第33回国民文化祭・おおいた2018 全日本健康マージャン交流大会レポート 桜川 姫子

11月18日は大分で行われた国民文化祭の麻雀大会に参加してきました。
その模様をレポートしたいと思います。

国民文化祭とは、全国各地で行われている様々な文化活動を全国規模で行う場を設けることで、国民のみなさまの文化活動への興味や参加を促す目的で、昭和61年から毎年各都道府県で開催されている国内最大の文化の祭典であります。
その祭典の1つとして、今回、全日本健康マージャン交流大会が行われたのでした。

第33回国民文化祭2018おおいたは、主催が文化庁、厚生労働省、大分県、豊後高田市、一般社団法人全国麻雀段位審査会、一般社団法人日本健康麻将協会、日本麻雀連盟 他。
後援、日本プロ麻雀連盟・株式会社スリーアローズコミュニケーションズで行われました。

全国の各都道府県の健康マージャン代表となった方々が参加されていました。
年齢も一番若い女の子が18歳と、老若男女本当に様々な年代の方々が参加されていました。

 

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会場は豊後高田市役所で、参加人数は当日参加も含めておよそ200人ほどでした。

ゲスト卓以外はすべて手積みの卓が市役所のホールに、所狭しと並べられていました。
ゲストも物凄く豪華で、メインゲストは大分県出身の渡辺洋香プロ、スカルリーパーエージプロ。
参加プロは、森山茂和プロ、灘麻太郎プロ、土田浩翔プロ、多井隆晴プロ、小林剛プロ、小林景悟プロ、日向藍子プロ、水瀬夏海プロ、優月みかプロと私桜川姫子。
運営では、望月雅継プロ、黒木真生プロ、連盟九州本部のプロもいらっしゃいました。

 

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各ゲストは大会の卓に入り、選手として参加しました。

 

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私と優月プロは、当日参加された方々とふれあい麻雀卓で麻雀をしました。
当日、観戦に来てくださった方も、ガラス越しにプロの対局を観戦することもでき、ふれあい麻雀はどなたでも参加することができました。

 

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参加していたみなさん、とっても楽しそうに麻雀していらしたし、気さくに話しかけてくださって、握手して手を離してもらえなかったりもしました。(〃艸〃)
参加者の方々に少しお話を聞いて回ったのですが、長崎から来た方、北海道から来た方、日本全国各地から参加した方々が麻雀卓を囲んでいる光景は本当に感動しました。
そして、麻雀を通して、各地の方々がコミュニティを作って勝った嬉しさ、負けた悔しさを話し合っていました。

 

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全4半荘を終え、優勝したのは森山茂和会長でした!
次回、来年の開催は新潟で行われます。

この大会を通して全国の男女問わずどの年代の方も麻雀の楽しさをまた他のたくさんの方に広めてもらえたら嬉しいと思いました。

第13期女流桜花決定戦 初日観戦記 紺野 真太郎

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王位戦は魚谷侑未が優勝、日本オープン、女流日本シリーズに続き3冠で幕を閉じた。そして人々の興味は「女流桜花で4冠なるか」に移っていた。
魚谷が女流桜花を制すと、仲田加南と並ぶ3度目の戴冠となる。そちらの方にも注目である。

最強とも言える挑戦者を迎える仲田はこれを制すれば「3連覇」となる。こちらも魚谷含む3名と並んでいる連覇記録の更新となる。

予選1位通過を決めたのは石田亜沙己であった。前年に続く決勝進出で、周りも本人も「今年こそ」の思いは強かろう。
そんな石田であったが、この決勝の舞台に戻って来る事は、決して簡単な事では無かった。プレーオフ前の最終節南3局まで敗退(残留)のピンチを迎えていた。そこで、

九万九万九筒九筒九筒東東  ポン一万 上向き一万 上向き一万 上向き  ポン南南南  ツモ九万  ドラ九索

この珍しい混老頭を決めて、プレーオフに滑り込み、プレーオフでは、その余勢を駆って1位通過の位置まで駆け抜けた。ギリギリまで追い込まれるということを経験した石田。決勝ではそれが生きることになるであろう。

今期、第1節、首位スタートを決めたのは中野妙子であった。そのポイント80.0P。Aリーグ1年目の中野にとって、ある意味重しになっていたのかもしれない。決勝を目指し戦う中で、周りとの経験値の差は嫌と言うほど感じたであろう。一時はポイントを減らし、まさかの降級がちらついた事もあったであろうが、中野は踏みとどまり、決勝の椅子を掴み取った。

各自の思いを卓に乗せ、長いようで短い半荘12回が幕を開けた。

 

 

1回戦、起家から 仲田、中野、魚谷、石田

東1局、始まりは九種九牌であった。途中流局が起こると、次の山がセットされるまで、しばしの静寂が訪れる。経験豊富な3者にとってはなんていう事も無い時間かも知れないが、中野にとっては、落ち着くことが出来る時間を得れたのは大きかったかもしれない。

東1局1本場、魚谷が淀みのない手順で先制リーチ。

六万七万八万九万九万九万一索二索三索七筒八筒白白  ドラ七索

白は1枚切れ、八筒は魚谷から全て見えており、九筒は1枚切れ。ドラが見えていない事が唯一の不安点であるが、完璧を求めるとどこか綻びが出るもの。親の仲田の機先を制するには十分である。

一方の仲田。親番でドラ2の好手牌。

二万三万三万七万八万七索七索二筒二筒三筒四筒五筒七筒  ツモ八万

こちらの持つ仲田のイメージではノータイムで八万をツモ切る・・はずだが、仲田の選択は現物の打二万。「私守備型なんで・・」そう聞くたびに「またまたw」と思っていたが、これを見るとなるほどと思わされる。決勝戦は12回戦制。仲田からすれば、短いようで長いということなのだろう。

この局は魚谷の700・1,300で決着。4つ目の頂へ第1歩を刻んだ。

東2局、魚谷がここも先手で仕掛けていき、13巡目にこのテンパイ。

一索二索三索四索四索四索五索五索白白  チー七索 左向き八索 上向き九索 上向き  ドラ二索

テンパイ打牌は一索、それまで1枚もソーズを切っておらず、ソーズが余った形。
それを受けて親の中野もテンパイ。

二万三万七万七万二索六索七索三筒四筒四筒五筒五筒六筒  ツモ五索

二索切ればテンパイ。それは誰でも解る。しかし、その二索はドラ。魚谷は下家で既に余っている。普段の中野であれば、いや、中野で無くても、七万辺りに手を懸けそうな場面。それでも中野は二索を河に置いた。技術で敵わなくとも、心で負けないように。

中野の覚悟が実る時が来た。南1局、東発を2鳴きし、1シャンテン。

四索六索七索八索八索八索七筒  ポン発発発  ポン東東東  ドラ四索

七筒はテンパイ取らずからのトイツ落としの途中の牌。親の仲田の手番。様子を伺うかのように三索を置く。

一索一索六索七索一筒二筒三筒四筒五筒六筒七筒八筒九筒  打三索  ドラ四索

上家であり、直前の七筒手出しがテンパイしていないように見える。この三索が動かれるようであればヤミテン続行で守備的に、しかし、動かれなければ・・

「リーチ」

仲田は次巡の西をツモ切り、リーチを敢行。自分の手は打点があり、相手はまだ(多分)1シャンテン。待ちは色が被っている。仲田とすれば、勝負に値する状況が出来上がったという事であろう。
中野も引かない。七筒一筒九万と打ち出す。その全ては無スジ。そして打九万の時に八索を引き入れ追いついた。

四索六索七索八索八索八索八索  ポン発発発  ポン東東東  ドラ四索

追いついたと言っても、他家からは出るはずもない、ドラ単騎。仲田の待ちは分からないが、ここで被せてくる以上、少なくとも好形。もしかしたら、ドラトイツ以上かも・・
しかし、そんな負の思考はすぐに消え去った。仲田の次のツモはドラの、そして、中野の待ち牌である、四索であった。

これが勢いを生むきっかけとなったか、次の南2局、親番でこの手に仕上げる。

一万二万三万四万五万六万七万八万九万七索九索九索九索  ドラ七索

八索でも7,700あるが、果敢にリーチ。6,000オールを引きに行く。魚谷から追いかけリーチを受けるも七索をツモり6,000オール。大きく抜け出した。

次局の1本場、今度はドラ3枚の1シャンテン。

二万四万九万九万九万三索四索三筒八筒八筒九筒九筒九筒  ツモ四索  ドラ九万

ここで、中野は、三万が2枚切れな事、下家の魚谷がソーズのホンイツ気配であることを受けて、丁寧にマンズのカンチャンを払っていく。そして残した三筒が生きる。9巡目にこのテンパイ。

九万九万九万三索四索四索三筒四筒八筒八筒九筒九筒九筒  ツモ五索

手応えしか感じないリーチを打つ。これには他家、成すすべなく4,000は4,100オール。まだまだ先は長い。が、「もしかしたら・・」と思わせるには十分のアガリであった。

 

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1回戦終了
中野+45.2P 魚谷▲3.8P 石田▲13.9P 仲田▲27.5P

 

 

2回戦 起家から 石田、中野、仲田、魚谷

新しい半荘になっても中野の勢いは衰えないのか、10巡目にこのテンパイ。

三万三万五万五万六万六万六万南南南  ポン発発発  ドラ三万

マンズのホンイツ濃厚な河だが、ここに魚谷、親の石田が決死のテンパイ打牌。

魚谷
八万八万九万六索六索一筒一筒三筒七筒七筒九筒九筒北  ツモ北  打九万

石田
四万六万七万七万二索三索四索五索六索七索二筒三筒四筒  ツモ二万  打六万

魚谷は石田の打六万も見て次の四万で打三筒とするが、(三筒は石田の現物)石田が三万をツモり、得意の手役を決めた。4,000オール。まだ2回戦とはいえ、これ以上離される訳にはいかない。

東2局2本場、ここまで、なかなか打点のあるテンパイが組めなかった魚谷にようやく手が入る。

二万二万七万七万九索九索一筒一筒二筒二筒九筒南南  ドラ九筒

欲を言えば、九筒を重ねて、山にあると読んでいた、二万発で待ちたいとこであったが、贅沢は言っていられない。ドラ単騎でリーチ。仲田、石田はオリ気配。親の中野が追いつく。

四万五万六万六万六万六索七索八索三筒三筒四筒五筒六筒

無スジを打たずに追いつけた事と、魚谷の河に三万があるので、ヤミテンを選択。六筒三筒を入れ替え、次に掴んだのが、魚谷の当り牌である、ドラの九筒

魚谷のリーチまでの捨て牌は

三万 上向き一索 上向き一万 上向き西七筒 上向き発

こうで一万以外は手出し。特徴が無いと言えば無いが、第一打の三万と、西は2枚切れたとこで打たれた牌で、発は1枚切れ。ここに少しの違和感。とは言え、こちらは卓外から冷静に見ているわけで、戦っている最中に気づけるかはまた別。中野が六筒と入れ替えた三筒は無スジであり、ここから先の脇からのアガリが期待しにくくなってしまった事を考えると、この九筒はいかにも間が悪い。止めるならここだが・・

それでも中野は九筒を打ち出した。先ほどの打二索もそうであるが、これが中野の覚悟であろう。

魚谷が満貫を決めれば、仲田も黙っていられない。東4局1本場、魚谷のリーチ宣言牌であるドラの七索を仕掛けテンパイ。

二索三索三索四索四索東東  ポン七索 上向き七索 上向き七索 上向き  暗カン牌の背北北牌の背  ドラ七索

魚谷は

三万三万八万八万三索三索八索八索七筒七筒八筒西西

ここから打七索のリーチ。ここも山読みを入れての八筒待ち。ドラ単騎で流局、親連荘を待つ手もあったが、3,200オールを引きに行った。

結果は仲田の3,000・6,000。ある意味、起こしてしまったのかもしれない。ただ、魚谷は近年の対局において、「安全に勝てる勝負など存在しない」と考えているように見えるフシもあり、この結果を受け入れる事は難しいことではないであろう。

南4局、4,000オールスタートの石田だったが、オーラスを迎えて29,600持ちと僅かに原点を割る展開になってしまった。手数の少なさを高打点の手役でカバーするのが持ち味だが、ここまでは決まり手が少なく苦しいか。オーラス5,200をアガれ、浮くことが出来た事で好転することは出来るだろうか。

 

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2回戦終了
仲田+26.8P 石田+8.8P 魚谷▲4.1P 中野▲31.5P

トータル
中野+13.7P 仲田▲0.7P 石田▲5.1P 魚谷▲7.9P

 

 

3回戦 起家から 魚谷、中野、石田、仲田

1回戦の中野トップ、仲田ラスの形が、2回戦は仲田トップ、中野ラスで、得点の上下差は一気に縮まった。

東2局8巡目、石田の手牌

二万三万四万二索三索四索五索六索二筒二筒四筒西西  ツモ七索  ドラ二筒

三色テンパイ。石田なら二筒切りヤミテンか。しかし、下家の仲田は既に2フーロ。更には直前に三筒が2枚立て続けに切られたばかり。さすがにこれはと、四筒切りリーチとする。西が1枚切れなのもそうさせた材料であろう。懸命な選択と思う。しかし、次のツモに三筒があるとはなんとも牌山の悪戯か。結果は5,200をアガるのだが、石田の心に雲がかかるに十分であったように思う。

比較的大きな動きの無い半荘であったが、得点的に決めてとなったのは南1局の仲田のアガリか。巡目が深くなりつつあった11巡目にテンパイ。

四万五万五万一索一索二索三索四索五索六索六筒七筒八筒  ツモ二索  ドラ一索

想定ではマンズを埋めての3面張リーチであったろうが、仲田から二索が4枚見え、五索が3枚見えであったことが、テンパイを取らせた理由であろう。打四万とし、ペン三索のテンパイとした。

三索が顔を見せぬまま13巡目、手牌に変化が訪れる。ドラの一索が飛び込んできた。こうなれば迷う事は何もない。ただリーチを打つだけである。親の魚谷は1シャンテンで粘っていたが、それでも仲田に届くことは無く、仲田の2,000・4,000が決まった。

南4局、魚谷が白を1鳴き。

三万二索四索四索五索二筒三筒六筒七筒南南白白  ドラ七筒

この時魚谷は18,800持ち。確かに仕掛けて行っても、7,700くらいは狙える。ただメンゼンでならば、薄いが跳満まで見えない訳ではない。
ではなぜ?答えは親の仲田にあった。仲田は早々と3巡目に八筒八筒 左向き七筒 上向き九筒 上向きでチー。ホンイツ模様の捨て牌を作り出していた。

ここから先、ファン牌は場に打たれづらくなることが想像でき、自分の武器が潰される。一方の仲田は場のスピードを落として時間を作り、テンパイ、アガリを狙っていける。それならば、自分のスピードを上げて、仲田の望む、遅い展開にはさせないという意思の表れであろう。

