プロ雀士インタビュー/第152回:プロ雀士インタビュー 二階堂 亜樹  インタビュアー:優月 みか

「二階堂亜樹」
日本で一番有名な女流プロは?と聞かれたら、この方を答える方も多いのではないでしょうか。
人ひとりの人生を変えるような影響力をも及ぼすこの方!だって私もそのひとりなのです。
私は二階堂亜樹さんを知らなかったら、プロを目指してなかったかもしれない。きっといまこうして記事を書くことも無かったでしょう。
私にプロになりたい!と思わせてくれた人。充実した毎日が送れるのは5年前、偶然にも二階堂亜樹さんを知り、憧れたから。
あぁ、5年前の私にドヤ顔で報告したい、あなた亜樹さんのインタビュー記事を書くんだよって。
そうです、今回二階堂亜樹プロの、女流モンド杯優勝インタビューを書かせていただくことになりました!
日本プロ麻雀連盟30期生、優月みかです。初めてのインタビューが憧れの亜樹さん!!
不慣れですが、亜樹さんのお言葉をしっかりお伝えしていきたいと思います!
その前にまずは女流モンド杯の説明をおさらい。
「人気の高い女流雀士の中でもタイトルを保持し、実力も兼ね備えたトッププロだけを集めた真剣対局番組。計12名の女流雀士による意地とプライドをかけた熱い戦いを放送!
予選は各自が4回を打ち(予選全12戦)、総合点の上位8名が準決勝卓に進出(4名が予選敗退)。
準決勝は点数を持ち越して各自1戦(準決勝全2戦)対戦し、総合点の上位4名が決勝へ進出。
決勝は予選の点数を持ち越さずリセットして対戦。決勝対局2回戦を行い優勝者が決定。」ホームページより。
12名で予選4回戦

上位8名準決勝1回戦(ポイント持ち越し)

上位4名で決勝2回戦(ポイントリセット)
ポイント持ち越しの5回戦と、決勝は2回戦勝負です。人気も実績もあるプロ同志の対局。これはみんなが釘付けになるわけだ。うむ。
それでは、インタビュースタートです!
10月某日カフェで亜樹さんを待つ。
なんといいましょうか…高校生の時に憧れの先輩と初めてデート出来るようなそんな緊張感と高揚感。
ドキドキしながら待つと、人の流れの中に亜樹さんの姿が!
デート…じゃなくて!インタビューです!
優月「では、本日は宜しくお願いします!」
亜樹「宜しくお願いします。」
優月「この度は女流モンド杯優勝、おめでとうございます!」
亜樹「ありがとうございます。」
優月「出場13回目、うち5回の決勝を経て、なんと初の優勝ということですが、優勝してどんな気持ちでしたか?」
亜樹「そうですね、そもそも13回も出てたんですね(笑)一度産休でお休みした時以外は、たぶん全部出てると思うんですけど、女流モンド杯第1回目から出させてもらってて、決勝も何回か残って、でも決勝には行くけど良いとこ無し、みたいな感じがずっと続いてて…。」
優月「私も意外でした。」
亜樹「はい、でも1回だけ決勝2回勝負で、1回戦目にトップをとって優勝できなかった回があったんですね。だいたい1戦目トップをとるとかなり有利になるんで…歴代の優勝した方も1戦目トップをとってそのままの勢いで優勝する事が多くて。まくってトップは半々くらいかな?だから、1戦目トップをとれば、ほぼ50%くらい優勝できるみたいな感じのを逃してしまい…。そこから、あんまり決勝にも残れなくなって。さらに予選落ちのシステムみたいのが出来てから、すぐに落ちて…で、なんていうか、その落ちた時にそもそも戻れないと思っていたので…」
{亜樹さんにもそう思う時があるのか、きっと亜樹さんすらもそう思ってしまうくらい辛かったんだろうなぁ…。}
亜樹「それを経ての優勝だったので、自分的には相当山あり谷ありの中やっと取れたかな、みたいな。出ている回数の割には、勝率的なものが低すぎて…縁が無いのかなと思ってしまっていました。」
優月「13回目の初優勝って聞いてびっくりしました。」
亜樹「しかも、前回から12人になったけど、その前まで8人だったので。その8分の1をここまで取れないのかと。結構きついなーと思いましたね。」
優月「今までの、厳しい時間を払拭して、今回優勝されたということですが、何か変えたところとか、変わったところとかってありますか?」
亜樹「予選に関しては、2年連続落ちはまずいなと思っていて…立場的にもとか色々考えてて…。」
{立場…そうか、亜樹さんクラスになると、自分だけの事じゃないんだ。常に連盟の看板を背負っている意識があるんだ。というか、私とか若手も、全てのプロにそういう意識って必要なんだろうな。本当は。}
亜樹「で、予選落ちをしないようにというのを意識してずっとやってきたんですね。最初は。」
【この予選というのは、冒頭で説明した、12名で始まり、4回戦終了時に下位4名が敗退するということ】
亜樹「4回やって下位4名が予選落ちするんだけど、そこまでは堪えて、そこからは全部行こうと思ってたの。もう最初から決めてて。とにかく、予選落ちしないことをまず目標にしたんで、予選落ちさえしなければ、決勝狙える位置にはだいたい残っているので。最後その準決勝で勝負をかけようというイメージで1回戦目から場を回したという感じでした。」
優月「なるほど、最初は予選落ちしないよう固く打ってたんですね!そして準決勝からはかなりアグレシッブに戦っているように見えて、いままでの亜樹さんと違うような、そんな気がしました。」
亜樹「そうですね、決勝戦は全部行こうと思ってたので。もちろん、手牌がついてくればっていうのもあったんですけど、かなり手が入っていたので。ほとんどオリて無いと思う、決勝の2回戦は」
{最初は予選で落ちないように、そして予選を通過したらあとは決勝を見据えて切り替える、亜樹さんが言うとサクッと頭に入ってくるがこれってすごく大変な事だと思う。普通はできるだけいっぱい得点稼いで予選を通過したいと思うはず。}
優月「そうですね!その決勝戦、色々と聞きたい事があるんですけど…優勝後の馬場さんとの放送のインタビューで、『地獄を見た』って仰っていたのは一体どういう意味でしょうか?」
亜樹「あぁ、それはですね。今仕事で、パチンコ屋さんの仕事が結構多くて、パチンコ屋さんのお客さんが8割くらい『モンド見てます!』『麻雀見てます!』って声をかけてくれるんですね。でも、予選落ちしたあとって、『チャレンジマッチ頑張ってください!』に変わるんですね。それが、なんていうか、プレッシャーとまではいかないけど、声をかけてもらう言葉が違うだけでこんなに印象が違うんだなぁと…。」
優月「なるほど…チャレンジマッチに出る事自体が、亜樹さんにとってはなかなか無い事ですもんね」
亜樹「しかも、その予選落ちした時が、国士無双を放銃して終わったんですけど、国士無双を打ったのは自分のその打ち方も明白に悪かったわけで。」
優月「明白に悪かったというのは?」
亜樹「その最終戦の時にドラ単騎でリーチしたんですけど、それの手順も悪かったし、待ちも悪かったし、結果も悪かったし、さらにトータルの結果も悪かったしっていうので…。声をかけてもらう度にその光景を思い出してしまって…。所謂フラッシュバックってやつですね。それが結構きつくて…。まぁなんというか、チャレンジマッチが始まるまでも嫌だったし、あんまり勝てる気もしてなかったし、メンタル的にきつかったですね。ていうのが、地獄でした。」
{自分の非を認めて、そこで何度も悔やむ。そうして、次の舞台で挽回する。反省して、実行する。これって簡単そうですごく難しい。誰だって嫌な事、辛い事は思い出したくない。それを真摯に受け止め、次でしっかりと結果を出す。麻雀だけじゃなくて、人生においてとっても大事な事。こういう強さも今の亜樹さんを作り上げている重要な要素なんだなぁ…}
優月「でもその地獄を乗り越えたからには、決勝はいけるって思いました?」
亜樹「まぁ、そうですね、その勢い的な物とかは。あとその予選の打ち方も落ちないように打ってたけどもうちょっとアグレシッブにいってたら、加点も出来たなぁと思うので。勢い的な、いけるんじゃないかなってものはうっすら。チャレンジマッチを勝てた時に、今回は勝てるんじゃないかって。第六感的な。」
優月「さすがです!では、決勝での見どころや、決め手になったところはどこだと思いますか?」
亜樹「んー、なんだろう…終始攻めていたからなぁ。1回戦目トップとったあとの、2回戦目の東2局の親番で、普段字牌とかの暗カンとか明カンとかはほとんどしないんですね。ベースが受けとかオリとかもあるので、4枚目切っちゃったりするんですけど。それをカンしたんですよ。」
優月「びっくりました。」
{1回戦トップを取り、2回戦もトップ目。普通は逃げ切る事を考える場面だが、そこでさらに攻めに回る姿勢。解説陣の馬場プロも驚いていたように見えるが、そんな亜樹さんのカンだ、必ず理由がある。}
亜樹「本当はしたくなかったんですけど…、決勝2回とも全部攻めるって決めてたんですね。その決め事に対してカンをしないことは、攻めるという決めに反するなって思って。もちろんその自分の感覚的な事とかも色々あって、あのカンをする時に割と長考したと思うんですけど。」
優月「そうですね、場況とかを考えてたのかと思いましたが…」
亜樹「あの長考の時間は色々想いを振り返っていました。場の状況とかじゃなくて、想いの再確認というか…それで親番だし、1回戦目トップとって勝てなかったその決勝もあったわけだし。これでここでカンしなかったら、その攻めるって気持ちとかも削げ落ちるんじゃないかと思ってとか…色々な葛藤があってのカンだったんですね。」
優月「そういう考えだったんですね!納得です!」
亜樹「で、結果6,000オールをつもるんですけど、その手順とかも私的には全然悪くなかったなと思って。読みもそこそこ当たってたんで、その局が結構決め手になったんじゃないかなと。その6,000オールで気持ちにもかなり余裕が出来ましたね。」
優月「そうですね、1回戦目トップだったとはいえ、あのアガリが無かったら、オーラスの黒沢プロの巻き返しも厳しく感じたかもしれませんね。」
亜樹「そうですね、点棒の壁で押し返せるかどうかとかもまた変わってくるので。。あそこで6,000オールをツモってなかったら、その後の周りの展開も変わってきたかなって。」
優月「なるほど」
亜樹「オーラスも最後まで攻めてたんですけど、その全ての線が繋がらないといけないんで。」
{そっか…麻雀を1つの線として捉えているんだなぁ。だから、ぶれない亜樹さんの麻雀は見ている方も気持ちがいいんだろうなぁ。。}
優月「1回戦東2局のタンヤオのカン三索で先制リーチをした局がありましたね。対局後ナビゲーターの馬場さんにも聞かれていましたが、あれはどういったリーチだったのでしょうか?亜樹さん、あんまり役ありのカンチャンのリーチを打たなそうかなーって思って見てました。」
亜樹「決勝は打ち慣れている相手だったので、相手の様子を探るっていうよりは、自分の状態、様子を探るっていうようなリーチだったんですね。打点とかじゃなくて。」
優月「なるほど、自分の感覚を探るための先制リーチだったのですね!結果3件リーチになって、高宮プロの放銃になったわけですが、その状態とか感触的にはどう感じるものなのでしょうか?」
亜樹「でも自分が愚形のリーチを打って、自分が振り込まなかったので。やっぱり、先手を打って追いつかれて、自分が放銃するというのが一番良くないと思っているので。まぁ感触は可もなく不可もなくみたいな。」
優月「次は1回戦オーラスの事です。オーラストップ目の親番で、2着目の高宮プロとは1万点差ほど。東バックで仕掛けて、テンパイをとりましたよね。流局したとき、トップ目からの連チャンか、トップで終局するか選べた場面です。亜樹さんは少し悩んで伏せたんですけどあの時はどういう思考だったのでしょうか?」
亜樹「トップをとらないと意味は無いと思ってたので、さらなる加点をしたいところだけど私の麻雀のタイプからすると、稼げる時は稼げて、それが持続できないタイプなので。」
優月「そうなんですか、そういうイメージって無かったです!」
亜樹「片山先生のドトッパーって漫画知ってます?笑」
優月「??すみません、わからないです笑」
亜樹「んーーーー…それで例えるとすごくわかりやすいんですけど、縦ドトッパーと、横ドトッパーっていうのがあって、、笑」
優月「????」
亜樹「縦ドトッパーは、1半荘で10万点とか稼いで、横ドトッパーは、4万点のトップを何半荘も続けるんですよ」
優月「あー!なるほど!!1回で稼ぐか、何回かかけて稼ぐか的な感じですかね」
亜樹「タイプでいうと、私は縦ドトッパーなので。」
優月「1回でたくさん加点するタイプですか。」
亜樹「そう、でも今回は決勝2回戦なので横ドトッパーにしないとなって。」
優月「よこどとっぱー…」
{初めて聞くけどすごい使いやすい言葉だなぁ…}
亜樹「そこで連荘し続けることは可能だけど加点し続ける事は微妙かなと。なので、一旦終わらせて、その勢いを次の2回戦へもっていきたかったんで終わらせたんです。」
優月「横ドトッパーにするために!」
亜樹「あとは純粋にまくられたら嫌っていうのもありますけど。」
優月「高宮プロの満貫ツモでトップをまくられる点差でしたもんね。」
亜樹「そうですね。高宮プロにまくられると、けっこう勝つの厳しいなっていうのがあったんで。次の半荘で。」
優月「あ、じゃあ高宮プロが2着目だからっていうのもあったんですか?」
亜樹「まぁ、そうですね。んーでも相手が誰でもそうですけど、割と1回戦トップ取ることには執着してました。結局、2回戦勝負は、1回戦目の着順で2回戦目にやる事が決まってしまうので。」
優月「ちょっと笑いながら、伏せていたのが可愛かったです。笑」
亜樹「あはは、まぁ、やりたい気持ちもありましたからね。リーグ戦なら間違いなく続行するじゃないですか?けどシステムの事を考えると伏せた方が無難かなと。」
優月「目標はトップって事ですね!では2回戦目、決勝最終戦のオーラスはどうでした?1回戦も1位、ポイント持ち越しの2回戦目もダントツの1位でのオーラスなので、かなり有利な状況でしたが、ラス親の黒沢さんの連荘が続いていました。」
亜樹「まぁ、黒沢さんに親満2発くらい打っても大丈夫だったし、自分で終わらせにいくしかないので。かなり攻めてましたね。で、手牌は悪くないのにアガれない局が2~3局続いて、黒沢さんに親満を放銃するんですけど。」
優月「そうでしたね…。」
亜樹「その時とかも、アガれないでくすぶっている時って、1回大きい放銃をすると、その後軽い手がアガれるっていう、、なんていうか自分の経験則みたいのがあって。」
優月「そうなんですか!!」(メモメモ)
亜樹「えぇ、それで当たってもいいと思って。いやたぶん打ったら親満くらいかなって思って打ったんですけど。」
優月「すごい、それでも攻めたんですね!」
亜樹「でも打たないと自分がアガれないって思ってたんで。そこで放銃するのは仕方ないって思って。次に繋がる放銃に、なりそうだなって。」
{決勝戦のオーラスという場面で、経験則をもとに親満覚悟で前に出るってすごい。とりあえずオリちゃう人も多い中、幾度となく、実践を積んだから亜樹さんだからこそ出来る攻め}
優月「そしてまったくその経験則の通り次の局でアガリましたよね!」
亜樹「そうですね、でも次の局、自分が高い手を張ったらアガれないかなって思ってたんです。安い手が入ったらたぶんアガれるだろうなって、そんな感覚でした。こればっかりは、自分の感覚のお話なので説明しずらいのですが…」
優月「そういうものなんですね…!」
亜樹「なので12,000点放銃したときもなんとも思ってなかったですね。ふーんみたいな」
優月「かっこよすぎる…!」
亜樹「まぁ、黒沢プロもアガリやめ出来ない立場だったんで。局数はまだあるなって。あとは自分がずっと前に出ていたので。また経験則ですが、ずっと前に攻めている人がアガリやすいような気がして。とにかくずっと攻めたので。いままでは、相手のガソリン切れを待ったりっていう戦い方が多かったので、もちろんそれで勝ったのもありますけど。リーグ戦とか、ゲスト先での麻雀も。そうした方が勝てると思うときもある。でも、女流モンド杯のシステムに関しては、攻めた方が良いと思って。普段の麻雀とは全然違う打ち方になったかなと思います。」
{こんな短い質問にここまで深く答えてくださるなんて…!考えてる事がすごすぎる!}
しばし談笑していただいて。
優月「女流桜花の方はどうでしょうか?」
亜樹「…女流桜花ねぇ、そう。女流モンドを優勝してから、ガタッと崩れてしまって。」
優月「え、そうなんですか」
亜樹「モンドの決勝まで、女流桜花2位だったんですけど。マイナス40Pや70Pとかで負けてしまって。たぶん、そのモンドの決勝を集中して、意識しずきて、女流桜花の方でバランスを崩してしまっていたんですね。まぁ、それは多少は覚悟してたんですけど、自分の中で切り替えられるかなと思ってたんですけど。甘かったなぁと…。そんなに切り替えられなかったです。で、Aルールの方に影響がでて。きつかったなぁ。今回はプレーオフには残れるかもしれないけど、決勝は厳しいかな。立て直せなかったんです。」
優月「気持ちが…ですか?」
亜樹「うん、メンタルかな?割とその、さっき線でつなげる麻雀にしようって言ってたんだけど。自分の麻雀は点で繋げることが多くてね。ちょっと線で繋げることを意識しすぎて、桜花で崩れてしまったの。大きいタイトル戦の決勝とかで集中とか意識しすぎると影響がでるよね。」
優月「そうなんですか…」
亜樹「例えばこのまえ、団体対抗戦の決勝があったじゃない?」
優月「はい!連盟が優勝しましたね!」
亜樹「そう、でも、活躍した選手の中で何人も崩れた人もいたので。猿川さん、瀬戸熊さん…。たぶんその人達ももちろん、リーグ戦をおざなりにしたわけじゃないんだけど、団体対抗戦に意識を集中しすぎてて…。ちょっとしたぬけがら状態になったり。団体対抗戦だと一発裏ありでAルールに影響がでたり。まぁ、そうだろうね。やっぱり崩れるだろうなって。大事だけど、やっぱりうまく切り替えないと。うまく切り替えられる人はすごいと思う。うっちー(内川プロ)とか、上手だよね。団体対抗戦の方であんなに活躍してたのに、あんまり崩れなくて。いやたぶん、実際は崩れていたんだろうけど、やってる途中に立て直してた。すごいと思う、私はそれが出来なかった。でも終わった事もそんなに引きずらない方なので、桜花の方もまた次頑張ろうと。今期は。(笑)まぁまだプレーオフもあるし。」
優月「亜樹さんの活躍、まだまだ見たいですね!」
麻雀についての有難いお話を聞かせてもらったところで、皆様知りたいでしょう?亜樹さん私生活!聞いちゃいました!
優月「娘さんの話とか聞いちゃってもいいですか?」
亜樹「いいですよ!」
優月「やっぱり可愛いですか?」
亜樹「可愛いですよ、生きがいです。やっぱり仕事とかも、子供がいるから頑張れる。でも仕事で子供と一緒にいられない時間も多いから…難しいですね。」
優月「お子さんを産んでから、麻雀変わったりしましたか?」
亜樹「んー、やっぱり弱くなりましたね。麻雀打つ時間も相当減ったし。あとは人間的に仕方がないんだと思うんだけど、子どもが出来ると、人間的に色々もっていかれるんですね。栄養素とか。笑」
優月「あぁ!自分の 持ってるもの とか?」
亜樹「たとえば、忘れっぽくなったりとか記憶力が相当悪くなりましたね。あとは、なんだろうな。割り切りが良くなったことが麻雀に悪い影響を及ぼす事もあったり。麻雀にある種の粘りが無くなったりとか。麻雀って結構感情のコントロールに向いてると思うんですよ。麻雀する事によって鍛えられる部分があったり。子育ても似たように、鍛えられる事があって。ある程度自分の感情をコントロールしないと、例えば子供にいちいち腹を立てたり怒っても仕方ないと思うんで。自分の感情をうまくコントロールしながら、躾とか教育をしないといけないんですね。だから、自制心、みたいのは育つと思うんですよ。けどその、自制しすぎて達観しちゃうみたいな。積極的にぐいぐい参加できなかったり。そういうのは、麻雀にとって良い部分でもあり悪い部分でもあると思うんです。だから、勝負どころの見極めとかもやっぱり鈍くなったかなって。感覚的に。総合的に考えると麻雀はやっぱり弱くなったかって思うんですけど。身体能力的な部分ですよね。それって。」
{ハッ、結局麻雀の質問をしてしまった…!!}
優月「最近、ママ雀士も増えているので、亜樹さんから何かアドバイスあればお願いします!」
亜樹「いやぁアドバイス欲しいくらいっすね!笑」
優月「笑」
亜樹「いやでも子供産むと子どもにつききっきりになるので、そういう時に麻雀が多少おざなりになるそれは仕方ないと思うんです。言っても麻雀プロも人間ですし、女流プロは1人の女性なので。そういうところで男はずるいな、羨ましいなって思ったり。男が子育てしなくていいとかじゃなくて。やっぱり密度が男より女の方が濃いと思う。脳内をしめる割合っていうのがあるとすると、やっぱり麻雀の割外が少なくなると思う。人としてはそうあるべきだと思うけど、麻雀プロとしてはどうなんだろう。」
優月「なかなか両立するのは難しいですね。」
亜樹「んー、、両立するのは無理なんじゃないかなと思うんです。相反するものだから。どっちも大事だけど、そんなに器用な方じゃないから。周りの協力があってですね。自分がやりたいことを貫けるのって。環境的にはすごく恵まれてると思うので。でも全ての女流プロがそういうわけじゃないので。きっと大変だと思う。何かを得るには何かを諦めなきゃいけないというのは的を得ているかと思います。」
{自分の人生が自分だけのものじゃなくなるんだもんなぁ…子育てだけでも、すごく大変だって言うのにプロとしてもしっかりと活躍している亜樹さん。聞かれた事に対して、綺麗事を並べたりしないで、しっかりと本当の気持ちを話してくれる亜樹さん。もう亜樹さんってほんとすごいなー…。}
優月「ところで、麻雀格闘倶楽部2のスロットが出ますね!」
亜樹「でますね。」
優月「夏目坂スタジオに台があったんですけど、打ってみたらいきなり当たってビックリしました!」
亜樹「あれはデモ機なので常に同じ演出ですよ」
優月「私強いと思ったら全然違ったんですね!」笑
亜樹「そうです。」笑
優月「今回の、パチスロ麻雀格闘倶楽部2の見どころはどうでしょうか?」
亜樹「参戦プロが増えましたね!あとは、モードの追加もされています。」
優月「なるほど、それは楽しみですね!」
優月「いつごろから導入ですか?」
亜樹「一応12月の半ばまでにはホールに設置される予定ですね。」
優月「私も、昔からスロットが好きなんですけど、なかなかスロット好きの中でも自分が出演してる台がホールにあるって経験をした人っていないと思うんですね。ホールでどういう気持ちになりますか?!」(ワクワク)
亜樹「まぁ私は私の事がそんなに好きじゃないんで、打っていても私の事はあんまり見てないです笑」
優月「そうなんですか?!」
亜樹「他の人が出ている方が面白いかな。知ってる人が面白い顔してるとかそういう方が楽しいかな。今だと麻雀格闘倶楽部の1の方が稼働してるので、自分が来店イベントとかで置いてくれて、通りがかると、あぁ、出てるよねって。笑」
優月「あぁ、ですか。笑」
亜樹「でもスロットの台に出るのは3台目なので、まぁ、、」
優月「慣れっこですか!」
亜樹「いやいや笑」
優月「早く打ちたいですね!」
優月「最後に、今後モンド出場、優勝を目指す若手プロに向けてメッセージがあればお願いします!」
亜樹「昔よりはモンドに出るチャンスとかが若手にも広がってきたので、どっかでそのワンチャンスをものにしないと、と思う。もちろん麻雀の力をあげることも大切だけど積極的に人目につくように色んなところに出て、自分をいろんな人に見てもらって、顔を売って。出場権利をかけた対局とかもあるのでね。女流モンドに関してはルックスとかも関係ないので、麻雀のスキルアップ、ジャン力アップ、積極的に自分を売るセルフプロデュース。ひとつひとつのチャンスを見逃さないところだと思います。」
優月「ありがとうございます!」
{すっごい良いこと聞けたなぁ…。}
優月「ほんとに今日は1日ありがとうございました!!!」
亜樹「いやいや、なんかたいした事答えてないけど大丈夫ですか?」
優月「いやいや、むしろ私の拙い質問が申し訳ないです。でも素晴らしい答えを沢山ありがとうございました!」
亜樹「インタビュー記事楽しみにしてますね」
優月「は、、はい!!」
亜樹さん本当に、女流モンド杯優勝おめでとうございます!
 

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プロとして、女性として、人間としてずっと憧れの存在。
5年前より、さらにその気持ちは増していくばかり。
これからの活躍も、ずっとずっと応援しています!
 

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第151回:第1回麻雀プロ団体日本一決定戦優勝記念インタビュー ~後編~

第1節 3回戦 南4局1本場
親 白鳥

四索六索七索七索八索九索三筒三筒五筒五筒六筒六筒七筒  ツモ七筒  ドラ四筒

突然ですが皆さんは何を切りますか?
状況は以下の通りだが、部分的な局面でお伝えすることをご了承いただきたい。

時間打ち切りが迫っており、場合によっては今局で打ち切りになる可能性も考えられる。
持ち点は、東家白鳥17,100、南家5,500、西家66,700、北家30,700。

7巡目に南家からリーチ。更に8巡目に北家が仕掛ける。丁寧に廻った白鳥が12巡目に追いつき、上記の手牌となった。
関連牌は八索が場に2枚切れ。一索四索七索は全て無筋。白鳥の目からは六索が3枚見えており七索はワンチャンス。長考の末、白鳥は打七索のヤミテンを選択した。
この選択に対し佐々木と白鳥の意見がぶつかる。

佐々木の言い分
「言いたくないけど、そこまでの手順は素晴らしかった。リーチ者のアタリ牌を止めて追いついたのよ。それなのに最後の最後に七索切ってヤミテンにしたの。この先、あと何節、何回戦残っていると思ってるんだよ。そんな考えの麻雀では勝ちきれない。負けてもいいから四索切ってリーチで攻めてけって言ったのよ。自分なら八索が4枚見えてても四索切ってリーチするね」

白鳥の言い分
「僕は七索切りのバランスで自分自身を保てると思ってた。リーチ者の序盤に六索が切られていて四索の危険度の方が断然高い。12,000アガッても2着にはならないし、リーチ者に放銃すればラス落ちする可能性はかなり高い。団体戦だからこそ、最終的にはオリても良いと思ってた。僕は良い意味で大きくは浮かないかもしれないけど大崩れはしない。その代わり最終的なポイントはしっかり伸ばして結果は出す」

佐々木「本当に屁理屈が多いな!」

白鳥「いや、技術的な話なの!」

いつでもそうだ。今回のインタビューでも麻雀の話になると私からの質問は遥か彼方に置き去りになる。
お互いの本音をぶつけ合う若手同士の熱い麻雀談義。それを先輩が微笑ましく見守る。
こんな掛け合いは、切磋琢磨する日本プロ麻雀連盟では日常の光景なのである。
それは時に先輩・後輩の垣根を超えて行われる。

私はふっと思った。連盟員には見慣れたこの光景こそが、先輩から後輩に対しての日本プロ麻雀連盟の伝統と歴史の引き継ぎを担っているのではないかと。
若手の疑問に対して真摯な姿勢で受け止め、的確なアドバイスをしてくれる。上記の局面にて、両者に生じた意見の相違も同様であろう。
それぞれが今日まで、多くのアドバイスを基に築き上げてきた己の技術と精神力。どちらが正しいかはそれぞれが判断することだ。

しかし、明日には佐々木が白鳥の手法を、白鳥が佐々木の手法を実践しているのかもしれないのだ。
試行錯誤し、アドバイスを求める。この繰り返しの中でそれぞれが成長し、個の力が伸びていく。
今大会の優勝は、そんな中から生まれたものなのかもしれない。

 

【藤崎さん何日目振り返りたいですか】

 

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10月某日 14:25 四ッ谷

日吉「それではインタビューを始めたいと思います。これは団体と個人の成績表です。これがあれば当時のことを思い出しやすいかなと」

佐々木「お、ありがとう。気が利くな」

一同「キャプテン!何節目を振り返りますか?(笑)」

チーム連盟、キャプテン藤崎。
藤崎は今大会では絶不調。個人成績で32人中、30位という成績だった。

藤崎「振り返る必要ないでしょ…」

 

【当然かな】

 

日吉「まずは選抜された時の意気込みを聞かせてください」

藤崎「とにかく大事な対局が多いなと。ありがたいですよ」

日吉「藤崎さんのキャプテン任命のタイミングは?」

藤崎「決起集会の時だね。その時点では会長の、例のコメントは聞いてなかったんだよね」

日吉「会長のコメントを聞いた後の心境は?」

藤崎「それは想像を絶しますよ。大会開催日(8月10日)から3ヵ月くらい経つよね。プレッシャーが大きくて、今でも体調悪いよ。だって会長は自分が言ったコメントを撤回するような人じゃないでしょ」

(そういえば瀬戸熊さんは、会長はスマートで頑固なお父さんのようなイメージの人だって言ってたな)

藤崎「もし4位になったら会長が辞めるでしょ。それなのに、チームのキャプテンがそのまま居座れないよね。負けた時は引退で責任取るしかないかなって。それぐらいのことは考えてましたね」

(自身が背負うものの大きさを自覚した、藤崎さんなりの覚悟なんだろうな)

前田「そしたら次のキャプテンを誰もやらなくなりますよ」

藤崎「引退は言い過ぎだけど、頭丸めるくらいはするよね。そしたら当然メンバー全員坊主じゃない。これは必然だよ。だけどこれを前例にすると、今後のキャプテンいなくなるからな…」

佐々木「(坊主に)しないよ!冗談顔だけにしてよ!」

(寿人さんの坊主…見てみたいな…)

日吉「前田さんはいかがでしたか?」

前田「選ばれたことは本当に光栄ですね。今大会は本当に注目度が高かったよね」

(前田さんの坊主も…見てみたいな…)

インターネットの普及により、多くの大会が開催されている。
しかし視聴者の方が何を求めているのかは、蓋を開けてみないとわからない部分が多いことも事実。
そういった意味では、更なる麻雀業界発展の余地は十分に残されているのだろう。

前田「日刊スポーツの1ページ使って宣伝されてたし、視聴者数が半端じゃなかったよね」

日吉「放送媒体もAbemaTVということが大きかったですか」

前田「団体対抗戦っていうコンテンツも素晴らしいけど、AbemaTVっていうのは大きいね。視聴者数20万人超えてたもの」

日吉「寿人さんは?」

佐々木「ルールとこれまでの対外成績を考えたら、メンバーには選んでもらえると思ってましたよ」

(さすが佐々木寿人。自信の塊だ)

日吉「選抜された時の感想は?」

佐々木「当然かなと」

(気持ちが良いほどの即答!もう少し突っ込んで聞いてみよう…)

日吉「8人の中でメディアの露出は一番多いですが、鳳凰戦のリーグは一番下。更に選抜されなかった連盟員の中にはリーグ上位者の方が沢山います。その中で選抜された感想は?」

佐々木「場慣れ感は誰よりもあると思う。だから持ってる力は一番発揮できるはずですよ。ステージにも慣れてるしね。自信だけは人一倍ありますから」

前田「その部分はみんな認めてるし納得じゃないかな」

日吉「白鳥さんは?」

白鳥「リザーバー2人(HIRO柴田、山田浩之)の方が総合力で言えば僕より上だと思う。ただ最近の対外成績が悪くないこと、場慣れしてきたこと。あとはマスターズ連覇が大きな選出理由だと思います」

前田「マスターズ連覇が大きかったよね。勝ち方も良かったし」

白鳥「連覇じゃなかったら選ばれてなかったと思います」

日吉「連覇されたマスターズに近いルールでしたが、自信はありましたか?」

白鳥「とても得意なルールだと思います。連盟員はAルール特化の方が多いと思う。ただこのルールであれば他の連盟員の方よりは向いているかなと…」

佐々木「おいおいおい!俺がモンド杯と天空麻雀で何回優勝したか知ってるのかよ!」

前田「翔ちゃんは知らないと思うけど、僕は現最強位なんだよね」

藤崎「僕は日本オープン連覇したことがあるんだよなぁ。確か3回優勝してたかなぁ」

(あーあ、生意気なこと言うから…白鳥、坊主にしてきなさい!)

