
100
そして次局、この手を決めてくる。
八万九万七索八索九索九筒九筒九筒南南南中中  リーチ  ロン七万  ドラ九万  裏七索
やはり優木の出来がいい。精神的にも充実している。
この半荘の決まり手はこちら。
一索一索五索五索五索一筒二筒三筒五筒六筒六筒七筒八筒  リーチ  一発ツモ四筒  ドラ二筒  裏東
鳥越の4,000オール。
このあと失点もなく見事トップを取り天地逆転の図を作った。
3回戦成績
鳥越+28.0P 瑠美+4.3P 優木▲10.0P 茅森▲22.3P 
3回戦終了時
瑠美+9.4P  鳥越+6.5P 優木+1.1P 茅森▲17.0P 
各半荘ごとに通過者が入れ替わる。
 
4回戦 起家から(瑠美・鳥越・優木・茅森)
現在総合1位は瑠美。なんとトップを一度も取らずに総合1位である。
この2名勝ち上がりのトーナメントの戦い方においての瑠美は恐ろしい。
主役にならずともしっかり勝ち上がる方法を知っているのだ。
実はこの4回戦も2着でまとめている。(ここまで2・3・2着)
100
二階堂瑠美
第11期プロクイーン。昨年は無念の途中敗退となってしまったものの、麻雀の安定感は格別。
天衣無縫でありながら、したたかさも手に入れた。
東1局 瑠美がリーチするも鳥越が500・1,000。
東2局 瑠美のリーチを受け、
一万一万四万五万六万四索五索六索一筒一筒二筒三筒四筒  リーチ  ドラ一筒
南家・優木は以下のテンパイ。
一万二万三万八万八万八万三索三索二筒三筒四筒五筒五筒
このままだとハイテイは優木。ハイテイ前に打たれた五筒をポンをして、共通安全牌の三万を打つかと思われたが、スルー。
するとなんとハイテイにはラス牌の三索が眠っていた。
絶好調の優木の決め手のアガリ。
南2局
二万二万四万五万五万六万七万七索七索七索三筒四筒五筒  リーチ  ツモ三万  ドラ三筒  裏六索
この2,000・4,000。優木はこのアガリでトップをもぎ取り決定戦進出をほぼ手中に収めたか。
1人沈みで始まった茅森、この4回戦、連帯を外してしまう。
最終戦を前に綺麗に並んでいた隊列が少し間隔が空いてしまった。
4回戦成績
優木+24.7P  瑠美+5.7P  茅森▲7.1P 鳥越▲23.3P 
4回戦終了時
優木+25.8P 瑠美+15.1P 鳥越▲16.8P 茅森▲24.1P 
2着瑠美と3着鳥越の差が31.9ポイント
2着瑠美と4着茅森の差が39.2ポイント
1着順の差が10ポイントの為、簡単に逆転できる数字ではなくなってしまった。
 
最終5回戦 起家から(茅森・瑠美・優木・鳥越)
東1局 トータルトップ優木が400・700で流す。
東2局 北家・茅森に、このベスト8の苦戦を象徴する出来事。
五万六万七万二索四索五筒五筒西西西  ポン北北北
1巡目に早くもテンパイ。ドラはなんと西
そして5巡目に五筒が暗刻になり単騎選択。二索単騎にすると、次巡のツモはなんと四索
捨牌は以下。
七筒 上向き四筒 上向き七索 上向き九筒 上向き四索 上向き四索 上向き
それ以降、場況と照らし合わせながら待ち取りを選択していくものの、ことごとく裏目を引いてしまう。
そして優木に1,300の放銃。
100
茅森早香
最高位戦日本プロ麻雀協会所属。天才と称される。
昨年の決定戦では優勝目前で和久津にクイーンの冠を奪われた。
今年こそリベンジを果たしたいところだが、、、、、。
南3局2本場供託1,000
現在の持ち点と総合成績
瑠美35,000(+35.1)
優木31,600(+32.4)
鳥越30,300(▲21.5)
茅森22,100(▲47.0)
残る親は優木と鳥越のみ。
南4局の鳥越がどれだけ粘れるか。視聴者はそう思っていたに違いない。
しかし、、、、
瑠美の初手の白を茅森がポン。。。
場が一気に凍る。優木の心境はいかに。
もしここで跳満などをツモアガリされれば、1着、4着の並びが出来てしまう。
すると瑠美+21.9P 優木+6.2P 鳥越▲24.7P 茅森▲3.4P
南4局に、茅森は満貫ツモ。
鳥越はトップになればいいので2,000オール。などで逆転。一気に僅差。
瑠美、優木からすれば直撃はさらに条件を軽くしてしまう。
両者はここから字牌を切ることはなかった。
が、信じられないことが起きる。
100

100
100
100
100

これは神様のいたずらか。大きすぎる字一色。
ここまで完璧な戦いぶりをしたかに見えた優木が、天才茅森に捕らえられた瞬間だった。
南4局 逆転手が入った優木。しかし勝利の女神は微笑んでくれなかった。
最終戦成績
茅森+42.2P  瑠美+1.4P  鳥越▲13.6P 優木▲30.0P 
最終戦終了時
茅森+18.1P 瑠美+16.5P 優木▲4.2P  鳥越▲30.4P
決定戦進出 茅森早香(2年連続2回目)  二階堂瑠美(3年連続3回目)

第32期A1リーグ第7節レポート 瀬戸熊 直樹

リーグ戦が放送対局になってから、もう2年になろうとしている。
放送対局は、さまざまな効果をもたらしているように思う。

これは完全に僕の個人的な見解だが、まず一番の収穫は、連盟のA1リーグの麻雀を世に伝える事が出来たこと。
放送対局自体は行われていたが、連盟の最も核となるリーグ戦を放送する事で、競技麻雀の面白さ、リーグ戦の喜怒哀楽、選手の人物像など今まで伝えてなんぼのプロの世界の入り口に立てた事は、一番の大きな事のように思う。

でもそれと同時に、一番の核の場面をひけらかすという事は、利点と同じ、いやそれ以上に責任が生じる。
まず最高峰リーグとしての打牌。連盟の麻雀を汚さない為のプレッシャーと覚悟。
お金を頂いて試合を見てもらっているのだから、当たり前だが、本当の意味でプロ意識が問われる。

今日の試合は、お金を獲れる内容だったか?A1リーグの責任を最低限果たせたか?瀬戸熊として麻雀打てたか?いつも自問自答する。

連盟に入って良かったと思えるのは、僕より強い人が沢山いて、いつも追いかける事が出来ること。
今もまだ道の途中だけど、昔の僕の麻雀は、とても人様に見て頂くような代物でなかった事を考えると、本当に連盟のリーグ戦で培った経験は、お金では買えないほどの価値があると思える。

この日も僕が一番年下で、僕さえしっかり打てば面白い対局になるのは、わかっていた。
如何にしっかり戦えるか。恐ろしいけど、相手の懐に如何に飛び込めるか?

この日は、天運は最初、僕にあった。

1回戦東2局、親。

早い巡目でテンパイ。

三万四万五万五万六万七万三索四索五索八索三筒四筒五筒  ドラ西

仮テン気味の所で、優孝さんから出アガリ。

7,700をアガリ迎えた次局。深い巡目でテンパイ。

五万五万五万七万八万九万二索三索三索三索七索三筒四筒五筒  ドラ七索

二索として、リーチ宣言。巡目も深く、流局してもいい場面。
しかし南家・沢崎さんに、まず現物の二索を切られ、次に危険な六索を切られる。
そして流局かと思われた次巡、七対子の五索単騎をツモられる。

簡単に時間に入らせてもらえない。

そして沢崎さんが、いい感じで迎えた親番。
南家・前原さんからリーチが入る。

捨て牌  ドラ五索
九索 上向き発中五万 上向き六筒 上向き九万 上向き
発四万 上向き四筒 左向き

ガラクタリーチに見える。
沢崎さんが、カン二万をチーして、カン五万の一気通貫のみの500オールで連荘。

沢崎さんのナイスプレーと知るのは試合後だが、度々見られるこの「さ・ば・き」
常に卓全体を見回し、いち早く危険を察知し、迷わず動き、さばききる。
素晴らしいとしか言いようがない。

感じていても、リスクを考えるとなかなか動けないのが僕の現状だ。

前原さんの手牌は、

三索三索三索五索五索五索八索八索八索二筒二筒三筒三筒

であった。二筒は場に2枚切れ。何とも恐ろしい。当然三筒は山生き。

その後、僕に不運な放銃をして、この半荘は厳しいと思われた優孝さんが、前原さんから12,000をアガる。
これで前原さんはラスだなあと考えていると、また復活し、オーラスを迎えると、なんとラス目は一番ツイていただろう僕だった。
なんとかここでアガリ3着で終えるも不安なスタートとなった。

しかし、気持ちは勝負師として騒いでいた。こんな苦しく楽しい場に自分が座っていられる幸運に。
コメントでは人間じゃない者の戦いだ(死神・マムシ・閻魔・・)と書かれていたが、まさにその通りだと思う。
1局ごとに感じる、恐怖や尊敬や安心そして喜びは、瞬間ごとに目まぐるしく襲ってきて、その後は、何度も訪れる逃げ出したい気持ちを押し殺し、A1リーグの麻雀に恥じぬ事だけを考えて頑張った。

なんとかプラスで終えることができた。
自分の出来はわからなかったが、感想戦やブログコメントなどで、対局内容は高評価を頂き、ほっとできた。

連盟チャンネルで行われるリーグ戦は、選手はもちろん、実況、解説、スタッフ全て連盟員の手作りの放送です。
だけど、有料ということは、全ての持ち場にプロの仕事が要求されます。
試合内容、実況、解説、カメラワーク、テロップ、コマーシャル等。

僕は常にどの持ち場でもプロとして、しっかりやる事だけは忘れずに頑張ろうと思います。
そして一番大切なファンの皆様のご意見、ご感想なども是非聞かせて下さい。

競技麻雀の素晴らしさを、もっともっと多くの人に知っていただく為に、これからも頑張ります。
そして今後ともよろしくお願い申し上げます。

                      

プロリーグ(鳳凰戦)レポート/第32期A1リーグ第7節レポート 瀬戸熊 直樹

リーグ戦が放送対局になってから、もう2年になろうとしている。
放送対局は、さまざまな効果をもたらしているように思う。
これは完全に僕の個人的な見解だが、まず一番の収穫は、連盟のA1リーグの麻雀を世に伝える事が出来たこと。
放送対局自体は行われていたが、連盟の最も核となるリーグ戦を放送する事で、競技麻雀の面白さ、リーグ戦の喜怒哀楽、選手の人物像など今まで伝えてなんぼのプロの世界の入り口に立てた事は、一番の大きな事のように思う。
でもそれと同時に、一番の核の場面をひけらかすという事は、利点と同じ、いやそれ以上に責任が生じる。
まず最高峰リーグとしての打牌。連盟の麻雀を汚さない為のプレッシャーと覚悟。
お金を頂いて試合を見てもらっているのだから、当たり前だが、本当の意味でプロ意識が問われる。
今日の試合は、お金を獲れる内容だったか?A1リーグの責任を最低限果たせたか?瀬戸熊として麻雀打てたか?いつも自問自答する。
連盟に入って良かったと思えるのは、僕より強い人が沢山いて、いつも追いかける事が出来ること。
今もまだ道の途中だけど、昔の僕の麻雀は、とても人様に見て頂くような代物でなかった事を考えると、本当に連盟のリーグ戦で培った経験は、お金では買えないほどの価値があると思える。
この日も僕が一番年下で、僕さえしっかり打てば面白い対局になるのは、わかっていた。
如何にしっかり戦えるか。恐ろしいけど、相手の懐に如何に飛び込めるか?
この日は、天運は最初、僕にあった。
1回戦東2局、親。
早い巡目でテンパイ。
三万四万五万五万六万七万三索四索五索八索三筒四筒五筒  ドラ西
仮テン気味の所で、優孝さんから出アガリ。
7,700をアガリ迎えた次局。深い巡目でテンパイ。
五万五万五万七万八万九万二索三索三索三索七索三筒四筒五筒  ドラ七索
二索として、リーチ宣言。巡目も深く、流局してもいい場面。
しかし南家・沢崎さんに、まず現物の二索を切られ、次に危険な六索を切られる。
そして流局かと思われた次巡、七対子の五索単騎をツモられる。
簡単に時間に入らせてもらえない。
そして沢崎さんが、いい感じで迎えた親番。
南家・前原さんからリーチが入る。
捨て牌  ドラ五索
九索 上向き発中五万 上向き六筒 上向き九万 上向き
発四万 上向き四筒 左向き
ガラクタリーチに見える。
沢崎さんが、カン二万をチーして、カン五万の一気通貫のみの500オールで連荘。
沢崎さんのナイスプレーと知るのは試合後だが、度々見られるこの「さ・ば・き」
常に卓全体を見回し、いち早く危険を察知し、迷わず動き、さばききる。
素晴らしいとしか言いようがない。
感じていても、リスクを考えるとなかなか動けないのが僕の現状だ。
前原さんの手牌は、
三索三索三索五索五索五索八索八索八索二筒二筒三筒三筒
であった。二筒は場に2枚切れ。何とも恐ろしい。当然三筒は山生き。
その後、僕に不運な放銃をして、この半荘は厳しいと思われた優孝さんが、前原さんから12,000をアガる。
これで前原さんはラスだなあと考えていると、また復活し、オーラスを迎えると、なんとラス目は一番ツイていただろう僕だった。
なんとかここでアガリ3着で終えるも不安なスタートとなった。
しかし、気持ちは勝負師として騒いでいた。こんな苦しく楽しい場に自分が座っていられる幸運に。
コメントでは人間じゃない者の戦いだ(死神・マムシ・閻魔・・)と書かれていたが、まさにその通りだと思う。
1局ごとに感じる、恐怖や尊敬や安心そして喜びは、瞬間ごとに目まぐるしく襲ってきて、その後は、何度も訪れる逃げ出したい気持ちを押し殺し、A1リーグの麻雀に恥じぬ事だけを考えて頑張った。
なんとかプラスで終えることができた。
自分の出来はわからなかったが、感想戦やブログコメントなどで、対局内容は高評価を頂き、ほっとできた。
連盟チャンネルで行われるリーグ戦は、選手はもちろん、実況、解説、スタッフ全て連盟員の手作りの放送です。
だけど、有料ということは、全ての持ち場にプロの仕事が要求されます。
試合内容、実況、解説、カメラワーク、テロップ、コマーシャル等。
僕は常にどの持ち場でもプロとして、しっかりやる事だけは忘れずに頑張ろうと思います。
そして一番大切なファンの皆様のご意見、ご感想なども是非聞かせて下さい。
競技麻雀の素晴らしさを、もっともっと多くの人に知っていただく為に、これからも頑張ります。
そして今後ともよろしくお願い申し上げます。
                      

第10期女流桜花第6節レポート 中川 由佳梨

皆様、こんにちは!!
日本プロ麻雀連盟23期生、中川由佳梨です。
もうすっかり涼しくなりましたね。食欲の秋!満喫してますか?うちは大満喫してますよ♪
食べるの大好きですからね~!
読書の秋っていうのもあるみたいですが、うちには無縁のことですね・・・。

そんな秋真っ只中の10月14日に、熱い熱い女流桜花最終節の第6節が行われました。

うちのここまでの成績といいますと▲9.2P。

1回戦目の結果によっては、プレーオフを目指せるし、残留狙いで大事にしていかないといけないところ。

そんな今日の対戦相手は・・・

宮内こずえ +132.5P
古谷知美  ▲125.6P
室伏理麻  ▲106.5P

こずえさんはプレーオフ確定やから、今後のために叩きにくるやろなぁ。
他の2人は降級ラインなのでまっすぐ向かってくるやろな。
なんて戦いにくい位置なんや。うち・・・

そしてついに1回戦目スタート!

