2017年1月29日。
この日、第28回静岡リーグの決勝が行われた。
決勝ではそれぞれ1位+40P、2位+30P、3位+20P、4位+10Pの順位ポイントが与えられる。全6回戦が行われ、5回戦終了時(各1回抜け番)にポイント最下位の者が敗退となり、最終1回戦を行い、トータルポイントがトップの者が優勝となる。
まずは、簡単な選手紹介と決勝直前の各選手の意気込みを載せたいと思う。
1位通過 山本拓哉プロ(中部本部)
(初出場)
静岡プロリーグを逆転優勝した山本プロが勢いをそのままに静岡リーグの優勝にも挑む。
鳴きを主体とした攻めで手数が多いタイプであり、主導権を積極的に取りに来るであろう。今回は追われる立場となっており、マークを受ける場面も多くなるとは思うが、持ち味である思い切りの良い麻雀で今回の決勝も戦いをリードしてくるであろう。
山本プロ「静岡プロリーグを優勝することができたので、次は静岡リーグも優勝してのダブルクラウンを目指して頑張ります。」
2位通過 平野敬悟プロ(静岡支部)
(2期ぶり3回目)
今回の決勝メンバーでは唯一静岡リーグの決勝進出経験のある平野プロ。場面を見極める能力や対応力は非常に優れており万能な選手である。
リーグ戦でも安定した戦いを見せており、決勝の舞台でも経験を活かしてペースを作ることができるか。
平野プロ「普段通りに平常心で頑張りたいと思います。」
3位通過 足立純哉プロ(東京本部)
(初出場)
プロ1年目にして決勝進出となった足立プロ。足立プロも山本プロと同じく鳴きが多く、手数で勝負する印象で、山本プロとの主導権争いに持ち込むことが予想される。
経験の浅さを気持ちでカバーして場面をリードすることを期待したい。
足立プロ「まだ1年目ということで、チャレンジ精神で頑張りたいと思います。」
4位通過 鈴木雅人プロ(静岡支部)
(初出場)
プロ15年目の鈴木プロが安定した戦いで悲願の決勝進出を決めた。手数の多い選手が上位通過しているため自身も思い切った攻めが必須となるが、スタイルである門前高打点を貫くことで局面を打開してほしい。
鈴木プロ「初めての決勝ということでとにかく楽しんで頑張りたいと思います。」
5位通過 松井和志さん(一般参加)
(初出場)
唯一の一般参加での決勝進出となった松井さん。第1節で+105.9Pを叩くなど、爆発力はかなりのものを持っている。受けの意識も強く、安定感という面では他のプロにも劣っていない印象だ。5位通過ということで、1位通過の選手とは40P差があり、戦い方は難しくなってくるが、持ち味の門前高打点でプロを相手にどのように戦っていくか楽しみである。
松井さん「5位通過であり、唯一のアマチュアということでプレッシャーはないので、気楽に頑張ります。」
以上の5名の戦いとなる。
初決勝が4名とフレッシュな顔ぶれとなった今回。どの選手も納得のいく麻雀を打って決勝の舞台を楽しんでほしいと心から思う。
(以下文章中敬称略)
1回戦(起家から山本、鈴木、松井、足立、抜け番:平野)
東1局 まずは各選手の配牌を見ていこう。
親:山本
ドラ
南家:鈴木
西家:松井
北家:足立
どの選手もまずまずといったところだろう。
4巡目、まずはドラ2枚の松井が積極的に仕掛ける。
ここから1枚目のをポン。徐々に進行していき、11巡目にをチー。
チー ポン
を足立から出アガリ、3,900でまずは先制に成功した。
