「プロテスト」 佐々木 寿人

「ヒサトとタッキーが一番恵まれたよ。俺らの時代は何にもなかったもん。」
 
私がプロテストを受験してから13年の月日が流れた。
それも今思えば、かなり特殊な立場だった。
既にアマチュア時代に劇画のモデルとして、その存在を実名で取り上げられていたからだ。
実技テストの際には、大勢の講師達が私の背後を取り囲んだ。
異様な光景にも思えたが、特に緊張感なく打つことができたのはそれなりの場数を踏んでいたせいもあっただろう。
だが、この世界で生きていくための覚悟は持っていた。
逆に言えば、その覚悟が持てるようになったからこそ受験に至ったのである。
 
それまで、色々な方々からの誘いを受けた。
それ自体は有り難いことなのだろうが、当の本人にはピンとくるものがない。
「プロになって一体何のメリットがあるんだ?」
現状の生活に不満がなかったことも一因である。
私はそのどれもを聞き流すかのようにして、日々の麻雀に没頭していた。
そんなある日のこと、プロ連盟の最高峰である鳳凰位決定戦を観戦する機会があった。
当時、週に1、2回のペースで打たせてもらっていた荒正義さんが、決定戦に進出したからだ。
私の願い虚しく荒さんは敗れてしまったが、結果としてこの4日間が私の心を大きく揺さぶったことは疑いようのない事実である。

冒頭の一文はその10年後、荒さんが私に対して言われた言葉である。
有り難くも、重い言葉だ。
日本プロ麻雀連盟創設から今年で38年。
ここまでの規模に育ったのは、先輩方の努力に他ならない。
そして何より、常に次世代のことを考えてこられたおかげで我々の今がある。
その伝統を引き継いでいくことが、今後の連盟の発展につながっていくのである。

さて、ここからが本題である。
来る3月2、3日、日本プロ麻雀連盟では第35期後期のプロテストが執り行われる。
私が受験した頃には100名を優に超える応募があったが、近年ではその数も3分の1程度に落ち込んでいる。
これは単に麻雀人口が減った結果だとは思えない。
むしろ、ここ最近の健康麻雀の躍進は目覚ましいものがある。
メディアで取り上げられる機会も多く、以前に比べれば格段にイメージも良くなっているように思う。
そして何と言っても、昨年10月に開幕したMリーグの存在がある。
麻雀というコンテンツも、この20年で完全に映像として観られる時代となったが、まさか個人と企業が選手契約を結ぶ日が来るなど考えもしなかったことである。
世間の注目度も非常に高く、私も様々な媒体から取材を受けた。
また、オフィシャルサポーター制度が作られたおかげで、ファンの方々とのつながりもより密接なものとなった。
麻雀界は今、大きな転換期を迎えていると言っても過言ではないのだ。

そこで必要となるのが、新しい人材である。
荒さんの言葉を借りれば、私は確かに恵まれた時代を生きてきたと言えるだろう。
だが、これから先の麻雀界にはもっと明るい未来が待ち受けている。
もし現実に麻雀が五輪競技として採用されたならどうだろうか。
国内のみならず、海外での麻雀に対する取り組みも大きく変わってくるはずだ。
そうなれば、需要があるのはプレイヤーだけに限らない。
様々な世代に麻雀の面白さを伝えるレッスンプロの存在も、今まで以上に重要になってくるだろう。
麻雀が大衆にとって趣味や娯楽の域を越えなかったのは、それで生計を立てられる見込みがあまりに薄かったからである。
私がプロ入りを決断するのに4年もかかった原因もそこにある。
ただ、である。
劇的な変化ではないにせよ、この世界で飯を食える人間も大分増えてきた。
多くの子供たちが、麻雀プロを目指したいと夢見る日もそう遠くないかもしれない。
そう言った意味でも、これからの世代にかかる期待は大きいのだ。