このシリーズ、仲田と魚谷はお互いを意識したような仕掛けをぶつけにいくようなことが多かったと思う。ここは魚谷が500・1,000と仲田の親を潰し、ラスを受け入れるアガリを決めた。

 

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3回戦終了
仲田+24.0P 中野▲2.2P 石田▲4.6P 魚谷▲17.2P

トータル
仲田+23.3P 中野+11.5P 石田▲9.7P 魚谷▲25.1P

 

 

4回戦 起家から 石田、中野、仲田、魚谷

東1局、起家石田の配牌。

四万八万二索三索三索三索六索六索七索七索一筒三筒九筒白  ドラ七筒

この配牌を得た石田は何を思ったのだろうか。ホンイツ、チンイツ、もしかして四暗刻、悪くてもタンヤオ・・それが5巡目には仲田、魚谷の仕掛け、中野のリーチに囲まれてしまった。
それでも丁寧に打ちまわして11巡目にはカン三万で追いつく。しかし、アガリに結びつく前に八筒を掴まされる。

二万四万四万五万六万三索三索三索六索六索二筒三筒四筒  ツモ八筒

東1局でもあり押してもいいように思えた。その反面、ドラは見えてなく、放銃につながった場合は5,200や7,700と言われても不思議はない。

石田は全員の現物である二筒を抜いた。このままノーテンで終われば受け入れる準備も出来ていたであろう。だが、次のツモが三万であったこと、打てる牌が無くなってしまったことまでは想定出来ていただろうか。
三万をツモった手に落胆が見えたのは私だけであろうか。九索が通って五索が3枚見えのワンチャンス・・石田が必死に導き出した打牌であろう。祈りにも近い気持ちで打ち出した六索に声を掛けたのは中野であった。

四万五万六万四索五索五筒六筒七筒七筒八筒九筒東東  リーチ  ロン六索

5,200。だが石田にとっては失った得点以上のダメージであったであろう。

東2局、魚谷が放ったドラの東を石田が仕掛けた。

六万七万八万四索五索六索九索九索四筒六筒  ポン東東東  ドラ東

ポンテンの7,700。これを決めれば、さっきの失点は取り返せる。アガれれば・・
ドラを打ち出した魚谷は次巡、四万手出しでリーチ。石田が魚谷の現物七索をツモ切ると親の中野が2フーロ目。こちらはソーズのホンイツ。
二索を掴む石田。リーチにも親にも通っていない・・手が止まる石田。本能では切りたくない。でも・・
身体が拒否していても頭が打とうとする。だから、頭で通る理由を探す。四索が目に入る。1、2、3・・またワンチャンス。意を決して放った二索を魚谷は捉えた。

二万三万四万三索四索二筒三筒四筒五筒五筒五筒発発  リーチ  ロン二索  ドラ東

「そうだよね・・」石田がこう思っていたかはわからないが、石田の目は手役よりも暗刻の五筒に向けられていたのではないだろうか。

このアガリをきっかけに仲田を追いかけて行きたい魚谷。東4局中野から3,900。

六万七万七万八万九万四筒五筒六筒七筒七筒八筒八筒八筒  リーチ  ロン五万  ドラ五筒

さあ、ここからという時だが、1本場、ここは中野が3,900のお返し。

五索六索七索一筒一筒六筒七筒  チー七索 左向き八索 上向き九索 上向き  ポン東東東  ドラ一筒

調子に乗り切れない。南1局、仲田は魚谷が仕掛けを入れているところに、自風の西を鳴いて応戦。

三索五索七筒七筒七筒七筒八筒西西白発中中  ポン西  打発  ドラ五索

この手が伸びて

五索五索七筒七筒七筒中中  チー六筒 左向き七筒 上向き八筒 上向き  ポン西西西  ドラ五索

このテンパイ。魚谷にもテンパイが入っていた。

五索六索七索四筒四筒四筒南南北北  チー二万 左向き三万 上向き四万 上向き  ドラ五索

魚谷は北家、ダブルバックの形。ここに中を掴み、仲田に8,000の放銃。魚谷もこの放銃は見直して悔いていた。

南4局、魚谷の親には徹底して足を使う仲田。2巡目に

一万二万二万七万九万九索一筒東東西北中中  ドラ六索

ここから三万をチー。この仕掛けが噛み合いアガリを生む。

七万八万九万東東西西  ポン中中中  チー三万 左向き一万 上向き二万 上向き  ツモ東

2,000・4,000。仲田3連勝。ラススタートからも貫禄のトータルトップで初日を締めた。

 

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4回戦終了
仲田+28.1P 中野+12.6P 石田▲15.0P 魚谷▲25.7P

トータル
仲田+51.4P 中野+24.1P 石田▲24.7P 魚谷▲50.8P

データからは初日マイナスした者の巻き返しは難しいという。だが、諦めない限り、その確率がゼロになることは無い。仲田の独走か、中野の追撃か、石田の反撃か、魚谷の爆発か。思い思いの1週間を過ごし、またここに戻ってくることになる。

第189回:プロ雀士インタビュー 魚谷 侑未  インタビュアー:松田 彩花

11月25日、勝利の女神はまたしても魚谷侑未に微笑んだ。
この日、魚谷は今年三冠目となる第44期王位の座を獲得した。女流日本シリーズ、日本オープン、そして王位というタイトルを1年の間に立て続けにとってしまったのだ。

そんな、今ノリに乗っている魚谷プロの王位インタビューを任された時、正直飛び上がるほど嬉しかった。
なにを隠そう私、松田彩花は、魚谷プロに憧れて麻雀業界に飛び込んできたのだ。右も左もわからない中、魚谷プロが書いた麻雀本を片手にプロ試験を受けに行ったのを今でも覚えている。巣鴨に連盟道場ができる前、魚谷プロのB1リーグを後ろ見しに行ったりもした。(※現在は観戦不可)

私にとって憧れの魚谷プロのインタビューを任されたのだ。
緊張しながらインタビューのお願いをすると忙しい中、スケジュールを調整して快く引き受けてくれた。

約束の日、魚谷プロの優勝を祝うと聞いて、親友の藤井すみれプロ、王位戦の決勝を共に闘った浜野太陽プロも駆けつけてくれた。

 

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王位を祝う乾杯の声が店内に響いた

『ゆーみんさんおめでとうー!!!』

満面の笑みでお酒を飲む魚谷プロに、同期だという藤井すみれプロからも祝福の言葉が送られた。

松田「ゆーみんさん本当におめでとうございます!!!」

魚谷「ありがとう!」

松田「率直に聞きます!今の気持ちは!!」

魚谷「それが…すっごく嬉しいはずなんだけど、なんだか精神を消耗してしまって…」

松田「ええ!そこは、嬉しくて眠れません!的なの予想してたのでびっくりです。」

魚谷「不思議なものだねぇ…前に女流桜花で負けた時もこんな感じになったことがあったんだけど、負けたからだと思ってたの。でも、大きい試合で精神を消耗して麻雀打った後だからこうなっちゃうんだなーって今分かった。」

-精神を消耗しながらも、麻雀を打つ…私は王位戦でみせた魚谷プロの色んな表情のことを思い出す-

 

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精神を消耗したというのも頷ける。そして、可愛い。

松田「あ!魚谷プロは、本戦からの出場でしたよね!本戦、準決勝と勝ち上がりを決めて決勝まで来ましたが、余裕を持って勝ち上がりを決められたんですか?」

魚谷「んー勝負しきって、勝ち上がってきたって感じかな。準決勝では、早い段階で大きくプラスできたので、そのプラスを活かして4回戦目では攻め続けてトップを取ることができたの。」

松田「なるほど。決勝を闘う相手が決まった時は、どう思いましたか?」

魚谷「前原さんは要注意だなーって思ってたね。」

松田「現鳳凰位ですし、やはり決勝経験も豊富ですからね。」

魚谷「このメンバーの中で、前原さんだけはたくさん麻雀を見てきて打ち筋は知っていたし、、色んなリーチがあると思って(定番のガラクタリーチから本手リーチまで)自分が手が入った時は素直に戦おうと思ってたよ。」

王位戦決勝の1回戦目。

この日一発目のリーチをかけたのは前原だった。

 

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親番とはいえ、手牌にはドラもなく場に1枚ずつ切れている一索二索待ちのリーチだ。そう。これが〔ガラクタリーチ〕と呼ばれているリーチである。ガラクタなんて呼ばれているが、あっという間に相手を自分のペースにしてしまう恐怖のリーチである。

また、2回戦でも起家の前原が魅せる。
東1局、リーチリーチと攻め続け二度のテンパイ流局で親権を維持すると、2本場ではようやくアガリをものにする。
ここまで前原は3局連続でのリーチ。これには実況の日吉辰哉プロも『リーチをかけられる胆力がすごい。』と一言。

そして迎えた東1局3本場、前原に勝負手がはいる。

 

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6巡目、2枚切れの八筒で一気通貫のテンパイ。ここでも前原は迷うことなく即リーチ。
しかし、ここで前原の猛攻を止めたのはプロになって数ヶ月の新人。浜野だった。

 

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その後、前原は苦しい展開が続き、厳しいポイント状況となってしまった。

松田「魚谷プロは浜野プロとは王位戦で初対戦だったんですよね?」

魚谷「プロ1年目で初決勝なのに、物怖じせず戦ってて凄いなぁと思ったよ。」

浜野「光栄です。最後まで条件が残るように打っていたんですが、5回戦目はかなりきつくなってしまいました。」

魚谷「あ!あとは、菊田さんの精神力の強さが印象に残ってるね。」

松田「精神力ですか?」

魚谷「最終戦の東2局、12,000点放銃したあとに1,000点アガったやつ。あれは精神力がすごいなぁって。強さを感じたなぁ…」

浜野の親リーチに対して、高めの四筒を放銃したこの場面。

最終戦東2局親・浜野 ドラ一筒

 

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次局 東2局1本場

 

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菊田はこの手牌から、二筒をチーして1,000点のテンパイを取る。
本来ならタンピンイーペーコーなど打点が見える手牌なので、メンゼンでの手作りをする人が多そうだが、場に3枚見えの五筒八筒が薄いと見るとすかさずチーしてテンパイをとったのだ。

 

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結果は菊田の300・500ツモアガリとなった。

魚谷「これをチーできるのは心が強いなーと思ったね。大きい放銃の後で大物手狙いたくなるところなのにすごく冷静だった。菊田さんが12,000を放銃して、優勝がかなり近くなったんだけど、その後に仕掛けて1,000点をアガるのを見て、菊田さんは精神力が凄いから全然安心出来ないなって感じたよ。」

私たちが印象に残る局と、対局者同士で印象に残る局はここまで違うのかと衝撃を受けた。
そこで、浜野の印象に残った1局を聞いてみる。

浜野「あの。カン四万の局は経験の差を感じましたね。」

-私のゆーみん麻雀フォルダーを覗くと…あった!!!これだ!!-

 

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東2局2本場 供託2本ドラ六筒 親・魚谷

 

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供託2本付き。某プロの供託泥棒魂がゆーみんに乗り移った。
5巡目この形から二筒をポン打八索

 

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その後四索を自ら引き入れカン四万待ちテンパイ。
だが、菊田も黙ってみてはいない。

 

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絶好のドラを引き入れ高めタンヤオのドラドラリーチ。解説の瀬戸熊プロが『 優勝者のツモだ。』と呟いた。
この六万九万は山に5枚残り、対する四万はすでに山には残っていなかった。

 

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菊田からのリーチを受け手詰まった浜野が打四万。この四万を魚谷が捉えた。

浜野「今回の王位戦は、予選からこういう仕掛けには手を出せずにいたんですよね。引き出しの差を感じた瞬間でした。」

この後魚谷は親番でアガリを重ね、この半荘を54,100点の大きなトップを取り大きなアドバンテージを得たのであった。

松田「最終戦は苦しい場面も多かったですよね…ラス前の六万の放銃した後の表情が忘れられないです…」

魚谷「試合中に勝ち負けを考えると余計な雑念が入るから考えないようにしてるんだけど、ラス前は『負けるかもしれない…』と思ったよ。それくらい自分が不利な状況だと思ってた。」

浜野「オーラスの親番でツモった六万はすごく嬉しそうでした(笑)」

魚谷「そりゃ嬉しいよ!高めだもん!!跳ねたよ!!」

南3局 親・前原 ドラ一筒

 

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ラス前に痛恨の放銃をしてこの表情の魚谷。

迎えたオーラス0本場は2人テンパイでの流局。
そしてオーラス1本場 親・魚谷 ドラ三索

 

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ここで持ってきたのは、前局ライバルの菊田に放銃した牌と同じ六万だった。六万に泣かされる1日。
その後はリードを守りきり、魚谷が優勝を手にした。

カメラに映った魚谷プロの表情に私まで涙が出そうになる。

 

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魚谷「そのあと、瀬戸熊さんに内容がめちゃくちゃよかったよって褒められたんだよね。それがすごく嬉しかった。あと、太田優介プロに『新人は見るべき。タイトル戦のお手本みたいな麻雀だから』とツイートしてもらえたのはすごく嬉しかったなぁ。」

 

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※ここにでてくる魚とは海にいる魚ではなく、魚谷プロの愛称である。
 

松田「本当にすごく強くて、いつか同じ舞台で戦えるように私も勉強頑張ろうって思えました。最後に今年はまだ女流桜花も残っていると思うので、見ているファンの皆さんに一言お願いしてもいいですか?」

魚谷「苦しい時も最後まで応援してくれるファンの方がいるから、私はファンの皆より先に諦めることは絶対にしません。どんな試合になったとしても見て良かったと思ってもらえる試合を作れるように頑張ります!麻雀プロとしての魚谷侑未をみてもらえたらと思います!応援よろしくお願いします!」
※インタビューは女流桜花決定戦前に行われた。

私がプロになるきっかけにもなった
【現代麻雀が最速で強くなる本】には、
『麻雀ではどんなに辛く苦しくても、最後まで諦めなかった者だけが奇跡を起こせる。 』と書いてある。
奇跡を起こし続ける魚谷プロの今後にもますます期待が高まる。

 

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魚谷プロ!優勝おめでとう!!!