東2局 今度は山本が積極的に仕掛ける。
ドラ
この手牌から3巡目にをツモる。ドラということで筒子を残す選手も多いとは思うが、山本は切りを選択。5巡目に1枚目のをポンすると7巡目にあっさりとをツモって800・1,600。仕掛けを基本として手数で勝負する山本らしい手組みの1局であった。
東3局1本場 親番の松井の配牌
ドラ
好配牌をもらうと4巡目にテンパイが入る。
打
松井はここでを切ってリーチとした。タンヤオやピンズの一通、好形変化などを見てヤミテンにする打ち手もいるとは思うが、東1局から見せている積極的な攻めの姿勢をここでも貫いた。しっかりとをツモって2,000オール。松井の持ち点は40,000点を超えてきた。
東4局 仕掛けの多い打ち手と言われていた足立が親番であるこの局にようやく最初の仕掛けを入れる。
ドラ
ここから6巡目にをチーして打。純チャン三色へと進めていこうとするが、8巡目に松井からリーチが入る。
ここから足立が親番維持のためにテンパイを目指しつつ華麗に回る。
チー
この牌姿から11巡目に松井の当たり牌であるを掴むとソーズを切っていく。ツモ打、ツモ打、ツモ打とすると今度はを掴んでしまう。
チー ツモ
ここではリーチの現物であるのトイツ落としで回る。ツモ打、ツモ打、ツモ打、ツモ打で流局。
チー
しっかりと回りきって親番を維持した。このようなプレーの一つ一つが勝敗を分ける場合もある。非常に勉強になった1局であった。
東4局1本場 前局、素晴らしいプレーが光った足立。こうして続けることのできた親番には不思議と手が入るものだ。
ドラ
この手で12巡目にリーチ。15巡目にツモ。ここまで苦しい展開だった足立にとって大きなアガリとなった。
南3局3本場 南場に入ってからここまで大人しくしていた山本が積極的に動く。
ドラ
ここから3巡目にをポン。打として1シャンテン。8巡目にをポンしてテンパイ。
ポン ポン
足立からが放たれて1,000。
オーラスでも山本は仕掛けて300・500をアガる。やはりというのか、アガリ回数では山本が他を圧倒していた。
1回戦は東場で積極的に攻めた松井がトップ。山本も上手く立ち回って浮きの2着を守った。
1回戦1回戦成績
松井+14.0P 山本+7.6P 足立▲5.4P 鈴木▲16.2P
1回戦終了時
山本+47.6P 平野+30.0P 足立+14.6P 松井+14.0P 鈴木▲6.2P
2回戦(起家から平野、鈴木、松井、山本、抜け番:足立)
1回戦抜け番となった平野はこれが初戦となる。
1回戦を見て、どのように戦っていくのか注目である。
東1局 1回戦ラススタートとなってしまった鈴木から8巡目にリーチが入る。
リーチ ドラ
その時の親番の平野の手牌。
12巡目にをツモると無筋のをノータイムで切る。14巡目にリーチ者の鈴木からが放たれるとこれをポン。ここでも迷わず無筋のを切ってテンパイを入れると次巡ツモ。
ポン ツモ
500オールのアガリ。初戦の入り方としては強い気持ちで良い入り方ではないか。また、平野はこういった捌き手の使い方が非常に上手な印象がある。
東1局2本場 北家の山本の配牌。
ここから平野が1巡目に切ったをいきなりポン。チンイツを目指すと今度は4巡目に上家の松井から打たれたをチー。強引な仕掛けに見えるが5巡目にして2フーロで1シャンテン。
チー ポン
10巡目にを引き入れると12巡目にツモ。テンパイを入れて打.