 

【勝負に行く機会もなかった】

 

日吉「今大会はチーム戦でしたが、対局を行う上で意識したことはありますか?」

佐々木「暗黙の役割はあったよね。こいつにはポイント伸ばして欲しいとか、逆にポイントまとめてほしいとかさ。僕が期待されていたことは出来たかな」

佐々木は個人成績第6位。今大会でもその攻撃力を存分に見せつけた。個人成績で上位を維持し続け、ポイントを伸ばすことによってチームを牽引し続けた。

日吉「ご自身が期待されていたことに応えることができたと」

佐々木「キャプテンがマイナスしても僕がそれを補填しましたからね。大変でしたよ(笑)」

藤崎「こらこらこら」

佐々木「ポイント伸ばす人がいないと勝てないわけですよ。若い僕らがポイント伸ばして、もし藤崎さんが調子悪い場合は僕らで補おうと。そういう意識はありましたよ」

藤崎「僕と瀬戸熊で話した時にね、ポイントゲッターは寿人、猿川、白鳥の3人だろうと。サルちゃんと翔ちゃんは器用さもあるからポイントをまとめることも出来るけど、細かいことは言わずに気楽に打たせてポイント伸ばしてもらおうと思ったのね。寿人は器用なタイプじゃないから何言っても無駄。好きにやらせとけって」

佐々木「ハハハ」

藤崎「勝又は大将という大きなプレッシャーの中で戦うことになる。軽いことは言えないよ、信じてるしね。年寄3人(藤崎、瀬戸熊、前田)と器用なウッチーでポイントまとめようって話してたね。結果的にはウッチーが一番ブレイクして、前田が調子崩したよね」

佐々木「初日良かったのに失速しましたよね」

前田「そうだね。全く手が入らなかったね」

前田は第1節終了時に個人成績で首位。スタートダッシュに大きく貢献する。しかしそれ以降は失速し、最終的には28位という不本意な成績で終えた。

日吉「前田さんは普段の麻雀との違いはあったんですか?」

前田「初日は普段通りの麻雀をしてましたね。ただ第2節から着順を意識してたかな。団体戦ってことを早い段階で意識し過ぎてしまったかもしれない。その時から対抗してくるであろうチームを想定して、見逃しをしたんだよね」

日吉「なるほど」

前田「その半荘の結果は良かったけど、その後は全く手が入らなくなった。勝負に行く機会もなかった。今考えるとやるにしても早すぎた。ライバルチームを意識し過ぎたね。もう少し普段通りやればよかったよ。今大会の反省点かな。順位も大事だけど、ポイントは最終的にみんなが伸ばしてくれるだろうし」

どこかで聞いたことのある話だと思った。あの時の瀬戸熊の言葉だ。
『勝又がリーチをした瞬間は良し!と思ったよ。さすが勝又、緻密に計算してるなって。ただ、ポイントはリード出来ても勢いを失うリーチにも見える』(前半グループインタビューより抜粋)
今回は『リーチ』が『見逃し』に変わってはいるが、あの時の瀬戸熊の言葉が脳裏をよぎった。

佐々木「そういえば、白鳥に散々文句を言った一局があるんですよ」

白鳥「僕は今でも正しいと思ってるけどね」

そして冒頭の掛け合いが始まったのである。

佐々木「何回言っても、白鳥の理論でぐちゃぐちゃいうのよ。屁理屈が多くて!」

白鳥「いや屁理屈じゃないから、技術的な話だから!」

前田「なんかユーミンと喋りまShow?みたいになってるな…」

 

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【それすらどうでもよかった】

 

日吉「ご自身の成績は気になりましたか?」

白鳥「チームが勝てればどっちでもよかった。団体戦とはいえ個人成績上位なら今後の活動範囲が広がるかもしれない。だけど今回はそれすらどうでもよかった。最終日はトップを捨ててもライバルチームを抑えましたね」

佐々木「上位にいた方が目立つから意識はしてたけど、最終日だけは白鳥と同じですね。自分の成績はどうでもいいって」

前田「僕はチームの成績を優先してましたね。たださっき言った通りライバルチームとの着順を早くから意識しすぎたかな。それが反省点」

藤崎「僕は最初から調子が悪すぎた。今大会は個人的に数字を伸ばすことは難しいだろうと。そうなるとライバルチームを抑えに行くよね。個人戦であれば何とかしようとするんだけどね」

(勝又さんが、藤崎さんはポイント競ってた最高位戦との成績はすごく良かったって言ってたな。藤崎さんは自身の調子も踏まえ戦い方を選択してたんだ)

日吉「他団体で強いと思った方は?」

藤崎「平賀さん。(平賀聡彦プロ、最高位戦日本プロ麻雀協会)団体と個人の両方優勝できたら気持ち良いから、内川に個人優勝してもらいたかったね」

白鳥「水巻さん。(水巻渉プロ、最高戦日本プロ麻雀協会)対局を見た時も強いと思いましたが、実際に対局して更に強いと思いましたね」

前田「たろうさんと達也さん。(鈴木たろうプロ、鈴木達也プロ、日本プロ麻雀協会)たろうさんと対局して10本場積まれましたね」

佐々木「僕は昔から相手の評価をしても意味がないと思ってるんですよ」

白鳥「寿人さんは相手の実力を評価することも出来ないからなぁ(笑)」

(お、白鳥の反撃だ。白鳥頑張れー)

佐々木「相手を評価するより、自分の麻雀に自信を持つことに専念してたよね」

(寿人さん無視するんかーい!)

 

【一生忘れない光景】

 

日吉「寿人さんお待たせしました。地和の話いきましょうか」

佐々木「やっときたか!」

日吉「第1節、最初の半荘。早々に12,000放銃。いつもの寿人さんらしい立ち上がりでした(笑)」

前田「その通り!」

佐々木「ハハハ。やかましいわ」

日吉「そこについては視聴者も連盟員も心配していなかったんじゃないかなと思うんですが」

佐々木「初戦のラスはマズいと思ってたけど、焦ったりはしてなかったね」

白鳥「むしろ僕は安心しましたよ。いつもの寿人さんだなって。あと僕もラス取ることに不安はなくなりましたね」

佐々木「そこ大事なんだよ」

前田「確かに。誰かが調子悪いと逆にホッとすることない?自分だけじゃないんだって」

一同「あるある」

日吉「一発目の半荘で地和をもって来れるのは、先ほどの選抜された理由にも繋がってくるのかなと」

佐々木「でしょうね」

白鳥「僕は後ろで全部見てたんですよ。地和の前局がメンタンピンの二索五索八索待ち。このリーチをかわされて、厳しいかなって。そしたら次局の配牌でテンパイしてるのよ!この人やベーなって。やベーって思いましたよ。何単騎でリーチ行くのかなって。さすがに六筒よりはいい待ちになるだろうと思ってね。そしたらツモ六筒ですよ!やベーこの人って!あれは一生忘れない光景だと思います」

(白鳥の興奮具合から当時の雰囲気がビンビンに伝わってくるな)

佐々木「あのリーチがアガれたらトップまであるかなって思ってたから悔しかったよ。それで次局の配牌取ってる途中に卓がトラブったのよ。その瞬間、張り詰めた緊張感が途切れたのかな。対局者全員フワッとした感じがしたんだよね」

日吉「ええ」

佐々木「僕もフワッとしてたのかもしれない。配牌取り終えて、七対子テンパイしてるなぁ。ドラトイツだからダブリーで12,000かぁ。なんか待ちごろの牌が来ないかなって思ってた。そしたら六筒ですよ。地和は3回目だったんだけど、あの舞台で出たことにはビックリしたね」

白鳥「凄かったですよ!だけどあれをこの目で全部見てた僕も持ってるなって。歴史の証人だよね!」

佐々木「白鳥は共同作業ですねとかいうんだよ。ふざけんじゃねーよ!」

白鳥「僕は今まで寿人さんに勝ってほしいと思ったことなんてないんだけど、あの時は心底勝ってほしいと思ってた」

(これが本音なんだろうな。普段はバチバチのライバル関係なのに、そんな相手を心底応援する。ここに団体戦ならではの新たな一面が伺えるな)

佐々木「僕はあんまり役満でないでしょ。だから卓のトラブル直してる時に、これYouTubeかなー、視聴者の方は盛り上がってるかなーとか考えてましたね」

この発言からも分かる通り、佐々木は飄々とした男である。
普段から闘志や気合があまり表面に出ないタイプだと思う。
そんな佐々木が六筒をツモッた時に牌を卓に叩きつけた。お世辞にもマナーが良いとは言えないだろう。
しかし私には初めて垣間見た佐々木の気合の表れであり、それほどまでにこの大会に賭ける気持ちが強かったのだと感じた。

佐々木「ファンの方から、今でも地和のことは言われますよ。何度も言われてると思いますが、地和おめでとうございますって」

日吉「ありがたいですね。そのように言われてどう思いますか」

佐々木「いかにも私ですと。あの地和をアガッたのは私で間違いありませんと」

 

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白鳥「やっぱりこの人ダメだわ…」

 

【みんなに任せるしかなかった】

 

日吉「第3節終了時に第3位と後退しましたが、チームの雰囲気はいかがでしたか?」

佐々木「3位に落ちた時は会長が一番気を使ってくれたかな。すぐに反省会と決起会を開いてくれて。選手の気持ちを盛り上げてくれましたね」

白鳥「でもみんなの気持ちは揺れてはなかったですね」

藤崎「空気は良く無かったけどね。僕は個人成績で足を引っ張ってたから何にも言えないよね。調子悪い自分が攻めようとするともっとひどい結果になってしまう。みんなに任せるしかなかった。7人頑張ってくれって」

佐々木「あれだけ情けない成績を叩き出してたのに、悲壮感を漂わせてなかったよ。常に我々の気持ちを上げてくれた」

藤崎「僕は大会開催中、みんなに言い続けてたことがあってね」

日吉「なんと言ってたんですか?」

藤崎「お前ら俺のためだけにポイント稼いで来いって(笑)」

(みんなをリラックスさせるための発言。これが藤崎流の鼓舞の仕方なんだな)

藤崎「日吉も考えてみればわかると思うけど、あのチームのキャプテンは俺じゃないんだよ。実質のキャプテンは瀬戸熊。みんなに声かけて若手を鼓舞してたよね。瀬戸熊の行動は普段通りなんだよ。そこで僕がキャプテンだからって、みんなを鼓舞するのはおかしいじゃん。瀬戸熊がその役をやってくれるなら俺はそっちじゃない方をやろうって」

(まさに阿吽の呼吸。その役こそが普段の藤崎さんなんですよね)

藤崎「でもね、第1節、後半グループの1回戦終了時に悲壮感が出たんだよ。前半グループの4人(佐々木、前田、白鳥、猿川)がロケットスタートを決めてくれてたのね」

前田「猿川、白鳥、寿人の3人は自信もってやってましたよ。最近の若い子は凄いな、羨ましいなって(笑)緊張もなさそうだったし。第1節があの4人で良かったなと思いますね」

(猿川は緊張してたらしいですよ(笑))

佐々木「前半で170ポイント近く広げてましたからね」

藤崎「俺たちも頑張るぞって。後半は鳳凰位経験者が3人いるんだよ。翔ちゃんは後半4人(藤崎、瀬戸熊、勝又、内川)の方が強いから安心だって」

日吉「ええ」

藤崎「それでね意気揚々と出て行って、内川だけ3着で鳳凰位経験者3人は4着。最初の半荘でトータルポイント逆転されるわけよ。団体戦って怖いなって。半荘1回、僅か1時間でこんなにポイント変わるんだって。4人共、1回戦終わった時は動けなかったよ。その後、3人が頑張って全部取り返してくれた。僕はダメだったけどね(笑)」

 

【会長からお守りをもらってる】

 

日吉「会長のコメントはプレッシャーになりましたか?」

佐々木「会長からは沢山激励してもらいましたね。会長は4位になったら辞めると言ってましたが僕は優勝しか見てなかった」

白鳥「プレイヤーとして活動したい連盟員がほとんどなんですよ。でも誰かがその部分で尽力してくれないと、そのステージすら存在しない。会長はその部分をすごくフォローしてくれる。本当に感謝してます」

前田「会長と話すようになったのは最近で、グランプリ(第4期グランプリMAX)取った後からですね。最近は近づけば近づくほど会長の偉大さに気付きますよね。激励のメールが来た時はビックリしましたよ」

藤崎「さっきも言ったけど会長のあのコメント以来、会長の名前が出るたびにプレッシャー感じてたよね。寿人は優勝しか見てないって言ってるけど僕にはそんな余裕なかったね。第1節のスタートダッシュでリードしてからは優勝しか考えてなかったけど」

日吉「今大会は選抜選手8名、リザーバー2名の計10名で行動していたんですか?」

藤崎「いや違う。会長が総監督、黒木と山井が裏方をやってくれた。基本的にはこの13人で行動してましたね」

日吉「リザーバーの2人は皆さんにとってどのような存在でしたか?」

佐々木「気を使ってくれましたね。なんか欲しいものあったら言ってくれって。柴田さんは僕より先輩なんですけどね」

日吉「山井さんと黒木さんは?」

藤崎「コーチであり、引率員だね。黒木は会場の都合上対局を見れなかったんだけど、山井はずっと対局を見てたんだよね。チーム全員の良い時も、悪い時もずっと。それって自分が対局してる時よりも辛かったりすると思うんだ。今大会で一番疲れたのは山井だろうね」

前田「優勝するって信じてくれてただろうけど、会長と山井さん黒木さんが一番プレッシャーかかってたかもしれないですね」

白鳥「対局前に山井さんが全員にお守りくれたんですよ。すごく感動しましたね。団体愛ですよ。それで1回戦、地和ですよ!必然ですよ。あって然るべき地和!」

佐々木「山井さんが世界チャンピオンになった時、会長からお守りをもらってるんですよね。そういう経緯もあったと思うよ」

多くの連盟員が知る由もなかった舞台裏。
これこそが、戦いに参じることが叶わなかった山井からチームへのメッセージなんだろう。
日本プロ麻雀連盟の伝統と歴史。その新たな側面を垣間見た瞬間だった。

 

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【このチームを率いて優勝したんだよな】

 

日吉「今大会中、チームのムードはいかがでしたか?」

白鳥「キャプテン藤崎さん、副キャプテン瀬戸熊さん、大将勝又さんという布陣でしたよね」

藤崎「あとの5人はヒラだね」

佐々木「冗談顔だけにしろよ!ヒラの方が頑張ってんじゃねーか!」

藤崎「やっぱり平社員が頑張らないと会社は成り立たないから」

佐々木「こんな会社やだわ。日吉もわかるでしょ、今の発言聞いて」

(仲良いことはわかりますよ)

藤崎「翔ちゃんがいじられ役として完璧だったね」

前田「ところで翔ちゃんは何であんな格好してたの?」

第1節、白鳥はサスペンダーに蝶ネクタイという格好で登場したのである。

佐々木「あれ見て偉いなって思ったよ。でも漫才師みたいな格好だったな(笑)」

藤崎「だって漫才師だもんね」

前田「M-1と勘違いしてたんでしょ?」

佐々木「麻雀で目立てないから格好で目立とうとしたんだよな」

白鳥「麻雀で目立てないっていうか…ビジュアル的にも目立った方がいいんですよ!」

(話が全然進まない…)

日吉「白鳥さんは、対局内容で普段と変化させたことはありましたか?」

佐々木「変化?出来ない!出来ない!出来ない!」

白鳥「出来ないじゃねーよ!やってたわ!」

藤崎「ボイスレコーダーの容量が心配だから翔ちゃんの話はもういいや」

(やっぱり進まない…)

日吉「寿人さんは普段から一匹狼な感じがありますが今回の団体戦はいかがでしたか?」

藤崎「友達いないだけでしょ(笑)」

佐々木「うるさいよ!僕はポイント稼ぐしかないよね。野球で言えば一番バッターだよ。一発目のあれでみんなの士気が高まったかなって思ってましたね」

前田「キャプテン、士気は高まりましたか?」

藤崎「すぐ12,000放銃だもんね」

佐々木「そこじゃねーよ!」

日吉「前田さんは年長グループでしたが」

前田「若い子がのびのびできるように努めるだけだよね。チームのムードは良かったと思うよ。互いに信頼してるから。キャプテン以外は心配してなかったよ(笑)」

佐々木「そうそう。キャプテンはやる前から不安だったもん」

藤崎「日吉、これ記事として使いやすい話題だと思うけど、頼む使わないでね」

日吉「(笑)キャプテンは?」

藤崎「チームメイトに感謝だよね」

佐々木「そうだろうね30位なんだから(笑)」

藤崎「個人成績は散々だったけど、第1回大会の優勝チームのキャプテンっていう一番美味しい立場をやらせてもらったわけじゃない。キャプテンとしての責任感があるから、喜んだり、嬉しいって気持ちになれる立場ではなかった。今でも嬉しいって気持ちにはなれないんだよね。ホッとした気持ちしか出ない。ただもう少し経てば、第1回大会でこのチームを率いて優勝したんだよなって誇りには思えるだろうね」

優勝という結果に対する、喜び以上の安堵感。そのプレッシャーは想像を絶する。
私は今回のインタビュー前に瀬戸熊からある話を耳にしていた。
藤崎が、あの藤崎が瀬戸熊の前だけではあるが、語気を強め、普段では到底想像できない言葉遣いでチームの在り方を強く口にしていたと。
瀬戸熊は、初めて見る藤崎のその表情に団体戦に賭ける闘争心と、プレッシャーを感じ取っていた。
そんな藤崎は闘争心はそのままに、プレッシャーはしっかり受け止め、悲壮感は一切出さず、良いムードを作り続けた。
これこそが藤崎のキャプテンシーなのだ。

日吉「キャプテンからチーム連盟に対して一言お願いできますか」

藤崎「本当に感謝しかない。ただ僕も含めてみんなもすぐに自分個人の戦いに戻っていくからね。いつまでも浮かれてはいられないよ。僕もすぐ十段戦だったしね」

前田「大会開催中から十段戦にシフトチェンジしてたんじゃないの(笑)」

佐々木「成績によく表れてるよ!もうちょっと気合入れてほしかったよ!」

(厳しいなぁ。藤崎さんは大変だったのに…)

日吉「最年少として臨んだ白鳥さんからは、チーム連盟はどう見えましたか?」

白鳥「頼もしい!」

藤崎「翔ちゃんは自分が目立ちたいだけだからね(笑)」

(藤崎さんも厳しい!)

白鳥「いや普段は目立ちたいですけど、今回はそんな気持ちはなかったですね。あれから毎朝起きた時に、勝てて良かったなって思いますね。僕は感銘した記事があると部屋の壁に貼るんですが、近代麻雀の寿人さんの記事を張りましたね」

佐々木「お、それは良い話だな。良い心がけだぞ」

藤崎「日吉、録音停止ってこのボタン」

(寿人さんは自分の良い話だけには敏感に食いつくよなぁ)

日吉「最終戦の途中で泣いた理由は?」

白鳥「プレッシャーは全然ないと思ってたんですよね。ただ起きたら体調悪くて、会場着いたら気持ち悪くなって吐いちゃったんですよね。それぐらいプレッシャーがすごくて。優勝が近づくにつれて感極まりましたね。勝又さんには沢山声かけてもらったし」

日吉「なんて声かけてもらったんですか?」

白鳥「僕は最終節の1戦目でラスになったんです。その時に勝又さんが、取り返すから大丈夫だよって。そこで9万点トップですよ。感動しましたよ」

 

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頼もしい先輩たちに手を引かれ、最高の栄誉を手にした白鳥。
将来、後輩の手を引いていく頼もしい男になるのだろう。
涙する彼を見た時、今回の経験を糧に連盟の中枢を担って行くことは間違いないだろうと確信した。

藤崎「感動したよね。勝又の9万点は大きかったよ。もちろんチーム7人の力もね。最終節を3位で迎えて、7人で追いついて勝又の9万点で突き放したって感じかな。僕はあんまり活躍できなかったけど(笑)」

佐々木「追いついたのはチーム6人の力ね(笑)」

 

【600人のチームだった】

 

日吉「ファン、それから連盟員の反応はいかがでしたか?」

佐々木「開催中はどこに行っても団体戦の話題で持ち切りでしたよ」

前田「本当にありがいたなと。連盟を応援してくれるってことは、連盟の誰かが好きとか、連盟チャンネルが好きってことだから。連盟チャンネルを好きで見てくれる人たちのためにも勝たないといけないって思いましたね」

藤崎「応援の声は凄いよ。単純に考えて普段の十倍くらいになるんだから。これまで寿人を応援してくれてた方たちも藤崎頑張れってなるわけだからね」

(瀬戸熊さんのファンが普段はライバルの勝又さんを心底応援してたって言ってたな)

藤崎「連盟員は遠慮してるのか、あまり声をかけてこなかったね。ただ終わった後の盛り上がりは半端じゃなかった。こんなに応援してくれてたのかって。麻雀は個人競技じゃない。選抜メンバーに自分の名前がなくて悔しい思いをしている連盟員も沢山いたと思う。それでも連盟が勝った時にあれだけ喜んでくれたのは嬉しかった。その時に8人だけのチームじゃなかったんだなって。チーム連盟は600人のチームだったんだなって思いましたね」

 

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以下は私の個人的見解であり誤解を恐れず記させていただく。

今回のメンバー選考に異論があった連盟員がいたかもしれない。
しかし、その戦いを見て、感じて、共に戦っている気持ちになっていったであろう。
8人の激闘はそれほどまでにファンと連盟員のために心身を削った戦いであった。
先輩と仲間と後輩。日本プロ麻雀連盟の伝統と歴史。それは、多くの辛い経験とほんの少しの良かった出来事を胸に宿した連盟員で形成されている。

佐々木「キャプテンいい話しますね。でも成績悪いのに、こんないい話を書いたらダメだよ」

前田「日吉君、今の話はカットね。バッサリと」

白鳥「そうだね。いらない、いらない」

藤崎「日吉、今の話で原稿半分書けるでしょ。あとは下っ端の話で何とかなるよね」

佐々木「でもね応援してくれてた方も絶対疲れたと思いますよ。お疲れさまでしたって言いたいですよ」

一同「今のもカットね!」

 

【力で這い上がってくるしかない】

 

日吉「伝統と歴史の継承者である若い連盟員に向けてメッセージをお願いします」

白鳥「僕も含めて僕より下の世代が弱すぎる。このままだと勝てなくなる時も来ると思う。僕は今回、連盟には強い先輩が沢山いて、その教えが正しいことを証明したかった。これからもそれを証明できるように稽古を積んで出番に備えてほしいです」

佐々木「連盟は僕が入会した時から武闘派集団だった。僕自身その歴史と伝統を引き継いでいきたいし、後輩たちにも引き継いでほしい。もっと戦う麻雀を打ってほしいなと。最近はギラギラした奴がいないでしょ。そういうやつが沢山出てきてほしい。例えば20代で団体対抗戦やったらどこが勝つかわからないですよ。やっぱりそれを圧倒できるくらいの若手が出てきてくれたらいいなと」

前田「団体戦では普段のライバルがチームメイト。だからこそ、その力を信頼できた。若い子たちも上のステージで戦うためには、力で這い上がってくるしかない。そこには必ず努力が必要なので絶対に天下を取ってやるってくらいの気持ちで臨んでほしいなと思います」

藤崎「団体戦優勝の気持ちは個人のタイトルをいくら取っても味わえないもの。連盟は人数も多いしレジェンドと言われる怪物が沢山いる。先輩たちが圧倒的に強い団体で名前が売れたら、どこに出て戦っても十分に渡り合える。この連盟にいて活動していることを誇りに、幸せに思ってほしい。名前が売れるとこまで活躍できればいつかメンバーに選ばれます。僕と同じ気持ちを味わってほしいな」

日吉「次回の団体戦のではどのような方が選ばれるのでしょうか?」

佐々木「キャプテン以外でしょ!」

藤崎「寿人と翔ちゃんは次回も選ばれるかもしれないね」

佐々木「でも白鳥は屁理屈が多い!」

白鳥「技術論だから!」

前田「だからユーミンと喋りまShow?みたいになってるって!」

 

【日本プロ麻雀連盟の伝統と歴史を守るべく】

 

16:25

日吉「今日はありがとうございました」

一同「おつかれー」

白鳥「そうだ!あの局面、僕は正しいと思ってますよ!」

佐々木「だから軟弱なんだよ!」

藤崎前田「仲が良いなぁ…」

大きなプレッシャーの中で連盟員であることの誇りを胸に、藤崎は藤崎であり続けた。
柔和な表情、穏やかな人柄。周囲に気を使わせない立ち振る舞い。若手に好きなことを言わせる器量。
チームに対しそんな心遣いがあったからこそ、チームメイトもキャプテンを支え続けたのだろう。
そのことが今回のインタビューから伝われば幸いである。

チーム連盟13人は最高の結果を届けてくれた。
その壮絶な戦いにおいて、我々600人の連盟員もチームの支えになれたと信じたい。

連盟の誇りと、その看板を守り抜いたチーム連盟。
戦いを終えた直後、興奮が冷めないのか、選手は対局中さながらの強張った表情。
しかし時間と共に緊張感から徐々に解放され、普段の表情に戻った瞬間があった。
それを象徴する写真がある。

(みんな良い顔してるわ。これがヒーローの素顔なんだな)

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この晴れやかな笑顔の裏には我々の知られざる沢山の激闘と人間ドラマが隠されていた。
そしてヒーローたちは既にそれぞれの戦場に戻り、日々精進し己の研鑽を怠らない。
そして600人の連盟員も今回の結果に刺激を受け、活躍を夢見て動き出していることであろう。

日本プロ麻雀連盟の伝統と歴史を守るべく、第2回麻雀プロ団体日本一決定戦に向けて。

プロ雀士インタビュー/第151回:第1回麻雀プロ団体日本一決定戦優勝記念インタビュー ~後編~

第1節 3回戦 南4局1本場
親 白鳥
四索六索七索七索八索九索三筒三筒五筒五筒六筒六筒七筒  ツモ七筒  ドラ四筒
突然ですが皆さんは何を切りますか?
状況は以下の通りだが、部分的な局面でお伝えすることをご了承いただきたい。
時間打ち切りが迫っており、場合によっては今局で打ち切りになる可能性も考えられる。
持ち点は、東家白鳥17,100、南家5,500、西家66,700、北家30,700。
7巡目に南家からリーチ。更に8巡目に北家が仕掛ける。丁寧に廻った白鳥が12巡目に追いつき、上記の手牌となった。
関連牌は八索が場に2枚切れ。一索四索七索は全て無筋。白鳥の目からは六索が3枚見えており七索はワンチャンス。長考の末、白鳥は打七索のヤミテンを選択した。
この選択に対し佐々木と白鳥の意見がぶつかる。
佐々木の言い分
「言いたくないけど、そこまでの手順は素晴らしかった。リーチ者のアタリ牌を止めて追いついたのよ。それなのに最後の最後に七索切ってヤミテンにしたの。この先、あと何節、何回戦残っていると思ってるんだよ。そんな考えの麻雀では勝ちきれない。負けてもいいから四索切ってリーチで攻めてけって言ったのよ。自分なら八索が4枚見えてても四索切ってリーチするね」
白鳥の言い分
「僕は七索切りのバランスで自分自身を保てると思ってた。リーチ者の序盤に六索が切られていて四索の危険度の方が断然高い。12,000アガッても2着にはならないし、リーチ者に放銃すればラス落ちする可能性はかなり高い。団体戦だからこそ、最終的にはオリても良いと思ってた。僕は良い意味で大きくは浮かないかもしれないけど大崩れはしない。その代わり最終的なポイントはしっかり伸ばして結果は出す」
佐々木「本当に屁理屈が多いな!」
白鳥「いや、技術的な話なの!」
いつでもそうだ。今回のインタビューでも麻雀の話になると私からの質問は遥か彼方に置き去りになる。
お互いの本音をぶつけ合う若手同士の熱い麻雀談義。それを先輩が微笑ましく見守る。
こんな掛け合いは、切磋琢磨する日本プロ麻雀連盟では日常の光景なのである。
それは時に先輩・後輩の垣根を超えて行われる。
私はふっと思った。連盟員には見慣れたこの光景こそが、先輩から後輩に対しての日本プロ麻雀連盟の伝統と歴史の引き継ぎを担っているのではないかと。
若手の疑問に対して真摯な姿勢で受け止め、的確なアドバイスをしてくれる。上記の局面にて、両者に生じた意見の相違も同様であろう。
それぞれが今日まで、多くのアドバイスを基に築き上げてきた己の技術と精神力。どちらが正しいかはそれぞれが判断することだ。
しかし、明日には佐々木が白鳥の手法を、白鳥が佐々木の手法を実践しているのかもしれないのだ。
試行錯誤し、アドバイスを求める。この繰り返しの中でそれぞれが成長し、個の力が伸びていく。
今大会の優勝は、そんな中から生まれたものなのかもしれない。
 
【藤崎さん何日目振り返りたいですか】
 

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10月某日 14:25 四ッ谷
日吉「それではインタビューを始めたいと思います。これは団体と個人の成績表です。これがあれば当時のことを思い出しやすいかなと」
佐々木「お、ありがとう。気が利くな」
一同「キャプテン!何節目を振り返りますか?(笑)」
チーム連盟、キャプテン藤崎。
藤崎は今大会では絶不調。個人成績で32人中、30位という成績だった。
藤崎「振り返る必要ないでしょ…」
 
【当然かな】
 
日吉「まずは選抜された時の意気込みを聞かせてください」
藤崎「とにかく大事な対局が多いなと。ありがたいですよ」
日吉「藤崎さんのキャプテン任命のタイミングは?」
藤崎「決起集会の時だね。その時点では会長の、例のコメントは聞いてなかったんだよね」
日吉「会長のコメントを聞いた後の心境は?」
藤崎「それは想像を絶しますよ。大会開催日(8月10日)から3ヵ月くらい経つよね。プレッシャーが大きくて、今でも体調悪いよ。だって会長は自分が言ったコメントを撤回するような人じゃないでしょ」
(そういえば瀬戸熊さんは、会長はスマートで頑固なお父さんのようなイメージの人だって言ってたな)
藤崎「もし4位になったら会長が辞めるでしょ。それなのに、チームのキャプテンがそのまま居座れないよね。負けた時は引退で責任取るしかないかなって。それぐらいのことは考えてましたね」
(自身が背負うものの大きさを自覚した、藤崎さんなりの覚悟なんだろうな)
前田「そしたら次のキャプテンを誰もやらなくなりますよ」
藤崎「引退は言い過ぎだけど、頭丸めるくらいはするよね。そしたら当然メンバー全員坊主じゃない。これは必然だよ。だけどこれを前例にすると、今後のキャプテンいなくなるからな…」
佐々木「(坊主に)しないよ!冗談顔だけにしてよ!」
(寿人さんの坊主…見てみたいな…)
日吉「前田さんはいかがでしたか?」
前田「選ばれたことは本当に光栄ですね。今大会は本当に注目度が高かったよね」
(前田さんの坊主も…見てみたいな…)
インターネットの普及により、多くの大会が開催されている。
しかし視聴者の方が何を求めているのかは、蓋を開けてみないとわからない部分が多いことも事実。
そういった意味では、更なる麻雀業界発展の余地は十分に残されているのだろう。
前田「日刊スポーツの1ページ使って宣伝されてたし、視聴者数が半端じゃなかったよね」
日吉「放送媒体もAbemaTVということが大きかったですか」
前田「団体対抗戦っていうコンテンツも素晴らしいけど、AbemaTVっていうのは大きいね。視聴者数20万人超えてたもの」
日吉「寿人さんは?」
佐々木「ルールとこれまでの対外成績を考えたら、メンバーには選んでもらえると思ってましたよ」
(さすが佐々木寿人。自信の塊だ)
日吉「選抜された時の感想は?」
佐々木「当然かなと」
(気持ちが良いほどの即答!もう少し突っ込んで聞いてみよう…)
日吉「8人の中でメディアの露出は一番多いですが、鳳凰戦のリーグは一番下。更に選抜されなかった連盟員の中にはリーグ上位者の方が沢山います。その中で選抜された感想は?」
佐々木「場慣れ感は誰よりもあると思う。だから持ってる力は一番発揮できるはずですよ。ステージにも慣れてるしね。自信だけは人一倍ありますから」
前田「その部分はみんな認めてるし納得じゃないかな」
日吉「白鳥さんは?」
白鳥「リザーバー2人(HIRO柴田、山田浩之)の方が総合力で言えば僕より上だと思う。ただ最近の対外成績が悪くないこと、場慣れしてきたこと。あとはマスターズ連覇が大きな選出理由だと思います」
前田「マスターズ連覇が大きかったよね。勝ち方も良かったし」
白鳥「連覇じゃなかったら選ばれてなかったと思います」
日吉「連覇されたマスターズに近いルールでしたが、自信はありましたか?」
白鳥「とても得意なルールだと思います。連盟員はAルール特化の方が多いと思う。ただこのルールであれば他の連盟員の方よりは向いているかなと…」
佐々木「おいおいおい!俺がモンド杯と天空麻雀で何回優勝したか知ってるのかよ!」
前田「翔ちゃんは知らないと思うけど、僕は現最強位なんだよね」
藤崎「僕は日本オープン連覇したことがあるんだよなぁ。確か3回優勝してたかなぁ」
(あーあ、生意気なこと言うから…白鳥、坊主にしてきなさい!)
 
