
藤崎智(現十段位)13期生
第16、33、34期十段位
第30期鳳凰位、他多数

沢崎誠(九段)3期生
第13期十段位
第16、27期マスターズ、他多数

内川幸太郎(五段)22期生
鳳凰位戦A1リーグ

黒沢咲(五段)21期生
第6、7期プロクイーン

佐々木亮(五段)15期生
関西本部所属
十段戦初日は生憎の雨だった。決戦が行われる夏目坂スタジオの隣にある神社では、雨の中、朝からお祭りの準備と祭囃子が響いていた。まるでこれから始まる熱い戦いの舞台の音響効果のようにも聞こえた。
選手たちの顔ぶれが見える。皆どこか落ち着いて見えるが、きっと内に秘めたる思いがそれぞれあるに違いない。
何よりも今日ここに現十段位の藤崎の顔があるのが本当に嬉しく思えた。体調を崩し日程も3日間から2日間に変更されたが、藤崎を超えてこその十段位でありたいという気持ちに違いないのだ。
そして12時丁度に幕は切って落とされた。

1回戦(親から佐々木・藤崎・黒沢・黒沢)抜け番 沢崎
まずは大事な開局だが、親の佐々木がベスト8までの手組みとはちょっと違うように感じる。その佐々木が12巡目に仕掛けを入れる。かなり強引にも思えたが、河がホンイツっぽいだけに相手に対応させる為の仕掛けなのだろう。明らかにこれまでの戦い方とは変えてきている。だが、この仕掛けでテンパイを入れた内川がリーチ。












リーチ ドラ
まずは今日の調子の見極めをしつつ、主導権を握りたいといったところだろう。そしてこれを次巡あっさりとツモ。内川にとっては最高の立ち上がりとなった。
そして東2局早速ぶつかる。まずは佐々木が先制リーチ。












リーチ ドラ
もかなり出やすく北家なのでここは当然のリーチだろう。だがここで内川に超大物手が入り追いかけリーチ!












リーチ
高目なら出アガリでも倍満である。これをものに出来れば一気にスタートダッシュが決められるところだ。佐々木の待ちは山に3枚、内川は5枚。だが先に山に眠っていたのは
だった。これを佐々木がツモリ、1,300・2,600のアガリとなった。
東3局、今度は現十段位の藤崎の番だ。9巡目に
を引き入れてリーチとした。












リーチ ドラ
これに佐々木も対応しつつテンパイをいれる。












は無いのでアガリは難しそうだが、数巡後に
を持ってくる。自分で
を切っているのと藤崎の筋でツモ切りするかと思ったが、ここでフリテンに構えて
を切り出しこれが藤崎に捕まってしまう。やめる選択もあっただけに痛い放銃となってしまった。この藤崎の5,200以降は小場で進み、迎えた南2局親の藤崎からリーチが入る。












リーチ ドラ
この藤崎の捨て牌が



である。
の後
が手出しとはいえ、この待ちは強いだろうと思っていたがその
が次々と吸収されていく。そして最後の
を引き入れリーチと来たのが佐々木だった。












リーチ
こちらも勝負手だ!これを佐々木があっさりとツモリ2,000・4,000のアガリとなった。そして佐々木の次局の配牌がこうだ!













ドラ
少し迷いつつも
を切って
単騎のダブリーとした。先程のアガリでトップ目になった為、ここはリーチせずにゆったりと良い待ちを探したほうが得策なのでは?と思ったがここは勢いを感じてかリーチを選択した。結局この手は成就することなく終わった。
そして迎えたオーラス、トップ目の内川が
を鳴いて終わらせにくる。










ポン

ドラ
かなり遠い仕掛けだ。危険な感じもするが藤崎、黒沢を沈めたまま終わらせたいという意思を感じた。だがこの鳴きで藤崎の手がみるみるうちに育っていき、最初にテンパイを入れる。












この待ちはかなり厳しいと思っていたが、ここから
を持ってくるとマンズの場況がかなり良く見え、
を切って七対子の
待ちとした。そして佐々木もようやくテンパイを入れる。












