第181回:プロ雀士インタビュー 前原 雄大  インタビュアー:内田 美乃里

桜の花も蕾に戻りそうな花冷えの夕刻、実家で人寄せがありメニューの1つのナムル3種作りに取り掛かっていた。そんな時ライン着信音に気が付き、発信名を何げなく横目で見た。
「とうとう私も老眼になったか・・」と思った。二度見。
「前原雄大プロ?!」「な・・ナゼ?」
胡麻油が付いたままの手で携帯を取ってしまっていた、かなり動転していたのだろう。

前原「前原ですけど、今大丈夫ですか?」

内田「あ、あの今は大丈夫ではないですけど、手を洗ってからなら大丈夫です。」
・・手を洗いながら、動悸が止まらない。あ!挨拶もしてなかったのでは・・

内田「お疲れ様です、お待たせしてごめんなさい。」

前原「忙しそうですね、時間改めましょうか?」

内田「今で大丈夫です」

前原「そうですか、お電話した用件というのは内田さんにグランプリMAX優勝のインタビューをお願いしたくて」

内田「・・・え?!・・・私に?」

前原「去年の女流桜花を観させてもらってね。もったいないなと思ったのね。インタビューが何か良いきっかけになってくれればなぁと思ってね。斯々然々・・そういうわけでお願い出来ますか?」

内田「あの・・ワタシ連盟に入ってから10年ほど経ちますが前原さんとお話したことがあまりないので・・(しどろもどろ・・)」

今考えてみても大先輩に対してとても失礼だったような気がする。それでも前原プロは何度か連絡を下さり、自由に書いてくれれば良いから・・と礼に欠けた後輩に気を損ねることなく少しずつ自ら歩み寄って下さった。

インタビューは北鎌倉、由比ガ浜。前原プロはよく1人でフラッと海を見に行くと言う。前原プロが敬愛される方の縁のお寿司屋さんがあるそうで待ち合わせは北鎌倉駅となった。(残念ながらお店は週一の定休日)

 

100

 

内田「鳳凰位2連覇に続きグランプリ優勝おめでどうございます!」

前原「ありがとう、観てどう思った?」

内田「前原さん強かったです。」

前原「それだけ?」

内田「“憎たらしいくらい“強かったです!」

前原「あのさ、私のこと嫌いなの?笑」

内田「そういう意味ではないです笑。藤崎さんを応援していたので。前原さんが強過ぎて、スミマセン」

前原「誰を応援していたとしても構わないよ、気軽に思ったままを話してくれていいよ」

本来なら若干面白くないはずだ。それにもかかわらずケラケラと笑いながら「真っ直ぐでよろしい。」と嬉しそうにしてくれる優しさと不思議な包容力がある。
また、前原プロのお話の途中、聞き違いがあったらいけないので、幾度となく
「はい?」「はい?」と私は聞いていた。
すると「滑舌悪いよね~笑ごめんね~」と自ら突っ込みを入れてリラックスさせてくださる。
滑舌に関しては長い年月毎日のように麻雀を打ちながら奥歯をギュッと噛み続けたからだよとおっしゃっていた。スポーツ選手も奥歯が磨り減ると聞いたことがある、妙に納得してしまった。色々とお話しさせて頂くうちになぜか緊張している時間が少なくなっていく。

気を引き締めないと・・。

内田「グランプリはどういう気持ちで臨んだのですか?」

前原「まず、研修生の時からお世話になっている森山会長とG1タイトル決勝であたるのは初めてだったの。だから結果ではなく内容で恩返しが出来たらなと思っていたんだ。」

内田「そうだったんですね」

前原「それとこれはいつもそうだけど、とにかく観ている人が楽しんでくれればという気持ちで打っているよ。それからもう1つ、語弊があるかもしれないけれども、タイトルは誰が獲ってもいいと思っている。タイトルを獲るためだけに麻雀をするわけではないからね。」

内田「はぁ。次元が違います・・(普通タイトル欲しいし・・)」

前原「「勝つだけ」に拘ってしまうと、私だけが思っていることかもしれないけど、視聴して下っている方々に面白い対局がお観せ出来ないと思っているから。」

内田「そういう境地になれるってすごいですね。(自分のことで必死だし)・・」

前原「鳳凰位決定戦で私は16半荘も打って親満を一度もアガってなかったのね。今回のグランプリではバットを長く持って振りに行くイメージを心掛けたのよ。自分のフォームに拘り過ぎるのは良くないと思っているから。新しい試みは常に取り込んで行きたいのね。それでも「普段着」通りの麻雀しか打てないし、よそいきの服では麻雀は打てない。だから稽古が大事なの。稽古そのものが本番だからね」

内田「はい。胸に刻みます。」

内田「初日を終わって大きくプラスで終了しましたが、途中劣勢に立たされた場面がありましたね。」

前原「4回戦だね。」

内田「はい。4回戦の東3局に前原さんは持ち点が18,100でした。勝又プロの親番で勝又プロはホンイツ、ぶつける前原さん。流局かと思われた場面でハイテイ・・」

 

100

 

内田「そのあと迎えた親番で5,800点を出アガった後、次局はしぶとくテンパイし流局、その後は連荘のツモが2回、あっという間の60,000点オーバーでした。その時の親番中にはどのようなことを考えましたか?」

前原「あ、波が来たなと思ったよ。」

内田「波とは何でしょうか?」

前原「麻雀とは波を掴む勝負だと思っているから。ハイテイとかリンシャンでアガるとか特殊役のアガリは波が来る前兆だと思っているからね。」

 

100

 
 

100

 
 

100

 
 

100

 

内田「翌日の最終戦も闘う姿勢を崩しませんでしたよね。」

前原「私自身としては麻雀にセーフティーリードっていうのはないものと思っているからね。初日が終わって家に帰ってその対局を何度か観ていたらお昼近くになってしまってね。だから身支度を整えてそのまま対局に向かったの。そういう意味では私って人よりも体力あるよね。」

内田「そうだったのですか??寝不足ならともかく、一睡もしないで決勝最終日に望むことはしないし出来ないものですけど。」

前原「私には結構普段通りのスタイルだよ。それが自然っていうかその自然体のまま対局に向かえたからね。」

内田「それはちょっと変わったスタイルです笑。ターニングポイントとなった局面はどこでしたか?」

前原「森山会長のメンホン七対子が流局した局を見たときかな。森山会長が白ではなく発を選んでいたらそのあとの展開は違っていたと思うから」

内田「どちらも地獄待ち、ノータイムの選択は潔く、しかし残念ながら次のツモは発でしたね・・。」

 

100

 
 

100

 

内田「前原プロは今後、一打ち手としてどのような集大成の形を見据えていますか?」

前原「牌譜を見て、これは前原雄大のだとひと目で分かるような打ち手でありたいよ。自分がその時その時で信じる麻雀を貫きたいし、打ち抜きたいよ。麻雀人生悔いなく終わらせたいからね。」

内田「それと、次世代の後輩達のためにどのようなことを伝えて行きたいですか?」

前原「新陳代謝がない世界は滅びるからね。これは麻雀業界においても同じだと思うから。これからの連盟のためにも思いっ切り本気で倒しに来て欲しいと思っている。ヒールって負けると無様なだけ、だけどね」

内田「ん~、確かにヒーローは勝ってなおのこと、負けても美しかったりしますね。でも、前原さんのように稀有な強い方がいるからこそヒーローはさらに輝くと思います。」

前原「ヒールで有り続けるというのはつらいことだけどねぇ。」

内田「弱いヒールだったらつまらないじゃないですか。麻雀は常勝できる競技ではないですから前原さんの繊細でありながら超人的な強さをまた見せてください、その強さがすごく羨ましいです。」

前原「私自身は一度たりとも自分を強いと思ったことがないよ」

 

100

 

内田「!!!・・・今日はありがとうございました!」

前原「こちらこそありがとうね!」

内田「あの、ところでいつ海に入るのですか?」

前原「内田さんがさっきコンビニに買い物に行っている間に入ったよ。笑」

前原プロは対局後のインタビューで「稽古をしなくなったらプロを辞めます」とおっしゃった。
その言葉は自身のためだけではない「覚悟」の表れでありとても深く重い言葉だった。

昨年12月女流桜花決勝、また惨敗・・それまでの敗戦とは違いなかなか気持ちの切り替えが出来ずにいた自分が恥ずかしくなった。そして喉の奥が詰まるような自責の念に駆られた。大体において私は「消化できないほどのなにかをきちんと死に物狂いでしてきたのか?・・。」と。
同時に何か震い立たせて頂いたような救いの言葉ともなった。

前原プロが日々膨大な時間と労力を費やし真摯に「麻雀」と合わせ鏡のように「自身」と向き合っていることは周知の事実であろう。
すでに前原プロ自身が高い山であり圧倒的な眩しいほどの強さを見せながら、自分は一度たりとも自分を強いと思ったことはないとおっしゃった。
麻雀とは絶対に極められないもの、それでも極めようという気持ちを持ち続けながら向き合うものだからと。
誰も見ることが出来えない更なる高み(極み)を見つめながら愚直なまでの麻雀への鍛錬を繰り返しながら、掘り下げ掘り抜いてきた前原プロにとっては、今立っているところがたまたま回りの地盤から見れば少し高いところに位置しているだけ。ということになるのだろうか。

 

100

 

プロ雀士インタビュー/第181回:プロ雀士インタビュー 前原 雄大  インタビュアー:内田 美乃里

桜の花も蕾に戻りそうな花冷えの夕刻、実家で人寄せがありメニューの1つのナムル3種作りに取り掛かっていた。そんな時ライン着信音に気が付き、発信名を何げなく横目で見た。
「とうとう私も老眼になったか・・」と思った。二度見。
「前原雄大プロ?!」「な・・ナゼ?」
胡麻油が付いたままの手で携帯を取ってしまっていた、かなり動転していたのだろう。
前原「前原ですけど、今大丈夫ですか?」
内田「あ、あの今は大丈夫ではないですけど、手を洗ってからなら大丈夫です。」
・・手を洗いながら、動悸が止まらない。あ!挨拶もしてなかったのでは・・
内田「お疲れ様です、お待たせしてごめんなさい。」
前原「忙しそうですね、時間改めましょうか?」
内田「今で大丈夫です」
前原「そうですか、お電話した用件というのは内田さんにグランプリMAX優勝のインタビューをお願いしたくて」
内田「・・・え?!・・・私に?」
前原「去年の女流桜花を観させてもらってね。もったいないなと思ったのね。インタビューが何か良いきっかけになってくれればなぁと思ってね。斯々然々・・そういうわけでお願い出来ますか?」
内田「あの・・ワタシ連盟に入ってから10年ほど経ちますが前原さんとお話したことがあまりないので・・(しどろもどろ・・)」
今考えてみても大先輩に対してとても失礼だったような気がする。それでも前原プロは何度か連絡を下さり、自由に書いてくれれば良いから・・と礼に欠けた後輩に気を損ねることなく少しずつ自ら歩み寄って下さった。
インタビューは北鎌倉、由比ガ浜。前原プロはよく1人でフラッと海を見に行くと言う。前原プロが敬愛される方の縁のお寿司屋さんがあるそうで待ち合わせは北鎌倉駅となった。(残念ながらお店は週一の定休日)
 
100
 
内田「鳳凰位2連覇に続きグランプリ優勝おめでどうございます!」
前原「ありがとう、観てどう思った?」
内田「前原さん強かったです。」
前原「それだけ?」
内田「“憎たらしいくらい“強かったです!」
前原「あのさ、私のこと嫌いなの?笑」
内田「そういう意味ではないです笑。藤崎さんを応援していたので。前原さんが強過ぎて、スミマセン」
前原「誰を応援していたとしても構わないよ、気軽に思ったままを話してくれていいよ」
本来なら若干面白くないはずだ。それにもかかわらずケラケラと笑いながら「真っ直ぐでよろしい。」と嬉しそうにしてくれる優しさと不思議な包容力がある。
また、前原プロのお話の途中、聞き違いがあったらいけないので、幾度となく
「はい?」「はい?」と私は聞いていた。
すると「滑舌悪いよね~笑ごめんね~」と自ら突っ込みを入れてリラックスさせてくださる。
滑舌に関しては長い年月毎日のように麻雀を打ちながら奥歯をギュッと噛み続けたからだよとおっしゃっていた。スポーツ選手も奥歯が磨り減ると聞いたことがある、妙に納得してしまった。色々とお話しさせて頂くうちになぜか緊張している時間が少なくなっていく。
気を引き締めないと・・。
内田「グランプリはどういう気持ちで臨んだのですか?」
前原「まず、研修生の時からお世話になっている森山会長とG1タイトル決勝であたるのは初めてだったの。だから結果ではなく内容で恩返しが出来たらなと思っていたんだ。」
内田「そうだったんですね」
前原「それとこれはいつもそうだけど、とにかく観ている人が楽しんでくれればという気持ちで打っているよ。それからもう1つ、語弊があるかもしれないけれども、タイトルは誰が獲ってもいいと思っている。タイトルを獲るためだけに麻雀をするわけではないからね。」
内田「はぁ。次元が違います・・(普通タイトル欲しいし・・)」
前原「「勝つだけ」に拘ってしまうと、私だけが思っていることかもしれないけど、視聴して下っている方々に面白い対局がお観せ出来ないと思っているから。」
内田「そういう境地になれるってすごいですね。(自分のことで必死だし)・・」
前原「鳳凰位決定戦で私は16半荘も打って親満を一度もアガってなかったのね。今回のグランプリではバットを長く持って振りに行くイメージを心掛けたのよ。自分のフォームに拘り過ぎるのは良くないと思っているから。新しい試みは常に取り込んで行きたいのね。それでも「普段着」通りの麻雀しか打てないし、よそいきの服では麻雀は打てない。だから稽古が大事なの。稽古そのものが本番だからね」
内田「はい。胸に刻みます。」
内田「初日を終わって大きくプラスで終了しましたが、途中劣勢に立たされた場面がありましたね。」
前原「4回戦だね。」
内田「はい。4回戦の東3局に前原さんは持ち点が18,100でした。勝又プロの親番で勝又プロはホンイツ、ぶつける前原さん。流局かと思われた場面でハイテイ・・」
 
100
 
内田「そのあと迎えた親番で5,800点を出アガった後、次局はしぶとくテンパイし流局、その後は連荘のツモが2回、あっという間の60,000点オーバーでした。その時の親番中にはどのようなことを考えましたか?」
前原「あ、波が来たなと思ったよ。」
内田「波とは何でしょうか?」
前原「麻雀とは波を掴む勝負だと思っているから。ハイテイとかリンシャンでアガるとか特殊役のアガリは波が来る前兆だと思っているからね。」
 
100
 
 
100
 
 
100
 
 
100
 
内田「翌日の最終戦も闘う姿勢を崩しませんでしたよね。」
前原「私自身としては麻雀にセーフティーリードっていうのはないものと思っているからね。初日が終わって家に帰ってその対局を何度か観ていたらお昼近くになってしまってね。だから身支度を整えてそのまま対局に向かったの。そういう意味では私って人よりも体力あるよね。」
内田「そうだったのですか??寝不足ならともかく、一睡もしないで決勝最終日に望むことはしないし出来ないものですけど。」
前原「私には結構普段通りのスタイルだよ。それが自然っていうかその自然体のまま対局に向かえたからね。」
内田「それはちょっと変わったスタイルです笑。ターニングポイントとなった局面はどこでしたか?」
前原「森山会長のメンホン七対子が流局した局を見たときかな。森山会長が白ではなく発を選んでいたらそのあとの展開は違っていたと思うから」
内田「どちらも地獄待ち、ノータイムの選択は潔く、しかし残念ながら次のツモは発でしたね・・。」
 
100
 
 
100
 
内田「前原プロは今後、一打ち手としてどのような集大成の形を見据えていますか?」
前原「牌譜を見て、これは前原雄大のだとひと目で分かるような打ち手でありたいよ。自分がその時その時で信じる麻雀を貫きたいし、打ち抜きたいよ。麻雀人生悔いなく終わらせたいからね。」
内田「それと、次世代の後輩達のためにどのようなことを伝えて行きたいですか?」
前原「新陳代謝がない世界は滅びるからね。これは麻雀業界においても同じだと思うから。これからの連盟のためにも思いっ切り本気で倒しに来て欲しいと思っている。ヒールって負けると無様なだけ、だけどね」
内田「ん~、確かにヒーローは勝ってなおのこと、負けても美しかったりしますね。でも、前原さんのように稀有な強い方がいるからこそヒーローはさらに輝くと思います。」
前原「ヒールで有り続けるというのはつらいことだけどねぇ。」
内田「弱いヒールだったらつまらないじゃないですか。麻雀は常勝できる競技ではないですから前原さんの繊細でありながら超人的な強さをまた見せてください、その強さがすごく羨ましいです。」
前原「私自身は一度たりとも自分を強いと思ったことがないよ」
 
100
 
内田「!!!・・・今日はありがとうございました!」
前原「こちらこそありがとうね!」
内田「あの、ところでいつ海に入るのですか?」
前原「内田さんがさっきコンビニに買い物に行っている間に入ったよ。笑」
前原プロは対局後のインタビューで「稽古をしなくなったらプロを辞めます」とおっしゃった。
その言葉は自身のためだけではない「覚悟」の表れでありとても深く重い言葉だった。
昨年12月女流桜花決勝、また惨敗・・それまでの敗戦とは違いなかなか気持ちの切り替えが出来ずにいた自分が恥ずかしくなった。そして喉の奥が詰まるような自責の念に駆られた。大体において私は「消化できないほどのなにかをきちんと死に物狂いでしてきたのか?・・。」と。
同時に何か震い立たせて頂いたような救いの言葉ともなった。
前原プロが日々膨大な時間と労力を費やし真摯に「麻雀」と合わせ鏡のように「自身」と向き合っていることは周知の事実であろう。
すでに前原プロ自身が高い山であり圧倒的な眩しいほどの強さを見せながら、自分は一度たりとも自分を強いと思ったことはないとおっしゃった。
麻雀とは絶対に極められないもの、それでも極めようという気持ちを持ち続けながら向き合うものだからと。
誰も見ることが出来えない更なる高み(極み)を見つめながら愚直なまでの麻雀への鍛錬を繰り返しながら、掘り下げ掘り抜いてきた前原プロにとっては、今立っているところがたまたま回りの地盤から見れば少し高いところに位置しているだけ。ということになるのだろうか。
 
100
 

Mr.Yの連盟Weekly!

100

 
 
 

『ゆとり世代は謝らない』
ダイヤモンドは砕けない、のような感じで書いたが、ゆとり世代は本当に謝らない。まず間違いなく言い訳から入る。
数年前、後輩が初めての仕事の日に遅刻したときに「目覚まし時計の電池が切れちゃって…」と言っていた。
なんてツイてない人なんだ!とその時思っていた。
しかし、その後も遅刻が続いた。
「電車が遅れて…」「集合時間を勘違いしていて…」
もはや信用はゼロである。一度失った信用を取り戻すのは大変だ。
「寝坊しました!すいません!!」
と言った方が100倍マシということなのだろう。
(いや、そもそも遅刻しなければいいだけの話だが)

それでは今週を振り返っていこう。

【女流プロ麻雀日本シリーズ2018決勝戦】
西嶋千春vs黒沢咲vs魚谷侑未vs池沢麻奈美
4半荘で行われる決勝戦、黒沢プロが3連勝を決めた。
誰もが黒沢プロで確定だろうと思われたが、魚谷プロが歴史に残る大逆転を決めた。

100

麻雀は最後まで何が起きるか分からない。
誰もが再認識した瞬間である。

100

その翌日、奇しくも黒沢咲プロと魚谷侑未プロが愛媛でダブルゲストという。。

100

なんという運命のめぐり合わせか。

100

憎き魚谷プロという言葉が見えたような気がしたが、とりあえず仲良さそうにしているので大丈夫だろう。

【マスターズプロ予選】
4月22日(日)、第27期麻雀マスターズのプロ予選が行われた。
プロ予選は「一次予選」「二次予選」と行われる。
歴代タイトルホルダーや所属リーグ・段位などによってどこから出られるか変わるシステムである。
勝ち残った人は明日行われる本戦に出場となる。

100

マスターズはプロアマ参加のオープン大会であるため、アガり放棄・チョンボの規定が他の試合と微妙に違ったりする。
明日出られる方のために、今一度おさらいしておこう。

◎誤ポン・誤チー・誤カン
1,000点供託でアガリ権利が残ります。
アガリ権利が残るので、そのままアガリきってしまえば1,000点を取り戻すことが出来るぞ!
(リーグ戦だとアガリ放棄)

◎誤ロン・誤ツモ
言ってしまっただけで倒牌前だとアガリ放棄。
倒牌してしまうとチョンボとなってしまいます。
(リーグ戦だと倒牌前でもチョンボ)

◎錯ポン・錯チー・錯カン
錯行為とは、発声後鳴けない形を晒してしまうことです。
打牌前ですと、正規の形に戻せる場合は戻すことが可能です。
打牌後ですと、アガリ放棄となってしまいます。
(リーグ戦だと打牌後はチョンボ)

その他詳しくは卓に配られた紙を要チェック!
皆様の健闘を祈っております!

【A1リーグ第2節A卓】
古川孝次vs沢崎誠vsHIRO柴田vs和久津晶
先週スタートダッシュを決めた沢崎だったが、今週は不調の様子。
逆にHIRO柴田は絶好調!3回戦を終え、+59.9とポイントを伸ばす。
そんな中 迎えた最終戦東4局、沢崎のツモり四暗刻のリーチ!

100

なんと、山に3枚!
ツモれば一気にプラスに浮上、という勝負リーチだったが、好調の柴田が見事かわした。

そして次局、沢崎なんと早々に国士無双一向聴!

100

今度こそ決まるか、と思われたが、下家のサーフィン古川がタンヤオでアガリきった。
沢崎にとって、非常に苦しい第2節だった。
柴田は大きくポイントを伸ばし首位となった。

100

【A2リーグ第1節D卓】
藤原隆弘vs石渡正志vs刀川昌浩vs魚谷侑未
A2リーグ第1節の最終卓である。
結果は魚谷プロが+59.3で一人浮き!!
今の魚谷は無敵か!?