【勝負に行く機会もなかった】
 
日吉「今大会はチーム戦でしたが、対局を行う上で意識したことはありますか?」
佐々木「暗黙の役割はあったよね。こいつにはポイント伸ばして欲しいとか、逆にポイントまとめてほしいとかさ。僕が期待されていたことは出来たかな」
佐々木は個人成績第6位。今大会でもその攻撃力を存分に見せつけた。個人成績で上位を維持し続け、ポイントを伸ばすことによってチームを牽引し続けた。
日吉「ご自身が期待されていたことに応えることができたと」
佐々木「キャプテンがマイナスしても僕がそれを補填しましたからね。大変でしたよ(笑)」
藤崎「こらこらこら」
佐々木「ポイント伸ばす人がいないと勝てないわけですよ。若い僕らがポイント伸ばして、もし藤崎さんが調子悪い場合は僕らで補おうと。そういう意識はありましたよ」
藤崎「僕と瀬戸熊で話した時にね、ポイントゲッターは寿人、猿川、白鳥の3人だろうと。サルちゃんと翔ちゃんは器用さもあるからポイントをまとめることも出来るけど、細かいことは言わずに気楽に打たせてポイント伸ばしてもらおうと思ったのね。寿人は器用なタイプじゃないから何言っても無駄。好きにやらせとけって」
佐々木「ハハハ」
藤崎「勝又は大将という大きなプレッシャーの中で戦うことになる。軽いことは言えないよ、信じてるしね。年寄3人(藤崎、瀬戸熊、前田)と器用なウッチーでポイントまとめようって話してたね。結果的にはウッチーが一番ブレイクして、前田が調子崩したよね」
佐々木「初日良かったのに失速しましたよね」
前田「そうだね。全く手が入らなかったね」
前田は第1節終了時に個人成績で首位。スタートダッシュに大きく貢献する。しかしそれ以降は失速し、最終的には28位という不本意な成績で終えた。
日吉「前田さんは普段の麻雀との違いはあったんですか?」
前田「初日は普段通りの麻雀をしてましたね。ただ第2節から着順を意識してたかな。団体戦ってことを早い段階で意識し過ぎてしまったかもしれない。その時から対抗してくるであろうチームを想定して、見逃しをしたんだよね」
日吉「なるほど」
前田「その半荘の結果は良かったけど、その後は全く手が入らなくなった。勝負に行く機会もなかった。今考えるとやるにしても早すぎた。ライバルチームを意識し過ぎたね。もう少し普段通りやればよかったよ。今大会の反省点かな。順位も大事だけど、ポイントは最終的にみんなが伸ばしてくれるだろうし」
どこかで聞いたことのある話だと思った。あの時の瀬戸熊の言葉だ。
『勝又がリーチをした瞬間は良し!と思ったよ。さすが勝又、緻密に計算してるなって。ただ、ポイントはリード出来ても勢いを失うリーチにも見える』(前半グループインタビューより抜粋)
今回は『リーチ』が『見逃し』に変わってはいるが、あの時の瀬戸熊の言葉が脳裏をよぎった。
佐々木「そういえば、白鳥に散々文句を言った一局があるんですよ」
白鳥「僕は今でも正しいと思ってるけどね」
そして冒頭の掛け合いが始まったのである。
佐々木「何回言っても、白鳥の理論でぐちゃぐちゃいうのよ。屁理屈が多くて!」
白鳥「いや屁理屈じゃないから、技術的な話だから!」
前田「なんかユーミンと喋りまShow?みたいになってるな…」
 
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【それすらどうでもよかった】
 
日吉「ご自身の成績は気になりましたか?」
白鳥「チームが勝てればどっちでもよかった。団体戦とはいえ個人成績上位なら今後の活動範囲が広がるかもしれない。だけど今回はそれすらどうでもよかった。最終日はトップを捨ててもライバルチームを抑えましたね」
佐々木「上位にいた方が目立つから意識はしてたけど、最終日だけは白鳥と同じですね。自分の成績はどうでもいいって」
前田「僕はチームの成績を優先してましたね。たださっき言った通りライバルチームとの着順を早くから意識しすぎたかな。それが反省点」
藤崎「僕は最初から調子が悪すぎた。今大会は個人的に数字を伸ばすことは難しいだろうと。そうなるとライバルチームを抑えに行くよね。個人戦であれば何とかしようとするんだけどね」
(勝又さんが、藤崎さんはポイント競ってた最高位戦との成績はすごく良かったって言ってたな。藤崎さんは自身の調子も踏まえ戦い方を選択してたんだ)
日吉「他団体で強いと思った方は?」
藤崎「平賀さん。(平賀聡彦プロ、最高位戦日本プロ麻雀協会)団体と個人の両方優勝できたら気持ち良いから、内川に個人優勝してもらいたかったね」
白鳥「水巻さん。(水巻渉プロ、最高戦日本プロ麻雀協会)対局を見た時も強いと思いましたが、実際に対局して更に強いと思いましたね」
前田「たろうさんと達也さん。(鈴木たろうプロ、鈴木達也プロ、日本プロ麻雀協会)たろうさんと対局して10本場積まれましたね」
佐々木「僕は昔から相手の評価をしても意味がないと思ってるんですよ」
白鳥「寿人さんは相手の実力を評価することも出来ないからなぁ(笑)」
(お、白鳥の反撃だ。白鳥頑張れー)
佐々木「相手を評価するより、自分の麻雀に自信を持つことに専念してたよね」
(寿人さん無視するんかーい!)
 
【一生忘れない光景】
 
日吉「寿人さんお待たせしました。地和の話いきましょうか」
佐々木「やっときたか!」
日吉「第1節、最初の半荘。早々に12,000放銃。いつもの寿人さんらしい立ち上がりでした(笑)」
前田「その通り!」
佐々木「ハハハ。やかましいわ」
日吉「そこについては視聴者も連盟員も心配していなかったんじゃないかなと思うんですが」
佐々木「初戦のラスはマズいと思ってたけど、焦ったりはしてなかったね」
白鳥「むしろ僕は安心しましたよ。いつもの寿人さんだなって。あと僕もラス取ることに不安はなくなりましたね」
佐々木「そこ大事なんだよ」
前田「確かに。誰かが調子悪いと逆にホッとすることない?自分だけじゃないんだって」
一同「あるある」
日吉「一発目の半荘で地和をもって来れるのは、先ほどの選抜された理由にも繋がってくるのかなと」
佐々木「でしょうね」
白鳥「僕は後ろで全部見てたんですよ。地和の前局がメンタンピンの二索五索八索待ち。このリーチをかわされて、厳しいかなって。そしたら次局の配牌でテンパイしてるのよ!この人やベーなって。やベーって思いましたよ。何単騎でリーチ行くのかなって。さすがに六筒よりはいい待ちになるだろうと思ってね。そしたらツモ六筒ですよ!やベーこの人って!あれは一生忘れない光景だと思います」
(白鳥の興奮具合から当時の雰囲気がビンビンに伝わってくるな)
佐々木「あのリーチがアガれたらトップまであるかなって思ってたから悔しかったよ。それで次局の配牌取ってる途中に卓がトラブったのよ。その瞬間、張り詰めた緊張感が途切れたのかな。対局者全員フワッとした感じがしたんだよね」
日吉「ええ」
佐々木「僕もフワッとしてたのかもしれない。配牌取り終えて、七対子テンパイしてるなぁ。ドラトイツだからダブリーで12,000かぁ。なんか待ちごろの牌が来ないかなって思ってた。そしたら六筒ですよ。地和は3回目だったんだけど、あの舞台で出たことにはビックリしたね」
白鳥「凄かったですよ!だけどあれをこの目で全部見てた僕も持ってるなって。歴史の証人だよね!」
佐々木「白鳥は共同作業ですねとかいうんだよ。ふざけんじゃねーよ!」
白鳥「僕は今まで寿人さんに勝ってほしいと思ったことなんてないんだけど、あの時は心底勝ってほしいと思ってた」
(これが本音なんだろうな。普段はバチバチのライバル関係なのに、そんな相手を心底応援する。ここに団体戦ならではの新たな一面が伺えるな)
佐々木「僕はあんまり役満でないでしょ。だから卓のトラブル直してる時に、これYouTubeかなー、視聴者の方は盛り上がってるかなーとか考えてましたね」
この発言からも分かる通り、佐々木は飄々とした男である。
普段から闘志や気合があまり表面に出ないタイプだと思う。
そんな佐々木が六筒をツモッた時に牌を卓に叩きつけた。お世辞にもマナーが良いとは言えないだろう。
しかし私には初めて垣間見た佐々木の気合の表れであり、それほどまでにこの大会に賭ける気持ちが強かったのだと感じた。
佐々木「ファンの方から、今でも地和のことは言われますよ。何度も言われてると思いますが、地和おめでとうございますって」
日吉「ありがたいですね。そのように言われてどう思いますか」
佐々木「いかにも私ですと。あの地和をアガッたのは私で間違いありませんと」
 
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白鳥「やっぱりこの人ダメだわ…」
 
【みんなに任せるしかなかった】
 
日吉「第3節終了時に第3位と後退しましたが、チームの雰囲気はいかがでしたか?」
佐々木「3位に落ちた時は会長が一番気を使ってくれたかな。すぐに反省会と決起会を開いてくれて。選手の気持ちを盛り上げてくれましたね」
白鳥「でもみんなの気持ちは揺れてはなかったですね」
藤崎「空気は良く無かったけどね。僕は個人成績で足を引っ張ってたから何にも言えないよね。調子悪い自分が攻めようとするともっとひどい結果になってしまう。みんなに任せるしかなかった。7人頑張ってくれって」
佐々木「あれだけ情けない成績を叩き出してたのに、悲壮感を漂わせてなかったよ。常に我々の気持ちを上げてくれた」
藤崎「僕は大会開催中、みんなに言い続けてたことがあってね」
日吉「なんと言ってたんですか?」
藤崎「お前ら俺のためだけにポイント稼いで来いって(笑)」
(みんなをリラックスさせるための発言。これが藤崎流の鼓舞の仕方なんだな)
藤崎「日吉も考えてみればわかると思うけど、あのチームのキャプテンは俺じゃないんだよ。実質のキャプテンは瀬戸熊。みんなに声かけて若手を鼓舞してたよね。瀬戸熊の行動は普段通りなんだよ。そこで僕がキャプテンだからって、みんなを鼓舞するのはおかしいじゃん。瀬戸熊がその役をやってくれるなら俺はそっちじゃない方をやろうって」
(まさに阿吽の呼吸。その役こそが普段の藤崎さんなんですよね)
藤崎「でもね、第1節、後半グループの1回戦終了時に悲壮感が出たんだよ。前半グループの4人(佐々木、前田、白鳥、猿川)がロケットスタートを決めてくれてたのね」
前田「猿川、白鳥、寿人の3人は自信もってやってましたよ。最近の若い子は凄いな、羨ましいなって(笑)緊張もなさそうだったし。第1節があの4人で良かったなと思いますね」
(猿川は緊張してたらしいですよ(笑))
佐々木「前半で170ポイント近く広げてましたからね」
藤崎「俺たちも頑張るぞって。後半は鳳凰位経験者が3人いるんだよ。翔ちゃんは後半4人(藤崎、瀬戸熊、勝又、内川)の方が強いから安心だって」
日吉「ええ」
藤崎「それでね意気揚々と出て行って、内川だけ3着で鳳凰位経験者3人は4着。最初の半荘でトータルポイント逆転されるわけよ。団体戦って怖いなって。半荘1回、僅か1時間でこんなにポイント変わるんだって。4人共、1回戦終わった時は動けなかったよ。その後、3人が頑張って全部取り返してくれた。僕はダメだったけどね(笑)」
 
【会長からお守りをもらってる】
 
日吉「会長のコメントはプレッシャーになりましたか?」
佐々木「会長からは沢山激励してもらいましたね。会長は4位になったら辞めると言ってましたが僕は優勝しか見てなかった」
白鳥「プレイヤーとして活動したい連盟員がほとんどなんですよ。でも誰かがその部分で尽力してくれないと、そのステージすら存在しない。会長はその部分をすごくフォローしてくれる。本当に感謝してます」
前田「会長と話すようになったのは最近で、グランプリ(第4期グランプリMAX)取った後からですね。最近は近づけば近づくほど会長の偉大さに気付きますよね。激励のメールが来た時はビックリしましたよ」
藤崎「さっきも言ったけど会長のあのコメント以来、会長の名前が出るたびにプレッシャー感じてたよね。寿人は優勝しか見てないって言ってるけど僕にはそんな余裕なかったね。第1節のスタートダッシュでリードしてからは優勝しか考えてなかったけど」
日吉「今大会は選抜選手8名、リザーバー2名の計10名で行動していたんですか?」
藤崎「いや違う。会長が総監督、黒木と山井が裏方をやってくれた。基本的にはこの13人で行動してましたね」
日吉「リザーバーの2人は皆さんにとってどのような存在でしたか?」
佐々木「気を使ってくれましたね。なんか欲しいものあったら言ってくれって。柴田さんは僕より先輩なんですけどね」
日吉「山井さんと黒木さんは?」
藤崎「コーチであり、引率員だね。黒木は会場の都合上対局を見れなかったんだけど、山井はずっと対局を見てたんだよね。チーム全員の良い時も、悪い時もずっと。それって自分が対局してる時よりも辛かったりすると思うんだ。今大会で一番疲れたのは山井だろうね」
前田「優勝するって信じてくれてただろうけど、会長と山井さん黒木さんが一番プレッシャーかかってたかもしれないですね」
白鳥「対局前に山井さんが全員にお守りくれたんですよ。すごく感動しましたね。団体愛ですよ。それで1回戦、地和ですよ!必然ですよ。あって然るべき地和!」
佐々木「山井さんが世界チャンピオンになった時、会長からお守りをもらってるんですよね。そういう経緯もあったと思うよ」
多くの連盟員が知る由もなかった舞台裏。
これこそが、戦いに参じることが叶わなかった山井からチームへのメッセージなんだろう。
日本プロ麻雀連盟の伝統と歴史。その新たな側面を垣間見た瞬間だった。
 

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【このチームを率いて優勝したんだよな】
 
日吉「今大会中、チームのムードはいかがでしたか?」
白鳥「キャプテン藤崎さん、副キャプテン瀬戸熊さん、大将勝又さんという布陣でしたよね」
藤崎「あとの5人はヒラだね」
佐々木「冗談顔だけにしろよ!ヒラの方が頑張ってんじゃねーか!」
藤崎「やっぱり平社員が頑張らないと会社は成り立たないから」
佐々木「こんな会社やだわ。日吉もわかるでしょ、今の発言聞いて」
(仲良いことはわかりますよ)
藤崎「翔ちゃんがいじられ役として完璧だったね」
前田「ところで翔ちゃんは何であんな格好してたの?」
第1節、白鳥はサスペンダーに蝶ネクタイという格好で登場したのである。
佐々木「あれ見て偉いなって思ったよ。でも漫才師みたいな格好だったな(笑)」
藤崎「だって漫才師だもんね」
前田「M-1と勘違いしてたんでしょ?」
佐々木「麻雀で目立てないから格好で目立とうとしたんだよな」
白鳥「麻雀で目立てないっていうか…ビジュアル的にも目立った方がいいんですよ!」
(話が全然進まない…)
日吉「白鳥さんは、対局内容で普段と変化させたことはありましたか?」
佐々木「変化?出来ない!出来ない!出来ない!」
白鳥「出来ないじゃねーよ!やってたわ!」
藤崎「ボイスレコーダーの容量が心配だから翔ちゃんの話はもういいや」
(やっぱり進まない…)
日吉「寿人さんは普段から一匹狼な感じがありますが今回の団体戦はいかがでしたか?」
藤崎「友達いないだけでしょ(笑)」
佐々木「うるさいよ!僕はポイント稼ぐしかないよね。野球で言えば一番バッターだよ。一発目のあれでみんなの士気が高まったかなって思ってましたね」
前田「キャプテン、士気は高まりましたか?」
藤崎「すぐ12,000放銃だもんね」
佐々木「そこじゃねーよ!」
日吉「前田さんは年長グループでしたが」
前田「若い子がのびのびできるように努めるだけだよね。チームのムードは良かったと思うよ。互いに信頼してるから。キャプテン以外は心配してなかったよ(笑)」
佐々木「そうそう。キャプテンはやる前から不安だったもん」
藤崎「日吉、これ記事として使いやすい話題だと思うけど、頼む使わないでね」
日吉「(笑)キャプテンは?」
藤崎「チームメイトに感謝だよね」
佐々木「そうだろうね30位なんだから(笑)」
藤崎「個人成績は散々だったけど、第1回大会の優勝チームのキャプテンっていう一番美味しい立場をやらせてもらったわけじゃない。キャプテンとしての責任感があるから、喜んだり、嬉しいって気持ちになれる立場ではなかった。今でも嬉しいって気持ちにはなれないんだよね。ホッとした気持ちしか出ない。ただもう少し経てば、第1回大会でこのチームを率いて優勝したんだよなって誇りには思えるだろうね」
優勝という結果に対する、喜び以上の安堵感。そのプレッシャーは想像を絶する。
私は今回のインタビュー前に瀬戸熊からある話を耳にしていた。
藤崎が、あの藤崎が瀬戸熊の前だけではあるが、語気を強め、普段では到底想像できない言葉遣いでチームの在り方を強く口にしていたと。
瀬戸熊は、初めて見る藤崎のその表情に団体戦に賭ける闘争心と、プレッシャーを感じ取っていた。
そんな藤崎は闘争心はそのままに、プレッシャーはしっかり受け止め、悲壮感は一切出さず、良いムードを作り続けた。
これこそが藤崎のキャプテンシーなのだ。
日吉「キャプテンからチーム連盟に対して一言お願いできますか」
藤崎「本当に感謝しかない。ただ僕も含めてみんなもすぐに自分個人の戦いに戻っていくからね。いつまでも浮かれてはいられないよ。僕もすぐ十段戦だったしね」
前田「大会開催中から十段戦にシフトチェンジしてたんじゃないの(笑)」
佐々木「成績によく表れてるよ!もうちょっと気合入れてほしかったよ!」
(厳しいなぁ。藤崎さんは大変だったのに…)
日吉「最年少として臨んだ白鳥さんからは、チーム連盟はどう見えましたか?」
白鳥「頼もしい!」
藤崎「翔ちゃんは自分が目立ちたいだけだからね(笑)」
(藤崎さんも厳しい!)
白鳥「いや普段は目立ちたいですけど、今回はそんな気持ちはなかったですね。あれから毎朝起きた時に、勝てて良かったなって思いますね。僕は感銘した記事があると部屋の壁に貼るんですが、近代麻雀の寿人さんの記事を張りましたね」
佐々木「お、それは良い話だな。良い心がけだぞ」
藤崎「日吉、録音停止ってこのボタン」
(寿人さんは自分の良い話だけには敏感に食いつくよなぁ)
日吉「最終戦の途中で泣いた理由は?」
白鳥「プレッシャーは全然ないと思ってたんですよね。ただ起きたら体調悪くて、会場着いたら気持ち悪くなって吐いちゃったんですよね。それぐらいプレッシャーがすごくて。優勝が近づくにつれて感極まりましたね。勝又さんには沢山声かけてもらったし」
日吉「なんて声かけてもらったんですか?」
白鳥「僕は最終節の1戦目でラスになったんです。その時に勝又さんが、取り返すから大丈夫だよって。そこで9万点トップですよ。感動しましたよ」
 
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頼もしい先輩たちに手を引かれ、最高の栄誉を手にした白鳥。
将来、後輩の手を引いていく頼もしい男になるのだろう。
涙する彼を見た時、今回の経験を糧に連盟の中枢を担って行くことは間違いないだろうと確信した。
藤崎「感動したよね。勝又の9万点は大きかったよ。もちろんチーム7人の力もね。最終節を3位で迎えて、7人で追いついて勝又の9万点で突き放したって感じかな。僕はあんまり活躍できなかったけど(笑)」
佐々木「追いついたのはチーム6人の力ね(笑)」
 
【600人のチームだった】
 
日吉「ファン、それから連盟員の反応はいかがでしたか?」
佐々木「開催中はどこに行っても団体戦の話題で持ち切りでしたよ」
前田「本当にありがいたなと。連盟を応援してくれるってことは、連盟の誰かが好きとか、連盟チャンネルが好きってことだから。連盟チャンネルを好きで見てくれる人たちのためにも勝たないといけないって思いましたね」
藤崎「応援の声は凄いよ。単純に考えて普段の十倍くらいになるんだから。これまで寿人を応援してくれてた方たちも藤崎頑張れってなるわけだからね」
(瀬戸熊さんのファンが普段はライバルの勝又さんを心底応援してたって言ってたな)
藤崎「連盟員は遠慮してるのか、あまり声をかけてこなかったね。ただ終わった後の盛り上がりは半端じゃなかった。こんなに応援してくれてたのかって。麻雀は個人競技じゃない。選抜メンバーに自分の名前がなくて悔しい思いをしている連盟員も沢山いたと思う。それでも連盟が勝った時にあれだけ喜んでくれたのは嬉しかった。その時に8人だけのチームじゃなかったんだなって。チーム連盟は600人のチームだったんだなって思いましたね」
 
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以下は私の個人的見解であり誤解を恐れず記させていただく。
今回のメンバー選考に異論があった連盟員がいたかもしれない。
しかし、その戦いを見て、感じて、共に戦っている気持ちになっていったであろう。
8人の激闘はそれほどまでにファンと連盟員のために心身を削った戦いであった。
先輩と仲間と後輩。日本プロ麻雀連盟の伝統と歴史。それは、多くの辛い経験とほんの少しの良かった出来事を胸に宿した連盟員で形成されている。
佐々木「キャプテンいい話しますね。でも成績悪いのに、こんないい話を書いたらダメだよ」
前田「日吉君、今の話はカットね。バッサリと」
白鳥「そうだね。いらない、いらない」
藤崎「日吉、今の話で原稿半分書けるでしょ。あとは下っ端の話で何とかなるよね」
佐々木「でもね応援してくれてた方も絶対疲れたと思いますよ。お疲れさまでしたって言いたいですよ」
一同「今のもカットね!」
 
【力で這い上がってくるしかない】
 
日吉「伝統と歴史の継承者である若い連盟員に向けてメッセージをお願いします」
白鳥「僕も含めて僕より下の世代が弱すぎる。このままだと勝てなくなる時も来ると思う。僕は今回、連盟には強い先輩が沢山いて、その教えが正しいことを証明したかった。これからもそれを証明できるように稽古を積んで出番に備えてほしいです」
佐々木「連盟は僕が入会した時から武闘派集団だった。僕自身その歴史と伝統を引き継いでいきたいし、後輩たちにも引き継いでほしい。もっと戦う麻雀を打ってほしいなと。最近はギラギラした奴がいないでしょ。そういうやつが沢山出てきてほしい。例えば20代で団体対抗戦やったらどこが勝つかわからないですよ。やっぱりそれを圧倒できるくらいの若手が出てきてくれたらいいなと」
前田「団体戦では普段のライバルがチームメイト。だからこそ、その力を信頼できた。若い子たちも上のステージで戦うためには、力で這い上がってくるしかない。そこには必ず努力が必要なので絶対に天下を取ってやるってくらいの気持ちで臨んでほしいなと思います」
藤崎「団体戦優勝の気持ちは個人のタイトルをいくら取っても味わえないもの。連盟は人数も多いしレジェンドと言われる怪物が沢山いる。先輩たちが圧倒的に強い団体で名前が売れたら、どこに出て戦っても十分に渡り合える。この連盟にいて活動していることを誇りに、幸せに思ってほしい。名前が売れるとこまで活躍できればいつかメンバーに選ばれます。僕と同じ気持ちを味わってほしいな」
日吉「次回の団体戦のではどのような方が選ばれるのでしょうか?」
佐々木「キャプテン以外でしょ!」
藤崎「寿人と翔ちゃんは次回も選ばれるかもしれないね」
佐々木「でも白鳥は屁理屈が多い!」
白鳥「技術論だから!」
前田「だからユーミンと喋りまShow?みたいになってるって!」
 
【日本プロ麻雀連盟の伝統と歴史を守るべく】
 
16:25
日吉「今日はありがとうございました」
一同「おつかれー」
白鳥「そうだ!あの局面、僕は正しいと思ってますよ!」
佐々木「だから軟弱なんだよ!」
藤崎前田「仲が良いなぁ…」
大きなプレッシャーの中で連盟員であることの誇りを胸に、藤崎は藤崎であり続けた。
柔和な表情、穏やかな人柄。周囲に気を使わせない立ち振る舞い。若手に好きなことを言わせる器量。
チームに対しそんな心遣いがあったからこそ、チームメイトもキャプテンを支え続けたのだろう。
そのことが今回のインタビューから伝われば幸いである。
チーム連盟13人は最高の結果を届けてくれた。
その壮絶な戦いにおいて、我々600人の連盟員もチームの支えになれたと信じたい。
連盟の誇りと、その看板を守り抜いたチーム連盟。
戦いを終えた直後、興奮が冷めないのか、選手は対局中さながらの強張った表情。
しかし時間と共に緊張感から徐々に解放され、普段の表情に戻った瞬間があった。
それを象徴する写真がある。
(みんな良い顔してるわ。これがヒーローの素顔なんだな)

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この晴れやかな笑顔の裏には我々の知られざる沢山の激闘と人間ドラマが隠されていた。
そしてヒーローたちは既にそれぞれの戦場に戻り、日々精進し己の研鑽を怠らない。
そして600人の連盟員も今回の結果に刺激を受け、活躍を夢見て動き出していることであろう。
日本プロ麻雀連盟の伝統と歴史を守るべく、第2回麻雀プロ団体日本一決定戦に向けて。

中級/第118回:中級講座『番外編 サイバーエージェントカップ2016』 古橋 崇志

麻雀ファンの皆様いかがお過ごしでしょうか。古橋崇志です。
さて、
次回は「手役派の守備」についてお話したいと思います。
前回の中級講座でこんな事を書いていた奴がいたのを覚えていますか?
と、言う事で今回はサイバーエージェントカップ2016を題材にお話したいと思います。
「また嘘かよ」
「謝罪」
「勝又と交代求ム」
などと言われてしまいそうですが「手役派の守備」についてはまた次回に・・・
10/8(土)サイバーエージェントカップ2016会場にて
梶本さん「古橋の雀風は?」
古橋「門前手役派です!キリッ」
白鳥「門前派って言ってる人で強い人見たことないんだけどwww」
・・・まずは白鳥の先制攻撃。勝負は既に始まっていたのです。
そして本番開始。
サイバーエージェントカップ2016は抽選を行い、1番を引いた選手から予選A・B卓の何家に座るか選択できるのです。
1番は石井一馬さん。B卓の北家を選択。2番は私でA卓の西家を選択しました。
そして3番を引いた白鳥。
白鳥「A卓の北家でお願いします!」
司会の小山さん「それは何故ですか!?」
白鳥「石井さんより古橋さんの方が勝てそうだからです!」
(こ、こいつやるな・・・冷静な選択だぜ)
対局前に精神的ダメージを負わされながらも何とか持ちこたえ、予選A卓スタート。
東1局、私にかなりの好配牌が入ります。
2巡目にこちらの形。
 
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西家の2巡目でドラは西。ここで私は五索を切ります。
一万四万引きでのシャンポンリーチや三索引きのピンフ変化、ドラの西重なりを見ての一打です。
この五索を切った後(しまった!)と反省しました。
序盤は跳満(打点>効率)
中盤は満貫(打点=効率)
終盤はアガリ若しくはテンパイ(打点<効率)
と言った具合に除々に手役を見切っていくことが大事なのです。
前回の中級講座でこんな事を書いていました。
まだ序盤なのに目先の1シャンテンに拘って、高打点を見切ってしまうのは手役派失格です。
ここは打一筒として最低リーチピンフイーペーコーを目指すのが手役派の麻雀かな、と。
結果はソウズでもう1メンツ完成し、ヤミテンならば恐らく一万四万でのアガリがありました。
そして迎えた東3局の親番。4巡目にダブ東が暗刻になりこの形。
 
100
 
場には関連牌では九万九索が1枚切れ。打牌候補としては二筒六筒五万九索あたりでしょうか?
さて、皆さんは何を切りますか?
この何切るに正解はありません。
自分がどの様な最終形を描いているかによって打牌が変わります。
さあ、それではこの4つの打牌候補のメリットとデメリットを考えてみましょう。
 
二筒
メリット
678の三色を見つつ、最終形が好形になりやすい。
デメリット
テンパイまでの牌効率、テンパイ直後の出アガリ確率が一番劣る。
 
六筒
メリット
マンズ、ソウズのノベタンが雀頭になった時の即リーチで出アガリが期待できる。
デメリット
ピンズの横の変化が無くなる。打点の向上がこれ以上見込めなくなる。
 
五万
メリット
678の三色を見つつ、ピンズの選択を先延ばしにでき、現時点で一番強い最終形69が残る。
デメリット
一番良形になりやすいマンズの伸びが無くなってしまう。
 
九索
メリット
678の三色を見つつ、ピンズ・マンズに良形を求める事ができる。
デメリット
現時点で一番強い最終形で待てなくなってしまう。
 
この様にすべての打牌の意味をしっかりと理解する事が非常に重要です。
実戦ではここまで時間を使うことはできませんから、何回も練習して「慣れる」事が大切なのです。
さて、私は何を切ったでしょうか?
・・・・そうです二筒です!
手役派なので三色は追いたいですし、
門前派なのでリーチを打ってツモアガリを目指したいですから、ここは三色と好形が残る打二筒としました。
そして2巡後、六索が雀頭になり、テンパイ。
 
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場には八筒が1枚切れ。
私の選択は打五万、テンパイ取りのヤミテン。
数巡後にツモ八筒でカン七筒への待ち変えをすると、直後下家の白鳥から打五筒
(こ、こいつ俺の待ちを一点読みしてたのか・・・)
そして白鳥からリーチが入り、私も追っかけるものの白鳥の当たり牌を掴んで放銃となりました。
この局に関しては後日、先輩方からアドバイスを頂きました。
「2着勝ち上がりのシステムで親リーチに向かい難いから即リーチの方が良い」
スタイルに拘りすぎて、ルール・システムへの対応がまだまだの1局でした。反省!
その後は拮抗した展開でしたが、オーラスに矢島さん、日向さんとの2着争いを何とか制して決勝へ。
決勝戦も拮抗した展開が続き、南2局。
私の最後の親番、8巡目でドラは二万です。
 
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切るのは六索ですがリーチの選択に迷いますよね。
ちなみに他家の捨て牌は
 
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100
100
 
皆さんの選択はどうでしょうか?
どうしても親満クラスのアガリが欲しい局面です。リーチして裏を乗せたいです・・が!
私の選択は・・・ヤミテン!
四索七索が決して良い待ちには見えませんし、何より三色への変化があります。ここは手役派としての最大の見せ場!とばかりに人生で最もこのままアガリたくないヤミテンを選択しました。
結果は・・・七筒引きの四筒切り、そして五万を引き入れての七索切りリーチで八万をツモ。
4,000オールの大きなアガリでトップ目に。
その後は苦しみながらも何とか逃げ切り、最強戦ファイナルへの切符を手にする事ができました。
ファイナルはB卓。阿部孝則さんと茅森早香さん、雀王との戦いです。
ここで良い報告ができるように精一杯戦ってきます。
応援よろしくお願いします!
それではまた次回お会いいたしましょう。

第15期北陸リーグ 第2節レポート

第2節の注目の卓は藤本、濱平、恵比須さん、山元さんの卓。
第1節、怒涛の4連続トップで100ポイント超えで、首位スタートの藤本。
これにもう1人のプロ、濱平がどう対決していくのか?そして、このプロ2人を相手に恵比須さんと山元さんが、どう打ち進めていくのか?