第35期 A2リーグ 最終節成績表

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 10節 11節 対局消化数 合計
1 西川 淳(愛媛) 21.8 ▲ 14.4 39.9 2.1 ▲ 28.1 ▲ 21.5 66.3 37.1 26.0 ▲ 10.7 78.9 44/44

197.4
2 前田 直哉(静岡) 10.3 47.8 ▲ 21.2 41.1 ▲ 10.7 47.4 4.5 ▲ 45.6 64.8 106.4 ▲ 49.5 44/44

195.3
3 山田 浩之(兵庫) ▲ 27.6 65.0 8.1 4.5 ▲ 15.7 119.3 11.1 2.7 91.2 ▲ 56.0 ▲ 11.2 44/44

191.4
4 ダンプ 大橋(神奈川) ▲ 59.0 ▲ 31.6 41.1 ▲ 13.3 76.7 ▲ 25.0 45.4 48.3 20.1 29.7 ▲ 19.2 44/44

113.2
5 佐々木 寿人(宮城) 24.8 ▲ 4.9 ▲ 59.3 78.2 48.1 31.2 ▲ 61.0 ▲ 23.0 27.7 27.2 8.3 44/44

97.3
6 二階堂 亜樹(神奈川) ▲ 95.4 ▲ 25.3 35.0 45.8 64.0 80.3 ▲ 38.9 ▲ 12.6 24.8 ▲ 26.9 34.6 44/44

85.4
7 猿川 真寿(静岡) 45.0 ▲ 36.7 17.5 86.8 47.8 ▲ 28.0 2.8 7.8 ▲ 6.8 ▲ 43.4 ▲ 31.4 44/44

61.4
8 藤原 隆弘(福岡) ▲ 34.0 ▲ 6.3 ▲ 44.2 ▲ 34.6 ▲ 21.7 ▲ 6.3 42.6 45.9 ▲ 22.4 41.5 73.4 44/44

33.9
9 客野 直(神奈川) 58.7 19.1 19.2 26.9 30.4 ▲ 79.1 ▲ 60.0 ▲ 8.1 ▲ 24.0 32.4 16.4 44/44

31.9
10 魚谷 侑未(新潟) 59.3 3.3 ▲ 17.0 ▲ 27.8 ▲ 44.2 ▲ 18.7 65.0 28.8 ▲ 63.7 32.0 ▲ 11.5 44/44

5.5
11 古橋 崇志(静岡) ▲ 50.8 29.6 7.5 ▲ 4.7 ▲ 34.8 ▲ 28.0 70.1 ▲ 16.5 ▲ 31.3 ▲ 18.3 19.3 44/44

▲ 57.9
12 黒沢 咲(東京) 56.6 61.0 57.7 ▲ 69.1 ▲ 50.2 19.5 ▲ 41.4 ▲ 44.5 ▲ 59.5 ▲ 32.7 2.1 44/44

▲ 100.5
13 石渡 正志(神奈川) ▲ 3.1 ▲ 52.1 ▲ 39.5 3.7 12.5 ▲ 38.9 ▲ 30.2 42.3 ▲ 4.2 ▲ 17.5 9.3 44/44

▲ 117.7
14 刀川 昌浩(東京) ▲ 22.2 0.2 3.0 ▲ 58.8 ▲ 23.2 41.1 ▲ 63.6 ▲ 41.9 ▲ 25.9 32.0 ▲ 55.2 44/44

▲ 214.5
15 荒 正義(北海道) 25.6 ▲ 66.4 ▲ 1.7 ▲ 35.1 ▲ 18.7 ▲ 44.3 ▲ 66.2 26.4 8.1 ▲ 63.5 ▲ 21.3 44/44

▲ 257.1
16 麓 征生(東京) ▲ 10.0 11.7 ▲ 46.1 ▲ 45.7 ▲ 32.2 ▲ 49.0 53.5 ▲ 48.1 ▲ 24.9 ▲ 32.2 ▲ 45.0 44/44

▲ 268.0

第14期静岡プロリーグ 第8節レポート

今節の静岡プロリーグは、王位戦と国民文化祭と日程が重なり別日対局が多く、2卓開催となった。
2卓とはいえ、もう第8節である。
各卓、各々の思考が交錯した熱い戦いが始まる!

1卓
中 寿文 × 鈴木 郁孝 × 川崎 義之 × 原 佑典 ×杉村 泰治

トータル4位(決勝は上位4位まで)につける鈴木郁をなんとしても沈めて、自身の浮上を狙う川崎・中・杉村。
それが出来ると残り2節に望みをつなぐことが出来る。逆にこれ以上離されてしまうと、相当きつくなるため3人にとっては絶対に勝ちたいこの試合。

結果は
原+69.4P 杉村+13.5P 鈴木郁+3.7P 川崎▲9.9P 中▲76.7P

原が終始好調を保ち卓内トップ。
鈴木郁は、苦しいながらプラスにまとめ、決勝進出圏内に踏み止まった。
川崎も、満足のいく結果とは言い難いものの残り2節あれば充分狙える位置につけたため御の字といったところ。
中は、決勝進出争いから大きく後退してしまった。
中は技術面では静岡でもトップクラスだと思うのだがメンタル面の弱さが出てしまった一節となってしまった。

2卓
青嶋 宏樹 × 越川 清一 × 加来 千香子 × 鈴木 涼太 × 中野 妙子

この卓で決勝進出が現実的に見える位置につけているのが青嶋。
青嶋としては、強く前に出てくると思われる4人の攻撃をかわしながら、ポイントを伸ばしたいところ。

結果は
鈴木涼+25.4P 中野+18.1P 越川+9.2P 青嶋▲16.9P 加来▲35.8P

卓内トップは鈴木涼!
中部のリーグ戦でも好調をキープし、充実ぶりが伺える。
青嶋は、4人の攻撃をかわすのが精一杯でマイナスで終わってしまった。

別日対局も着々と行われ、11/27時点でのトータルポイントを見てみると
首位 鈴木郁+265.5P
2位 望月+234.3P
3位 京平+230.4P
4位 藤島+217.2P
5位 蓮沼+148.7P
6位 川崎+129.7P

鈴木郁が遂に首位に返り咲いた。
今期より、戦い方を大幅に変えてきたのは彼のことをよく知る選手は誰しも感じているであろう。
常に前に出て戦うスタイルが彼にマッチし結果が出ている。
残り2節、ポイントを意識せず腕を振ることが出来たら決勝進出は目の前だろう。

あと2節!!
決勝進出は一体誰になるのか?!
いよいよ目が離せなくなってきた!!

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 10節 合計
1 藤島健二郎 36.0 62.5 8.2 87.6 44.0 13.3 ▲ 34.4 52.7 269.9
2 鈴木郁孝 108.1 9.5 40.9 ▲ 7.4 27.5 52.3 30.9 3.7 265.5
3 望月雅継 51.9 63.9 ▲ 28.2 22.1 8.9 20.7 95.0 5.5 239.8
4 京平遥 22.8 ▲ 5.8 14.8 44.2 19.3 ▲ 29.1 72.7 91.5 230.4
5 川崎義之 20.2 37.4 94.8 0.9 ▲ 17.5 ▲ 13.5 17.3 ▲ 9.9 129.7
6 太田昌樹 5.6 ▲ 4.8 27.1 16.1 ▲ 27.4 34.4 22.5 22.8 96.3
7 蓮沼友樹 29.8 15.4 2.8 8.0 74.4 19.3 ▲ 1.0 ▲ 59.6 89.1
8 足立純哉 25.5 90.8 ▲ 11.8 26.3 ▲ 79.4 51.8 ▲ 20.9 6.3 88.6
9 杉村泰治 ▲ 94.0 43.6 59.2 8.4 12.9 17.4 23.6 13.5 84.6
10 鷲見隼人 ▲ 42.1 ▲ 34.8

▲ 17.5 7.1 57.2 101.0 7.7 4.7 83.3
11 大橋幸正 24.9 ▲ 13.9 47.5 16.9 49.6 ▲ 51.2 2.9 ▲ 3.0 73.7
12 山本拓哉 18.1 5.6 26.4 42.1 83.0 ▲ 10.7 ▲ 80.3 ▲ 12.7 71.5
13 青嶋宏樹 58.5 17.2 51.6 ▲ 29.8 29.6 ▲ 75.0 ▲ 2.8 ▲ 16.9 32.4
14 鈴木秀幸 65.6 ▲ 40.9 ▲ 17.7 35.9 14.9 24.9 14.9 ▲ 81.0 16.6
15 平岡理恵 60.0 ▲ 11.0 ▲ 14.0 10.0 10.8 23.9 ▲ 28.8 ▲ 40.5 10.4
16 土屋幸弘 ▲ 26.0 ▲ 20.0 27.6 ▲ 0.5 ▲ 30.0 ▲ 2.8 26.7 5.1 ▲ 19.9
17 平野敬悟 ▲ 23.8 33.5 ▲ 75.9 ▲ 69.1 29.7 11.6 ▲ 5.1 74.1 ▲ 25.0
18 中寿文 28.1 15.3 ▲ 23.2 ▲ 14.7 32.4 4.7 7.8 ▲ 76.7 ▲ 26.3
19 越川清一 32.1 16.0 ▲ 51.3 ▲ 26.9 ▲ 56.4 17.3 ▲ 14.6 9.2 ▲ 74.6
20 鈴木涼太 ▲ 39.6 ▲ 64.4 ▲ 24.0 ▲ 33.2 ▲ 5.1 15.5 38.2 25.4 ▲ 87.2
21 原佑典 ▲ 70.9 ▲ 26.2 29.0 ▲ 62.9 ▲ 62.2 ▲ 88.0 68.2 69.4 ▲ 143.6
22 佐藤あいり ▲ 17.0 ▲ 59.1 ▲ 4.6 2.5 ▲ 52.1 16.4 ▲ 41.5 1.7 ▲ 153.7
23 都築友和 ▲ 52.7 ▲ 16.1 ▲ 8.8 44.0 6.3 ▲ 42.4 ▲ 75.3 ▲ 16.6 ▲ 161.6
24 加来千香子 ▲ 17.5 ▲ 23.2 30.5 ▲ 65.0 ▲ 27.4 ▲ 14.2 ▲ 40.1 ▲ 35.8 ▲ 192.7
25 渡辺洋巳 ▲ 8.3 6.6 ▲ 36.9 ▲ 33.7 ▲ 9.0 ▲ 40.5 ▲ 65.3 ▲ 35.4 ▲ 222.5
26 中野妙子 ▲ 71.1 ▲ 44.9 ▲ 18.6 ▲ 16.0 ▲ 56.5 ▲ 18.7 ▲ 24.5 18.1 ▲ 232.2
27 高木翔太 ▲ 70.3 ▲ 85.6 ▲ 22.1 ▲ 34.9 ▲ 78.5 ▲ 72.9 3.2 ▲ 15.6 ▲ 376.7

第32回静岡リーグ(プロアマ混合)第3節レポート

「何故、静岡リーグに参戦しているのですか?」

静岡・浜松への参戦を始めてから早くも1年と半年が過ぎた。その間、数多くの方々からこの質問を頂いた。今でも少なくない。

理由は2つ。
1つは静岡出身であること。
そして、もう1つはプロテストの時からお世話になっている静岡支部長・望月雅継の存在である。
この2つの理由がなければ、恐らく参戦していないのではないかと思える。

時々、ふと「参戦していない自分の姿」を想像してみることさえある。
側から見た時に現在の静岡支部の活動や静岡リーグは、どのように自分の目に映っているのだろう。

今期から藤島健二郎・中野妙子が参戦し、大きな話題となったが、静岡リーグにはゲストとしてお招きするプロも多い。
また、東京をはじめ各地方からスポット参戦する方々もいる。今節の静岡リーグには、東京から武田裕希プロがスポット参戦し、一般参加の選手達と牌を交えた。

初めは「望月雅継と同じステージで戦えること」への悦びが大部分を占めていたが、今となっては他にも参戦する動機は多くある。
静岡リーグに参戦する方が、プロアマ問わずに増えてきていることが全てを物語っている。

それは静岡リーグが魅力的であり、そしてこの先もその魅力が増えて大きくなっていくと信じてやまない。

第32回 静岡リーグは早くも第3節を迎えた。

暫定首位・藤島健二郎は別日対局で不在。
その隙を狙って、一気に名乗りをあげてきたのは過去に何度も決勝の舞台に立ったことのある平野敬悟。
鬼の居ぬ間に…とは、このことを言うのだろうか。

その後の順位にも大きな変動。
杉村泰治・山本拓哉・都築友和・川崎義之と4位から8位までプロの名前が連なる結果となった。

だが、決勝の椅子は5つしか用意されていない。
今期の静岡リーグ参戦者は54名。
誰かが突き抜けているわけでもなく、全員にチャンスがあるだろう。

来月に行われる第4節。
最終節を前にして、当確ランプを灯しにくる選手は果たして現れるのであろうか。

順位 名前 プロ/一般 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 藤井 太郎 一般 29.0 88.6 43.4 161.0
2 藤島 健二郎 プロ 98.6 51.6 0.0 150.2
3 平田 拓也 一般 29.4 17.6 ▲ 11.5 111.1 146.6
4 鈴木 雅人 一般 57.6 ▲ 35.4 106.2 128.4
5 平野 敬悟 プロ 3.8 31.2 87.0 122.0
6 杉村 泰治 プロ 54.6 9.9 41.0 105.5
7 山本 拓哉 プロ 30.0 69.4 ▲ 6.1 93.3
8 都築 友和 プロ 37.7 3.2 50.4 91.3
9 川崎 義之 プロ 4.1 26.4 52.1 82.6
10 北島 武弘 一般 24.8 ▲ 10.4 59.9 74.3
11 松永 誠 一般 54.0 30.4 ▲ 25.9 58.5
12 伊藤 真 一般 8.3 34.8 11.5 54.6
13 堀 孔明 一般 52.5 0.0 0.0 52.5
14 太田 昌樹 プロ 59.3 21.4 ▲ 32.3 48.4
15 宮地 孝尚 一般 91.5 ▲ 33.5 ▲ 15.5 42.5
16 深見 翔 一般 3.5 40.5 ▲ 11.6 32.4
17 松清 一樹 一般 19.8 19.6 ▲ 11.6 27.8
18 影山 恒太 一般 0.6 26.9 0.0 27.5
19 中 寿文 プロ ▲ 8.3 27.3 3.4 22.4
20 鈴木 康功 一般 ▲ 1.3 50.4 ▲ 27.6 21.5
21 斉藤 隆 プロ 0.0 ▲ 4.8 21.3 16.5
22 源馬 健太 一般 27.3 ▲ 25.4 12.0 13.9
23 髙橋 孝基 一般 ▲ 10.1 ▲ 6.8 24.3 7.4
24 高木 翔太 プロ 47.0 27.3 ▲ 68.5 5.8
25 坂本 彰光 一般 1.3 3.8 0.3 5.4
26 岡田 智和 プロ ▲ 34.8 38.7 0.0 3.9
27 足立 純哉 プロ 0.0 ▲ 1.1 0.0 ▲ 1.1
28 鈴木 郁孝 プロ 45.0 ▲ 47.0 0.0 ▲ 2.0
29 袴田 一郎 一般 ▲ 24.2 0.0 17.1 ▲ 7.1
30 大橋 幸正 プロ ▲ 4.8 ▲ 4.6 0.0 ▲ 9.4
31 岩井 健太 プロ 0.0 0.0 ▲ 13.9 ▲ 13.9
32 伊藤 裕美子 一般 2.2 ▲ 12.1 ▲ 9.1 ▲ 19.0
33 京平 遥 プロ 0.0 ▲ 31.5 0.0 ▲ 31.5
34 青嶋 宏樹 プロ ▲ 34.6 ▲ 5.1 7.3 ▲ 32.4
35 福井 弘人 一般 ▲ 42.7 23.0 ▲ 13.2 ▲ 32.9
36 村瀬 光佳 一般 0.0 ▲ 10.3 ▲ 22.9 ▲ 33.2
37 牧野 光治 一般 ▲ 13.0 ▲ 0.5 ▲ 19.8 ▲ 33.3
38 大谷 数則 一般 ▲ 40.5 7.0 0.0 ▲ 33.5
39 鈴木 涼太 プロ 41.4 ▲ 76.8 0.3 ▲ 35.1
40 山内 紀博 一般 32.8 5.5 ▲ 80.0 ▲ 41.7
41 舟橋 晃 一般 ▲ 42.8 0.0 0.0 ▲ 42.8
42 鷲見 隼人 プロ ▲ 61.5 16.5 0.0 ▲ 45.0
43 八木 寛大 一般 15.9 ▲ 71.5 0.2 ▲ 55.4
44 小山 剛史 一般 10.6 ▲ 70.8 0.0 ▲ 60.2
45 西田 孝志 一般 ▲ 38.5 21.4 ▲ 54.1 ▲ 71.2
46 渡辺 洋巳 プロ 0.0 ▲ 24.6 ▲ 47.1 ▲ 71.7
47 望月 雅継 プロ ▲ 22.7 ▲ 51.8 0.0 ▲ 74.5
48 中野 一男 一般 ▲ 20.2 ▲ 81.2 25.2 ▲ 76.2
49 白井 健夫 一般 ▲ 78.2 ▲ 6.3 0.0 ▲ 84.5
50 原 佑典 プロ ▲ 59.0 ▲ 18.3 ▲ 20.1 ▲ 97.4
51 鈴木 秀幸 プロ ▲ 79.6 ▲ 28.0 0.0 ▲ 107.6
52 岡本 茂 一般 ▲ 59.4 ▲ 35.9 ▲ 28.0 ▲ 123.3
53 大橋 義一 一般 ▲ 53.8 ▲ 31.4 ▲ 63.3 ▲ 148.5
54 本田 真之 一般 ▲ 122.4 ▲ 12.3 ▲ 23.7 ▲ 158.4