100

そんなA2リーグの対局中、巣鴨の道場ではこんな事が行われていた。

【採譜講習】
牌譜というものを知っているだろうか。
将棋には棋譜があるように、麻雀には牌譜というものがある。
牌譜に一局の情報全てが記載されている。
連盟のタイトル戦の決勝戦は全て牌譜を取っており、生放送中に牌譜検証を行ってるのを見たことがある人も多いだろう。
その牌譜を取る人材を育成する講習が月に一度行われているのだ。
過去に魚谷プロが採譜チームだったりと、採譜をやっていると大成すると言われているのを何度も聞いたことがある。

100

※こちらの写真は2007年、王位戦の採譜を取っている現A1リーガーの吉田直プロ

これでみんな興味を持ってくれたことだろう。強くなりたかったら是非採譜チームへ!

【女流桜花第1節D卓】
吾妻さおりvs武石絵里vs松岡千晶vs稲岡ミカ

吾妻さおりプロの女流Aリーグ復帰戦となった。
荒れた戦いになったが終わってみると、全員フラットで終了。

100

女流桜花第1節も残す所E卓のみとなった。
仲田加南プロへの挑戦権を手に入れるのは誰だ!?

【仕事での失敗】
採譜の仕事中、彼女はパソコンの上にお菓子をぶちまけるというミスを犯したが、彼女は5分間腹をかかえて笑い続けた。

100
100

その大笑いしている様子を見ているとこちらも自然と楽しい気持ちになってきた。
結局誰一人彼女を怒ろうとはしなかった。みんなで笑った。
実に平和な現場である。

プロ雀士コラム/Mr.Yの連盟Weekly!

100

 
 
 
『ゆとり世代は謝らない』
ダイヤモンドは砕けない、のような感じで書いたが、ゆとり世代は本当に謝らない。まず間違いなく言い訳から入る。
数年前、後輩が初めての仕事の日に遅刻したときに「目覚まし時計の電池が切れちゃって…」と言っていた。
なんてツイてない人なんだ!とその時思っていた。
しかし、その後も遅刻が続いた。
「電車が遅れて…」「集合時間を勘違いしていて…」
もはや信用はゼロである。一度失った信用を取り戻すのは大変だ。
「寝坊しました!すいません!!」
と言った方が100倍マシということなのだろう。
(いや、そもそも遅刻しなければいいだけの話だが)
それでは今週を振り返っていこう。
【女流プロ麻雀日本シリーズ2018決勝戦】
西嶋千春vs黒沢咲vs魚谷侑未vs池沢麻奈美
4半荘で行われる決勝戦、黒沢プロが3連勝を決めた。
誰もが黒沢プロで確定だろうと思われたが、魚谷プロが歴史に残る大逆転を決めた。

100

麻雀は最後まで何が起きるか分からない。
誰もが再認識した瞬間である。

100

その翌日、奇しくも黒沢咲プロと魚谷侑未プロが愛媛でダブルゲストという。。

100

なんという運命のめぐり合わせか。

100

憎き魚谷プロという言葉が見えたような気がしたが、とりあえず仲良さそうにしているので大丈夫だろう。
【マスターズプロ予選】
4月22日(日)、第27期麻雀マスターズのプロ予選が行われた。
プロ予選は「一次予選」「二次予選」と行われる。
歴代タイトルホルダーや所属リーグ・段位などによってどこから出られるか変わるシステムである。
勝ち残った人は明日行われる本戦に出場となる。

100

マスターズはプロアマ参加のオープン大会であるため、アガり放棄・チョンボの規定が他の試合と微妙に違ったりする。
明日出られる方のために、今一度おさらいしておこう。
◎誤ポン・誤チー・誤カン
1,000点供託でアガリ権利が残ります。
アガリ権利が残るので、そのままアガリきってしまえば1,000点を取り戻すことが出来るぞ!
(リーグ戦だとアガリ放棄)
◎誤ロン・誤ツモ
言ってしまっただけで倒牌前だとアガリ放棄。
倒牌してしまうとチョンボとなってしまいます。
(リーグ戦だと倒牌前でもチョンボ)
◎錯ポン・錯チー・錯カン
錯行為とは、発声後鳴けない形を晒してしまうことです。
打牌前ですと、正規の形に戻せる場合は戻すことが可能です。
打牌後ですと、アガリ放棄となってしまいます。
(リーグ戦だと打牌後はチョンボ)
その他詳しくは卓に配られた紙を要チェック!
皆様の健闘を祈っております!
【A1リーグ第2節A卓】
古川孝次vs沢崎誠vsHIRO柴田vs和久津晶
先週スタートダッシュを決めた沢崎だったが、今週は不調の様子。
逆にHIRO柴田は絶好調!3回戦を終え、+59.9とポイントを伸ばす。
そんな中 迎えた最終戦東4局、沢崎のツモり四暗刻のリーチ!

100

なんと、山に3枚!
ツモれば一気にプラスに浮上、という勝負リーチだったが、好調の柴田が見事かわした。
そして次局、沢崎なんと早々に国士無双一向聴!

100

今度こそ決まるか、と思われたが、下家のサーフィン古川がタンヤオでアガリきった。
沢崎にとって、非常に苦しい第2節だった。
柴田は大きくポイントを伸ばし首位となった。

100

【A2リーグ第1節D卓】
藤原隆弘vs石渡正志vs刀川昌浩vs魚谷侑未
A2リーグ第1節の最終卓である。
結果は魚谷プロが+59.3で一人浮き!!
今の魚谷は無敵か!?

100

そんなA2リーグの対局中、巣鴨の道場ではこんな事が行われていた。
【採譜講習】
牌譜というものを知っているだろうか。
将棋には棋譜があるように、麻雀には牌譜というものがある。
牌譜に一局の情報全てが記載されている。
連盟のタイトル戦の決勝戦は全て牌譜を取っており、生放送中に牌譜検証を行ってるのを見たことがある人も多いだろう。
その牌譜を取る人材を育成する講習が月に一度行われているのだ。
過去に魚谷プロが採譜チームだったりと、採譜をやっていると大成すると言われているのを何度も聞いたことがある。

100

※こちらの写真は2007年、王位戦の採譜を取っている現A1リーガーの吉田直プロ
これでみんな興味を持ってくれたことだろう。強くなりたかったら是非採譜チームへ!
【女流桜花第1節D卓】
吾妻さおりvs武石絵里vs松岡千晶vs稲岡ミカ
吾妻さおりプロの女流Aリーグ復帰戦となった。
荒れた戦いになったが終わってみると、全員フラットで終了。

100

女流桜花第1節も残す所E卓のみとなった。
仲田加南プロへの挑戦権を手に入れるのは誰だ!?
【仕事での失敗】
採譜の仕事中、彼女はパソコンの上にお菓子をぶちまけるというミスを犯したが、彼女は5分間腹をかかえて笑い続けた。

100
100

その大笑いしている様子を見ているとこちらも自然と楽しい気持ちになってきた。
結局誰一人彼女を怒ろうとはしなかった。みんなで笑った。
実に平和な現場である。

上級/第131回『勝負の感性①』 荒 正義

① 面前とサバキ
麻雀の「強さ」を測る物差しは、人それぞれである。
勝ちの結果や勝率がすべて、という人がいる。しかし、「結果」はそう単純なものではない。その日の勝者が、たまたま運勢が高かったかも知れない。敗者は力が上でも、「運」がどん底だったかも知れない。
結果より確かに見えるのは勝率だが、これもあまり当てにはならない。格下相手と長く打ち、高い勝率を残しても自慢にはならない。格下なら長く打てば、格上は誰だって勝てるのだ。
強さの基準は「いつ」「誰と」「どこで」戦ったかにあるのだ。
「いつ」とは、打ち盛りか否かである。年齢も大事だ。雀風が完成し、麻雀に強さが出るのは、30代後半から60歳である。この期間の勝ち負けなら、確かである。
「誰と」とは、相手である。名の知れた打ち手なら、勝てば自信になる。だが、噂ほど当てにならない強さもある。相手が本物かどうかは、見て打って手応えを見ることが肝心。相手が本物なら、打てば必ず卓上で響いて来る。
「どこで」は、状況と場面である。誰でも勝ちたい場面でなければ、勝負の意味がない。プロの世界なら、G1のタイトルの決定戦である。
プロの世界だって、強さはピンきりである。勝ち組もいれば、そうでない者もいる。それが「格」の違いである。私たちの世界では、大きなタイトルを5個以上獲って、ようやく一流の仲間入りである。最短でもプロ入りしてから15年はかかるだろう。
その一流の中でも、完成された技と実績を持つ者がいる。彼らは多彩な技と独自の雀風で、数多くのタイトルを獲っている。これが、レジェント(伝説)と呼ばれる者達である。一流の上の超一流である。
私の知る限りで名前を記すなら、小島武夫、灘麻太郎、森山茂和、前原雄大、沢崎誠、藤崎智、瀬戸熊直樹である。まだ他にもいる。
彼らには、切れる技と実績がある。そして、人気と知名度で「麻雀史」にその名を刻むだろう。なお、小島と灘はその中でも別格である。
では、一流と超一流の違いとは何か?
それは「勝負の感性」にある。麻雀の格は、この感性で決まるのだ―。
(眼の感性)
二万二万六万七万八万三索四索五索六索七索六筒七筒中  ドラ二万
上図の手は、南2局7巡目の西家の手。西家は現状トップ目で、2番手の親とは5,000点の差。上家から八筒が出たが、どうする?
この状況なら、八筒八索は鳴きでもOKという打ち手が意外に多い。2番手の親を早く蹴り、高目でアガリできたなら満貫になるからだ。しかし、この牌姿で「鳴く」という発想が、そもそも問題である。この手はひと目、面前で進める手にしか見えない。眼で判断―この感性が大事なのだ。
この美しい手が、点棒の動きの少ない東場なら誰だって鳴かない。「鳴けば負ける」ことを、体が知っているからである。これが経験値だ。
「チー」の一言で、美しいこの手は凡手に変わる。
状況が加味されたことでチーテンをかける行為は、手牌を曲げている。いわゆる鳴くではなく、鳴かされたである。ここに違和感がある。
この手は面前で進めれば、まだ変化の余地が十分ある。五万を引けばこうだ。
二万二万五万六万七万八万三索四索五索六索七索六筒七筒
さらに、五筒ツモでこう。
二万二万五万六万七万三索四索五索六索七索五筒六筒七筒
678の三色が、ツモによって567に変化する。これならリーチで、跳満はもとより倍満ツモが狙える。
また、二万のドラ引きからの変化もある。その後ピンズが重ねたらこうだ。
二万二万二万五万六万七万三索四索五索六索七索七筒七筒
ここで、リーチをかけるかどうかは状況次第。だが、3面チャンならリーチが自然な応手だ。これは競技ルール(公式ルール)も、一発裏ドラ有り(WRCルール)でも同じである。また、ソーズを重ねたらこうだ。
二万二万二万五万六万七万四索四索五索六索七索六筒七筒
これならヤミテンでも、安めで満貫。高めで跳満がある。
鳴いてテンパイを取れば、この1局のアガリ率は高くなる。しかし、打点は半値。こんなときは我慢だ。満貫の手を3,900でアガっても、勢いはつかない。いや、むしろ「運」は後退するだろう。ここでアガっても、次がないのだ。
二万二万六万七万八万三索四索五索六索七索六筒七筒中
ここで跳満ツモを決めたら、もう怖いものはない。後はこの風に乗って、空高く舞い上がる。ならば、3連勝が見えてくる。この感性が大事なのだ。
いわば麻雀は「運」と「勢い」の取り合いで、その戦争なのだ。
実戦の西家は八筒をチーテンにかけ、安めで3,900のアガリ。しかし、鳴いたとたんに下家にツモ切りされたのが五筒である。
この半チャンの結末は、ラス親で2番手に満貫を引かれて西家は逆転を許した。その後の西家の着順が④③④で、この日は大きく沈んだ。
2回戦目以降この西家にミスがなかったとしても、この日の敗因はこの1局の「鳴き」にあったのは一目瞭然である。
(鳴きの呼吸)
しかし、麻雀は面前だけがすべてではない。時には、必要な鳴きもある。
二万二万五万六万七万三索四索五索六索七索三筒五筒七筒  ドラ六万
この手は、東2局7巡目の親の手だ。点棒の動きは少ない場面。
この手も面前重視の手だ。ピンズを引き入れ、リーチなら75パーセントの確率でアガるだろう。
二万二万五万六万七万三索四索五索六索七索五筒六筒七筒
これが理想形だが、ツモが安めの四筒でもいい。
二万二万五万六万七万三索四索五索六索七索三筒四筒五筒
テンパイ即リーチで、アガリはもう貰ったようなものだ。しかし、ソーズが先に来るケースもある。
二万二万五万六万七万二索三索四索五索六索七索五筒七筒
この場合はヤミテンが本手。リーチをかけるなら、捨て牌に迷彩がかかりhが絞りカンチャンか、河から出やすくなったときである。
二万二万五万六万七万三索四索五索六索七索三筒五筒七筒  ドラ六万
実戦は四筒が2枚出ていて、上家から六筒がツモ切りされた。ぐっとこらえて我慢だ。すると今度は、下家が六筒のツモ切りだ。今度は話が別だ。上家から出たら六筒でも四筒でもいい、チーテンに取る。いや、ツモがずれているから鳴かなければいけない。これが、面前を見切るシグナルだ。親だから一度アガリ次の手を待つのだ。これも感性である。欲しいのはその点棒ではなく、親の権利と考える。これが鳴きの呼吸である。
(流れを断つ)
あれは、昨年のA2リーグ第4戦のときだった。
場は南1局で、山田浩之の親番で2本場だ。最初に山田は4,800のいいアガリをした。次が手なりで2,600オールだ。この連荘で、彼の持ち点は4万点を超えていた。この日、私は好調で30Pほど浮いていた。この半荘も、まだ2,000点ほどの浮きがある。
私の記憶は定かではないが、この時、北家の私の手は8巡目でこんなものだった。いや、手牌なんかどうでもいいのだ。
二万三万七万八万六索七索八索二筒二筒二筒六筒七筒八筒  ドラ八筒
六万は、場に1枚見えていた。実況は古橋崇志である。古橋は現在A2に昇級し、A1を目指して戦っている若手の有望株である。麻雀がオーソドックスで癖のない、いい麻雀を打つ。あとは経験値と鋭さを身につければ、A1昇級もすぐだ。
リーグ戦は、一発裏なしの公式ルールだ。トップには2万点のオカもない。トップの順位点は8,000点だけだ(浮きの2着は4,000点)。だから、順位ではなくアガリの打点が大事である。
この局は誰かが安手でアガリ親が流れた。この時のトップは、山田だった。
選手は対戦後、解説室に呼ばれる。そのとき古橋が言った。
「あの手が決まっていれば…」
あの手とはたぶん、私がこの手のリーチがかかることを予想し、実況していたに違いない。
二万三万六万七万八万六索七索八索二筒二筒六筒七筒八筒
これなら、ツモで取りあえずトップ逆転である。いや、これでもいい。
一万二万三万七万八万六索七索八索二筒二筒六筒七筒八筒
高目の六万を引けば、やっぱり逆転だ。しかしこの時、私は親落としだけを考えていた。山田は元A1。粘りのあるいい麻雀を打つし、打点力がある。調子に乗せると、その運に乗ってどんどん攻めてくる怖い相手だ。
私は言った。
六万は、チーテンにかけるよ』
『えっ、鳴くンですか!』と、古橋は驚いた。
当然である。こんな怖い親を、いつまでもやらせておくわけにはいかない。親は昇り調子だ。この後、ツモで点棒をもぎ取られることもあるし、早くて高いヤミテンもある。これに飛び込んではかなわない。とはいっても、トップをあきらめたわけではないのだ。
まず好調の親をサバキ、話はそれからである。
こちらにはラス親が残っている。その道中、いいアガリをして親を引けば逆転もあるのだ。相手が好調なら戦い方を変え、すぐに反応。
相手の「いい流れを断つ」―これも、大事な勝負の感性なのだ。
以下次号。

ゴールデンウィーク24時間無料放送キャンペーン

100

○視聴について
FRESH!日本プロ麻雀連盟チャンネルで4月28日(土)~5月6日(日)の期間に配信致します!
日本プロ麻雀連盟チャンネル→こちら

○スケジュールについて

100

○よるじゃん
4月28日(土)00:00~、4月29日(日)00:00~配信されます。

100

これを期に是非ご視聴ください。

日本プロ麻雀連盟チャンネル→こちら
あさじゃんチャンネル→こちら

特集企画/ゴールデンウィーク24時間無料放送キャンペーン

100

○視聴について
FRESH!日本プロ麻雀連盟チャンネルで4月28日(土)~5月6日(日)の期間に配信致します!
日本プロ麻雀連盟チャンネル→こちら
○スケジュールについて

100

○よるじゃん
4月28日(土)00:00~、4月29日(日)00:00~配信されます。

100

これを期に是非ご視聴ください。
日本プロ麻雀連盟チャンネル→こちら
あさじゃんチャンネル→こちら

第135回:中級講座『今期のテーマ』 浜上 文吾

麻雀ファンの皆様、こんにちは!
九州本部の浜上です。

まずは九州本部に大ニュース!!
~タイガー中島杯~第19期皇帝位戦九州リーグAリーグに鳳凰位戦A1リーグ所属の和久津晶プロの参戦が決定しました!

 

 

2月に連盟チャンネルで放送された~タイガー中島杯~第18期皇帝位決定戦の解説をお願いしたこともありますが、以前の配信対局でない時の皇帝位決定戦にわざわざ東京から福岡まで観戦に来て、全対局終了後に多くのアドバイスしてもらったことがきっかけとなり今回の参戦となりました。

和久津プロの参戦で九州リーグ参加者のモチベーションが上がらないわけはありません。
毎週行っている私達の練習会も開幕戦間近ということもあり熱が入ります。
ふと自分のノートを見返してみて反省点がないか探してみました。
私の所属する九州リーグAリーグは今期は和久津プロを含め17名です。
年間10節40回戦終了時の上位4名のみが皇帝位決定戦に進出できるシステムです。
昨年の私の成績は

1位 14回
2位 10回
3位 10回
4位  6回

こうでトータルポイント+174.9P
平均着順2.20と順位率は良く4位の回数も少ない好成績だったため、それに満足してあまり反省する機会はありませんでした。
でもよく検証してみると、4位の時の素点が10,000点程度しか残っていないことが多いことに気づきました。
原因として、私は他の選手と比べると勝負をする機会が多い攻撃型です。なのでアガる回数も多ければ放銃回数も多いのです。
以前はそれでも良いと思っていましたが、2年前在籍していたB1リーグから連続降級で現在C1に所属しています。
そこで、今期は少し自分のスタイルを変化させてみようかと考えています。

毎週恒例の練習会では、気になる局があった場合はタンパイ(終局後に手牌を公開する)をしたりして対局者の思考を聞いたりします。
時間に限りがあるために毎回毎回はできませんので、気になる牌姿があった場合にはカメラで撮影して後からみんなで考える時間を設けています。
今回は第34期新人王の山下将浩プロの牌姿を題材にしてみようと思います。

状況は東2局南家4巡目の手牌です。

 

 

東2局0本場 南家 山下将浩 27,400点 4巡目

一万二万四万五万五万六万七万三索五索七索五筒五筒六筒  ツモ七万  ドラ一万

普段から打牌選択の早い山下が珍しく少考します。
捨て牌と得点状況は

東家 浜上 32,600点

北九索八万九万

南家 山下 27,400点

北一筒九万

西家 吉田 30,000点

南中発

北家 安東 30,000点

西西一筒

練習会が終了した後は反省会となるわけですが、今回の選択肢は

五筒
一万
二万

と分かれました。
今までの私の打牌選択は五筒以外考えられない。でしたが・・・
理想は

一万一万四万五万五万六万七万五索六索七索五筒六筒七筒

このピンフ、三色、ドラ2や

四万四万五万五万六万七万七万三索四索五索五筒六筒七筒

このタンヤオ、ピンフ、高めイーペーコーなどで高打点が狙えるようにしたいものです。
あれ?3巡目に九万捨てているけど・・・
仮に3巡目に九万を捨てていないと仮定すると打五筒として

一万二万四万五万五万六万七万九万三索五索七索五筒五筒六筒  打五筒  ドラ一万

このように構えて、一気通貫狙いで手を進行させます。
4巡目に

一万二万四万五万五万六万七万九万三索五索七索五筒六筒  ツモ七万  ドラ一万

この牌姿になっていて、愚形残りとはいえマンズの一気通貫と567三色ねらいで一万二万は選択されることなく七万ツモ切りの場面だと思います。
今回は3巡目に九万を捨てていることで牌姿は

一万二万四万五万五万六万七万三索五索七索五筒五筒六筒  ツモ七万  ドラ一万

こうなっています。
それでは少し考えてみます。

五筒切りのメリットは567の三色を狙いつつ、ドラ一万ツモにも対応できる。デメリットは三色にならない場合に役無しになる可能性がある。
一万切りのメリットは567の三色、マンズのイーペーコーが狙え、役ありのテンパイが組める可能性が高い。デメリットはドラ一万ツモに対応できない。
二万切りのメリットは567の三色、マンズのイーペーコーが狙え、ドラ一万ツモにも対応できる。

上記の3つのどれを選択しても三色には対応できるので差がでるとすればデメリットの部分と考えます。
それを踏まえた上で今までの私は「3シャンテンでドラを切るとは何事だ!」と柔軟性に欠けていたと思います。
そこで私の選択は
ドラ一万二万の順番で捨てます。

理由とすると
①裏目の三万をツモっても立て直しできる。
②捨て牌が全体的におとなしい(ホンイツなどの一色手を狙っている人がいない可能性が高い)
③567の三色が見えているので打点は安定している。
④三色が崩れた場合でもタンヤオの役ありテンパイが組める。
⑤タンヤオもドラ1も同じ1翻なので先々危険になりそうなドラ付近は処理して守備の意識を持つ(捌きも含め)。
と今までの自分とは違う考え方にシフトし始めています。

昨年までは「3シャンテンでドラを切るとは何事だ!」と頭でっかちな考え方しか持ち合わせていませんでしたが、いざ勝負形になっていきドラターツを処理しにいったらそれが手痛い放銃になったケースも少なからずありました。
このようにヤオチュウ牌がドラのケースは理想の手牌にならなかった場合、リーチしても2,600点、ツモアガリしても1,000・2,000と打点にも魅力がない上に待ちも愚形と良い結果に繋がるとは思えません。
今まではドラと手役にこだわりすぎていたことで、全体の進行を遅くした上に、待ちの精度もさほど良くないということが勝負どころで負けてきたのだと考えます。
今期は特に打点がさほど変わらないのであれば、愚形のドラターツの見切りを早めにして待ちの良さにこだわりたいです。
実際にこの選択が正しいものなのかはまだまだ検証の必要性がありそうですが、多くの対局を観戦してドラの切り時を学び全体的な雀力アップに繋げたいと思います。

九州リーグ第2節にて和久津プロとの対戦予定です。
シフトチェンジした自分の力がどの程度通用するのか楽しみです!