序盤はリーチなどもかけられたりしたものの、なんとか流局になったのもあり、助かった。
でも、1人ノーテンなど2連続くらったりとかで、めっちゃ苦しい展開が続き、

東4局3本場 西家 ここでついに反撃開始か!?

二万四万五万五万五万四索五索三筒四筒五筒北北北  ドラ三索

よし!マンズ引いたら様子見で、三索引いたら勝負や!
四万が場に2枚切られてるけど高めの三万はある!

って考えているところに、なんと!三索!!!きた~~~~~~~~~~~~~!
なんの迷いもなく二万切りリーチ!

しかし得点がほしい親の室伏。リーチ?
ふ~ん。って感じで攻められ追っかけ

一万二万三万六索七索二筒二筒四筒五筒六筒七筒八筒九筒  リーチ!

そんな2件リーチのなか、古谷もリーチ!

え~。まじかぁ・・・と思いなんとか三万とか贅沢は言わんからなんかツモ牌を!
っと願いツモったのが

一筒 。。 ロン。 発声したのは古谷。

ま・・・まぁ同じ子供やしって思ったのも束の間、手を開けてみれば

一筒一筒二筒三筒三筒四筒四筒五筒五筒六筒七筒八筒九筒

ば・い・ま・ん・・・ がガーン。
16,000は16,900。

はい。もう私ボー然。そりゃそーでしょ!

でもここでメンタルやられたらアカン!って思って頑張ったけど。
細かいミスももちろんあったし展開が悪すぎたりと、終わってみれば▲60.4P。
なんとか2人には追い越されなかったけど、今うちは降級ラインすれすれのボーダー。

残留できたら来年もっと頑張ろう。
もし降級してしまったらその現実を受け入れて、また新たにAリーグに戻れるよう頑張るしかない。

Aリーグにあがれて自分の麻雀も見返せて、ものすごく勉強になったし色々考えられて楽しかったです。
あ~~~~!降級したくない!←(心の声)
ありがとうございました!

 B C

11/4(水)17:00~

和久津晶vs魚谷侑未vs安田麻里菜vs和泉由希子   実況:小車祥 解説:ともたけ雅晴

第8期、9期女流桜花
吾妻 さおり
出身地(東京)

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 プレーオフ 合計
1 宮内 こずえ(愛媛) 106.7 49.6 ▲ 51.5 39.2 ▲ 11.5 26.3 158.8
2 平岡 理恵(静岡) 47.5 10.5 27.7 25.5 ▲ 14.1 32.3 129.4
3 和泉 由希子(東京) 20.6 71.5 ▲ 1.0 47.6 ▲ 12.4 126.3
4 斉藤 理絵(東京) 61.1 ▲ 10.4 78.7 4.5 3.8 ▲ 19.9 117.8
5 二階堂 亜樹 (神奈川) 21.6 36.9 ▲ 42.3 ▲ 6.5 69.9 18.6 98.2
6 二階堂 瑠美(神奈川) 67.0 ▲ 41.2 20.6 34.9 73.4 ▲ 69.7 85.0
7 内田 美乃里(神奈川) 10.9 56.0 25.2 ▲ 34.2 ▲ 11.6 ▲ 19.2 27.1
8 仲田 加南(神奈川) ▲ 15.3 45.1 ▲ 11.5 21.2 ▲ 40.5 20.7 19.7
9 魚谷 侑未(新潟) ▲ 63.8 14.7 ▲ 14.7 14.8 53.3 4.3
10 和久津 晶(東京) 34.1 ▲ 41.7 44.5 ▲ 10.6 ▲ 39.8 ▲ 13.5
11 清水 香織(栃木) 42.9 9.3 ▲ 16.1 ▲ 16.2 ▲ 27.4 ▲ 19.4 ▲ 26.9
12 澤村 明日華(栃木) ▲ 31.9 ▲ 36.6 60.9 38.4 2.7 ▲ 61.7 ▲ 28.2
13 武石 絵里(東京) ▲ 58.8 ▲ 30.4 20.4 ▲ 8.7 ▲ 14.5 39.2 ▲ 52.8
14 中川 由佳梨(大阪) 7.1 39.3 ▲ 11.6 ▲ 13.8 ▲ 30.2 ▲ 60.4 ▲ 69.6
15 南里 はるみ(東京) ▲ 1.1 ▲ 34.5 ▲ 38.5 ▲ 13.2 10.9 ▲ 9.8 ▲ 86.2
16 黒沢 咲(東京) ▲ 69.7 5.4 ▲ 28.7 19.3 ▲ 63.7 49.9 ▲ 87.5
17 古谷 知美(東京) ▲ 44.8 ▲ 66.5 ▲ 13.6 ▲ 32.4 31.7 36.0 ▲ 89.6
18 小宮山 一美(神奈川) ▲ 45.1 ▲ 19.9 ▲ 21.6 ▲ 36.5 ▲ 15.3 38.0 ▲ 100.4
19 室伏 理麻(東京) ▲ 30.4 ▲ 78.5 ▲ 3.9 ▲ 44.2 50.5 ▲ 1.9 ▲ 108.4
20 安田 麻里菜(秋田) ▲ 58.6 18.4 ▲ 24.0 ▲ 29.1 ▲ 16.2 ▲ 109.5

女流プロリーグ(女流桜花) レポート/第10期女流桜花第6節レポート 中川 由佳梨

皆様、こんにちは!!
日本プロ麻雀連盟23期生、中川由佳梨です。
もうすっかり涼しくなりましたね。食欲の秋!満喫してますか?うちは大満喫してますよ♪
食べるの大好きですからね~!
読書の秋っていうのもあるみたいですが、うちには無縁のことですね・・・。
そんな秋真っ只中の10月14日に、熱い熱い女流桜花最終節の第6節が行われました。
うちのここまでの成績といいますと▲9.2P。
1回戦目の結果によっては、プレーオフを目指せるし、残留狙いで大事にしていかないといけないところ。
そんな今日の対戦相手は・・・
宮内こずえ +132.5P
古谷知美  ▲125.6P
室伏理麻  ▲106.5P
こずえさんはプレーオフ確定やから、今後のために叩きにくるやろなぁ。
他の2人は降級ラインなのでまっすぐ向かってくるやろな。
なんて戦いにくい位置なんや。うち・・・
そしてついに1回戦目スタート!
序盤はリーチなどもかけられたりしたものの、なんとか流局になったのもあり、助かった。
でも、1人ノーテンなど2連続くらったりとかで、めっちゃ苦しい展開が続き、
東4局3本場 西家 ここでついに反撃開始か!?
二万四万五万五万五万四索五索三筒四筒五筒北北北  ドラ三索
よし!マンズ引いたら様子見で、三索引いたら勝負や!
四万が場に2枚切られてるけど高めの三万はある!
って考えているところに、なんと!三索!!!きた~~~~~~~~~~~~~!
なんの迷いもなく二万切りリーチ!
しかし得点がほしい親の室伏。リーチ?
ふ~ん。って感じで攻められ追っかけ
一万二万三万六索七索二筒二筒四筒五筒六筒七筒八筒九筒  リーチ!
そんな2件リーチのなか、古谷もリーチ!
え~。まじかぁ・・・と思いなんとか三万とか贅沢は言わんからなんかツモ牌を!
っと願いツモったのが
一筒 。。 ロン。 発声したのは古谷。
ま・・・まぁ同じ子供やしって思ったのも束の間、手を開けてみれば
一筒一筒二筒三筒三筒四筒四筒五筒五筒六筒七筒八筒九筒
ば・い・ま・ん・・・ がガーン。
16,000は16,900。
はい。もう私ボー然。そりゃそーでしょ!
でもここでメンタルやられたらアカン!って思って頑張ったけど。
細かいミスももちろんあったし展開が悪すぎたりと、終わってみれば▲60.4P。
なんとか2人には追い越されなかったけど、今うちは降級ラインすれすれのボーダー。
残留できたら来年もっと頑張ろう。
もし降級してしまったらその現実を受け入れて、また新たにAリーグに戻れるよう頑張るしかない。
Aリーグにあがれて自分の麻雀も見返せて、ものすごく勉強になったし色々考えられて楽しかったです。
あ~~~~!降級したくない!←(心の声)
ありがとうございました!

 B C

11/4(水)17:00~
和久津晶vs魚谷侑未vs安田麻里菜vs和泉由希子   実況:小車祥 解説:ともたけ雅晴

第8期、9期女流桜花
吾妻 さおり
出身地(東京)

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 プレーオフ 合計
1 宮内 こずえ(愛媛) 106.7 49.6 ▲ 51.5 39.2 ▲ 11.5 26.3 158.8
2 平岡 理恵(静岡) 47.5 10.5 27.7 25.5 ▲ 14.1 32.3 129.4
3 和泉 由希子(東京) 20.6 71.5 ▲ 1.0 47.6 ▲ 12.4 126.3
4 斉藤 理絵(東京) 61.1 ▲ 10.4 78.7 4.5 3.8 ▲ 19.9 117.8
5 二階堂 亜樹 (神奈川) 21.6 36.9 ▲ 42.3 ▲ 6.5 69.9 18.6 98.2
6 二階堂 瑠美(神奈川) 67.0 ▲ 41.2 20.6 34.9 73.4 ▲ 69.7 85.0
7 内田 美乃里(神奈川) 10.9 56.0 25.2 ▲ 34.2 ▲ 11.6 ▲ 19.2 27.1
8 仲田 加南(神奈川) ▲ 15.3 45.1 ▲ 11.5 21.2 ▲ 40.5 20.7 19.7
9 魚谷 侑未(新潟) ▲ 63.8 14.7 ▲ 14.7 14.8 53.3 4.3
10 和久津 晶(東京) 34.1 ▲ 41.7 44.5 ▲ 10.6 ▲ 39.8 ▲ 13.5
11 清水 香織(栃木) 42.9 9.3 ▲ 16.1 ▲ 16.2 ▲ 27.4 ▲ 19.4 ▲ 26.9
12 澤村 明日華(栃木) ▲ 31.9 ▲ 36.6 60.9 38.4 2.7 ▲ 61.7 ▲ 28.2
13 武石 絵里(東京) ▲ 58.8 ▲ 30.4 20.4 ▲ 8.7 ▲ 14.5 39.2 ▲ 52.8
14 中川 由佳梨(大阪) 7.1 39.3 ▲ 11.6 ▲ 13.8 ▲ 30.2 ▲ 60.4 ▲ 69.6
15 南里 はるみ(東京) ▲ 1.1 ▲ 34.5 ▲ 38.5 ▲ 13.2 10.9 ▲ 9.8 ▲ 86.2
16 黒沢 咲(東京) ▲ 69.7 5.4 ▲ 28.7 19.3 ▲ 63.7 49.9 ▲ 87.5
17 古谷 知美(東京) ▲ 44.8 ▲ 66.5 ▲ 13.6 ▲ 32.4 31.7 36.0 ▲ 89.6
18 小宮山 一美(神奈川) ▲ 45.1 ▲ 19.9 ▲ 21.6 ▲ 36.5 ▲ 15.3 38.0 ▲ 100.4
19 室伏 理麻(東京) ▲ 30.4 ▲ 78.5 ▲ 3.9 ▲ 44.2 50.5 ▲ 1.9 ▲ 108.4
20 安田 麻里菜(秋田) ▲ 58.6 18.4 ▲ 24.0 ▲ 29.1 ▲ 16.2 ▲ 109.5

ロン2ファン感謝祭in名古屋~第21回リアル麻雀大会~ 高橋 侑希

『プロなら真剣に勝ちにいけ!!』

2015年10月18日
日本プロ麻雀連盟公式オンライン麻雀サイト「ロン2」のリアル大会が行われました。
参加プロ28名。ロン2ユーザー様76名。合計104名という大勢の人で埋め尽くされた会場。

開催地は、名古屋。

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ようけ人がおったでどえりゃあびっくりしたがね!!

…はい!

ロン2ファン感謝祭in名古屋~第21回リアル麻雀大会~
レポートは名古屋在住、高橋侑希が書かせていただきます!

現在ロン2ファン感謝祭は東京・大阪・名古屋の3都市で行われておりますが、大阪と名古屋は隔年開催のため2年ぶりの名古屋開催。
リアル大会は、ロン2では対局しているけれども実際にはなかなか会うことができないファンの方々とも触れ合える…プロたちにとっても貴重な機会なのです♪

ちなみに私は2年前のリアル大会に引き続き受付を担当させていただきました。
受付ではユーザー様ひとりひとりと顔を合わせることができ、
「はじめまして!」「お久しぶりです!」「あなたがあの方でしたか…!」「今日もがんばってね!」
私からも皆様にお声かけができて嬉しかったです!

今回、大会の司会進行を務めてくれたのはこちらのお2人。

100

(左から池沢麻奈美プロ、高橋、佐藤あいりプロ)

佐藤プロの名司会、そしてリアル大会初参加で少し緊張気味な池沢プロの進行により大会は開催されました。

対局前に、森山茂和会長よりご挨拶がありました。

北海道や九州からご参加いただいた方もいらっしゃったらしく、遠方から来られた参加者様にお声かけをした際に、
「こうやって名古屋で大会が開催できるのは名古屋が頑張っているから」
と、運営を行っている中部のプロたちにも温かいお言葉をいただきました。

続きまして中部本部代表の木村東平本部長からのご挨拶です。
一昨年の大会ではプロ勢の成績が振るわなかったからでしょうか。
「ファン感謝祭だからファンの方に良い思いをさせるわけじゃない。プロなら真剣に勝ちに行け!と中部のプロには言ってあるので…」
と、おっしゃるものですから私も含めプロたちには一層気合が入ります!

今回の参加プロはこちらの豪華な方々!!

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森山茂和プロ

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荒正義プロ

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古川孝次プロ

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前原雄大プロ

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藤崎智プロ

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杉浦勘介プロ

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望月雅継プロ

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高宮まりプロ

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小笠原奈央プロ

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東城りおプロ

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山脇千文美プロ

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石田亜沙己プロ

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平岡理恵プロ

そしてin名古屋!
中部のプロ勢もたくさん参加いたしました!

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三戸亮祐プロ

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葛山英樹プロ

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林俊宏プロ

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樋口新プロ

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杉村泰治プロ

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菅野直プロ

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鈴木雄介プロ

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村瀬寛光プロ

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越川清一プロ

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森下剛任プロ

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都築友和プロ

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羽山真生プロ

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佐藤あいりプロ

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池沢麻奈美プロ

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高橋侑希プロ

大会のルールは、一発裏ドラありのロン2道場ルール。
東風戦が3戦、東南戦が2戦の計5戦の成績で競います。

ちなみにロン2リアル大会は5回戦すべて違うプロと対局ができるのです!
参加者様も誰と当たるかわくわくしているのが伝わってきて私も一緒にどきどき…♪

また対局中には「跳満出ましたー!」との声が…。
なんと跳満以上をアガると“跳満賞”としてオリジナルのステッカーがもらえるのです!

さらには、

「役満出ましたー!!」

ユーザー様が四暗刻単騎をアガり、会場内は大変盛り上がっていました!!
こちらの方には写真集の「国士無双」、そして他に役満をアガられた方には2016年度の連盟カレンダーがプレゼントされました♪

対局と対局の合間にはお目当てのプロのサインをもらったり、写真撮影をしたり、お話をしたり…ユーザー様とプロの交流タイムです。
お声掛けいただいたユーザー様とお話ししていると私も緊張がほぐれてきて対局中も楽しく打ち込むことができました。

そして熱い闘牌も終わり、大会もひと段落…といったところで、

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女流プロとのじゃんけん大会が行われました!!