「~新しい何かが~」 前原 雄大

私は大体朝の6時ごろ目覚めることが多い。
テレビのスイッチを入れニュースなどを見る。その折りに、人生時計なるものを知った。
簡単に記せば、自分の年齢を3で割れば良いだけの事である。例えば、私の場合であれば60歳を過ぎているから、3で割ればおおよそ20時過ぎている。残された時間は4時間弱である。
私当人とすれば、後3時間強しかない、、、そう思う気持ちと、まだ4時間弱生きなければならないのかと思う気持ちがある。
勿論このことは20年ほど前に言い出されたことで、今は平均寿命も延びているし、あやふやなものであることには間違いないだろう。
午前0時は72歳である。それ以上生きた人は、感謝の気持ちを持って日々を生きなさい、、そういうことらしい。

それにしても、月日が経つのは速いもので、40年近く麻雀プロを結果としてやってきたわけである。
先日ある対局の前に、森山茂和会長とメイクの時間が重なった。私がメイクしてどうするんだという気持ちもないではない。
「前ちゃんとも長いよナ・・もう知り合って40年以上の月日が経ったのだから」
「そうですね、場所は銀座のみゆきビルでしたね」
その時が初対面で、森山会長は既に麻雀専門誌に執筆もされていたが、私は名もなき20歳ごろの尖がった子供だった。
名乗り合ったわけでもないのに、良く覚えていらっしゃることに感心した。

しばらくして、プロ連盟が設立するのだが、様々な方から入会を勧められた。その誘いの全てをお断りさせていただいた。その辺りの事は何度か記した。
「まあ、いつ辞めても良いのだから、研修制度が出来たから参加してみたら」
早朝の電話だった。
「いつからですか?」
「今日の午前11時から」
「急な話ですね」
「急だから、いま電話しているのだよ」
プロに成る前から慕っていた方からだった。楽し気な口調は今でも鮮明なほどに覚えている。その方は今でもおつきあいがあり、盆、暮れには何かしら、送るようにしている。

入会しなかった、大きな理由は、既に学生の頃からの彼女と結婚したばかりだったことと、麻雀店を経営する時期とぶつかっていたためである。
1年後には2号店まで出した。元々はフランチャイズにするつもりだった。一度に2つの事をできない不器用さは今も変わっていない。そして、様々な事情で2店とも畳んだ。

そのあと市ヶ谷のPという店に毎日のように通った。特殊な三人麻雀の店だった。
半年ほど後ろで見学させてもらい、常連の打ちスジ、オリるタイミング、指使い、間の取り方、それなりに全て頭に叩き込んで、帰ってからノートに記した。
「そろそろ、手を下ろしてももイイんじゃない?」
店主の言葉を切っ掛けに、その店で打ち始めた。不思議なことに半年ほど負けなかった。それでもやはり負けが訪れた。当たり前のはなしである。

市ヶ谷に向かい歩き始めた。負けた自分が許せなくて、思いついたように歩き始めた。四谷で電車に乗るつもりだったが、結局は当時の自宅である武蔵境まで歩き続けた。
これも、不思議なことに歩き疲れた記憶はその日は無かった。
また、半年ほどして、負けたおりには当たり前のように自宅まで歩いた。そして、3度目に負けた時もそうしようと歩きはじめたが、雪が降り始めかなりの降雪になり、タクシーで帰宅した。
負けそのものよりも、タクシーで帰宅した自分が許せなかった。

今思い返せば、何もかも若かったし、青かったと思う。皆が、鰻や、寿司を頼んでいた。私は愛妻弁当である。
そして、そんな私を揶揄したが、何とも思わなかった。いや、羨ましく思ったかもしれない。
「何を言っているのだ!!」
そう思っていたかもしれない。時の流れは速いものでそんな感情さえ忘れてしまっていた。

【鳳凰戦】

「入場シ-ンを撮るので少し待って下さい」
立会人の紺野真太郎さんの言葉である。待っている間に、前述した連盟に入ってしばらくした頃の、市ヶ谷から歩いたことなどをなぜか思い出しながら、リラックスするためのヨガのポーズを繰り返していた。
「卓に着いてください」
紺野君が優しく私の背に触れた。
「撮影は?」
「終わりました」

彼の意図が解らなかった。良く解らないまま席に着いた。席に着きながら、今日初めて口にした言葉が先ほどの、紺野真太郎君への「撮影は?」だった。
休憩時間に煙草を吸いに喫煙所に行くと、瀬戸熊直樹さんがいた。
「失礼」
そう言って喫煙所の扉を閉めた。彼が吸い終わるのを扉の内側で待つわけである。一緒に煙草を吸っても何ら問題はないのだがそうする。逆の事もあり、私が先に喫煙所にいると瀬戸熊さんが
「すいません」
そう言って扉の内側で待っていてくれる。
「待たせたね」
そういう言葉の一言もなく、軽く頭を下げ合う。
それで充分心は通じ合う。
他の何かの言葉を口にすると、大切な何かが口から抜けて行くような気がする。それは、例えば集中力だったり、心の弛緩だったり、、気のせいかもしれないが_。

私は鳳凰戦におけるこの空気感、心地よい緊張感が好きだ。
HIRO柴田さんは卓の椅子、内川幸太郎さんは控室に面する椅子、瀬戸熊さんは多分、鳳凰位のトロフィーのあった辺り、{廊下に出てないので想像に過ぎないが}私は喫煙所前の床で、やはりヨガのベビーポーズか、座っての坐骨を立て、呼吸法に勤しんでいる。それぞれがお互いのエリアには立ち入らない。

負ける覚悟も前日までに済ませてある。年に一度あるかないか、前日にカラオケに行ってアリスのチャンピオンを1曲歌う。その歌詞が負ける覚悟を私に作らせる。
昔は少し違っていた。何人かで、カラオケに行き、私がリクエストした歌を歌ってもらっていた。Nさんの歌う、レオンラッセルのソングフォーユーや、誰かの、アヴェマリアが好みだった
彼女たちとも何年逢っていないだろう。長内真美さんの結婚式が最後のように思う。
チャンピオンは丁度私自身のように思えて仕方ない。

2日目が終わったあとインタビューがあった。思いもかけず首位に立った私は、インタビューの順番は最後と考えていた。
思いもかけず、そう記したのは、初日が終わった段階で首位に立つとするならば3日目だろうと考えていた。ところが、最初だった。
その日が別の配信で、小説家の方達が集う麻雀番組があり、主催者は私の名付け親であるIさんだった。
Iさんに逢いたがっている私の気持ちを黒木真生さんが察して、インタビューを最初にしてくれた。
その足で黒木さんとともに、Iさんのいらっしゃる会場に向った。。

御挨拶だけして引き上げようとしたら、同い年で、2,30年程年賀状等やりとりしている、大沢在昌さんが声を掛けてくださった。
「次の店に行きましょう」
恩師の方に顔を向けると頷いていた。
店に着くと貸切になっており、高級そうな酒とつまみが並んでいた。
「雄大、鳳凰戦はどうなんだ?昨年は観ていたが」
「今、首位ですが、新陳代謝のことを考えると、勝たなければいけない理由、意味合いが良く解りません」
私は正直に答えた。
「後に続く若い人の為、高い壁になりなさい」
「肝心なことは、お前の属する連盟とそんなお前でも応援してくれるファンのためだ!自分の為に何かをやろうとか、掴もうとか、それはたいしたことじゃない」
私がトイレに行っている間に恩師の姿が店内から見えなくなっていた。
「今しがた、店を出たよ。すぐ追いかけて行った方が良いんじゃない、それとも、久しぶりに呑みますか?」
笑いながら大沢さんが手を振ってくださった。
外に出ると恩師は待っていてくれた。
「いつまで待たせるんだ?」
「すみません、トイレに、、、」
「こういう時はすみません!その一言だけでいい」
ひとつ、学んだ。
恩師の常宿まで、色々な話をしていただいた。
「その人の性格にもよるが、キツイ時は逃げないことだ」
そのほか私に見合った様々なアドバイスを頂いた」
「とにかくだ、後8年は打ちなさい。新しい何かが見えて来るから」
まだ、電車がありますから。
そういったのだが、ハイヤーを呼んでくださった。
「○○までおねがいします」
私の街の名前を恩師は運転手さんに告げた。
「よく覚えていますね」
「当たり前だ、松井と武豊とお前の住所ぐらい覚えているのは当然だろう」
そして、笑って私が見えなくなるまでホテルに入ることなく見送ってくれた。
また、ひとつ、学んだ。

速いもので、あれから、もう間もなく今期の鳳凰位決定戦が始まる。
結果は解らない。ただ、言えることは私の持てる限りの全てのモノを卓に置きに行こう!
連盟の為に、そして、応援して下さる麻雀ファンの為に。

第44期王位戦 決勝観戦記 藤崎 智

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魚谷13巡目のリーチ。

 

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15巡目にツモ。これで決着がついた。第44期王位の栄冠は逆転で魚谷が手にして現三冠王となった。
このアガリは最終5回戦のオーラスの1本場での出来事である。苦しみながら勝ちきった魚谷と、その魚谷を最後まで苦しめた現東北チャンピオンの菊田政俊とプロになってわずか二ヶ月の浜野太陽という2人の無名プロの激戦を振り返ってみたい。

この決勝戦が行われたのは11月25日。夏目坂スタジオ。前日の準決勝を勝ち上がってこの日を迎えたのはプロ連盟所属の4人のプロ達。試合前のコメントと共に紹介する。

浜野太陽。プロ入りわずか二ヶ月の新人で慶應義塾大学出身の25歳の新人でEリーグ所属。「入会二ヶ月でこのような舞台に立てて信じられない気持ちです。気負わず直球勝負で体当たりしていきます!」

菊田政俊。プロ入り3年目。36歳。昨年早くも東北リーグの頂点東北天翔位のタイトルを獲得。東北本部期待の若手である。「いつもどおり打ちたいと思います。東北にビッグタイトルを持ち帰りたいです。」

この2人の若手プロの挑戦を受ける形となったのは、現在二冠王の女流のトッププロの1人と麻雀界を代表するトッププロの1人。

魚谷侑未。現日本オープンチャンピオン、現女流日本シリーズチャンピオン。ご存知最速マーメイド。過去最速の女流桜花など獲得タイトル多数。「諦めないことでたくさんの奇跡を起こしてきたと思っています。どんなに辛くても全身全霊をかけて戦い抜きます。素晴らしい舞台で戦えることを誇りに思います。」

前原雄大。現鳳凰位、現グランプリチャンピオン。獲得タイトルは十段位5回など多数。別名もゴジラ、総帥など多数。「持てる力の全てをこの場所に置いていきます。」

1回戦は菊田のワンサイドゲーム。2度のドラ3をアガるなど大きなトップをものにする。

菊田 +27,1P
魚谷 +4,4P
浜野 ▲10,0P
前原 ▲21,5P

2回戦 東1局3本場

 

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西家浜野の配牌。ついこの間まで半年間の三次試験を受けていた浜野と講師の私。とにかく浜野は仕掛けが多かった。今風といえばそれまでなのだが、連盟の公式ルールが今風のルールではない。このルールに慣れてきたら自分なりに色々アレンジしてもらって自分のスタイルを構築してもらえばよいのだが、最初は5,200点をベースに手を進行させていく訓練から始まる。にもかかわらず浜野はバラバラの手牌から1巡目に役牌をポン。「その仕掛けでアガれると思うの?相手は5,200点以上を目指してきてあなたは遠くに1,000点が見えるのみ。打点で遥かに劣り、スピードでも勝っていない。分が悪いとは思わない?」だいたいこんな会話から始まる。それが自分の知っている浜野という男であった。自分の予想では役牌以外からでも鳴ける牌は全て鳴くと思っていた。

 

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「半年前の自分なら2巡目の六索にチーの声が出ていたと思います。でもこの王位戦は予選から自分なりに打点を意識して打つようにしていました。この局は自分が成長できたと実感出来る局です。今日は相手が強すぎて勝てませんでしたが、自画自賛出来る局でした。」と対局後に若者らしい爽やかな笑顔で語ってくれた。

 

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このアガリが二ヶ月前に出来れば間違いなくD3リーグスタートとなっていたはずである。ほんの少し遠回りしたようだが、彼はようやくプロとして第一歩を踏み出したのだと思う。第44期王位。逃した魚は果てしなく大きいかもしれないが、彼はもっともっと大きなものを手に入れたように思えてならない。これからの活躍に期待したい。
南1局。この局と次の局が今決勝戦の全てだったような気がする。

 

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この日、前原が親番で何度も見せた、いわゆる「ガラリー」。これに対してすぐ下家の菊田。

 

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六万がフリテンだとしてもこの好形から三万を抜いてしまう。この局が一番好形から抜いた局なのだが、前原との戦いを極力避けていた印象である。今回の菊田は幸か不幸か序盤から調子が良すぎた。調子が良いのだから素直に戦えばいいのだがポイントを常にリードしているので親への放銃は避けたい。菊田ほどの打ち手ならそんなことは百も承知であろう。これがビッグタイトルの決勝の重圧である。だがこれはトッププロへの階段である。今活躍中のトッププロは誰しもが通った道である。自分も東北本部でプロ活動をスタートさせた人間として菊田の活躍を願っている。
南1局1本場。

 

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前局1人テンパイの前原のリーチ。今回はドラが暗刻の本物のリーチ。この本物を効果的に織り混ぜることで前原の戦略は成立する。この本物といつもの「ガラリー」の区別は対局者には判断できない。いやもしかしたら見当をつけられる選手もいるのかもしれないが数多くの対戦経験がある私にもいまだに見当がつかない。

 

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この前原のリーチに対して、先に仕掛けを入れていた菊田と浜野がオリを選択。この2人のオリを見て魚谷が前原の1人旅にはさせまいと前原からでた二万をポンしてテンパイをとる。牌姿を見て欲しい。二索五索は前原の現物待ちではない。打点は1,000点である。二万は魚谷の手牌で唯一の安全牌である。これをポンすることは「この局戦います!」と宣言するに近い行為だと思われる。

 

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次巡の四万もブン!