1回戦、藤本がまたしてもトップを奪う。
藤本はこれで第1節から5連続トップであり、未だ2着さえない状態。この連勝は何処まで続くのか?

2回戦、南2局
藤本が濱平よりソウズのメンチンをアガる。このまま開幕6連勝を果たすのか?
逆に、1回戦ラスだった濱平にとっては苦しい状況に立たされての、親番を迎える。
濱平にとってはここが正念場である。

◯濱平光朗(第22期生、血液型О型、好きな手役タンヤオ、三色同順)
見た目は温厚で大人しいタイプに見えるが、私の個人的主観で言えば、実は内面には熱く激しく、強い意思の固さを持ち合わせているのではないだろうか?
彼は現在、北陸支部で鳳凰位戦参戦のために、毎月富山から通っている。
「毎月通う…。」一言で言うけれど、地方から継続して毎月参加するというのは、並大抵の根性では出来ないものと思っている。
今でこそ北陸新幹線での往復だが、その前は電車の乗り継ぎで、往復7時間以上をかけて、半荘4回戦闘うために毎月通い続ける。
そして、それはもう十年にも渡って行っている…。
私自身も、昔々金沢より毎月鳳凰位戦に10年以上通わさせて頂いた経験があり、地方在住の選手の1人として、その大変さは充分に分かるつもりである。
彼は間違いなく、太い一本芯の通った男なのであろう。

話が逸れたが、南3局、濱平の親番で役満の手が出没する!
南3局、11巡目、南家藤本の手牌

一万一万二筒二筒六筒六筒東東東南南白中中  ドラ二索

ここで藤本の選択は、テンパイトラズの打白東を切って七対子のテンパイを取る選択。または、白を切って四暗刻やトイトイを目指す選択。どちらも間違いではなく、正解もまた1つではない。
勿論、得点状況、場況等で、答えは変わるのだけど、私自身一番大切なのは、詰まる所その場その場の「感性」が、どちらを選ぶのか、というところに尽きるのではないか?
藤本の手牌にダブ南中の役牌が2つトイツである事、そして、前局メンチンをアガリ、第1節から主役をつとめている勢いを考えてのテンパイトラズだったのだろうか?

するとダブ南ポン→打一万。そして中までポン出来て→打一万

二筒二筒六筒六筒東東東  ポン中中中  ポン南南南

あっという間にダブ南中ホンイツトイトイの跳満テンパイとなる。この流れは、またしても藤本のアガリか?
しかしこの鳴きで、濱平に超弩級のテンパイが入る。

一筒一筒一筒四筒五筒五筒六筒七筒八筒九筒九筒九筒白  ツモ三筒

白
一筒一筒一筒三筒四筒五筒五筒六筒七筒八筒九筒九筒九筒

二筒四筒五筒七筒八筒マチの五メンチャンで、二筒だとなんと「九連宝燈」!!
二筒は藤本2枚持ちのマチハイでもあるが、山にもあと2枚眠っている。果たして、どちらの手に二筒が、勝利の女神が微笑むのか!?
結果論だが、藤本が白待ちで七対子のテンパイを取っていれば、濱平の白を捉えていたのも一つの事実であり、その因果か、今度はここから藤本にアタリ牌が忍び寄る。

藤本ツモ七筒…。
ここはノータイムで六筒を切った藤本。跳満から満貫に点数は落ちるが、サラッと両面に受けるあたり、流石に打ち込んでいる証。
結果、ギリギリで濱平へのアタリを回避する。

しかし藤本ツモ六筒→打六筒(空切り)
この六筒が先に来てくれれば跳満のアガリだったのだが、少しずつ藤本の勢いが削がれてきている感じがする。
そして、またまた藤本にアタリ牌の四筒がやって来る。これをツモ切り、濱平は安めながら藤本から前局のメンチン振り込みを、同じくメンチンでお返しする、という壮絶な打ち合いの2局となった。

2回戦は藤本の連勝を止めた濱平がトップを取り、このまま濱平のペースで進むかと思われたが、ここから山元さんが奮起し、最終的にも卓内トップの50ポイント強を叩き出した。
2人のプロを相手に流石であり、今大会の一般参加の方の台風の目になる予感を感じさせた。

他の卓に目を向けると、優勝経験者の光岡さんと押川さんが、それぞれポイントを少し伸ばし、光岡さんは2位、押川さんは4位と、第1節からの順位をキープ。
前期決勝進出された小泉さんも50ポイント近くプラスして、3位に浮上した。

私が決勝に残るとすれば、必ずこの3人の誰かと闘う事になると思う。
さて、前回のレポートで「優勝宣言」した私ですが、今節は40ポイント近くプラスし、総合首位に浮上。
順風満帆にも聞こえるが、局所局所でミスもあり、やはりまだまだ消化不良の1日でもあった。

1回戦、オーラス
高出さん33,900
窪田さん32,600
荒谷29,700
浦田23,800

南2局に、顔を上げたような不味い仕掛けから、高出さんに満貫を振り込み、自業自得のラス目で迎えたオーラス。
何故か?お化け配牌から、すぐにポンポンと鳴けて、4巡目にして下記のテンパイ。

五万五万五万南南中中  ポン北北北  ポン発発発  ドラ二万

そう簡単にアガれるとは思わなかったが、巡目も早いのでツモにかける、もしくはオーラスなので勝負牌として万が一出てくるかもしれないのでは?
そこへ5巡目、親の窪田さんからリーチがかかる。これはかなりの「伸るか反るか」状態。

親リーは怖いが、逆に言えば親からこぼれる可能性もある。無論行くしかない。ドラまたぎの四万、そしてドラ二万まで勝負!幸運にも通る…。
結果は、荒谷から中が出て、ラス目からのトップ浮上となった。
普通、こうなればこの後は自分の時間になっても良さそうだが、この日の私はここからニの矢が繰り出せない。

3回戦終了時で▲0.2ポイント、4回戦に入っても苦しい状態が続く。
しかし、東4局に森田さんの親リー宣言牌四が、私のヤミテンのピンフ一通ドラ1の高目満貫のアガリとなり、ここから今度こそは私の時間が始まる。

南1局の親番で、12,000、5,800、12,000と立て続けにアガる。
そして4本場、7巡目で

一筒二筒三筒七筒七筒八筒八筒九筒九筒東北北発

「もう、この手も貰った!」
そう思いながら10巡目に六筒、11巡目に五筒を引き、

一筒二筒三筒五筒六筒七筒七筒八筒八筒九筒九筒北北

ヤミテンに構える。高目の四筒をツモれば8,000オールだ。四筒は場に1枚も顔を見せていない。
他家3人は、こちらを警戒しながらの獏打で、誰もテンパイしているようには感じない。
ツモるのは時間の問題、しかも高目である事は間違いない…。
しかし、世の中はそんなに甘くはなく、ここは流局となる。
結局7本場まで積み、この4回戦の大トップが効いて、本日トータルポイントも伸ばし、首位に立つ事が出来た。
しかし、まだまだミスも多く、結果仕上げの段階において、どうしても積み上げ不足となっている。
次節までに課題を調整し、この首位をしっかりとキープし、このまま優勝出来るように頑張りたいと思います。
第3節も、各選手の熱き闘いをご期待下さい!

北陸リーグ レポート/第15期北陸リーグ 第2節レポート

第2節の注目の卓は藤本、濱平、恵比須さん、山元さんの卓。
第1節、怒涛の4連続トップで100ポイント超えで、首位スタートの藤本。
これにもう1人のプロ、濱平がどう対決していくのか?そして、このプロ2人を相手に恵比須さんと山元さんが、どう打ち進めていくのか?
1回戦、藤本がまたしてもトップを奪う。
藤本はこれで第1節から5連続トップであり、未だ2着さえない状態。この連勝は何処まで続くのか?
2回戦、南2局
藤本が濱平よりソウズのメンチンをアガる。このまま開幕6連勝を果たすのか?
逆に、1回戦ラスだった濱平にとっては苦しい状況に立たされての、親番を迎える。
濱平にとってはここが正念場である。
◯濱平光朗(第22期生、血液型О型、好きな手役タンヤオ、三色同順)
見た目は温厚で大人しいタイプに見えるが、私の個人的主観で言えば、実は内面には熱く激しく、強い意思の固さを持ち合わせているのではないだろうか?
彼は現在、北陸支部で鳳凰位戦参戦のために、毎月富山から通っている。
「毎月通う…。」一言で言うけれど、地方から継続して毎月参加するというのは、並大抵の根性では出来ないものと思っている。
今でこそ北陸新幹線での往復だが、その前は電車の乗り継ぎで、往復7時間以上をかけて、半荘4回戦闘うために毎月通い続ける。
そして、それはもう十年にも渡って行っている…。
私自身も、昔々金沢より毎月鳳凰位戦に10年以上通わさせて頂いた経験があり、地方在住の選手の1人として、その大変さは充分に分かるつもりである。
彼は間違いなく、太い一本芯の通った男なのであろう。
話が逸れたが、南3局、濱平の親番で役満の手が出没する!
南3局、11巡目、南家藤本の手牌
一万一万二筒二筒六筒六筒東東東南南白中中  ドラ二索
ここで藤本の選択は、テンパイトラズの打白東を切って七対子のテンパイを取る選択。または、白を切って四暗刻やトイトイを目指す選択。どちらも間違いではなく、正解もまた1つではない。
勿論、得点状況、場況等で、答えは変わるのだけど、私自身一番大切なのは、詰まる所その場その場の「感性」が、どちらを選ぶのか、というところに尽きるのではないか?
藤本の手牌にダブ南中の役牌が2つトイツである事、そして、前局メンチンをアガリ、第1節から主役をつとめている勢いを考えてのテンパイトラズだったのだろうか?
するとダブ南ポン→打一万。そして中までポン出来て→打一万
二筒二筒六筒六筒東東東  ポン中中中  ポン南南南
あっという間にダブ南中ホンイツトイトイの跳満テンパイとなる。この流れは、またしても藤本のアガリか?
しかしこの鳴きで、濱平に超弩級のテンパイが入る。
一筒一筒一筒四筒五筒五筒六筒七筒八筒九筒九筒九筒白  ツモ三筒
白
一筒一筒一筒三筒四筒五筒五筒六筒七筒八筒九筒九筒九筒
二筒四筒五筒七筒八筒マチの五メンチャンで、二筒だとなんと「九連宝燈」!!
二筒は藤本2枚持ちのマチハイでもあるが、山にもあと2枚眠っている。果たして、どちらの手に二筒が、勝利の女神が微笑むのか!?
結果論だが、藤本が白待ちで七対子のテンパイを取っていれば、濱平の白を捉えていたのも一つの事実であり、その因果か、今度はここから藤本にアタリ牌が忍び寄る。
藤本ツモ七筒…。
ここはノータイムで六筒を切った藤本。跳満から満貫に点数は落ちるが、サラッと両面に受けるあたり、流石に打ち込んでいる証。
結果、ギリギリで濱平へのアタリを回避する。
しかし藤本ツモ六筒→打六筒(空切り)
この六筒が先に来てくれれば跳満のアガリだったのだが、少しずつ藤本の勢いが削がれてきている感じがする。
そして、またまた藤本にアタリ牌の四筒がやって来る。これをツモ切り、濱平は安めながら藤本から前局のメンチン振り込みを、同じくメンチンでお返しする、という壮絶な打ち合いの2局となった。
2回戦は藤本の連勝を止めた濱平がトップを取り、このまま濱平のペースで進むかと思われたが、ここから山元さんが奮起し、最終的にも卓内トップの50ポイント強を叩き出した。
2人のプロを相手に流石であり、今大会の一般参加の方の台風の目になる予感を感じさせた。
他の卓に目を向けると、優勝経験者の光岡さんと押川さんが、それぞれポイントを少し伸ばし、光岡さんは2位、押川さんは4位と、第1節からの順位をキープ。
前期決勝進出された小泉さんも50ポイント近くプラスして、3位に浮上した。
私が決勝に残るとすれば、必ずこの3人の誰かと闘う事になると思う。
さて、前回のレポートで「優勝宣言」した私ですが、今節は40ポイント近くプラスし、総合首位に浮上。
順風満帆にも聞こえるが、局所局所でミスもあり、やはりまだまだ消化不良の1日でもあった。
1回戦、オーラス
高出さん33,900
窪田さん32,600
荒谷29,700
浦田23,800
南2局に、顔を上げたような不味い仕掛けから、高出さんに満貫を振り込み、自業自得のラス目で迎えたオーラス。
何故か?お化け配牌から、すぐにポンポンと鳴けて、4巡目にして下記のテンパイ。
五万五万五万南南中中  ポン北北北  ポン発発発  ドラ二万
そう簡単にアガれるとは思わなかったが、巡目も早いのでツモにかける、もしくはオーラスなので勝負牌として万が一出てくるかもしれないのでは?
そこへ5巡目、親の窪田さんからリーチがかかる。これはかなりの「伸るか反るか」状態。
親リーは怖いが、逆に言えば親からこぼれる可能性もある。無論行くしかない。ドラまたぎの四万、そしてドラ二万まで勝負!幸運にも通る…。
結果は、荒谷から中が出て、ラス目からのトップ浮上となった。
普通、こうなればこの後は自分の時間になっても良さそうだが、この日の私はここからニの矢が繰り出せない。
3回戦終了時で▲0.2ポイント、4回戦に入っても苦しい状態が続く。
しかし、東4局に森田さんの親リー宣言牌四が、私のヤミテンのピンフ一通ドラ1の高目満貫のアガリとなり、ここから今度こそは私の時間が始まる。
南1局の親番で、12,000、5,800、12,000と立て続けにアガる。
そして4本場、7巡目で
一筒二筒三筒七筒七筒八筒八筒九筒九筒東北北発
「もう、この手も貰った!」
そう思いながら10巡目に六筒、11巡目に五筒を引き、
一筒二筒三筒五筒六筒七筒七筒八筒八筒九筒九筒北北
ヤミテンに構える。高目の四筒をツモれば8,000オールだ。四筒は場に1枚も顔を見せていない。
他家3人は、こちらを警戒しながらの獏打で、誰もテンパイしているようには感じない。
ツモるのは時間の問題、しかも高目である事は間違いない…。
しかし、世の中はそんなに甘くはなく、ここは流局となる。
結局7本場まで積み、この4回戦の大トップが効いて、本日トータルポイントも伸ばし、首位に立つ事が出来た。
しかし、まだまだミスも多く、結果仕上げの段階において、どうしても積み上げ不足となっている。
次節までに課題を調整し、この首位をしっかりとキープし、このまま優勝出来るように頑張りたいと思います。
第3節も、各選手の熱き闘いをご期待下さい!

Mr.Xの連盟Weekly!

100

 

 

【女流プロ雀士ガチバトル開催中!】

 

KONAMI麻雀格闘倶楽部にて「女流プロ雀士ガチバトル」が開催中だ。

 

100
100
100

 

ゲーム機には女流プロのコメント、対局数などが表示されている。
投票選抜戦同様、好きなプロにベットするも良し、最近の調子を見て勝ちそうなプロにベットするのも手だ。

 

100

 

最近の調子はこんな感じで、ゲームセンターで確認できるぞ。

 

【第42期王位戦】

 

100

 

この写真を見て、対局内容が頭に浮かぶであろうか。
そう、最終戦オーラスで山田学が初タイトルを逃した第41期王位戦だ。王位を獲得したのは最高位戦日本プロ麻雀協会 石井一馬であった。
今年はどんなドラマが待ち受けているのであろうか?
日本プロ麻雀連盟チャンネルでは準決勝の模様からお届けする。

第42期王位戦~準決勝~
放送予定 11/26 12:00~

第42期王位戦~決勝戦~
放送予定 11/27 13:00~

 

【女流桜花決定戦】

 

今週水曜日プレーオフB卓を終えると、女流桜花の決定戦メンバーが確定する。
先週のA卓では魚谷侑未が決定戦への出場権利をほぼ手中に収めた。

 

第10期女流桜花
宮内 こずえ
出身地(愛媛)

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 プレーオフ 合計
1 魚谷 侑未(新潟) ▲ 56.8 35.1 17.7 19.3 76.8 37.9 66.6 196.6
2 仲田 加南(神奈川) 60.7 ▲ 0.1 52.1 ▲ 0.4 40.6 ▲ 17.2 135.7
3 松岡 千晶(東京) ▲ 34.8 ▲ 6.5 44.2 3.7 76.9 23.3 106.8
4 斉藤 理絵(東京) ▲ 4.3 ▲ 3.7 10.7 28.2 ▲ 51.7 54.0 33.2
5 美波 智子(埼玉) 39.6 22.9 ▲ 33.6 ▲ 19.2 35.1 ▲ 39.3 20.7 26.2
6 武石 絵里(東京) 33.2 37.4 ▲ 41.2 8.1 ▲ 39.9 8.2 5.8
7 二階堂 亜樹 (神奈川) 64.1 ▲ 10.8 61.7 ▲ 27.1 ▲ 42.0 ▲ 11.1 ▲ 49.1 ▲ 14.3
8 清水 香織(栃木) 30.7 ▲ 27.5 ▲ 19.6 ▲ 19.3 56.4 ▲ 0.1 ▲ 38.2 ▲ 17.6
9 石田 亜沙己(愛知) 12.2 13.9 32.4 11.2 ▲ 4.5 ▲ 0.4 64.8
10 朝霧 千裕(三重) ▲ 3.8 ▲ 25.4 ▲ 22.1 2.4 12.8 34.9 ▲ 1.2
11 童瞳(上海) 8.4 ▲ 4.0 ▲ 7.9 58.9 ▲ 38.4 ▲ 28.5 ▲ 11.5
12 内田 美乃里(神奈川) ▲ 3.6 ▲ 31.3 0.0 ▲ 49.8 7.6 58.9 ▲ 18.2
13 二階堂 瑠美(神奈川) ▲ 77.4 29.8 ▲ 45.2 30.4 10.2 32.9 ▲ 19.3
14 優木 美智(福岡) ▲ 36.5 6.5 47.7 23.8 ▲ 21.2 ▲ 46.5 ▲ 26.2
15 吾妻 さおり(東京) 5.9 ▲ 39.6 ▲ 1.9 0.9 29.3 ▲ 22.9 ▲ 28.3
16 中川 由佳梨(大阪) 20.5 4.5 ▲ 10.9 ▲ 41.1 ▲ 0.7 ▲ 5.5 ▲ 33.2
17 澤村 明日華(栃木) ▲ 19.5 23.1 ▲ 29.2 47.3 ▲ 18.3 ▲ 63.3 ▲ 59.9
18 藤井 すみれ(埼玉) ▲ 12.6 ▲ 11.9 ▲ 20.2 10.4 ▲ 31.5 ▲ 27.7 ▲ 93.5
19 平岡 理恵(静岡) ▲ 65.0 20.6 ▲ 23.1 ▲ 37.1 ▲ 16.9 9.4 ▲ 112.1
20 和久津 晶(東京) 38.0 ▲ 35.0 ▲ 12.6 ▲ 52.6 ▲ 82.6 ▲ 2.0 ▲ 146.8

 

仲田加南、松岡千晶の2名がかなり優位に立っているが、斉藤理絵、武石絵里もまだまだ可能性は十分だ。

第11期女流桜花~AリーグプレーオフB卓~
放送予定 11/16 17:00~

 

【A1経験者の安定感】

 

荒正義がポイントを伸ばす中、またひと味違った大味な打法で視聴者を魅了するのがともたけ雅晴だ。

『今度からA2に降級することを降臨と呼ぼう』
『ともさんはA2に夢を浸透させにきた』
『デジタル、オカルト、ドリーム』

寄せられるコメントからもともたけに対する期待が伝わってくる。
他にA2リーグ在籍中のA1経験者は藤原隆弘、山田浩之、猿川真寿、ダンプ大橋。
山田以下はA1在籍期間が短いが「降級」に遠い存在である面々なのは気のせいではないだろう。

 

【対局スピードについて】

 

やはり視聴者の方々に楽しんでもらう、観ていただいているといった感覚は忘れてはいけない。その上で勝たなければならないのだが、その域に達するまでには時間を要する。
本人にとっての自然が視聴者にとって心地よいものになるのがベストで、それは意識的にトレーニングを積まなければ身につくことはない。

映像にならない場面では、いくら打牌スピードが速くても相手に迷惑をかけることはないが、画面越しに見る人はスイッチングの画面を見ているため、極端に速い対局は辛いものがある。

 

100

 

先日のB1セレクトは、かなりの速度で見る方も大変であったことかと思うが、立会人の瀬戸熊直樹がそれを止めることはなかった。
B1リーグの配信卓以外は、別会場で開催している。
番組としての対局ではなく、あくまで同条件のものを中継することが公平であると判断したのだ。
今回のように視聴者より選手を優先すれば、対局の質は高まるかもしれないが、選手一人一人が見られているという意識を高めていくべきではないだろうか。

 

【連盟・痛ツイート撲滅委員会】

 

このツイートは痛い、痛すぎる。
なんか鼻につくんだよな。
プロとしてどうなの?
また自慢?

などなど、連盟員のツイートは痛々しさを増している。そんなツイートを撲滅するため、ついに委員会が結成された。

近日公開予定。

プロ雀士コラム/Mr.Xの連盟Weekly!

100

 
 
【女流プロ雀士ガチバトル開催中!】
 
KONAMI麻雀格闘倶楽部にて「女流プロ雀士ガチバトル」が開催中だ。
 

100
100
100

 
ゲーム機には女流プロのコメント、対局数などが表示されている。
投票選抜戦同様、好きなプロにベットするも良し、最近の調子を見て勝ちそうなプロにベットするのも手だ。
 

100

 
最近の調子はこんな感じで、ゲームセンターで確認できるぞ。
 
【第42期王位戦】
 

100

 
この写真を見て、対局内容が頭に浮かぶであろうか。
そう、最終戦オーラスで山田学が初タイトルを逃した第41期王位戦だ。王位を獲得したのは最高位戦日本プロ麻雀協会 石井一馬であった。
今年はどんなドラマが待ち受けているのであろうか?
日本プロ麻雀連盟チャンネルでは準決勝の模様からお届けする。
第42期王位戦~準決勝~
放送予定 11/26 12:00~
第42期王位戦~決勝戦~
放送予定 11/27 13:00~
 
【女流桜花決定戦】
 
今週水曜日プレーオフB卓を終えると、女流桜花の決定戦メンバーが確定する。
先週のA卓では魚谷侑未が決定戦への出場権利をほぼ手中に収めた。
 

第10期女流桜花
宮内 こずえ
出身地(愛媛)

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 プレーオフ 合計
1 魚谷 侑未(新潟) ▲ 56.8 35.1 17.7 19.3 76.8 37.9 66.6 196.6
2 仲田 加南(神奈川) 60.7 ▲ 0.1 52.1 ▲ 0.4 40.6 ▲ 17.2 135.7
3 松岡 千晶(東京) ▲ 34.8 ▲ 6.5 44.2 3.7 76.9 23.3 106.8
4 斉藤 理絵(東京) ▲ 4.3 ▲ 3.7 10.7 28.2 ▲ 51.7 54.0 33.2
5 美波 智子(埼玉) 39.6 22.9 ▲ 33.6 ▲ 19.2 35.1 ▲ 39.3 20.7 26.2
6 武石 絵里(東京) 33.2 37.4 ▲ 41.2 8.1 ▲ 39.9 8.2 5.8
7 二階堂 亜樹 (神奈川) 64.1 ▲ 10.8 61.7 ▲ 27.1 ▲ 42.0 ▲ 11.1 ▲ 49.1 ▲ 14.3
8 清水 香織(栃木) 30.7 ▲ 27.5 ▲ 19.6 ▲ 19.3 56.4 ▲ 0.1 ▲ 38.2 ▲ 17.6
9 石田 亜沙己(愛知) 12.2 13.9 32.4 11.2 ▲ 4.5 ▲ 0.4 64.8
10 朝霧 千裕(三重) ▲ 3.8 ▲ 25.4 ▲ 22.1 2.4 12.8 34.9 ▲ 1.2
11 童瞳(上海) 8.4 ▲ 4.0 ▲ 7.9 58.9 ▲ 38.4 ▲ 28.5 ▲ 11.5
12 内田 美乃里(神奈川) ▲ 3.6 ▲ 31.3 0.0 ▲ 49.8 7.6 58.9 ▲ 18.2
13 二階堂 瑠美(神奈川) ▲ 77.4 29.8 ▲ 45.2 30.4 10.2 32.9 ▲ 19.3
14 優木 美智(福岡) ▲ 36.5 6.5 47.7 23.8 ▲ 21.2 ▲ 46.5 ▲ 26.2
15 吾妻 さおり(東京) 5.9 ▲ 39.6 ▲ 1.9 0.9 29.3 ▲ 22.9 ▲ 28.3
16 中川 由佳梨(大阪) 20.5 4.5 ▲ 10.9 ▲ 41.1 ▲ 0.7 ▲ 5.5 ▲ 33.2
17 澤村 明日華(栃木) ▲ 19.5 23.1 ▲ 29.2 47.3 ▲ 18.3 ▲ 63.3 ▲ 59.9
18 藤井 すみれ(埼玉) ▲ 12.6 ▲ 11.9 ▲ 20.2 10.4 ▲ 31.5 ▲ 27.7 ▲ 93.5
19 平岡 理恵(静岡) ▲ 65.0 20.6 ▲ 23.1 ▲ 37.1 ▲ 16.9 9.4 ▲ 112.1
20 和久津 晶(東京) 38.0 ▲ 35.0 ▲ 12.6 ▲ 52.6 ▲ 82.6 ▲ 2.0 ▲ 146.8

 
仲田加南、松岡千晶の2名がかなり優位に立っているが、斉藤理絵、武石絵里もまだまだ可能性は十分だ。
第11期女流桜花~AリーグプレーオフB卓~
放送予定 11/16 17:00~
 
【A1経験者の安定感】
 
荒正義がポイントを伸ばす中、またひと味違った大味な打法で視聴者を魅了するのがともたけ雅晴だ。
『今度からA2に降級することを降臨と呼ぼう』
『ともさんはA2に夢を浸透させにきた』
『デジタル、オカルト、ドリーム』
寄せられるコメントからもともたけに対する期待が伝わってくる。
他にA2リーグ在籍中のA1経験者は藤原隆弘、山田浩之、猿川真寿、ダンプ大橋。
山田以下はA1在籍期間が短いが「降級」に遠い存在である面々なのは気のせいではないだろう。
 
【対局スピードについて】
 
やはり視聴者の方々に楽しんでもらう、観ていただいているといった感覚は忘れてはいけない。その上で勝たなければならないのだが、その域に達するまでには時間を要する。
本人にとっての自然が視聴者にとって心地よいものになるのがベストで、それは意識的にトレーニングを積まなければ身につくことはない。
映像にならない場面では、いくら打牌スピードが速くても相手に迷惑をかけることはないが、画面越しに見る人はスイッチングの画面を見ているため、極端に速い対局は辛いものがある。
 

100

 
先日のB1セレクトは、かなりの速度で見る方も大変であったことかと思うが、立会人の瀬戸熊直樹がそれを止めることはなかった。
B1リーグの配信卓以外は、別会場で開催している。
番組としての対局ではなく、あくまで同条件のものを中継することが公平であると判断したのだ。
今回のように視聴者より選手を優先すれば、対局の質は高まるかもしれないが、選手一人一人が見られているという意識を高めていくべきではないだろうか。
 
【連盟・痛ツイート撲滅委員会】
 
このツイートは痛い、痛すぎる。
なんか鼻につくんだよな。
プロとしてどうなの?
また自慢?
などなど、連盟員のツイートは痛々しさを増している。そんなツイートを撲滅するため、ついに委員会が結成された。
近日公開予定。

天鳳位vs.連盟プロ対抗戦 決勝レポート:ケネス徳田

100

 

~天鳳位2vs連盟プロ2の決勝~

 

5vs5で始まった『天鳳位vs.連盟プロ 1st season』。しかし予選終了段階で連盟プロ側の前田・勝又両プロが敗退。天鳳勢が上位をほぼ独占するなど、連盟プロ側にとって苦しい戦いが続いていたが、なんとかプレーオフで瀬戸熊プロ、藤崎プロの2人が奮闘し決勝に駒を進めることができた。

プレーオフ成績

順位 名前 予選合計 プレーオフ1回戦 プレーオフ2回戦 合計
1 ASAPIN(初代天鳳位) 129.2 77.5 ▲ 2.7 204.0
2 瀬戸熊直樹 16.7 24.8 86.1 127.6
3 藤崎智 19.6 59.9 18.2 97.7
4 独歩(三代目天鳳位) 100.3 3.4 ▲ 16.8 86.9
5 就活生@川村軍団(九代目天鳳位) 58.0 ▲ 6.9 22.2 73.3
6 佐々木寿人 92.6 ▲ 95.4 63.3 60.5
7 かにマジン(八代目天鳳位) 35.8 25.4 ▲ 82.8 ▲ 21.6
8 すずめクレイジー(四代目天鳳位) 93.0 ▲ 88.7 ▲ 87.5 ▲ 83.2

 

天鳳位側は予選序盤から首位をキープし続けたASAPINさん、そしてプレーオフ最終戦で瀬戸熊・藤崎両プロの猛攻に耐えきった独歩さんが決勝に。
天鳳ルール特有の順位点(+50、+20、±0、▲70)から、この決勝戦も当然ながら「ラス回避」が至上命題だが、直接対決であることから勝負所の見極めも重要。これまで以上の熾烈な戦いとなるであろう。

 

 

~通算2回の天鳳位!?~

 

初代天鳳位のASAPINさん。つい先ごろ、2度目の天鳳位を獲得したという。

 

100

 

どういうことかというと、別アカウントで1からやり直し、第11代天鳳位になったのである。雀力はもちろん、数千ゲームという膨大な時間も要求される天鳳位。しかも「わざわざもう1度」というモチベーションも考慮すると、おそらく他の誰にも真似できず、まさに偉業としか言いようがない。
1回戦東1局10巡目、ASAPINさんにテンパイが入る。

 

100

 

六索を切ってヤミテン。すると12巡目、南家・独歩さんからリーチが入る。

三万四万五万二索二索二索二筒三筒四筒六筒六筒東東  ドラ六筒

東とドラの六筒とのシャンポン待ち。このリーチを受けてASAPINさん、現物の六万西をツモ切って15巡目にツモ三万

 

100

 

直前に下家の瀬戸熊プロが三万を切っておりリーチには安全牌。だがASAPINさんはこの三万を止め、打一万とした。
なぜならこの時の場の状況が次の通り。

[東家・瀬戸熊]
西南白一筒 下向き九筒 下向き白
東五索 上向き三索 上向き三索 上向き九万 上向き六索 上向き
八索 上向き三万 上向き

[南家・独歩]
中西六索 上向き五万 上向き六万 上向き五索 上向き
四筒 上向き八筒 上向き三筒 上向き八筒 上向き八索 上向き三索 左向き
二万 上向き一索 上向き

[西家・藤崎]
一索 上向き九索 上向き九筒 上向き中一索 上向き八索 上向き
南中南四索 上向き三筒 上向き赤五索 上向き
二万 上向き四万 上向き

直前の藤崎プロの打四万に反応して止めた三万なのである。ここまでなら普通の守備的な打ち手でも行えるかもしれない。
だが次巡、再び一万ではなく1枚切れの発をツモ切り。17巡目の瀬戸熊プロの打一万に「ポン」の声。
つまり1度自分で切った一万を鳴き戻し、打三万でテンパイを取った。なぜなら、警戒していた藤崎プロが*北のトイツ落としをしたので三万が大丈夫になったという判断なのである。
三万でやめたならば発でもやめて一万のアンコ落としがほとんどの打ち手の選択なのだが…一旦退いても、形式テンパイの可能性をギリギリまで残す、こうしたストイックさが天鳳位を獲るための必要条件なのであろう。

 

 

~天鳳位随一の攻撃力~

 

東4局の親番で6000オールをアガるASAPINさん。

九万九万二索三索四索七索八索九索四筒五筒赤五筒六筒七筒  リーチ  ツモ六筒  ドラ五筒  裏発
このアガリで6万点を超える。一方独歩さんは13200点のラス目だが…

 

100

 

南2局の親番で持ち前の攻撃力を発揮する。0本場でASAPINさんから12000の直撃。
 
四万四万五万六万七万三索四索三筒四筒赤五筒六筒七筒八筒  リーチ  ロン二索  ドラ二筒  裏白

1本場で2600オール。
 
一万一万五万六万七万八万九万四索五索六索七索八索九索  リーチ  ツモ四万  ドラ四索  裏九筒

2本場で2600オールとこれでASAPINさんとほぼ並び。
 
八万八万三索四索赤五索七索八索北北北  ポン南南南  ツモ六索  ドラ六索七筒

そして3本場で6000オール!