中級/第135回:中級講座『今期のテーマ』 浜上 文吾

麻雀ファンの皆様、こんにちは!
九州本部の浜上です。
まずは九州本部に大ニュース!!
~タイガー中島杯~第19期皇帝位戦九州リーグAリーグに鳳凰位戦A1リーグ所属の和久津晶プロの参戦が決定しました!
 

 
2月に連盟チャンネルで放送された~タイガー中島杯~第18期皇帝位決定戦の解説をお願いしたこともありますが、以前の配信対局でない時の皇帝位決定戦にわざわざ東京から福岡まで観戦に来て、全対局終了後に多くのアドバイスしてもらったことがきっかけとなり今回の参戦となりました。
和久津プロの参戦で九州リーグ参加者のモチベーションが上がらないわけはありません。
毎週行っている私達の練習会も開幕戦間近ということもあり熱が入ります。
ふと自分のノートを見返してみて反省点がないか探してみました。
私の所属する九州リーグAリーグは今期は和久津プロを含め17名です。
年間10節40回戦終了時の上位4名のみが皇帝位決定戦に進出できるシステムです。
昨年の私の成績は
1位 14回
2位 10回
3位 10回
4位  6回
こうでトータルポイント+174.9P
平均着順2.20と順位率は良く4位の回数も少ない好成績だったため、それに満足してあまり反省する機会はありませんでした。
でもよく検証してみると、4位の時の素点が10,000点程度しか残っていないことが多いことに気づきました。
原因として、私は他の選手と比べると勝負をする機会が多い攻撃型です。なのでアガる回数も多ければ放銃回数も多いのです。
以前はそれでも良いと思っていましたが、2年前在籍していたB1リーグから連続降級で現在C1に所属しています。
そこで、今期は少し自分のスタイルを変化させてみようかと考えています。
毎週恒例の練習会では、気になる局があった場合はタンパイ(終局後に手牌を公開する)をしたりして対局者の思考を聞いたりします。
時間に限りがあるために毎回毎回はできませんので、気になる牌姿があった場合にはカメラで撮影して後からみんなで考える時間を設けています。
今回は第34期新人王の山下将浩プロの牌姿を題材にしてみようと思います。
状況は東2局南家4巡目の手牌です。
 

 
東2局0本場 南家 山下将浩 27,400点 4巡目
一万二万四万五万五万六万七万三索五索七索五筒五筒六筒  ツモ七万  ドラ一万
普段から打牌選択の早い山下が珍しく少考します。
捨て牌と得点状況は
東家 浜上 32,600点
北九索八万九万
南家 山下 27,400点
北一筒九万
西家 吉田 30,000点
南中発
北家 安東 30,000点
西西一筒
練習会が終了した後は反省会となるわけですが、今回の選択肢は
五筒
一万
二万
と分かれました。
今までの私の打牌選択は五筒以外考えられない。でしたが・・・
理想は
一万一万四万五万五万六万七万五索六索七索五筒六筒七筒
このピンフ、三色、ドラ2や
四万四万五万五万六万七万七万三索四索五索五筒六筒七筒
このタンヤオ、ピンフ、高めイーペーコーなどで高打点が狙えるようにしたいものです。
あれ?3巡目に九万捨てているけど・・・
仮に3巡目に九万を捨てていないと仮定すると打五筒として
一万二万四万五万五万六万七万九万三索五索七索五筒五筒六筒  打五筒  ドラ一万
このように構えて、一気通貫狙いで手を進行させます。
4巡目に
一万二万四万五万五万六万七万九万三索五索七索五筒六筒  ツモ七万  ドラ一万
この牌姿になっていて、愚形残りとはいえマンズの一気通貫と567三色ねらいで一万二万は選択されることなく七万ツモ切りの場面だと思います。
今回は3巡目に九万を捨てていることで牌姿は
一万二万四万五万五万六万七万三索五索七索五筒五筒六筒  ツモ七万  ドラ一万
こうなっています。
それでは少し考えてみます。
五筒切りのメリットは567の三色を狙いつつ、ドラ一万ツモにも対応できる。デメリットは三色にならない場合に役無しになる可能性がある。
一万切りのメリットは567の三色、マンズのイーペーコーが狙え、役ありのテンパイが組める可能性が高い。デメリットはドラ一万ツモに対応できない。
二万切りのメリットは567の三色、マンズのイーペーコーが狙え、ドラ一万ツモにも対応できる。
上記の3つのどれを選択しても三色には対応できるので差がでるとすればデメリットの部分と考えます。
それを踏まえた上で今までの私は「3シャンテンでドラを切るとは何事だ!」と柔軟性に欠けていたと思います。
そこで私の選択は
ドラ一万二万の順番で捨てます。
理由とすると
①裏目の三万をツモっても立て直しできる。
②捨て牌が全体的におとなしい(ホンイツなどの一色手を狙っている人がいない可能性が高い)
③567の三色が見えているので打点は安定している。
④三色が崩れた場合でもタンヤオの役ありテンパイが組める。
⑤タンヤオもドラ1も同じ1翻なので先々危険になりそうなドラ付近は処理して守備の意識を持つ(捌きも含め)。
と今までの自分とは違う考え方にシフトし始めています。
昨年までは「3シャンテンでドラを切るとは何事だ!」と頭でっかちな考え方しか持ち合わせていませんでしたが、いざ勝負形になっていきドラターツを処理しにいったらそれが手痛い放銃になったケースも少なからずありました。
このようにヤオチュウ牌がドラのケースは理想の手牌にならなかった場合、リーチしても2,600点、ツモアガリしても1,000・2,000と打点にも魅力がない上に待ちも愚形と良い結果に繋がるとは思えません。
今まではドラと手役にこだわりすぎていたことで、全体の進行を遅くした上に、待ちの精度もさほど良くないということが勝負どころで負けてきたのだと考えます。
今期は特に打点がさほど変わらないのであれば、愚形のドラターツの見切りを早めにして待ちの良さにこだわりたいです。
実際にこの選択が正しいものなのかはまだまだ検証の必要性がありそうですが、多くの対局を観戦してドラの切り時を学び全体的な雀力アップに繋げたいと思います。
九州リーグ第2節にて和久津プロとの対戦予定です。
シフトチェンジした自分の力がどの程度通用するのか楽しみです!

第8期麻雀グランプリMAX決勝 最終日観戦記  前田 直哉

初日は前原劇場で終わった印象だが、この最終日は誰の日になるのか?そして全てが終わった時に頂点に立っているのは誰なのだろうか?まだ半分ある。ここから何が起こってもおかしくはない。

初日4回戦までの成績
前原雄大+61.4P 勝又健志+6.8P 森山茂和▲11.2P 藤崎智▲57.0P

 

100

 

5回戦(起家から勝又、藤崎、森山、前原)

まずは東2局森山の手牌がこうなる。

六万六万四索六索七索七索七索三筒三筒三筒五筒六筒七筒  ツモ二索  ドラ一筒

既に五索待ちでのタンヤオテンパイを入れていたがここに二索を持ってくる。捨て牌には三索が2枚切れているがここは六索切りを選択する。これは三索でのアガリを期待してではなく、二索四索の重なりを見ての一打である。手役アーティストと言われるほど常に手役を考えての進行であるがこれが見事に成就する。2巡後に六万を暗刻にして二索単騎待ちに受ける。もちろん二索を切れば3面待ちになるがこの手はあくまで三暗刻にしたいという思いが伝わってくる。だがそこへドラドラでのテンパイを入れた前原がリーチとくる。

二万二万二万三万四万五万五索六索一筒一筒六筒七筒八筒  リーチ

更に勝又も白を鳴いてここに参戦してくる。

三索四索四索五索五索六索一筒二筒七筒七筒  ポン白白白 

だがこの仕掛けで引かされたのは二索。前原には比較的安全そうに見えたがこれを森山が捉え6,400を手にする。

 

100

 

六万六万六万二索七索七索七索三筒三筒三筒五筒六筒七筒  ロン二索 

ここまでかなり苦しい展開になっている藤崎も黙ってはいない。次局の東3局、5巡目に早くもテンパイ。

一万二万三万四万四万五索五索六索六索六索中中中  ドラ発

ここはリーチかと思いきや、更なる上を目指してのヤミテンとした。そして10巡目に二万を持ってきて一万切りとする。待ちである三万は既に山に残っていないため、逆に四暗刻への期待が高まる。だが終盤に形式テンパイを入れようと前原が仕掛けて三万が出て行ってしまう。打点こそ3,200だが、トップをひた走る前原からの直撃は3者にとっては良いアガリとなった。そして今度は勝又がアガリをものにする。

二万三万四万二索三索四索七索八索九索四筒五筒六筒六筒  ツモ六筒  ドラ四索

タンヤオに振り替わればリーチもあるだろうが、ここはキッチリと前原の親番を流していく。これで東場が終わり、前原はアガリの無いままラス目。3者にとってはイメージ通りの展開だろう。
だがこの男は黙っていない。南1局1枚目の中を鳴いて、その後四万もポンをしてテンパイを入れた。

六万七万四筒五筒六筒北北  ポン四万 上向き四万 上向き四万 上向き  ポン中中中  ドラ二索

打点こそ無いがここは一旦アガリを取りに行く姿勢を見せようというところか。だがそうはさせまいと藤崎が3枚目の六索をチーしてテンパイ。

一万二万一索二索三索七索八索九索七筒七筒  チー六索 左向き四索 上向き五索 上向き  ドラ二索

面前で進めたいところだが、前原に持って行かれまいとスピードを合わせる。しかし11巡目に前原のアタリ牌である五万を引かされ、しばらく考えた後スッと七索を抜いた。ここはさすがである。だが結果前原の1人テンパイとなりまずはラス目から抜け出す。そして南2局は勝又が仕掛けて牽制するも、前原が丁寧に手を進めテンパイを果たす。これに3者は対応しながらも手を進めるがまたしても前原の1人テンパイ。ここまでアガリは1度も無いが2局連続の1人テンパイだけで原点復帰を果たしてしまう。
そして南3局まずテンパイを入れたのは森山。

一万三万四万五万六万七万八万九万三索四索五索一筒一筒  ドラ三万

打点も十分ここはヤミテンとした。そして同巡勝又もテンパイを入れる。

六万七万八万四索四索六索六索七索七索七索八索白白  ツモ五索 

七索を切れば白四索のシャンポン待ちだが八索を切ればイーペーコーとなる。ここは八索を切って後者を選択する。ここに次巡前原もテンパイを入れる。

七万八万四索五索六索二筒二筒三筒三筒四筒五筒五筒白  ツモ四筒 

打ち出される牌は白、シャンポン待ちなら勝又が捉えていた牌だ。それを見て勝又はツモ切りリーチとする!ここはなんとしてでも前原を沈めたいのと、白を切られたことで危険を感じたのだろう。これに前原はドラを持ってくるが一歩も引かないと、当たり前のように切り飛ばす!そして終局間際に勝又が二万を持ってきて森山への放銃となった。

一万三万四万五万六万七万八万九万三索四索五索一筒一筒  ロン二万

勝又にとってはアガリ逃しもあり、前原を追う一番手として手痛い放銃となってしまった。更に森山は畳み掛ける。次はなんとダブりー!ここもドラドラの1シャンテンとなった勝又がこれに捕まってしまう。

三万三万五万六万七万一筒二筒三筒四筒五筒六筒六筒七筒  ダブルリーチ  ロン五筒  ドラ八万

次局は森山が5,800のテンパイを入れるがここは前原がアガリをものにして連荘を終わらせた。オーラスには勝又がツモれば倍満のリーチをして意地を見せるが流局し、5回戦は終了した。

5回戦成績 
森山茂和+25.9P 前原雄大+11.4P 藤崎智▲4.2P 勝又健志▲33.1P

5回戦終了時 
前原雄大+72.8P 森山茂和+13.7P 勝又健志▲26.3P 藤崎智▲61.2P

6回戦(起家から勝又、藤崎、前原、森山)

まずは開局を前原が制す。

 

100

 

三万四万五万三索四索五索六索六索六索七索七索三筒四筒  ツモ二筒  ドラ東

三色こそならなかったがこれをアッサリとツモり精神的にもかなり嬉しいアガリである。東場は前原が攻撃の姿勢を崩さず、リードしたまま南入する。なんとか3者に意地を見せて欲しい!そう思っていると南2局3巡目に森山の手がこうなる。

二万三万六万七万南南西白白白発発中  ドラ六万

最低でも満貫は狙える大物手だ!出来れば前原からアガリたいところであろう。そしてすぐに南が打たれる。当然ポンするのかと思いきやこれをスルー。重い!凄まじく重い!こうすることによってテンパイ後に前原から南が打たれる可能性もあるし、ここまでのツモが効いているのでまだ鳴きを入れたくなかったのだろう。そして7巡目に持って来た暗刻の白をそのままツモ切る。本手なだけにここは繊細な一打だ。だが先にテンパイを入れたのは前原。

四万六万二索二索八索八索八索四筒五筒六筒六筒七筒八筒 

その後八万を持ってきて七万待ちにするが森山も仕掛けを入れて追いつく。

六万七万南南白白白  チー四万 左向き二万 上向き三万 上向き  ポン発発発 

すると今度は勝又も負けまいとドラを引いてリーチとした。

三万四万四万五万五万六万二索三索五索五索七筒八筒九筒  リーチ

その同巡藤崎も絶好の六索を引き追いかけリーチ!

五万六万一索二索三索五索六索七索一筒一筒五筒六筒七筒  リーチ

これで4者テンパイ!結果はすぐに出た。勝又が四索をツモリあげこの大勝負を制した。
その勝又が南3局でもドラを重ねて先制リーチと来た。

一万二万三万四万四万二索三索四索一筒二筒三筒八筒八筒  リーチ  ドラ四万

ここはツモって前原に親被りをさせたいところではある。しかしここ森山でが西を鳴いて追いつく。

二万三万四万四万五万六万七万八万九万九万  ポン西西西 

そこに勝又が六万を掴んで7,700の放銃となった。そして迎えたオーラス、20,900点持ちの勝又が高目ツモなら跳満となるリーチをする。

四万五万六万一索二索三索四索五索六索二筒二筒四筒五筒  ドラ六万

それを受けて親の森山の手牌がこうなる。

四万四万六万七万六索七索五筒六筒六筒七筒八筒西西西 

この状況でリーチと来るからには打点があることはわかる。オリる選択ももちろんあるがここは優勝するためにはなんとしてでも連荘したいところ。そして悩んだ末に選んだ牌は六筒であった。高目放銃…の牌だが勝又はこれを見逃す。ここで森山からアガれば前原のトップで終わりほぼ優勝は決まってしまう為、当然のスルーである。追いかける立場となってしまってはこうする他ないのである。これで森山にチャンスが来たと思いきや、勝又が持って来た牌は六筒であった!諦めない気持ちがこの跳満を呼び込んだに違いない。これでラスから一気にトップまで行き6回戦が終了した。

 

100

 

6回戦成績 
勝又健志+10.9P 前原雄大+5.5P 森山茂和+3.3P 藤崎智▲80.9P

6回戦終了時 
前原雄大+78.3P 森山茂和+17.0P 勝又健志▲15.4P 藤崎智▲80.9P

皆戦っている、前原を捕まえようと必死に戦っている…だが前原の点棒が全く減らない。

7回戦(起家から前原、藤崎、森山、勝又)

小場で迎えた東4局親の勝又が先制リーチを入れる。

四万四万二索三索四索四索五索六索二筒二筒三筒三筒四筒  リーチ  ドラ中

この親でなんとかポイントを大きく伸ばしたいところだが前原もそうはさせまいと仕掛けてテンパイを入れる。

五万六万七万六索六索七索七索八索中中  ポン白白白 

次巡にはドラの中を持ってくるが、五索八索待ちに自信があるのかここは中をツモ切る。更に森山もこれに追いつく。

三万四万四万五万六万七万七万八万八万九万  暗カン牌の背一万 上向き一万 上向き牌の背 

待ちこそ悪いが跳満のテンパイである。だがここも前原がキッチリ五索をツモリ2人のチャンス手を潰してしまった。
南2局、森山が一気にホンイツへと手を進め、7巡目にテンパイを入れる。

一万二万二万三万四万七万八万九万南南南発発  ドラ一万

南家なので出アガリでも跳満だ。ここは前原からの直撃が欲しいところだが、前原も欲しい牌である。その後六万を引き一通も付いて倍満に変化!すると前原もドラを暗刻にしてリーチ!

一万一万一万二万三万四万七万八万二索三索四索六索六索 

大勝負となった!!と、同時に森山が自身の捨て牌を整理し、前にある山を少し下げる。これは…!出るぞ!アトミックリーチ炸裂するぞ!期待に胸が膨らむ。そして森山が切る動作を期待していたら…持って来た牌は五万であった。

一万二万三万四万六万七万八万九万南南南発発  ツモ五万  ドラ一万

見たかった…アトミックリーチが見たかった。しかし倍満で一気にこの半荘トップ目に立った。この現状でのトータルポイントは40ポイント強まで縮まる。そして持って来た親番で更なる加点と思っていると、前原がキッチリ1,000点で終わらせた。そしてオーラスも七対子をアガリ浮きのまま7回戦を終了した。

7回戦成績 
森山茂和+24.4P 前原雄大+7.6P 藤崎智▲8.1P 勝又健志▲23.9P

7回戦終了時 
前原雄大+85.9P 森山茂和+41.4P 勝又健志▲39.3P 藤崎智▲89.0P

ついに残り一戦となった。それにしても前原が安定している。だが森山とのポイント差は44.5Pとかなり面白くなってきた。勝又、藤崎はかなり厳しい条件での最終戦となる。

最終戦(起家から森山、勝又、藤崎、前原)

東1局まず前原が森山の親番をさらっと流し、迎えた東2局に藤崎からリーチが入る。

 

100

 

七万八万九万八索九索五筒五筒六筒七筒七筒八筒八筒九筒  ドラ一筒

この状況、親番でもない藤崎のリーチなので安いはずもない。だが前原もテンパイを入れると無筋の二万、更にはドラまでをも切り飛ばしていく。この姿勢が前原雄大という男なのである。ここは藤崎がツモるがこれで一局消化なら前原としても悪くない。東3局も前原は森山から2,000をアガリ原点復帰。そして迎えた東4局終盤に森山にテンパイが入る。

四万四万五万五万八万八万九万九万東西西白発  ツモ東  ドラ五万

残りツモ番はハイテイの1回のみ。白発も2枚切れだがここはノータイムで発を切って白待ちを選択する。ツモれば倍満となり、前原が親被りとなるためポイントがかなり詰まるところだ!森山がハイテイ牌に手を伸ばす!!そして山から持って来た牌はなんと皮肉にも発であった。苦悶の表情を浮かべながらツモ切る…開けられた手牌を見て前原はどう思っただろう。次局は藤崎が異様な捨て牌からリーチ。3者は慎重にオリるが藤崎がツモ。

一万二万三万八万九万一索二索三索一筒二筒三筒中中  リーチ  ツモ七万  ドラ一索

この手がもっと早くアガれていれば…藤崎ももどかしく思っているに違いない。これで前原が跳満を親被りとなり東場は終了。いよいよ南入し、森山の最後の親番を迎える。まずは連荘に成功して1本場、ついに森山渾身のリーチが入る。

七万七万八万八万九万九万二索二索七索七索二筒白白  ドラ二索

これをツモれば前原の背中がグッと近くなる。二筒は1枚切れているが残り2枚は山にいる!前原も役無しではあるがテンパイを入れて無筋を切っていく。「会長、私も一歩も引きませんよ」そう声が聞こえてくるようであった。結局森山の手に二筒は訪れることなく流局した。2本場には勝又が国士無双をテンパイするがこれも流局し、森山もテンパイを取ることが出来ずにかなり厳しい状況となり、結果このまま危なげなく局が進み前原が第8期麻雀グランプリMAXの勝者へと輝いた。

最終戦成績 
藤崎智+20.6P 前原雄大+13.9P 勝又健志▲14.9P 森山茂和▲19.6P

最終戦終了時 
前原雄大+99.8P 森山茂和+21.8P 勝又健志▲54.2P 藤崎智▲68.4P

終わってみれば前原の圧勝となったがそれぞれに見せ場のある戦いだった。試合後に前原に勝因を聞いてみた。

「もちろん稽古はしてきたけど、なによりもアタリ牌を持って来ないんだよ」

呆れてこれ以上は聞く気になれなかった(笑)だが、実際今回の決勝ではアタリ牌を掴むことは少なく、他3者が前原のアタリ牌を掴まされ回ることを余儀なくされていた印象がある。
だがあれだけ前に出て戦っているからこそ、そのような展開になるようにも思える。無謀な戦いに思えても前原にとっては必然の戦いなのかもしれない。
鳳凰位を連覇し更にグランプリまで獲り、どこまで強くなるのだろうか。日本プロ麻雀連盟にはずっと一線を走り続けるレジェンドが数多くいる。これは本当に有り難いことだと思うし、尊敬に値する。だがいつかこの大きな壁を乗り越えなければならないし、今度は自分が大きな壁とならなければならない。この決勝を見て感じたことは人それぞれだろうが、若手プロには面白かったでは無く、この決勝の舞台に上がれないことを悔しく思ってもらいたいと思う。決勝での経験は決勝でしか味わえないのである。そしてその経験がまた己を強くする。いよいよ2018年度の戦いが続いていくが、その全てがこの舞台に繋がっているのである。