 

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前原の掴んだ五索を捕らえる。

前原の麻雀はとにかくアガリを積み重ねることにある。勢いがついてくれば先制リーチから、本物もガラリーも全てアガる。それが前原の麻雀である。前原にとって今決定戦は厳しい戦いであった。とにかく先制リーチまではいつもどおりいく。しかしアガリなりテンパイなりで、前原の手が開かれるのはガラリーの手牌のみ。「本物」を一度も対局者の目に焼き付けることが出来なかった。そこが前原のゲームプランを狂わせた最大の原因だったように思う。
逆に魚谷は戦った。もちろん戦うことが魚谷のスタイルだとは思うのだが、自分が勝つために一番の障害前原が不調ならそのままずっと沼の底に沈んでいてほしいと思うのは当たり前で、よみがえさせるきっかけは極力与えたくないと考えるのもいたって普通である。おそらく菊田のポジションで常にリードする展開でも彼女は戦う方を選ぶとは思うが、好調菊田を追う立場としては普通の作戦であったはずである。
だが、この2局の親の前原の先制リーチに対する魚谷と菊田の戦い方の違いが、最後の最後に僅かな点差ではあるが、勝者と敗者という大きな差となってしまったように思えてならない。

この2回戦は
菊田 +12,4P
浜野 +5.6P
前原 ▲6.7P
魚谷 ▲11,3P

菊田2連勝。魚谷は小さいながらもラス。
2回戦まで
菊田 +39,5P
浜野 ▲4,4P
魚谷 ▲6,9P
前原 ▲28,2P

3回戦
魚谷 +15.4P
浜野 +7,7P
前原 ▲5,3P
菊田 ▲17.8P

2回戦とは逆に魚谷トップ。菊田ラス。
3回戦まで
菊田 +21,7P
魚谷 +8,5P
浜野 +3,3P
前原 ▲33,5P

4回戦
魚谷 +32,1P
菊田 +14,1P
浜野 ▲9,3P
前原 ▲36,9P

激しくなった戦いを魚谷が制して2連勝。トータルもわずかにかわして最終戦へ。
4回戦まで
魚谷 +40,6P
菊田 +35,8P
浜野 ▲6,0P
前原 ▲70,4P

最終戦。東2局に菊田が浜野に12,000の放銃。この時点でトータルが菊田と浜野がほぼ並び、魚谷を追いかけるのが菊田から浜野に変わったか?という空気になっていた。たた魚谷からすればかなり楽なポイント状況になったのは確かである。
しかしここからの姿が本来の菊田の姿なのだと思う。東3局のドラタンキツモなど、南1局にはトータルで魚谷をかわしてしまう。
1本場で魚谷再逆転の後の南2局では、浜野が意地の2,600オールツモで、あと4,000オールで3人ほぼ並びのところまで迫る。
南3局で3度菊田逆転。南4局ではアガれば優勝の菊田が先にテンパイ。親の魚谷はまだ2シャンテンという大ピンチをしのいで流局。からの冒頭の3,900オールであった。

浜野は我慢強かった。あまり手が入っていない中、3者の殴り合いを冷静に見ながら失点を最小限に抑え、最後跳満ツモ条件を残した戦いはとてもプロ歴二ヶ月の男の者とは思えない。
菊田は清々しかった。もちろん自分が一番ツイていたのはわかっていただろう。試合が終わった直後に、はきはきとした喋り方で「力負けとしか言いようがないです。」と語ってくれた。東北チャンピオンとしてのぞんだ今決勝で悔しくないはずはないのにである。

明暗がはっきり別れた魚谷と前原。この2人はもはや自分には計り知れない舞台で戦っている。この2人の評価に関してはファンの皆さんがするべきものと自分は考える。ゆえに、ファンの皆さんにお任せして筆を置くことにする。

 

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第35期 A1リーグ 最終節成績表

第34期鳳凰位
前原 雄大
出身地(東京)

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 10節 11節 12節 対局消化数 合計
1 HIRO柴田(神奈川) 19.3 42.1 29.0 0.3 ▲ 0.3 12.1 ▲ 23.1 57.3 57.4 26.4 30.9 7.5 48/48

258.9
2 勝又 健志(東京) ▲ 33.9 ▲ 1.5 29.3 2.3 11.0 43.8 77.3 10.6 3.5 ▲ 29.6 30.0 9.1 48/48

151.9
3 吉田 直(新潟) ▲ 25.5 17.0 124.5 31.5 30.5 ▲ 19.0 14.0 ▲ 21.6 ▲ 6.7 ▲ 18.4 7.3 ▲ 7.8 48/48

125.8
4 伊藤 優孝(秋田) ▲ 22.7 24.4 ▲ 61.7 ▲ 12.2 13.0 25.0 48.4 27.2 ▲ 50.2 ▲ 16.2 38.0 86.7 48/48

99.7
5 沢崎 誠(群馬) 66.4 ▲ 53.7 5.4 ▲ 86.1 23.9 86.7 41.6 ▲ 11.0 13.0 25.0 ▲ 12.7 ▲ 8.8 48/48

89.7
6 古川 孝次(愛知) 6.3 ▲ 5.4 1.8 ▲ 30.5 39.3 1.9 ▲ 30.2 30.7 2.1 19.2 ▲ 13.1 ▲ 32.8 48/48

▲ 10.7
7 和久津 晶(東京) 17.6 17.0 ▲ 61.6 19.1 ▲ 24.2 50.9 5.3 ▲ 22.3 ▲ 1.2 17.4 ▲ 54.0 ▲ 33.4 48/48

▲ 69.4
8 紺野 真太郎(静岡) ▲ 6.5 ▲ 70.2 ▲ 42.3 8.6 57.3 13.2 ▲ 101.6 3.6 36.8 ▲ 5.6 ▲ 24.6 9.6 48/48

▲ 121.7
9 瀬戸熊 直樹(東京) ▲ 18.2 ▲ 48.4 11.2 72.0 ▲ 69.5 ▲ 14.0 0.8 ▲ 49.9 ▲ 31.3 9.1 35.2 ▲ 20.5 48/48

▲ 123.5
10 藤崎 智(秋田) 2.0 3.6 ▲ 1.2 5.5 3.0 ▲ 18.1 ▲ 30.0 ▲ 30.0 ▲ 39.1 ▲ 12.8 ▲ 5.6 ▲ 6.4 48/48

▲ 129.1
11 近藤 久春(秋田) ▲ 32.4 25.5 ▲ 22.7 9.6 ▲ 36.1 ▲ 102.8 8.6 ▲ 2.6 4.4 ▲ 9.9 ▲ 19.3 38.8 48/48

▲ 138.9
12 内川 幸太郎(長野) 25.6 49.6 ▲ 11.7 ▲ 20.1 ▲ 47.9 ▲ 81.7 ▲ 41.1 ▲ 22.0 11.3 ▲ 4.6 ▲ 12.1 ▲ 42.0 48/48

▲ 196.7

Mr.Yの連盟Weekly!桜花三連覇・Youtuber

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なんて忙しい時期に風邪を引いてしまったんだ。
熱・咳・喉の痛み・鼻水・約10日に渡って苦しめられたが、なんとか復帰。
こちらのコーナーもお休みを頂いてしまった。
色々話題の多い年末、2週間分となるとかなりのボリュームになってしまった。
それでは先週・先々週を振り返ってみよう。
 
 
 
 
 
 
 
 
【第35期鳳凰戦A1リーグ最終節B卓】12月17日(月)
古川孝次vs伊藤優孝vs和久津晶vs瀬戸熊直樹

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ほぼ消化試合のように思われていた5位~8位のB卓。
瀬戸熊が40沈むと降級という点に注目が集まった。

瀬戸熊 ▲103.0
紺野  ▲121.7(確定)
藤崎  ▲129.1(確定)
---↓降級↓---
近藤  ▲138.9(確定)

さすがに瀬戸熊の降級はないか?という雰囲気でスタートしたが、苦戦を強いられていた。

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3回戦、南1局。
なんとこの時点で降級圏内。ずっと表情が苦しい。

そんな中、曇天を突き破る光の波動がついに出る!

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苦しい時に助けてくれるチートイツ!
ホンイツチートイで8,000点のアガリ!
画面越しではあるが、対局場の空気が変わったような気がした。

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こうして残留を決めた。

この日のトータル:伊藤優孝+86.7 瀬戸熊直樹▲20.5 古川孝次▲32.8 和久津晶▲33.4

【第35期鳳凰戦A1リーグ最終節C卓】12月24日(月)
HIRO柴田vs勝又健志vs吉田直vs沢崎誠

いよいよ第35期鳳凰戦の決勝メンバーが決まる。

少しポイントを離されている沢崎に注目が集まった。

HIRO +251.4
勝又 +142.8
吉田 +133.6
---↑決定戦↑---
伊藤 +99.7(確定)
沢崎 +98.5

勝負が大きく動いたのは2回戦、東4局。

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マムシの一撃!6,000オール!!!
吉田を交わして決定戦圏内に!!

2回戦終了時

HIRO +223.9
勝又 +173.5
沢崎 +130.4
---↑決定戦↑---
伊藤 +99.7(確定)
吉田 +98.5

立場が丸で逆転している!!
吉田、追い詰められて3回戦。
吉田は、沢崎を15,000点のラスに沈め、自身は浮いて一気にポイントを詰め寄る。

3回戦終了時

HIRO +252.4
勝又 +158.5
沢崎 +108.0
---↑決定戦↑---
吉田 +107.4
伊藤 +99.7(確定)

そのポイント差、0.6!
完全な着順勝負!

点棒が動かないまま迎えた東4局。

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吉田が沢崎からチートイ・ドラ2を打ち取る!!
大きすぎる6,400!!
このリードを守りきり、オーラスも自身でアガリ切って決定戦への切符を手に入れた。

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色んな想いを乗り越えて吉田、ついに初の鳳凰位決定戦へ!!

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【第35期鳳凰戦A2リーグ第10節D卓】12月12日(水)
藤原隆弘vs石渡正志vs山田浩之vs刀川昌浩

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首位を走っていた山田が苦戦。
刀川が好調だったが、最終戦は藤原が大きいトップを取り勝ち頭となった。

この日のトータル:藤原隆弘+41.5 刀川昌浩+32.0 石渡正志▲17.5 山田浩之▲56.0

【第35期鳳凰戦A2リーグ最終節A卓】12月18日(火)
藤原隆弘vs黒沢咲vs刀川昌浩vs荒正義

二日続けて熾烈な降級争いが始まる。
先に行うのは偶数卓。

藤原隆弘 ▲39.0
古橋崇志 ▲77.2(未確定)
黒沢咲  ▲102.6
---↓降級↓---
石渡正志 ▲127.0(未確定)
刀川昌浩 ▲159.3
麓征生  ▲223.0(未確定)
荒正義  ▲235.8

先日の対局に続き、好調は藤原。
藤原の勢いは止められず、大きい加点が必要だった荒と刀川は浮くことが出来ずに降級となった。
黒沢は降級圏内の1つ上の順位となり、結果待ちとなった。

この日のトータル:藤原隆弘+73.4 黒沢咲+2.1 荒正義▲21.3 刀川昌浩▲55.2

【第35期鳳凰戦A2リーグ最終節B卓】12月19日(水)
客野直vs古橋崇志vs石渡正志vs麓征生

降級争い、二日目。
古橋は石渡に抜かれ、黒沢より下に行ってしまうと降級。
石渡は、黒沢より上に行くか、古橋より上に行けば残留。

客野 +15.5
古橋 ▲77.2
黒沢 ▲100.5(確定)
---↓降級↓---
石渡 ▲127.0
刀川 ▲214.5(確定)
麓  ▲223.0
荒  ▲257.1(確定)

2回戦終わって、古橋は苦戦を強いられていた!

古橋 ▲100.1
黒沢 ▲100.5(確定)
---↓降級↓---
石渡 ▲133.2

古橋、沈むことが許されない戦いが始まった。
その刹那。

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リーチ後に暗槓を入れて、ドラで麓から9,600のアガリ!
そして、続く1本場。

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古橋、残留を決めた。

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【第13期女流桜花決定戦二日目】12月14日(金)
仲田加南vs魚谷侑未vs石田亜沙己vs中野妙子

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初日終了時:仲田加南+51.4 中野妙子+24.1 石田亜沙己▲24.7 魚谷侑未▲50.8

二日目は、5回戦~8回戦まで行われる。
この日好調だったのは魚谷。

8回戦を50,000点超えの一人浮きを決め、ついに自身のポイントをプラスにして最終日へ望みを繋いだ。
しかし、仲田も加点をし、有利な状況で最終日へ。

二日目終了時:仲田加南+60.8 魚谷侑未+10.2 中野妙子▲2.6 石田亜沙己▲68.4

【第13期女流桜花決定戦最終日】12月21日(金)

ついに迎えた最終日。
三連覇を阻止すべく挑んだ三名だったが、仲田の勢いは止まらない。
初戦、魚谷を沈めると、次戦は迫る中野と魚谷をさらに沈める。
残すは二戦だが、100ポイント差が付いており、ゲームセット。
仲田が史上初の三連覇を達成した。

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【Mリーグ】
衰えることのない盛り上がりを見せているMリーグ。
KONAMI麻雀格闘倶楽部の佐々木寿人プロはずっと不調が続いていたが、ついに調子を取り戻した。

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12月、4半荘中3回トップと絶好調だ。

先日は熱闘Mリーグにも出演。

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相変わらずキレッキレの滝沢プロである。
 
 
 
 
 
 
 
【Focus M】12月12日(水)~12月24日(月)

☆Focus Mとは?
Mリーグに照準を合わせ切磋琢磨するプロ雀士たちと、企画に賛同した特別参加選手による真剣勝負のリーグ戦です。

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現在のポイントは以下のようになっている。

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今年のフォーカスMも残りは2回となった。
来年もお楽しみに!
 