 

100

 

4本場でダメ押しの7700をASAPINさんから。
 
二万四万二索三索四索四筒四筒赤五筒六筒七筒七筒八筒九筒  リーチ  ロン三万  ドラ東  裏四索

圧倒的な力押しで1回戦は独歩さんが制した。

 

 

~苦しい立場の連盟プロ勢~

 

ASAPINさん、独歩さんが快調に飛ばす一方、連盟プロ勢の苦戦が続く。
1回戦、オーラスでは瀬戸熊プロが3面チャン待ちをヤミテンでラス抜けがやっと。

 

100

 

3回戦もチートイツ・赤をヤミテンでアガって3着浮上。

 

100

 

どちらもリーチを打っていれば2着まで狙えるほどの点差であったが「2着:+20、3着:±0、4着:▲70」という順位点の考え、確実にラス抜けを選んだのかもしれない。

 

100

 

しかし本来の瀬戸熊プロの麻雀と比べると、「ラス回避」に縛られすぎた感もある。数字の上では正しい選択なのだろうが…。

そして、非常に苦しい立場に追い込まれたのが藤崎プロ。

 

100

 

1戦目、2戦目と連続ラス。3戦目で2着になったものの、2・1・1着のASAPINさんを逆転するのは事実上不可能な数字となった。

 

 

~最終戦の決まり手~

 

最終戦をむかえてのトータルポイントは
ASAPIN+143.1
瀬戸熊直樹  +2.2
独歩 ▲3.7
藤崎智   ▲143.1

瀬戸熊プロ、独歩さんと150P弱差をつけているASAPINさん。「3万点のトップラス」で逆転されるだけに、数字ほどダントツ状態とはいいがたい。とはいえ「ラス回避」さえすれば事実上逆転は不可能となる。

何度も書いたことだが「ラス回避」は「放銃回避」ではない。多少放銃のリスクを負ってでも貯金を作る、これが「ラス回避」戦法である。
この最終戦、東4局11巡目で東家・ASAPINさんが先制リーチ。

 

100

 

九筒六万のシャンポン待ち。手格好と巡目を考えるとヤミテンにする打ち手も多いだろう。しかも瀬戸熊プロが五索 左向き四索 上向き六索 上向きで仕掛けいる局面。独歩さんもタンピン三色のイーシャンテン。
直撃されるリスクはもちろんあるが、こちらは現状テンパイ+親番。対し相手はイーシャンテン、という手牌進行まで読み切ってのリーチなのである。
すると結果は一発で九筒ツモ。

六万六万三索四索五索一筒二筒三筒三筒四筒赤五筒九筒九筒  リーチ  一発ツモ九筒  ドラ中  裏六万

さらに裏ドラが六万で6000オール。最良の選択が最高の結果を生んだ。

[最終結果]
ASAPIN:+219.5
独歩    : +22.3
瀬戸熊   : +2.3
藤崎    :▲244.1

 

100

 

『天鳳位vs.連盟プロ 1st season』はASAPINさんの優勝で幕が閉じた。ルールがルールだけにやはり天鳳勢に一日の長があったと思われる結果となった。

しかし12月より『天鳳位vs.連盟プロ 2nd season』が開催される。ルールはなんと一発裏ドラ無し、いわゆる「プロ連盟Aルール」での対戦となる。
天鳳位の5名はそのまま、連盟プロ側は佐々木寿人に替わってなんと前原雄大プロが参戦決定。

 

100

 

天鳳勢がAルールに対応できるか? 連盟プロが地の利を得てリベンジできるか? 注目の戦いはまだまだ続く。

特集企画/天鳳位vs.連盟プロ対抗戦 決勝レポート:ケネス徳田

100

 
~天鳳位2vs連盟プロ2の決勝~
 
5vs5で始まった『天鳳位vs.連盟プロ 1st season』。しかし予選終了段階で連盟プロ側の前田・勝又両プロが敗退。天鳳勢が上位をほぼ独占するなど、連盟プロ側にとって苦しい戦いが続いていたが、なんとかプレーオフで瀬戸熊プロ、藤崎プロの2人が奮闘し決勝に駒を進めることができた。
プレーオフ成績

順位 名前 予選合計 プレーオフ1回戦 プレーオフ2回戦 合計
1 ASAPIN(初代天鳳位) 129.2 77.5 ▲ 2.7 204.0
2 瀬戸熊直樹 16.7 24.8 86.1 127.6
3 藤崎智 19.6 59.9 18.2 97.7
4 独歩(三代目天鳳位) 100.3 3.4 ▲ 16.8 86.9
5 就活生@川村軍団(九代目天鳳位) 58.0 ▲ 6.9 22.2 73.3
6 佐々木寿人 92.6 ▲ 95.4 63.3 60.5
7 かにマジン(八代目天鳳位) 35.8 25.4 ▲ 82.8 ▲ 21.6
8 すずめクレイジー(四代目天鳳位) 93.0 ▲ 88.7 ▲ 87.5 ▲ 83.2

 
天鳳位側は予選序盤から首位をキープし続けたASAPINさん、そしてプレーオフ最終戦で瀬戸熊・藤崎両プロの猛攻に耐えきった独歩さんが決勝に。
天鳳ルール特有の順位点(+50、+20、±0、▲70)から、この決勝戦も当然ながら「ラス回避」が至上命題だが、直接対決であることから勝負所の見極めも重要。これまで以上の熾烈な戦いとなるであろう。
 
 
~通算2回の天鳳位!?~
 
初代天鳳位のASAPINさん。つい先ごろ、2度目の天鳳位を獲得したという。
 
100
 
どういうことかというと、別アカウントで1からやり直し、第11代天鳳位になったのである。雀力はもちろん、数千ゲームという膨大な時間も要求される天鳳位。しかも「わざわざもう1度」というモチベーションも考慮すると、おそらく他の誰にも真似できず、まさに偉業としか言いようがない。
1回戦東1局10巡目、ASAPINさんにテンパイが入る。
 
100
 
六索を切ってヤミテン。すると12巡目、南家・独歩さんからリーチが入る。
三万四万五万二索二索二索二筒三筒四筒六筒六筒東東  ドラ六筒
東とドラの六筒とのシャンポン待ち。このリーチを受けてASAPINさん、現物の六万西をツモ切って15巡目にツモ三万
 
100
 
直前に下家の瀬戸熊プロが三万を切っておりリーチには安全牌。だがASAPINさんはこの三万を止め、打一万とした。
なぜならこの時の場の状況が次の通り。
[東家・瀬戸熊]
西南白一筒 下向き九筒 下向き白
東五索 上向き三索 上向き三索 上向き九万 上向き六索 上向き
八索 上向き三万 上向き
[南家・独歩]
中西六索 上向き五万 上向き六万 上向き五索 上向き
四筒 上向き八筒 上向き三筒 上向き八筒 上向き八索 上向き三索 左向き
二万 上向き一索 上向き
[西家・藤崎]
一索 上向き九索 上向き九筒 上向き中一索 上向き八索 上向き
南中南四索 上向き三筒 上向き赤五索 上向き
二万 上向き四万 上向き
直前の藤崎プロの打四万に反応して止めた三万なのである。ここまでなら普通の守備的な打ち手でも行えるかもしれない。
だが次巡、再び一万ではなく1枚切れの発をツモ切り。17巡目の瀬戸熊プロの打一万に「ポン」の声。
つまり1度自分で切った一万を鳴き戻し、打三万でテンパイを取った。なぜなら、警戒していた藤崎プロが*北のトイツ落としをしたので三万が大丈夫になったという判断なのである。
三万でやめたならば発でもやめて一万のアンコ落としがほとんどの打ち手の選択なのだが…一旦退いても、形式テンパイの可能性をギリギリまで残す、こうしたストイックさが天鳳位を獲るための必要条件なのであろう。
 
 
~天鳳位随一の攻撃力~
 
東4局の親番で6000オールをアガるASAPINさん。
九万九万二索三索四索七索八索九索四筒五筒赤五筒六筒七筒  リーチ  ツモ六筒  ドラ五筒  裏発
このアガリで6万点を超える。一方独歩さんは13200点のラス目だが…
 
100
 
南2局の親番で持ち前の攻撃力を発揮する。0本場でASAPINさんから12000の直撃。
 
四万四万五万六万七万三索四索三筒四筒赤五筒六筒七筒八筒  リーチ  ロン二索  ドラ二筒  裏白
1本場で2600オール。
 
一万一万五万六万七万八万九万四索五索六索七索八索九索  リーチ  ツモ四万  ドラ四索  裏九筒
2本場で2600オールとこれでASAPINさんとほぼ並び。
 
八万八万三索四索赤五索七索八索北北北  ポン南南南  ツモ六索  ドラ六索七筒
そして3本場で6000オール!
 
100
 
4本場でダメ押しの7700をASAPINさんから。
 
二万四万二索三索四索四筒四筒赤五筒六筒七筒七筒八筒九筒  リーチ  ロン三万  ドラ東  裏四索
圧倒的な力押しで1回戦は独歩さんが制した。
 
 
~苦しい立場の連盟プロ勢~
 
ASAPINさん、独歩さんが快調に飛ばす一方、連盟プロ勢の苦戦が続く。
1回戦、オーラスでは瀬戸熊プロが3面チャン待ちをヤミテンでラス抜けがやっと。
 
100
 
3回戦もチートイツ・赤をヤミテンでアガって3着浮上。
 
100
 
どちらもリーチを打っていれば2着まで狙えるほどの点差であったが「2着:+20、3着:±0、4着:▲70」という順位点の考え、確実にラス抜けを選んだのかもしれない。
 
100
 
しかし本来の瀬戸熊プロの麻雀と比べると、「ラス回避」に縛られすぎた感もある。数字の上では正しい選択なのだろうが…。
そして、非常に苦しい立場に追い込まれたのが藤崎プロ。
 
100
 
1戦目、2戦目と連続ラス。3戦目で2着になったものの、2・1・1着のASAPINさんを逆転するのは事実上不可能な数字となった。
 
 
~最終戦の決まり手~
 
最終戦をむかえてのトータルポイントは
ASAPIN+143.1
瀬戸熊直樹  +2.2
独歩 ▲3.7
藤崎智   ▲143.1
瀬戸熊プロ、独歩さんと150P弱差をつけているASAPINさん。「3万点のトップラス」で逆転されるだけに、数字ほどダントツ状態とはいいがたい。とはいえ「ラス回避」さえすれば事実上逆転は不可能となる。
何度も書いたことだが「ラス回避」は「放銃回避」ではない。多少放銃のリスクを負ってでも貯金を作る、これが「ラス回避」戦法である。
この最終戦、東4局11巡目で東家・ASAPINさんが先制リーチ。
 
100
 
九筒六万のシャンポン待ち。手格好と巡目を考えるとヤミテンにする打ち手も多いだろう。しかも瀬戸熊プロが五索 左向き四索 上向き六索 上向きで仕掛けいる局面。独歩さんもタンピン三色のイーシャンテン。
直撃されるリスクはもちろんあるが、こちらは現状テンパイ+親番。対し相手はイーシャンテン、という手牌進行まで読み切ってのリーチなのである。
すると結果は一発で九筒ツモ。
六万六万三索四索五索一筒二筒三筒三筒四筒赤五筒九筒九筒  リーチ  一発ツモ九筒  ドラ中  裏六万
さらに裏ドラが六万で6000オール。最良の選択が最高の結果を生んだ。
[最終結果]
ASAPIN:+219.5
独歩    : +22.3
瀬戸熊   : +2.3
藤崎    :▲244.1
 
100
 
『天鳳位vs.連盟プロ 1st season』はASAPINさんの優勝で幕が閉じた。ルールがルールだけにやはり天鳳勢に一日の長があったと思われる結果となった。
しかし12月より『天鳳位vs.連盟プロ 2nd season』が開催される。ルールはなんと一発裏ドラ無し、いわゆる「プロ連盟Aルール」での対戦となる。
天鳳位の5名はそのまま、連盟プロ側は佐々木寿人に替わってなんと前原雄大プロが参戦決定。
 
100
 
天鳳勢がAルールに対応できるか? 連盟プロが地の利を得てリベンジできるか? 注目の戦いはまだまだ続く。

第14期プロクイーン決定戦最終日観戦記 紺野 真太郎

8回戦終了時トータルポイント

宮内+81.7P 西嶋+40.8P 和久津+32.3P 童瞳▲13.1P 茅森▲141.7P

今まで誰も成し得なかった女流2冠に王手を掛けた宮内。ここまでの戦いぶりのまま打ち抜くことが出来れば、自ずと結果に繋がることであろう。しかし、相手もこのまますんなりと勝たせるわけにはいかない。最終日にはどんな戦い、ドラマが待っているのであろうか。

 

100

 

9回戦 起家から 茅森 童瞳 西嶋 和久津

10回戦が抜け番となる茅森。敗退を免れるには4位童瞳との差128.6Pを逆転しなければならない。トップラスで10万点弱の差。童瞳は10回戦も対局があるので、この9回戦で必ずしも逆転しなければいけないわけではないが、最低でも12、3万点のトップが欲しいところ。

開局は茅森のリーチで1人テンパイ。続く1本場、ここも先制リーチに成功する。

六万七万二索三索四索五索五索二筒三筒四筒七筒八筒九筒  ドラ九万

トータルポイント上、この茅森のリーチには、かなり手が整っていない限り、戦いにくい。茅森に捕まる事は優勝争いからの脱落を意味するからである。茅森も十分承知の上であろう。足を止めさせ時間を得た。

茅森14巡目、五万をツモ。リーチ、ツモ、ピンフ。このままでは1,300オールだが、裏ドラをめくるとそこには四索が・・裏ドラ五索で2枚乗り4,000オール。奇跡への第1歩を踏み出した。

 

100

 

2本場にも12巡目先制リーチ。

三万四万五万六万七万八万二索三索四索九索九索二筒三筒  リーチ  ドラ七筒

ただ、ここは思惑通りとはいかなかった。同巡、西嶋が追いかけリーチ。

四万五万六万六万七万八万一索一索六筒七筒九筒九筒九筒  リーチ

トータル2番手につける西嶋にすれば、茅森の奇跡のストーリーに付き合うわけにはいかない。この9回戦は追うべき宮内が抜け番。茅森に得点を伸ばされれば、自分の得点が削られ、宮内から離されてしまう。

山に残る枚数は茅森3枚対西嶋5枚。ここは数字通りに西嶋がアガリ。裏は乗らず1,000・2,000だが、西嶋にとっては点数以上の価値があるか。

東2局、茅森テンパイ。1枚切れの東を切るが、ここはヤミテン。

八万八万三索三索三索六索七索七索八索九索南南南  ドラ七筒

下家の童瞳が手出し八筒九筒の後、一万二万三万で鳴いており、マンズのホンイツでのダブ東ポンを警戒してのことか。

東が動かれなかったのを確認し、次巡ツモ切りリーチ。これで4局連続リーチだ。ドラ2枚で押していた童瞳、当たり牌をギリギリまで打たずにいたが、テンパイが入り、五索で放銃。裏ドラも五索で2,600。これで茅森トップ。童瞳ラスの並びが出来る。ただ、素点はまだまだ足りない。

東3局、和久津のリーチ。それを受けた親西嶋。

 

100

 

さて、何を切る?

第1感では三万かと思うが、止まってしまうと迷いが出る。七索を切っても後が続かない。ワンチャンスで七筒か。和久津の捨て牌には一筒がある。それなら・・

「ロン」和久津の声だ。西嶋が切ったのは四筒

四万五万六万二索三索四索四索五索六索八索八索五筒六筒  リーチ  ロン四筒  ドラ二筒  裏白

第1感で私が三万と思ったのはドラ二筒を切りたくないから。もし西嶋が三筒を引いた時に二筒を打つ覚悟があったのならば、この放銃は責めることは出来ないであろう。必死に戦った結果なのだから。

東4局、同1本場と和久津が先手は奪うがアガリには結びつかない。今シリーズ抜け出せない原因か。そして、2本場は童瞳にアガられ、供託と積み場を攫われてしまう。

南1局、後が無い茅森の親。ここも和久津の先手。

三万九万九万一索二索三索四索七索九索南白  ポン北北北  ドラ九万

和久津は北家。十分に打点も見える仕掛け。一方の茅森は

三万四万四万六索八索八索四筒六筒東北発発中

と厳しい。期待の発もこの和久津の仕掛けで出にくくなってしまった。それでも丁寧に進めて1シャンテンまで漕ぎつけたが、手牌の伸びもここまで。和久津1人テンパイで無念の親落ちとなった。

最後は意地を見せ、この半荘はトップとした茅森。10回戦の結果待ちとはいえ、事実上の敗退となった。

9回戦終了
茅森+31.4P 和久津+14.4P 童瞳▲5.0P 西嶋▲40.8P

トータルポイント
宮内+81.7P 和久津+46.7P 西嶋±0P 童瞳▲18.1P 茅森▲110.3P

 

10回戦 起家から 宮内 和久津 童瞳 西嶋

逃げる宮内VS追う和久津。東1局から火花を散らす。南家和久津は13巡目の手の内がソウズのみに。

一索一索一索二索四索四索五索七索七索八索八索九索九索  ドラ三筒

勿論、ソウズは1枚も切っていない。対する親宮内。

五索六索一筒二筒四筒四筒四筒五筒六筒六筒六筒七筒九筒

ここから八筒をチー。打六索としピンズのチンイツへ。これを和久津が仕掛け返し、二索三索のテンパイ。

一索一索一索二索七索七索八索八索九索九索  チー六索 左向き四索 上向き五索 上向き

しかし、二索三索は和久津から6枚見え。山にも二索が1枚しか残っていない。次巡に九索をツモると、まだましかと、打二索とし、六索七索八索九索待ちに変化。
宮内。残り1巡で五筒ツモ。五索切ればテンパイだが・・

五索一筒二筒四筒四筒四筒五筒六筒六筒六筒  チー八筒 左向き七筒 上向き九筒 上向き  ツモ五筒

当たれば最低8,000。もし当たるようであればトータルで逆転を許す。それでも・・
宮内は五索を切った。結果は2人テンパイの流局であったが、戦う勇気と姿勢を見せつけた。

 

100

 

戦う姿勢であれば、和久津も負けていない。いや、負けるわけにはいかない。続く1本場、積極的に仕掛けて出る。

 

100

 

これは宮内から見た図。宮内含め、周りからすれば「またか」と思うと同時に、高いのか安いのかの判断がつきにくい。
和久津にはそれも計算の内であろう。変幻自在の攻め。今回は・・

四万四万四万五万五万二索四索八索二筒四筒七筒  ポン中中中  ドラ四万

と本物。しかし、宮内も高打点が見える手牌だけにビビってはいられない。11巡目、当初の構想からすれば不満が残るテンパイであろうがリーチに出る。

四万五万一索二索三索二筒三筒四筒五筒五筒五筒六筒六筒  リーチ

和久津もこの時テンパイ。

四万四万四万五万六万六筒七筒  チー三索 左向き二索 上向き四索 上向き  ポン中中中

全面戦争勃発か・・和久津も無スジを通していく。この勝負に決着をつけたのは西嶋。2人の攻めを躱すことに成功した。和久津はまたも実らず。

東2局、和久津の親。

 

100

 

このドラ九索を切れる者が何人いるであろうか。単なる損得であれば切らないほうが得だと思う。しかし、和久津は切り飛ばした。この九索を西嶋がポン。和久津には六万が流れてきてテンパイを入れ、童瞳との2人テンパイ。この九索切りからの一連の流れがないと、和久津はテンパイすることが出来ず親流れ。この後に続くことが出来なかった。

宮内と和久津のトータルポイントの差は35P。大差のように感じるが、トップラスであればその差は僅か5ポイント。そして、このテンパイ料でその条件を満たし和久津が0.3ポイント逆転した。
 
100
 
東2局2本場、またもや和久津、先手の仕掛け。

二万五万二索三索四索七索三筒四筒七筒東  ポン中中中  ドラ九索

先程の仕掛けを見せているだけに、周り、特に宮内はどうしても絞り気味になり、前に出にくい。和久津は野球で言えば、同じフォームで速球とチェンジアップを投げ分けているようなものである。
今までは仕掛けても手が伸びなかった和久津だが、この手は伸びた。ダブ東が暗刻になり、仮テンの八万単騎をツモ。

八万二索三索四索二筒三筒四筒東東東  ポン中中中  ツモ八万

逆転した点差を広げにかかる。

東2局3本場、和久津は軽い手。早くも3巡目にドラの南を河に放った。

三万四万七万二索六索二筒四筒六筒七筒七筒八筒東南  ツモ三万  打南  ドラ南

和久津らしいと言えば和久津らしい。最終的にドラ単騎に捕まったり、打ち切れなくなる前の処理。

これが子方であったり、スピードで捌いていく場面であればわからなくもないが、このリードを広げたい局面では損に思えてしまう。それでも6巡目に南を引き、ツモ切りする羽目にならなければ、まだ良かったのだが・・

 

100

 

7巡目、宮内から見た図。ここまでにドラを重ねた宮内。和久津の三筒チー、打八索を見て安い手という事は感じたであろう。それは周りにとっても同じことで、真っ直ぐ手を進めてきた。和久津はあっという間の3フーロ。

アガリ切ってしまえば問題無い。そして、更に連荘を積み重ねることが出来る。アガリ切ってしまえば・・
「リーチ」宮内が来た。打点が見えない仕掛けだけに、親であろうが怖くはない。和久津も引かずに応戦。そして・・

 

100

 

残り4巡。和久津ならソウズを打って粘る様な気がした。そういうプレイも何度も見ている。しかし・・
和久津は七筒をツモ切りした。自分のアガリを目で追ってしまった。

七万八万九万七索八索九索五筒六筒南南西西西  リーチ  ロン七筒  ドラ南  裏六筒

リーチ、ドラ3で8,000。掴まえたはずの宮内の背中。後は仕留めるだけであったはずだが、その直前で腕から抜け出されてしまった。
トータルトップを奪い返された和久津だが、気落ちするまでもなく、次局には仕掛けて300・500でこの半荘のトップ目に戻り、再度追撃態勢を整え直す。

東4局1本場、ここも和久津の仕掛けから局が始まる。

五万六万二索四筒八筒八筒九筒南白中中  チー七万 上向き八万 上向き九万 上向き  ドラ九万

この後、中も鳴けて1シャンテン。アガリに近づく。しかし、思い通りにはさせぬと待ったをかけたのが、宮内。

四万四万四万六万七万八万九万九万四索五索六索七索八索  リーチ

この三索六索九索待ちでリーチ。和久津が一発で掴むが、ここは4枚目の白。次のツモは二万。もう止めてもいい牌か。

 

100

 

それでもこの二万を押す和久津。九索が当たると確信に近いものがあるのだろう。必死に食らいつく。
止められた形の宮内であったが、この待ちでは負けられない。六索をツモって2,000・4,000。和久津に立て直す隙を与えない。

南1局、宮内の親。折られそうな心を鼓舞するかのように、ここでも和久津は仕掛ける。対する宮内、13巡目にこの手牌。

 

100

 

殆ど止まることがない宮内でもさすがに手が止まった。阿久津の八筒ポンは七筒を先切りしてあってのもの。更に三索二索のターツ、四万のトイツ落としとドラの発が打ちにくい理由がありすぎる。しかも2巡目に一索を切っている為フリテンでもある。

普段より少しだけ振りかぶった。打牌音が少しだけ強かった。声が少しだけ震えていた。宮内は発を横に向けて河に置いていた。
七索をツモるのにさして時間は掛からなかった。4,000オール。更に突き放した。

南1局2本場、配牌。

 

100

 

和久津にマンズが9枚、西嶋はドラ暗刻。どちらも十分な勝負手。和久津は当然のように染め手へ。西嶋もドラ色のピンズへ寄せていく。
配牌では一番苦しかった童瞳。ピンズを押さえながらマンズを処理しリーチ。

二索三索四索二筒三筒四筒五筒七筒八筒九筒西西西  リーチ  ドラ二筒

ここから一気に動いた。まずは和久津がリーチ宣言牌の九万をポンしてチンイツの六万九万待ち(九万は自分でポンしている為、無い)西嶋は五筒六筒七筒でチーし、一筒四筒三筒待ち。そして、宮内が二筒五筒待ちに変化してのリーチ。4者が真正面からぶつかった。

 

100

 

宮内のリーチは見方によっては必要無いものかもしれないが、このリーチを打たないのであれば、先ほどの発も打たないであろう。押す時は大胆に、引くときは繊細に、それが宮内の中の一貫性なのであろう。

結果はまた別物である。宮内の勢いを止めたのはやはり和久津であった。六万で8,000。供託や積み場も得て、見えなくなりかけた背中を再び視野に入れた。

南2局5巡目、童瞳の先制リーチ。それを受けた西嶋。

 

100

 

現物は何も無い。ならば九筒をツモ切るのが普通。しかし、西嶋はここから長考に入る。九筒を打たないと決めたのであれば、この手は実質的にここまで。オリる牌を探すとすれば、ワンチャンスの三筒辺りか。三筒に手を掛けそうになるが、西嶋にはある場面がよぎり打てない。最後に辿りついたのは六万であった。

この時童瞳の手は

五万六万七万二索三索三索三索四索四筒五筒六筒七筒八筒  ドラ七索

九筒どころか三筒でも放銃である。裏ドラが二索であった為、九筒でも三筒でも満貫の放銃。それを見事に回避した。

西嶋には童瞳の捨て牌にある八筒が引っ掛っていた。西嶋の言葉を借りれば、「あまりにも気持ち良く」切られた八筒であったそうだ。感覚からの言葉であるが、迷いが無く切られた分、強い形が想像出来たということと理解すればよいであろうか。三筒を打たなかった事に関しては、和久津に四筒で放銃した12,000のイメージが強く、ワンチャンスだからこそ打ちづらかったとの事。

実戦から磨いたであろう感覚。しばしば見られるこのようなプレイを単発ではなく、繋いでいくことが出来るようになることが、今後の西嶋が目指すべき方向であるような気がするのは私だけであろうか。

 

100

 

親番の和久津は簡単には引けない。四索をポンしてテンパイ。

二万四万五万六万七万五索五索五索七筒七筒  ポン四索 上向き四索 上向き四索 上向き

ここから三筒をツモ切りし8,000の放銃。ここも三万が現物になっていた為、アガリに目が行ってしまったか。ここは二万四万が通っていたので、回る手もあったか。和久津にとって痛い放銃となった。

南3局、和久津リーチ。

四万五万六万三索三索六索七索八索二筒三筒六筒七筒八筒  リーチ

少しでも差を詰め、逆転の足掛かりを狙う。ところが・・

二万二万三索四索四索五索五索七索七索七索三筒四筒五筒  リーチ  ロン六索  ドラ五索  裏三筒

西嶋の追いかけリーチに一発で六索を掴む和久津。オーラスに西嶋から8,000をアガリ返したが、3着となるのがやっとであった。

10回戦終了
宮内+30.7P 童瞳+2.1P 和久津▲10.4P 西嶋▲22.4P

トータルポイント
宮内+112.4P 和久津+36.3P 童瞳▲16.0P 西嶋▲22.4P 茅森▲110.3P

ここで茅森が敗退。残るは2回。抜け出した宮内を追い詰めることは出来るのか。

 