チー ポン
するとこのを松井がポン。松井もソーズの染め手で応戦する。
ポン
場にはが1枚切れ。とは生牌。松井は打としてカン待ちを選択。すると今度はそのを山本がチー。一通がついて跳満確定。次巡にあっさりツモ。
チー チー ポン
一見無謀に思える今回の山本の仕掛け。しかし安い仕掛けではなくこういった仕掛けも成功させているのが山本の強さなのではないか。
東3局 ここまであまり良いところのなかった鈴木にドラ3のテンパイが入る
ドラ
8巡目にリーチを打つと次巡のツモアガリで2,000・4,000。悪い流れを断ち切るアガリ。若手プロが試合を上手く組み立てていくなかでベテランの意地を見ることができた。
南1局 この局は山本が先制リーチ。
暗カン ドラ
すると12巡目に松井が追いかけリーチ。
リーチ
しかしここは山本がをツモって2,000・4,000。
仕掛けだけではない、こういったリーチ合戦でも山本はあまり負けない印象がある。
この後は小場が続き、大物手を二度ものにした山本がトップで大きくリードする展開となった。
2回戦成績
山本+23.8P 松井+9.3P 鈴木▲12.3P 平野▲20.8P
2回戦終了時
山本+71.4P 松井+23.3P 足立+14.6P 平野+9.2P 鈴木▲18.5P
3回戦(起家から平野、松井、足立、鈴木、抜け番:山本)
東3局1本場 4巡目にテンパイの平野
ドラ
この手牌ではヤミテンに構える。手変わりをして11巡目にリーチ。
リーチ
対する鈴木、13巡目にツモり四暗刻の1シャンテンとなる。
平野の当たり牌であるを暗刻で持つというチャンス手。テンパイしないまま17巡目、4枚目のをツモってくる。
ツモ
鈴木はここでを暗カンする。するとツモってきたのは。鈴木はのノーチャンスでを切って2,600の放銃。1、2回戦と苦しい展開となっている鈴木、この局も手痛い放銃となってしまった。
南1局 10巡目、足立
ツモ ドラ
ドラであり生牌のを切るとテンパイ。ここで足立はのトイツ落としを選択。をすでに切れないと感じたのか、もしくは暫定1位の山本との合計ポイントの差を考えたのか、を使い切るという判断を下した。そして14巡目に待望のドラのを引いてリーチ。
リーチ
結果は流局ではあったが、こういった足立のプレーこそが優勝を引き寄せると思った。
南2局3本場 3巡目に平野は早くも1シャンテン。
ツモ ドラ
ピンズの一通や三色が見える手牌。平野は目一杯に構えてドラのを打ち出す。するとこのを鈴木がポンして1シャンテン。
ポン
場が一気に重くなる。7巡目、先にテンパイしたのは鈴木。
ポン
待ち。遅れて8巡目に平野もテンパイ。
平野は強気にリーチを選択。ここまであまり展開の良くない鈴木とのめくり合いならば勝てると踏んだか。結果は平野のツモ。2,000・4,000となった。
南4局 5巡目に足立がリーチ。
リーチ ドラ
ヤミテンに構えて3,900点をアガっても浮きに回ることができる。しかし足立はリーチをしてより大きく打点を稼ぐことを選んだ。この小さなアガリを重ねるよりも1回の大きなアガリを求める考えはこの半荘通して統一されていた。結果はをツモって2,000・4,000。足立としては戦略が上手くはまったように私には感じ取ることができた。
3回戦はアガリを重ねた平野、足立が浮きで終え、抜け番だった山本の独走に待ったをかける形となった。
平野+20.8P 足立+11.3P 松井▲13.3P 鈴木▲18.8P
3回戦終了時
山本+71.4P 平野+30.0P 足立+25.9P 松井+10.0P 鈴木▲37.3P
4回戦(起家から平野、足立、山本、松井、抜け番:鈴木)
東1局 暫定トップの山本を誰かが止めることが注目の4回戦。
9巡目、まずは親番の平野がテンパイする。
ドラ
手変わりを見てかヤミテンに構える。すると、それを知ってか知らずか、同巡に足立がリーチ。
リーチ
高め三色同巡の好形リーチである。今度は宣言牌のを山本がポンして1シャンテン。
ポン
それを見て実はすでにテンパイを入れていた松井がツモ切りリーチ。
リーチ
しかしこのツモ切りリーチが裏目に出たか、松井がを掴んで足立へ1,300の放銃となった。もしも平野や松井が先制リーチを打っていれば、など様々なことを考えさせられる1局となった。