私が思うに麻雀が強くなるために必要なのは、意識と環境である。
これからプロテストを受験しようという皆さんに一つ言えるとすれば、日本プロ麻雀連盟の新人プロに対する強化環境というものは、非常に整っている。
勝又健志、白鳥翔といった講師陣も充実しているし、これからの人たちに向けての勉強会も定期的に行われている。
となれば、問題は受験生の目的意識だ。
最初から完成された打ち手などいるはずがない。
ただ、プロになってどうしたいのかという個々のビジョンは必要不可欠である。
13年前の私なら、プロ活動をすぐさま生活に直結させること、そして大勢の中に埋もれないために何をすべきかを考えた。
決して好きではなかったが、物を書くこともその一環だった。
プロたるもの自己顕示ができてこそ。
それが今も変わらぬ私の思いである。
 
すぐには掴み取れないかもしれないが、チャンスは平等に転がっている。
問題は、それをどう生かすかにかかっているのだ。
 
日本プロ麻雀連盟 第35期後期プロテスト

第27期東北プロリーグ Aリーグ最終節レポート

東北の冬は寒く冷たい。
そんな寒さにも負けない熱い戦いが今始まろうとしている。
東北プロリーグ最終節!今年の最終節、上位卓は5人打ち。
まずは面子とポイントを紹介していこう。

トータル首位にたつのが波奈。
+196.9で、2位と60ポイント以上を離して堂々の首位だ。 昨年も決定戦の面子に残り一昨年は天翔位をとっている。実力は申し分ない!

2位には東 134.1ポイント 東北一の強さを誇ると言われている東 。
決定戦の常連でもあり去年も決定戦に残り惜しくも涙をのんだ。

3位には皆川。+119.3ポイントで実力も東北ではトップクラス。
これまで決定戦に残ることもあったがまだ、タイトルには縁がない。今年こそはなんとしても獲りたい所だ

4位は武藤。+99.6ポイント、一昨年にはマスターズ準優勝、十段位ベスト16と惜しくもタイトルホルダーとはならなかった。天翔位からも長らく遠ざかっており、去年も決定戦に残るが東と同じく涙をのんだ。今年こそはと強い気持ちがあるに違いない。

5位には2年目にして活躍著しい菊田。+36.8ポイント。4位の武藤とは約60ポイント、王位戦準優勝、前年度覇者の意地を見せることが出来るのか。それでは戦いを振り返ってみよう

1回戦 は皆川が抜け番
並びは東、菊田、武藤、波奈。
開局早々に武藤が3,900、3,900は4,200、6,800と軽いアガリで東場を物にしていく。
南2局を迎えての状況は波奈の1人沈み。

親は菊田。しかし、手は苦しい! 終盤に形テンをいれて粘ろうとするが、波奈に中ホンイツの3,900は4,200を打ち込み2人沈みになる。
トータル5位にいる菊田には苦しい状況だ。

南3局9巡目に、菊田が

三万四万五万五万六万七万一索二索三索八索七筒八筒九筒

ここからドラの八索単騎でリーチ。決定戦圏内に入ろうと言う強い意志の感じるリーチだ。
結果は流局。東、菊田の2人テンパイ。

オーラス、波奈は配牌がいい。

二万三万六万七万八万六索七索八索一筒一筒五筒六筒七筒  ドラ南

早々にこの形のテンパイ 手がわり待ちの為ヤミテンを選択。
東が一万をツモってきて1,500は1,800を放銃。

続く2本場10巡目に波奈がテンパイ。

三万三万五万六万七万四索四索五索五索五索  ポン三筒 上向き三筒 上向き三筒 上向き  ドラ四索

14巡目に菊田が追い付き

二万三万四万四索六索七索八索九索五筒六筒七筒七筒七筒

これでリーチ。これを菊田が一発はないが一発でツモアガる。
菊田が浮きにまわって東が沈み1回戦はトップ武藤、2着菊田、3着東、4着波奈で終える。

2回戦 並びは波奈、武藤、皆川、菊田 抜け番は東。
東1から東3までを菊田がすべてアガリ、トップで南場を迎える。
オーラス、トップ目の親である菊田が先行リーチを打つ。 これに波奈がドラドラの喰いタンで仕掛けてテンパイをいれるも無筋の八筒を引きオリを選択。
結果は流局し菊田、武藤の2人テンパイ
続く1本場で波奈が皆川に早い段階で2,000は2,900を打ち対局終了。
着順は菊田、皆川、武藤、波奈 菊田と皆川の2人浮きだった。