 

100

 

グランプリ 決勝観戦記/第8期麻雀グランプリMAX決勝 最終日観戦記  前田 直哉

初日は前原劇場で終わった印象だが、この最終日は誰の日になるのか?そして全てが終わった時に頂点に立っているのは誰なのだろうか?まだ半分ある。ここから何が起こってもおかしくはない。
初日4回戦までの成績
前原雄大+61.4P 勝又健志+6.8P 森山茂和▲11.2P 藤崎智▲57.0P
 
100
 
5回戦(起家から勝又、藤崎、森山、前原)
まずは東2局森山の手牌がこうなる。
六万六万四索六索七索七索七索三筒三筒三筒五筒六筒七筒  ツモ二索  ドラ一筒
既に五索待ちでのタンヤオテンパイを入れていたがここに二索を持ってくる。捨て牌には三索が2枚切れているがここは六索切りを選択する。これは三索でのアガリを期待してではなく、二索四索の重なりを見ての一打である。手役アーティストと言われるほど常に手役を考えての進行であるがこれが見事に成就する。2巡後に六万を暗刻にして二索単騎待ちに受ける。もちろん二索を切れば3面待ちになるがこの手はあくまで三暗刻にしたいという思いが伝わってくる。だがそこへドラドラでのテンパイを入れた前原がリーチとくる。
二万二万二万三万四万五万五索六索一筒一筒六筒七筒八筒  リーチ
更に勝又も白を鳴いてここに参戦してくる。
三索四索四索五索五索六索一筒二筒七筒七筒  ポン白白白 
だがこの仕掛けで引かされたのは二索。前原には比較的安全そうに見えたがこれを森山が捉え6,400を手にする。
 
100
 
六万六万六万二索七索七索七索三筒三筒三筒五筒六筒七筒  ロン二索 
ここまでかなり苦しい展開になっている藤崎も黙ってはいない。次局の東3局、5巡目に早くもテンパイ。
一万二万三万四万四万五索五索六索六索六索中中中  ドラ発
ここはリーチかと思いきや、更なる上を目指してのヤミテンとした。そして10巡目に二万を持ってきて一万切りとする。待ちである三万は既に山に残っていないため、逆に四暗刻への期待が高まる。だが終盤に形式テンパイを入れようと前原が仕掛けて三万が出て行ってしまう。打点こそ3,200だが、トップをひた走る前原からの直撃は3者にとっては良いアガリとなった。そして今度は勝又がアガリをものにする。
二万三万四万二索三索四索七索八索九索四筒五筒六筒六筒  ツモ六筒  ドラ四索
タンヤオに振り替わればリーチもあるだろうが、ここはキッチリと前原の親番を流していく。これで東場が終わり、前原はアガリの無いままラス目。3者にとってはイメージ通りの展開だろう。
だがこの男は黙っていない。南1局1枚目の中を鳴いて、その後四万もポンをしてテンパイを入れた。
六万七万四筒五筒六筒北北  ポン四万 上向き四万 上向き四万 上向き  ポン中中中  ドラ二索
打点こそ無いがここは一旦アガリを取りに行く姿勢を見せようというところか。だがそうはさせまいと藤崎が3枚目の六索をチーしてテンパイ。
一万二万一索二索三索七索八索九索七筒七筒  チー六索 左向き四索 上向き五索 上向き  ドラ二索
面前で進めたいところだが、前原に持って行かれまいとスピードを合わせる。しかし11巡目に前原のアタリ牌である五万を引かされ、しばらく考えた後スッと七索を抜いた。ここはさすがである。だが結果前原の1人テンパイとなりまずはラス目から抜け出す。そして南2局は勝又が仕掛けて牽制するも、前原が丁寧に手を進めテンパイを果たす。これに3者は対応しながらも手を進めるがまたしても前原の1人テンパイ。ここまでアガリは1度も無いが2局連続の1人テンパイだけで原点復帰を果たしてしまう。
そして南3局まずテンパイを入れたのは森山。
一万三万四万五万六万七万八万九万三索四索五索一筒一筒  ドラ三万
打点も十分ここはヤミテンとした。そして同巡勝又もテンパイを入れる。
六万七万八万四索四索六索六索七索七索七索八索白白  ツモ五索 
七索を切れば白四索のシャンポン待ちだが八索を切ればイーペーコーとなる。ここは八索を切って後者を選択する。ここに次巡前原もテンパイを入れる。
七万八万四索五索六索二筒二筒三筒三筒四筒五筒五筒白  ツモ四筒 
打ち出される牌は白、シャンポン待ちなら勝又が捉えていた牌だ。それを見て勝又はツモ切りリーチとする!ここはなんとしてでも前原を沈めたいのと、白を切られたことで危険を感じたのだろう。これに前原はドラを持ってくるが一歩も引かないと、当たり前のように切り飛ばす!そして終局間際に勝又が二万を持ってきて森山への放銃となった。
一万三万四万五万六万七万八万九万三索四索五索一筒一筒  ロン二万
勝又にとってはアガリ逃しもあり、前原を追う一番手として手痛い放銃となってしまった。更に森山は畳み掛ける。次はなんとダブりー!ここもドラドラの1シャンテンとなった勝又がこれに捕まってしまう。
三万三万五万六万七万一筒二筒三筒四筒五筒六筒六筒七筒  ダブルリーチ  ロン五筒  ドラ八万
次局は森山が5,800のテンパイを入れるがここは前原がアガリをものにして連荘を終わらせた。オーラスには勝又がツモれば倍満のリーチをして意地を見せるが流局し、5回戦は終了した。
5回戦成績 
森山茂和+25.9P 前原雄大+11.4P 藤崎智▲4.2P 勝又健志▲33.1P
5回戦終了時 
前原雄大+72.8P 森山茂和+13.7P 勝又健志▲26.3P 藤崎智▲61.2P
6回戦(起家から勝又、藤崎、前原、森山)
まずは開局を前原が制す。
 
100
 
三万四万五万三索四索五索六索六索六索七索七索三筒四筒  ツモ二筒  ドラ東
三色こそならなかったがこれをアッサリとツモり精神的にもかなり嬉しいアガリである。東場は前原が攻撃の姿勢を崩さず、リードしたまま南入する。なんとか3者に意地を見せて欲しい!そう思っていると南2局3巡目に森山の手がこうなる。
二万三万六万七万南南西白白白発発中  ドラ六万
最低でも満貫は狙える大物手だ!出来れば前原からアガリたいところであろう。そしてすぐに南が打たれる。当然ポンするのかと思いきやこれをスルー。重い!凄まじく重い!こうすることによってテンパイ後に前原から南が打たれる可能性もあるし、ここまでのツモが効いているのでまだ鳴きを入れたくなかったのだろう。そして7巡目に持って来た暗刻の白をそのままツモ切る。本手なだけにここは繊細な一打だ。だが先にテンパイを入れたのは前原。
四万六万二索二索八索八索八索四筒五筒六筒六筒七筒八筒 
その後八万を持ってきて七万待ちにするが森山も仕掛けを入れて追いつく。
六万七万南南白白白  チー四万 左向き二万 上向き三万 上向き  ポン発発発 
すると今度は勝又も負けまいとドラを引いてリーチとした。
三万四万四万五万五万六万二索三索五索五索七筒八筒九筒  リーチ
その同巡藤崎も絶好の六索を引き追いかけリーチ!
五万六万一索二索三索五索六索七索一筒一筒五筒六筒七筒  リーチ
これで4者テンパイ!結果はすぐに出た。勝又が四索をツモリあげこの大勝負を制した。
その勝又が南3局でもドラを重ねて先制リーチと来た。
一万二万三万四万四万二索三索四索一筒二筒三筒八筒八筒  リーチ  ドラ四万
ここはツモって前原に親被りをさせたいところではある。しかしここ森山でが西を鳴いて追いつく。
二万三万四万四万五万六万七万八万九万九万  ポン西西西 
そこに勝又が六万を掴んで7,700の放銃となった。そして迎えたオーラス、20,900点持ちの勝又が高目ツモなら跳満となるリーチをする。
四万五万六万一索二索三索四索五索六索二筒二筒四筒五筒  ドラ六万
それを受けて親の森山の手牌がこうなる。
四万四万六万七万六索七索五筒六筒六筒七筒八筒西西西 
この状況でリーチと来るからには打点があることはわかる。オリる選択ももちろんあるがここは優勝するためにはなんとしてでも連荘したいところ。そして悩んだ末に選んだ牌は六筒であった。高目放銃…の牌だが勝又はこれを見逃す。ここで森山からアガれば前原のトップで終わりほぼ優勝は決まってしまう為、当然のスルーである。追いかける立場となってしまってはこうする他ないのである。これで森山にチャンスが来たと思いきや、勝又が持って来た牌は六筒であった!諦めない気持ちがこの跳満を呼び込んだに違いない。これでラスから一気にトップまで行き6回戦が終了した。
 
100
 
6回戦成績 
勝又健志+10.9P 前原雄大+5.5P 森山茂和+3.3P 藤崎智▲80.9P
6回戦終了時 
前原雄大+78.3P 森山茂和+17.0P 勝又健志▲15.4P 藤崎智▲80.9P
皆戦っている、前原を捕まえようと必死に戦っている…だが前原の点棒が全く減らない。
7回戦(起家から前原、藤崎、森山、勝又)
小場で迎えた東4局親の勝又が先制リーチを入れる。
四万四万二索三索四索四索五索六索二筒二筒三筒三筒四筒  リーチ  ドラ中
この親でなんとかポイントを大きく伸ばしたいところだが前原もそうはさせまいと仕掛けてテンパイを入れる。
五万六万七万六索六索七索七索八索中中  ポン白白白 
次巡にはドラの中を持ってくるが、五索八索待ちに自信があるのかここは中をツモ切る。更に森山もこれに追いつく。
三万四万四万五万六万七万七万八万八万九万  暗カン牌の背一万 上向き一万 上向き牌の背 
待ちこそ悪いが跳満のテンパイである。だがここも前原がキッチリ五索をツモリ2人のチャンス手を潰してしまった。
南2局、森山が一気にホンイツへと手を進め、7巡目にテンパイを入れる。
一万二万二万三万四万七万八万九万南南南発発  ドラ一万
南家なので出アガリでも跳満だ。ここは前原からの直撃が欲しいところだが、前原も欲しい牌である。その後六万を引き一通も付いて倍満に変化!すると前原もドラを暗刻にしてリーチ!
一万一万一万二万三万四万七万八万二索三索四索六索六索 
大勝負となった!!と、同時に森山が自身の捨て牌を整理し、前にある山を少し下げる。これは…!出るぞ!アトミックリーチ炸裂するぞ!期待に胸が膨らむ。そして森山が切る動作を期待していたら…持って来た牌は五万であった。
一万二万三万四万六万七万八万九万南南南発発  ツモ五万  ドラ一万
見たかった…アトミックリーチが見たかった。しかし倍満で一気にこの半荘トップ目に立った。この現状でのトータルポイントは40ポイント強まで縮まる。そして持って来た親番で更なる加点と思っていると、前原がキッチリ1,000点で終わらせた。そしてオーラスも七対子をアガリ浮きのまま7回戦を終了した。
7回戦成績 
森山茂和+24.4P 前原雄大+7.6P 藤崎智▲8.1P 勝又健志▲23.9P
7回戦終了時 
前原雄大+85.9P 森山茂和+41.4P 勝又健志▲39.3P 藤崎智▲89.0P
ついに残り一戦となった。それにしても前原が安定している。だが森山とのポイント差は44.5Pとかなり面白くなってきた。勝又、藤崎はかなり厳しい条件での最終戦となる。
最終戦(起家から森山、勝又、藤崎、前原)
東1局まず前原が森山の親番をさらっと流し、迎えた東2局に藤崎からリーチが入る。
 
100
 
七万八万九万八索九索五筒五筒六筒七筒七筒八筒八筒九筒  ドラ一筒
この状況、親番でもない藤崎のリーチなので安いはずもない。だが前原もテンパイを入れると無筋の二万、更にはドラまでをも切り飛ばしていく。この姿勢が前原雄大という男なのである。ここは藤崎がツモるがこれで一局消化なら前原としても悪くない。東3局も前原は森山から2,000をアガリ原点復帰。そして迎えた東4局終盤に森山にテンパイが入る。
四万四万五万五万八万八万九万九万東西西白発  ツモ東  ドラ五万
残りツモ番はハイテイの1回のみ。白発も2枚切れだがここはノータイムで発を切って白待ちを選択する。ツモれば倍満となり、前原が親被りとなるためポイントがかなり詰まるところだ!森山がハイテイ牌に手を伸ばす!!そして山から持って来た牌はなんと皮肉にも発であった。苦悶の表情を浮かべながらツモ切る…開けられた手牌を見て前原はどう思っただろう。次局は藤崎が異様な捨て牌からリーチ。3者は慎重にオリるが藤崎がツモ。
一万二万三万八万九万一索二索三索一筒二筒三筒中中  リーチ  ツモ七万  ドラ一索
この手がもっと早くアガれていれば…藤崎ももどかしく思っているに違いない。これで前原が跳満を親被りとなり東場は終了。いよいよ南入し、森山の最後の親番を迎える。まずは連荘に成功して1本場、ついに森山渾身のリーチが入る。
七万七万八万八万九万九万二索二索七索七索二筒白白  ドラ二索
これをツモれば前原の背中がグッと近くなる。二筒は1枚切れているが残り2枚は山にいる!前原も役無しではあるがテンパイを入れて無筋を切っていく。「会長、私も一歩も引きませんよ」そう声が聞こえてくるようであった。結局森山の手に二筒は訪れることなく流局した。2本場には勝又が国士無双をテンパイするがこれも流局し、森山もテンパイを取ることが出来ずにかなり厳しい状況となり、結果このまま危なげなく局が進み前原が第8期麻雀グランプリMAXの勝者へと輝いた。
最終戦成績 
藤崎智+20.6P 前原雄大+13.9P 勝又健志▲14.9P 森山茂和▲19.6P
最終戦終了時 
前原雄大+99.8P 森山茂和+21.8P 勝又健志▲54.2P 藤崎智▲68.4P
終わってみれば前原の圧勝となったがそれぞれに見せ場のある戦いだった。試合後に前原に勝因を聞いてみた。
「もちろん稽古はしてきたけど、なによりもアタリ牌を持って来ないんだよ」
呆れてこれ以上は聞く気になれなかった(笑)だが、実際今回の決勝ではアタリ牌を掴むことは少なく、他3者が前原のアタリ牌を掴まされ回ることを余儀なくされていた印象がある。
だがあれだけ前に出て戦っているからこそ、そのような展開になるようにも思える。無謀な戦いに思えても前原にとっては必然の戦いなのかもしれない。
鳳凰位を連覇し更にグランプリまで獲り、どこまで強くなるのだろうか。日本プロ麻雀連盟にはずっと一線を走り続けるレジェンドが数多くいる。これは本当に有り難いことだと思うし、尊敬に値する。だがいつかこの大きな壁を乗り越えなければならないし、今度は自分が大きな壁とならなければならない。この決勝を見て感じたことは人それぞれだろうが、若手プロには面白かったでは無く、この決勝の舞台に上がれないことを悔しく思ってもらいたいと思う。決勝での経験は決勝でしか味わえないのである。そしてその経験がまた己を強くする。いよいよ2018年度の戦いが続いていくが、その全てがこの舞台に繋がっているのである。
 
100
 

第8期麻雀グランプリMAX決勝 初日観戦記  前田 直哉

街路樹の桜はもうちらほらと咲き始めている。2017年度を締めくくる第8期グランプリMAX決勝はうららかな日におこなわれた。2017年度に各試合にポイントが決められ、そのトータルポイント上位がこのタイトル戦に参戦出来る仕組みである。いわば今年度活躍した者達が最後のタイトル戦に挑むこととなる。ベスト16、ベスト8、どの試合も見どころが多くその中を勝ち上がってきた4名がここ夏目坂スタジオに出揃った。今年度の決勝メンバーは日本プロ麻雀連盟会長の森山茂和、現鳳凰位の前原雄大、現十段位の藤崎智、第32期鳳凰位の勝又健志の4名で行われる。誰が勝ってもおかしくない豪華な顔ぶれとなった今期、面白い試合になるのは間違いないであろう。

対局当日、試合前の様子は穏やかな雰囲気だったように感じた。だが逆に胸の内に秘めた想いは各自あるようにも思えた。

 

100

 

 

1回戦(起親から、前原・勝又・藤崎・森山)

序盤は静かな展開で進み迎えた東4局、遂に意地と意地をかけた戦いが始まった。まずは勝又が絶好の五索を引いて先制リーチとする。

 

100

 

二万三万四万四索五索六索七索八索五筒六筒七筒八筒八筒  リーチ  ドラ七筒

そこへドラを重ねてテンパイを入れた親の森山も参戦し、ここは一旦ヤミテンにかまえる。

二万二万三万三万四万四万六万六万五索六索六索七筒七筒

さらに役牌を仕掛けていた前原にもテンパイが入り、打点は無いが当たり前のように無筋を切り飛ばす。

七万七万七万七索七索一筒一筒一筒四筒五筒  ポン中中中  ドラ七筒

その前原の様子を見てか、次巡、森山が五索単騎のままツモ切りリーチといったのだ。出アガリでも18,000である!同巡前原も2人の無筋をまるで安全牌かのようにツモ切る。ここでアガッた者がこの半荘の主導権を握ることになるであろう、そして誰しもがそれを呼び込むために引くことをしない。結果ここを制したのは安めではあったが勝又が森山から3,900をアガる。これで勝又の半荘になるかと思いきや、そうはさせまいと親の前原から七対子ドラドラのリーチが入る。ここは流局となったが、次局の南1局1本場7巡目に前原の手がこうなる。

二索三索四索六索八索四筒五筒五筒白白白発発中  ドラ一索

ホンイツへと行きたいところだがここは親番でもあり、まだ1枚切れの中を切りだしていく。ここで一気に大物手を仕上げに行く人も多いであろう。しかし捨て牌にマンズが1メンツ並んでしまっている。
ここは無理してホンイツに行くのは厳しいだろうと感じての判断だったように思う。特に前原はこういうところに非常に繊細な打ち手である。そしてすぐ出た五筒をポンして白のみではあるが七索待ちのテンパイをいれる。この時誰があんな手に化けると思っていたであろうか…。その後8巡目にドラの一索を引いて五索待ちに変化。10巡目に森山もピンフのテンパイで追いつく。

六万七万七万八万九万九索九索六筒七筒七筒八筒八筒九筒

ここは森山のアガリとなるかと思っていると、前原は三索を引き二索五索のテンパイへと変化していく。そこへ今度はここまでジッと耐え忍んでいた藤崎もドラ単騎のテンパイを入れる。すると更に前原はドラを引き込み、あの手が12,000のテンパイへと変化するのだった。そこへ上手くまわりながらも手を進めていた勝又にもテンパイが入った。

五万五万五万六万六万一索二索二索二索三索北北北

これで4者テンパイ!またもやぶつかりあいとなった。いったい誰がアガるのか…すると森山が前原のアタリ牌である発を持ってきてしっかりと抑えてまわるが、次の前原が山から手繰り寄せた牌も発であった。

 

100

 

一索一索二索三索四索白白白発発  ポン五筒 上向き五筒 上向き五筒 上向き  ツモ発  ドラ一索

東4局ではアガリに繋がらなかったがあそこでしっかりと戦っているからこそ、この親番でのアガリに繋がっているように思えた。これを機に得点を5万点オーバーまでにするがここから3者も意地を見せ前原の得点を減らし1回戦は終了した。

1回戦成績
前原雄大+21.9P 勝又健志+5.6P 森山茂和▲10.0P 藤崎智▲17.5P

 

2回戦(起親から、勝又・森山・藤崎・前原)

東1局は1回戦トップの前原が8,000をアガリ更にポイントを伸ばしていく。

二索三索四索南南白白発発発  チー三万 左向き四万 上向き五万 上向き  ロン南  ドラ発

だが簡単には逃すまいと森山がここから怒涛の攻撃を仕掛ける。親番となった東2局、足止めと連荘の意味も含めこの形でリーチとする。

一万二万三万八万八万二索三索四索七索九索四筒五筒六筒  リーチ  ドラ三万

親番ということもあり流局でも良いというところだが、これに対して受けつつ進めていた前原もチンイツまで手が伸びドラの三万をも打ち出していく。そして一索をポンしてチンイツテンパイ。

二索三索四索五索六索六索七索七索八索八索  ポン一索 上向き一索 上向き一索 上向き  ツモ七索  打八索

さすがに流局かと思ったがツモ番の無くなった前原がここに七索を引き、手牌で最も安全そうに見えた八索がこれに当たってしまう。打点こそ3,900だがこれは前原にとって暗雲立ち込める放銃に思えた。東3局、親の藤崎が早々とドラの八索を切り十分形になる。対する森山もドラを重ねて一気に戦闘態勢へと入っていく。先にテンパイを入れたのは藤崎。

二万三万四万二索三索四索四筒五筒五筒六筒七筒白白  ドラ八索

打点こそないがここは連荘して波を一気に引き寄せたいところである。同巡、森山も藤崎のアタリ牌である三筒を重ねて七対子のテンパイを入れた。

 

100

 

一万一万三万三万九万一索一索八索八索三筒東西西  ツモ三筒  ドラ八索

東は初牌ではあるが藤崎の捨て牌と森山の捨て牌に六万が切られており、九万は絶好の待ちに見える。森山は東切りとしヤミテンを選択する。森山も来ているのはわかるがここはさすがの勝又でも九万を止めることは出来ずに見事に6,400の5本場で大きな加点となった。
6,400は7,900、南1局には7,700は8,000をアガリ55,600点までポイントを伸ばしていった。最後は藤崎が浮きを維持して1回戦プラスだった2人を沈めたまま終了した。

2回戦成績
森山茂和+29.9P 藤崎智+4.4P 前原雄大▲11.7P 勝又健志▲22.6P

2回戦終了時
森山茂和+19.9P 前原雄大+10.2P 藤崎智▲13.1P 勝又健志▲17.0P

 

3回戦(起家から、森山・藤崎・前原・勝又)

2回戦劣勢だった勝又が細かいアガリを織り交ぜながら徐々にポイントを伸ばしていく。南1局やっと打点もあり先手も取れた藤崎から先制のリーチが入る。

 

100

 

六万七万八万六索七索八索三筒三筒六筒七筒七筒八筒九筒  リーチ  ドラ九万

ここまで終始後手にまわされながらもジッと我慢してきた藤崎である。ベスト8でも序盤は2ラススタートだったがようやく掴んだアガリから見事に決勝まで駒を進めてきた。ここはなんとしてでもアガリをものにしたいところではあるが、このチャンスも勝又に躱されてしまう。だが南3局その藤崎にまたチャンスが訪れる。先にテンパイを入れたのは森山だが手変わり待ちでヤミテンにかまえる。そして13巡目に待望の九索を引き六索と入れ替えこの形になる。

一万二万三万九万九万一索二索三索七索八索九索七筒九筒  ドラ九筒

すると同巡、藤崎にもテンパイが入りリーチ!