11回戦 起家より 西嶋 和久津 宮内 童瞳

一時的とはいえ逆転した和久津。しかし、この11回戦を迎えて、宮内とのポイント差は76.1P。まだ絶望的な点差では無いとはいえ、大差であることに変わりはない。アガリを重ねて追撃を・・と考えても、手許に来るのは当たり牌ばかり。

東1局、親の西嶋がリーチ。

六万七万八万一索一索六索七索八索一筒二筒三筒四筒五筒  リーチ  ドラ三索南

宮内はこのリーチ前からテンパイを入れていた。

九万九万九万一索二索三索一筒一筒七筒八筒九筒中中

西嶋のリーチ一発目に四筒を引かされると、あっさり打中としテンパイを崩す。直後、西嶋のツモは中で、リーチを打つことによって放銃を回避した格好。そして、和久津が西嶋の捨て牌の中スジ六索をツモ切ると、これが童瞳のヤミテンに捕まる。
 
100
 
三万三万六万七万八万六索七索七索八索八索六筒七筒八筒  ロン六索

東2局の親番、僅か4巡で1シャンテン。

三万七万八万三索四索五索七索八索三筒四筒五筒九筒九筒  ドラ五筒

次巡、三索をツモ切り。それがもう間に合わない。

五万六万七万四索五索八索八索三筒四筒五筒六筒七筒八筒  ロン三索  ドラ五筒

これが宮内の手牌。宮内はこの11回戦、明らかに戦い方を変えてきた。残り2回を確実に逃げ切る為のギアにチェンジした。
不調に陥った和久津を尻目に童瞳、西嶋は高打点の手をツモアガリ、宮内に必死に食い下がる。だが、和久津の点棒も同じように削れてしまい、宮内の着順を落とすことが出来ない。

南3局、決定打と思えるアガリが出た。

 

100

 

オーラス、西嶋が3,000・6,000でトップこそ奪うものの、宮内の牙城を揺るがすまでには至らない。

11回戦終了
西嶋+34.4P 宮内+18.6P 童瞳▲17.0P 和久津▲36.0P

トータルポイント
宮内+131.0P 西嶋+12.0P 和久津+0.3P 童瞳▲33.0P

 

12回戦 起家から 西嶋 和久津 童瞳 宮内

茅森早香がこの12回戦の舞台にいないなんて誰が想像したであろうか。序盤から苦戦の連続。最後は2連勝で実力の片鱗は見せたが、こんなものでは無い筈だ。来年もこの舞台に戻って来る事を期待したい。

和久津晶はこの舞台でも自分を貫き通した。2冠となった宮内の前に最後まで立ち続けた。勉強量、研究量は他を凌駕する。次に姿を見せる時には進化しているのか、変化しているのかどちらであろうか。

童瞳はこの1年、プロクイーンというタイトルの重さと戦い続けた。多くの対局やチャンスを得て、必死で戦っていた。そんな中で、生命線とも言える押し引きのバランスを少し崩していたように思える。バランスを取り戻した時にまた戻ってくるであろう。

西嶋ゆかりの随所に見せたプレイは素晴らしかった。ただ、まだ安定感に乏しいのも事実である。今回得た経験を元にリーグ戦や女流桜花などで結果を出し、一回りも二回りも成長する事を願う。

宮内こずえは女流桜花のタイトルを獲ってから更に、本当に強くなった。攻めにも守りにも甘さが消え、鋭さと深さが増した。堂々の2冠である。ただ喜んでばかりもいられない。女流桜花の防衛戦がすぐそこに迫っている。次は桜花連覇を目標に決勝の舞台に帰って来る。

 

100

12回戦終了
童瞳+29.4P 宮内+1.6P 西嶋▲8.5P 和久津▲22.5P

最終成績
宮内+132.6P 西嶋+3.5P 童瞳▲3.6P 和久津▲22.2P 茅森▲110.3P

 

 

宮内がデビューしたばかりの頃「目標は?」と聞いたことがある。その時は真っ直ぐな瞳で「鳳凰位です」と答えた。冗談かと思い笑ってしまったのを覚えている。今、同じ質問をし、同じ答えが返ってきたとしても、今度は誰も笑わないであろう。

 

100

プロクイーン決定戦 決勝観戦記/第14期プロクイーン決定戦最終日観戦記 紺野 真太郎

8回戦終了時トータルポイント
宮内+81.7P 西嶋+40.8P 和久津+32.3P 童瞳▲13.1P 茅森▲141.7P
今まで誰も成し得なかった女流2冠に王手を掛けた宮内。ここまでの戦いぶりのまま打ち抜くことが出来れば、自ずと結果に繋がることであろう。しかし、相手もこのまますんなりと勝たせるわけにはいかない。最終日にはどんな戦い、ドラマが待っているのであろうか。
 
100
 
9回戦 起家から 茅森 童瞳 西嶋 和久津
10回戦が抜け番となる茅森。敗退を免れるには4位童瞳との差128.6Pを逆転しなければならない。トップラスで10万点弱の差。童瞳は10回戦も対局があるので、この9回戦で必ずしも逆転しなければいけないわけではないが、最低でも12、3万点のトップが欲しいところ。
開局は茅森のリーチで1人テンパイ。続く1本場、ここも先制リーチに成功する。
六万七万二索三索四索五索五索二筒三筒四筒七筒八筒九筒  ドラ九万
トータルポイント上、この茅森のリーチには、かなり手が整っていない限り、戦いにくい。茅森に捕まる事は優勝争いからの脱落を意味するからである。茅森も十分承知の上であろう。足を止めさせ時間を得た。
茅森14巡目、五万をツモ。リーチ、ツモ、ピンフ。このままでは1,300オールだが、裏ドラをめくるとそこには四索が・・裏ドラ五索で2枚乗り4,000オール。奇跡への第1歩を踏み出した。
 
100
 
2本場にも12巡目先制リーチ。
三万四万五万六万七万八万二索三索四索九索九索二筒三筒  リーチ  ドラ七筒
ただ、ここは思惑通りとはいかなかった。同巡、西嶋が追いかけリーチ。
四万五万六万六万七万八万一索一索六筒七筒九筒九筒九筒  リーチ
トータル2番手につける西嶋にすれば、茅森の奇跡のストーリーに付き合うわけにはいかない。この9回戦は追うべき宮内が抜け番。茅森に得点を伸ばされれば、自分の得点が削られ、宮内から離されてしまう。
山に残る枚数は茅森3枚対西嶋5枚。ここは数字通りに西嶋がアガリ。裏は乗らず1,000・2,000だが、西嶋にとっては点数以上の価値があるか。
東2局、茅森テンパイ。1枚切れの東を切るが、ここはヤミテン。
八万八万三索三索三索六索七索七索八索九索南南南  ドラ七筒
下家の童瞳が手出し八筒九筒の後、一万二万三万で鳴いており、マンズのホンイツでのダブ東ポンを警戒してのことか。
東が動かれなかったのを確認し、次巡ツモ切りリーチ。これで4局連続リーチだ。ドラ2枚で押していた童瞳、当たり牌をギリギリまで打たずにいたが、テンパイが入り、五索で放銃。裏ドラも五索で2,600。これで茅森トップ。童瞳ラスの並びが出来る。ただ、素点はまだまだ足りない。
東3局、和久津のリーチ。それを受けた親西嶋。
 
100
 
さて、何を切る?
第1感では三万かと思うが、止まってしまうと迷いが出る。七索を切っても後が続かない。ワンチャンスで七筒か。和久津の捨て牌には一筒がある。それなら・・
「ロン」和久津の声だ。西嶋が切ったのは四筒
四万五万六万二索三索四索四索五索六索八索八索五筒六筒  リーチ  ロン四筒  ドラ二筒  裏白
第1感で私が三万と思ったのはドラ二筒を切りたくないから。もし西嶋が三筒を引いた時に二筒を打つ覚悟があったのならば、この放銃は責めることは出来ないであろう。必死に戦った結果なのだから。
東4局、同1本場と和久津が先手は奪うがアガリには結びつかない。今シリーズ抜け出せない原因か。そして、2本場は童瞳にアガられ、供託と積み場を攫われてしまう。
南1局、後が無い茅森の親。ここも和久津の先手。
三万九万九万一索二索三索四索七索九索南白  ポン北北北  ドラ九万
和久津は北家。十分に打点も見える仕掛け。一方の茅森は
三万四万四万六索八索八索四筒六筒東北発発中
と厳しい。期待の発もこの和久津の仕掛けで出にくくなってしまった。それでも丁寧に進めて1シャンテンまで漕ぎつけたが、手牌の伸びもここまで。和久津1人テンパイで無念の親落ちとなった。
最後は意地を見せ、この半荘はトップとした茅森。10回戦の結果待ちとはいえ、事実上の敗退となった。
9回戦終了
茅森+31.4P 和久津+14.4P 童瞳▲5.0P 西嶋▲40.8P
トータルポイント
宮内+81.7P 和久津+46.7P 西嶋±0P 童瞳▲18.1P 茅森▲110.3P
 
10回戦 起家から 宮内 和久津 童瞳 西嶋
逃げる宮内VS追う和久津。東1局から火花を散らす。南家和久津は13巡目の手の内がソウズのみに。
一索一索一索二索四索四索五索七索七索八索八索九索九索  ドラ三筒
勿論、ソウズは1枚も切っていない。対する親宮内。
五索六索一筒二筒四筒四筒四筒五筒六筒六筒六筒七筒九筒
ここから八筒をチー。打六索としピンズのチンイツへ。これを和久津が仕掛け返し、二索三索のテンパイ。
一索一索一索二索七索七索八索八索九索九索  チー六索 左向き四索 上向き五索 上向き
しかし、二索三索は和久津から6枚見え。山にも二索が1枚しか残っていない。次巡に九索をツモると、まだましかと、打二索とし、六索七索八索九索待ちに変化。
宮内。残り1巡で五筒ツモ。五索切ればテンパイだが・・
五索一筒二筒四筒四筒四筒五筒六筒六筒六筒  チー八筒 左向き七筒 上向き九筒 上向き  ツモ五筒
当たれば最低8,000。もし当たるようであればトータルで逆転を許す。それでも・・
宮内は五索を切った。結果は2人テンパイの流局であったが、戦う勇気と姿勢を見せつけた。
 
100
 
戦う姿勢であれば、和久津も負けていない。いや、負けるわけにはいかない。続く1本場、積極的に仕掛けて出る。
 
100
 
これは宮内から見た図。宮内含め、周りからすれば「またか」と思うと同時に、高いのか安いのかの判断がつきにくい。
和久津にはそれも計算の内であろう。変幻自在の攻め。今回は・・
四万四万四万五万五万二索四索八索二筒四筒七筒  ポン中中中  ドラ四万
と本物。しかし、宮内も高打点が見える手牌だけにビビってはいられない。11巡目、当初の構想からすれば不満が残るテンパイであろうがリーチに出る。
四万五万一索二索三索二筒三筒四筒五筒五筒五筒六筒六筒  リーチ
和久津もこの時テンパイ。
四万四万四万五万六万六筒七筒  チー三索 左向き二索 上向き四索 上向き  ポン中中中
全面戦争勃発か・・和久津も無スジを通していく。この勝負に決着をつけたのは西嶋。2人の攻めを躱すことに成功した。和久津はまたも実らず。
東2局、和久津の親。
 
100
 
このドラ九索を切れる者が何人いるであろうか。単なる損得であれば切らないほうが得だと思う。しかし、和久津は切り飛ばした。この九索を西嶋がポン。和久津には六万が流れてきてテンパイを入れ、童瞳との2人テンパイ。この九索切りからの一連の流れがないと、和久津はテンパイすることが出来ず親流れ。この後に続くことが出来なかった。
宮内と和久津のトータルポイントの差は35P。大差のように感じるが、トップラスであればその差は僅か5ポイント。そして、このテンパイ料でその条件を満たし和久津が0.3ポイント逆転した。
 
100
 
東2局2本場、またもや和久津、先手の仕掛け。
二万五万二索三索四索七索三筒四筒七筒東  ポン中中中  ドラ九索
先程の仕掛けを見せているだけに、周り、特に宮内はどうしても絞り気味になり、前に出にくい。和久津は野球で言えば、同じフォームで速球とチェンジアップを投げ分けているようなものである。
今までは仕掛けても手が伸びなかった和久津だが、この手は伸びた。ダブ東が暗刻になり、仮テンの八万単騎をツモ。
八万二索三索四索二筒三筒四筒東東東  ポン中中中  ツモ八万
逆転した点差を広げにかかる。
東2局3本場、和久津は軽い手。早くも3巡目にドラの南を河に放った。
三万四万七万二索六索二筒四筒六筒七筒七筒八筒東南  ツモ三万  打南  ドラ南
和久津らしいと言えば和久津らしい。最終的にドラ単騎に捕まったり、打ち切れなくなる前の処理。
これが子方であったり、スピードで捌いていく場面であればわからなくもないが、このリードを広げたい局面では損に思えてしまう。それでも6巡目に南を引き、ツモ切りする羽目にならなければ、まだ良かったのだが・・
 
100
 
7巡目、宮内から見た図。ここまでにドラを重ねた宮内。和久津の三筒チー、打八索を見て安い手という事は感じたであろう。それは周りにとっても同じことで、真っ直ぐ手を進めてきた。和久津はあっという間の3フーロ。
アガリ切ってしまえば問題無い。そして、更に連荘を積み重ねることが出来る。アガリ切ってしまえば・・
「リーチ」宮内が来た。打点が見えない仕掛けだけに、親であろうが怖くはない。和久津も引かずに応戦。そして・・
 
100
 
残り4巡。和久津ならソウズを打って粘る様な気がした。そういうプレイも何度も見ている。しかし・・
和久津は七筒をツモ切りした。自分のアガリを目で追ってしまった。
七万八万九万七索八索九索五筒六筒南南西西西  リーチ  ロン七筒  ドラ南  裏六筒
リーチ、ドラ3で8,000。掴まえたはずの宮内の背中。後は仕留めるだけであったはずだが、その直前で腕から抜け出されてしまった。
トータルトップを奪い返された和久津だが、気落ちするまでもなく、次局には仕掛けて300・500でこの半荘のトップ目に戻り、再度追撃態勢を整え直す。
東4局1本場、ここも和久津の仕掛けから局が始まる。
五万六万二索四筒八筒八筒九筒南白中中  チー七万 上向き八万 上向き九万 上向き  ドラ九万
この後、中も鳴けて1シャンテン。アガリに近づく。しかし、思い通りにはさせぬと待ったをかけたのが、宮内。
四万四万四万六万七万八万九万九万四索五索六索七索八索  リーチ
この三索六索九索待ちでリーチ。和久津が一発で掴むが、ここは4枚目の白。次のツモは二万。もう止めてもいい牌か。
 
100
 
それでもこの二万を押す和久津。九索が当たると確信に近いものがあるのだろう。必死に食らいつく。
止められた形の宮内であったが、この待ちでは負けられない。六索をツモって2,000・4,000。和久津に立て直す隙を与えない。
南1局、宮内の親。折られそうな心を鼓舞するかのように、ここでも和久津は仕掛ける。対する宮内、13巡目にこの手牌。
 
100
 
殆ど止まることがない宮内でもさすがに手が止まった。阿久津の八筒ポンは七筒を先切りしてあってのもの。更に三索二索のターツ、四万のトイツ落としとドラの発が打ちにくい理由がありすぎる。しかも2巡目に一索を切っている為フリテンでもある。
普段より少しだけ振りかぶった。打牌音が少しだけ強かった。声が少しだけ震えていた。宮内は発を横に向けて河に置いていた。
七索をツモるのにさして時間は掛からなかった。4,000オール。更に突き放した。
南1局2本場、配牌。
 
100
 
和久津にマンズが9枚、西嶋はドラ暗刻。どちらも十分な勝負手。和久津は当然のように染め手へ。西嶋もドラ色のピンズへ寄せていく。
配牌では一番苦しかった童瞳。ピンズを押さえながらマンズを処理しリーチ。
二索三索四索二筒三筒四筒五筒七筒八筒九筒西西西  リーチ  ドラ二筒
ここから一気に動いた。まずは和久津がリーチ宣言牌の九万をポンしてチンイツの六万九万待ち(九万は自分でポンしている為、無い)西嶋は五筒六筒七筒でチーし、一筒四筒三筒待ち。そして、宮内が二筒五筒待ちに変化してのリーチ。4者が真正面からぶつかった。
 
100
 
宮内のリーチは見方によっては必要無いものかもしれないが、このリーチを打たないのであれば、先ほどの発も打たないであろう。押す時は大胆に、引くときは繊細に、それが宮内の中の一貫性なのであろう。
結果はまた別物である。宮内の勢いを止めたのはやはり和久津であった。六万で8,000。供託や積み場も得て、見えなくなりかけた背中を再び視野に入れた。
南2局5巡目、童瞳の先制リーチ。それを受けた西嶋。
 
100
 
現物は何も無い。ならば九筒をツモ切るのが普通。しかし、西嶋はここから長考に入る。九筒を打たないと決めたのであれば、この手は実質的にここまで。オリる牌を探すとすれば、ワンチャンスの三筒辺りか。三筒に手を掛けそうになるが、西嶋にはある場面がよぎり打てない。最後に辿りついたのは六万であった。
この時童瞳の手は
五万六万七万二索三索三索三索四索四筒五筒六筒七筒八筒  ドラ七索
九筒どころか三筒でも放銃である。裏ドラが二索であった為、九筒でも三筒でも満貫の放銃。それを見事に回避した。
西嶋には童瞳の捨て牌にある八筒が引っ掛っていた。西嶋の言葉を借りれば、「あまりにも気持ち良く」切られた八筒であったそうだ。感覚からの言葉であるが、迷いが無く切られた分、強い形が想像出来たということと理解すればよいであろうか。三筒を打たなかった事に関しては、和久津に四筒で放銃した12,000のイメージが強く、ワンチャンスだからこそ打ちづらかったとの事。
実戦から磨いたであろう感覚。しばしば見られるこのようなプレイを単発ではなく、繋いでいくことが出来るようになることが、今後の西嶋が目指すべき方向であるような気がするのは私だけであろうか。
 
100
 
親番の和久津は簡単には引けない。四索をポンしてテンパイ。
二万四万五万六万七万五索五索五索七筒七筒  ポン四索 上向き四索 上向き四索 上向き
ここから三筒をツモ切りし8,000の放銃。ここも三万が現物になっていた為、アガリに目が行ってしまったか。ここは二万四万が通っていたので、回る手もあったか。和久津にとって痛い放銃となった。
南3局、和久津リーチ。
四万五万六万三索三索六索七索八索二筒三筒六筒七筒八筒  リーチ
少しでも差を詰め、逆転の足掛かりを狙う。ところが・・
二万二万三索四索四索五索五索七索七索七索三筒四筒五筒  リーチ  ロン六索  ドラ五索  裏三筒
西嶋の追いかけリーチに一発で六索を掴む和久津。オーラスに西嶋から8,000をアガリ返したが、3着となるのがやっとであった。
10回戦終了
宮内+30.7P 童瞳+2.1P 和久津▲10.4P 西嶋▲22.4P
トータルポイント
宮内+112.4P 和久津+36.3P 童瞳▲16.0P 西嶋▲22.4P 茅森▲110.3P
ここで茅森が敗退。残るは2回。抜け出した宮内を追い詰めることは出来るのか。
 
11回戦 起家より 西嶋 和久津 宮内 童瞳
一時的とはいえ逆転した和久津。しかし、この11回戦を迎えて、宮内とのポイント差は76.1P。まだ絶望的な点差では無いとはいえ、大差であることに変わりはない。アガリを重ねて追撃を・・と考えても、手許に来るのは当たり牌ばかり。
東1局、親の西嶋がリーチ。
六万七万八万一索一索六索七索八索一筒二筒三筒四筒五筒  リーチ  ドラ三索南
宮内はこのリーチ前からテンパイを入れていた。
九万九万九万一索二索三索一筒一筒七筒八筒九筒中中
西嶋のリーチ一発目に四筒を引かされると、あっさり打中としテンパイを崩す。直後、西嶋のツモは中で、リーチを打つことによって放銃を回避した格好。そして、和久津が西嶋の捨て牌の中スジ六索をツモ切ると、これが童瞳のヤミテンに捕まる。
 
100
 
三万三万六万七万八万六索七索七索八索八索六筒七筒八筒  ロン六索
東2局の親番、僅か4巡で1シャンテン。
三万七万八万三索四索五索七索八索三筒四筒五筒九筒九筒  ドラ五筒
次巡、三索をツモ切り。それがもう間に合わない。
五万六万七万四索五索八索八索三筒四筒五筒六筒七筒八筒  ロン三索  ドラ五筒
これが宮内の手牌。宮内はこの11回戦、明らかに戦い方を変えてきた。残り2回を確実に逃げ切る為のギアにチェンジした。
不調に陥った和久津を尻目に童瞳、西嶋は高打点の手をツモアガリ、宮内に必死に食い下がる。だが、和久津の点棒も同じように削れてしまい、宮内の着順を落とすことが出来ない。
南3局、決定打と思えるアガリが出た。
 
100
 
オーラス、西嶋が3,000・6,000でトップこそ奪うものの、宮内の牙城を揺るがすまでには至らない。
11回戦終了
西嶋+34.4P 宮内+18.6P 童瞳▲17.0P 和久津▲36.0P
トータルポイント
宮内+131.0P 西嶋+12.0P 和久津+0.3P 童瞳▲33.0P
 
12回戦 起家から 西嶋 和久津 童瞳 宮内
茅森早香がこの12回戦の舞台にいないなんて誰が想像したであろうか。序盤から苦戦の連続。最後は2連勝で実力の片鱗は見せたが、こんなものでは無い筈だ。来年もこの舞台に戻って来る事を期待したい。
和久津晶はこの舞台でも自分を貫き通した。2冠となった宮内の前に最後まで立ち続けた。勉強量、研究量は他を凌駕する。次に姿を見せる時には進化しているのか、変化しているのかどちらであろうか。
童瞳はこの1年、プロクイーンというタイトルの重さと戦い続けた。多くの対局やチャンスを得て、必死で戦っていた。そんな中で、生命線とも言える押し引きのバランスを少し崩していたように思える。バランスを取り戻した時にまた戻ってくるであろう。
西嶋ゆかりの随所に見せたプレイは素晴らしかった。ただ、まだ安定感に乏しいのも事実である。今回得た経験を元にリーグ戦や女流桜花などで結果を出し、一回りも二回りも成長する事を願う。
宮内こずえは女流桜花のタイトルを獲ってから更に、本当に強くなった。攻めにも守りにも甘さが消え、鋭さと深さが増した。堂々の2冠である。ただ喜んでばかりもいられない。女流桜花の防衛戦がすぐそこに迫っている。次は桜花連覇を目標に決勝の舞台に帰って来る。
 
100
12回戦終了
童瞳+29.4P 宮内+1.6P 西嶋▲8.5P 和久津▲22.5P
最終成績
宮内+132.6P 西嶋+3.5P 童瞳▲3.6P 和久津▲22.2P 茅森▲110.3P
 
 
宮内がデビューしたばかりの頃「目標は?」と聞いたことがある。その時は真っ直ぐな瞳で「鳳凰位です」と答えた。冗談かと思い笑ってしまったのを覚えている。今、同じ質問をし、同じ答えが返ってきたとしても、今度は誰も笑わないであろう。
 
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何を切る?fromロン2 2016年11月

このコーナーでは、オンライン麻雀「ロン2」の協力のもと、プロ雀士とロン2ユーザーの解答をグラフを使って比較していきたいと思います。
多くのプロより、丁寧な解説をいただきましたので、みなさんの雀力アップの参考にしていただければと思います。

問題提供:「ロン2」  作成:杉浦勘介

ロン2道場ルール (一発、裏ドラ、カンドラあり、赤なし)
南3局東家 (色の濃くなっている牌はツモ切りです)
※北家は4巡目に中を鳴いて打南

 

プロ

六筒切り・・・28人
五索切り・・・3人
五筒切り・・・3人
六万切り・・・1人
六索切り・・・1人

 

ロン2ユーザー

六筒切り・・・50.5%
六万切り・・・28.8%
五筒切り・・・7.2%
五索切り・・・3.8%
五万切り・・・3.4%
六索切り・・・1.9%
四筒切り・・・1.9%
二索切り・・・1.4%
七万切り・・・1%

 

 

プロ解答(50音順)

 

六筒切り

伊藤優孝
「七対子に行くか、タンピン三色を見るのか、個人の判断。私は六筒を切ります。」

内川幸太郎
「マンズの方が伸びそうなので、六筒切り。」

客野直
「素直にタンピンイーペーコーを見ながら手を進めていく。マンズにくっついたら五索六索外し。四索七索はチーする。」

清原継光
「ラス前の親番。ラス目とは点差が離れているので、親番維持のため、全力で北家と戦います。四索七索はチー、マンズが伸びたらソーズを1枚外します。五筒が3枚見えて六筒がくっつきとして弱いため、六筒切り。」

近藤久春
「他家のことは気にせず目一杯に構え、マンズが伸びたら五索六索を払い、三色を逃さないように進める。」

紺野真太郎
「七対子なら前巡のドラは切らないのでメンツ手を中心に。状況によっては仕掛けて1,500でも良し。」

櫻井秀樹
「ピンズは伸びづらいのでマンズを厚く。ドラを切っているので七対子は見ない。」

白鳥翔
「ピンズは安いが、伸びるとしてもほぼ上だけ。しかもピンズの上が良いかはわからない。ソーズを引いてのテンパイは、その時の状況で外すことも十分に考えられる。」

ダンプ大橋
「七対子なら前巡に決め打っているからタンピンに。」

二階堂亜樹
「マンズでもうひとメンツ作って456の三色本線。」

二階堂瑠美
「七対子は厳しいと思うので、マンズでもうひとメンツか。五筒が3枚見えているのでピンズは厳しいかと。そもそも七対子にしたいならドラは切らないと思う」

西川淳
「ピンズ1メンツ固定、四索が先に入る以外はマンズで2メンツ。メンタンピンからの三色など、点差的に最大で最後のチャンスと見て、何としてでもツモりたい。」

仁平宣明
「マンズが横に伸びれば、ソーズのダブルメンツを外して三色狙い。」

林俊宏
五筒が2枚切れているので、マンズの伸びを期待しながらソーズは切ってくかな!」

HIRO柴田
「ドラを切っている以上、メンツ手の選択にすべき。」

福光聖雄
四索七索を引いた時はヤミテン。マンズはこの形を維持しつつ横の伸びを待つ。」

藤崎智
「ピンズが良さそうですが、五筒3枚見えは厳しすぎる。七対子を見切って456の三色へ。」

藤原隆弘
「七対子は見切る。ピンズは伸びそうにないから六筒切りとする。マンズが伸びれば六索五索と切ってタンピン三色狙い。トップ目の仕掛けに対して、後々六万を切るのは危険なので、四索七索が出たらチーで捌きに出る。早めに手を決めて終盤でマンズ勝負はしたくない!ダンラスの下家は無視で良し。」

古川孝次
「七対子で行くか、タンピン形で行くかの分岐点。私はタンピン形で行く。七対子を見ると現在の牌姿から重なるのを待たなくてはいけない。当然、メンゼンになる。私は、親であるがゆえに、ポンテンなど動いてタンヤオ狙いにも行ける流動性の方を取る。」

古橋崇志
「456、567の三色を狙う。マンズが伸びれば五索六索切り。」

三戸亮祐
「ストレートに四索七索を引いても良いが、理想はマンズで2メンツを作って456の三色にしたい。」

美波智子
「親なので七対子は狙いたくない。」

宮内こずえ
「ドラを切っているので七対子は見ません。七索が2枚切れということもあり、ピンズかマンズでもうひとメンツの可能性を残したい。五筒が3枚見えていてピンズの上が場に高いので、六万を残して打六筒とします。」

望月雅継
「前巡にドラを切っていなければ七対子の可能性を残す場面ですが、ドラを切ってしまっている以上、横に伸ばしていくしかないかと。ピンズとマンズの比較は、変化しやすさと枚数で。」

安村浩司
「タンピン1シャンテンに受けて、マンズを引けば456の三色を狙う。」

山井弘
「トップ目の仕掛けが手バラとは考えづらい。3巡目の五筒ツモ切りの後、中を鳴いて打南からも十分形と考えて良いと思う。ピンズが待ち(受け入れ)になっている可能性があるのであれば、六筒九筒一点になるので、ここで処理しておきたい。当然ロン牌のリスクはあるが、トップを逆転する可能性のある手だけにメンツ手として勝負したい。」

吉田直
「タンピン三色を見て六筒切り。マンズが伸びたら五索六索落とし。」

和久津晶
「マンズを引いたら五索切り。四索七索引いたらリーチします。」

 

 

五索切り

猿川真寿
七索が2枚切れていて四索七索2度受けは厳しそうなのでほぐします。」

西岡慎泰
「残り枚数の少なそうな四索七索受けを1メンツに決める。タンヤオ七対子は失敗しそうなので狙わない。」

東谷達矢
「2シャンテンに戻してもスピードは落ちないため。」

 

 

五筒切り

朝霧千裕
四索七索の2度受けが厳しいのと、北家の仕掛けにも対応できるので、七対子にして2枚切れの打五筒。」

藤岡良一
四索は西家にトイツ以上。七索も引けない。皆のピンズのカブリ捨牌と北家の七索を見てトイツ場濃厚。この手はズバリ四筒を引いてテンパイします。待ち頃の牌を待ってまずはヤミテンでトップとの差を詰める。」

藤島健二郎
「七対子一本。」

 

 

六万切り

清水香織
「前巡にドラを切っているということから、トイツ手を見切って順子形に進めていくという意思を感じるので。」

 

 

六索切り

藤井すみれ
「真っ先に2度受けを拒否したい!」

何を切る?/何を切る?fromロン2 2016年11月

このコーナーでは、オンライン麻雀「ロン2」の協力のもと、プロ雀士とロン2ユーザーの解答をグラフを使って比較していきたいと思います。
多くのプロより、丁寧な解説をいただきましたので、みなさんの雀力アップの参考にしていただければと思います。
問題提供:「ロン2」  作成:杉浦勘介
ロン2道場ルール (一発、裏ドラ、カンドラあり、赤なし)
南3局東家 (色の濃くなっている牌はツモ切りです)
※北家は4巡目に中を鳴いて打南

 
プロ

六筒切り・・・28人
五索切り・・・3人
五筒切り・・・3人
六万切り・・・1人
六索切り・・・1人
 
ロン2ユーザー

六筒切り・・・50.5%
六万切り・・・28.8%
五筒切り・・・7.2%
五索切り・・・3.8%
五万切り・・・3.4%
六索切り・・・1.9%
四筒切り・・・1.9%
二索切り・・・1.4%
七万切り・・・1%
 
 
プロ解答(50音順)
 