3回戦 並びは菊田、武藤、東、皆川 抜け番は波奈
東1局 9巡目に親の菊田がフリテンリーチ。 これをツモアガリ1,300オール。
続く1本場 先にテンパイを入れたのは武藤でピンフのみ一万四万待ち。
そこに親の菊田からリーチ。
武藤、すぐにドラの一筒を掴まされオリる。菊田が高めのドラ一筒をツモり2,000は2,100オール。
決定戦メンバー入りに向け菊田が躍動する。

2本場、武藤が早い仕掛けで中を一鳴き、そしてすぐにテンパイを入れる。これ以上菊田に親を続けさせてたまるか、という心の声が聞こえて来そうだ。
負けじと菊田もダブ東をポン 、速度を合わせにいくもここは武藤が皆川から1,000は1,600をアガリきる。
東2局 自分のアガリで親を持ってきて武藤に手が入る。 テンパイこそ13巡目だが高め九万の12,000テンパイ、ヤミテンを選択し東から12,000をアガる。
1本場となって今度は皆川に手が入る。9巡目に

三索三索四索四索八索九索九索東東東中中中

二索をチーしてテンパイを入れ五索ツモ2,100・4,100のアガリ。

東4局 子方の東が3巡目に

四万五万六万五索六索七索九索九索二筒三筒三筒四筒四筒五筒

このテンパイ。三色の手がわりを見てヤミテンにする。次巡、六筒をツモ 東は少し考えて七索切り強気のフリテンリーチ。東の並々ならぬ覚悟が背中越しにも伝わってくる。
しかし、親の皆川が押し返し東からメンホン中の12,000をアガる。東の強気が裏目にでたか。 手痛い打ち込みとなった。

2本場 またも皆川に大物手がはいる。

三万四万五万六万六万七万八万四索五索六索四筒五筒六筒  ドラ四筒

これでリーチ。九万は暗カンされてしまうがそれでも六万ツモリ4,000は4,200オール。
南1局、先行をとったのは武藤。果敢にリーチと攻める。
東が追い付く。手牌はツモリ四暗刻でリーチを打つ。しかし、宣言牌が武藤への打ち込みとなる。この半荘東には辛すぎる展開だ。

それでも南2局1本場、親の武藤のリーチに東が追っかけリーチ。
ドラ四万のカン四万待ちだったが、これは武藤が掴み東へ2,600は2,900のフリコミになった。
オーラス、3者が前にでるインファイト決戦となる。最初に動いたのは武藤、三筒をチーしてピンズの染めに向かう。菊田も中北を鳴いて高めの南でダブ南中トイトイの仕掛け。これにすぐ対応した武藤が染めを辞め七万をポンして一通カン八筒待ちのテンパイ。
そこに、怖い親の皆川からのリーチが入る。だが武藤が八筒をツモアガリ決着がついた。
着順は 皆川、武藤、菊田、東 東の1人沈みとなった。
この半荘で東と菊田の差はほぼ無くなった。

4回戦、並びが菊田、波奈、皆川、東
菊田にとっては最終戦なので出来るだけ点数を叩きたいところ。
東2局 菊田が東から5,200をアガる。
お互いがターゲットにある2人には点数以上の辛さと価値があるアガリになったはずだ。
東3局、それでも東はこの親番で皆川から5,800をアガリ、リーチ棒と合わせて6,800の収入。しかし、続く1本場で菊田に300・500でかわされてしまう。
4回戦の成績は菊田、皆川、波奈、東。
東は1人沈みとなり辛い展開に。一方この半荘が最後だった菊田はトップをとることができ最高の展開。
次の5回戦は菊田は抜け番でこれまで人事は尽くした。あとは天命をまつといったところか。