三万四万五万五万六万七万七万八万六筒七筒八筒九筒九筒  リーチ

どちらも勝負手であるが前巡に切った八筒が助かっているだけ藤崎が有利か?どちらも是が非でもアガリに結び付けたいところである。しかし2人の望みは叶わず流局となってしまう。そして迎えたオーラス、親の勝又は加点のチャンスであり森山、前原としては浮きに回って終了したいところだ。最初にテンパイを入れたのは森山、役こそ無いがここで浮ければトータル2番手の前原を沈めたままポイントを離すことが出来る。だがこの半荘ずっとチャンスを伺っていた前原もついにテンパイを入れすぐさまリーチとした。

九万九万三索四索五索七索八索九索二筒三筒四筒白白  リーチ  ドラ九万

打点は十分であるが、リーチ棒を出したことで1人テンパイでも浮きにはならない。こうなると森山は流局してもテンパイなら浮きになる為なんとか凌ぎ切りたいところだが、すぐに持って来たのがアタリ牌でもあるドラの九万。ここは頭を落として迂回し七筒を引き入れ再びテンパイ。このへんは流石である。これでわからなくなったと思ったが、藤崎にもメンホンのテンパイが入ってしまう…打ち出される牌は白。この手をアガれば浮きにもなる為仕方ないが藤崎の不調が気にかかる。これにより前原が浮きにまわって3回戦は終了した。

3回戦成績
勝又健志+19.0P 前原雄大+10.8P 森山茂和▲4.5P 藤崎智▲25.3P

3回戦終了時
前原雄大+21.0P 森山茂和+15.4P 勝又健志+2.0P 藤崎智▲38.4P

トータルトップを奪い返した前原だが森山とのポイント差はほとんどない。勝又も十分射程圏内だが厳しくなったのは藤崎だ。勝負手が入る回数も少ないが、明らかに不調を感じずにはいられない。1日目の最終戦となるこの半荘は誰にとっても重要となるであろう。

 

4回戦(起家から、藤崎・森山・勝又・前原)

東1局親の藤崎が前原から2,900をアガると、今度は前原のリーチを躱して森山が3,900をヤミテンにしてアガリ、東2局には勝又がヤミテンで前原から8,000をアガった。この時点で前原は1人沈みで遂にはトータルマイナスまでいってしまう。普通の人なら精神的にもグラッときてこの半荘は厳しいものになりそうであるが、この人にはそのイメージが思い浮かばないのは私だけではないだろう。そしてそのイメージは現実のものとなる。

東3局南家の前原が南をポンしてこの形。

四万五万三索四索四索七索七筒八筒西白  ポン南南南  ドラ西

南が表示牌にあるとはいえ、この状況でこの牌姿で仕掛けて前に出るのはかなり勇気のいるものだと思える。この鳴きで更に悪くすることもあるだろうが、この状況だからこそジッとしていてはダメだと感じているのかもしれない。そしてドラの西を重ねて1シャンテンとすると白を打ち出しこれを親の勝又がポン。ホンイツのテンパイを入れ場が一気に緊迫する。

五索六索六索七索七索八索発  ポン白白白  ポン三索 上向き三索 上向き三索 上向き  ドラ西

それに対し前原も1シャンテンながらも生牌の北をも切り飛ばし、勝又から出た九筒をチーして危険牌である四索を切って追いついた。終盤になり発は山に無く、前原の欲しい二索五索も山に1枚となりさすがに流局かと思ったが、前原が伸ばしたハイテイ牌には待望の五索が眠っていたのだった。

四万五万六万三索四索西西  チー九筒 左向き七筒 上向き八筒 上向き  ポン南南南  ツモ五索

これで一気に26,000まで戻すがこれだけでは終わらなかった。次は藤崎から5,800、森山から1,500、更にテンパイ連荘をはさみヤミテンからの2,600オール。

三万四万五万二索二索五索六索一筒二筒三筒六筒七筒八筒  ツモ七索  ドラ二索

正直私にとってこの2,600オールのアガリがこの初日でかなり印象に残ったアガリであった。いつもの前原なら当然のリーチなのだが、前局なんとかテンパイはしたものの、アガリ逃しもあった為にヤミテンにしたのか、それともここで確実に5,800をアガることが3者にたいしてかなりのダメージになると考えたのか…。結果はツモったのだがこのアガリを見て対局者はどう感じただろうか?そしてここからもう一発2,600オール。

五万六万六万七万八万九万九万北北北  ポン発発発  ツモ七万  ドラ九索

ついさっきまで18,000しかなかったはずなのに気付けば5万点を超えていた。誰しもがこうならない為に注意し、最善策を考えていたはずである。だがこの連荘に立ち向かえども軍配は前原にあがっていった。そして南場に入っても攻撃の手を緩めることなく、終わってみれば62,400点の大トップで初日の最終戦を締めくくった。

4回戦成績
前原雄大+40.4P 勝又健志+4.8P 藤崎智▲18.6P 森山茂和▲26.6P

4回戦終了時
前原雄大+61.4P 勝又健志+6.8P 森山茂和▲11.2P 藤崎智▲57.0P

かなり縦長にポイントが広がってしまったが、まだ半分あると思うと明日の最終日は更に一波乱も二波乱も起こるに違いない。この4名ならきっと何かやってくれる、そう思わせるメンバーであり、このまま黙っているわけもない。それぞれが何を思い、何をして明日という日を迎えるのだろうか?目が離せない1日になりそうだ。

グランプリ 決勝観戦記/第8期麻雀グランプリMAX決勝 初日観戦記  前田 直哉

街路樹の桜はもうちらほらと咲き始めている。2017年度を締めくくる第8期グランプリMAX決勝はうららかな日におこなわれた。2017年度に各試合にポイントが決められ、そのトータルポイント上位がこのタイトル戦に参戦出来る仕組みである。いわば今年度活躍した者達が最後のタイトル戦に挑むこととなる。ベスト16、ベスト8、どの試合も見どころが多くその中を勝ち上がってきた4名がここ夏目坂スタジオに出揃った。今年度の決勝メンバーは日本プロ麻雀連盟会長の森山茂和、現鳳凰位の前原雄大、現十段位の藤崎智、第32期鳳凰位の勝又健志の4名で行われる。誰が勝ってもおかしくない豪華な顔ぶれとなった今期、面白い試合になるのは間違いないであろう。
対局当日、試合前の様子は穏やかな雰囲気だったように感じた。だが逆に胸の内に秘めた想いは各自あるようにも思えた。
 
100
 
 
1回戦(起親から、前原・勝又・藤崎・森山)
序盤は静かな展開で進み迎えた東4局、遂に意地と意地をかけた戦いが始まった。まずは勝又が絶好の五索を引いて先制リーチとする。
 
100
 
二万三万四万四索五索六索七索八索五筒六筒七筒八筒八筒  リーチ  ドラ七筒
そこへドラを重ねてテンパイを入れた親の森山も参戦し、ここは一旦ヤミテンにかまえる。
二万二万三万三万四万四万六万六万五索六索六索七筒七筒
さらに役牌を仕掛けていた前原にもテンパイが入り、打点は無いが当たり前のように無筋を切り飛ばす。
七万七万七万七索七索一筒一筒一筒四筒五筒  ポン中中中  ドラ七筒
その前原の様子を見てか、次巡、森山が五索単騎のままツモ切りリーチといったのだ。出アガリでも18,000である!同巡前原も2人の無筋をまるで安全牌かのようにツモ切る。ここでアガッた者がこの半荘の主導権を握ることになるであろう、そして誰しもがそれを呼び込むために引くことをしない。結果ここを制したのは安めではあったが勝又が森山から3,900をアガる。これで勝又の半荘になるかと思いきや、そうはさせまいと親の前原から七対子ドラドラのリーチが入る。ここは流局となったが、次局の南1局1本場7巡目に前原の手がこうなる。
二索三索四索六索八索四筒五筒五筒白白白発発中  ドラ一索
ホンイツへと行きたいところだがここは親番でもあり、まだ1枚切れの中を切りだしていく。ここで一気に大物手を仕上げに行く人も多いであろう。しかし捨て牌にマンズが1メンツ並んでしまっている。
ここは無理してホンイツに行くのは厳しいだろうと感じての判断だったように思う。特に前原はこういうところに非常に繊細な打ち手である。そしてすぐ出た五筒をポンして白のみではあるが七索待ちのテンパイをいれる。この時誰があんな手に化けると思っていたであろうか…。その後8巡目にドラの一索を引いて五索待ちに変化。10巡目に森山もピンフのテンパイで追いつく。
六万七万七万八万九万九索九索六筒七筒七筒八筒八筒九筒
ここは森山のアガリとなるかと思っていると、前原は三索を引き二索五索のテンパイへと変化していく。そこへ今度はここまでジッと耐え忍んでいた藤崎もドラ単騎のテンパイを入れる。すると更に前原はドラを引き込み、あの手が12,000のテンパイへと変化するのだった。そこへ上手くまわりながらも手を進めていた勝又にもテンパイが入った。
五万五万五万六万六万一索二索二索二索三索北北北
これで4者テンパイ!またもやぶつかりあいとなった。いったい誰がアガるのか…すると森山が前原のアタリ牌である発を持ってきてしっかりと抑えてまわるが、次の前原が山から手繰り寄せた牌も発であった。
 
100
 
一索一索二索三索四索白白白発発  ポン五筒 上向き五筒 上向き五筒 上向き  ツモ発  ドラ一索
東4局ではアガリに繋がらなかったがあそこでしっかりと戦っているからこそ、この親番でのアガリに繋がっているように思えた。これを機に得点を5万点オーバーまでにするがここから3者も意地を見せ前原の得点を減らし1回戦は終了した。
1回戦成績
前原雄大+21.9P 勝又健志+5.6P 森山茂和▲10.0P 藤崎智▲17.5P
 
2回戦(起親から、勝又・森山・藤崎・前原)
東1局は1回戦トップの前原が8,000をアガリ更にポイントを伸ばしていく。
二索三索四索南南白白発発発  チー三万 左向き四万 上向き五万 上向き  ロン南  ドラ発
だが簡単には逃すまいと森山がここから怒涛の攻撃を仕掛ける。親番となった東2局、足止めと連荘の意味も含めこの形でリーチとする。
一万二万三万八万八万二索三索四索七索九索四筒五筒六筒  リーチ  ドラ三万
親番ということもあり流局でも良いというところだが、これに対して受けつつ進めていた前原もチンイツまで手が伸びドラの三万をも打ち出していく。そして一索をポンしてチンイツテンパイ。
二索三索四索五索六索六索七索七索八索八索  ポン一索 上向き一索 上向き一索 上向き  ツモ七索  打八索
さすがに流局かと思ったがツモ番の無くなった前原がここに七索を引き、手牌で最も安全そうに見えた八索がこれに当たってしまう。打点こそ3,900だがこれは前原にとって暗雲立ち込める放銃に思えた。東3局、親の藤崎が早々とドラの八索を切り十分形になる。対する森山もドラを重ねて一気に戦闘態勢へと入っていく。先にテンパイを入れたのは藤崎。
二万三万四万二索三索四索四筒五筒五筒六筒七筒白白  ドラ八索
打点こそないがここは連荘して波を一気に引き寄せたいところである。同巡、森山も藤崎のアタリ牌である三筒を重ねて七対子のテンパイを入れた。
 
100
 
一万一万三万三万九万一索一索八索八索三筒東西西  ツモ三筒  ドラ八索
東は初牌ではあるが藤崎の捨て牌と森山の捨て牌に六万が切られており、九万は絶好の待ちに見える。森山は東切りとしヤミテンを選択する。森山も来ているのはわかるがここはさすがの勝又でも九万を止めることは出来ずに見事に6,400の5本場で大きな加点となった。
6,400は7,900、南1局には7,700は8,000をアガリ55,600点までポイントを伸ばしていった。最後は藤崎が浮きを維持して1回戦プラスだった2人を沈めたまま終了した。
2回戦成績
森山茂和+29.9P 藤崎智+4.4P 前原雄大▲11.7P 勝又健志▲22.6P
2回戦終了時
森山茂和+19.9P 前原雄大+10.2P 藤崎智▲13.1P 勝又健志▲17.0P
 
3回戦(起家から、森山・藤崎・前原・勝又)
2回戦劣勢だった勝又が細かいアガリを織り交ぜながら徐々にポイントを伸ばしていく。南1局やっと打点もあり先手も取れた藤崎から先制のリーチが入る。
 
100
 
六万七万八万六索七索八索三筒三筒六筒七筒七筒八筒九筒  リーチ  ドラ九万
ここまで終始後手にまわされながらもジッと我慢してきた藤崎である。ベスト8でも序盤は2ラススタートだったがようやく掴んだアガリから見事に決勝まで駒を進めてきた。ここはなんとしてでもアガリをものにしたいところではあるが、このチャンスも勝又に躱されてしまう。だが南3局その藤崎にまたチャンスが訪れる。先にテンパイを入れたのは森山だが手変わり待ちでヤミテンにかまえる。そして13巡目に待望の九索を引き六索と入れ替えこの形になる。
一万二万三万九万九万一索二索三索七索八索九索七筒九筒  ドラ九筒
すると同巡、藤崎にもテンパイが入りリーチ!
三万四万五万五万六万七万七万八万六筒七筒八筒九筒九筒  リーチ
どちらも勝負手であるが前巡に切った八筒が助かっているだけ藤崎が有利か?どちらも是が非でもアガリに結び付けたいところである。しかし2人の望みは叶わず流局となってしまう。そして迎えたオーラス、親の勝又は加点のチャンスであり森山、前原としては浮きに回って終了したいところだ。最初にテンパイを入れたのは森山、役こそ無いがここで浮ければトータル2番手の前原を沈めたままポイントを離すことが出来る。だがこの半荘ずっとチャンスを伺っていた前原もついにテンパイを入れすぐさまリーチとした。
九万九万三索四索五索七索八索九索二筒三筒四筒白白  リーチ  ドラ九万
打点は十分であるが、リーチ棒を出したことで1人テンパイでも浮きにはならない。こうなると森山は流局してもテンパイなら浮きになる為なんとか凌ぎ切りたいところだが、すぐに持って来たのがアタリ牌でもあるドラの九万。ここは頭を落として迂回し七筒を引き入れ再びテンパイ。このへんは流石である。これでわからなくなったと思ったが、藤崎にもメンホンのテンパイが入ってしまう…打ち出される牌は白。この手をアガれば浮きにもなる為仕方ないが藤崎の不調が気にかかる。これにより前原が浮きにまわって3回戦は終了した。
3回戦成績
勝又健志+19.0P 前原雄大+10.8P 森山茂和▲4.5P 藤崎智▲25.3P
3回戦終了時
前原雄大+21.0P 森山茂和+15.4P 勝又健志+2.0P 藤崎智▲38.4P
トータルトップを奪い返した前原だが森山とのポイント差はほとんどない。勝又も十分射程圏内だが厳しくなったのは藤崎だ。勝負手が入る回数も少ないが、明らかに不調を感じずにはいられない。1日目の最終戦となるこの半荘は誰にとっても重要となるであろう。
 
4回戦(起家から、藤崎・森山・勝又・前原)
東1局親の藤崎が前原から2,900をアガると、今度は前原のリーチを躱して森山が3,900をヤミテンにしてアガリ、東2局には勝又がヤミテンで前原から8,000をアガった。この時点で前原は1人沈みで遂にはトータルマイナスまでいってしまう。普通の人なら精神的にもグラッときてこの半荘は厳しいものになりそうであるが、この人にはそのイメージが思い浮かばないのは私だけではないだろう。そしてそのイメージは現実のものとなる。
東3局南家の前原が南をポンしてこの形。
四万五万三索四索四索七索七筒八筒西白  ポン南南南  ドラ西
南が表示牌にあるとはいえ、この状況でこの牌姿で仕掛けて前に出るのはかなり勇気のいるものだと思える。この鳴きで更に悪くすることもあるだろうが、この状況だからこそジッとしていてはダメだと感じているのかもしれない。そしてドラの西を重ねて1シャンテンとすると白を打ち出しこれを親の勝又がポン。ホンイツのテンパイを入れ場が一気に緊迫する。
五索六索六索七索七索八索発  ポン白白白  ポン三索 上向き三索 上向き三索 上向き  ドラ西
それに対し前原も1シャンテンながらも生牌の北をも切り飛ばし、勝又から出た九筒をチーして危険牌である四索を切って追いついた。終盤になり発は山に無く、前原の欲しい二索五索も山に1枚となりさすがに流局かと思ったが、前原が伸ばしたハイテイ牌には待望の五索が眠っていたのだった。
四万五万六万三索四索西西  チー九筒 左向き七筒 上向き八筒 上向き  ポン南南南  ツモ五索
これで一気に26,000まで戻すがこれだけでは終わらなかった。次は藤崎から5,800、森山から1,500、更にテンパイ連荘をはさみヤミテンからの2,600オール。
三万四万五万二索二索五索六索一筒二筒三筒六筒七筒八筒  ツモ七索  ドラ二索
正直私にとってこの2,600オールのアガリがこの初日でかなり印象に残ったアガリであった。いつもの前原なら当然のリーチなのだが、前局なんとかテンパイはしたものの、アガリ逃しもあった為にヤミテンにしたのか、それともここで確実に5,800をアガることが3者にたいしてかなりのダメージになると考えたのか…。結果はツモったのだがこのアガリを見て対局者はどう感じただろうか?そしてここからもう一発2,600オール。
五万六万六万七万八万九万九万北北北  ポン発発発  ツモ七万  ドラ九索
ついさっきまで18,000しかなかったはずなのに気付けば5万点を超えていた。誰しもがこうならない為に注意し、最善策を考えていたはずである。だがこの連荘に立ち向かえども軍配は前原にあがっていった。そして南場に入っても攻撃の手を緩めることなく、終わってみれば62,400点の大トップで初日の最終戦を締めくくった。
4回戦成績
前原雄大+40.4P 勝又健志+4.8P 藤崎智▲18.6P 森山茂和▲26.6P
4回戦終了時
前原雄大+61.4P 勝又健志+6.8P 森山茂和▲11.2P 藤崎智▲57.0P
かなり縦長にポイントが広がってしまったが、まだ半分あると思うと明日の最終日は更に一波乱も二波乱も起こるに違いない。この4名ならきっと何かやってくれる、そう思わせるメンバーであり、このまま黙っているわけもない。それぞれが何を思い、何をして明日という日を迎えるのだろうか?目が離せない1日になりそうだ。

女流プロ麻雀日本シリーズ2018 決勝成績表

システム

■予選全24回戦(各自8回対局)を行いポイント上位8名がプレーオフ進出
■プレーオフ全4回戦(各自2回対局)ポイントを持ち越し上位4名が決勝進出
■決勝全4回戦

順位 名前 1回戦 2回戦 3回戦 4回戦 合計
優勝 魚谷 侑未(連盟会長推薦) 11.8 ▲ 13.5 6.2 44.1 48.6
2 黒沢咲(連盟会長推薦) 26.4 36.3 30.5 ▲ 55.8 37.4
3 西嶋千春(第17期女流最高位) ▲ 0.6 ▲ 29.5 ▲ 9.0 15.8 ▲ 23.3
4 池沢麻奈美(連盟会長推薦) ▲ 38.6 6.7 ▲ 27.7 ▲ 4.1 ▲ 63.7

プレーオフ成績

順位 名前 予選合計 プレーオフ1回戦 プレーオフ2回戦 合計
1 池沢麻奈美(連盟会長推薦) 87.8 ▲ 7.9 39.0 118.9
2 魚谷 侑未(連盟会長推薦) 40.9 35.9 14.9 91.7
3 黒沢咲(連盟会長推薦) 115.9 ▲ 28.4 ▲ 6.6 80.9
4 西嶋千春(第17期女流最高位) 122.8 ▲ 28.8 ▲ 13.9 80.1
5 仲田加南(第12期女流桜花) 18.7 7.6 10.8 37.1
6 二階堂 亜樹(女流プロ麻雀日本シリーズ2017優勝) 71.8 ▲ 8.8 ▲ 30.9 32.1
7 佐月麻理子(第26期麻雀マスターズ) ▲ 12.4 1.7 29.9 19.2
8 朝倉ゆかり(第16期女流雀王) ▲ 4.7 28.7 ▲ 43.2 ▲ 19.2