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今回東京より参加いただいた高宮プロ、小笠原プロ、東城プロ、石田プロは「麻雀女子会」のDVDに、
さらに山脇プロを加えたこちらの5名は新しく発売が開始された2016年度の連盟カレンダーに登場する方々!

じゃんけん大会ではそのDVDとカレンダーが賞品として出され、プレゼンターのプロたちより直接手渡されます。
真剣な対局風景とはうってかわって笑い声が上がり、和やかなムードで行われました♪

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楽しい時間はあっという間に終わり、成績発表が行われました。

ユーザー様上位の方には賞品とお好きなプロを指名して記念撮影ができるという特典付き!

1位:好きなプロ5名と記念写真撮影
2位:好きなプロ4名と記念写真撮影
3位:好きなプロ3名と記念写真撮影
4位:好きなプロ2名と記念写真撮影

後日サインを入れての郵送となるということで、とても貴重な一枚です。
ユーザー様の良い思い出となるのではないでしょうか♪

さて、今大会の成績上位者はこちらです。
(連名はプロ統合チームです。)

優勝:野村ヒサトさん
2位:葛山英樹プロ・太田峻也プロ
3位:越川清一プロ・都築友和プロ
4位:おカもんさん
5位:佐藤あいりプロ
6位:アオベンさん
7位:藤崎智プロ
8位:ラロッカさん
9位:おだたかしさん
10位:レッドスターさん
11位:満点スマイルさん
12位:森山茂和プロ
13位:平岡理恵プロ
14位:ミドレンジャーさん
15位:林俊宏プロ
16位:和志さん
17位:杉村泰治プロ
18位:森下剛任プロ
19位:hijk12さん
20位:KOBAKさん
(以下略)

100

ご優勝は野村ヒサトさんでした!
他ご入賞された皆様おめでとうございます!!

ランキングを見るとやはり上位にプロの名前が多く見られました。
ファン感謝祭は、ファンの方々と実際にお会いして交流を楽しむことができる麻雀大会です。
しかし常にプロは真剣に挑みます。
そんなプロとの真剣勝負を実際の牌を握って行える…そういったところもロン2リアル大会の魅力のひとつだと思います!

荒正義副会長の笑い話もありつつ、最後にお言葉をいただき閉会の辞となりました。

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まだ大会にご参加いただいたことのない方も、ぜひプロとの対局をリアルに感じてみてはいかがでしょうか?
リアル大会は毎年、東京・大阪・名古屋の3都市いずれかで行いますので、ロン2で情報をチェックしてくださいね!

この度貴重なお時間をいただき、足を運んでくださった皆様ありがとうございました!!
またロン2で同卓した際にはよろしくお願いいたします♪

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リアル麻雀大会/ロン2ファン感謝祭in名古屋~第21回リアル麻雀大会~ 高橋 侑希

『プロなら真剣に勝ちにいけ!!』
2015年10月18日
日本プロ麻雀連盟公式オンライン麻雀サイト「ロン2」のリアル大会が行われました。
参加プロ28名。ロン2ユーザー様76名。合計104名という大勢の人で埋め尽くされた会場。
開催地は、名古屋。

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ようけ人がおったでどえりゃあびっくりしたがね!!
…はい!
ロン2ファン感謝祭in名古屋~第21回リアル麻雀大会~
レポートは名古屋在住、高橋侑希が書かせていただきます!
現在ロン2ファン感謝祭は東京・大阪・名古屋の3都市で行われておりますが、大阪と名古屋は隔年開催のため2年ぶりの名古屋開催。
リアル大会は、ロン2では対局しているけれども実際にはなかなか会うことができないファンの方々とも触れ合える…プロたちにとっても貴重な機会なのです♪
ちなみに私は2年前のリアル大会に引き続き受付を担当させていただきました。
受付ではユーザー様ひとりひとりと顔を合わせることができ、
「はじめまして!」「お久しぶりです!」「あなたがあの方でしたか…!」「今日もがんばってね!」
私からも皆様にお声かけができて嬉しかったです!
今回、大会の司会進行を務めてくれたのはこちらのお2人。

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(左から池沢麻奈美プロ、高橋、佐藤あいりプロ)

佐藤プロの名司会、そしてリアル大会初参加で少し緊張気味な池沢プロの進行により大会は開催されました。
対局前に、森山茂和会長よりご挨拶がありました。
北海道や九州からご参加いただいた方もいらっしゃったらしく、遠方から来られた参加者様にお声かけをした際に、
「こうやって名古屋で大会が開催できるのは名古屋が頑張っているから」
と、運営を行っている中部のプロたちにも温かいお言葉をいただきました。
続きまして中部本部代表の木村東平本部長からのご挨拶です。
一昨年の大会ではプロ勢の成績が振るわなかったからでしょうか。
「ファン感謝祭だからファンの方に良い思いをさせるわけじゃない。プロなら真剣に勝ちに行け!と中部のプロには言ってあるので…」
と、おっしゃるものですから私も含めプロたちには一層気合が入ります!
今回の参加プロはこちらの豪華な方々!!

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森山茂和プロ

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荒正義プロ

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古川孝次プロ

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前原雄大プロ

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藤崎智プロ

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杉浦勘介プロ

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望月雅継プロ

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高宮まりプロ

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小笠原奈央プロ

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東城りおプロ

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山脇千文美プロ

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石田亜沙己プロ

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平岡理恵プロ

そしてin名古屋!
中部のプロ勢もたくさん参加いたしました!

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三戸亮祐プロ

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葛山英樹プロ

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林俊宏プロ

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樋口新プロ

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杉村泰治プロ

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菅野直プロ

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鈴木雄介プロ

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村瀬寛光プロ

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越川清一プロ

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森下剛任プロ

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都築友和プロ

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羽山真生プロ

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佐藤あいりプロ

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池沢麻奈美プロ

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高橋侑希プロ

大会のルールは、一発裏ドラありのロン2道場ルール。
東風戦が3戦、東南戦が2戦の計5戦の成績で競います。
ちなみにロン2リアル大会は5回戦すべて違うプロと対局ができるのです!
参加者様も誰と当たるかわくわくしているのが伝わってきて私も一緒にどきどき…♪
また対局中には「跳満出ましたー!」との声が…。
なんと跳満以上をアガると“跳満賞”としてオリジナルのステッカーがもらえるのです!
さらには、
「役満出ましたー!!」
ユーザー様が四暗刻単騎をアガり、会場内は大変盛り上がっていました!!
こちらの方には写真集の「国士無双」、そして他に役満をアガられた方には2016年度の連盟カレンダーがプレゼントされました♪
対局と対局の合間にはお目当てのプロのサインをもらったり、写真撮影をしたり、お話をしたり…ユーザー様とプロの交流タイムです。
お声掛けいただいたユーザー様とお話ししていると私も緊張がほぐれてきて対局中も楽しく打ち込むことができました。
そして熱い闘牌も終わり、大会もひと段落…といったところで、

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女流プロとのじゃんけん大会が行われました!!

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今回東京より参加いただいた高宮プロ、小笠原プロ、東城プロ、石田プロは「麻雀女子会」のDVDに、
さらに山脇プロを加えたこちらの5名は新しく発売が開始された2016年度の連盟カレンダーに登場する方々!
じゃんけん大会ではそのDVDとカレンダーが賞品として出され、プレゼンターのプロたちより直接手渡されます。
真剣な対局風景とはうってかわって笑い声が上がり、和やかなムードで行われました♪

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楽しい時間はあっという間に終わり、成績発表が行われました。
ユーザー様上位の方には賞品とお好きなプロを指名して記念撮影ができるという特典付き!
1位:好きなプロ5名と記念写真撮影
2位:好きなプロ4名と記念写真撮影
3位:好きなプロ3名と記念写真撮影
4位:好きなプロ2名と記念写真撮影
後日サインを入れての郵送となるということで、とても貴重な一枚です。
ユーザー様の良い思い出となるのではないでしょうか♪
さて、今大会の成績上位者はこちらです。
(連名はプロ統合チームです。)
優勝:野村ヒサトさん
2位:葛山英樹プロ・太田峻也プロ
3位:越川清一プロ・都築友和プロ
4位:おカもんさん
5位:佐藤あいりプロ
6位:アオベンさん
7位:藤崎智プロ
8位:ラロッカさん
9位:おだたかしさん
10位:レッドスターさん
11位:満点スマイルさん
12位:森山茂和プロ
13位:平岡理恵プロ
14位:ミドレンジャーさん
15位:林俊宏プロ
16位:和志さん
17位:杉村泰治プロ
18位:森下剛任プロ
19位:hijk12さん
20位:KOBAKさん
(以下略)

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ご優勝は野村ヒサトさんでした!
他ご入賞された皆様おめでとうございます!!
ランキングを見るとやはり上位にプロの名前が多く見られました。
ファン感謝祭は、ファンの方々と実際にお会いして交流を楽しむことができる麻雀大会です。
しかし常にプロは真剣に挑みます。
そんなプロとの真剣勝負を実際の牌を握って行える…そういったところもロン2リアル大会の魅力のひとつだと思います!
荒正義副会長の笑い話もありつつ、最後にお言葉をいただき閉会の辞となりました。

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まだ大会にご参加いただいたことのない方も、ぜひプロとの対局をリアルに感じてみてはいかがでしょうか?
リアル大会は毎年、東京・大阪・名古屋の3都市いずれかで行いますので、ロン2で情報をチェックしてくださいね!
この度貴重なお時間をいただき、足を運んでくださった皆様ありがとうございました!!
またロン2で同卓した際にはよろしくお願いいたします♪

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「反撃!」 前田 直哉

10戦目が終わり初日から首位を走っていたが、ついに藤崎プロにその座を奪われた。
大三元…あまりにも大きなアガリであったが、まだ6回戦あったので焦りは無かった。
もちろん楽に勝たせてくれるメンツではないが、逆にその中で戦えている現実に喜びを感じていた。
今日は残り2戦、ここはなんとしても食らいついていこう!

10回戦終了時
藤崎智+83.2P 前田直哉+58.9P 瀬戸熊直樹▲51.9P 勝又健志▲90.2P

11回戦(起家から瀬戸熊、藤崎、前田、勝又)

東2局の私に好配牌が来て、3巡目にはこのような形になった。

三万四万二索三索三索四索五索六索六索七索九索九索七筒  ドラ五筒

もちろん1番の狙いはチンイツである。ここで上家の藤崎プロから五索が切られるが、ここは鳴かずにスルー。
ここまでのツモが良かったのでまだ鳴きたくはなかった。

そして次巡の八索もまだスルー…本音を言えば鳴いて手を進めたいところではあるが、上家の藤崎プロが萬子気配とはいえ1つ仕掛けたらもう鳴かせてくれそうもない。
しかし、さすがに次巡切られた九索にはすかさず反応した。これで対応してくるかと思ったが、次巡も四索を切ってきて真っ向勝負の態勢である。

二索にも五索にも八索にも反応しなかった私の仕掛けが遅いと感じたのだろうか?それともここが勝負所と思ったのだろうか?知るのは本人のみである。
私はこの四索も鳴き、次巡八索を引いてテンパイを入れ、13巡目に三索をツモって2,000・4,000の大きなアガリをものにした。

三索四索五索六索六索七索八索  チー四索 左向き二索 上向き三索 上向き  ポン九索 上向き九索 上向き九索 上向き  ツモ三索  ドラ五筒

そして気持ちよく迎えた親番の東3局、安めではあるものの2,600オールをツモり、持ち点を45,000まで伸ばすことに成功した。
東場はそのまま進み、南1局の瀬戸熊プロの親番となる。
ちなみにこの時の瀬戸熊プロの配牌がこうだ。

二万七万一索七索九索一筒二筒四筒六筒九筒九筒東白中  ドラ二筒

はっきり言ってあまりにも酷い!アガれるイメージすら湧いてこない。
しかしこの手を見事な手順で仕上げてリーチし、これをすぐに引きアガる!

六万七万九索九索二筒二筒二筒四筒五筒六筒七筒八筒九筒  ツモ八万  ドラ二筒

1本場は流局し迎えた南1局2本場、8巡目に私の手がこうなった♪

四万五万六万八万八万四索六索四筒四筒五筒五筒六筒六筒  ドラ六索

ツモれば跳満である!ドラ表示牌なだけにそう簡単には出てきそうにないだろう…そのまま巡目は過ぎ、16巡目に藤崎プロがチー。
その鳴きで私の喉から手が出るほど欲しかった五索が下家に流れた…。もちろんこれは後からわかったことではあるが、おーい!何てことするのですかー!!という気持ちである。
忍者ってそれすらわかってしまう種族なのか?それとも喉から本当に手が出てしまっていたか?(笑)

結局この局は流局し、瀬戸熊プロが連荘して迎えた5本場でまた私に配牌ドラ暗刻のチャンス手が入る。
そして8巡目に選択を迫られる。

三万三万四万一索一索一索四索五索六索二筒二筒三筒九筒九筒  ドラ一索

三万を切るか二筒を切るかの選択だが、場の状況はピンズが物凄く良く見える。
ここは三万を切ってピンズの受け入れを広くしてテンパイだけは逃さない構えにした。
この選択が功を奏し10巡目に二筒引いてリーチ!そして2巡後に二万を持ってきて2,000・4,000の5本場のアガリとなった。
南3局には勝又プロが2,000・4,000をツモるが結局なんとかこの半荘をトップで終えることが出来た。

11回戦成績
前田直哉+25.2P 勝又健志+5.4P 瀬戸熊直樹▲4.6P 藤崎智▲26.0P

11回戦終了時
前田直哉84.1P 藤崎智+57.2P 瀬戸熊直樹▲56.5P 勝又健志▲84.8P

これでまたなんとか首位に立つことが出来たがそんなことはまだどうでも良かった。
次の半荘が終わればしばらく気持ちを休めることが出来る。とにかく最終日に繋がる麻雀をしよう!そう心に言い聞かせた。

12回戦(起家から勝又、瀬戸熊、藤崎、前田)

ここまでの戦いでは先制のアガリを決めることが多く、気持ちでも焦りなく優位に戦うことが出来ているように思う。
そしてこの開局でも好配牌を貰う。

四万五万七万九万二索四索五索九索二筒四筒五筒六筒西  ドラ五筒

三色も見え、ドラメンツも既に出来ている。
あとはツモ次第といったところであったが、6巡目には最高形へと育っていた。

四万五万六万四索五索二筒二筒三筒四筒四筒五筒五筒六筒  ドラ六筒

高目なら出アガリでも跳満である!
ここは安めではあったが、7,700をアガリまたもや好スタートを切ることが出来た。

東2局では勝又プロがドラをポンしてこの形。

三万三万三万七万七万八万八万七索七索七索  ポン五筒 上向き五筒 上向き五筒 上向き  ドラ五筒

親の瀬戸熊プロが七万七万八万からどちらを切るかの選択で八万を選んで勝又プロの12,000のアガリとなった。
どちらもアタリ牌ではあったが、七万を選択していればドラを切ってテンパイを入れていた藤崎プロにピンフの頭ハネで済んでいただけに痛い放銃であっただろう。

しかし、瀬戸熊プロはどんな状況でも1度波に乗ってしまえば何かを起こすだけの力を持っている。
そして次局にはその瀬戸熊プロからリーチが入る。
捨て牌はかなり派手になっており、かなり七対子が本線に見えるのでドラだけは絶対に切れない…そう感じていたのだが、2つ仕掛けを入れていた親番の藤崎プロが長考の末に切り出したのはドラの九筒であった。