東2局2本場 平野が10巡目に1枚目のを仕掛ける。その後すぐに両面チーしてあっという間の1,000点のテンパイ。
チー ポン ドラ
これに追いついたのは足立。12巡目にリーチ。
リーチ
しかし次巡に足立がを掴んでしまい放銃。このように平野と足立が主導権争いをする局面が4回戦から増えたように見えた。
東3局 先制したのはまたもや平野。6巡目にリーチ。
リーチ ドラ
その時点での親番の山本の手牌がこちら。
カンやカンが入るとテンパイではあるがリーチに対してドラで生牌のを切らなければならない。ここからツモ打、ツモ打、ツモ打、ツモ打などとして12巡目の手牌がこちら。
ここでリーチをかけていた平野からが切られる。山本は迷わずポンテンを取ると、ラス牌のを簡単にツモ。3,900オール。やはりツキは山本にあるのか。
ポン ツモ
東3局1本場 足立の配牌がこちら。
ドラ
1メンツあるものの、形が悪く高打点も見込めない手牌。しかし、1巡目と2巡目に連続して自風のをツモると、迷わずカンからチー。
チー
その後、ツモ打、ツモ打で5巡目にあっという間にテンパイ。9巡目に平野からが打たれて1,000点のアガリ。
チー ロン
前局のアガリでこの半荘でもトップ目に立ってしまった山本の親番を意地でも終わらせる足立の気合が見られた。
南1局 この局、松井にチャンス手が入る。まずは配牌。
ドラ
マンズのホンイツが色濃く見える。この手牌が3巡で大きく育つ。
5巡目に山本からが切られる。松井は迷わずチー。テンパイである。
チー
これを見た山本が7巡目に仕掛け返す。
チー
次巡、ツモ打となってテンパイ。11巡目に足立からが打たれて山本のアガリ。
チー ロン
相手のチャンス手を山本が後から仕掛けてサバく。この決勝で何度も見られた光景である。
南2局2本場 親番で2局連続アガっている足立、この局も11巡目にリーチをかける。
リーチ ドラ
それに対して対抗していくのはやはり山本。リーチの現物を切りつつテンパイを維持。しかし足立の切られたで考えてしまう。
を鳴いてリーチの現物であるとを切ってアガリを目指すかどうか考える山本。しばらく悩むが、ここは鳴かずに今のままのテンパイ形を維持することを決意。すると、16巡目にツモってきたのはであった。
ツモ
が通って待ちになれば勝ち目があると踏んだ山本はを切る。しかし、は足立に放銃となり11,600。
42,900点持ちのトップ目であった山本だったが、この放銃で2着へ。アガった足立はリードを守ってこの半荘をトップで終えた。
4回戦に入ってから各選手のマークは山本1人に完全に絞られているように見えた。特に平野と足立はいつもに増して仕掛けを増やし山本へ対抗していたように感じた。
4回戦成績
足立+23.4P 山本+6.3P 平野▲8.8P 松井▲20.9P
4回戦終了時
山本+77.7P 足立+49.3P 平野+21.2P 松井▲10.9P 鈴木▲37.3P
5回戦(起家から平野、足立、山本、鈴木、抜け番:松井)
静岡リーグの決勝はこの5回戦を終えた時点でポイント最下位のものは一足早く敗退となってしまう。最終6回戦は勿論のこと、この5回戦もどの選手も全力で戦うに間違いない。
東2局 優勝を目指すには1局たりとも無駄にはできない鈴木。この局、先制リーチを打つ。
ドラ
それに対して押し返すのが親番の足立。13巡目に仕掛けてテンパイを入れる。
チー
この2人の引き合いにも見えた局面。鈴木がハイテイ牌のをツモ切りして流局するかに思えたが、山本からロンの声がかかる。
山本はリーチや親の仕掛けに対して強い牌を極力切らずにしっかりとテンパイを入れていた。山本の3,200のアガリ。
東3局 前局アガって親番を迎えた山本。この局も積極的に仕掛ける。
ドラ
この手牌から3巡目にポン打、続く5巡目にポン打。9巡目にツモ打として形が整う。
ポン ポン
11巡目にツモ打としてより広い1シャンテンとすると、15巡目にようやくテンパイ。
ツモ ポン ポン
場にはもも1枚切れだが自分で使っているのでの方が1枚少ない。それでもが山にあると読んだか、この場面で山本は打とする。そして2巡後にツモアガって2,600オール。こういった選択を確実に正解することが勝利への一歩なのだろう。
ポン ポン ツモ
東4局 なんとか親番で連荘したい鈴木。11巡目にリーチ。