予選成績

順位 名前 1回戦 2回戦 3回戦 4回戦 5回戦 6回戦 7回戦 8回戦 合計
1 西嶋千春(第17期女流最高位) 15.8 ▲ 26.6 32.7 ▲ 7.4 94.5 ▲ 6.4 5.1 15.1 122.8
2 黒沢咲(連盟会長推薦) 19.7 ▲ 25.3 27.9 22.1 ▲ 5.7 26.4 41.5 9.3 115.9
3 池沢麻奈美(連盟会長推薦) 25.1 10.4 26.6 ▲ 22.4 ▲ 8.6 29.4 17.0 10.3 87.8
4 二階堂 亜樹(女流プロ麻雀日本シリーズ2017優勝) ▲ 4.8 ▲ 9.0 ▲ 8.0 26.4 34.6 33.6 ▲ 28.3 27.3 71.8
5 魚谷 侑未(連盟会長推薦) ▲ 22.1 ▲ 34.7 ▲ 41.4 34.8 0.5 12.7 71.1 20.0 40.9
6 仲田加南(第12期女流桜花) 5.7 10.7 8.2 ▲ 22.6 27.3 4.5 ▲ 6.7 ▲ 8.4 18.7
7 朝倉ゆかり(第16期女流雀王) 3.4 12.4 12.4 6.5 ▲ 23.6 21.9 ▲ 14.1 ▲ 23.6 ▲ 4.7
8 佐月麻理子(第26期麻雀マスターズ) ▲ 21.6 7.5 10.4 ▲ 29.3 ▲ 24.8 8.1 11.4 25.9 ▲ 12.4
9 和久津 晶(連盟会長推薦) 6.7 ▲ 10.0 ▲ 9.0 ▲ 1.7 ▲ 10.6 ▲ 31.1 38.2 ▲ 11.6 ▲ 29.1
10 西嶋ゆかり(第15期プロクイーン) ▲ 10.5 29.6 25.2 ▲ 14.1 ▲ 57.9 ▲ 20.0 ▲ 26.1 ▲ 5.7 ▲ 79.5
11 山脇千文美(連盟会長推薦) ▲ 11.5 ▲ 16.4 ▲ 32.7 ▲ 10.2 ▲ 30.9 22.2 ▲ 44.4 ▲ 32.6 ▲ 156.5
12 高宮 まり(連盟会長推薦) ▲ 36.6 ▲ 28.7 ▲ 9.4 ▲ 36.1 ▲ 6.6 ▲ 7.5 ▲ 24.8 ▲ 26.0 ▲ 175.7

麻雀日本シリーズ 成績表/女流プロ麻雀日本シリーズ2018 決勝成績表

システム
■予選全24回戦(各自8回対局)を行いポイント上位8名がプレーオフ進出
■プレーオフ全4回戦(各自2回対局)ポイントを持ち越し上位4名が決勝進出
■決勝全4回戦

順位 名前 1回戦 2回戦 3回戦 4回戦 合計
優勝 魚谷 侑未(連盟会長推薦) 11.8 ▲ 13.5 6.2 44.1 48.6
2 黒沢咲(連盟会長推薦) 26.4 36.3 30.5 ▲ 55.8 37.4
3 西嶋千春(第17期女流最高位) ▲ 0.6 ▲ 29.5 ▲ 9.0 15.8 ▲ 23.3
4 池沢麻奈美(連盟会長推薦) ▲ 38.6 6.7 ▲ 27.7 ▲ 4.1 ▲ 63.7

プレーオフ成績

順位 名前 予選合計 プレーオフ1回戦 プレーオフ2回戦 合計
1 池沢麻奈美(連盟会長推薦) 87.8 ▲ 7.9 39.0 118.9
2 魚谷 侑未(連盟会長推薦) 40.9 35.9 14.9 91.7
3 黒沢咲(連盟会長推薦) 115.9 ▲ 28.4 ▲ 6.6 80.9
4 西嶋千春(第17期女流最高位) 122.8 ▲ 28.8 ▲ 13.9 80.1
5 仲田加南(第12期女流桜花) 18.7 7.6 10.8 37.1
6 二階堂 亜樹(女流プロ麻雀日本シリーズ2017優勝) 71.8 ▲ 8.8 ▲ 30.9 32.1
7 佐月麻理子(第26期麻雀マスターズ) ▲ 12.4 1.7 29.9 19.2
8 朝倉ゆかり(第16期女流雀王) ▲ 4.7 28.7 ▲ 43.2 ▲ 19.2

予選成績

順位 名前 1回戦 2回戦 3回戦 4回戦 5回戦 6回戦 7回戦 8回戦 合計
1 西嶋千春(第17期女流最高位) 15.8 ▲ 26.6 32.7 ▲ 7.4 94.5 ▲ 6.4 5.1 15.1 122.8
2 黒沢咲(連盟会長推薦) 19.7 ▲ 25.3 27.9 22.1 ▲ 5.7 26.4 41.5 9.3 115.9
3 池沢麻奈美(連盟会長推薦) 25.1 10.4 26.6 ▲ 22.4 ▲ 8.6 29.4 17.0 10.3 87.8
4 二階堂 亜樹(女流プロ麻雀日本シリーズ2017優勝) ▲ 4.8 ▲ 9.0 ▲ 8.0 26.4 34.6 33.6 ▲ 28.3 27.3 71.8
5 魚谷 侑未(連盟会長推薦) ▲ 22.1 ▲ 34.7 ▲ 41.4 34.8 0.5 12.7 71.1 20.0 40.9
6 仲田加南(第12期女流桜花) 5.7 10.7 8.2 ▲ 22.6 27.3 4.5 ▲ 6.7 ▲ 8.4 18.7
7 朝倉ゆかり(第16期女流雀王) 3.4 12.4 12.4 6.5 ▲ 23.6 21.9 ▲ 14.1 ▲ 23.6 ▲ 4.7
8 佐月麻理子(第26期麻雀マスターズ) ▲ 21.6 7.5 10.4 ▲ 29.3 ▲ 24.8 8.1 11.4 25.9 ▲ 12.4
9 和久津 晶(連盟会長推薦) 6.7 ▲ 10.0 ▲ 9.0 ▲ 1.7 ▲ 10.6 ▲ 31.1 38.2 ▲ 11.6 ▲ 29.1
10 西嶋ゆかり(第15期プロクイーン) ▲ 10.5 29.6 25.2 ▲ 14.1 ▲ 57.9 ▲ 20.0 ▲ 26.1 ▲ 5.7 ▲ 79.5
11 山脇千文美(連盟会長推薦) ▲ 11.5 ▲ 16.4 ▲ 32.7 ▲ 10.2 ▲ 30.9 22.2 ▲ 44.4 ▲ 32.6 ▲ 156.5
12 高宮 まり(連盟会長推薦) ▲ 36.6 ▲ 28.7 ▲ 9.4 ▲ 36.1 ▲ 6.6 ▲ 7.5 ▲ 24.8 ▲ 26.0 ▲ 175.7

第8期麻雀グランプリMAX ベスト8レポート 日吉 辰哉

日本プロ麻雀連盟ではいくつかのタイトル戦が開催されている。
春のマスターズ。夏の十段位戦。秋の王位戦。冬の鳳凰位決定戦。
更には女流桜花、プロクイーン、WRCリーグ、新人王戦、地方プロリーグ。そして今年度は第2回WRC世界大会がラスベガスにて開催された。

これらの年間を通したタイトル戦で優秀な成績を収めたものだけに出場権利が与えられる年度末の祭典、麻雀グランプリMAX。
今期で第8期を迎え、これまでの優勝者には歴代の猛者の名が並ぶ。
そんな第8期麻雀グランプリMAXベスト8の模様を私、日吉辰哉がお届けしてまいります。

 

100

 

第8期麻雀グランプリMAXベスト8A卓
1回戦【起家から ともたけ、HIRO柴田、勝又、前原】

日本プロ麻雀連盟の最高峰、鳳凰位。
その鳳凰位決定戦を連覇で飾った前原雄大が1回戦から大爆発。
北家スタートの前原は開局から2局連続のリーチ。しかし東1局は勝又の1,300・2,600、東2局は柴田の4,000オール。大物手で逆襲に合い、いずれも不発。
しかし前原の攻撃の手は一切緩まない。
東2局1本場では僅か4巡目に以下のリーチ。

三万四万五万三索四索五索三筒五筒六筒七筒八筒発発  リーチ

これをともたけから打ち取り。5,200は5,500。
東3局ではともたけの先制リーチに七対子ドラタンキで追っかけリーチも流局。

そして迎えた親番、東4局1本場では仕掛けて1,000は1,100オール。
次局も仕掛けて500は700オール。細かくつないで大物手を狙う。
開局から6局連続テンパイ。親では安手ながら2局連続のアガリ。3者を取り巻く空気が重くなる。これ以上の連荘は阻止したい。

東4局3本場 7巡目

七万八万二索三索四索五索七索八索八索東西白発  ツモ白  ドラ発

前原は7巡目でこの形。スピード感に欠けるこの手牌、親番維持も考慮し字牌を打つかと思われた。しかし大物手狙いに照準を絞り打七万

11巡目
二万二索三索四索五索七索八索八索東西白白発

ここから八索ポン、打二万
更に13巡目に発を重ね、次巡タンヤオテンパイの柴田から白がツモ切られる。
前原当然の白ポンでテンパイまでたどり着く。

二索三索四索五索七索発発  ポン白白白  ポン八索 上向き八索 上向き八索 上向き

しかし六索は山には残っていない。
柴田の二万五万は3枚残り。前原の連荘は止まると誰もが思った17巡目。

二索三索四索五索七索発発  ポン白白白  ポン八索 上向き八索 上向き八索 上向き  ツモ発  打七索

この変化。次巡、驚きの声を上げる実況解説を横目に当然のように8枚目のアガリ牌五索を引き寄せた。

解説の佐々木がつぶやいた。

「強いわ・・・」

1回戦終了時
前原+37.1P 勝又▲4.9P HIRO柴田▲9.4P ともたけ▲22.8P

 

2回戦【起家から HIRO柴田、勝又、ともたけ、前原】

前原と同じく鳳凰位獲得経験のある勝又。
その勝又が初のG1タイトルを獲得したのが第2期麻雀グランプリMAX。
今タイトル戦は思い入れの深いものであろう。

勝又はこの2回戦3着となるが南2局の親番でのプレーを紹介したい。

南2局、持ち点はHIRO柴田19,000点、勝又21,300点、ともたけ32,700点、前原46,100点。
簡単に親番を落としたくない場面。9巡目に前原が先制リーチ、11巡目に柴田が仕掛けて追いつく。
前原のリーチ、柴田テンパイ濃厚な状況で勝又は慎重に打ち進めるも14巡目。

二万三万五万五万八万八万五筒五筒五筒六筒七筒八筒中  ツモ八筒

八筒は無筋、中は1枚切れで押し切れず打七筒とする。次巡ツモ二索、打六筒と安全に打ちまわす。勝又受けを選択。
しかし、この2巡で柴田が現物の六筒七筒手出し2枚としオリ気配が漂う。
これを素早く察知した勝又。

16巡目
二万三万五万五万八万八万二索五筒五筒五筒八筒八筒中  ツモ四万

柴田がノーテンと察知し、前原に対し中を勝負して1シャンテン。親の連荘を狙う。
そして17巡目

二万三万四万五万五万八万八万二索五筒五筒五筒八筒八筒  ツモ六筒

勝又のツモは2巡前に打ちだしている六筒。ここで少考に入る。勝又の思考がめぐる。
部分的な説明をお許しいただきたいが、勝又の目からは八筒が4枚、六筒七筒が前原、柴田、自身の捨て牌にそれぞれ1枚ずつ、いずれも都合3枚ずつ見えている。
現物の六筒かあるいは目一杯二索か・・・

勝又の選択はワンチャンスの打八筒
二索はノーテンから打ちだす牌ではなく、テンパイ復活にかけたギリギリの打牌。
この執念が実る。次巡柴田からツモ切られた七筒をフリテンチーでのテンパイ連荘。
勝又の緻密さと執念を感じた一局となった。

この2回戦も前原が制し、決勝のシートは1席確定といっても過言ではない。
3回戦以降は3者で1席をめぐる争いとなる。

2回戦成績
前原+32.9P ともたけ+4.9P 勝又▲15.3P HIRO柴田▲22.5P

2回戦終了時
前原+70.0P ともたけ▲17.8P 勝又▲20.2P HIRO柴田▲31.9P

3、4回戦は勝又が連勝を決め抜け出すも柴田もしっかりと原点をキープし食らいつく。逆に現世界チャンピオンともたけは2連続4着で大きく引き離される。

3回戦成績
勝又+13.0P HIRO柴田+5.7P 前原▲5.3P ともたけ▲13.4P 

4回戦成績
勝又+11.6P 前原+5.2P HIRO柴田+2.3P ともたけ▲19.1P 

4回戦終了時
前原+69.9P 勝又+4.4P HIRO柴田▲23.9P ともたけ▲50.4P

 

5回戦【起家から 勝又、ともたけ、HIRO柴田、前原】

勝又、柴田のポイント差は28.3ポイント。逆転可能なギリギリのポイント差。
決して楽ではないこの差を柴田はいかに詰め寄るか。

最終戦開始5分。柴田が淀みない手順で先制リーチ。

二万二万六万七万八万一索二索三索四索五索七索八索九索  リーチ  ドラ九索

13巡目に勝又、ともたけの両者が同時にテンパイ。
勝又は柴田の追随を振り切りたい。ともたけは逆転に向け最後のチャンス。そして柴田は六索のツモアガリであれば瞬間的に勝又を逆転する。

決着は直後の14巡目。
手牌の横にアガリ牌を力強く引き寄せたのは柴田。3,000・6,000のツモアガリで勝又を逆転。順位点込みで28.3ポイント差をたった1局でひっくり返す。

立場逆転。1局で逆転されたショック。焦る、慌てる、、、常人であれば。
しかしその男の表情にその気配は微塵も感じない。
麻雀IQ220勝又建志。自身のやるべきことを冷静に精査し遂行する。
柴田のアガリにより自身の持ち点は24,000点。これを原点の30,000点に戻せば再逆転。

勝又は東3局でテンパイの前原から5,200のアガリ。

一索二索四索五索六索六索六索七索八索九索四筒五筒六筒  ロン三索  ドラ六筒

更に南2局ではともたけから7,700のアガリを決め通過濃厚ポジション。
最後の山場、柴田の親でもしっかりと攻め切り親落としに成功。
南4局は親の前原がノーテンを宣言しベスト8A卓の戦いは幕を閉じた。

5回戦成績
HIRO柴田+25.3P 勝又+8.3P 前原▲9.3P ともたけ▲24.3P 

5回戦終了時
前原+60.6P 勝又+12.4P HIRO柴田+1.4P ともたけ▲74.7P

決勝進出 前原雄大 勝又建志

 

 

 

100

 

第8期麻雀グランプリMAXベスト8B卓
1回戦【起家から 森山、仁平、藤崎、灘】

A卓でその存在感を十分に見せつけた現鳳凰位、前原雄大。
日本プロ麻雀連盟の最高峰鳳凰位。その双璧であるG1タイトル十段位。
その十段戦を連覇で制した藤崎智。その麻雀を形容して忍者と例えられる。
静寂に包まれた闇夜から決定打を繰り出す。

まずは東2局9巡目、南家の藤崎は以下のテンパイ。

二万二万三万四万五万六万七万八万西西西北北  ドラ五筒

更に次巡ツモ九万で打二万。藤崎闇夜に大きな罠を仕掛ける。
同巡森山が以下のリーチ。

二万二万五索六索七索三筒四筒五筒八筒九筒白白白  リーチ

このリーチを受けた藤崎のツモは北。シャンポンであればアガリがあったが受けられるはずもなく西切り追っかけリーチとするも、6巡目からテンパイの灘から森山の筋であり、藤崎の現物七筒がツモ切られる。藤崎の勝負手は煙と消える。
更に次局、藤崎は森山にヤミテンのメンホン8,000放銃。

二索三索四索四索四索四索六索七索八索東東発発  ロン発  ドラ白

藤崎は東2局に放った特大の手裏剣をはじき返され、東3局では自身のお株を奪われる大物手のヤミテンを決められる。
ペースがつかめない現十段位は1回戦1人沈みとなる。

続く2回戦では不調の中、粘り、凌ぎ、戦い続け南3局を迎え30,200点持ちの2着目。
しかし南3局で仁平にタンヤオ三色の5,200は5,500、更に南4局では灘に七対子ドラ2の6,400。
ここでも打点十分のヤミテンを決められる。
なんと現十段位藤崎はたった2局でラス落ちとなり、あっという間に後がなくなる。

1回戦終了時
森山+12.4P 仁平+4.9P 灘+1.7P 藤崎▲19.0P

2回戦成績
灘+17.8P 仁平+7.9P 森山▲6.0P 藤崎▲19.7P

2回戦終了時
灘+19.5P 仁平+12.8P 森山+6.4` 藤崎▲38.7P

 

3回戦【起家から 仁平、森山、藤崎、灘】

藤崎の苦悩は続く。
東1局では仁平の先制リーチに対し追いつくもテンパイ打牌は仁平のアガリ牌。ここはじっと我慢で放銃回避。
続く1本場8巡目。藤崎に超勝負手が舞い降りる。

四万五万五万六万七万七万八万九万西西西北北  ドラ西

このヤミテンのツモ倍を1巡回してツモ切りリーチ。
しかし、この日の藤崎に簡単に頭を下げる3者ではない。
11巡目仁平が以下のテンパイで追いつきリーチ。

三万四万二索三索四索五索六索七索四筒五筒六筒八筒八筒  リーチ

17巡目に手牌を開けたのは仁平。2,600オールのツモアガリ。
仁平の点数申告に大きく頷いた藤崎。

東3局の親番ではタンヤオドラ3のヤミテンも無念の流局。
次局1本場ではメンタンピンの3面張リーチも流局。
いくつもの勝負手が実らず、遂に藤崎の表情にも焦りと苦悶の表情がにじみ出る。
万策尽きたか、、、誰もがそう思っていたはずだ。

東3局1本場9巡目。藤崎最後のチャンス。意地のテンパイから即リーチ。

二万二万四万五万六万七万六索六索七索七索八索八索四筒五筒  打四万 左向き  ドラ七万

ヤミテンでも11,600。この日何度も目にした藤崎の勝負手。
残り3枚の三筒六筒。リーチ直後、灘に1枚流れる。森山はまっすぐ押し返すも六筒を掴み撤退。
山に三筒六筒は残り1枚となった。ヤミテンであればアガリ濃厚な1局。
またしても実らずか、、、
そんな思いがめぐる中、16巡目藤崎はいつもの落ち着いた所作で8枚目のアガリ牌六筒を手元に置いた。

その後、南2局に仁平がチャンタ三色を森山からアガリ藤崎を逆転するも、オーラス再逆転に成功。忍者藤崎、戦線に踏みとどまる。

3回戦成績
藤崎+25.8P 仁平+21.7P 灘▲10.3P 森山▲37.2P 

3回戦終了時
仁平+34.5P 灘+9.2P 藤崎▲12.9P 森山▲30.8P

 

4回戦【起家から 森山、藤崎、仁平、灘】

仕掛けを使いこなし切れ味鋭い灘、劣勢の藤崎が気迫のトップ、3戦連続の連帯と安定感抜群の仁平。その波に飲み込まれた格好となったのが森山。
初戦のプラスポイントを吐き出し現状トータルポイント最下位となる。
息詰まる4回戦、東2局に激しい攻め合いの中から大物手が炸裂する。

まずは得意の仕掛けで灘が発進する。

三万三万八万八万九万九万二索三索九索五筒北発発  ドラ五索

ここから九万ポン。ホンイツ、トイトイを見据えた仕掛け。
続いたのが仁平。

六万六万一索二索六索七索東南白白中中中

三索を仕掛けて打東。高打点を見据えつつ速攻も可能。
そしてこの東に反応したのが親番の藤崎。

五万三索四索三筒三筒四筒八筒九筒東東白発発

東ポン打五万とし、ホンイツまで見た仕掛け。追う立場の藤崎。簡単に親番は落とせない。
僅か4巡目にして3者が3フーロ。激しい空中戦。

藤崎さらに仕掛けて1シャンテン。
南を重ねて勝負手に変化した仁平は下家の灘に対してマンズの連打。灘は次々仕掛けてテンパイ。

八万八万発発  チー二万 左向き三万 上向き四万 上向き  チー一万 左向き二万 上向き三万 上向き  ポン九万 上向き九万 上向き九万 上向き

更に仁平が灘から南を仕掛けてテンパイ。これをものに出来れば決勝進出濃厚。

六索七索白白中中中  ポン南南南  チー三索 左向き一索 上向き二索 上向き

森山は仕掛けに囲まれ対応に追われるなか、以下の手牌。

三万四万五万五万七万五索六索六索六筒六筒八筒八筒中  ツモ五索  ドラ五索

下家の藤崎はピンズ、対面の仁平はソーズ、下家の灘はマンズ。
森山の選択は三万切り。灘の仕掛けは下目は処理されているとの判断か。

その同巡、灘の手牌に舞い降りたのは仁平のアタリ牌ドラの五索。切れず打八万とする。
灘は対局後この八万切りをミスだったと反省した。ドラの五索が仁平に放銃となっても切るべきだったと。それが勝負だと。

灘に続きソーズをつかまされた藤崎もギブアップ。
灘、藤崎が去った今、仕掛けの森に残されたのは仁平と森山。
その森山の手が急激に伸びる。四索七筒七筒と引き込み以下の手牌。

五万五万四索五索五索六索六索六筒六筒七筒八筒八筒中  ツモ七筒

この手になれば勝負と、ここまで絞り続けた中を切り飛ばし高め倍満リーチ。
完全に手詰まりの藤崎が発トイツ落とし。これに声をかけたのは灘。

八万五索発発  チー二万 左向き三万 上向き四万 上向き  チー一万 左向き二万 上向き三万 上向き  ポン九万 上向き九万 上向き九万 上向き

発を仕掛けて裸タンキのドラタンキで応戦。再び仕掛けの森に踏み入る。
卓上には全8フーロ。
仁平が森山の無筋で撤退した直後、灘の捨て牌には七索が投げられた。
仕掛けの嵐の中で決めた値千金の12,000。

こうなった森山は誰にも止められない。

七万六索六索七索七索五筒五筒六筒六筒八筒八筒九筒九筒  リーチ  ツモ七万  ドラ七万

次局は上記のドラタンキの七対子ツモアガリで勝負を決めた。

熱い2着争いは南1局にタンピン三色をリーチでツモアガった藤崎が制した。

4回戦成績
森山+36.9P 藤崎+12.2P 仁平▲16.9P 灘▲32.2P

4回戦終了時
仁平+17.6P 森山+6.1P 藤崎▲0.7P 灘▲23.0P

 

5回戦【起家から 森山、仁平、灘、藤崎】

前原、勝又の待つ決勝戦に進むのは誰になるのか。その可能性は全員に残された。

4回戦の勢いそのままにまずは森山がゲームを引っ張る。
南1局で森山41,400点、仁平31,100点、灘30,600点、藤崎16,900点。
森山、仁平が通過ポジション。灘、藤崎が追う展開。