結果は、瀬戸熊プロが七対子ドラドラの8,000のアガリであったが、藤崎プロがドラを切ったことにかなり驚いたのを今でも憶えている。
後に聞いた話だが、ここまでの展開でそうそうテンパイが入るチャンスは無いだろうと…だからこの親番は多少無理してでも勝負に行ったとのことであった。
これが他の人が言うと、あのドラだけは無謀でしょ?って思うのだが、藤崎プロが言うと、なるほど…そういう考えもあるのだなあと思えてしまう。

まあこれだけの実績と経験がそう思わせることは言うまでもない。
その後の局は穏やかに進み、南2局では勝又プロが2,000・4,000をツモって、持ち点を50,000点まで伸ばした。
そうかと思えば、今度は藤崎プロが七対子ドラドラの9,600をアガってあっという間の原点復帰を果たす。

そして南3局2本場の6巡目、私の手牌はこうなった。

一索一索二索二索三索四索五索六索七索八索南発発  ドラ九筒

一索が1枚切れで仕掛けるにもかなり迷う形である。
ここから発をポンするのも微妙であるし、連荘している親が藤崎プロであることを考えれば三索をチーして連荘を止める選択はあったであろう。
しかし私の考えでは迷うくらいなら何も仕掛けない!そう決めていた。

そして2巡後には九索を持ってきて、さらに次巡にはあっさりと三索をツモ!!3,000・6000の2本場で大きなアガリをものにした。

一索一索二索二索三索四索五索六索七索八索九索発発  ツモ三索  ドラ九筒

結局このアガリが決め手となり、この半荘もトップで終えることが出来た。

12回戦成績
前田直哉+28.9P 勝又健志+13.5P 藤崎智▲9.3P 瀬戸熊直樹▲33.1P

12回戦終了時
前田直哉+113.0P 藤崎智+47.9P 勝又健志▲71.3P 瀬戸熊直樹▲89.6P

1度は逆転されたが終わってみれば申し分ない結果となった。
これでいよいよ残されるは最終日の4回戦のみである。

とりあえずはこの緊張感から解放されることが嬉しかった。
しかしリードした状態で過ごすこの1週間は物凄いプレッシャーを感じるのかもしれない…一旦忘れようとしても気付けば最終日のことを考えてしまうのかもしれない。
でもそれもまた経験であり、この貴重な経験を味わえることを喜ぼう!と、もう一人の自分が私に言い聞かせた。
帰路の途中、長かった1日を思い出し、ホッとした顔で空を見上げていた。
全てが終わった時の私はどんな顔で空を見上げているだろうか…

次回予告
「揺らぐ気持ち」

追伸
正直に言うと…私は今まで本というものを1冊も読んだことがない。
あ!漫画や写真の類は除く(笑)したがって文を書くことは得意ではないし、気の利いた言葉も思い浮かばない。
それでも今までこの鳳凰の部屋を読んでくださっている皆さんには本当に感謝しています。
かと言って、今更本を読む気も無いのでこれ以上の期待はしないでくださいね♪

鳳凰の部屋/「反撃!」 前田 直哉

10戦目が終わり初日から首位を走っていたが、ついに藤崎プロにその座を奪われた。
大三元…あまりにも大きなアガリであったが、まだ6回戦あったので焦りは無かった。
もちろん楽に勝たせてくれるメンツではないが、逆にその中で戦えている現実に喜びを感じていた。
今日は残り2戦、ここはなんとしても食らいついていこう!
10回戦終了時
藤崎智+83.2P 前田直哉+58.9P 瀬戸熊直樹▲51.9P 勝又健志▲90.2P
11回戦(起家から瀬戸熊、藤崎、前田、勝又)
東2局の私に好配牌が来て、3巡目にはこのような形になった。
三万四万二索三索三索四索五索六索六索七索九索九索七筒  ドラ五筒
もちろん1番の狙いはチンイツである。ここで上家の藤崎プロから五索が切られるが、ここは鳴かずにスルー。
ここまでのツモが良かったのでまだ鳴きたくはなかった。
そして次巡の八索もまだスルー…本音を言えば鳴いて手を進めたいところではあるが、上家の藤崎プロが萬子気配とはいえ1つ仕掛けたらもう鳴かせてくれそうもない。
しかし、さすがに次巡切られた九索にはすかさず反応した。これで対応してくるかと思ったが、次巡も四索を切ってきて真っ向勝負の態勢である。
二索にも五索にも八索にも反応しなかった私の仕掛けが遅いと感じたのだろうか?それともここが勝負所と思ったのだろうか?知るのは本人のみである。
私はこの四索も鳴き、次巡八索を引いてテンパイを入れ、13巡目に三索をツモって2,000・4,000の大きなアガリをものにした。
三索四索五索六索六索七索八索  チー四索 左向き二索 上向き三索 上向き  ポン九索 上向き九索 上向き九索 上向き  ツモ三索  ドラ五筒
そして気持ちよく迎えた親番の東3局、安めではあるものの2,600オールをツモり、持ち点を45,000まで伸ばすことに成功した。
東場はそのまま進み、南1局の瀬戸熊プロの親番となる。
ちなみにこの時の瀬戸熊プロの配牌がこうだ。
二万七万一索七索九索一筒二筒四筒六筒九筒九筒東白中  ドラ二筒
はっきり言ってあまりにも酷い!アガれるイメージすら湧いてこない。
しかしこの手を見事な手順で仕上げてリーチし、これをすぐに引きアガる!
六万七万九索九索二筒二筒二筒四筒五筒六筒七筒八筒九筒  ツモ八万  ドラ二筒
1本場は流局し迎えた南1局2本場、8巡目に私の手がこうなった♪
四万五万六万八万八万四索六索四筒四筒五筒五筒六筒六筒  ドラ六索
ツモれば跳満である!ドラ表示牌なだけにそう簡単には出てきそうにないだろう…そのまま巡目は過ぎ、16巡目に藤崎プロがチー。
その鳴きで私の喉から手が出るほど欲しかった五索が下家に流れた…。もちろんこれは後からわかったことではあるが、おーい!何てことするのですかー!!という気持ちである。
忍者ってそれすらわかってしまう種族なのか?それとも喉から本当に手が出てしまっていたか?(笑)
結局この局は流局し、瀬戸熊プロが連荘して迎えた5本場でまた私に配牌ドラ暗刻のチャンス手が入る。
そして8巡目に選択を迫られる。
三万三万四万一索一索一索四索五索六索二筒二筒三筒九筒九筒  ドラ一索
三万を切るか二筒を切るかの選択だが、場の状況はピンズが物凄く良く見える。
ここは三万を切ってピンズの受け入れを広くしてテンパイだけは逃さない構えにした。
この選択が功を奏し10巡目に二筒引いてリーチ!そして2巡後に二万を持ってきて2,000・4,000の5本場のアガリとなった。
南3局には勝又プロが2,000・4,000をツモるが結局なんとかこの半荘をトップで終えることが出来た。
11回戦成績
前田直哉+25.2P 勝又健志+5.4P 瀬戸熊直樹▲4.6P 藤崎智▲26.0P
11回戦終了時
前田直哉84.1P 藤崎智+57.2P 瀬戸熊直樹▲56.5P 勝又健志▲84.8P
これでまたなんとか首位に立つことが出来たがそんなことはまだどうでも良かった。
次の半荘が終わればしばらく気持ちを休めることが出来る。とにかく最終日に繋がる麻雀をしよう!そう心に言い聞かせた。
12回戦(起家から勝又、瀬戸熊、藤崎、前田)
ここまでの戦いでは先制のアガリを決めることが多く、気持ちでも焦りなく優位に戦うことが出来ているように思う。
そしてこの開局でも好配牌を貰う。
四万五万七万九万二索四索五索九索二筒四筒五筒六筒西  ドラ五筒
三色も見え、ドラメンツも既に出来ている。
あとはツモ次第といったところであったが、6巡目には最高形へと育っていた。
四万五万六万四索五索二筒二筒三筒四筒四筒五筒五筒六筒  ドラ六筒
高目なら出アガリでも跳満である!
ここは安めではあったが、7,700をアガリまたもや好スタートを切ることが出来た。
東2局では勝又プロがドラをポンしてこの形。
三万三万三万七万七万八万八万七索七索七索  ポン五筒 上向き五筒 上向き五筒 上向き  ドラ五筒
親の瀬戸熊プロが七万七万八万からどちらを切るかの選択で八万を選んで勝又プロの12,000のアガリとなった。
どちらもアタリ牌ではあったが、七万を選択していればドラを切ってテンパイを入れていた藤崎プロにピンフの頭ハネで済んでいただけに痛い放銃であっただろう。
しかし、瀬戸熊プロはどんな状況でも1度波に乗ってしまえば何かを起こすだけの力を持っている。
そして次局にはその瀬戸熊プロからリーチが入る。
捨て牌はかなり派手になっており、かなり七対子が本線に見えるのでドラだけは絶対に切れない…そう感じていたのだが、2つ仕掛けを入れていた親番の藤崎プロが長考の末に切り出したのはドラの九筒であった。
結果は、瀬戸熊プロが七対子ドラドラの8,000のアガリであったが、藤崎プロがドラを切ったことにかなり驚いたのを今でも憶えている。
後に聞いた話だが、ここまでの展開でそうそうテンパイが入るチャンスは無いだろうと…だからこの親番は多少無理してでも勝負に行ったとのことであった。
これが他の人が言うと、あのドラだけは無謀でしょ?って思うのだが、藤崎プロが言うと、なるほど…そういう考えもあるのだなあと思えてしまう。
まあこれだけの実績と経験がそう思わせることは言うまでもない。
その後の局は穏やかに進み、南2局では勝又プロが2,000・4,000をツモって、持ち点を50,000点まで伸ばした。
そうかと思えば、今度は藤崎プロが七対子ドラドラの9,600をアガってあっという間の原点復帰を果たす。
そして南3局2本場の6巡目、私の手牌はこうなった。
一索一索二索二索三索四索五索六索七索八索南発発  ドラ九筒
一索が1枚切れで仕掛けるにもかなり迷う形である。
ここから発をポンするのも微妙であるし、連荘している親が藤崎プロであることを考えれば三索をチーして連荘を止める選択はあったであろう。
しかし私の考えでは迷うくらいなら何も仕掛けない!そう決めていた。
そして2巡後には九索を持ってきて、さらに次巡にはあっさりと三索をツモ!!3,000・6000の2本場で大きなアガリをものにした。
一索一索二索二索三索四索五索六索七索八索九索発発  ツモ三索  ドラ九筒
結局このアガリが決め手となり、この半荘もトップで終えることが出来た。
12回戦成績
前田直哉+28.9P 勝又健志+13.5P 藤崎智▲9.3P 瀬戸熊直樹▲33.1P
12回戦終了時
前田直哉+113.0P 藤崎智+47.9P 勝又健志▲71.3P 瀬戸熊直樹▲89.6P
1度は逆転されたが終わってみれば申し分ない結果となった。
これでいよいよ残されるは最終日の4回戦のみである。
とりあえずはこの緊張感から解放されることが嬉しかった。
しかしリードした状態で過ごすこの1週間は物凄いプレッシャーを感じるのかもしれない…一旦忘れようとしても気付けば最終日のことを考えてしまうのかもしれない。
でもそれもまた経験であり、この貴重な経験を味わえることを喜ぼう!と、もう一人の自分が私に言い聞かせた。
帰路の途中、長かった1日を思い出し、ホッとした顔で空を見上げていた。
全てが終わった時の私はどんな顔で空を見上げているだろうか…
次回予告
「揺らぐ気持ち」
追伸
正直に言うと…私は今まで本というものを1冊も読んだことがない。
あ!漫画や写真の類は除く(笑)したがって文を書くことは得意ではないし、気の利いた言葉も思い浮かばない。
それでも今までこの鳳凰の部屋を読んでくださっている皆さんには本当に感謝しています。
かと言って、今更本を読む気も無いのでこれ以上の期待はしないでくださいね♪

第130回:プロ雀士インタビュー 二階堂 亜樹 インタビュアー:勝又 健志

麻雀トライアスロン雀豪決定戦は、今回の第6回大会から全対局が日本プロ麻雀連盟チャンネルで生放送された。
その中で、予選、準々決勝、準決勝とまさに完勝という内容で勝ち進んでいった女流プロがいた。
それが、二階堂亜樹。

常に女流プロのトップを走り続けてきた彼女は、第6回大会にして女性初の決勝戦進出を成し遂げた。
そして、決勝戦ではギリギリの戦いを見事に制して優勝。
その優勝インタビューを予選から実況を務めさせて頂いた、私勝又がお送りします。

100

勝又「優勝おめでとう!」

亜樹「ありがとう」

勝又「どう?やっぱり決勝戦はかなり緊張したの?」

亜樹「全くー。山井さんは何度も対戦したことあるし、藤田さん、中村さんは、予選準決勝と試合を見て、すごく強いこと知ってたから、自分にできることを精一杯やろうってそれだけだったよ。」

勝又「あんな大舞台でも緊張しないの?すごいね。確かに、藤田さんも中村さんも手順は当然として、勝負所を見極める力は抜群だったもんね。」

亜樹「だから、自分がリードしてるパターンだったり、追いかけてるパターンだったり、色々戦い方は考えていったよ。」

勝又「おーかなり興味深い話。具体的にどんなこと考えてたの?」

亜樹「んー、簡単に言うと、3人とも半荘戦は特に強いからリードされても無理はせず、3人麻雀で勝負って思ってたよ。」

勝又「やっぱり3人麻雀はポイントになるもんね。」

亜樹「それもだけど、私は結構3人麻雀もしてきてるから、3人麻雀の打荘数なら一番だろうし、最後にそれが生かせる局面がくるんじゃないかなーとも思ってたよ。」

勝又「何年も前だけど、よく3人麻雀も一緒にやったよね。」

亜樹「だから、3人麻雀では自信を持って戦うことができたかな。」

勝又「それが、優勝へとつながったんだね。」

亜樹「優勝できたことはほんとに嬉しいよ。なんかねこれまで『初』ってことに結構縁があったから、今回も女性初優勝できないかなーなんて思ってた(笑)」

勝又「じゃぁ試合について。初めの東風戦でラスだったけど、その時はどんな心境だったの?」

亜樹「何とも思ってなかったよ(笑)。ラスかー。次の半荘戦もラスだときついから頑張ろくらい。最初と同じで、自分にできることをしっかりやらなきゃって感じだったね。」

勝又「そーだよね。東風戦は、自身がミスをしたってわけじゃなくて、相手に良い麻雀されたからっていうラスだったもんね。」

亜樹「うん。だから、自分も頑張って良い麻雀できればきっとチャンスはあるって思ってた。」

勝又「その気持ちが半荘戦での見事なアガリに結びついたんだね。」

 

100

勝又「この手牌から、八筒切ってシャンポンでのリーチにいったんだよね。これはどういう考えでの選択だったの?」

亜樹「まず一番の理由は、ドラ切りリーチにいったとしても、六筒九筒はほぼ打ち出されることのない牌だってことかな。というか、おそらくみなさんオリを選択するんじゃないかなって考えたんだよね。」