 
 
 
 
 
 
【女流勉強会】12月20日(木)

☆女流勉強会とは?
プロ雀士を目指す女性に連盟所属プロ雀士が講師として麻雀指導を行う「女流勉強会」を生放送!

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28回目の放送となる女流勉強会。
今回は紺野真太郎プロが講師で登場。

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センターは受験中の駒田さん。残留を決めたA1リーガー・A2リーガーに挟まれて恐縮している。

新しい参加者も加わったぞ。

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奈良県出身の杉浦さん。来期のプロテストに受験予定だ。
そんな奈良県出身の杉浦さんにこんな質問が。
大和「奈良圭純プロを知っていますか?」
杉浦「すいません、存じ上げないです…」

B1リーグまで来ても中々認知されるのは難しいようだ。
なおテストには出ないから安心してくれ。

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※第20期マスターズ(2011年)

そして番組内であの特待生オーディションの第2回が開催されることが発表された。
 
 
 
 
 
 
 
【第2回プロテスト特待生オーディション~才能発掘プロジェクト~】

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☆特待生オーディションとは…
日本プロ麻雀連盟入会審査部が若き才能を発掘するため、新たな試みをスタートさせます。
プロテスト特待生オーディションに合格すれば、受験料(15,000円)と研修受講料(計30,000円)免除!

日程は、2019年2月17日(日)。午前10時集合だ。
参加費は無料だ。
プロを目指しているそこのあなた!是非挑戦してみてはいかがだろうか!?

詳細はこちら
 
 
 
 
 
 
 
【麻雀日本シリーズ2018決勝戦】12月22日(土)
平賀聡彦vs佐々木寿人vs瀬戸熊直樹vs松ヶ瀬隆弥

攻撃型が集まった決勝戦。
最終戦までに平賀が2回トップを取り、最終戦を迎えた。

3回戦終了時成績:平賀聡彦+41.6 松ヶ瀬隆弥+20.4 佐々木寿人▲6.4 瀬戸熊直樹▲55.6

最終戦、ついに佐々木の攻撃力が平賀の攻撃力を上回る!!

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チンイツを平賀から直撃し、一気に迫る。

そしてオーラス大逆転を決め、優勝を決めた。

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佐々木寿人プロ、今月絶好調だ!

打ち上げ会場にて。

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流行りつつあるのかもしれない。
 
 
 
 
 
 
 
【第5期JPML WRCリーグベスト16卓組決定!】12月22日(土)
A卓:藤島健二郎vs原佑典vs藤本哲也vs仲田加南
B卓:前原雄大vsHIRO柴田vs石立岳大vs中村毅
C卓:内川幸太郎vs木本大介vs後藤正博vs宮内崇成
D卓:沢崎誠vs蒼山秀佑vs森岡貞臣vs池田来斗


A卓→12月28日(金)
B卓→1月8日(火)
C卓→1月15日(火)
D卓→1月22日(火)

どの卓も面白そうだ。
A卓には、Aリーグ復帰の藤島。三連覇の仲田。
B卓には、現鳳凰位の前原。鳳凰位決定戦進出のHIRO柴田。
C卓には、現十段位の内川。
D卓には、現マスターズの沢崎。

若手でも名前を見たことがある選手ばかりだ。
今年はどんな決勝メンバーになるのか!?
 
 
 
 
 
 
 
【年末放送番組】

年末年始は日本プロ麻雀連盟チャンネルがアツい!!

12月29日(土)11:00~
麻雀格闘倶楽部 GRAND MASTER稼働記念!第1回プロNo.1決定戦予選

12月30日(日)14:00~
麻雀格闘倶楽部 GRAND MASTER稼働記念!第1回プロNo.1決定戦準決勝・決勝

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【出場者】
佐々木寿人、滝沢和典、灘麻太郎、杉浦勘介、ガース、荒正義、紺野真太郎、森山茂和、藤崎智、伊藤優孝、沢崎誠、石川遼、内川幸太郎、前原雄大
岡田紗佳、二階堂亜樹、和泉由希子、和久津晶、菅原千瑛、蒼井ゆりか、古川彩乃、井上絵美子、古谷知美、小笠原奈央、黒沢咲

MC:襟川麻衣子
実況:白鳥翔


麻雀格闘倶楽部の最新作稼働記念として、麻雀格闘倶楽部に出演しているプロ雀士が年末に大集結!!
男女各12名が6卓に分かれて一次予選、二次予選、準決勝、決勝と2日間をかけて戦います!

 
 
 
1月1日(火)14:00~
こずえの部屋で迎春8時間スペシャル2019

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MC:宮内こずえ・高宮まり・小笠原奈央・山脇千文美
ゲスト:連盟所属プロ多数


当番組は宮内こずえプロの自宅という体(てい)の場所(夏目坂スタジオ)に、多くの日本プロ麻雀連盟員が新年のご挨拶に伺うという番組です。

 
 
 
1月4日(金)12:00~
目指せ未来の四天王!!2019

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MC:二階堂亜樹・二階堂瑠美・宮内こずえ・和泉由希子
出演:蒼井ゆりか・小笠原奈央・井上絵美子・鈴木彩夏・優月みか・古川彩乃・大久保朋美・早川林香・白銀紗希・大月れみ・内田みこ

女流四天王と呼ばれ早○○年・・・そろそろ後継者が出てきてくれないと困ってしまう彼女達・・・
そこで未来の四天王を目指す若手女流プロが集結!
ファッションチェックや麻雀審査など、 現役四天王が審査員を務めるガチンコオーディション番組!
次世代の四天王に相応しいのは誰だ!?

目白押しだ!
 
 
 
 
 
 
 
【みんなで早押しクイズ②】
以前にも書いたが、早押しクイズのアプリがブームだ。
麻雀問題だけは落とせないという使命でやっているといい緊張感でプレイが出来る。

昨日もこんな問題が。

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集中していると、このくらいでもボタンを押せるものだ。

先輩方の闘士が脳裏に浮かぶ。

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間違いない。

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あまりの速さに対戦相手も震えているに違いない。
(あの段階では四開槓の可能性もあったのでは…)
 
 
 
 
 
 
【ユーチューバー】
しょっちゅう話に出るユーチューバー。
テレビよりもYouTubeを見てるという人も急増中だ。
実際面白い動画も沢山あるし、自分もしょっちゅうYouTubeは見ている。
「人気ユーチューバーの月収●●千万円!」というニュースが一時期話題になっていた。
実は連盟にもユーチューバーはいたりする。

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りんかりんこと、早川林香プロ。
麻雀の普及に大きく貢献しているな。うんうん。良いことだ。
ん?一年近く動画の更新が無いが大丈夫かな?

他にも、JPML WRCリーグベスト16に残っている木本大介プロもユーチューバーらしい。噂だが。
名前を検索しても出てこないから別のハンドルネームでやっているのだろうか。
ちょっと気になる。

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コメントも中々イカしてる。

そんなユーチューバーだが、こんなアンケートを見つけた。

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将来なりたい職業になんと3位にYouTuberがランクイン!
時代を感じる。

そういえば半年ほど前、そこまで仲良くない中学の友達から、
「ユーチューバーになったからチャンネル登録してくれ!」
というラインが来た。
応援の気持ちも込めてチャンネル登録し、ちょっと見てみたが、どの動画も見たことあるような二番煎じの企画だった。
どれも面白くは無く、ただただ見てるこっちが恥ずかしくなった。
彼には申し訳ないが、後日チャンネル登録を解除した。

半年も前のことだし、ユーチューバーはもう辞めてるかな、と思いチャンネルを覗いてみた。

100

未だに二番煎じを続けていた。
動画の数は100本を超えていた。が、再生数は見るも無残な一桁か、二桁…。
100本を超える全ての動画の再生数を足してもりんかチャンネルの動画1個分に満たない。
月収は●●千万なんて夢のまた夢。彼の月収はほぼ0円だ。
彼は定職に就いていない。つまり、彼はこれを本職にすべく頑張って動画をアップしているのだ。
もう辞めてくれ…。

最後に、こんなアンケートも見つけた。

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そらそうよ

第25期特別昇級リーグ 最終節成績表

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2019年1月度道場ゲスト

[output_h2_image src=”/wp-content/uploads/hl_news_doujou_ll.jpg” alt=”日本プロ麻雀連盟 四ツ谷道場”]

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          日本プロ麻雀連盟本部道場 2019年1月ゲスト ~道場部~

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麻雀日本シリーズ2018 第7節レポート 黒木 真生

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【システム】
■16人で一次予選全24回戦(各自6回戦)を行い下位4名が敗退
■12人でポイントを持ち越し二次予選全6回戦(各自2回戦)を行い下位4名が敗退
■8人でポイントを持ち越しプレーオフ全4回戦(各自2回戦)を行い上位4名が決勝進出
■ポイントをリセットし決勝4回戦

【ルール】
30,000点持ち30,000点返し
順位点5,000-15,000
一発・裏ドラあり
その他WRCルールに準ずる

 

 

前回のレポートでは、超攻撃型に分類される平賀聡彦プロ(最高位戦)、佐々木寿人、前原雄大と、攻撃型に分類される瀬戸熊直樹と松ヶ瀬隆弥プロ(RMU)、ともたけ雅晴の6名に対し、バランス型の白鳥翔と多井隆晴プロ(RMU)の2名がどのように対処するかが焦点としたが、結果的には、超攻撃型の2名(平賀プロ、佐々木)と攻撃型の2名(瀬戸熊、松ヶ瀬プロ)が決勝進出を決めた。

白鳥は1戦目こそうまくまとめたが、2戦目で大きなマイナスとなって6位。
多井プロは初戦のマイナスが響いて第7位となった。

日本中の麻雀タイトルホルダーが集まって行われる大会だけに、誰が勝ち残っても素晴らしい決勝戦になるのは間違いないのだが、今回のメンバーは「スイング」するという観点で言うと「ベスト」に近い組合せなのではないかと思わされる。
まるで全盛期の四天王プロレスのように「明るく、楽しく、激しい」麻雀が見られるのではないかと、非常に楽しみである。

麻雀日本シリーズ2018決勝戦

12月22日(土)13:00

平賀聡彦vs佐々木寿人vs瀬戸熊直樹vs松ヶ瀬隆弥
実況:日吉辰哉
解説:ともたけ雅晴・白鳥翔

第17期関西プロリーグ A・B・Cリーグ 第8節レポート

Aリーグ第8節:辻本翔哉

17期のリーグ戦も残り2節となりました。上位陣はどうなったか。降格争いの行方は。8節のレポートです。

1卓:横山・藤川・稲岡・辻本
1卓は上位陣の横山、辻本と降格争いの藤川、稲岡の対局となった。お互いに意識をしながらの難しい選択を迫られる事となる。

1回戦目 オーラス ドラ二筒
辻本31,100点 南家:稲岡26,300点 西家:横山32,100点 北家:藤川30,500点

稲岡が1人沈みで迎えたオーラス。先制リーチはその稲岡だった。
4巡目、5巡目に白のトイツ落としをしてのリーチ。早い巡目に1人沈みの稲岡がリーチという事で多分30,000点を超えられるだけの手役を完成させたと予想できた。
稲岡のリーチの一発目のツモが白。勿論ツモ切り。

リーチ ツモ 白 で1,000・2,000点のツモアガリを逃した訳だが、そこに悔しさや迷いのない雰囲気を醸し出した。早い巡目で確定の3,900点以上の手を仕上げたのだろう。
白のトイツ落としで七対子もない。タンヤオかピンフ系の手役であることが予想された。
その為ツモなら、辻本は沈む事は確実だ。だがまだ2シャンテン。不要な中張牌を抱え込んでいるため、攻めても逃げても苦しい戦いになった。もし放銃してしまうと、1人沈み。
このままツモを待つと4着になる可能性が高かった。
筋を頼りに放銃しないように攻めることにした。しかし自摸が芳しくない。結局13巡目に1シャンテンまで辿り着いたが、ソウズの危険牌を引いて巡目も後半に差し掛かっていたので、流れる事を祈りつつオリる事とした。
しかし横山は違った。トップで迎えたオーラス。成績が近い辻本が2位のラス親でもし自分が自摸あがれば1人浮となる絶好のチャンス。稲岡のリーチにも果敢に攻めていた。そして14巡目、横山は4を切りリーチを宣言。しかし稲岡に放銃してしまい、リーチ、ピンフ、ドラ1の3,900点を放銃してしまう。

結果は、辻本:31,100点 藤川:30,500点 稲岡:30,200点 横山:28,200点となり横山が1人沈みとなった。
対局後、横山はあの場面を振り返り「1人浮きを狙いに行って1人沈みはダメだ」と言っていたが、私は恐ろしさを感じた。最後まで一番危ない牌を抱えている麻雀自体の読みもそうだが、傍観していても浮きの2位は確実視されている局面で、守る事なく前に進める挑戦者の気持ちがベテランの横山にも備わっている事に。

その後の3回戦は辻本の調子が悪く、結果は稲岡+22.0P藤川+15.0P横山+7.3P辻本▲44.3Pとなった。

A2卓:坂本・佐々木・宮田・高谷
こちらは観戦できなかったので結果を報告します。
佐々木+64.4P宮田▲11.1P坂本▲16.8P高谷▲36.5Pであった。上位の3名が成績を落とし、今期不調であった佐々木が後半伸びてきた。

A3卓:仁科・勝間・米川・吉本
こちらも別日対局であったため結果だけ報告します。
勝間+16.7P米川+13.5P仁科▲12.3P吉本▲18.9Pとなった。こちらは上位陣が着実に+を伸ばした。
これで残すは最終節。最後の戦いは今期成績の1位3位5位7位が同卓、2位4位6位8位が同卓、9位10位11位12位が同卓となる直接対決となる。例年だとトップと最下位ぐらいはほぼ確定の差がでるが、今期は全体の成績の差が縮まっているため、決定戦の3名も降格の2名も最終節の出来次第で決まる事になる。本当に最後まで目が離せなくなった17期関西プロリーグ。太閤位の花岡に挑戦出来るのは誰か、楽しみです。

 

 