六筒切り
伊藤優孝
「七対子に行くか、タンピン三色を見るのか、個人の判断。私は六筒を切ります。」
内川幸太郎
「マンズの方が伸びそうなので、六筒切り。」
客野直
「素直にタンピンイーペーコーを見ながら手を進めていく。マンズにくっついたら五索六索外し。四索七索はチーする。」
清原継光
「ラス前の親番。ラス目とは点差が離れているので、親番維持のため、全力で北家と戦います。四索七索はチー、マンズが伸びたらソーズを1枚外します。五筒が3枚見えて六筒がくっつきとして弱いため、六筒切り。」
近藤久春
「他家のことは気にせず目一杯に構え、マンズが伸びたら五索六索を払い、三色を逃さないように進める。」
紺野真太郎
「七対子なら前巡のドラは切らないのでメンツ手を中心に。状況によっては仕掛けて1,500でも良し。」
櫻井秀樹
「ピンズは伸びづらいのでマンズを厚く。ドラを切っているので七対子は見ない。」
白鳥翔
「ピンズは安いが、伸びるとしてもほぼ上だけ。しかもピンズの上が良いかはわからない。ソーズを引いてのテンパイは、その時の状況で外すことも十分に考えられる。」
ダンプ大橋
「七対子なら前巡に決め打っているからタンピンに。」
二階堂亜樹
「マンズでもうひとメンツ作って456の三色本線。」
二階堂瑠美
「七対子は厳しいと思うので、マンズでもうひとメンツか。五筒が3枚見えているのでピンズは厳しいかと。そもそも七対子にしたいならドラは切らないと思う」
西川淳
「ピンズ1メンツ固定、四索が先に入る以外はマンズで2メンツ。メンタンピンからの三色など、点差的に最大で最後のチャンスと見て、何としてでもツモりたい。」
仁平宣明
「マンズが横に伸びれば、ソーズのダブルメンツを外して三色狙い。」
林俊宏
五筒が2枚切れているので、マンズの伸びを期待しながらソーズは切ってくかな!」
HIRO柴田
「ドラを切っている以上、メンツ手の選択にすべき。」
福光聖雄
四索七索を引いた時はヤミテン。マンズはこの形を維持しつつ横の伸びを待つ。」
藤崎智
「ピンズが良さそうですが、五筒3枚見えは厳しすぎる。七対子を見切って456の三色へ。」
藤原隆弘
「七対子は見切る。ピンズは伸びそうにないから六筒切りとする。マンズが伸びれば六索五索と切ってタンピン三色狙い。トップ目の仕掛けに対して、後々六万を切るのは危険なので、四索七索が出たらチーで捌きに出る。早めに手を決めて終盤でマンズ勝負はしたくない!ダンラスの下家は無視で良し。」
古川孝次
「七対子で行くか、タンピン形で行くかの分岐点。私はタンピン形で行く。七対子を見ると現在の牌姿から重なるのを待たなくてはいけない。当然、メンゼンになる。私は、親であるがゆえに、ポンテンなど動いてタンヤオ狙いにも行ける流動性の方を取る。」
古橋崇志
「456、567の三色を狙う。マンズが伸びれば五索六索切り。」
三戸亮祐
「ストレートに四索七索を引いても良いが、理想はマンズで2メンツを作って456の三色にしたい。」
美波智子
「親なので七対子は狙いたくない。」
宮内こずえ
「ドラを切っているので七対子は見ません。七索が2枚切れということもあり、ピンズかマンズでもうひとメンツの可能性を残したい。五筒が3枚見えていてピンズの上が場に高いので、六万を残して打六筒とします。」
望月雅継
「前巡にドラを切っていなければ七対子の可能性を残す場面ですが、ドラを切ってしまっている以上、横に伸ばしていくしかないかと。ピンズとマンズの比較は、変化しやすさと枚数で。」
安村浩司
「タンピン1シャンテンに受けて、マンズを引けば456の三色を狙う。」
山井弘
「トップ目の仕掛けが手バラとは考えづらい。3巡目の五筒ツモ切りの後、中を鳴いて打南からも十分形と考えて良いと思う。ピンズが待ち(受け入れ)になっている可能性があるのであれば、六筒九筒一点になるので、ここで処理しておきたい。当然ロン牌のリスクはあるが、トップを逆転する可能性のある手だけにメンツ手として勝負したい。」
吉田直
「タンピン三色を見て六筒切り。マンズが伸びたら五索六索落とし。」
和久津晶
「マンズを引いたら五索切り。四索七索引いたらリーチします。」
 
 
五索切り
猿川真寿
七索が2枚切れていて四索七索2度受けは厳しそうなのでほぐします。」
西岡慎泰
「残り枚数の少なそうな四索七索受けを1メンツに決める。タンヤオ七対子は失敗しそうなので狙わない。」
東谷達矢
「2シャンテンに戻してもスピードは落ちないため。」
 
 
五筒切り
朝霧千裕
四索七索の2度受けが厳しいのと、北家の仕掛けにも対応できるので、七対子にして2枚切れの打五筒。」
藤岡良一
四索は西家にトイツ以上。七索も引けない。皆のピンズのカブリ捨牌と北家の七索を見てトイツ場濃厚。この手はズバリ四筒を引いてテンパイします。待ち頃の牌を待ってまずはヤミテンでトップとの差を詰める。」
藤島健二郎
「七対子一本。」
 
 
六万切り
清水香織
「前巡にドラを切っているということから、トイツ手を見切って順子形に進めていくという意思を感じるので。」
 
 
六索切り
藤井すみれ
「真っ先に2度受けを拒否したい!」

第6回北海道プロトーナメント成績

<初~三段戦>

順位 名前 段位 1回戦 2回戦 3回戦 4回戦 合計
池田 太郎 初段 32期 9.9 23.5 6.4 9.2 49.0
加藤 晋平 参段 27期 ▲ 5.1 ▲ 15.4 ▲ 5.3 19.7 ▲ 6.1
佐藤 賢忠 初段 29期 5.3 ▲ 6.0 ▲ 19.6 1.1 ▲ 19.2
吉木 輝 参段 27期 ▲ 10.1 ▲ 2.1 18.5 ▲ 31.0 ▲ 24.7

<四五段戦>
1卓

順位 名前 段位 1回戦 2回戦 3回戦 合計
真光 祐尚 四段 24期 15.5 27.1 23.7 66.3
三盃 貴之 四段 19期 4.0 ▲ 18.5 5.0 ▲ 9.5
池田 太郎 初段 32期 1.8 ▲ 4.3 ▲ 10.3 ▲ 12.8
佐藤 賢忠 初段 29期 ▲ 21.3 ▲ 4.3 ▲ 18.4 ▲ 44.0

2卓

順位 名前 段位 1回戦 2回戦 3回戦 合計
石田 雅人 四段 26期 ▲ 4.6 12.0 24.6 32.0
浦山 祐輔 四段 21期 5.0 1.2 ▲ 4.1 2.1
加藤 晋平 参段 27期 ▲ 14.1 ▲ 18.4 16.0 ▲ 16.5
三盃 志 五段 19期 13.7 5.2 ▲ 36.5 ▲ 17.6

<四五段戦プレーオフ>

順位 名前 段位 1回戦 合計
浦山 祐輔 四段 21期 17.5 17.5
池田 太郎 初段 32期 6.5 6.5
加藤 晋平 参段 27期 1.0 1.0
三盃 貴之 四段 19期 ▲ 27.0 ▲ 27.0

<六段戦>
1卓

順位 名前 段位 1回戦 2回戦 3回戦 4回戦 合計
石田 雅人 四段 26期 9.0 5.7 25.7 ▲ 7.3 33.1
続木 舜英 六段 6期 2.1 1.5 11.5 14.8 29.9
西野 拓也 五段 11期 9.0 13.1 ▲ 13.3 6.0 14.8
野々川 博之 六段 6期 ▲ 20.1 ▲ 20.3 ▲ 23.9 ▲ 13.5 ▲ 77.8

2卓

順位 名前 段位 1回戦 2回戦 3回戦 4回戦 合計
真光 祐尚 四段 24期 16.9 6.7 30.2 4.3 58.1
浦山 祐輔 四段 21期 ▲ 15.8 ▲ 19.5 ▲ 2.2 25.0 ▲ 12.5
村上 良 六段 6期 ▲ 7.0 17.6 ▲ 21.2 ▲ 8.8 ▲ 19.4
前田 富志男 六段 7期 ▲ 14.1 ▲ 4.8 ▲ 6.8 ▲ 20.5 ▲ 46.2

<決勝戦>

順位 名前 段位 1回戦 2回戦 3回戦 4回戦 合計
優 勝 続木 舜英 六段 6期 ▲ 18.2 19.5 26.2 12.7 40.2
準優勝 真光 祐尚 四段 24期 46.1 ▲ 8.5 5.8 ▲ 13.6 29.8
浦山 祐輔 四段 21期 ▲ 26.0 10.2 ▲ 22.6 25.3 ▲ 13.1
石田 雅人 四段 26期 ▲ 1.9 ▲ 22.2 ▲ 9.4 ▲ 24.4 ▲ 57.9

北海道プロリーグ 成績表/第6回北海道プロトーナメント成績

<初~三段戦>

順位 名前 段位 1回戦 2回戦 3回戦 4回戦 合計
池田 太郎 初段 32期 9.9 23.5 6.4 9.2 49.0
加藤 晋平 参段 27期 ▲ 5.1 ▲ 15.4 ▲ 5.3 19.7 ▲ 6.1
佐藤 賢忠 初段 29期 5.3 ▲ 6.0 ▲ 19.6 1.1 ▲ 19.2
吉木 輝 参段 27期 ▲ 10.1 ▲ 2.1 18.5 ▲ 31.0 ▲ 24.7

<四五段戦>
1卓

順位 名前 段位 1回戦 2回戦 3回戦 合計
真光 祐尚 四段 24期 15.5 27.1 23.7 66.3
三盃 貴之 四段 19期 4.0 ▲ 18.5 5.0 ▲ 9.5
池田 太郎 初段 32期 1.8 ▲ 4.3 ▲ 10.3 ▲ 12.8
佐藤 賢忠 初段 29期 ▲ 21.3 ▲ 4.3 ▲ 18.4 ▲ 44.0

2卓

順位 名前 段位 1回戦 2回戦 3回戦 合計
石田 雅人 四段 26期 ▲ 4.6 12.0 24.6 32.0
浦山 祐輔 四段 21期 5.0 1.2 ▲ 4.1 2.1
加藤 晋平 参段 27期 ▲ 14.1 ▲ 18.4 16.0 ▲ 16.5
三盃 志 五段 19期 13.7 5.2 ▲ 36.5 ▲ 17.6

<四五段戦プレーオフ>

順位 名前 段位 1回戦 合計
浦山 祐輔 四段 21期 17.5 17.5
池田 太郎 初段 32期 6.5 6.5
加藤 晋平 参段 27期 1.0 1.0
三盃 貴之 四段 19期 ▲ 27.0 ▲ 27.0

<六段戦>
1卓

順位 名前 段位 1回戦 2回戦 3回戦 4回戦 合計
石田 雅人 四段 26期 9.0 5.7 25.7 ▲ 7.3 33.1
続木 舜英 六段 6期 2.1 1.5 11.5 14.8 29.9
西野 拓也 五段 11期 9.0 13.1 ▲ 13.3 6.0 14.8
野々川 博之 六段 6期 ▲ 20.1 ▲ 20.3 ▲ 23.9 ▲ 13.5 ▲ 77.8

2卓

順位 名前 段位 1回戦 2回戦 3回戦 4回戦 合計
真光 祐尚 四段 24期 16.9 6.7 30.2 4.3 58.1
浦山 祐輔 四段 21期 ▲ 15.8 ▲ 19.5 ▲ 2.2 25.0 ▲ 12.5
村上 良 六段 6期 ▲ 7.0 17.6 ▲ 21.2 ▲ 8.8 ▲ 19.4
前田 富志男 六段 7期 ▲ 14.1 ▲ 4.8 ▲ 6.8 ▲ 20.5 ▲ 46.2

<決勝戦>

順位 名前 段位 1回戦 2回戦 3回戦 4回戦 合計
優 勝 続木 舜英 六段 6期 ▲ 18.2 19.5 26.2 12.7 40.2
準優勝 真光 祐尚 四段 24期 46.1 ▲ 8.5 5.8 ▲ 13.6 29.8
浦山 祐輔 四段 21期 ▲ 26.0 10.2 ▲ 22.6 25.3 ▲ 13.1
石田 雅人 四段 26期 ▲ 1.9 ▲ 22.2 ▲ 9.4 ▲ 24.4 ▲ 57.9

Mr.Xの連盟Weekly!

100

 

【プロリーグ第3節終了】

 

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 黒沢 咲 63.8 ▲ 27.5 113.8 150.1
2 藤島 健二郎 51.3 13.1 16.2 80.6
3 安村 浩司 ▲ 25.0 55.9 31.0 61.9
4 鮎川 卓 ▲ 7.9 57.8 10.8 60.7
5 一井 慎也 ▲ 97.3 100.6 40.7 44.0
6 佐々木 寿人 14.8 ▲ 84.8 109.3 39.3
7 滝沢 和典 51.1 ▲ 35.8 ▲ 17.0 ▲ 1.7
8 寺尾 威一郎 ▲ 81.5 44.6 25.3 ▲ 11.6
9 四柳 弘樹 41.4 ▲ 4.4 ▲ 48.8 ▲ 11.8
10 浜上 文吾 49.7 ▲ 17.6 ▲ 44.2 ▲ 12.1
11 藤本 哲也 ▲ 23.7 11.4 ▲ 5.3 ▲ 17.6
12 二階堂 亜樹 55.3 ▲ 62.9 ▲ 34.3 ▲ 41.9
13 河井 保国 ▲ 25.1 2.3 ▲ 43.5 ▲ 66.3
14 山井 弘 ▲ 10.4 ▲ 0.6 ▲ 60.7 ▲ 71.7
15 安 秉参 19.6 ▲ 77.9 ▲ 35.3 ▲ 93.6
16 上村 慎太郎 ▲ 78.1 ▲ 4.2 ▲ 59.0 ▲ 141.3

 

B1では黒沢咲、佐々木寿人が100オーバーのポイントを叩きだし、順位を上げた。
藤島健二郎もポイントを伸ばし、好位をキープ。

 

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 金子 貴行 25.5 30.4 61.7 117.6
2 魚谷 侑未 23.4 39.1 22.1 84.6
3 森下 剛任 ▲ 35.0 62.9 18.1 46.0
4 刀川 昌浩 ▲ 28.9 ▲ 1.8 70.2 39.5
5 齋藤 豪 ▲ 54.9 0.1 84.7 29.9
6 鈴木 秀幸 ▲ 20.0 16.2 30.8 27.0
7 武田 裕希 ▲ 4.1 26.5 ▲ 10.6 11.8
8 中村 慎吾 ▲ 20.6 72.7 ▲ 42.1 10.0
9 齋藤 桂史 39.4 ▲ 23.5 ▲ 12.3 3.6
10 奈良 圭純 ▲ 4.3 ▲ 3.0 ▲ 10.0 ▲ 17.3
11 永井 卓也 ▲ 16.5 20.6 ▲ 26.2 ▲ 22.1
12 東谷 達矢 87.1 ▲ 54.9 ▲ 64.7 ▲ 32.5
13 小川 尚哉 44.2 ▲ 80.5 ▲ 16.6 ▲ 52.9
14 黒木 真生 ▲ 45.9 ▲ 18.9 ▲ 7.9 ▲ 72.7
15 西島 一彦 ▲ 6.2 ▲ 36.6 ▲ 43.6 ▲ 86.4
16 越野 智紀 14.8 ▲ 52.3 ▲ 53.6 ▲ 91.1

 

A1リーグ経験者の金子貴行が首位、魚谷侑未が2位。前期B1リーグの森下剛任と刀川昌浩が続く。

Cリーグ以下の成績はこちらから。

C1・C2・C3 D1・D2・D3 E

 

【対局前】
 

プロリーグが近づくと、各地で日本プロ麻雀連盟Aルール(一発裏ドラなし)の実戦対局が開催されている。
前日は打たない、同じリーグの人選手とは一緒に卓を囲まない、など考え方は人それぞれだが、この期間は普段よりメンバーが集まりやすいようで、麻雀店の貸し卓が連盟員で賑わうことも多い。

 

100

 

最初は穏やかな雰囲気であった。

しかし、この後の白鳥の一言で場の雰囲気は一変する。

 

100

 

白鳥翔「麻雀には供託しかねえ」
写真からもわかる通り、もう卓上に笑顔はない。

そして、白鳥の発言に怒った魚谷は、自身が飲んでいたウーロン茶を思い切りこぼしてしまった。

 

100

 

ウーロン茶(有料)をこぼした魚谷も悪いが、発言で魚谷を煽った白鳥も悪い。
店員さんと一緒になって、こぼれたウーロン茶を拭き取る魚谷の行動は素晴らしい(徳を積んで運気を上げようとしている可能性もある)

対局に集中するのは大いに結構だが、麻雀プロを名乗るものは人一倍行儀よく、お店に好かれるような立ち振る舞いを心がけてほしいものである。

 

【女流桜花】

 

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 プレーオフ 合計
1 仲田 加南(神奈川) 60.7 ▲ 0.1 52.1 ▲ 0.4 40.6 ▲ 17.2 135.7
2 魚谷 侑未(新潟) ▲ 56.8 35.1 17.7 19.3 76.8 37.9 130.0
3 松岡 千晶(東京) ▲ 34.8 ▲ 6.5 44.2 3.7 76.9 23.3 106.8
4 石田 亜沙己(愛知) 12.2 13.9 32.4 11.2 ▲ 4.5 ▲ 0.4 64.8
5 二階堂 亜樹 (神奈川) 64.1 ▲ 10.8 61.7 ▲ 27.1 ▲ 42.0 ▲ 11.1 34.8
6 斉藤 理絵(東京) ▲ 4.3 ▲ 3.7 10.7 28.2 ▲ 51.7 54.0 33.2
7 清水 香織(栃木) 30.7 ▲ 27.5 ▲ 19.6 ▲ 19.3 56.4 ▲ 0.1 20.6
8 武石 絵里(東京) 33.2 37.4 ▲ 41.2 8.1 ▲ 39.9 8.2 5.8
9 美波 智子(埼玉) 39.6 22.9 ▲ 33.6 ▲ 19.2 35.1 ▲ 39.3 5.5
10 朝霧 千裕(三重) ▲ 3.8 ▲ 25.4 ▲ 22.1 2.4 12.8 34.9 ▲ 1.2
11 童瞳(上海) 8.4 ▲ 4.0 ▲ 7.9 58.9 ▲ 38.4 ▲ 28.5 ▲ 11.5
12 内田 美乃里(神奈川) ▲ 3.6 ▲ 31.3 0.0 ▲ 49.8 7.6 58.9 ▲ 18.2
13 二階堂 瑠美(神奈川) ▲ 77.4 29.8 ▲ 45.2 30.4 10.2 32.9 ▲ 19.3
14 優木 美智(福岡) ▲ 36.5 6.5 47.7 23.8 ▲ 21.2 ▲ 46.5 ▲ 26.2
15 吾妻 さおり(東京) 5.9 ▲ 39.6 ▲ 1.9 0.9 29.3 ▲ 22.9 ▲ 28.3
16 中川 由佳梨(大阪) 20.5 4.5 ▲ 10.9 ▲ 41.1 ▲ 0.7 ▲ 5.5 ▲ 33.2
17 澤村 明日華(栃木) ▲ 19.5 23.1 ▲ 29.2 47.3 ▲ 18.3 ▲ 63.3 ▲ 59.9
18 藤井 すみれ(埼玉) ▲ 12.6 ▲ 11.9 ▲ 20.2 10.4 ▲ 31.5 ▲ 27.7 ▲ 93.5
19 平岡 理恵(静岡) ▲ 65.0 20.6 ▲ 23.1 ▲ 37.1 ▲ 16.9 9.4 ▲ 112.1
20 和久津 晶(東京) 38.0 ▲ 35.0 ▲ 12.6 ▲ 52.6 ▲ 82.6 ▲ 2.0 ▲ 146.8

 

緑枠が半荘4回のプレーオフに進出。現女流桜花 宮内こずえに挑戦できるのはこの中から3名となる。
(※石田亜沙巳が棄権のため5位以下が繰り上げ。9位の美波智子までがプレーオフ進出)
赤枠が降級確定。
15位の吾妻さおりは入れ替え戦へ。

A卓 魚谷侑未・二階堂亜樹・清水香織・美波智子
B卓 仲田加南・松岡千晶・斉藤理絵・武石絵里

プレーオフA卓は11月9日(水)17時より配信開始!
実況:日吉辰哉 解説:滝沢和典


放送ページはこちら

 

【九州がアツい】
 

新人王戦では優勝者の藤井崇勝と2年連続決勝進出の弘中栄司が九州本部所属。
惜しくも最強戦ファイナルへの切符を逃した「九州ラーメンの申し子」東谷達矢も記憶に新しい。浜上文吾は前期でB1リーグに昇級。
先日はインターネット麻雀「ロン2」のリアル大会in福岡が開催されたりと、九州本部が盛り上がりを見せている。

100

浜上文吾と本当は山口出身の藤井崇勝

100

弘中栄司、中尾多門

100

ロン2リアル大会の司会を務めた吉田彩乃

100

服部学

100

あれ?先日まで名古屋にいたような…吉井友直

九州本部の決定戦は、日本プロ麻雀連盟チャンネルで配信する予定もあるとか!?

プロ雀士コラム/Mr.Xの連盟Weekly!

100

 
【プロリーグ第3節終了】
 

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 黒沢 咲 63.8 ▲ 27.5 113.8 150.1
2 藤島 健二郎 51.3 13.1 16.2 80.6
3 安村 浩司 ▲ 25.0 55.9 31.0 61.9
4 鮎川 卓 ▲ 7.9 57.8 10.8 60.7
5 一井 慎也 ▲ 97.3 100.6 40.7 44.0
6 佐々木 寿人 14.8 ▲ 84.8 109.3 39.3
7 滝沢 和典 51.1 ▲ 35.8 ▲ 17.0 ▲ 1.7
8 寺尾 威一郎 ▲ 81.5 44.6 25.3 ▲ 11.6
9 四柳 弘樹 41.4 ▲ 4.4 ▲ 48.8 ▲ 11.8
10 浜上 文吾 49.7 ▲ 17.6 ▲ 44.2 ▲ 12.1
11 藤本 哲也 ▲ 23.7 11.4 ▲ 5.3 ▲ 17.6
12 二階堂 亜樹 55.3 ▲ 62.9 ▲ 34.3 ▲ 41.9
13 河井 保国 ▲ 25.1 2.3 ▲ 43.5 ▲ 66.3
14 山井 弘 ▲ 10.4 ▲ 0.6 ▲ 60.7 ▲ 71.7
15 安 秉参 19.6 ▲ 77.9 ▲ 35.3 ▲ 93.6
16 上村 慎太郎 ▲ 78.1 ▲ 4.2 ▲ 59.0 ▲ 141.3

 
B1では黒沢咲、佐々木寿人が100オーバーのポイントを叩きだし、順位を上げた。
藤島健二郎もポイントを伸ばし、好位をキープ。
 

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 金子 貴行 25.5 30.4 61.7 117.6
2 魚谷 侑未 23.4 39.1 22.1 84.6
3 森下 剛任 ▲ 35.0 62.9 18.1 46.0
4 刀川 昌浩 ▲ 28.9 ▲ 1.8 70.2 39.5
5 齋藤 豪 ▲ 54.9 0.1 84.7 29.9
6 鈴木 秀幸 ▲ 20.0 16.2 30.8 27.0
7 武田 裕希 ▲ 4.1 26.5 ▲ 10.6 11.8
8 中村 慎吾 ▲ 20.6 72.7 ▲ 42.1 10.0
9 齋藤 桂史 39.4 ▲ 23.5 ▲ 12.3 3.6
10 奈良 圭純 ▲ 4.3 ▲ 3.0 ▲ 10.0 ▲ 17.3
11 永井 卓也 ▲ 16.5 20.6 ▲ 26.2 ▲ 22.1
12 東谷 達矢 87.1 ▲ 54.9 ▲ 64.7 ▲ 32.5
13 小川 尚哉 44.2 ▲ 80.5 ▲ 16.6 ▲ 52.9
14 黒木 真生 ▲ 45.9 ▲ 18.9 ▲ 7.9 ▲ 72.7
15 西島 一彦 ▲ 6.2 ▲ 36.6 ▲ 43.6 ▲ 86.4
16 越野 智紀 14.8 ▲ 52.3 ▲ 53.6 ▲ 91.1

 
A1リーグ経験者の金子貴行が首位、魚谷侑未が2位。前期B1リーグの森下剛任と刀川昌浩が続く。
Cリーグ以下の成績はこちらから。

C1・C2・C3 D1・D2・D3 E

 
【対局前】
 
プロリーグが近づくと、各地で日本プロ麻雀連盟Aルール(一発裏ドラなし)の実戦対局が開催されている。
前日は打たない、同じリーグの人選手とは一緒に卓を囲まない、など考え方は人それぞれだが、この期間は普段よりメンバーが集まりやすいようで、麻雀店の貸し卓が連盟員で賑わうことも多い。
 

100

 
最初は穏やかな雰囲気であった。
しかし、この後の白鳥の一言で場の雰囲気は一変する。
 

100

 
白鳥翔「麻雀には供託しかねえ」
写真からもわかる通り、もう卓上に笑顔はない。
そして、白鳥の発言に怒った魚谷は、自身が飲んでいたウーロン茶を思い切りこぼしてしまった。
 

100

 
ウーロン茶(有料)をこぼした魚谷も悪いが、発言で魚谷を煽った白鳥も悪い。
店員さんと一緒になって、こぼれたウーロン茶を拭き取る魚谷の行動は素晴らしい(徳を積んで運気を上げようとしている可能性もある)
対局に集中するのは大いに結構だが、麻雀プロを名乗るものは人一倍行儀よく、お店に好かれるような立ち振る舞いを心がけてほしいものである。
 
【女流桜花】
 

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 プレーオフ 合計
1 仲田 加南(神奈川) 60.7 ▲ 0.1 52.1 ▲ 0.4 40.6 ▲ 17.2 135.7
2 魚谷 侑未(新潟) ▲ 56.8 35.1 17.7 19.3 76.8 37.9 130.0
3 松岡 千晶(東京) ▲ 34.8 ▲ 6.5 44.2 3.7 76.9 23.3 106.8
4 石田 亜沙己(愛知) 12.2 13.9 32.4 11.2 ▲ 4.5 ▲ 0.4 64.8
5 二階堂 亜樹 (神奈川) 64.1 ▲ 10.8 61.7 ▲ 27.1 ▲ 42.0 ▲ 11.1 34.8
6 斉藤 理絵(東京) ▲ 4.3 ▲ 3.7 10.7 28.2 ▲ 51.7 54.0 33.2
7 清水 香織(栃木) 30.7 ▲ 27.5 ▲ 19.6 ▲ 19.3 56.4 ▲ 0.1 20.6
8 武石 絵里(東京) 33.2 37.4 ▲ 41.2 8.1 ▲ 39.9 8.2 5.8
9 美波 智子(埼玉) 39.6 22.9 ▲ 33.6 ▲ 19.2 35.1 ▲ 39.3 5.5
10 朝霧 千裕(三重) ▲ 3.8 ▲ 25.4 ▲ 22.1 2.4 12.8 34.9 ▲ 1.2
11 童瞳(上海) 8.4 ▲ 4.0 ▲ 7.9 58.9 ▲ 38.4 ▲ 28.5 ▲ 11.5
12 内田 美乃里(神奈川) ▲ 3.6 ▲ 31.3 0.0 ▲ 49.8 7.6 58.9 ▲ 18.2
13 二階堂 瑠美(神奈川) ▲ 77.4 29.8 ▲ 45.2 30.4 10.2 32.9 ▲ 19.3
14 優木 美智(福岡) ▲ 36.5 6.5 47.7 23.8 ▲ 21.2 ▲ 46.5 ▲ 26.2
15 吾妻 さおり(東京) 5.9 ▲ 39.6 ▲ 1.9 0.9 29.3 ▲ 22.9 ▲ 28.3
16 中川 由佳梨(大阪) 20.5 4.5 ▲ 10.9 ▲ 41.1 ▲ 0.7 ▲ 5.5 ▲ 33.2
17 澤村 明日華(栃木) ▲ 19.5 23.1 ▲ 29.2 47.3 ▲ 18.3 ▲ 63.3 ▲ 59.9
18 藤井 すみれ(埼玉) ▲ 12.6 ▲ 11.9 ▲ 20.2 10.4 ▲ 31.5 ▲ 27.7 ▲ 93.5
19 平岡 理恵(静岡) ▲ 65.0 20.6 ▲ 23.1 ▲ 37.1 ▲ 16.9 9.4 ▲ 112.1
20 和久津 晶(東京) 38.0 ▲ 35.0 ▲ 12.6 ▲ 52.6 ▲ 82.6 ▲ 2.0 ▲ 146.8

 
緑枠が半荘4回のプレーオフに進出。現女流桜花 宮内こずえに挑戦できるのはこの中から3名となる。
(※石田亜沙巳が棄権のため5位以下が繰り上げ。9位の美波智子までがプレーオフ進出)
赤枠が降級確定。
15位の吾妻さおりは入れ替え戦へ。
A卓 魚谷侑未・二階堂亜樹・清水香織・美波智子
B卓 仲田加南・松岡千晶・斉藤理絵・武石絵里
プレーオフA卓は11月9日(水)17時より配信開始!
実況:日吉辰哉 解説:滝沢和典


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【九州がアツい】
 
新人王戦では優勝者の藤井崇勝と2年連続決勝進出の弘中栄司が九州本部所属。
惜しくも最強戦ファイナルへの切符を逃した「九州ラーメンの申し子」東谷達矢も記憶に新しい。浜上文吾は前期でB1リーグに昇級。
先日はインターネット麻雀「ロン2」のリアル大会in福岡が開催されたりと、九州本部が盛り上がりを見せている。

100

浜上文吾と本当は山口出身の藤井崇勝

100

弘中栄司、中尾多門

100

ロン2リアル大会の司会を務めた吉田彩乃

100

服部学

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あれ?先日まで名古屋にいたような…吉井友直

九州本部の決定戦は、日本プロ麻雀連盟チャンネルで配信する予定もあるとか!?