勝又「なるほど。だから、打点と相手の手が詰まった時の万が一の西のこぼれを狙ったってことだ。」

亜樹「そうそう。それに、六筒九筒ってそんなに枚数が残ってるかと言われると、シャンポンとあんまり変わらないんじゃないかなーって思ったし。」

勝又「確か実際には同じ枚数だったんだよね。それで、六筒九筒よりも先に西をツモって4,000オール。これはめっちゃ感触いいよね。」

亜樹「嬉しいアガリだったー。これで3人麻雀までチャンスがつながったーってね。」

勝又「読みと結果がばっちりマッチした、ほんと見事な1局だったよね。参考になるわー。」

亜樹「ありがと(笑)。」

勝又「それで、半荘戦が終わって、山井さん+22.9P亜樹+9.9P藤田さん▲6.0P中村さん▲26.8Pだったけど、どう思ってたの?」

亜樹「これくらいの差は3人麻雀ではあってないようなもんだから、トップとった人が優勝だなーって。最後までしっかり打ち切ろうって感じかな。」

勝又「3人麻雀になってからちょっと攻撃的な手組に変化した印象あったんだけど、意識的にそうしてたの?」

亜樹「これまで3人麻雀してきた経験っていうか感覚で、少し攻撃的にバランスを変えた方がいい結果が出るって思ってるから、そこは意識的にバランスを変えてたよ。」

勝又「そういった自在性も優勝につながった要因なんだね。」

亜樹「んーでも、やっぱり幸運に恵まれてたなーって思うけど(笑)。」

勝又「優勝を意識した瞬間ってどの辺だったかな?」

亜樹「ずっと小場で進んでたから、常にチャンスはあるかなって思ってたけど。」

勝又「西4局にアガったメンホンは大きかったよね。」

亜樹「あれは大きかったー。配牌が良くてすんなりテンパイしてリーチにいけたんだけど、中々ツモアガれなくて、流局も覚悟してたところだったからね。」

勝又「山井さんが、中村さんの国士警戒して、共通安全牌がなくなったんだよね。」

亜樹「そういうところもかなり展開に恵まれてたなと。でも、次局に山井さんが9,000オールのアガリでやっぱり簡単には勝たせてくれませんよねって思ってたんだよね(笑)。」

勝又「でも、返り東1局、オーラスと自らアガリ切って見事女性初優勝と。結果もだけど、内容もすごくいい試合で、ほんとすごいの一言だよね。」

亜樹「ありがとう。今回優勝できたことは嬉しいだけじゃなくて、自分の麻雀の良いところも悪いところも改めて考えることもできたのね。それで、もっともっと麻雀を勉強して強くなりたいと思った。」

勝又「勝ってなお上を目指す。かっこいいね。」

亜樹「そりゃそうでしょー(笑)。」

勝又「それでは、最後に今後の目標を聞かせてください。」

亜樹「大きな目標は鳳凰位。でも、今期のリーグ戦はポイント的に苦しい状況なんで、残留目指してしっかり戦うこと。それで来期はA1への昇級。後、女流桜花。まだ決定戦までのポイントには足りてないけど、十分チャンスはあるから、上を目指して精一杯戦う。」

勝又「今日は色々貴重な話をありがとう。」

女流プロのトップを走り続けている二階堂亜樹。その実績から実力は当然折り紙付き。
その実力を支えているのは、大舞台でも自身の麻雀を打ち切れる精神力と、常に上を見続ける向上心にあるのかもしれない。
これからの活躍も目が離せない。

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プロ雀士インタビュー/第130回:プロ雀士インタビュー 二階堂 亜樹 インタビュアー:勝又 健志

麻雀トライアスロン雀豪決定戦は、今回の第6回大会から全対局が日本プロ麻雀連盟チャンネルで生放送された。
その中で、予選、準々決勝、準決勝とまさに完勝という内容で勝ち進んでいった女流プロがいた。
それが、二階堂亜樹。
常に女流プロのトップを走り続けてきた彼女は、第6回大会にして女性初の決勝戦進出を成し遂げた。
そして、決勝戦ではギリギリの戦いを見事に制して優勝。
その優勝インタビューを予選から実況を務めさせて頂いた、私勝又がお送りします。

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勝又「優勝おめでとう!」
亜樹「ありがとう」
勝又「どう?やっぱり決勝戦はかなり緊張したの?」
亜樹「全くー。山井さんは何度も対戦したことあるし、藤田さん、中村さんは、予選準決勝と試合を見て、すごく強いこと知ってたから、自分にできることを精一杯やろうってそれだけだったよ。」
勝又「あんな大舞台でも緊張しないの?すごいね。確かに、藤田さんも中村さんも手順は当然として、勝負所を見極める力は抜群だったもんね。」
亜樹「だから、自分がリードしてるパターンだったり、追いかけてるパターンだったり、色々戦い方は考えていったよ。」
勝又「おーかなり興味深い話。具体的にどんなこと考えてたの?」
亜樹「んー、簡単に言うと、3人とも半荘戦は特に強いからリードされても無理はせず、3人麻雀で勝負って思ってたよ。」
勝又「やっぱり3人麻雀はポイントになるもんね。」
亜樹「それもだけど、私は結構3人麻雀もしてきてるから、3人麻雀の打荘数なら一番だろうし、最後にそれが生かせる局面がくるんじゃないかなーとも思ってたよ。」
勝又「何年も前だけど、よく3人麻雀も一緒にやったよね。」
亜樹「だから、3人麻雀では自信を持って戦うことができたかな。」
勝又「それが、優勝へとつながったんだね。」
亜樹「優勝できたことはほんとに嬉しいよ。なんかねこれまで『初』ってことに結構縁があったから、今回も女性初優勝できないかなーなんて思ってた(笑)」
勝又「じゃぁ試合について。初めの東風戦でラスだったけど、その時はどんな心境だったの?」
亜樹「何とも思ってなかったよ(笑)。ラスかー。次の半荘戦もラスだときついから頑張ろくらい。最初と同じで、自分にできることをしっかりやらなきゃって感じだったね。」
勝又「そーだよね。東風戦は、自身がミスをしたってわけじゃなくて、相手に良い麻雀されたからっていうラスだったもんね。」
亜樹「うん。だから、自分も頑張って良い麻雀できればきっとチャンスはあるって思ってた。」
勝又「その気持ちが半荘戦での見事なアガリに結びついたんだね。」
 
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勝又「この手牌から、八筒切ってシャンポンでのリーチにいったんだよね。これはどういう考えでの選択だったの?」
亜樹「まず一番の理由は、ドラ切りリーチにいったとしても、六筒九筒はほぼ打ち出されることのない牌だってことかな。というか、おそらくみなさんオリを選択するんじゃないかなって考えたんだよね。」
勝又「なるほど。だから、打点と相手の手が詰まった時の万が一の西のこぼれを狙ったってことだ。」
亜樹「そうそう。それに、六筒九筒ってそんなに枚数が残ってるかと言われると、シャンポンとあんまり変わらないんじゃないかなーって思ったし。」
勝又「確か実際には同じ枚数だったんだよね。それで、六筒九筒よりも先に西をツモって4,000オール。これはめっちゃ感触いいよね。」
亜樹「嬉しいアガリだったー。これで3人麻雀までチャンスがつながったーってね。」
勝又「読みと結果がばっちりマッチした、ほんと見事な1局だったよね。参考になるわー。」
亜樹「ありがと(笑)。」
勝又「それで、半荘戦が終わって、山井さん+22.9P亜樹+9.9P藤田さん▲6.0P中村さん▲26.8Pだったけど、どう思ってたの?」
亜樹「これくらいの差は3人麻雀ではあってないようなもんだから、トップとった人が優勝だなーって。最後までしっかり打ち切ろうって感じかな。」
勝又「3人麻雀になってからちょっと攻撃的な手組に変化した印象あったんだけど、意識的にそうしてたの?」
亜樹「これまで3人麻雀してきた経験っていうか感覚で、少し攻撃的にバランスを変えた方がいい結果が出るって思ってるから、そこは意識的にバランスを変えてたよ。」
勝又「そういった自在性も優勝につながった要因なんだね。」
亜樹「んーでも、やっぱり幸運に恵まれてたなーって思うけど(笑)。」
勝又「優勝を意識した瞬間ってどの辺だったかな?」
亜樹「ずっと小場で進んでたから、常にチャンスはあるかなって思ってたけど。」
勝又「西4局にアガったメンホンは大きかったよね。」
亜樹「あれは大きかったー。配牌が良くてすんなりテンパイしてリーチにいけたんだけど、中々ツモアガれなくて、流局も覚悟してたところだったからね。」
勝又「山井さんが、中村さんの国士警戒して、共通安全牌がなくなったんだよね。」
亜樹「そういうところもかなり展開に恵まれてたなと。でも、次局に山井さんが9,000オールのアガリでやっぱり簡単には勝たせてくれませんよねって思ってたんだよね(笑)。」
勝又「でも、返り東1局、オーラスと自らアガリ切って見事女性初優勝と。結果もだけど、内容もすごくいい試合で、ほんとすごいの一言だよね。」
亜樹「ありがとう。今回優勝できたことは嬉しいだけじゃなくて、自分の麻雀の良いところも悪いところも改めて考えることもできたのね。それで、もっともっと麻雀を勉強して強くなりたいと思った。」
勝又「勝ってなお上を目指す。かっこいいね。」
亜樹「そりゃそうでしょー(笑)。」
勝又「それでは、最後に今後の目標を聞かせてください。」
亜樹「大きな目標は鳳凰位。でも、今期のリーグ戦はポイント的に苦しい状況なんで、残留目指してしっかり戦うこと。それで来期はA1への昇級。後、女流桜花。まだ決定戦までのポイントには足りてないけど、十分チャンスはあるから、上を目指して精一杯戦う。」
勝又「今日は色々貴重な話をありがとう。」
女流プロのトップを走り続けている二階堂亜樹。その実績から実力は当然折り紙付き。
その実力を支えているのは、大舞台でも自身の麻雀を打ち切れる精神力と、常に上を見続ける向上心にあるのかもしれない。
これからの活躍も目が離せない。

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第32期A2リーグ第7節レポート ダンプ 大橋

皆様こんにちは。
段々と寒さを感じる様な季節となってきましたが、例年通り降級の見える寒い位置のダンプでございます。

今回の対戦相手は藤原、刀川、白鳥の3人。
ポイント的に刀川、白鳥は自分の下に位置しているので、自分が沈んで、この2者が浮くような展開になろうものなら冬を待たずして凍え死んでしまいそうな心境となる事でしょう。

先に結果を書きますと、自分は+20Pでトータルプラス域に復活。
降級ボーダーにいた刀川が大きくマイナスする展開となったので、一先ずは降級ポジションから脱出といったところでしょうか。

まだまだ下を見る事は止められませんが、来月もプラスが出来るようであれば、今季は安泰といったところでしょうか。
逆に刀川、白鳥は▲100Pオーバーで後3節。
一度も親番を無駄にできない戦いが続くことでしょう。

さて、今回気になった局というか反響が大きかった局が1つありまして、

2回戦東3局1本場 ドラは中

親の藤原がこんな捨て牌の7巡目リーチ

一万 上向き発二筒 上向き白一筒 上向き八万 上向き七筒 左向き

これに対して東をカンしている北家・白鳥が一発でドラの中打ち。

白鳥捨て牌
一索 上向き二万 上向き二索 上向き白二万 上向き九万 上向き中

そして困るのは自分

三万三万四万二索二索七索七索八索八索九索三筒四筒九筒  ツモ五万

本当ならベタオリをしたいところなんですが、生憎と2人の現物は1枚もない状況。
取り合えず藤原のリーチの一発目は七筒を切ったのですが、そこに白鳥の中切り。しかもリーチ無し。

ドラを切った以上、白鳥はテンパイ濃厚。
ただ気になるのはヤミにしている事。

大体こういう時って親の現物でテンパイしている事が多いのですが、今回は東の暗カンが入っています。
競技ルールにおいて役牌の暗カンは非常に強いです。
リーチしてツモれば満貫相当のアガリになるわけですから。

そんな暗カンをしていてヤミという事は、現物でしかも高打点のテンパイが入っているのでは?と考えるのも自然なことで…

白鳥のドラ切りがなければ中スジを追っての打四筒なのですが、今回に限ってはその四筒は非常に白鳥に対して危険です。
しかも安牌の少ない手牌でのオリ打ちは非常にバカらしく。

というわけで真っ直ぐ九筒としたところ、

六万七万八万三索四索五索九索九索九索七筒八筒中中

藤原の7,700に飛び込んでしまいましたとさ。

ちなみに後で確認したらその時の白鳥の手は

二万三万四万六万七万六索六索五筒六筒六筒  暗カン牌の背東東牌の背

テンパってなかったのでしたとさ。

プロリーグ(鳳凰戦)レポート/第32期A2リーグ第7節レポート ダンプ 大橋

皆様こんにちは。
段々と寒さを感じる様な季節となってきましたが、例年通り降級の見える寒い位置のダンプでございます。
今回の対戦相手は藤原、刀川、白鳥の3人。
ポイント的に刀川、白鳥は自分の下に位置しているので、自分が沈んで、この2者が浮くような展開になろうものなら冬を待たずして凍え死んでしまいそうな心境となる事でしょう。
先に結果を書きますと、自分は+20Pでトータルプラス域に復活。
降級ボーダーにいた刀川が大きくマイナスする展開となったので、一先ずは降級ポジションから脱出といったところでしょうか。
まだまだ下を見る事は止められませんが、来月もプラスが出来るようであれば、今季は安泰といったところでしょうか。
逆に刀川、白鳥は▲100Pオーバーで後3節。
一度も親番を無駄にできない戦いが続くことでしょう。
さて、今回気になった局というか反響が大きかった局が1つありまして、
2回戦東3局1本場 ドラは中
親の藤原がこんな捨て牌の7巡目リーチ
一万 上向き発二筒 上向き白一筒 上向き八万 上向き七筒 左向き
これに対して東をカンしている北家・白鳥が一発でドラの中打ち。
白鳥捨て牌
一索 上向き二万 上向き二索 上向き白二万 上向き九万 上向き中
そして困るのは自分
三万三万四万二索二索七索七索八索八索九索三筒四筒九筒  ツモ五万
本当ならベタオリをしたいところなんですが、生憎と2人の現物は1枚もない状況。
取り合えず藤原のリーチの一発目は七筒を切ったのですが、そこに白鳥の中切り。しかもリーチ無し。
ドラを切った以上、白鳥はテンパイ濃厚。
ただ気になるのはヤミにしている事。
大体こういう時って親の現物でテンパイしている事が多いのですが、今回は東の暗カンが入っています。
競技ルールにおいて役牌の暗カンは非常に強いです。
リーチしてツモれば満貫相当のアガリになるわけですから。
そんな暗カンをしていてヤミという事は、現物でしかも高打点のテンパイが入っているのでは?と考えるのも自然なことで…
白鳥のドラ切りがなければ中スジを追っての打四筒なのですが、今回に限ってはその四筒は非常に白鳥に対して危険です。
しかも安牌の少ない手牌でのオリ打ちは非常にバカらしく。
というわけで真っ直ぐ九筒としたところ、
六万七万八万三索四索五索九索九索九索七筒八筒中中
藤原の7,700に飛び込んでしまいましたとさ。
ちなみに後で確認したらその時の白鳥の手は
二万三万四万六万七万六索六索五筒六筒六筒  暗カン牌の背東東牌の背
テンパってなかったのでしたとさ。

第105回『サバキの神髄⑩サバキの構想(最終回)』 荒 正義

ときに放つ一打には、相手をドキリとさせる強烈なインパクトが必要である。

(なんだ、その牌は!)
(どうした、そのリーチは!)