Bリーグ第6節:山室太二

今期のBリーグも残す所あと3節、大詰めとなって参りました。
ポイントの有無に関わらずほぼ全員が全力で攻めて来るでしょうが、私の手持ちはほぼプラスマイナス0なのでマージンをとった立ち回りも可。と甘く考えていました。
今節の対戦相手は昇級圏内の長尾と福原、逆に降級圏内の丸山。
丸山は数少ない同期なので頑張って欲しいのですね。
展開的にはリーチ、フーロの飛び交う乱打戦模様で流石に終盤戦ともなると普段以上に追い込みを掛けてきている印象です。かくいう私は東場の稼ぎに甘んじてスロープレイしだすと、高打点のツモや2軒テンパイに挟まれ手詰まりおこしたりしてガンガン削られかなり苦しめられました。
今節特に目を見張ったのは福原でした。福原は前回対戦時にも攻め傾向が強い打ち手だと思っていましたが、今回かなりの成功率で絶好調の様子でした。

2回戦、南2局、南家福原

六万八万発発発中中  ポン三筒 上向き三筒 上向き三筒 上向き  ポン九万 上向き九万 上向き九万 上向き  ドラ三万

このテンパイ形から、長尾の強打した中をポン、打六万からの単騎回しで

一筒発発発  ポン三筒 上向き三筒 上向き三筒 上向き  ポン九万 上向き九万 上向き九万 上向き  ポン中中中  ツモ一筒

四回戦、東2局、南家福原

二索二索四索四索四索西西  暗カン牌の背四筒 上向き四筒 上向き牌の背  ポン九万 上向き九万 上向き九万 上向き  ツモ西

この三暗刻、トイトイをあっさりツモ
淡々とアガっているようでこの2局は私にとっては相当に頭を押さえつけられた強烈な仕掛けでした
理由は2局ともドラが1枚も見えていなかったからです。この手の仕掛けはドラを持っていない者からみれば5,200~満貫リスクでなく下手すれば跳満も考えるので、生牌2枚でも掴めばもう割が合わないので早い段階で手を崩されてしまいます。
逆に跳満のリスクを薄く見れば、ドラ持ちはまともな採算で押し引きできるので上図で中を強打できた長尾がその例でしょう。
この展開は私の普段打ちから考えるドラ抱えた仕掛けの役牌バック系統の保険の複合役選択にトイトイが採用されるケースをよく見ているので、勝手なイメージで見えないドラに怯えて手を崩してしまう覚悟の無さも因子でしょう。
4人抽選より3人抽選のほうが断然有利ですし、その有利さをむざむざ渡してしまう自分のヌルさを反省させられる対局でした。
ポイントの変動は少ないもののトータルで攻撃の刺さりの良かった福原、バランスよく立ち回った長尾がプラスで締めました。

 

 

C1リーグ後期1節:松尾潤

1卓 松尾・辰巳・吉田(圭)・長野
今節のハイライトは1回戦、点差に大きな開きはなく迎えた南2局。
親の辰巳が早々に七万ポン、七筒ポンと仕掛けタンヤオまたは対々和が濃厚。
また、ドラの六索は松尾の目からは一枚も見えておらず打点も充分にある気配です。
中盤から終盤に入り、長野がションパイの中白をノータイムで切り、攻め返しの意志が見て取れる。
結果は流局となったが、親の辰巳がタンヤオ・ドラ3、長野が配牌10種からの国士無双を10巡目に聴牌とお互いアガリになっていればその後の展開が大きく変わる局だった。
長野の待ちは一枚切れの発で松尾の手牌に暗刻、タイミング次第ではオリ打ちの可能性があっただけにベタオリせずに向かっていたことが功を奏した。
個人として今節では、高打点の手をあがりきれない局面が続いたが、早い手が来た時には局を進め失点を抑えたことをプラスと考え次節に備えたいと思います。

 

 

C2リーグ後期1節:北村祐二

C2リーグは後期3節を向かえ、各々順位が気になり出すところ。
組み合わせは、
1卓(冨田・高橋・秋山・南田)
2卓(北村・吉田・平柴・三好)
3卓 (楠木・山本・伊原・管東・中島)

1卓では、接戦が繰り広げられ、高橋が+35.1Pで卓内1位。2位は冨田で+16.0P。
リーグトップを走る冨田は今節もプラスで終えました。

2卓では、三好の1人旅。全回プラスの上、トップ2回のいずれも50,000超えで、堂々の卓内1位の+75.1P。北村は今節も復調のきっかけをつかめず▲71.6P。

3卓では、リーグ上位につけている山本、伊原の安定感が光りました。山本がトップ3回2着1回で、卓内1位の+58.5P。伊原もトップ1回2着3回で+46.1Pの2位。

【第8節終了時点】
1位 冨田 +121.3P
2位 山本 +107.5P
3位 伊原 +92.3P
4位 三好 +75.1P
5位 高橋 +62.5P

依然冨田のトップは変わらないものの、2位の山本以下上位者が着実にポイントを重ねて、いよいよ冨田の背中が見える位置までつけてきました。

その中で、今回は山本に注目しました。現在リーグ2位につけておりますが、12回戦中トップ8回という好成績。トップを狙える局では確実にモノにする勝負強さが随所に見られます。

5回戦の南2局(起家から、中島・管東・山本、・楠木)、ドラ北

【南1局終了時点】
中島33,200
管東24,300
山本 30,900
楠木 30,600

4者混戦で向かえた今局。親の管東は1人沈みのラス目とはいえ、1アガリすればトップ逆転に躍り出ます。
そんな中、山本は中島から発をポンし、その後発を加カン。河からはピンズのホンイツ模様。ドラは場に1枚切れで、その他字牌も少ない状況。
楠木が勝負の中切り。山本からロンの発声。

六筒七筒八筒東東北北北中中  明カン発発発発  ロン中  ドラ北

ドラの北はここに。これが決定打となり山本がトップを獲りました。
緊迫した状況でもリズムを崩さず冷静に、山本は実を結ぶ時を待っていました。

第2期 北陸プロリーグ最終節成績表

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 木戸 僚之 1.1 45.7 53.7 32.6 0.1 133.2
2 藤本 鉄也 8.8 ▲ 48.0 20.9 89.2 28.7 99.6
3 安城 るい 27.8 10.7 ▲ 8.1 10.3 24.0 64.7
4 浦田 豊人 21.1 0.0 5.9 28.3 1.1 56.4
5 南 和之 ▲ 38.6 49.3 40.0 ▲ 32.5 13.7 31.9
6 里木 祐介 81.5 ▲ 60.7 25.3 ▲ 30.8 15.3 30.6
7 成田 理良 11.8 8.2 ▲ 27.7 11.2 10.2 13.7
8 美咲 優菜 54.5 ▲ 67.7 ▲ 18.1 ▲ 38.8 74.6 4.5
9 木原 翼 11.2 ▲ 9.5 49.1 2.8 ▲ 60.8 ▲ 7.2
10 本田 朋広 26.9 ▲ 16.7 ▲ 77.0 20.8 26.5 ▲ 19.5
11 獅坂 祐一 ▲ 52.5 25.5 ▲ 20.7 21.1 ▲ 58.8 ▲ 85.4
12 志多木 健 5.4 17.0 ▲ 22.8 ▲ 82.6 ▲ 13.9 ▲ 96.9
13 前田 倫也 ▲ 52.8 30.7 ▲ 32.0 ▲ 21.4 ▲ 23.3 ▲ 98.8
14 荒谷 誠 ▲ 66.1 21.2 ▲ 78.0 25.8 ▲ 37.4 ▲ 134.5
15 後藤 正博 ▲ 40.1 ▲ 25.7 38.5 ▲ 57.0 ▲ 100.0 ▲ 184.3

第1期 雪華王戦(北海道プロリーグ)最終節成績表

Aリーグ

順位 名前 第1節 第2節 第3節 第4節 第5節 第6節 第7節 第8節 第9節 合計
1 加藤 晋平 96.5 53.3 ▲ 49.6 58.8 22.3 57.3 ▲ 22.5 ▲ 34.7   181.4
2 浦山 祐輔 ▲ 19.9 24.0 64.2 ▲ 7.4 94.9 14.8 ▲ 7.6 1.4 ▲ 47.0 117.4
3 山屋 洋平 10.0 6.4 58.8 26.0 ▲ 25.4 ▲ 39.5 ▲ 8.0 6.5 42.5 77.3
4 喜多 清貴 49.4 ▲ 30.6 0.4 ▲ 7.3 41.2 ▲ 39.5 ▲ 35.9 58.8 0.5 37.0
5 石田 雅人 ▲ 43.4 ▲ 32.4 51.9 ▲ 43.5 ▲ 14.8 6.4 27.8 19.7 31.6 3.3
6 西野 拓也 9.7 ▲ 27.3 ▲ 12.5 ▲ 23.6 ▲ 41.2 ▲ 0.2 70.3 5.4 ▲ 14.8 ▲ 34.2
7 須賀 智博 ▲ 92.2 38.1 ▲ 2.1 ▲ 8.0 ▲ 36.4 46.5 ▲ 11.9 ▲ 15.0 12.1 ▲ 68.9
8 村上 良 ▲ 40.5 20.9 ▲ 89.8 ▲ 26.6 8.1 ▲ 17.6 22.6 ▲ 29.5 7.0 ▲ 145.4
9 三盃 貴之 29.4 ▲ 53.4 ▲ 21.3 30.6 ▲ 48.7 ▲ 28.2 ▲ 35.8 ▲ 12.6 ▲ 32.9 ▲ 172.9

Bリーグ

順位 名前 第1節 第2節 第3節 第4節 第5節 第6節 第7節 第8節 第9節 合計
1 三盃 志 44.8 27.7 3.1 29.0 32.8 19.5 ▲ 7.0 32.4   182.3
2 中村 瞬 37.4 28.0 2.8 ▲ 16.8 25.6 39.9 23.6 18.8 32.9 192.2
3 柳田 圭介 ▲ 9.2 ▲ 37.7 9.7 54.8 ▲ 12.1 66.2 ▲ 5.7 ▲ 50.9 6.1 21.2
4 市川 敦士 ▲ 4.7 55.4 ▲ 4.0 28.8 ▲ 53.1 ▲ 50.6 38.9 13.2 ▲ 20.3 3.6
5 中村 龍太 2.3 ▲ 14.8 ▲ 8.5 68.2 ▲ 105.0 18.0 19.8 36.6 ▲ 31.5 ▲ 14.9
6 吉木 輝 ▲ 10.2 11.8 ▲ 31.0 ▲ 10.9 33.5 ▲ 38.9 38.3 ▲ 17.9   ▲ 25.3
7 野々川 博之 22.6 7.4 8.1 ▲ 47.4 ▲ 6.0 ▲ 34.6 ▲ 56.2 ▲ 24.5   ▲ 130.6
8 野坂 健一 ▲ 28.4 ▲ 68.3 19.8 ▲ 49.8 ▲ 16.7 ▲ 20.5 ▲ 51.7 ▲ 27.7   ▲ 243.3
9 藤原 洋一 ▲ 60.5 ▲ 9.5 ▲ 50.0 ▲ 55.9 ▲ 50.0 ▲ 50.0 ▲ 50.0 ▲ 50.0   ▲ 375.9

Cリーグ

順位 名前 第1節 第2節 第3節 第4節 第5節 第6節 第7節 第8節 第9節 合計
1 松本 千鶴 90.0 ▲ 9.9 72.7 50.8 49.7 49.8 30.4 63.6   397.1
2 西村 聖美 63.6 30.0 28.6 70.0 22.7 30.0 44.7 89.3 ▲ 13.6 365.3
3 松本 幸大 21.2 87.9 ▲ 10.3 ▲ 26.7 33.6 24.3 10.4 1.3 79.5 221.2
4 植田 稔宏 ▲ 22.7 ▲ 44.3 27.9 ▲ 34.7 61.5 33.1 ▲ 32.8 0.0 ▲ 3.7 ▲ 15.7
5 伊藤 直輝 ▲ 9.0 73.5 ▲ 12.5 ▲ 4.5 ▲ 44.2 ▲ 18.9 9.2 24.6 ▲ 62.2 ▲ 44.0
6 菊地 芳彦 20.9 ▲ 8.7 21.3 9.7 ▲ 22.9 ▲ 23.2 ▲ 88.6 ▲ 19.9 6.4 ▲ 105.0
7 田中 翔太朗 ▲ 29.6 ▲ 44.7 ▲ 8.8 ▲ 27.4 ▲ 31.7 16.6 ▲ 9.0 ▲ 23.8 42.6 ▲ 115.8
8 北 淳一 ▲ 78.6 ▲ 48.1 ▲ 46.4 ▲ 9.3 ▲ 44.1 ▲ 52.0 73.2 ▲ 19.2 ▲ 17.4 ▲ 241.9
9 仲野 孝兵 ▲ 23.6 ▲ 10.2 ▲ 27.9 0.4 ▲ 34.4 ▲ 50.0 ▲ 50.0 ▲ 97.3 ▲ 31.6 ▲ 324.6
10 かわいめぐみ ▲ 32.2 ▲ 25.5 ▲ 64.6 ▲ 29.3 9.8 ▲ 59.7 ▲ 38.5 ▲ 60.6   ▲ 300.6

第139回『勝負の感性⑨~麻雀の品格~』 荒 正義

○許す心


麻雀は、決められたルールを守って打つなら、何を切ろうと打ち手の自由である。その打牌に、制限を加えてはならない。その場の批判も駄目である。例えばこうだ。

東1局、開始早々の親のリーチ。

西八万 上向き九万 上向き中九筒 上向き一索 上向き
二索 上向き四筒 左向き

ドラ(五筒

ここに若者が一発でドラの五筒切り。若いだけに怖いもの知らずで、勇敢である。しかし、これが一発でズドンと命中。

二万二万三万三万四万四万二索三索四索八索八索六筒七筒

親の跳満、18,000点である。このとき、南家の若者の手はこうだった。

一万二万三万四万五万七万八万九万二筒三筒五筒西西  ツモ三万

若者は山越なら、すぐに出ると踏んだのかもしれない。親のリーチを蹴れば、この後、いい流れを掴めると思ったかもしれない。問題は、この五筒を暴牌と呼ぶか、それとも勝負牌と呼ぶかだ。
普通なら1,000点の手で親のリーチに一発でドラを打つことはない。当たれば親満覚悟(この場合は跳満)だ。1,000点と12,000点の争いでは、理屈に合わないのが物の道理である。南家の安めの三万ツモにも、勢いのなさを感じる。だから打たない。
ここは西で回って、話はそれからである。南家の最終形がこれなら、無筋の一牌でも勝負の価値はある。

一万二万三万三万四万五万七万八万九万二筒三筒五筒五筒

一万二万三万四万五万六万七万八万九万二筒三筒四筒五筒

なぜなら、南家の手は打点が十分に育ったからである。したがって、さっきの五筒切りは暴牌である。脇の2人は唖然となる。
「何やっているンだ!」
となるが、我慢だ。言葉に出してはいけない。
南家は点棒を落としたが、運も落としたはずである。この半荘は、南家はラスが濃厚。だが、麻雀には『流れ』があるからこれだけで終わらない。この日の南家の着順がこれだ。