森山、仁平の勝ち上がり濃厚かと思われた南1局2本場、森山のヤミテンが仁平を襲う。

三万三万四万五万六万二索三索三索四索四索五索五筒六筒  ロン四筒  ドラ六筒

この5,800に飛び込んだ仁平は灘、藤崎の後続に飲み込まれる。
森山が決勝進出を確保した中、3者の戦いはいよいよクライマックス。

南2局4本場、藤崎の持ち点は17,400点。この段階では原点復帰が条件の藤崎は15巡目に下記のテンパイ即リーチ。

五万五万五万六万七万二索三索四索六索七索八索三筒四筒  リーチ  ドラ北

このリーチをなんとハイテイでツモリ上げ2,000・4,000。仁平に肉薄。
更に南3局で藤崎の決定打が決まる。

二万三万四万九万九万一索二索白白白  ポン南南南  ロン三索  ドラ二索

これを一歩も引けない仁平から直撃の価値ある8,000。
苦しい厳しい戦いだった全5回戦、このアガリで最後のシートは現十段位藤崎が手にした。

5回戦成績
森山+28.0P 藤崎+8.6P 灘▲8.4P 仁平▲28.2P

5回戦終了時
森山+34.1P 藤崎+7.9P 仁平▲10.6P 灘▲31.4P

決勝進出 森山茂和 藤崎智

グランプリ レポート/第8期麻雀グランプリMAX ベスト8レポート 日吉 辰哉

日本プロ麻雀連盟ではいくつかのタイトル戦が開催されている。
春のマスターズ。夏の十段位戦。秋の王位戦。冬の鳳凰位決定戦。
更には女流桜花、プロクイーン、WRCリーグ、新人王戦、地方プロリーグ。そして今年度は第2回WRC世界大会がラスベガスにて開催された。
これらの年間を通したタイトル戦で優秀な成績を収めたものだけに出場権利が与えられる年度末の祭典、麻雀グランプリMAX。
今期で第8期を迎え、これまでの優勝者には歴代の猛者の名が並ぶ。
そんな第8期麻雀グランプリMAXベスト8の模様を私、日吉辰哉がお届けしてまいります。
 
100
 
第8期麻雀グランプリMAXベスト8A卓
1回戦【起家から ともたけ、HIRO柴田、勝又、前原】
日本プロ麻雀連盟の最高峰、鳳凰位。
その鳳凰位決定戦を連覇で飾った前原雄大が1回戦から大爆発。
北家スタートの前原は開局から2局連続のリーチ。しかし東1局は勝又の1,300・2,600、東2局は柴田の4,000オール。大物手で逆襲に合い、いずれも不発。
しかし前原の攻撃の手は一切緩まない。
東2局1本場では僅か4巡目に以下のリーチ。
三万四万五万三索四索五索三筒五筒六筒七筒八筒発発  リーチ
これをともたけから打ち取り。5,200は5,500。
東3局ではともたけの先制リーチに七対子ドラタンキで追っかけリーチも流局。
そして迎えた親番、東4局1本場では仕掛けて1,000は1,100オール。
次局も仕掛けて500は700オール。細かくつないで大物手を狙う。
開局から6局連続テンパイ。親では安手ながら2局連続のアガリ。3者を取り巻く空気が重くなる。これ以上の連荘は阻止したい。
東4局3本場 7巡目
七万八万二索三索四索五索七索八索八索東西白発  ツモ白  ドラ発
前原は7巡目でこの形。スピード感に欠けるこの手牌、親番維持も考慮し字牌を打つかと思われた。しかし大物手狙いに照準を絞り打七万
11巡目
二万二索三索四索五索七索八索八索東西白白発
ここから八索ポン、打二万
更に13巡目に発を重ね、次巡タンヤオテンパイの柴田から白がツモ切られる。
前原当然の白ポンでテンパイまでたどり着く。
二索三索四索五索七索発発  ポン白白白  ポン八索 上向き八索 上向き八索 上向き
しかし六索は山には残っていない。
柴田の二万五万は3枚残り。前原の連荘は止まると誰もが思った17巡目。
二索三索四索五索七索発発  ポン白白白  ポン八索 上向き八索 上向き八索 上向き  ツモ発  打七索
この変化。次巡、驚きの声を上げる実況解説を横目に当然のように8枚目のアガリ牌五索を引き寄せた。
解説の佐々木がつぶやいた。
「強いわ・・・」
1回戦終了時
前原+37.1P 勝又▲4.9P HIRO柴田▲9.4P ともたけ▲22.8P
 
2回戦【起家から HIRO柴田、勝又、ともたけ、前原】
前原と同じく鳳凰位獲得経験のある勝又。
その勝又が初のG1タイトルを獲得したのが第2期麻雀グランプリMAX。
今タイトル戦は思い入れの深いものであろう。
勝又はこの2回戦3着となるが南2局の親番でのプレーを紹介したい。
南2局、持ち点はHIRO柴田19,000点、勝又21,300点、ともたけ32,700点、前原46,100点。
簡単に親番を落としたくない場面。9巡目に前原が先制リーチ、11巡目に柴田が仕掛けて追いつく。
前原のリーチ、柴田テンパイ濃厚な状況で勝又は慎重に打ち進めるも14巡目。
二万三万五万五万八万八万五筒五筒五筒六筒七筒八筒中  ツモ八筒
八筒は無筋、中は1枚切れで押し切れず打七筒とする。次巡ツモ二索、打六筒と安全に打ちまわす。勝又受けを選択。
しかし、この2巡で柴田が現物の六筒七筒手出し2枚としオリ気配が漂う。
これを素早く察知した勝又。
16巡目
二万三万五万五万八万八万二索五筒五筒五筒八筒八筒中  ツモ四万
柴田がノーテンと察知し、前原に対し中を勝負して1シャンテン。親の連荘を狙う。
そして17巡目
二万三万四万五万五万八万八万二索五筒五筒五筒八筒八筒  ツモ六筒
勝又のツモは2巡前に打ちだしている六筒。ここで少考に入る。勝又の思考がめぐる。
部分的な説明をお許しいただきたいが、勝又の目からは八筒が4枚、六筒七筒が前原、柴田、自身の捨て牌にそれぞれ1枚ずつ、いずれも都合3枚ずつ見えている。
現物の六筒かあるいは目一杯二索か・・・
勝又の選択はワンチャンスの打八筒
二索はノーテンから打ちだす牌ではなく、テンパイ復活にかけたギリギリの打牌。
この執念が実る。次巡柴田からツモ切られた七筒をフリテンチーでのテンパイ連荘。
勝又の緻密さと執念を感じた一局となった。
この2回戦も前原が制し、決勝のシートは1席確定といっても過言ではない。
3回戦以降は3者で1席をめぐる争いとなる。
2回戦成績
前原+32.9P ともたけ+4.9P 勝又▲15.3P HIRO柴田▲22.5P
2回戦終了時
前原+70.0P ともたけ▲17.8P 勝又▲20.2P HIRO柴田▲31.9P
3、4回戦は勝又が連勝を決め抜け出すも柴田もしっかりと原点をキープし食らいつく。逆に現世界チャンピオンともたけは2連続4着で大きく引き離される。
3回戦成績
勝又+13.0P HIRO柴田+5.7P 前原▲5.3P ともたけ▲13.4P 
4回戦成績
勝又+11.6P 前原+5.2P HIRO柴田+2.3P ともたけ▲19.1P 
4回戦終了時
前原+69.9P 勝又+4.4P HIRO柴田▲23.9P ともたけ▲50.4P
 
5回戦【起家から 勝又、ともたけ、HIRO柴田、前原】
勝又、柴田のポイント差は28.3ポイント。逆転可能なギリギリのポイント差。
決して楽ではないこの差を柴田はいかに詰め寄るか。
最終戦開始5分。柴田が淀みない手順で先制リーチ。
二万二万六万七万八万一索二索三索四索五索七索八索九索  リーチ  ドラ九索
13巡目に勝又、ともたけの両者が同時にテンパイ。
勝又は柴田の追随を振り切りたい。ともたけは逆転に向け最後のチャンス。そして柴田は六索のツモアガリであれば瞬間的に勝又を逆転する。
決着は直後の14巡目。
手牌の横にアガリ牌を力強く引き寄せたのは柴田。3,000・6,000のツモアガリで勝又を逆転。順位点込みで28.3ポイント差をたった1局でひっくり返す。
立場逆転。1局で逆転されたショック。焦る、慌てる、、、常人であれば。
しかしその男の表情にその気配は微塵も感じない。
麻雀IQ220勝又建志。自身のやるべきことを冷静に精査し遂行する。
柴田のアガリにより自身の持ち点は24,000点。これを原点の30,000点に戻せば再逆転。
勝又は東3局でテンパイの前原から5,200のアガリ。
一索二索四索五索六索六索六索七索八索九索四筒五筒六筒  ロン三索  ドラ六筒
更に南2局ではともたけから7,700のアガリを決め通過濃厚ポジション。
最後の山場、柴田の親でもしっかりと攻め切り親落としに成功。
南4局は親の前原がノーテンを宣言しベスト8A卓の戦いは幕を閉じた。
5回戦成績
HIRO柴田+25.3P 勝又+8.3P 前原▲9.3P ともたけ▲24.3P 
5回戦終了時
前原+60.6P 勝又+12.4P HIRO柴田+1.4P ともたけ▲74.7P
決勝進出 前原雄大 勝又建志
 
 
 
100
 
第8期麻雀グランプリMAXベスト8B卓
1回戦【起家から 森山、仁平、藤崎、灘】
A卓でその存在感を十分に見せつけた現鳳凰位、前原雄大。
日本プロ麻雀連盟の最高峰鳳凰位。その双璧であるG1タイトル十段位。
その十段戦を連覇で制した藤崎智。その麻雀を形容して忍者と例えられる。
静寂に包まれた闇夜から決定打を繰り出す。
まずは東2局9巡目、南家の藤崎は以下のテンパイ。
二万二万三万四万五万六万七万八万西西西北北  ドラ五筒
更に次巡ツモ九万で打二万。藤崎闇夜に大きな罠を仕掛ける。
同巡森山が以下のリーチ。
二万二万五索六索七索三筒四筒五筒八筒九筒白白白  リーチ
このリーチを受けた藤崎のツモは北。シャンポンであればアガリがあったが受けられるはずもなく西切り追っかけリーチとするも、6巡目からテンパイの灘から森山の筋であり、藤崎の現物七筒がツモ切られる。藤崎の勝負手は煙と消える。
更に次局、藤崎は森山にヤミテンのメンホン8,000放銃。
二索三索四索四索四索四索六索七索八索東東発発  ロン発  ドラ白
藤崎は東2局に放った特大の手裏剣をはじき返され、東3局では自身のお株を奪われる大物手のヤミテンを決められる。
ペースがつかめない現十段位は1回戦1人沈みとなる。
続く2回戦では不調の中、粘り、凌ぎ、戦い続け南3局を迎え30,200点持ちの2着目。
しかし南3局で仁平にタンヤオ三色の5,200は5,500、更に南4局では灘に七対子ドラ2の6,400。
ここでも打点十分のヤミテンを決められる。
なんと現十段位藤崎はたった2局でラス落ちとなり、あっという間に後がなくなる。
1回戦終了時
森山+12.4P 仁平+4.9P 灘+1.7P 藤崎▲19.0P
2回戦成績
灘+17.8P 仁平+7.9P 森山▲6.0P 藤崎▲19.7P
2回戦終了時
灘+19.5P 仁平+12.8P 森山+6.4` 藤崎▲38.7P
 
3回戦【起家から 仁平、森山、藤崎、灘】
藤崎の苦悩は続く。
東1局では仁平の先制リーチに対し追いつくもテンパイ打牌は仁平のアガリ牌。ここはじっと我慢で放銃回避。
続く1本場8巡目。藤崎に超勝負手が舞い降りる。
四万五万五万六万七万七万八万九万西西西北北  ドラ西
このヤミテンのツモ倍を1巡回してツモ切りリーチ。
しかし、この日の藤崎に簡単に頭を下げる3者ではない。
11巡目仁平が以下のテンパイで追いつきリーチ。
三万四万二索三索四索五索六索七索四筒五筒六筒八筒八筒  リーチ
17巡目に手牌を開けたのは仁平。2,600オールのツモアガリ。
仁平の点数申告に大きく頷いた藤崎。
東3局の親番ではタンヤオドラ3のヤミテンも無念の流局。
次局1本場ではメンタンピンの3面張リーチも流局。
いくつもの勝負手が実らず、遂に藤崎の表情にも焦りと苦悶の表情がにじみ出る。
万策尽きたか、、、誰もがそう思っていたはずだ。
東3局1本場9巡目。藤崎最後のチャンス。意地のテンパイから即リーチ。
二万二万四万五万六万七万六索六索七索七索八索八索四筒五筒  打四万 左向き  ドラ七万
ヤミテンでも11,600。この日何度も目にした藤崎の勝負手。
残り3枚の三筒六筒。リーチ直後、灘に1枚流れる。森山はまっすぐ押し返すも六筒を掴み撤退。
山に三筒六筒は残り1枚となった。ヤミテンであればアガリ濃厚な1局。
またしても実らずか、、、
そんな思いがめぐる中、16巡目藤崎はいつもの落ち着いた所作で8枚目のアガリ牌六筒を手元に置いた。
その後、南2局に仁平がチャンタ三色を森山からアガリ藤崎を逆転するも、オーラス再逆転に成功。忍者藤崎、戦線に踏みとどまる。
3回戦成績
藤崎+25.8P 仁平+21.7P 灘▲10.3P 森山▲37.2P 
3回戦終了時
仁平+34.5P 灘+9.2P 藤崎▲12.9P 森山▲30.8P
 
4回戦【起家から 森山、藤崎、仁平、灘】
仕掛けを使いこなし切れ味鋭い灘、劣勢の藤崎が気迫のトップ、3戦連続の連帯と安定感抜群の仁平。その波に飲み込まれた格好となったのが森山。
初戦のプラスポイントを吐き出し現状トータルポイント最下位となる。
息詰まる4回戦、東2局に激しい攻め合いの中から大物手が炸裂する。
まずは得意の仕掛けで灘が発進する。
三万三万八万八万九万九万二索三索九索五筒北発発  ドラ五索
ここから九万ポン。ホンイツ、トイトイを見据えた仕掛け。
続いたのが仁平。
六万六万一索二索六索七索東南白白中中中
三索を仕掛けて打東。高打点を見据えつつ速攻も可能。
そしてこの東に反応したのが親番の藤崎。
五万三索四索三筒三筒四筒八筒九筒東東白発発
東ポン打五万とし、ホンイツまで見た仕掛け。追う立場の藤崎。簡単に親番は落とせない。
僅か4巡目にして3者が3フーロ。激しい空中戦。
藤崎さらに仕掛けて1シャンテン。
南を重ねて勝負手に変化した仁平は下家の灘に対してマンズの連打。灘は次々仕掛けてテンパイ。
八万八万発発  チー二万 左向き三万 上向き四万 上向き  チー一万 左向き二万 上向き三万 上向き  ポン九万 上向き九万 上向き九万 上向き
更に仁平が灘から南を仕掛けてテンパイ。これをものに出来れば決勝進出濃厚。
六索七索白白中中中  ポン南南南  チー三索 左向き一索 上向き二索 上向き
森山は仕掛けに囲まれ対応に追われるなか、以下の手牌。
三万四万五万五万七万五索六索六索六筒六筒八筒八筒中  ツモ五索  ドラ五索
下家の藤崎はピンズ、対面の仁平はソーズ、下家の灘はマンズ。
森山の選択は三万切り。灘の仕掛けは下目は処理されているとの判断か。
その同巡、灘の手牌に舞い降りたのは仁平のアタリ牌ドラの五索。切れず打八万とする。
灘は対局後この八万切りをミスだったと反省した。ドラの五索が仁平に放銃となっても切るべきだったと。それが勝負だと。
灘に続きソーズをつかまされた藤崎もギブアップ。
灘、藤崎が去った今、仕掛けの森に残されたのは仁平と森山。
その森山の手が急激に伸びる。四索七筒七筒と引き込み以下の手牌。
五万五万四索五索五索六索六索六筒六筒七筒八筒八筒中  ツモ七筒
この手になれば勝負と、ここまで絞り続けた中を切り飛ばし高め倍満リーチ。
完全に手詰まりの藤崎が発トイツ落とし。これに声をかけたのは灘。
八万五索発発  チー二万 左向き三万 上向き四万 上向き  チー一万 左向き二万 上向き三万 上向き  ポン九万 上向き九万 上向き九万 上向き
発を仕掛けて裸タンキのドラタンキで応戦。再び仕掛けの森に踏み入る。
卓上には全8フーロ。
仁平が森山の無筋で撤退した直後、灘の捨て牌には七索が投げられた。
仕掛けの嵐の中で決めた値千金の12,000。
こうなった森山は誰にも止められない。
七万六索六索七索七索五筒五筒六筒六筒八筒八筒九筒九筒  リーチ  ツモ七万  ドラ七万
次局は上記のドラタンキの七対子ツモアガリで勝負を決めた。
熱い2着争いは南1局にタンピン三色をリーチでツモアガった藤崎が制した。
4回戦成績
森山+36.9P 藤崎+12.2P 仁平▲16.9P 灘▲32.2P
4回戦終了時
仁平+17.6P 森山+6.1P 藤崎▲0.7P 灘▲23.0P
 
5回戦【起家から 森山、仁平、灘、藤崎】
前原、勝又の待つ決勝戦に進むのは誰になるのか。その可能性は全員に残された。
4回戦の勢いそのままにまずは森山がゲームを引っ張る。
南1局で森山41,400点、仁平31,100点、灘30,600点、藤崎16,900点。
森山、仁平が通過ポジション。灘、藤崎が追う展開。
森山、仁平の勝ち上がり濃厚かと思われた南1局2本場、森山のヤミテンが仁平を襲う。
三万三万四万五万六万二索三索三索四索四索五索五筒六筒  ロン四筒  ドラ六筒
この5,800に飛び込んだ仁平は灘、藤崎の後続に飲み込まれる。
森山が決勝進出を確保した中、3者の戦いはいよいよクライマックス。
南2局4本場、藤崎の持ち点は17,400点。この段階では原点復帰が条件の藤崎は15巡目に下記のテンパイ即リーチ。
五万五万五万六万七万二索三索四索六索七索八索三筒四筒  リーチ  ドラ北
このリーチをなんとハイテイでツモリ上げ2,000・4,000。仁平に肉薄。
更に南3局で藤崎の決定打が決まる。
二万三万四万九万九万一索二索白白白  ポン南南南  ロン三索  ドラ二索
これを一歩も引けない仁平から直撃の価値ある8,000。
苦しい厳しい戦いだった全5回戦、このアガリで最後のシートは現十段位藤崎が手にした。
5回戦成績
森山+28.0P 藤崎+8.6P 灘▲8.4P 仁平▲28.2P
5回戦終了時
森山+34.1P 藤崎+7.9P 仁平▲10.6P 灘▲31.4P
決勝進出 森山茂和 藤崎智

Mr.Yの連盟Weekly!

100

 
 
 

「これだからゆとりは」「本当にお前はゆとりだな」
我らゆとり世代はずっとぞんざいな扱いをされてきた!!悪いのは我らじゃなくて国の教育方針なのに!
円周率は3.14ではなく3でやらされ、台形の面積の求め方は教わらず、徒競走はみんなで手を繋いでゴールして順位を付けさせてもらえなかった。
1位とビリを区別してはいけない?なんじゃそりゃ!!1位の旗をくれよ!

ゆとり世代…1987年4月2日生まれ~2004年4月1日生まれ、現13歳~現29歳(※2018年現在)

あれ?意外と範囲が広い…。私がゆとり世代代表みたいな扱いをされてるのは、私がゆとり中のゆとりってこと?とほほ…。
そんなゆとり世代が産み出したモンスター、Mr.ゆとりことMr.Yが今週を振り返っていこう。

【ロン2カップspring2018】
優勝を決めたのは東城りおプロ!

100

ロン2カップ出場2回目の“はなりく”さん、紺野真太郎プロ、勝又健志プロという猛者を相手に見事優勝を掴み獲った!
この大会の模様をお伝えするレポーターをつとめるのは山脇千文美プロ。
彼女らもまた、ゆとり世代である。

また、彼女がTwitterに投稿した写真付きツイートはあっという間に1,000いいねを越えた。
あれ?ロン2アカウントでも全く同じ画像で投稿したんだけど反応の桁が違う…

100

そこはフォロワー数の桁が違うのだからしょうがない。
そういうことにしよう。
そういえば連盟員でフォロワー数が一番多いのは誰なんだろう?
気になったので調べてみた。

【フォロワー数ランキング】
第7位 高宮まりプロ[37971人] (高宮まりプロのTwitterはこちら
ゆるふわツイートでTwitterに穏やかな風を呼ぶ。
3月のスケジュールを3月9日にアップしてしまう様な ゆるい感じが高宮プロらしくて良いのだろう。

100

第6位 東城りお[39,740人] (東城りおプロのTwitterはこちら
自撮り画像を上げる度にTwitterが賑わう。
更新頻度も多目だ。

第5位 二階堂亜樹プロ[44,513人] (二階堂亜樹プロのTwitterはこちら
二階堂姉妹のいもうとさん。稀に飛び出す凄まじい切れ味のツッコミを見逃すな!

100

第4位 二階堂瑠美プロ[45,292人] (二階堂瑠美プロのTwitterはこちら
二階堂姉妹のおねえさん。姉妹のやり取りにはヒーリング効果があるので是非探して癒やされよう。

100

第3位 岡田紗佳プロ[53,357人] (岡田紗佳プロのTwitterはこちら
テレビ業界で引っ張りだこ!どの番組をつけても岡田紗佳、岡田紗佳、岡田紗佳!!
彼女の勢いは留まるところを知らない。

第2位 沖ヒカルプロ[62,740人] (沖ヒカルプロのTwitterはこちら
今年の4月に連盟員のプロとしてデビューした、パチスロライターの沖ヒカルプロ。
パチスロ業界で知らない人は居ない。男性で唯一のランクイン。

第1位 大亀あすかプロ[79,786人] (大亀あすかプロのTwitterはこちら
栄えある1位に輝いたのは大亀あすかプロ!芸歴はもうすぐ10年、声優界のベテラン!
大亀あすかプロの麻雀は、八局麻雀てんパイクイーンなどで視聴できるぞ!