相手の驚きと衝撃。そしてそれに反応し、相手はこちらの意図と理由を推理し、対応する。ここにサバキの余地が生まれるのだ。

あれは第32期鳳凰戦・第7節の1回戦のときだった。

100

(あら・古川・藤崎・近藤)

残りのツモは1回限りだ。三万五万を打てばテンパイである。オヤだからテンパイが欲しいのは当然。
だが、気になるのは対面の藤崎の河だ。一万東が手出しなのだ。
河からマンズの染め手の狙いは歴然。ただし、テンパイかどうか普通はわからない。

しかし、一万切りのとき少し間があった。
これはマチではなく、打牌の選択に迷ったためだろう。
ところが、次の安全そうな東切りはノータイムだ。この時間差から、私は彼の手をテンパイと読んだ。

なぜなら藤崎は、大局観に明るく決断力が早い。
ツモる以前に打牌と構えは決めてある。だから迷いがないのだ。
彼の打牌が、淀みなく流れる川のように美しいのはこのためである。

だがその分、テンパイのときは手出しであろうとツモ切りであろうと、通常より打牌が一瞬早くなる。
これが私が見た、藤崎のたった一つのキズである。だから、その読みは確信に近かった。

ならばここは三筒八筒を切り、次のツモでピンズの雀頭ができたらテンパイを組む。これが安全で普通の応手だ。
しかし、私は今年のプロリーグの調子が悪く、下から3番目の降級水域にいる。
今日こそ勝って、ここから脱する必要があったのだ。

だからここで、三万切りの勝負と出た。
リーチをかけたのは、相手に強いインパクトを与えるためである。
これがいわば、噂のガラリーである。

一万二万三万五万四索五索六索三筒四筒五筒六筒七筒八筒  リーチ

この手は流局で結構、アガることより相手にこの手を開いて見せることに価値がある。
流れてこの手を見た相手はどう思うか―。

(ヤツは今日、焦っている…)
(攻めがかかり過ぎだ、叩くなら今がチャンスだ!)

相手は、こう考えるのが普通である。
この後見せる私の攻めにも、相手は強く反発し前に出てくる可能性がある。舐めて当然、こんなリーチは負け組である。
しかし私はこの日、二度とガラリーを使う気はなかった。前に出たときは、打点と受けが十分のときだけだ。
さっきはブラフで今度は本物。これが勝負のかけ引きと、私の戦いの組み立てである。

すると次に、私に親満に飛び込んだ相手はどう思うか。

(あれ、なんか変だぞ?)
こう気がついたときは、もう手遅れなのだ。
アガリを重ね、流れを一気に引き寄せたら、もうこっちのものだ。相手が止めたって、ロン牌はこっちがツモリ上げてしまうだろう。
こうなれば、浮きは軽く50Pを超える。これがこのとき閃いた、私の戦いの組み立てで「サバキの構想」である。

 

 

100

 

だが、事態はもっと好転した。なんと一発目のラスツモが五万だったのである。
Aルールに、一発はないが2,000オールだ。このときの解説は、理論派の滝沢和典。
でもこの場面は、説明のしようがなく困ったことだろう。

これで1回戦のトップをものにすることができたが、事がうまく運ぶとは限らないのが麻雀である。
なにしろこの日は、近藤プロのエンジンの出来が良すぎたのだ。打点のある手でいつも攻め込んでくる。こちらは受けるだけで二の矢が出せなかった。
2、3回戦は彼に押し込まれ、どんどん点棒が削られた。そして迎えた4回戦の最後の親番である。

100

藤崎の九万の手出しは見ていた。しかし、その打牌のスピードは見落とした。
河から、マンズの染め手が濃厚である。またしても相手は藤崎で、河も同じマンズなのだ。いやそれは、ただの偶然だろう。

問題はテンパイかどうか、ドラの南があるかどうかである。伏せられた相手の手の高さなんてわからない。
私は、ここが最期の勝負の場面と踏んだ。

カン六万を引いて、受けがピンフの両面で高めが三色なのだ。ラス目の親だ、ここで引く気はなかった。
勝負と八万。そしたら「ロン!」の声だ。

100

藤崎の入り目は三万で、最終打牌が九万だった。五万八万は、どちらが出てもイーペコ―で、見事な跳満である。
「しまった!」と、思ったがもう後の祭りである。

彼は1,000点の手も跳満の手も、同じ空気でアガる。これが藤崎の強さと怖さである。技も一流だが、このときはマチも一流だったのである。
藤崎の開かれた手を見て思った。
(あんなラス牌の六万を引いたのか…)
だが後悔はしていない。これが麻雀なのだ。構想はよかったが、展開が味方しなかっただけなのだ。

この後の感想戦で滝沢が聞いて来た。
八万を…止める気はなかったですか?」
「止めたら負ける―」と、私は応えた。

理由は、ラス目の最後の親番である。リーチなら高めで11,600だ。
一方、藤崎はドラがあるともテンパイとも限らない。
こんな状況で、見えない影に怯えては勝負にならない、と思ったからである。

この苦い経験も、また糧となる。
人は生涯のオーラスに至るまで常に成長、進歩しなければならないのである。

*1年間のお付き合い、ありがとうございました。

2015年、初秋。

上級/第105回『サバキの神髄⑩サバキの構想(最終回)』 荒 正義

ときに放つ一打には、相手をドキリとさせる強烈なインパクトが必要である。
(なんだ、その牌は!)
(どうした、そのリーチは!)
相手の驚きと衝撃。そしてそれに反応し、相手はこちらの意図と理由を推理し、対応する。ここにサバキの余地が生まれるのだ。
あれは第32期鳳凰戦・第7節の1回戦のときだった。

100

(あら・古川・藤崎・近藤)

残りのツモは1回限りだ。三万五万を打てばテンパイである。オヤだからテンパイが欲しいのは当然。
だが、気になるのは対面の藤崎の河だ。一万東が手出しなのだ。
河からマンズの染め手の狙いは歴然。ただし、テンパイかどうか普通はわからない。
しかし、一万切りのとき少し間があった。
これはマチではなく、打牌の選択に迷ったためだろう。
ところが、次の安全そうな東切りはノータイムだ。この時間差から、私は彼の手をテンパイと読んだ。
なぜなら藤崎は、大局観に明るく決断力が早い。
ツモる以前に打牌と構えは決めてある。だから迷いがないのだ。
彼の打牌が、淀みなく流れる川のように美しいのはこのためである。
だがその分、テンパイのときは手出しであろうとツモ切りであろうと、通常より打牌が一瞬早くなる。
これが私が見た、藤崎のたった一つのキズである。だから、その読みは確信に近かった。
ならばここは三筒八筒を切り、次のツモでピンズの雀頭ができたらテンパイを組む。これが安全で普通の応手だ。
しかし、私は今年のプロリーグの調子が悪く、下から3番目の降級水域にいる。
今日こそ勝って、ここから脱する必要があったのだ。
だからここで、三万切りの勝負と出た。
リーチをかけたのは、相手に強いインパクトを与えるためである。
これがいわば、噂のガラリーである。
一万二万三万五万四索五索六索三筒四筒五筒六筒七筒八筒  リーチ
この手は流局で結構、アガることより相手にこの手を開いて見せることに価値がある。
流れてこの手を見た相手はどう思うか―。
(ヤツは今日、焦っている…)
(攻めがかかり過ぎだ、叩くなら今がチャンスだ!)
相手は、こう考えるのが普通である。
この後見せる私の攻めにも、相手は強く反発し前に出てくる可能性がある。舐めて当然、こんなリーチは負け組である。
しかし私はこの日、二度とガラリーを使う気はなかった。前に出たときは、打点と受けが十分のときだけだ。
さっきはブラフで今度は本物。これが勝負のかけ引きと、私の戦いの組み立てである。
すると次に、私に親満に飛び込んだ相手はどう思うか。
(あれ、なんか変だぞ?)
こう気がついたときは、もう手遅れなのだ。
アガリを重ね、流れを一気に引き寄せたら、もうこっちのものだ。相手が止めたって、ロン牌はこっちがツモリ上げてしまうだろう。
こうなれば、浮きは軽く50Pを超える。これがこのとき閃いた、私の戦いの組み立てで「サバキの構想」である。
 
 

100

 
だが、事態はもっと好転した。なんと一発目のラスツモが五万だったのである。
Aルールに、一発はないが2,000オールだ。このときの解説は、理論派の滝沢和典。
でもこの場面は、説明のしようがなく困ったことだろう。
これで1回戦のトップをものにすることができたが、事がうまく運ぶとは限らないのが麻雀である。
なにしろこの日は、近藤プロのエンジンの出来が良すぎたのだ。打点のある手でいつも攻め込んでくる。こちらは受けるだけで二の矢が出せなかった。
2、3回戦は彼に押し込まれ、どんどん点棒が削られた。そして迎えた4回戦の最後の親番である。

100

藤崎の九万の手出しは見ていた。しかし、その打牌のスピードは見落とした。
河から、マンズの染め手が濃厚である。またしても相手は藤崎で、河も同じマンズなのだ。いやそれは、ただの偶然だろう。
問題はテンパイかどうか、ドラの南があるかどうかである。伏せられた相手の手の高さなんてわからない。
私は、ここが最期の勝負の場面と踏んだ。
カン六万を引いて、受けがピンフの両面で高めが三色なのだ。ラス目の親だ、ここで引く気はなかった。
勝負と八万。そしたら「ロン!」の声だ。

100

藤崎の入り目は三万で、最終打牌が九万だった。五万八万は、どちらが出てもイーペコ―で、見事な跳満である。
「しまった!」と、思ったがもう後の祭りである。
彼は1,000点の手も跳満の手も、同じ空気でアガる。これが藤崎の強さと怖さである。技も一流だが、このときはマチも一流だったのである。
藤崎の開かれた手を見て思った。
(あんなラス牌の六万を引いたのか…)
だが後悔はしていない。これが麻雀なのだ。構想はよかったが、展開が味方しなかっただけなのだ。
この後の感想戦で滝沢が聞いて来た。
八万を…止める気はなかったですか?」
「止めたら負ける―」と、私は応えた。
理由は、ラス目の最後の親番である。リーチなら高めで11,600だ。
一方、藤崎はドラがあるともテンパイとも限らない。
こんな状況で、見えない影に怯えては勝負にならない、と思ったからである。
この苦い経験も、また糧となる。
人は生涯のオーラスに至るまで常に成長、進歩しなければならないのである。
*1年間のお付き合い、ありがとうございました。
2015年、初秋。

第13期プロクイーンベスト8A卓レポート 編集部

昨年、絶対的攻撃力で二度目の戴冠を果たした和久津晶。
現プロクイーンに挑戦出来るのは4名のみ。

すでに第13期プロクイーンはその4人を決めるベスト8が出揃った。
(ベスト16のレポートはこちら

新たな挑戦者4名とともに、昨年決定戦で涙を飲んだ4者全てがこのベスト8まで駒を進めた。

昨年の決勝メンバーはベスト8A卓に1名。B卓に3名。
リベンジか、ニューヒロインか、今年もプロクイーン決定戦進出者が決まる。

ベスト8 A卓 9月30日(水)16時 夏目坂スタジオにて対局開始。

 

1回戦 起家から(宮内・古川・大里・童瞳)

100

A卓には、日本プロ麻雀連盟から4名と偏った。
これはベスト16各卓での通過順位による振り分けである。
このベスト8より配信が開始される。

宮内ただ1名を除く3者は、プロ年数、実績は違えど、生配信は初体験に近い。

開局、今年のニューヒロインの1人、古川からリーチ。

二万三万四万四万五万一索二索三索二筒二筒発発発  リーチ  ドラ六索

100
古川彩乃。
31期生Eリーグ所属。

新人1年目でこのステージまで駆け上がってきた。
ここまで勝ち上がってきたということは、当たり前のことだが勝ってきて、破ってきたということ。
例えば、このように元気よくリーチを打ち結果を出してここに座っている。

しかしここはベスト8。目の前にいる相手も勝ち続けている。
今までのようにはうまく事は運ばないかもしれない。
結果は1人テンパイの流局。

起家の宮内は一気通貫の1シャンテンでオリを選択している。
宮内らしくないように思われようが、愚形2つ残りの1シャンテンで、実際にオリた牌は当たり牌であった。

東2局 11巡目、童瞳。

七万八万九万七索七索六筒七筒九筒九筒九筒中中中  リーチ  ドラ二筒

東1局に続いて役牌が暗刻の両面リーチ。
このプロクイーンのルールは日本プロ麻雀連盟Bルール。つまり一発、裏ドラ、カンドラありの一般的なもの。
普段、彼女たちが戦うリーグ戦などでは、Aルール(一発、裏ドラ、カンドラなし)のため、ドラを持っていない以上、ヤミテンにする打ち手などもいる。

ただBルールに於いて、この2つのリーチは当たり前といえる。
先行で、良形、そして何より相手の出方も窺える。

5回戦勝負のベスト8、相手の用意してきた作戦や打ち筋、性格は早めに知るに越したことはない。

ここで大里が粘る。

三万四万二索三索四索七索一筒一筒四筒四筒五筒五筒六筒  ツモ八筒

当然の様な顔で打一筒として

三万四万五万二索三索四索四筒四筒五筒五筒五筒六筒八筒

全て受け切ってのテンパイ。

宮内も粘り古川の1人ノーテン。
東1局とは真逆の結果となる。

東3局 、今局、初アガリがうまれる。

古川
七万八万一索一索四索五索五索八索九索南南北発  ドラ南

ここから七索をチー。さらにすぐに五索をポン。

一索一索四索南南北発  ポン五索 上向き五索 上向き五索 上向き  チー七索 左向き八索 上向き九索 上向き

少し無理のある仕掛けだったが最終形は以下。

南南発発  チー三索 左向き一索 上向き二索 上向き  ポン五索 上向き五索 上向き五索 上向き  チー七索 左向き八索 上向き九索 上向き

しかし童瞳がその古川からピンフで1,000の出アガリ。
そして親番を迎える。

七万七万一索一索一索二筒三筒五筒六筒七筒  ポン発発発  ロン一筒  ドラ七万

7,700の大きなアガリは宮内から。
南のトイツ落しが入っており、さらに発は1枚目をポン。
打点がありそうな河にはなっていたが、大里が仕掛け返しており、大里をマークして大里の現物を選んだ。
試合後、宮内は語る。
ドラはないがピンフの1シャンテンで一筒二筒のワンチャンスではあった。
そして宮内の1回戦はこの放銃後、蚊帳の外から見ているだけとなってしまった。

100
宮内こずえ
昨年のファイナリスト。第3位。実績はこのA卓ではずば抜けている。
昨年プロクイーン奪取を宣言、しかし決定戦では和久津、茅森の前に沈黙。
今年はモンド女流リーグでも復活を遂げ、女流桜花Aリーグでは5節終了時、決定戦進出ラインにいる。
しかしA卓で勝たなければいけない重圧は並大抵ではない。

続く1本場、童瞳にまたもチャンス手。
3巡目で中1枚切れ

七万八万九万一筒二筒三筒四筒五筒六筒七筒八筒九筒中  ドラ二万

皆さんはどうされるだろうか?
佐々木寿人は自分なら中で即リーチを打つと解説。

しかし童瞳はヤミテンを選択し、一筒を引き込んでからリーチとした。
Aルールなら中で即リーチを打つ方が多いように思われる。Bルールなら例え一通が崩れても、ツモアガれる待ちを選び裏ドラがあれば2,000オール2,600オールから、となるのでそれもある。