更に遠い仕掛けから内川も3つ鳴いてようやくテンパイする。



チー

チー

ポン

これで3人テンパイ!そして決着はついた。手牌を開けたのは藤崎であった。
を掴んだのはトップ目の内川で痛恨の放銃となってしまった。これで藤崎がトップで初戦を制したのだった。
1回戦成績
藤崎+14.7P 佐々木+8.8P 内川▲9.3P 黒沢▲14.2P
2回戦(親から内川、黒沢・藤崎・沢崎)抜け番 佐々木
1回戦いきなりトップでスタートを切った藤崎が2回戦も好調だ。まず東1局にこの形になってリーチ。












リーチ ドラ
そして2巡後に
をツモって1,300・2,600とご機嫌モードだ。更に東2局にもテンパイを入れ今度はヤミテンとする。












ドラ
もう少し早ければリーチとしたかもしれないが、終盤にこれもツモって最高の展開で局面を進めていく。そして迎えた東3局の親番でも先制リーチを入れ畳み掛けていく。












リーチ ドラ
これにすぐ追いついた沢崎も追いかけリーチといく!












リーチ
沢崎にとってはこれが初戦となる為、自分の調子も計りたいところだろう。だが2人よりも先にテンパイしていたのは黒沢だ。












リャンメンになればリーチと行きたいところだが、2件リーチに対してどこまで押せるか。この段階で既に藤崎の待ちも沢崎の待ちも山には無く唯一黒沢の
が1枚あるだけだった。
黒沢も頑張って押すがドラの
を持ってきてさすがに迂回し、
を持ってきて再びテンパイ。だが次巡持って来たのが再び
。さすがにギブアップ…だが2人の共通安全牌が1枚も無いのだ。悩んだ末に選んだのは沢崎の現物である
だった。これが藤崎への5,800の放銃となり、これはしばらく苦しむことになるだろうと感じた。そして次局の藤崎の手もかなりまとまっていたが沢崎にも得意の仕掛けの手が入る。
と仕掛けて早くもテンパイ。






ポン

ポン

ドラ
そして親の藤崎も追いつきテンパイ。












ツモ
を切ればピンフドラドラのテンパイだが
は沢崎のロン牌だ。さすがに放銃かと思っていたが、なんとノータイムで現物の
を切ったのだ!さすがとしか言いようがない。だが内川が三色の1シャンテンから
を打ち出し沢崎のアガリとなった。ずいぶんあっさりと切った内川が少し心配になった。この場面を後に聞いてみると、あれはラフに打ちすぎたと言っていた。まだテンパイの可能性が50%くらいにしか思っていなかったとのことだった。だがその内川も次局にリーチとし、沢崎から5,200を討ち取る。












ロン
ドラ
唯一ここまでアガリの無い黒沢。なんとか1回アガリを拾いたいところだろう。そして南1局の親番で仕掛けていく。









ポン

ドラ
黒沢の構想には安くてもいいからという発想は無いようだ。だがそれが黒沢の長所でもある。この仕掛けは厳しいようにも思えたが終盤にテンパイを果たす。









ポン

他3者は既に受けさせられていて、この
も
も山には1枚ずついる!いきなりの大物手で初アガリがあるか?残りツモ3回であったが黒沢の元へアガリ牌が訪れることは無かった。しかし連荘はしたが次局は沢崎があっさりと流して黒沢にチャンスを与えない。ここまでは藤崎の1人浮きで盤石な展開のまま親番を迎える。そして仕掛けを入れてあっという間のテンパイ。









ポン

ドラ
仕掛けた後のツモの伸びからしてもあっさりアガってしまいそうに思っていたが、ここで待ったをかけたのが黒沢だ。絶好の
を引き入れリーチとした!












リーチ
は既に3枚切れなのでさすがの黒沢もヤミテンにするかと思ったが、強気のヴィーナスにそんな選択は存在しなかった。そしてすぐに藤崎が持って来たのが
であった。黒沢にとっても藤崎の逃げだけは許したくない他3者にとっても大きな7,700となった。
オーラスは沢崎が1,000オールをアガリ内川の1人沈みの状態となる。そして次局の1本場、まずは黒沢がテンパイを入れる。












ドラ
3,900をアガればトップなのでここはさすがの黒沢もヤミテンに構える。そして藤崎が普段では絶対にしないであろう仕掛けを入れる。










チー

をチーして出来メンツの
を切ってタンヤオへと渡ったのである。この仕掛けを入れる藤崎を見た記憶が無い。それだけこの状況に危機を感じていたのだろう。だが予想通り悪い結果を招くこととなった。沢崎にテンパイを入れさせてリーチが飛んでくる。