第14期プロクイーン決定戦二日目観戦記 紺野 真太郎

4回戦終了時トータルポイント
童瞳+55.0P 宮内+46.0P 西嶋+22.6P 和久津+19.8P 茅森▲143.4P

茅森まさかの大不調で終了した1日目。5回戦目の抜け番はその茅森。4者にとってはここで抜け出すことが戴冠への近道となるか。

 

 

100
 

5回戦 起家より 宮内 和久津 童瞳 西嶋

東1局、北家西嶋の配牌がいい。

一索三索三索五索七索九筒東東南西白発発  ドラ南

速いわけではないが迷わなくていい。ここに絶好のツモ六索で一気にホンイツへ。5巡目には積極的に発を1鳴き。
その発を鳴かした和久津も1シャンテン。

五万五万五万七万八万七索九索五筒六筒七筒七筒八筒九筒  ドラ南

高目に決まれば文句なしだが、決まらずも戦う構えか。
先にテンパイを入れたのは和久津。六万九万でリーチを打つ。

五万五万五万七万八万九索九索五筒六筒七筒七筒八筒九筒  リーチ  ドラ南

三色とはならなかったが、六万九万は悪い待ちではない。
和久津の一発目のツモはドラ表示牌の東。勿論ツモ切りだが、西嶋がポンしてドラを勝負してきた。
西嶋の待ちはカン八索。和久津の待ちの方が強いように思えたが、結果は西嶋のツモ。

 

100

 

和久津の選択は結果には繋がらなかった。また、三色に拘った場合には西嶋のツモアガった八索でテンパイとすることも出来たかもしれないが、ルールや状況を考えればナンセンスか・・

東2局、軽い配牌を手にした親の和久津。ここは仕掛けて2,000。連荘に成功する。

二万三万四万六索七索八索九筒九筒東東  ポン中中中  ロン九筒  ドラ五筒

この後和久津は3局連続リーチで畳みかけるが、アガリには至らず波に乗ることは出来ない。
和久津の親が流れた東3局、今度は宮内が先制リーチ。

三万三万六万七万二索三索四索五索六索七索五筒六筒七筒  リーチ  ドラ五筒

文句なしの勝負手。この時、親童瞳も三色の1シャンテン。和久津が放った現物の九万を仕掛け追いつく。

七索八索九索三筒三筒三筒四筒四筒八筒九筒  チー九万 左向き七万 上向き八万 上向き  ドラ五筒

待ちは厳しいが、一発も消せるとなれば必然のチーか。そして、このチーで宮内がツモるはずであった五万を食い下げた。

 

100

 

それでも枚数的にはまだ宮内有利。童瞳も四筒三筒と無スジを勝負し抵抗するが、宮内が安目ながらも八万をツモ。裏ドラも乗り3,000・6,000。ここまでの防戦一方だった劣勢を跳ね返した。

東4局和久津リーチ。流局、1人テンパイ。南1局1本場和久津リーチ。西嶋から2,600。自分が出した供託を回収。決して牌勢に恵まれているとは言えない和久津だが、じりじりと回復させ、いつの間にか2着目に浮上していた。

南2局の親番、ここも仕掛けて出た和久津。1,500だが、宮内から直撃し1,000点差にまで肉薄する。

 

100

 

安く見える上、四筒は通りそうな捨て牌。和久津にしてみれば四筒は余りそう、または山にいると考えられる牌。宮内が注文に嵌った形か。

続く1本場、ここで連荘するようであれば和久津は噴くであろう・・そう感じさせるポイントの局。和久津は真っ直ぐ進め1シャンテン。

五万六万六万七万八万五索六索六索六索七索五筒八筒九筒  ドラ五索

対する西家の西嶋、4巡目リーチ。

 

100

 

西嶋の打ち筋から考えると少し違和感が。悪い意味ではないが、345の三色を見てのテンパイ取らずや、もう一役を求めてのヤミテンとこれまではしてきたような気がしたからである。それだけこの親番を続けさせてはいけないと感じてのことだろうか。そして、この判断が現実に和久津を止めることとなる。

和久津、5巡目ツモ四筒、打九筒。リーチなど無い様である。そして次巡の二索ツモ切りで決着。1,300の点数以上に和久津にとって痛い親落ちとなった。

南3局は和久津を止めた西嶋が1,300・2,600。オーラスを前にトップ目に返り咲く。

一索一索二索三索四索北北  ポン八索 上向き八索 上向き八索 上向き  ポン発発発  ツモ一索  ドラ八筒

しかし、この半荘を制したのは宮内であった。5巡目に一気通貫確定のリーチ。リーチ棒が出たことにより、1,000・2,000でトップになる為リーチを打った和久津との戦いを制して5,200。トータルトップに立つと共に2周目の抜け番選択順1番手を得た。

5回戦終了
宮内+23.8P 西嶋+11.5P 和久津▲11.2P 童瞳▲24.1P

トータルポイント
宮内+69.8P 西嶋+34.1P 童瞳+30.9P 和久津+8.6P 茅森▲143.4P

トータルトップに立った宮内が選んだ抜け番は9回戦目。3日目の初戦だ。最終日のライバル達の動向を見つつ、残り3戦に臨める理想的な抜け番。以下、西嶋は8回戦、童瞳は6回戦、和久津は7回戦を選択。敗退者が決まる10回戦を茅森が押し付けられた格好となった。

 

6回戦 起家より 茅森 和久津 西嶋 宮内

序盤は穏やかな点数移動で迎えた東3局、和久津ノーミスで七対子テンパイ。1枚切れの東で即リーチ。

四万四万五万五万二索二索八筒八筒東北北中中  リーチ  ドラ北

この時1シャンテンであった親の西嶋。リーチ一発目のツモが無情にも東・・

 

100

 

親でもあり好形である程度打点も見える。ツモ切って放銃したとしても何もおかしくは無い。しかし、ここはスジの打三万とし一旦回避。次巡のツモ七万で打三万の続け切りで完全にオリてしまった。これは西嶋のファインプレイ。流局に持ち込んだ。

一方、躱された和久津。止められたとの感触は得ているだろうが、どこ吹く風で、次局キッチリと1,000・2,000でリーチ棒を回収した。

三万四万五万五万六万七万五索七索二筒二筒  ポン五筒 上向き五筒 上向き五筒 上向き  ツモ六索  ドラ五万

ここまでほとんどの局でリーチか仕掛けで参加している和久津。南1局、ここも参加料とばかりにリーチ棒を卓上に出した。

四万五万五索六索七索一筒一筒五筒六筒七筒東東東  リーチ  ドラ五筒

これだけ攻撃参加されては周りには和久津が好形か愚形か、高いのか安いのかの判断が難しくなる。結果、引き気味に打たざるを得なくなる。

リーチを受けての宮内。既に七対子でテンパイ。

三万三万四万二索二索四索四索四筒四筒北北発発

和久津の河には四万があり、躱したいところであったが、通って無い七筒を掴むと、七筒に受けかえた。そうすると、今度は14巡目に生牌の東だ。ギブアップでもおかしくない場面であったが、ここは東を打った。そうすると呼応するかの様に次巡のツモは七筒。またもや和久津のリーチは不発に終わった。

2日目に入っても調子が上向いてこない茅森。宮内のリーチを受けての追いかけリーチが渾身の手。

六万六万六万八万八万二索二索二索白白白中中  ドラ二筒

山にはまだ中がいる。しかし、茅森のツモが回ってくる前に西嶋のアガリで局が終わってしまう。

 

100

 

なかなか上昇のきっかけを掴めない・・

南3局親の西嶋テンパイ1番乗り。

三万四万三索四索一筒一筒四筒五筒五筒五筒六筒七筒八筒  ツモ五万  ドラ六万

リーチでも不思議はないが、ここは落ち着いて打一筒のテンパイ取らず。次巡ツモ五索。見ようによってはアガリ逃し。だが、西嶋にとってはこれが最初のテンパイ形と同様。ためらわずリーチ。九筒ツモであったが、裏ドラが1枚乗り2,600オール。

これで40,000点を超えトップ目前と思われたが、1本場、和久津が4巡目リーチで3,000・6,000。

三索三索六索七索八索二筒三筒三筒四筒四筒六筒七筒八筒  リーチ  ツモ二筒  ドラ六筒  裏北

更にオーラス親の宮内が3巡目リーチからの6,000オール。

二万二万三万四万五万五万六万七万六索七索八索三筒四筒  リーチ  ツモ五筒  ドラ三万  裏三筒

西嶋は3着まで転落。女流トップの強さを見せつけられる結果となった。

6回戦終了
和久津+26.6P 宮内+13.2P 西嶋▲8.0P 茅森▲31.8P

トータルポイント
宮内+83.0P 和久津+35.2P 童瞳+30.9P 西嶋+26.1P 茅森▲175.2P

 

7回戦 起家から 西嶋 茅森 童瞳 宮内

初日に比べれば断然、落ち着き、らしく打てている西嶋。ここも気負うことなくリーチ。

二万三万四万四万五万六万二索三索四索四索五索四筒四筒  リーチ  ドラ八筒

役無しカン五万のテンパイを入れていた童瞳。西嶋の現物の七筒をチーし打一筒。メンツをスライドさせ役有りに移行。

四万六万八万八万八万五索五索二筒三筒四筒  チー七筒 左向き五筒 上向き六筒 上向き

カン五万から二万五万に変化し捌きに行っていたが三索が捕まり5,800の放銃。どうにも気合が空回り・・深い踏み込みはリスクが伴うのは覚悟の上であろうが、一歩引く柔らかさを覚えれば更に成長するであろう。

少し飛んで東4局、この7回戦ここまでは苦戦の宮内。親番を迎えてもこの苦しい配牌。

二万四万一索二索四索五索一筒六筒東南西北発中  ドラ二筒

あと1牌あれば九種九牌で流せたが、これではそうはいかない。それがどこでどうなったのかこうなるので麻雀は面白いし、恐ろしい。

 

100

 

攻守のメリハリが効いている宮内。こういう手が入るのも我慢があってのことだろうか。

南1局10巡目、茅森リーチ。

四万五万六万二索三索四索七索七索七索六筒六筒南南  リーチ  ドラ九筒

茅森が相手なら勝負になると踏んだか童瞳が追いかけた。

三万三万三万五万六万二索三索四索一筒二筒三筒中中

2件リーチに挟まれた親の西嶋。安全に進めるならば北のトイツ落としか・・

 

100

 

だが、ここを勝負所と見たか、西嶋はカン八筒で3本目のリーチ棒を卓に置いた。決着はあっけなく着いた。童瞳のツモは八筒であった。リーチ一発ドラ1で7,700。更には南3局にこの4,000・8,000。宮内を逆転し、反対に大きく突き放す。

 

100

 

それでも簡単にトップを取らせてくれないのが現女流桜花の宮内。テンパイ連荘の後の1本場、この3,900で差を詰める。

二万三万三万四万五万五筒六筒七筒南南南西西  リーチ  ロン一万  ドラ八索  裏東

南4局2本場2巡目、西嶋が以下の形から動く。

六万七万六索七索八索二筒五筒五筒東南白発発  ドラ五索

オーラストップ目であることを考えれば普通なのかもしれないが、どうもそうは思えない。どこか焦りを感じてしまう。この手では周りからの反撃を受けた時に回ることが難しいからである。結果、下家の茅森に好牌が流れ込みリーチを受けることになる。

三万四万五万六万七万八万八万二索三索四索五索六索七索  リーチ

茅森からしても、この手をアガることが出来ればラス抜けが叶う。それよりも喉から手が出る程欲しいであろう浮上のきっかけになりえる。

西嶋はカン三筒テンパイ。茅森の捨て牌に六筒がある程度で、アガリには少し厳しい形。詰め寄られたとはいえ、宮内とはまだ7,200点リードしている。本当に苦しいのは宮内の方の筈だ。そこを冷静に考えられれば回避することが出来たかもしれない。しかし、西嶋は引いてきた二万を河に放ってしまった。

麻雀とは良く出来たゲームであると聞くが、このような場面を見ると本当にそう思う。焦りから生まれた、ほんの少しの逃げの気持ち。楽になりたいが故の無謀。結果は正直である。

西嶋にとっての救いは次の8回戦は抜け番で今日はもう打たないことか。最終日に向けて切り替える時間を得ることは大きいであろう。

7回戦終了
宮内+26.1P 西嶋+40.8P 茅森▲13.2P 童瞳▲27.6P

トータルポイント
宮内+109.1P 西嶋+40.8P 和久津+35.2P 童瞳+3.3P 茅森▲188.4P

 

8回戦 起家から 茅森 宮内 和久津 童瞳

7回戦オーラスで満貫をアガリ3着となった茅森。トータルポイントからも苦しい立場に変わりはないが、それでも潰され続けたリーチが成就したのはホッとしたであろうか。
10回戦が抜け番となる為、あと半荘2回で最低1名は捕まえないといけない茅森。この8回戦は東1局からエンジン全開となった。

9巡目にリーチ。その手牌は

四万四万四万五万五万二索二索二索東東東西西  リーチ  ドラ四万

ダブ東ドラ3のツモリ四暗刻。出アガリでも24,000からの大物手だ。対抗したのは童瞳。12巡目にこちらもツモリ四暗刻テンパイ。

三万六万九万九万九万一索一索六索六索六索七筒七筒七筒  ツモ六万

しかし、こちらは直前に六万が立て続けに切られ、一索も2枚切られていることから空テン。六万をツモ切りし、当然のテンパイ取らず。だが、この空テン、テンパイ取らずが功を奏す。この六万に茅森の当り牌五万がくっつきテンパイ復活。そして、仕掛けて捌きに出ていた和久津から七万で3,200のアガリ。茅森の手が開かれることは無かった。もし六万か1が1枚でも残っていたらポイント差を考え四暗刻に向かっていたであろう。そうすると五万を勝負する形となり茅森のアガリとなっていた可能性が強い。24,000の直撃と順位点で80ポイント弱を一気に詰められていたとこであった。

親の大物手を潰された茅森。東2局配牌。

一万二万三万四万五万六万一索三索二筒五筒六筒九筒九筒  ドラ北

ダブリーチャンス。ここまでの7戦が嘘の様に手が入りだした。第1ツモは一筒。打五筒で三色へ。

7巡目、和久津リーチ。七対子八万単騎。

七万七万八万七索七索八索八索七筒七筒八筒八筒白白

同巡茅森追いつく。狙い通りの三色リーチ。

一万二万三万四万五万六万一索三索一筒二筒三筒九筒九筒  リーチ

ここまで何度も競り負けてきた茅森であったが、ここは和久津に競り勝った。裏ドラも1枚乗り8,000。風向きが完全に変わった。

東3局。今度は宮内がリーチ。

四万五万五万五万七万八万九万四索五索六索三筒四筒五筒  リーチ  ドラ発

茅森は1シャンテン。

六万七万八万七索八索二筒三筒四筒四筒六筒七筒八筒発

宮内、この3面張が出ないし、ツモれない。そうしているうちに茅森、ドラの発を重ねて追いかけリーチ。もうこの時には嫌な予感しかしなかったであろう宮内。一発で九索を掴み8,000の放銃となった。

東4局1本場、またもや茅森のリーチ。そして、またもやの勝負手。

二万三万四万五万六万七万五索六索六索六索七索六筒七筒  ドラ七万

宮内にも小三元が入っていたが、ツモ切ったのは茅森。高目五筒で3,000・6,000。

何が起こったのだろうか。今まで全く勝てる気がしなかった茅森が、今は誰にも負ける気がしない。

南3局茅森またも三色リーチ。

三万四万五万六万七万三索四索五索二筒二筒三筒四筒五筒  リーチ  ドラ九万

ただ、この時は宮内にも大物手が入っていた。

一筒二筒三筒四筒五筒六筒七筒八筒九筒白白発発

終了後、この時の選択を宮内は悔やんでいた。確かにポイント差や結果から考えればオリる方が得かもしれない。
人によっては行く必要がないと言うかもしれない。だが、ベスト8、決定戦と戦ってきた中でこの様な手をしっかり打ち切れるからこそトータルトップに立っているように思えた。

 

100

 

8回戦終了
茅森+46.7P 和久津▲2.9P 童瞳▲16.4P 宮内▲27.4P

トータルポイント
宮内+81.7P 西嶋+40.8P 和久津+32.3P 童瞳▲13.1P 茅森▲141.7P

10回戦が抜け番となる茅森は次の9回戦で+100Pくらいは最低でも欲しいところ。奇跡に近いと言うより奇跡そのものだが、過去に例がない訳ではない。
前年覇者童瞳は強気の攻めが少し裏目に出ている感じ。
決して好調とは言えない和久津だが、それでもこの位置につけているのはさすがとしか言えず、西嶋の戦いぶりは健闘の域を越えており、半荘を重ねるごとに成長している様。
初の女流2冠を目指す宮内は現女流桜花として恥ずかしくない堂々の麻雀を見せている。

泣いても笑っても残すは半荘4回。プロクイーンの座に就くのは誰であろうか。

プロクイーン決定戦 決勝観戦記/第14期プロクイーン決定戦二日目観戦記 紺野 真太郎

4回戦終了時トータルポイント
童瞳+55.0P 宮内+46.0P 西嶋+22.6P 和久津+19.8P 茅森▲143.4P
茅森まさかの大不調で終了した1日目。5回戦目の抜け番はその茅森。4者にとってはここで抜け出すことが戴冠への近道となるか。
 
 
100
 
5回戦 起家より 宮内 和久津 童瞳 西嶋
東1局、北家西嶋の配牌がいい。
一索三索三索五索七索九筒東東南西白発発  ドラ南
速いわけではないが迷わなくていい。ここに絶好のツモ六索で一気にホンイツへ。5巡目には積極的に発を1鳴き。
その発を鳴かした和久津も1シャンテン。
五万五万五万七万八万七索九索五筒六筒七筒七筒八筒九筒  ドラ南
高目に決まれば文句なしだが、決まらずも戦う構えか。
先にテンパイを入れたのは和久津。六万九万でリーチを打つ。
五万五万五万七万八万九索九索五筒六筒七筒七筒八筒九筒  リーチ  ドラ南
三色とはならなかったが、六万九万は悪い待ちではない。
和久津の一発目のツモはドラ表示牌の東。勿論ツモ切りだが、西嶋がポンしてドラを勝負してきた。
西嶋の待ちはカン八索。和久津の待ちの方が強いように思えたが、結果は西嶋のツモ。
 
100
 
和久津の選択は結果には繋がらなかった。また、三色に拘った場合には西嶋のツモアガった八索でテンパイとすることも出来たかもしれないが、ルールや状況を考えればナンセンスか・・
東2局、軽い配牌を手にした親の和久津。ここは仕掛けて2,000。連荘に成功する。
二万三万四万六索七索八索九筒九筒東東  ポン中中中  ロン九筒  ドラ五筒
この後和久津は3局連続リーチで畳みかけるが、アガリには至らず波に乗ることは出来ない。
和久津の親が流れた東3局、今度は宮内が先制リーチ。
三万三万六万七万二索三索四索五索六索七索五筒六筒七筒  リーチ  ドラ五筒
文句なしの勝負手。この時、親童瞳も三色の1シャンテン。和久津が放った現物の九万を仕掛け追いつく。
七索八索九索三筒三筒三筒四筒四筒八筒九筒  チー九万 左向き七万 上向き八万 上向き  ドラ五筒
待ちは厳しいが、一発も消せるとなれば必然のチーか。そして、このチーで宮内がツモるはずであった五万を食い下げた。
 
100
 
それでも枚数的にはまだ宮内有利。童瞳も四筒三筒と無スジを勝負し抵抗するが、宮内が安目ながらも八万をツモ。裏ドラも乗り3,000・6,000。ここまでの防戦一方だった劣勢を跳ね返した。
東4局和久津リーチ。流局、1人テンパイ。南1局1本場和久津リーチ。西嶋から2,600。自分が出した供託を回収。決して牌勢に恵まれているとは言えない和久津だが、じりじりと回復させ、いつの間にか2着目に浮上していた。
南2局の親番、ここも仕掛けて出た和久津。1,500だが、宮内から直撃し1,000点差にまで肉薄する。
 
100
 
安く見える上、四筒は通りそうな捨て牌。和久津にしてみれば四筒は余りそう、または山にいると考えられる牌。宮内が注文に嵌った形か。
続く1本場、ここで連荘するようであれば和久津は噴くであろう・・そう感じさせるポイントの局。和久津は真っ直ぐ進め1シャンテン。
五万六万六万七万八万五索六索六索六索七索五筒八筒九筒  ドラ五索
対する西家の西嶋、4巡目リーチ。
 
100
 
西嶋の打ち筋から考えると少し違和感が。悪い意味ではないが、345の三色を見てのテンパイ取らずや、もう一役を求めてのヤミテンとこれまではしてきたような気がしたからである。それだけこの親番を続けさせてはいけないと感じてのことだろうか。そして、この判断が現実に和久津を止めることとなる。
和久津、5巡目ツモ四筒、打九筒。リーチなど無い様である。そして次巡の二索ツモ切りで決着。1,300の点数以上に和久津にとって痛い親落ちとなった。
南3局は和久津を止めた西嶋が1,300・2,600。オーラスを前にトップ目に返り咲く。
一索一索二索三索四索北北  ポン八索 上向き八索 上向き八索 上向き  ポン発発発  ツモ一索  ドラ八筒
しかし、この半荘を制したのは宮内であった。5巡目に一気通貫確定のリーチ。リーチ棒が出たことにより、1,000・2,000でトップになる為リーチを打った和久津との戦いを制して5,200。トータルトップに立つと共に2周目の抜け番選択順1番手を得た。
5回戦終了
宮内+23.8P 西嶋+11.5P 和久津▲11.2P 童瞳▲24.1P
トータルポイント
宮内+69.8P 西嶋+34.1P 童瞳+30.9P 和久津+8.6P 茅森▲143.4P
トータルトップに立った宮内が選んだ抜け番は9回戦目。3日目の初戦だ。最終日のライバル達の動向を見つつ、残り3戦に臨める理想的な抜け番。以下、西嶋は8回戦、童瞳は6回戦、和久津は7回戦を選択。敗退者が決まる10回戦を茅森が押し付けられた格好となった。
 
6回戦 起家より 茅森 和久津 西嶋 宮内
序盤は穏やかな点数移動で迎えた東3局、和久津ノーミスで七対子テンパイ。1枚切れの東で即リーチ。
四万四万五万五万二索二索八筒八筒東北北中中  リーチ  ドラ北
この時1シャンテンであった親の西嶋。リーチ一発目のツモが無情にも東・・
 
100
 
親でもあり好形である程度打点も見える。ツモ切って放銃したとしても何もおかしくは無い。しかし、ここはスジの打三万とし一旦回避。次巡のツモ七万で打三万の続け切りで完全にオリてしまった。これは西嶋のファインプレイ。流局に持ち込んだ。
一方、躱された和久津。止められたとの感触は得ているだろうが、どこ吹く風で、次局キッチリと1,000・2,000でリーチ棒を回収した。
三万四万五万五万六万七万五索七索二筒二筒  ポン五筒 上向き五筒 上向き五筒 上向き  ツモ六索  ドラ五万
ここまでほとんどの局でリーチか仕掛けで参加している和久津。南1局、ここも参加料とばかりにリーチ棒を卓上に出した。
四万五万五索六索七索一筒一筒五筒六筒七筒東東東  リーチ  ドラ五筒
これだけ攻撃参加されては周りには和久津が好形か愚形か、高いのか安いのかの判断が難しくなる。結果、引き気味に打たざるを得なくなる。
リーチを受けての宮内。既に七対子でテンパイ。
三万三万四万二索二索四索四索四筒四筒北北発発
和久津の河には四万があり、躱したいところであったが、通って無い七筒を掴むと、七筒に受けかえた。そうすると、今度は14巡目に生牌の東だ。ギブアップでもおかしくない場面であったが、ここは東を打った。そうすると呼応するかの様に次巡のツモは七筒。またもや和久津のリーチは不発に終わった。
2日目に入っても調子が上向いてこない茅森。宮内のリーチを受けての追いかけリーチが渾身の手。
六万六万六万八万八万二索二索二索白白白中中  ドラ二筒
山にはまだ中がいる。しかし、茅森のツモが回ってくる前に西嶋のアガリで局が終わってしまう。
 
100
 
なかなか上昇のきっかけを掴めない・・
南3局親の西嶋テンパイ1番乗り。
三万四万三索四索一筒一筒四筒五筒五筒五筒六筒七筒八筒  ツモ五万  ドラ六万
リーチでも不思議はないが、ここは落ち着いて打一筒のテンパイ取らず。次巡ツモ五索。見ようによってはアガリ逃し。だが、西嶋にとってはこれが最初のテンパイ形と同様。ためらわずリーチ。九筒ツモであったが、裏ドラが1枚乗り2,600オール。
これで40,000点を超えトップ目前と思われたが、1本場、和久津が4巡目リーチで3,000・6,000。
三索三索六索七索八索二筒三筒三筒四筒四筒六筒七筒八筒  リーチ  ツモ二筒  ドラ六筒  裏北
更にオーラス親の宮内が3巡目リーチからの6,000オール。
二万二万三万四万五万五万六万七万六索七索八索三筒四筒  リーチ  ツモ五筒  ドラ三万  裏三筒
西嶋は3着まで転落。女流トップの強さを見せつけられる結果となった。
6回戦終了
和久津+26.6P 宮内+13.2P 西嶋▲8.0P 茅森▲31.8P
トータルポイント
宮内+83.0P 和久津+35.2P 童瞳+30.9P 西嶋+26.1P 茅森▲175.2P
 
7回戦 起家から 西嶋 茅森 童瞳 宮内
初日に比べれば断然、落ち着き、らしく打てている西嶋。ここも気負うことなくリーチ。
二万三万四万四万五万六万二索三索四索四索五索四筒四筒  リーチ  ドラ八筒
役無しカン五万のテンパイを入れていた童瞳。西嶋の現物の七筒をチーし打一筒。メンツをスライドさせ役有りに移行。
四万六万八万八万八万五索五索二筒三筒四筒  チー七筒 左向き五筒 上向き六筒 上向き
カン五万から二万五万に変化し捌きに行っていたが三索が捕まり5,800の放銃。どうにも気合が空回り・・深い踏み込みはリスクが伴うのは覚悟の上であろうが、一歩引く柔らかさを覚えれば更に成長するであろう。
少し飛んで東4局、この7回戦ここまでは苦戦の宮内。親番を迎えてもこの苦しい配牌。
二万四万一索二索四索五索一筒六筒東南西北発中  ドラ二筒
あと1牌あれば九種九牌で流せたが、これではそうはいかない。それがどこでどうなったのかこうなるので麻雀は面白いし、恐ろしい。
 
100
 
攻守のメリハリが効いている宮内。こういう手が入るのも我慢があってのことだろうか。
南1局10巡目、茅森リーチ。
四万五万六万二索三索四索七索七索七索六筒六筒南南  リーチ  ドラ九筒
茅森が相手なら勝負になると踏んだか童瞳が追いかけた。
三万三万三万五万六万二索三索四索一筒二筒三筒中中
2件リーチに挟まれた親の西嶋。安全に進めるならば北のトイツ落としか・・
 
100
 
だが、ここを勝負所と見たか、西嶋はカン八筒で3本目のリーチ棒を卓に置いた。決着はあっけなく着いた。童瞳のツモは八筒であった。リーチ一発ドラ1で7,700。更には南3局にこの4,000・8,000。宮内を逆転し、反対に大きく突き放す。
 
100
 
それでも簡単にトップを取らせてくれないのが現女流桜花の宮内。テンパイ連荘の後の1本場、この3,900で差を詰める。
二万三万三万四万五万五筒六筒七筒南南南西西  リーチ  ロン一万  ドラ八索  裏東
南4局2本場2巡目、西嶋が以下の形から動く。
六万七万六索七索八索二筒五筒五筒東南白発発  ドラ五索
オーラストップ目であることを考えれば普通なのかもしれないが、どうもそうは思えない。どこか焦りを感じてしまう。この手では周りからの反撃を受けた時に回ることが難しいからである。結果、下家の茅森に好牌が流れ込みリーチを受けることになる。
三万四万五万六万七万八万八万二索三索四索五索六索七索  リーチ
茅森からしても、この手をアガることが出来ればラス抜けが叶う。それよりも喉から手が出る程欲しいであろう浮上のきっかけになりえる。
西嶋はカン三筒テンパイ。茅森の捨て牌に六筒がある程度で、アガリには少し厳しい形。詰め寄られたとはいえ、宮内とはまだ7,200点リードしている。本当に苦しいのは宮内の方の筈だ。そこを冷静に考えられれば回避することが出来たかもしれない。しかし、西嶋は引いてきた二万を河に放ってしまった。
麻雀とは良く出来たゲームであると聞くが、このような場面を見ると本当にそう思う。焦りから生まれた、ほんの少しの逃げの気持ち。楽になりたいが故の無謀。結果は正直である。
西嶋にとっての救いは次の8回戦は抜け番で今日はもう打たないことか。最終日に向けて切り替える時間を得ることは大きいであろう。
7回戦終了
宮内+26.1P 西嶋+40.8P 茅森▲13.2P 童瞳▲27.6P
トータルポイント
宮内+109.1P 西嶋+40.8P 和久津+35.2P 童瞳+3.3P 茅森▲188.4P
 
8回戦 起家から 茅森 宮内 和久津 童瞳
7回戦オーラスで満貫をアガリ3着となった茅森。トータルポイントからも苦しい立場に変わりはないが、それでも潰され続けたリーチが成就したのはホッとしたであろうか。
10回戦が抜け番となる為、あと半荘2回で最低1名は捕まえないといけない茅森。この8回戦は東1局からエンジン全開となった。
9巡目にリーチ。その手牌は
四万四万四万五万五万二索二索二索東東東西西  リーチ  ドラ四万
ダブ東ドラ3のツモリ四暗刻。出アガリでも24,000からの大物手だ。対抗したのは童瞳。12巡目にこちらもツモリ四暗刻テンパイ。
三万六万九万九万九万一索一索六索六索六索七筒七筒七筒  ツモ六万
しかし、こちらは直前に六万が立て続けに切られ、一索も2枚切られていることから空テン。六万をツモ切りし、当然のテンパイ取らず。だが、この空テン、テンパイ取らずが功を奏す。この六万に茅森の当り牌五万がくっつきテンパイ復活。そして、仕掛けて捌きに出ていた和久津から七万で3,200のアガリ。茅森の手が開かれることは無かった。もし六万か1が1枚でも残っていたらポイント差を考え四暗刻に向かっていたであろう。そうすると五万を勝負する形となり茅森のアガリとなっていた可能性が強い。24,000の直撃と順位点で80ポイント弱を一気に詰められていたとこであった。
親の大物手を潰された茅森。東2局配牌。
一万二万三万四万五万六万一索三索二筒五筒六筒九筒九筒  ドラ北
ダブリーチャンス。ここまでの7戦が嘘の様に手が入りだした。第1ツモは一筒。打五筒で三色へ。
7巡目、和久津リーチ。七対子八万単騎。
七万七万八万七索七索八索八索七筒七筒八筒八筒白白
同巡茅森追いつく。狙い通りの三色リーチ。
一万二万三万四万五万六万一索三索一筒二筒三筒九筒九筒  リーチ
ここまで何度も競り負けてきた茅森であったが、ここは和久津に競り勝った。裏ドラも1枚乗り8,000。風向きが完全に変わった。
東3局。今度は宮内がリーチ。
四万五万五万五万七万八万九万四索五索六索三筒四筒五筒  リーチ  ドラ発
茅森は1シャンテン。
六万七万八万七索八索二筒三筒四筒四筒六筒七筒八筒発
宮内、この3面張が出ないし、ツモれない。そうしているうちに茅森、ドラの発を重ねて追いかけリーチ。もうこの時には嫌な予感しかしなかったであろう宮内。一発で九索を掴み8,000の放銃となった。
東4局1本場、またもや茅森のリーチ。そして、またもやの勝負手。
二万三万四万五万六万七万五索六索六索六索七索六筒七筒  ドラ七万
宮内にも小三元が入っていたが、ツモ切ったのは茅森。高目五筒で3,000・6,000。
何が起こったのだろうか。今まで全く勝てる気がしなかった茅森が、今は誰にも負ける気がしない。
南3局茅森またも三色リーチ。
三万四万五万六万七万三索四索五索二筒二筒三筒四筒五筒  リーチ  ドラ九万
ただ、この時は宮内にも大物手が入っていた。
一筒二筒三筒四筒五筒六筒七筒八筒九筒白白発発
終了後、この時の選択を宮内は悔やんでいた。確かにポイント差や結果から考えればオリる方が得かもしれない。
人によっては行く必要がないと言うかもしれない。だが、ベスト8、決定戦と戦ってきた中でこの様な手をしっかり打ち切れるからこそトータルトップに立っているように思えた。
 
100
 
8回戦終了
茅森+46.7P 和久津▲2.9P 童瞳▲16.4P 宮内▲27.4P
トータルポイント
宮内+81.7P 西嶋+40.8P 和久津+32.3P 童瞳▲13.1P 茅森▲141.7P
10回戦が抜け番となる茅森は次の9回戦で+100Pくらいは最低でも欲しいところ。奇跡に近いと言うより奇跡そのものだが、過去に例がない訳ではない。
前年覇者童瞳は強気の攻めが少し裏目に出ている感じ。
決して好調とは言えない和久津だが、それでもこの位置につけているのはさすがとしか言えず、西嶋の戦いぶりは健闘の域を越えており、半荘を重ねるごとに成長している様。
初の女流2冠を目指す宮内は現女流桜花として恥ずかしくない堂々の麻雀を見せている。
泣いても笑っても残すは半荘4回。プロクイーンの座に就くのは誰であろうか。