童瞳はこの手を大事に打とうとしたのであろう。
結果は1,300オールのツモアガリ。

2本場、北家、大里から8巡目にリーチ

二万三万四万七万八万九万五索六索七索二筒三筒四筒西  リーチ  ドラ西

そのとき童瞳

三万四万六万六万八万三索四索五索七索六筒七筒発発  ツモ七索

ここは、発に手を掛けたが次巡、暗刻かぶり。
その後、ベタオリさえしなければ何通りかアガリが存在しただけに、ビックイニングを逃した可能性と、それを阻止した大里のリーチであった。

南場、童瞳はやや受け気味に、大里は恐らくいつも通りの自分の麻雀を打ち続け1,300点童瞳を上回り逆転に成功する。

1回戦終了時
大里+24.6P 童瞳+13.3P 古川▲10.0P 宮内▲27.9P
(30,000点持ち30,000点返しの順位点は5,000-15,000)

 

2回戦 起家から(古川・童瞳・大里・宮内)

東1局、古川リーチ・ピンフ・ツモ1,300オール。
そして1本場、この局は残念な1局。

100

まず西家・大里。ドラの東ツモ。
明確な三色が見え、且つ上家・童瞳が明らかなソーズ。
二万五万は3枚見えとはいえ一番良さそうなターツ四万を払う。

そして親番古川

六万六万六万二筒三筒四筒七筒七筒八筒西西  ポン発発発  打八筒

これはミス。六筒九筒は3枚しか切られておらず1枚目の発を仕掛けるならば連荘狙いの捌き手。
そしてその発を切ったのは童瞳なのだ。この発切りは明確に速度を示している。

すぐに、古川九筒のアガリ逃し。そして、南家・童瞳にテンパイが入る。

二索二索二索三索三索三索五索六索九索九索  チー六索 左向き七索 上向き八索 上向き

そして大里に八索が入り、マンズが残っていれば、

三万四万六万七万八万六索七索八索六筒七筒八筒東東

このテンパイ。その後、場に二万は打たれている。
しかし終局図は

六万七万八万六索七索八索四筒四筒六筒七筒八筒東東  ツモ東 3,000・6,000。

大里にとっては嬉しいアガリになった。

東3局、東家・大里

二索二索二索四索五索六索七索七索四筒五筒五筒六筒七筒  リーチ  ドラ北

同巡、南家・宮内

三万四万一索二索三索四索五索六索六筒七筒八筒白白  リーチ

宮内の宣言牌は生牌のドラの北
さらに西家・古川

一万一万一万二万二万四万四万六万六万七万七万八万中  ツモ中

このとき中は生牌。八万は2枚切れ。一万四万は2人のリーチに通ってはいない。
ここは古川は一万切りで真っ向勝負。
しかし大里が競り勝ち。

100
大里奈美
28期生。3年目。東北本部に所属しており、一昨年のプロクイーンでもベスト8まで進んでいる。
力のある新人若手女流プロの1人なのは間違いない。

実はこのベスト8、大里の独壇場となる。
大里奈美、注目だ。

さてこの2回戦。宮内は先のドラ切りで戦いの意志をはっきりと見せた。
しかしここまで初アガりはない。
宮内の初アガリは、2回戦の南2局。

二万三万四万二索三索四索八索八索二筒三筒四筒六筒七筒  ドラ一索  ロン五筒

仕掛けた大里の現物でロン。8,000は8,300の嬉しい初アガリ。
高い手のヤミテンもあることを印象付けた。が終わってみれば二の矢は放てず3着。
放銃者は大里。仕掛け倒れが気になるところだが次の局の親番。
古川の3面張リーチをツモらせることなく簡単に

五万五万三索三索四索四索五索五索六索六索六筒七筒七筒  ツモ六筒

この3,200オール。連勝を確定させた。
そして連続2着は童瞳。

100
童瞳
26期生。5年目。C3リーグ。
プロクイーンはここまで縁がなくベスト8は初めての舞台。
若手勉強会なども積極的に参加し、稽古も積んで来たようだ。
満を持して臨んだ感がある。

2回戦成績
大里+37.0P 童瞳+4.7P 宮内▲10.2P 古川▲31.5P

2回戦終了時
大里+61.6P 童瞳+18.0P 宮内▲38.1P 古川▲41.5P

 

3回戦 起家から(童瞳・宮内・古川・大里)

東1局、2連勝の大里がまたもやリード。

二万三万四万五万六万三索三索五索六索七索五筒六筒七筒  リーチ  一発ツモ一万  ドラ七索  裏一索

安めだが一発ツモ。でも裏は乗らない。
ただ調子がいいのは間違いないだろう。

東3局

古川
四万五万五万六万四索五索六索三筒四筒四筒四筒五筒六筒八筒  ドラ六万

ここは五万を切ってリーチ!古川はこの日一貫して即リーチをかけ続けた。
先制でも追いかけでも形がいかに悪かろうとも。
この戦い方でここまで勝ち進んで来たわけだしそれを否定することは本人しか出来ない。
何を信じて戦うか、その信念が伝わるリーチではある。
ここに飛び込んでしまったのは童瞳。

この放銃をみた佐々木寿人は
「これが僕の知っている童瞳のイメージで、攻撃力で押していくのでこれでいい。」
このように解説をした。
それにしても7,700の失点が童瞳に重くのしかかる。

大里のアガリが止まらない。

四万五万六万六万六万七万七万八万八万南南南白  ツモ白  ドラ白

ハイテイまでついて4,000・8,000。

東4局 東家・大里

南家・童瞳リーチ

四索五索六索七索八索九索二筒三筒四筒五筒六筒七筒八筒  ドラ四索

北家 同巡古川リーチ

一索一索二索二索三索三索五索五索六索六索七索西西

そしてリーチ棒が置かれた直後にこのアガリ。

三万三万四万五万六万四索五索六索四筒五筒五筒六筒六筒  ツモ四筒

6,000オール。持ち点は75,000点を越えた。

唯一これを防げるとすれば

一索一索二索二索三索三索五索五索六索七索七筒八筒西西

古川がこの時ソーズに渡らずにいると宮内から九筒が出ていた。
しかし六筒九筒ならば恐らくリーチを打ちそうなので、結局、同じ結果になっていそうだ。

このツモの瞬間、4人から2人が勝ちあがるのではなく、大里以外の3名から1人が勝ちあがる戦いへと変わった。

このあと宮内は3,000・6,000のツモアガリの次局に8,000放銃とやはり調子は上がらない。
ここまで静観していた童瞳は大きなラスを引き、
勝負の行方はラスト2回戦に委ねられた。

3回戦成績
大里+55.7P  古川+0.4P 宮内▲12.2P 童瞳▲44.9P
3回戦終了時
大里+117.3P 童瞳▲26.9P 古川▲41.1P 宮内▲50.3P

童瞳から宮内までの差はたったの23.4ポイント。

 

4回戦 起家から(宮内・童瞳・大里・古川)

宮内、古川にとってはここが正念場。
最終戦に望みを繋ぐためには童瞳との並びが大切になる。
大里に4連勝されるのは構わないが、童瞳より下の順位になることは最終戦の条件を苦しめる。

例えば、童瞳からリーチが入る。放銃してしまえば最悪の結果になる。
逆に無防備になった相手を叩くチャンスでもある。
勝負のタイミングをいつにするのかがポイントだ。
負けている以上全て戦うのも、我慢するのも、それは各々の戦い方と勝負感である。

東1局 親・宮内
北家・古川絶好のリーチ

四索五索六索七索七索一筒二筒三筒四筒五筒六筒七筒八筒  リーチ  ドラ一筒

その時の宮内の手牌

一万二万三万四万二索三索二筒三筒四筒五筒六筒東東  ツモ五索

宮内にとっていきなりの勝負どころ。
古川の捨て牌は以下

五万 上向き一万 上向き中九索 上向き九万 上向き七筒 上向き
三万 上向き二索 上向き三万 上向き一索 左向き

ルールはBルールである。一発裏ドラがある。
宮内は打一万とした。

五索を選択した場合は18,000。

二万三万四万一索二索三索二筒三筒四筒五筒六筒東東  リーチ  一発ロン一筒  ドラ一筒  裏三筒

結果はこの12,000
宮内の選択は冷静ではあったが、胸中残るものがあったはずだ。
ツモ五索の次巡六索ツモで以下。

二万三万四万二索三索五索六索二筒三筒四筒五筒六筒東東

五索で一旦引いてそこに六索が繋がった。二索を打ち、一筋勝負にするかに思われたが六索をツモ切り、そして一索ツモで三色が崩れ、二筋目の勝負。
一発の放銃を回避した代わりに、二筋の勝負(さらに打点は崩れる可能性)を選んだ。

1本場は宮内の2,900。
2本場は童瞳の1,000・2,000。
東2局は古川が2,000。
東3局童瞳5,200のリーチ棒付きを古川からアガる。
東4局古川2,900。
東4局1本場の点数状況は以下。

宮内42,000 童瞳40,800 大里25,900 古川11,300

宮内VS童瞳の一騎打ちの展開だが古川も粘りたい。

しかし親番で、宮内リーチ。2,000・4,000

五万五万六万七万七索八索九索二筒三筒四筒五筒六筒七筒  リーチ  ツモ八万  ドラ五万  裏二索

南2局1本場
宮内の親が流れ、童瞳の親を迎えた。
宮内はこの親を落とすことが出来ればトップが見えてくる。
しかしそうは簡単にいかない。

四万五万七万七万二索二索二索四索五索六索三筒四筒五筒  リーチ  ツモ六万  ドラ四万  裏二筒

大きい4,100オール。ここでついに童瞳逆転。
5本場まで積まれたこの親番は大里のアガリで終演。
残り2局で宮内、童瞳、2人の点差は15,100点差。
モニター越しに映る宮内の目は全く諦めているようには見えない。

南3局、6巡目、北家・童瞳がリーチを打つ。

二万三万四万九万九万六索七索八索三筒四筒中中中  リーチ  ドラ五筒

童瞳は役アリのテンパイを組むことが出来たがリーチを選択。
さらに引き離そうということか。
しかし、宮内は3着までも2万点以上離れていて、さらには残り2局でトップに立つためにこのリーチを受ける理由が全くない。
つまりこの局がこの半荘一番の盛り上がりどころ。
無筋を3枚立て続けにぶつけリーチ。

六万七万八万一索二索三索四索五索六索四筒四筒五筒六筒  リーチ  一発ツモ七筒  ドラ五筒  裏六筒

3,000・6,000。

なんということか、たった1局で大逆転してしまった。
南4局も、宮内は自力でトップを決めた。

4回戦成績
宮内+39.8P 童瞳+25.9P 大里▲22.5P 古川▲63.2P

4回戦終了時
大里+94.8P 童瞳▲1.0P 宮内▲10.5P 古川▲104.3P

古川のポイントが20ポイントずれていますが、南4局、リーチ後、ハイテイを勘違いしてテンパイと公開してしまった為ペナルティの▲20.0が加算されています。

 

最終戦 起家から(宮内・古川・大里・童瞳)

大里は当確。宮内、童瞳は着順勝負。
古川は2人を追い抜かなければならないため、最低でも9万点は必要。

4回戦目の結果により、宮内、童瞳の2人は着順勝負となってしまった。
童瞳がトップであれば、40ポイント以上のリードでこの最終戦を迎えられた。

「南3局リーチを打たなかったら脇からこぼれたかもしれない。あの跳満は防げたかもしれない。」

そんなことを考えてしまってもおかしくはなさそうなものだが、最終戦を迎える童瞳はどうしたものかすっきりとした表情をしていた。

11巡目、西家・古川からリーチが入り、親の宮内が追いつきリーチ。
しかしその宣言牌にロンの声。

三万三万五万五索五索六筒六筒八筒八筒東東中中  ロン五万  ドラ八筒

宮内の五万は手順上残ってしまうのは致し方ない。
そして童瞳は七対子を構想に入れた瞬間、五万を切りたかったはずだ。
ただツモがそれを許さず、(自然に五万が残ってしまう)さらに古川のリーチにより切れず、余計に五万が待ち取りになってしまった。
童瞳にとって最高の形となった。
宮内にとってはいきなりのビハインド。

東3局1本場

一万二万三万五万六万七万一索二索一筒二筒三筒六筒六筒  リーチ  ツモ三索  ドラ六筒  裏一万

粘りたい古川意地の3,000・6,000。

南1局、宮内は1,300オールをツモり童瞳とは8,900点差。
しかし大里が宮内の親を落とす。

南2局、宮内ついにリーチ。
しかしどちらを切るべきか。場況は以下。

100

宮内は待ち取りを六索九索とした。
五索八索は6枚見え。六索九索は4枚見えている。(大里が四索五索六索で鳴いている)
結果はドラ暗刻の親古川が五索を一発でつかみ、
打たなくても宮内の一発目のツモは八索!!!

最後まで諦めず戦ったが、
宮内こずえの第13期プロクイーンはここで幕を閉じた。

最終戦成績
童瞳+23.9P 古川+8.5P 大里▲5.5P 宮内▲26.9P

総合成績
大里+89.3P 童瞳+22.9P 宮内▲37.4P 古川▲95.8P

決定戦進出 大里奈美(初) 童瞳(初) 

プロクイーン決定戦 レポート/第13期プロクイーンベスト8A卓レポート 編集部

昨年、絶対的攻撃力で二度目の戴冠を果たした和久津晶。
現プロクイーンに挑戦出来るのは4名のみ。
すでに第13期プロクイーンはその4人を決めるベスト8が出揃った。
(ベスト16のレポートはこちら
新たな挑戦者4名とともに、昨年決定戦で涙を飲んだ4者全てがこのベスト8まで駒を進めた。
昨年の決勝メンバーはベスト8A卓に1名。B卓に3名。
リベンジか、ニューヒロインか、今年もプロクイーン決定戦進出者が決まる。
ベスト8 A卓 9月30日(水)16時 夏目坂スタジオにて対局開始。
 