④④③④③着。

急転直下である。沈みが、もうどうにも止まらない。南家はたった一発の暴牌で、この日一日の麻雀を駄目にしたのだ。ベテランは、この展開を恐れるから五筒は打たないのだ。
しかし、この五筒切りを非難してはならない。一番こたえているのは、打った南家なのだ。西家と北家は(トップは遠のいたが、ラスも遠のいた…)と、プラス思考で考えることが大事。今回は親が得をしたが、次は自分が得をする番かも知れないのだ。ならば、このくらいの暴牌は許容の範疇である。
麻雀は自分には厳しく、相手には寛容であること。許す心持つ、これが麻雀の品格の第一歩なのだ。

 

○してはいけないこと

・一発を消すな

6巡目に、親からリーチがかかった。

一索 上向き西二索 上向き四筒 上向き八筒 上向き三万 左向き

ドラ一筒

場面は東3局で、点棒の動きは少ない。ルールは一発・裏ありのWRCルールである。この時、南家の手が止まった。南家の手はこうだ。

一万二万三万四万五万六索八索二筒四筒東西西西

そして「チー」の発声。三万 左向き四万 上向き五万 上向きで鳴いて、四筒切りである。
この時点では、東もソーズも切れない。だからオリ。オリなら一発を消す方が得、と考えたに違いない。しかし、この鳴きは品がない。
麻雀は生き物だ。このあと手牌がどう変化するか分らない。面前で進め安全牌を切っているだけで、こう変化することもあるのだ。

一万二万三万四万五万七万八万九万六索七索八索二筒二筒

二万三万四万五万五万二索三索四索五索六索二筒三筒四筒

三万四万四万五万五万四索五索六索八索八索二筒三筒四筒

この手なら、無筋でも一牌は勝負する価値がある。一発を消してオリることは、この可能性を捨てたことになる。一発ツモは偶然の産物だ。そこに気を取られ、手牌を殺してはいけない。親の手は、一発を消しても消さなくても満貫の場合があるのだ。
実戦の結果はもっとひどかった。流局間際、南家の手がこうだ。

一万一万四万四万七万七万二筒六筒六筒九筒九筒  チー三万 左向き四万 上向き五万 上向き

完全な手詰まり。ここから五筒の後筋の二筒を切ったら、親からロンの声。

一万二万三万八万八万八万一索二索三索一筒三筒白白

早い三色の仕上がりで12,000点。この鳴きは、プロなら失格である。プロでなくてもフリーの雀荘で多用すれば、品がないと相手に嫌われて「ラス半!」コールがかかるだろう。一発を消してオリでは、粘りがなく麻雀の上達は望めない。

してはならないことは、まだある。それは1回戦で、東2局のことだった。
点棒の動きはまだ少ない。12巡目、親からリーチが入った。

一索 上向き九万 上向き三筒 上向き五筒 上向き東白
六索 上向き八索 上向き九万 上向き三万 上向き二万 上向き北

ドラ二筒

16巡目、北家が白を切ると南家がポン。そして一索切りである。どうやら、南家はソーズの染め手だ。ハイテイ前、そこに西家が八索切り。この八索は、南家には強い牌だ。どうやら南家も西家もテンパイだ。このとき北家の手はこうだった。

二万二万三万四万五万六万八万八万七索九索二筒三筒四筒

このままでは、1人でノーテンが濃厚。しかし鳴いてテンパイを取れば、ハイテイが親に回ることになる。迷った末に、北家が「チー」と云って二万切り。そのとたんに親が、ツモ牌をパチンと引き寄せた。

八万八万二索二索四索四索二筒八筒八筒西西中中  ツモ二筒

裏は無かったが、6,000点オールだ。ことあと親は気を良くして大トップの3連勝。これが、してはならない鳴きである。
テンパイを取って、リーチ者にハイテイを回すのは危険な行為だ。しかも、相手は親。まだ勝負は始まったばかりで、山あり谷ありだ。ここで、3,000点惜しんでなんになる。比べて、親がハイテイで引き当てたら断然有利である。ドラ1で4,000点オールだ。無いはずの1局が、北家の鳴きで生まれたのである。

してもいい鳴きはある。
東4局。16巡目に南家にリーチが入った。

二万 上向き白四万 上向き九筒 上向き五索 上向き八索 上向き
四筒 上向き七筒 上向き八筒 上向き四索 上向き五万 上向き九万 上向き
白六索 上向き発一索 左向き

ドラ北

場に動きがなかったから、一発と次巡のハイテイは南家だ。16巡目、北家から七筒が出た。このとき親の手はこうだった。

一万六万六万六万二索三索三筒四筒八筒九筒九筒西北

親は、生牌(ションパイ)のドラの北が打てずにオリていたのである。この場面の一発とハイテイずらしの七筒の鳴きは、正しい応手だ。リーチ者に、一発とハイテイの二役を献上することはない。それが、みんなの幸せである。前の一発消しと、どう違うか。親の手は、もう復活の目がない点にある。だから鳴く。あと2巡、満貫や跳満の親っかぶりをしてはたまらない。
この場合の一発とハイテイずらしは打ち手の常識で、暗黙の了解事項なのである。

 

○好かれる打ち手になる
麻雀は勝負だから、誰だって勝ちたい。勝つなら、勝ち組より負け組とやる方がいいに決まっている。
麻雀には運があるから、格下でも勝てる日がある。しかし、長期戦なら格上が勝つのが常識。1日、半荘5回戦。これなら格下が勝つ日もある。しかしそれが10日間で50回戦となれば、力の差が出てやっぱり勝つのは格上である。
だから、勝ち組は少数だが相手に避けられる。しかし中には、勝ち組なのに好かれる打ち手もいる。
1回戦の東1局、若者の親からリーチがかかった。

西中七筒 上向き一索 上向き七筒 上向き二索 上向き
一万 上向き二万 上向き二筒 左向き

ドラ二万

このとき、対面の社長の手が止まった。2人は初対戦だった。

二万三万四万八万八万二索四索六索二筒三筒三筒八筒八筒  ツモ東

社長は上機嫌だった。昨日は大きい契約が決まった。今日はその自分へのご褒美で、麻雀三昧の日にしたのだ。東は初物。直線的に攻めるならこれだが、一発で打てば親満覚悟だ。オリルなら簡単だ、現物を抜けばいい。しかし、それもイマイチだからと八筒を切った。そしたら、親からロンの声。

五万五万六万七万八万六索七索八索二筒三筒四筒六筒七筒

「高目か、あちゃー!」と社長が言った。そして続けて言った。
「いい待ちだな」
「たまたまです、ありがとうございます」
本当にたまたまなのだ。3巡目、若者の手はこうだった。

一万二万五万六万七万六索七索二筒二筒四筒六筒七筒七筒  ツモ八万

ここから七筒を切ったら、5巡目のツモが七筒だったのである。
ありがとうございますと云われて、社長は悪い気がしなかった。

社長が若者を気に入ったことは、まだあった。2回戦目、社長がリーチをかけて気合いを入れて一発目をツモると、牌が抜けて腹にあたって床に転がった。社長が拾おうとすると、若者の動き方が早かった。
「拾います!」
といって拾うと、丁寧にテッシュで拭いて社長の手元に伏せて置いたのである。
この日、若者と社長の戦いは6回戦だった。若者が格上なのか、1人勝ちの状態だった。若者が麻雀のプロだと知ったのはこの後だ。この日から社長は、来るときは事前に電話をして来るようになった。
若者が居たら駆けつけたし、居ないときは寂しそうに電話切って来なかった。
これが、勝っても好かれる打ち手である。負けても凛として、麻雀に対する姿勢がいいのだ。これなら誰だって好感を持つはずだ。
麻雀に強さは大事だが、品格はもっと大事なのだ。

第17期北関東プロリーグ最終節成績表

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 10節 合計
1 小川 尚哉 ▲ 36.3 63.5 50.8 29.6 18.9 84.9 37.2 2.9 17.9 2.3 271.7
2 松本 裕也 42.2 44.2 ▲ 26.9 39.7 ▲ 25.2 16.0 14.7 ▲ 18.1 25.4 89.1 201.1
3 高宮 まり 76.1 ▲ 1.6 ▲ 50.1 6.3 ▲ 0.8 31.0 38.3 23.4 16.1 ▲ 16.1 122.6
4 小林 正和 55.0 31.6 9.4 ▲ 44.2 45.0 64.0 ▲ 10.7 1.6 ▲ 51.0 3.4 104.1
5 河井 保国 ▲ 18.1 15.7 34.6 35.9 11.6 ▲ 33.7 ▲ 18.7 31.0 74.9 ▲ 40.2 93.0
6 須長 正和 40.5 ▲ 101.0 ▲ 15.9 ▲ 21.0 46.4 21.7 ▲ 18.8 49.1 87.3 ▲ 30.4 57.9
7 吉田 幸雄 ▲ 27.1 ▲ 23.3 ▲ 0.3 73.4 31.6 41.9 ▲ 15.0 ▲ 23.4 25.6 ▲ 37.4 46.0
8 後藤 隆 29.8 ▲ 30.3 30.2 ▲ 17.8 ▲ 12.4 69.9 13.3 ▲ 39.0 ▲ 5.5 ▲ 13.9 24.3
9 木暮 智貴 9.4 26.0 ▲ 17.9 ▲ 56.8 14.0 ▲ 25.6 18.1 ▲ 27.0 9.8 73.1 23.1
10 高橋 信夫 ▲ 64.6 ▲ 22.5 29.4 37.0 ▲ 22.4 ▲ 18.9 ▲ 52.2 11.0 18.3 3.7 ▲ 81.2
11 重原 聡 53.1 ▲ 47.5 ▲ 6.5 46.4 ▲ 3.4 11.4 0.0 12.2 ▲ 105.5 ▲ 50.0 ▲ 89.8
12 西嶋 ゆかり ▲ 9.1 ▲ 15.0 ▲ 4.4 ▲ 15.9 84.2 ▲ 104.7 30.0 ▲ 27.3 ▲ 7.2 ▲ 40.7 ▲ 110.1
13 阿部 謙一 ▲ 65.4 37.0 ▲ 7.5 ▲ 59.9 ▲ 49.1 19.0 ▲ 20.7 ▲ 25.2 37.9 ▲ 27.1 ▲ 161.0
14 中津 真吾 ▲ 15.9 41.1 6.1 5.5 ▲ 64.4 ▲ 27.1 ▲ 26.3 ▲ 13.3 ▲ 16.2 ▲ 68.7 ▲ 179.2
15 小島 優 ▲ 21.4 79.8 ▲ 16.2 ▲ 17.9 17.6 ▲ 82.0 ▲ 83.7 0.0 ▲ 23.0 ▲ 50.0 ▲ 196.8
16 岡部 光輝 ▲ 53.9 52.9 ▲ 61.9 ▲ 3.5 ▲ 50.6 ▲ 29.2 ▲ 40.0 ▲ 4.0 1.2 ▲ 62.6 ▲ 251.6

第2回プロテスト特待生オーディション~才能発掘プロジェクト~

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日本プロ麻雀連盟入会審査部が若き才能を発掘するため、新たな試みをスタートさせます。
プロテスト特待生オーディションに合格すれば、受験料(15,000円)と研修受講料(計30,000円)免除!
また、オーディションの模様は生配信されるので、デビュー前に顔と名前をファンに知ってもらうチャンスでもあります。

腕に自信がある人、第二の寿人になれると思っている人、「白鳥ぐらいは超えられるんじゃないか」と考えている人、「すでに古橋レベルには達している」と信じている人。皆さん、プロの世界はそんなに大甘ではありませんが、やる気のある人はオーディション会場へ「GO!」ですよ!

※募集は締め切りました

■日時
2019年2月17日(日)午前10時集合

■会場
夏目坂スタジオ(東京都新宿区)

■審査内容

●面接試験
・面接試験を行い、合格した方のみ対局試験へと進みます。

●対局試験
・実際に対局していただきます。
・対局は日本プロ麻雀連盟チャンネル(FRESH!/ニコ生)の番組(プロテスト特待生オーディション/正午放送開始)内で配信します。
・不合格と判断された時点で対局試験は終了となる場合があります(1局だけで終了の可能性もあります)。

●合否判定
・番組内で合否を発表します。ただし、特待生として認められるだけで、プロテストの合格を保証するものではありません。プロ連盟入会を希望する方には、改めてプロテストを受験していただきます。また、プロテスト不合格で再受験の場合は、受験料は通常通り必要となります。

■受験料
・無料

■受験資格
・プロテストに準じます(満18歳以上40歳未満の男女(高校生不可)で、連盟員として共に麻雀の発展、普及等に貢献出来る方)。

■応募方法
・住所/氏名/年齢/性別/メールアドレス(PCメール受信可能なもの)/自己PRを、日本プロ麻雀連盟ホームページの「お問い合わせ」フォームの「メッセージ本文」に記載して送信してください。

■締切
2019年1月31日
※募集は締め切りました

第8期山口プロアマリーグ 第4節 成績表

順位 名前 プロ/一般 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 首藤 聡 一般 0.0 ▲ 4.8 136.0 42.6   173.8
2 柴田 祐輔 一般 54.8 65.7 ▲ 16.5 0.0   104.0
3 福田 譲二 プロ 73.9 ▲ 8.3 20.3 ▲ 6.9   79.0
4 高村 翔 プロ 40.6 34.7 ▲ 20.5 19.7   74.5
5 片寄 光俊 一般 ▲ 1.8 65.7 7.7 ▲ 11.1   60.5
6 河居 春生 一般 ▲ 23.8 ▲ 26.3 68.3 34.0   52.2
7 藤井 直也 一般 40.8 8.9 ▲ 63.8 57.1   43.0
8 藤原 英司 プロ ▲ 42.3 0.0 59.9 10.0   27.6
9 坂本 将弘 一般 33.6 0.0 ▲ 20.3 ▲ 6.2   7.1
10 むさし 一般 ▲ 53.9 48.9 12.5 ▲ 1.8   5.7
11 渡辺 健太 プロ 3.7 ▲ 16.8 ▲ 17.8 8.0   ▲ 22.9
12 佐田 いちこ 一般 ▲ 26.4 ▲ 34.6 30.9 ▲ 32.9   ▲ 63.0
13 山口 正美 一般 55.2 ▲ 50.2 ▲ 33.4 ▲ 38.5   ▲ 66.9
14 高見 和広 一般 ▲ 19.5 ▲ 0.7 ▲ 63.7 2.1   ▲ 81.8
15 殿井 正敏 一般 ▲ 10.7 0.0 ▲ 32.7 ▲ 42.2   ▲ 85.6
16 濱田 靖由 一般 ▲ 39.4 ▲ 62.8 4.2 0.0   ▲ 98.0
17 藤岡 治之 プロ ▲ 48.0 ▲ 31.7 7.9 ▲ 34.6   ▲ 106.4
18 清木 雅一 一般 ▲ 36.8 ▲ 32.7 ▲ 80.0 0.7   ▲ 148.8