リーチ ドラ
このリーチに向かってくるのは平野。リーチの現物やスジの牌を切って安全に進めつつ13巡目に高め一通の追っかけリーチ。
リーチ
そして平野が安めではあるがをツモって1,300・2,600。この日の鈴木はこのように先制しても誰かに押し返されてアガリきられてしまうケースが非常に多かったように思える。
南4局2本場 現状5位の鈴木はこの親番で誰かをまくらなければ敗退となってしまう。しかし無情にも2巡目に山本からリーチが入る。
リーチ ドラ
どうにかして山本のアガリは阻止しなければならない鈴木。なんとか9巡目にテンパイ。
手変わりを見て冷静にヤミテンに構える。しかし鈴木が次巡ツモってきたのは。山本のアガリとなった。
ロン
山本はこのアガリで4万点超えのトップとなりリードをさらに広げた。
一方この瞬間、鈴木の敗退が決まった。難しい展開ではあったが初の決勝でベテランが最後まで丁寧な麻雀を魅せてくれた。
5回戦成績
山本+21.8P 平野+7.1P 足立+4.1P 鈴木▲33.0P
5回戦終了時
山本+99.5P 足立+53.4P 平野+28.3P 松井▲10.9P 鈴木▲70.3P(敗退)
6回戦(起家から足立、平野、松井、山本)
最終6回戦は、トータルポイント2位、3位、4位、1位の順に東家、南家、西家、北家の並びとなる。
白熱した試合もいよいよクライマックスである。
南1局 東場は小場で進み山本以外の三者が浮きで迎えた南1局。山本は残りのリードを守り切ろうと普段より一層積極的に動く。
ドラ
ここから6巡目にをチーして打、すぐに今度はをポンして打として1シャンテン。12巡目にをチーするとようやくテンパイ。
チー ポン チー
しかしここで親の足立からリーチが入る。
リーチ
山本はこのリーチを受けて即撤退。足立は最後のツモでアガって2,000オール。このアガリで足立の1人浮きとなる。
南2局2本場 最後の親番が終わり、ある程度の打点を必要とする足立。それでも積極的に仕掛ける姿勢は変わらない。
ドラ
この手牌から3巡目に平野が切った1枚目のをポン。ソーズのホンイツを見る。を加カンするなどして形が整ってくると親番の平野からリーチが入る。
リーチ
平野としてはが良く見えるというのもあるだろうが、他家の動きを止めて最後の親番を終わらせないためのリーチという意味合いもあるだろう。しかし足立は押し返してテンパイする。
加カン
平野がを掴んでしまい、足立へ8,000の放銃。足立はこのアガリで山本との差をわずか2.5Pとした。
南3局 一刻も早く局を流したい山本は10巡目にテンパイ。
ツモ
ピンフのみのテンパイはヤミテンというのがAルールのセオリーとされている。しかし少しでもポイントが欲しい山本は切りリーチとする。この判断が正解だったのか、ツモアガリで700・1,300。事実上、山本と足立の一騎打ちとなった。
南4局 第28回静岡リーグ決勝もいよいよ最終戦オーラス。暫定トップの山本と足立の差はわずか5.9P。麻雀の神様が微笑むのはどちらなのか。
出アガリが難しい状況となったこの局、ツモだと1,000・2,000条件。足立は条件に合う手組みをする。そして12巡目にテンパイ。
ドラ
この手だと安めので出アガリをしても優勝となる。足立は当然のようにヤミテンに構えた。すでに他の3者はオリており、あとは足立がツモることができるかだけとなった。
一回一回ツモる手に力が入る足立。5巡アガることができないままいよいよハイテイ牌。最後のツモにおそるおそる手を伸ばす。より一層ツモに力が入る足立。観客の視線も足立の右手に集まる。しかし最後のツモは。足立の一人テンパイで流局、試合終了。観客からは大きな拍手が選手たちに贈られた。
6回戦成績
足立+33.8P 松井▲4.5P 山本▲10.4P 平野▲18.9P
最終ポイント
山本+89.1P 足立+87.2P 平野+9.4P 松井▲15.4P 途中敗退:鈴木
第28回静岡リーグは山本拓哉プロの優勝で幕を閉じた。
史上初となる静岡プロリーグとのダブルクラウンを見事に達成した。
どの選手においてもそれぞれの持ち味を出し、最後まで強い気持ちで戦ったからこそ、見ごたえのある決勝となった。
決勝進出者の皆様、お疲れさまでした。
そして山本プロ、本当におめでとうございます。