1回戦 起家から(宮内・古川・大里・童瞳)
100
A卓には、日本プロ麻雀連盟から4名と偏った。
これはベスト16各卓での通過順位による振り分けである。
このベスト8より配信が開始される。
宮内ただ1名を除く3者は、プロ年数、実績は違えど、生配信は初体験に近い。
開局、今年のニューヒロインの1人、古川からリーチ。
二万三万四万四万五万一索二索三索二筒二筒発発発  リーチ  ドラ六索
100
古川彩乃。
31期生Eリーグ所属。
新人1年目でこのステージまで駆け上がってきた。
ここまで勝ち上がってきたということは、当たり前のことだが勝ってきて、破ってきたということ。
例えば、このように元気よくリーチを打ち結果を出してここに座っている。
しかしここはベスト8。目の前にいる相手も勝ち続けている。
今までのようにはうまく事は運ばないかもしれない。
結果は1人テンパイの流局。
起家の宮内は一気通貫の1シャンテンでオリを選択している。
宮内らしくないように思われようが、愚形2つ残りの1シャンテンで、実際にオリた牌は当たり牌であった。
東2局 11巡目、童瞳。
七万八万九万七索七索六筒七筒九筒九筒九筒中中中  リーチ  ドラ二筒
東1局に続いて役牌が暗刻の両面リーチ。
このプロクイーンのルールは日本プロ麻雀連盟Bルール。つまり一発、裏ドラ、カンドラありの一般的なもの。
普段、彼女たちが戦うリーグ戦などでは、Aルール(一発、裏ドラ、カンドラなし)のため、ドラを持っていない以上、ヤミテンにする打ち手などもいる。
ただBルールに於いて、この2つのリーチは当たり前といえる。
先行で、良形、そして何より相手の出方も窺える。
5回戦勝負のベスト8、相手の用意してきた作戦や打ち筋、性格は早めに知るに越したことはない。
ここで大里が粘る。
三万四万二索三索四索七索一筒一筒四筒四筒五筒五筒六筒  ツモ八筒
当然の様な顔で打一筒として
三万四万五万二索三索四索四筒四筒五筒五筒五筒六筒八筒
全て受け切ってのテンパイ。
宮内も粘り古川の1人ノーテン。
東1局とは真逆の結果となる。
東3局 、今局、初アガリがうまれる。
古川
七万八万一索一索四索五索五索八索九索南南北発  ドラ南
ここから七索をチー。さらにすぐに五索をポン。
一索一索四索南南北発  ポン五索 上向き五索 上向き五索 上向き  チー七索 左向き八索 上向き九索 上向き
少し無理のある仕掛けだったが最終形は以下。
南南発発  チー三索 左向き一索 上向き二索 上向き  ポン五索 上向き五索 上向き五索 上向き  チー七索 左向き八索 上向き九索 上向き
しかし童瞳がその古川からピンフで1,000の出アガリ。
そして親番を迎える。
七万七万一索一索一索二筒三筒五筒六筒七筒  ポン発発発  ロン一筒  ドラ七万
7,700の大きなアガリは宮内から。
南のトイツ落しが入っており、さらに発は1枚目をポン。
打点がありそうな河にはなっていたが、大里が仕掛け返しており、大里をマークして大里の現物を選んだ。
試合後、宮内は語る。
ドラはないがピンフの1シャンテンで一筒二筒のワンチャンスではあった。
そして宮内の1回戦はこの放銃後、蚊帳の外から見ているだけとなってしまった。
100
宮内こずえ
昨年のファイナリスト。第3位。実績はこのA卓ではずば抜けている。
昨年プロクイーン奪取を宣言、しかし決定戦では和久津、茅森の前に沈黙。
今年はモンド女流リーグでも復活を遂げ、女流桜花Aリーグでは5節終了時、決定戦進出ラインにいる。
しかしA卓で勝たなければいけない重圧は並大抵ではない。
続く1本場、童瞳にまたもチャンス手。
3巡目で中1枚切れ
七万八万九万一筒二筒三筒四筒五筒六筒七筒八筒九筒中  ドラ二万
皆さんはどうされるだろうか?
佐々木寿人は自分なら中で即リーチを打つと解説。
しかし童瞳はヤミテンを選択し、一筒を引き込んでからリーチとした。
Aルールなら中で即リーチを打つ方が多いように思われる。Bルールなら例え一通が崩れても、ツモアガれる待ちを選び裏ドラがあれば2,000オール2,600オールから、となるのでそれもある。
童瞳はこの手を大事に打とうとしたのであろう。
結果は1,300オールのツモアガリ。
2本場、北家、大里から8巡目にリーチ
二万三万四万七万八万九万五索六索七索二筒三筒四筒西  リーチ  ドラ西
そのとき童瞳
三万四万六万六万八万三索四索五索七索六筒七筒発発  ツモ七索
ここは、発に手を掛けたが次巡、暗刻かぶり。
その後、ベタオリさえしなければ何通りかアガリが存在しただけに、ビックイニングを逃した可能性と、それを阻止した大里のリーチであった。
南場、童瞳はやや受け気味に、大里は恐らくいつも通りの自分の麻雀を打ち続け1,300点童瞳を上回り逆転に成功する。
1回戦終了時
大里+24.6P 童瞳+13.3P 古川▲10.0P 宮内▲27.9P
(30,000点持ち30,000点返しの順位点は5,000-15,000)
 
2回戦 起家から(古川・童瞳・大里・宮内)
東1局、古川リーチ・ピンフ・ツモ1,300オール。
そして1本場、この局は残念な1局。
100
まず西家・大里。ドラの東ツモ。
明確な三色が見え、且つ上家・童瞳が明らかなソーズ。
二万五万は3枚見えとはいえ一番良さそうなターツ四万を払う。
そして親番古川
六万六万六万二筒三筒四筒七筒七筒八筒西西  ポン発発発  打八筒
これはミス。六筒九筒は3枚しか切られておらず1枚目の発を仕掛けるならば連荘狙いの捌き手。
そしてその発を切ったのは童瞳なのだ。この発切りは明確に速度を示している。
すぐに、古川九筒のアガリ逃し。そして、南家・童瞳にテンパイが入る。
二索二索二索三索三索三索五索六索九索九索  チー六索 左向き七索 上向き八索 上向き
そして大里に八索が入り、マンズが残っていれば、
三万四万六万七万八万六索七索八索六筒七筒八筒東東
このテンパイ。その後、場に二万は打たれている。
しかし終局図は
六万七万八万六索七索八索四筒四筒六筒七筒八筒東東  ツモ東 3,000・6,000。
大里にとっては嬉しいアガリになった。
東3局、東家・大里
二索二索二索四索五索六索七索七索四筒五筒五筒六筒七筒  リーチ  ドラ北
同巡、南家・宮内
三万四万一索二索三索四索五索六索六筒七筒八筒白白  リーチ
宮内の宣言牌は生牌のドラの北
さらに西家・古川
一万一万一万二万二万四万四万六万六万七万七万八万中  ツモ中
このとき中は生牌。八万は2枚切れ。一万四万は2人のリーチに通ってはいない。
ここは古川は一万切りで真っ向勝負。
しかし大里が競り勝ち。
100
大里奈美
28期生。3年目。東北本部に所属しており、一昨年のプロクイーンでもベスト8まで進んでいる。
力のある新人若手女流プロの1人なのは間違いない。
実はこのベスト8、大里の独壇場となる。
大里奈美、注目だ。
さてこの2回戦。宮内は先のドラ切りで戦いの意志をはっきりと見せた。
しかしここまで初アガりはない。
宮内の初アガリは、2回戦の南2局。
二万三万四万二索三索四索八索八索二筒三筒四筒六筒七筒  ドラ一索  ロン五筒
仕掛けた大里の現物でロン。8,000は8,300の嬉しい初アガリ。
高い手のヤミテンもあることを印象付けた。が終わってみれば二の矢は放てず3着。
放銃者は大里。仕掛け倒れが気になるところだが次の局の親番。
古川の3面張リーチをツモらせることなく簡単に
五万五万三索三索四索四索五索五索六索六索六筒七筒七筒  ツモ六筒
この3,200オール。連勝を確定させた。
そして連続2着は童瞳。
100
童瞳
26期生。5年目。C3リーグ。
プロクイーンはここまで縁がなくベスト8は初めての舞台。
若手勉強会なども積極的に参加し、稽古も積んで来たようだ。
満を持して臨んだ感がある。
2回戦成績
大里+37.0P 童瞳+4.7P 宮内▲10.2P 古川▲31.5P
2回戦終了時
大里+61.6P 童瞳+18.0P 宮内▲38.1P 古川▲41.5P
 
3回戦 起家から(童瞳・宮内・古川・大里)
東1局、2連勝の大里がまたもやリード。
二万三万四万五万六万三索三索五索六索七索五筒六筒七筒  リーチ  一発ツモ一万  ドラ七索  裏一索
安めだが一発ツモ。でも裏は乗らない。
ただ調子がいいのは間違いないだろう。
東3局
古川
四万五万五万六万四索五索六索三筒四筒四筒四筒五筒六筒八筒  ドラ六万
ここは五万を切ってリーチ!古川はこの日一貫して即リーチをかけ続けた。
先制でも追いかけでも形がいかに悪かろうとも。
この戦い方でここまで勝ち進んで来たわけだしそれを否定することは本人しか出来ない。
何を信じて戦うか、その信念が伝わるリーチではある。
ここに飛び込んでしまったのは童瞳。
この放銃をみた佐々木寿人は
「これが僕の知っている童瞳のイメージで、攻撃力で押していくのでこれでいい。」
このように解説をした。
それにしても7,700の失点が童瞳に重くのしかかる。
大里のアガリが止まらない。
四万五万六万六万六万七万七万八万八万南南南白  ツモ白  ドラ白
ハイテイまでついて4,000・8,000。
東4局 東家・大里
南家・童瞳リーチ
四索五索六索七索八索九索二筒三筒四筒五筒六筒七筒八筒  ドラ四索
北家 同巡古川リーチ
一索一索二索二索三索三索五索五索六索六索七索西西
そしてリーチ棒が置かれた直後にこのアガリ。
三万三万四万五万六万四索五索六索四筒五筒五筒六筒六筒  ツモ四筒
6,000オール。持ち点は75,000点を越えた。
唯一これを防げるとすれば
一索一索二索二索三索三索五索五索六索七索七筒八筒西西
古川がこの時ソーズに渡らずにいると宮内から九筒が出ていた。
しかし六筒九筒ならば恐らくリーチを打ちそうなので、結局、同じ結果になっていそうだ。
このツモの瞬間、4人から2人が勝ちあがるのではなく、大里以外の3名から1人が勝ちあがる戦いへと変わった。
このあと宮内は3,000・6,000のツモアガリの次局に8,000放銃とやはり調子は上がらない。
ここまで静観していた童瞳は大きなラスを引き、
勝負の行方はラスト2回戦に委ねられた。
3回戦成績
大里+55.7P  古川+0.4P 宮内▲12.2P 童瞳▲44.9P
3回戦終了時
大里+117.3P 童瞳▲26.9P 古川▲41.1P 宮内▲50.3P
童瞳から宮内までの差はたったの23.4ポイント。
 
4回戦 起家から(宮内・童瞳・大里・古川)
宮内、古川にとってはここが正念場。
最終戦に望みを繋ぐためには童瞳との並びが大切になる。
大里に4連勝されるのは構わないが、童瞳より下の順位になることは最終戦の条件を苦しめる。
例えば、童瞳からリーチが入る。放銃してしまえば最悪の結果になる。
逆に無防備になった相手を叩くチャンスでもある。
勝負のタイミングをいつにするのかがポイントだ。
負けている以上全て戦うのも、我慢するのも、それは各々の戦い方と勝負感である。
東1局 親・宮内
北家・古川絶好のリーチ
四索五索六索七索七索一筒二筒三筒四筒五筒六筒七筒八筒  リーチ  ドラ一筒
その時の宮内の手牌
一万二万三万四万二索三索二筒三筒四筒五筒六筒東東  ツモ五索
宮内にとっていきなりの勝負どころ。
古川の捨て牌は以下
五万 上向き一万 上向き中九索 上向き九万 上向き七筒 上向き
三万 上向き二索 上向き三万 上向き一索 左向き
ルールはBルールである。一発裏ドラがある。
宮内は打一万とした。
五索を選択した場合は18,000。
二万三万四万一索二索三索二筒三筒四筒五筒六筒東東  リーチ  一発ロン一筒  ドラ一筒  裏三筒
結果はこの12,000
宮内の選択は冷静ではあったが、胸中残るものがあったはずだ。
ツモ五索の次巡六索ツモで以下。
二万三万四万二索三索五索六索二筒三筒四筒五筒六筒東東
五索で一旦引いてそこに六索が繋がった。二索を打ち、一筋勝負にするかに思われたが六索をツモ切り、そして一索ツモで三色が崩れ、二筋目の勝負。
一発の放銃を回避した代わりに、二筋の勝負(さらに打点は崩れる可能性)を選んだ。
1本場は宮内の2,900。
2本場は童瞳の1,000・2,000。
東2局は古川が2,000。
東3局童瞳5,200のリーチ棒付きを古川からアガる。
東4局古川2,900。
東4局1本場の点数状況は以下。
宮内42,000 童瞳40,800 大里25,900 古川11,300
宮内VS童瞳の一騎打ちの展開だが古川も粘りたい。
しかし親番で、宮内リーチ。2,000・4,000
五万五万六万七万七索八索九索二筒三筒四筒五筒六筒七筒  リーチ  ツモ八万  ドラ五万  裏二索
南2局1本場
宮内の親が流れ、童瞳の親を迎えた。
宮内はこの親を落とすことが出来ればトップが見えてくる。
しかしそうは簡単にいかない。
四万五万七万七万二索二索二索四索五索六索三筒四筒五筒  リーチ  ツモ六万  ドラ四万  裏二筒
大きい4,100オール。ここでついに童瞳逆転。
5本場まで積まれたこの親番は大里のアガリで終演。
残り2局で宮内、童瞳、2人の点差は15,100点差。
モニター越しに映る宮内の目は全く諦めているようには見えない。
南3局、6巡目、北家・童瞳がリーチを打つ。
二万三万四万九万九万六索七索八索三筒四筒中中中  リーチ  ドラ五筒
童瞳は役アリのテンパイを組むことが出来たがリーチを選択。
さらに引き離そうということか。
しかし、宮内は3着までも2万点以上離れていて、さらには残り2局でトップに立つためにこのリーチを受ける理由が全くない。
つまりこの局がこの半荘一番の盛り上がりどころ。
無筋を3枚立て続けにぶつけリーチ。
六万七万八万一索二索三索四索五索六索四筒四筒五筒六筒  リーチ  一発ツモ七筒  ドラ五筒  裏六筒
3,000・6,000。
なんということか、たった1局で大逆転してしまった。
南4局も、宮内は自力でトップを決めた。
4回戦成績
宮内+39.8P 童瞳+25.9P 大里▲22.5P 古川▲63.2P
4回戦終了時
大里+94.8P 童瞳▲1.0P 宮内▲10.5P 古川▲104.3P
古川のポイントが20ポイントずれていますが、南4局、リーチ後、ハイテイを勘違いしてテンパイと公開してしまった為ペナルティの▲20.0が加算されています。
 
最終戦 起家から(宮内・古川・大里・童瞳)
大里は当確。宮内、童瞳は着順勝負。
古川は2人を追い抜かなければならないため、最低でも9万点は必要。
4回戦目の結果により、宮内、童瞳の2人は着順勝負となってしまった。
童瞳がトップであれば、40ポイント以上のリードでこの最終戦を迎えられた。
「南3局リーチを打たなかったら脇からこぼれたかもしれない。あの跳満は防げたかもしれない。」
そんなことを考えてしまってもおかしくはなさそうなものだが、最終戦を迎える童瞳はどうしたものかすっきりとした表情をしていた。
11巡目、西家・古川からリーチが入り、親の宮内が追いつきリーチ。
しかしその宣言牌にロンの声。
三万三万五万五索五索六筒六筒八筒八筒東東中中  ロン五万  ドラ八筒
宮内の五万は手順上残ってしまうのは致し方ない。
そして童瞳は七対子を構想に入れた瞬間、五万を切りたかったはずだ。
ただツモがそれを許さず、(自然に五万が残ってしまう)さらに古川のリーチにより切れず、余計に五万が待ち取りになってしまった。
童瞳にとって最高の形となった。
宮内にとってはいきなりのビハインド。
東3局1本場
一万二万三万五万六万七万一索二索一筒二筒三筒六筒六筒  リーチ  ツモ三索  ドラ六筒  裏一万
粘りたい古川意地の3,000・6,000。
南1局、宮内は1,300オールをツモり童瞳とは8,900点差。
しかし大里が宮内の親を落とす。
南2局、宮内ついにリーチ。
しかしどちらを切るべきか。場況は以下。
100
宮内は待ち取りを六索九索とした。
五索八索は6枚見え。六索九索は4枚見えている。(大里が四索五索六索で鳴いている)
結果はドラ暗刻の親古川が五索を一発でつかみ、
打たなくても宮内の一発目のツモは八索!!!
最後まで諦めず戦ったが、
宮内こずえの第13期プロクイーンはここで幕を閉じた。
最終戦成績
童瞳+23.9P 古川+8.5P 大里▲5.5P 宮内▲26.9P
総合成績
大里+89.3P 童瞳+22.9P 宮内▲37.4P 古川▲95.8P
決定戦進出 大里奈美(初) 童瞳(初)