ドラも無いピンフリーチだが、かなり迷って仕掛けた藤崎を見てのリーチであろう。だが沢崎の捨て牌の
を持ってくるとその牌に黒沢からロンの声がかかる。仕掛けてなくてもたぶん黒沢のツモアガリでトップは入れ替わっていたであろう。だがこの仕掛けからの放銃は今後の藤崎に暗雲立ち込めたように思えた。
2回戦成績
黒沢+14.3P 藤崎+3.2P 沢崎+1.0P 内川▲18.5P
2回戦終了時
藤崎+17.9P 佐々木+8.8P 沢崎+1.0P 黒沢+0.1P 内川▲27.8P
3回戦(親から、内川・沢崎・黒沢・佐々木)抜け番 藤崎
ここまで1人沈みの内川だがこのままズルズルとはいきたくない。まずは親で高目三色をヤミテンとする。












ドラ
そこへ黒沢もドラドラでリーチ。












リーチ
これを受けて内川も追いかけリーチとした。だが、誰よりも早くテンパイを入れていたのは沢崎だった。












ここからドラの
を持ってきて真っ直ぐ
を打ち抜いた。これが安目ではあったが内川の3,900のアガリとなった。放銃となった沢崎だが東2局の親番でマンズが集まっていく。だが先にテンパイしたのは黒沢だ。












ドラ
はいかにも良さそうな待ちに見える。だが次巡持って来た
に待ち替えをする。前巡に内川からの手出しが
で
が無い可能性も考えてのことか?そして沢崎が持って来たのが
だった。麻雀というのは良く出来たゲームだと思う。アガリ逃しをした後はピンチが待ち受けているのである。そしてついに沢崎にもテンパイが入りヤミテンとする。












そして次巡ツモ切りリーチとしたのだった!これを受けて黒沢が持って来たのが現物の
。他家から現物の
が打ち出される可能性を考えて
が押し出されて行ってしまったのだ。6,400アガリ逃しからの12,000放銃はあまりにも大きかった。
そして東3局も沢崎が得意の仕掛けから大物手を成就させる。



ポン

ポン

ポン

ドラ
佐々木と内川も丁寧に受けながらテンパイを入れていたがここも沢崎に軍配があがる。この3,000・6,000で持ち点を一気に5万点まで伸ばしていく。
東4局は親の佐々木がリーチから、すぐにツモリ2,600オール。












ツモ
ドラ
これで佐々木も浮きにまわり、南1局にはこの形になりリーチとした。












ドラ
と
が1枚ずつ切れているだけにヤミテンにするかと思いきや、ここは強くリーチを宣言する。だがすぐに沢崎にもテンパイが入り、抱えていた
がジャストタイミングで8,000の放銃となってしまった。
黒沢の1人沈みとなって迎えたオーラス、その黒沢からリーチが入る。












リーチ ドラ
捨て牌は

と絶好の
待ちに見える。既に何度目の七対子ドラドラのリーチだろう。今のところ全てアガリに結びついていないし、どこかで決まっていれば展開もずいぶん変わっていたに違いない。
は山に全ている!誰が放銃するのかに焦点が集まっていたが沢崎の手がどんどん伸びていく。そして9巡目に遂にテンパイが入る。












沢崎の
もかなり薄かったが、これがここまでの流れというものだろうか…黒沢が
を掴み8,000の放銃で3回戦は沢崎のトップで終了した。
3回戦成績
沢崎+28.1P 佐々木+14.8P 内川+4.8P 黒沢▲47.7P
3回戦終了時
沢崎+29.1P 佐々木+23.6P 藤崎+17.9P 内川▲23.0P 黒沢▲47.6P
4回戦(親から沢崎、藤崎・黒沢・佐々木)抜け番 内川
東1局まずテンパイを入れたのは黒沢。












ドラ
リーチをすれば7,700だがピンズが場に高くここはヤミテンにした。トータルでは出遅れているだけにリーチとしたいところだが、グッと堪えてヤミに構えたところがまだ冷静だなと感じた。だが3巡後にツモ切りリーチを選択する。これがどうでるか?だが親の沢崎も追いつきリーチとくる。












リーチ
今までの流れだと沢崎に分があるか?だが終盤黒沢の切った
を佐々木が仕掛けてテンパイを取りに行く。何か起きそうだ、そう感じた。そう思った瞬間沢崎の手元にドラの
が舞い降りた。大きな4,000オール。
そして東2局にはまたしても沢崎がリーチ。