100

合計15万フォロワー!(※被りあり)

【A1リーグ第一節D卓】
伊藤優孝プロvs沢崎誠プロvs瀬戸熊直樹プロvs吉田直プロ
吉田直プロ初のA1リーグでの戦いが注目された一戦である。
結果は沢崎誠プロの一人浮き!

100

恒例となっている伊藤優孝プロの長時間のぼやきタイムこと5回戦が期待されたが、少々おつかれの様子で、5回戦は東1局で終了となった。
そういえば御年70歳になる伊藤優孝プロだが、ついにスマホデビューをしたぞ。

【スマホデビュー】
長年ガラケーを使い続けてきた優孝さんだったが、先日ついにスマホに買い換えた。

100

これでガラケーを使っているのは森山会長と ともたけプロと斎藤桂史プロくらいであろう。
ガラケーとスマホは使い勝手が全くといっていいほど違う。優孝さんに使いこなすことができるだろうか…。
そんな不安の中、優孝さんから「スマホのことで聞きたいことがある」と電話があった。
とりあえずスマホで電話をかけることは出来るようだ。
わざわざ事務局へ足を運んで下さった優孝さんの手には質問事項が書かれたA4用紙2枚が握られていた。
2枚の紙には質問事項が丁寧にリストアップされてあった。とても几帳面な方だ。
その内容は初めは誰でもつまずくような内容だった。
ひとつひとつ解決していき、最後は画像データの移行作業となった。
優孝さんは画像データ移行のやり方を携帯ショップの店員に教えてもらったそうだが、そのやり方に疑問に思ったので、やらなかったそうだ。
その手順が以下である。
①ガラケーで画像を開く
②そのガラケーに写っている写真をスマホのカメラで撮影する

そんなデータ移行の仕方あるの!?デジタルなのにとってもアナログな方法を説明されていた。優孝さんがこの方法に疑問を覚えて頂いて本当に良かったと思った。
疑問を持たない人だったら、一人でガラケーの画面をスマホでパシャパシャ撮るという作業を永遠と繰り返していたのだろう。

私が行った一般的な作業は以下だ。(というかこの方法以外知らなかった)
①SDカードにガラケーの画像をコピーする。
②そのSDカードをスマホにさしてデータをコピーする。

さっ、と作業を完了させると優孝さんは「携帯ショップの人が出来ないことでも出来ちゃうんだなぁ!」と驚いていた。
そう、その定員さんはSDカードにコピーするという方法を知らなかったのだろう。
決して面倒くさがって、そんなアナログな方法を教えたわけではない。そう、信じたい。

【A2リーグ第一節D卓】
山田浩之プロvs黒沢咲プロvs西川淳プロvs古橋崇志プロ
この対局の結果は黒沢プロと西川プロがポイントを伸ばして終了となった。

100

黒沢プロのセレブな手作りが決まり、ポイントを大きく伸ばした。

そんな“セレブ”の愛称で親しまれている黒沢プロだが、こんな写真が届いた。

100

食べているのはカップラーメンである。
セレブというイメージからかけ離れたものを食していた。庶民の私からしたら、とても好感が持てる写真だ。
大学生の頃「週に10食は松屋で食べている」という話を前原雄大プロにしたところ、私の体を気遣って頂き「栄養が偏るからもっと別の所でも食べなさい」と言って下さった。
それ以降私は吉野家・すき家にも行くようになったが、前原プロが言いたかった事はそういうことではなかったと最近気付いた。

【女流桜花第一節D卓】
二階堂亜樹プロvs和泉由希子プロvs内田美乃里プロvs中山奈々美プロ
中山奈々美のデビュー戦となったが、結果は二階堂亜樹プロの大きい一人浮きとなった。

100

先週のA2リーグで大きいマイナススタートとなってしまった亜樹プロだが、女流桜花では調子が良さそうだ。
そんな亜樹プロも出演する新番組が何やらスタートするようだ。

【新企画!理麗麻雀!】
エンタメ~テレで始まる、新しい麻雀番組、その名も「理麗(リレー)麻雀」!
日本プロ麻雀連盟の女流プロ16名が二人一組のペアとなり計8チームに分かれて最強ペアの座をかけ競い合うというもの。
なんて面白そうなんだ!
対局中にプレーヤーが入れわる途中交替システムもあるということなので、戦略は無限大だ!
素晴らしいドラマがあるに違いない!

二階堂瑠美・二階堂亜樹
チーム名 『チーム 二階堂』

100

宮内こずえ・和泉由希子
チーム名 『チーム エキスパート』

100

魚谷侑未・高宮まり
チーム名 『チーム なかよし』

100

黒沢咲・手塚紗掬
チーム名 『クールビューティー ペア』

100

蒼井ゆりか・小笠原奈央
チーム名 『レフティガールズ』

100

松岡千晶・山脇千文美
チーム名 『ちーちゃんず』

100

東城りお・岡田紗佳
チーム名 『チーム フォトジェニック』

100

清水香織・和久津晶
チーム名 『チーム野獣』

100

チーム野獣。凄いインパクトだ。この文字列を見て、女流の2人のチームだと誰が想像するであろうか。
放送スケジュールの発表までお待ち下さい!
理麗麻雀 ~最強女流ペア決定戦~

【永遠の24歳】

100

彼女の名前は宮内こずえ。
えーと、現24歳ということは、、彼女もまたゆとり世代である。
気付いたらゆとり世代になっているのだから本人もビックリであろう。
いくつかの世代を経験している奇跡の人間である。

100

※リアル24歳

プロ雀士コラム/Mr.Yの連盟Weekly!

100

 
 
 
「これだからゆとりは」「本当にお前はゆとりだな」
我らゆとり世代はずっとぞんざいな扱いをされてきた!!悪いのは我らじゃなくて国の教育方針なのに!
円周率は3.14ではなく3でやらされ、台形の面積の求め方は教わらず、徒競走はみんなで手を繋いでゴールして順位を付けさせてもらえなかった。
1位とビリを区別してはいけない?なんじゃそりゃ!!1位の旗をくれよ!
ゆとり世代…1987年4月2日生まれ~2004年4月1日生まれ、現13歳~現29歳(※2018年現在)
あれ?意外と範囲が広い…。私がゆとり世代代表みたいな扱いをされてるのは、私がゆとり中のゆとりってこと?とほほ…。
そんなゆとり世代が産み出したモンスター、Mr.ゆとりことMr.Yが今週を振り返っていこう。
【ロン2カップspring2018】
優勝を決めたのは東城りおプロ!

100

ロン2カップ出場2回目の“はなりく”さん、紺野真太郎プロ、勝又健志プロという猛者を相手に見事優勝を掴み獲った!
この大会の模様をお伝えするレポーターをつとめるのは山脇千文美プロ。
彼女らもまた、ゆとり世代である。
また、彼女がTwitterに投稿した写真付きツイートはあっという間に1,000いいねを越えた。
あれ?ロン2アカウントでも全く同じ画像で投稿したんだけど反応の桁が違う…

100

そこはフォロワー数の桁が違うのだからしょうがない。
そういうことにしよう。
そういえば連盟員でフォロワー数が一番多いのは誰なんだろう?
気になったので調べてみた。
【フォロワー数ランキング】
第7位 高宮まりプロ[37971人] (高宮まりプロのTwitterはこちら
ゆるふわツイートでTwitterに穏やかな風を呼ぶ。
3月のスケジュールを3月9日にアップしてしまう様な ゆるい感じが高宮プロらしくて良いのだろう。

100

第6位 東城りお[39,740人] (東城りおプロのTwitterはこちら
自撮り画像を上げる度にTwitterが賑わう。
更新頻度も多目だ。
第5位 二階堂亜樹プロ[44,513人] (二階堂亜樹プロのTwitterはこちら
二階堂姉妹のいもうとさん。稀に飛び出す凄まじい切れ味のツッコミを見逃すな!

100

第4位 二階堂瑠美プロ[45,292人] (二階堂瑠美プロのTwitterはこちら
二階堂姉妹のおねえさん。姉妹のやり取りにはヒーリング効果があるので是非探して癒やされよう。

100

第3位 岡田紗佳プロ[53,357人] (岡田紗佳プロのTwitterはこちら
テレビ業界で引っ張りだこ!どの番組をつけても岡田紗佳、岡田紗佳、岡田紗佳!!
彼女の勢いは留まるところを知らない。
第2位 沖ヒカルプロ[62,740人] (沖ヒカルプロのTwitterはこちら
今年の4月に連盟員のプロとしてデビューした、パチスロライターの沖ヒカルプロ。
パチスロ業界で知らない人は居ない。男性で唯一のランクイン。
第1位 大亀あすかプロ[79,786人] (大亀あすかプロのTwitterはこちら
栄えある1位に輝いたのは大亀あすかプロ!芸歴はもうすぐ10年、声優界のベテラン!
大亀あすかプロの麻雀は、八局麻雀てんパイクイーンなどで視聴できるぞ!

100

合計15万フォロワー!(※被りあり)

【A1リーグ第一節D卓】
伊藤優孝プロvs沢崎誠プロvs瀬戸熊直樹プロvs吉田直プロ
吉田直プロ初のA1リーグでの戦いが注目された一戦である。
結果は沢崎誠プロの一人浮き!

100

恒例となっている伊藤優孝プロの長時間のぼやきタイムこと5回戦が期待されたが、少々おつかれの様子で、5回戦は東1局で終了となった。
そういえば御年70歳になる伊藤優孝プロだが、ついにスマホデビューをしたぞ。
【スマホデビュー】
長年ガラケーを使い続けてきた優孝さんだったが、先日ついにスマホに買い換えた。

100

これでガラケーを使っているのは森山会長と ともたけプロと斎藤桂史プロくらいであろう。
ガラケーとスマホは使い勝手が全くといっていいほど違う。優孝さんに使いこなすことができるだろうか…。
そんな不安の中、優孝さんから「スマホのことで聞きたいことがある」と電話があった。
とりあえずスマホで電話をかけることは出来るようだ。
わざわざ事務局へ足を運んで下さった優孝さんの手には質問事項が書かれたA4用紙2枚が握られていた。
2枚の紙には質問事項が丁寧にリストアップされてあった。とても几帳面な方だ。
その内容は初めは誰でもつまずくような内容だった。
ひとつひとつ解決していき、最後は画像データの移行作業となった。
優孝さんは画像データ移行のやり方を携帯ショップの店員に教えてもらったそうだが、そのやり方に疑問に思ったので、やらなかったそうだ。
その手順が以下である。
①ガラケーで画像を開く
②そのガラケーに写っている写真をスマホのカメラで撮影する

そんなデータ移行の仕方あるの!?デジタルなのにとってもアナログな方法を説明されていた。優孝さんがこの方法に疑問を覚えて頂いて本当に良かったと思った。
疑問を持たない人だったら、一人でガラケーの画面をスマホでパシャパシャ撮るという作業を永遠と繰り返していたのだろう。
私が行った一般的な作業は以下だ。(というかこの方法以外知らなかった)
①SDカードにガラケーの画像をコピーする。
②そのSDカードをスマホにさしてデータをコピーする。

さっ、と作業を完了させると優孝さんは「携帯ショップの人が出来ないことでも出来ちゃうんだなぁ!」と驚いていた。
そう、その定員さんはSDカードにコピーするという方法を知らなかったのだろう。
決して面倒くさがって、そんなアナログな方法を教えたわけではない。そう、信じたい。
【A2リーグ第一節D卓】
山田浩之プロvs黒沢咲プロvs西川淳プロvs古橋崇志プロ
この対局の結果は黒沢プロと西川プロがポイントを伸ばして終了となった。

100

黒沢プロのセレブな手作りが決まり、ポイントを大きく伸ばした。
そんな“セレブ”の愛称で親しまれている黒沢プロだが、こんな写真が届いた。

100

食べているのはカップラーメンである。
セレブというイメージからかけ離れたものを食していた。庶民の私からしたら、とても好感が持てる写真だ。
大学生の頃「週に10食は松屋で食べている」という話を前原雄大プロにしたところ、私の体を気遣って頂き「栄養が偏るからもっと別の所でも食べなさい」と言って下さった。
それ以降私は吉野家・すき家にも行くようになったが、前原プロが言いたかった事はそういうことではなかったと最近気付いた。
【女流桜花第一節D卓】
二階堂亜樹プロvs和泉由希子プロvs内田美乃里プロvs中山奈々美プロ
中山奈々美のデビュー戦となったが、結果は二階堂亜樹プロの大きい一人浮きとなった。

100

先週のA2リーグで大きいマイナススタートとなってしまった亜樹プロだが、女流桜花では調子が良さそうだ。
そんな亜樹プロも出演する新番組が何やらスタートするようだ。
【新企画!理麗麻雀!】
エンタメ~テレで始まる、新しい麻雀番組、その名も「理麗(リレー)麻雀」!
日本プロ麻雀連盟の女流プロ16名が二人一組のペアとなり計8チームに分かれて最強ペアの座をかけ競い合うというもの。
なんて面白そうなんだ!
対局中にプレーヤーが入れわる途中交替システムもあるということなので、戦略は無限大だ!
素晴らしいドラマがあるに違いない!

二階堂瑠美・二階堂亜樹
チーム名 『チーム 二階堂』

100

宮内こずえ・和泉由希子
チーム名 『チーム エキスパート』

100

魚谷侑未・高宮まり
チーム名 『チーム なかよし』

100

黒沢咲・手塚紗掬
チーム名 『クールビューティー ペア』

100

蒼井ゆりか・小笠原奈央
チーム名 『レフティガールズ』

100

松岡千晶・山脇千文美
チーム名 『ちーちゃんず』

100

東城りお・岡田紗佳
チーム名 『チーム フォトジェニック』

100

清水香織・和久津晶
チーム名 『チーム野獣』

100

チーム野獣。凄いインパクトだ。この文字列を見て、女流の2人のチームだと誰が想像するであろうか。
放送スケジュールの発表までお待ち下さい!
理麗麻雀 ~最強女流ペア決定戦~
【永遠の24歳】

100

彼女の名前は宮内こずえ。
えーと、現24歳ということは、、彼女もまたゆとり世代である。
気付いたらゆとり世代になっているのだから本人もビックリであろう。
いくつかの世代を経験している奇跡の人間である。

100

※リアル24歳

女流プロ麻雀日本シリーズ2018 プレーオフレポート 石田 亜沙己

プレーオフは予選ポイントを持ち越し、各自2回戦行い、上位4名が決勝戦に進出。
決勝戦はポイントをリセットしての4回戦。

現状ボーダーは亜樹の+71.8ポイント。
7位の朝倉、8位の佐月はマイナスポイントなので、極端にボーダーが下がらない限りは2連勝が必要になるだろう。

 

プレーオフ1回戦
(亜樹+71.8P、佐月▲12.4P、西嶋千春+122.8P、魚谷+40.9P)

東3局、魚谷が8巡目にリーチ。

二万三万四万六索七索三筒三筒三筒四筒五筒五筒六筒七筒  リーチ  ドラ五索

9巡目に亜樹もリーチ。

一万二万三万五万六万七万八万九万九索九索二筒二筒二筒  リーチ

亜樹が八索を魚谷に放銃。裏ドラが六索で8,000。魚谷にとっては大きいアガリとなった。
次局の親番でも500オール、4,100オールと加点してトップを盤石に。

南4局、亜樹も8,000をアガるが佐月に500点届かず3着に。

1回戦成績
魚谷+35.9P 佐月+1.7P 亜樹▲8.8P 西嶋千春▲28.8P

 

プレーオフ2回戦
(池沢+87.8P、黒沢+115.9P、仲田+18.7P、朝倉▲4.7P)

南2局、各持ち点は、池沢32,300 黒沢24,300 仲田28,800 朝倉34,600。
どうしてもトップが欲しい仲田が積極的な仕掛けをみせる。

9巡目に八筒をポン。

一筒一筒三筒三筒四筒六筒七筒八筒八筒南西北発  ドラ九索

この仕掛けが功を奏し2,000・4,000のアガリに。トップ目にたつ。

三筒三筒四筒四筒五筒六筒七筒  ポン一筒 上向き一筒 上向き一筒 上向き  ポン八筒 上向き八筒 上向き八筒 上向き  ツモ四筒

しかし南4局、親の朝倉が黒沢から12,000のアガリで逆転し逃げ切る。

二筒二筒三筒四筒四筒五筒五筒六筒八筒九筒南南南  ロン七筒  ドラ北

2回戦成績
朝倉+28.7P 仲田8.6P 池沢▲7.9P 黒沢▲29.6P

 

プレーオフ3回戦
(西嶋千春+94.0P.佐月▲10.7P、亜樹+63.0P、魚谷+76.8P)

現状4位の魚谷と5位の亜樹の差は13.8ポイント。1着順で3,800点差つければいいのでほぼ着順勝負か。
東場から佐月が好調に点数を重ねていく。
そのまま、オーラス勝負へ。

点棒状況は以下の通り。
西嶋千春25,600、佐月52,600、亜樹21200、魚谷20,600。

西嶋はアガれば決勝進出。佐月は三倍満ツモ条件。亜樹はアガって4回戦の結果待ちになる。魚谷はアガらないと敗退。だが西嶋のトータルポイントを捲れば決勝は確定になる。
10巡目、魚谷にテンパイが入る。

四万五万六万七万七万五索六索七索三筒四筒五筒七筒七筒  ドラ五万

同巡、亜樹もテンパイでリーチ。九万は4枚切れだが六万は3枚山にある。

五万五万五万七万八万二筒三筒四筒八筒八筒九筒九筒九筒  リーチ

11巡目の魚谷のツモは七筒大きい2,000オールとなった。
次局、4,100オールをアガリトータルポイント暫定首位になる。

2本場は西嶋がアガリ前回覇者の亜樹はここで姿を消した。

3回戦成績
佐月+29.9P 魚谷+14.9P 西嶋千▲13.9P 亜樹▲30.9P

 

プレーオフ4回戦
(池沢+79.9P、朝倉+24.0P、黒沢+87.5P、仲田+26.3P)

朝倉、仲田は池沢か黒沢を捲れば決勝進出となる。

東1局、池沢が朝倉から12,000をアガリ抜け出す。その後も安定した戦いで局が進んでいく。
仲田も多少点棒を伸ばすが、差は大きく池沢、黒沢の決勝進出となった。

4回戦結果
池沢+35.0P 仲田+12.8P 黒沢▲5.6P 朝倉▲32.2P

4月20日に行われる決勝進出者は、池沢麻奈美、魚谷侑未、黒沢咲、西嶋千春の4名となった。

 

 

プレーオフ成績

順位 名前 予選合計 プレーオフ1回戦 プレーオフ2回戦 合計
1 池沢麻奈美(連盟会長推薦) 87.8 ▲ 7.9 39.0 118.9
2 魚谷 侑未(連盟会長推薦) 40.9 35.9 14.9 91.7
3 黒沢咲(連盟会長推薦) 115.9 ▲ 28.4 ▲ 6.6 80.9
4 西嶋千春(第17期女流最高位) 122.8 ▲ 28.8 ▲ 13.9 80.1
5 仲田加南(第12期女流桜花) 18.7 7.6 10.8 37.1
6 二階堂 亜樹(女流プロ麻雀日本シリーズ2017優勝) 71.8 ▲ 8.8 ▲ 30.9 32.1
7 佐月麻理子(第26期麻雀マスターズ) ▲ 12.4 1.7 29.9 19.2
8 朝倉ゆかり(第16期女流雀王) ▲ 4.7 28.7 ▲ 43.2 ▲ 19.2

予選成績

順位 名前 1回戦 2回戦 3回戦 4回戦 5回戦 6回戦 7回戦 8回戦 合計
1 西嶋千春(第17期女流最高位) 15.8 ▲ 26.6 32.7 ▲ 7.4 94.5 ▲ 6.4 5.1 15.1 122.8
2 黒沢咲(連盟会長推薦) 19.7 ▲ 25.3 27.9 22.1 ▲ 5.7 26.4 41.5 9.3 115.9
3 池沢麻奈美(連盟会長推薦) 25.1 10.4 26.6 ▲ 22.4 ▲ 8.6 29.4 17.0 10.3 87.8
4 二階堂 亜樹(女流プロ麻雀日本シリーズ2017優勝) ▲ 4.8 ▲ 9.0 ▲ 8.0 26.4 34.6 33.6 ▲ 28.3 27.3 71.8
5 魚谷 侑未(連盟会長推薦) ▲ 22.1 ▲ 34.7 ▲ 41.4 34.8 0.5 12.7 71.1 20.0 40.9
6 仲田加南(第12期女流桜花) 5.7 10.7 8.2 ▲ 22.6 27.3 4.5 ▲ 6.7 ▲ 8.4 18.7
7 朝倉ゆかり(第16期女流雀王) 3.4 12.4 12.4 6.5 ▲ 23.6 21.9 ▲ 14.1 ▲ 23.6 ▲ 4.7
8 佐月麻理子(第26期麻雀マスターズ) ▲ 21.6 7.5 10.4 ▲ 29.3 ▲ 24.8 8.1 11.4 25.9 ▲ 12.4
9 和久津 晶(連盟会長推薦) 6.7 ▲ 10.0 ▲ 9.0 ▲ 1.7 ▲ 10.6 ▲ 31.1 38.2 ▲ 11.6 ▲ 29.1
10 西嶋ゆかり(第15期プロクイーン) ▲ 10.5 29.6 25.2 ▲ 14.1 ▲ 57.9 ▲ 20.0 ▲ 26.1 ▲ 5.7 ▲ 79.5
11 山脇千文美(連盟会長推薦) ▲ 11.5 ▲ 16.4 ▲ 32.7 ▲ 10.2 ▲ 30.9 22.2 ▲ 44.4 ▲ 32.6 ▲ 156.5
12 高宮 まり(連盟会長推薦) ▲ 36.6 ▲ 28.7 ▲ 9.4 ▲ 36.1 ▲ 6.6 ▲ 7.5 ▲ 24.8 ▲ 26.0 ▲ 175.7