リーチ ドラ
これをあっさりツモリ2,000・4,000。間違いなく好調を感じているはずだ。ここはどこまでもポイントを伸ばしていきたいところだろう。
東3局には佐々木がこの手をヤミテンにする。












ドラ
この手は
を引いてのタンヤオやイーペーコーを見てのヤミテンだろう。だが手替わりする前にこのまま
をツモリ1,300.2,600のアガリとなった。
この半荘苦しい藤崎だったが南2局の親番を迎えてヤミテンから2,900、再びヤミテンから2,900をアガリ原点近くまで復帰していく。持ち点が少ないだけにリーチとしたいところだが、ここで我慢出来るのが藤崎の持ち味であろう。だが3本場またもや黒沢の七対子のリーチ!












リーチ ドラ
だが今回もアガリには結び付かずに流局。
そしてオーラス親の佐々木がリーチしてすぐにツモ。












リーチ ツモ
ドラ
この2,000オールで2万点を超え、次は形式テンパイからの1人テンパイで黒沢をかわす。そして更に次局もリーチ。












リーチ ドラ
藤崎、黒沢も粘ってテンパイを入れるがここも佐々木に軍配があがる。2着目まで浮上し、3本場では4巡目に早くもテンパイ。












ドラ
そしてトップ目の沢崎から
が出て7,700のアガリとなったのだ。更に1,500をアガッて気付けばオーラスだけでラス目から一気にトップまで駆け上がっていた。だが6本場は沢崎が7,700を藤崎からアガリ、トップを取りかえして終了した。
4回戦成績
沢崎+26.6P 佐々木+15.2P 黒沢▲16.9P 藤崎▲24.9P
4回戦終了時
沢崎+55.7P 佐々木+38.8P 藤崎▲7.0P 内川▲23.0P 黒沢▲64.5P
5回戦(親から藤崎、沢崎・内川・佐々木)抜け番 黒沢
東3局親の内川がホンイツへと向かい仕掛けてテンパイ。









ポン

ドラ
この形から
を持ってくるが
が既に無い為、ここは
単騎を続行する。佐々木もピンフでテンパイをしていて
をツモ切り。このアガリ逃しで内川ピンチかと思っていたがこの
が藤崎から出て7,700。このまま上と離されてはならないという気迫が画面越しでも伝わってくる。逆に心配なのが藤崎だ。この
は普段の藤崎なら止められる牌だと私は感じた。やはり病み上がりで感覚が完全には戻っていないのだろう。
ここまで好調の沢崎が南2局の親番で力強くリーチを宣言する。












リーチ ドラ
山にはドラの
のみ2枚いたが最後の
を手繰り寄せ、持ち点を5万点近くまで伸ばしていく。これ以上走らせてはマズイと誰もが思ったであろう。
1本場となりもう1人の好調者の佐々木も黙ってはいない。












ドラ
5,200あるのでヤミテンにするのかと思いきや、親の沢崎が仕掛けていることもありここはリーチとした。そして3巡後にこれをツモリ、沢崎の親被りをさせて一歩も引かない構えだ。だが俺のことも忘れるなと言わんばかりに内川も割って入る。南3局の親番でなんとか連荘させ1本場ではホンイツの掛けを入れテンパイ。






ツモ
チー

ポン

ドラ
選択はあるがここは
を切って
待ちとする。この内川の仕掛けに対応しながら他3者もテンパイを入れる。だがここを制したのは内川だった。選択を間違えず
をツモって大きな2,000オールをものにする。
そして藤崎の1人沈みで迎えたオーラス。最初にテンパイを入れたのは内川。












ドラ
これをツモればトップまである。だがそうはさせまいと親の佐々木も仕掛けてテンパイ。









チー

しかし内川がまた選択を迫られる。ツモ
でしばらく考える。












ツモ
を切ってのリーチか、
を切ってイーペーコーか、ツモ切りか…上家の沢崎がマンズ模様で
を余らせている。親の佐々木もおおよそテンパイだろう。その観点からか
ツモ切りを選択した。だが次巡持って来たのが
だった!これはあまりに痛い。そして沢崎にもメンホンのテンパイが入る。












全く行方がわからなくなった。そして終盤に決着はついた。手牌を開けたのは内川だった。
をツモリ、この2,000.3,900で沢崎を躱してトップで5回戦を終了した。
5回戦成績
内川+21.7P 沢崎+15.5P 佐々木+1.2P 藤崎▲38.4P
5回戦終了時
沢崎+71.2P 佐々木+40.0P 内川▲1.3P 藤崎▲45.4P 黒沢▲64.5P
6回戦(親から藤崎、沢崎・黒沢・内川)抜け番 佐々木
東2局ここまで好調の沢崎の親番、なんとか連荘に成功しての1本場。4巡目に早くもリーチ!












リーチ ドラ
ドラドラの大物手でこの時点で山に4枚いる。他3者もアガらせまいと攻め込むがテンパイすることもないうちにこの
をツモって4,000オール。今日はこのまま突っ走ってしまうのだろうか?だがここで待ったをかけたのが黒沢だった。次局、
と仕掛けて6巡目にホンイツのテンパイを入れ、これをツモって沢崎に親被りをさせる。






ポン

ポン

ツモ
ドラ
東3局はまずは藤崎がテンパイ。












ドラ
ではアガレないがヤミテンと構える。だがまたしても沢崎がドラ暗刻のテンパイを入れる。












これをアガるようだと本当に1日で100ポイントまで伸ばしてしまいそうだ。だがここは藤崎が
をツモってことなきを得る。
だが東4局また本手がぶつかることとなる。最初にテンパイしたのは黒沢。












ドラ
が来ればジュンチャンの勝負手になる。
そこへマンズのホンイツの沢崎も追いつく。






ポン

ポン

この仕掛けに対応して黒沢は
単騎に受け変え、その後チャンタになる
を持ってくるがさすがに
が切れずに
を切って粘る。そこへ何度もテンパイを外していた内川にもようやく納得のいくテンパイが入り気合のリーチ!












リーチ
高目ツモなら6,000オールまである。沢崎のツモにも力が入る。残り2巡、この勝負の行方を制したのは黒沢だった。
をツモリ300・500だが2人の勝負手を躱してのアガリとなった。
南1局には親の藤崎だ!












ドラ
このテンパイに飛び込んだのは内川だった。この12,000で藤崎が浮きにまわる。ここから反撃を期待したが次局は藤崎の1人ノーテンで流局してしまう。ここまで盤石な戦いをしてきた沢崎だったが、南2局の親番で4巡目にこの仕掛けを入れる。









チー

ドラ
11,600まで見えるこの手を迷うことなく仕掛けていく。しばらくアガリから遠ざかっているのでここは1回アガリを取りに行ったのだろうか?だがこの仕掛けが内川にテンパイを入れさせ、そして沢崎の放銃となってしまうのだった。












ロン
南3局には親の黒沢が3,900オールで一気に突き抜ける。












ツモ
ドラ
更なる連荘を狙うが今度は内川が黒沢から8,000。









ポン

ドラ
南場はかなりの乱打戦になったが、最後は藤崎が浮きになるアガリで初日の戦いは終えたのだった。
6回戦成績
黒沢+17.2P 藤崎+4.4P 沢崎▲6.2P 内川▲15.4P
6回戦終了時
沢崎+65.0P 佐々木+40.0P 内川▲16.7P 藤崎▲41.0P 黒沢▲47.3P
対局後に沢崎に聞いてみたが、やはり最終戦だけは少し気持ちが浮ついたように思うと語っていた。
佐々木はとにかく上位2人に残るのをイメージして戦いに臨んだとのことだった。ただ黒沢の長距離砲だけは注意していた。
内川は藤崎、沢崎を徹底マークして戦ったと言っていた。だが初戦のオーラスに痛恨の判断ミスをしてしまい、そこから初日をトータル0ポイントくらいで終われるようにシフトチェンジせざるを得なくなったとのことだった。
黒沢はとにかく自分のスタイルを崩さず戦おうとだけ考えていたとのことだった。終盤にやっと黒沢らしさも見えただけに最終日の巻き返しが期待できそうだ。
そして現十段位の藤崎は特に作戦などは無く、とにかく決勝の舞台に間に合ったことが何よりとのことだった。正直言って体調は万全でないことは見ていてもわかるし、麻雀の感覚はそう簡単に戻るものではない。だがこのまま終わる人では無いと誰もが知っているし皆が期待しているところだろう。
1週間後には十段位が決定する。最終日にどんなドラマが待っているのか期待せずにはいられない。