5回戦
並びは波奈、皆川、武藤、東、抜け番は菊田。
まずはここまでのポイントを合わせた総合ポイントを見てみよう。
波奈+156.3P 皆川+163.2P 武藤112.9、東+49.7P、菊田+97.2P。
東はボーダーである菊田まで47.5P差。

東1局波奈が、

一万二万三万一索二索三索四索五索六索七索八索九索白

このテンパイ。これに放銃したのが東。3,900と大怪我は負わないもののトータル5位にいる東には痛いフリコミとなった。
それでも続く1本場で東は1,000・2,000は1,100・2,100をアガリかえす。このあとも東場は流局や小さなアガリの小場となった。
そして迎えた南場、それぞれの持ち点は波奈33,800、皆川28,100、武藤29,100、東28,900。
あって無いような点差。ラス親がある東にもまだまだ目はある。
前局流局からの南1局1本場、皆川が

五万六万七万一索一索一索五索六索七索三筒四筒中中

これでリーチ。これをツモアガリ。
南2局、南3局は波奈が2,000点と1,000点をアガリオーラスを迎える。東以外の3者はアガればといという最高の条件。
一方、東は連荘は必須。

配牌を取りおえた東。良くもないが悪くもないような手。数巡すると七対子模様になってきた。しかし、七対子は厳しいとみたか、東が喰いタンに動く。そしてテンパイ高め12,000だ。場の空気が重く感じた。
数巡後、ロンの声は皆川だった。
波奈から七対子のみの1,600をアガリ対局終了。
決定戦に残ったのは順位順に皆川、波奈、武藤、菊田となった。
皆川以外の3人は去年と同じ顔ぶれ。武藤、波奈はリベンジを飾ることが出きるか!皆川は初のタイトルとなるのか!菊田が2連覇とするのか!

筆者としては見所の多い対局になると思っている。是非皆さんも連盟チャンネルで見てほしい。
その場にいられない自分は残念だが来期こそはと気持ちを切り替えて来年からのリーグ戦に望みたいと思う。

第27期東北プロリーグ Bリーグ最終節レポート

今期のAリーグ昇級条件はリーグ戦totalの上位2名、10節終了時のAリーグ最下位1名とBリーグ3~5位の計4名での入れ替え戦で上位2名に残ることが条件となる。
上位卓4名はポイントのプラスが3名、1位粕谷(祐)+254.3P、2位粕谷(勇)+93.4P、3位安ヶ平+50.7Pと粕谷(祐)が独走し、ほぼ確定。残り1枠を粕谷(勇)と安ヶ平が42.6P差で争う形になる。4位吉田は▲22.6Pでチャンスが無いわけではないがかなり厳しい。
入れ替え戦の3~5位に関してはtotalで▲200P以下の2人は難しいが他全員にチャンスがあるので下位卓の5名は入れ替え戦を目指しての戦いとなる。

4卓(粕谷(祐)、粕谷(勇)、安ヶ平、吉田)
1回戦東1局は粕谷(祐)のリーチからはじまった。点数的には傍観してもいい粕谷(祐)だが最後まで攻めるという意志を感じた。だが最終節ということもあり、他の3人も簡単に降りず攻めていく。このリーチは1,300のアガリでかわされ、そのまま小場の展開となり、粕谷(祐)がラスとなる。トップは+5.2Pで吉田。

2回戦も小場のまま進むが南2局で粕谷(勇)が6,000オールを引く。これが決め手になるかと思ったが、南4局に安ヶ平も6,000オールでまくり返しトップで終了。
3回戦には、1、2回戦プラスで順調だった粕谷(勇)だが東2局での吉田への8,000が響き、ラスになる。安ヶ平は2着で差を詰める。
4回戦が始まり、totalで安ヶ平に21.9Pまで詰められ、東場でもリードを許した粕谷(勇)だが、南1局で2,600オールをツモりトップになる。その後南2、3局を軽く流し、オーラスも流局で終了し、リードを守りきった。
この日のtotalはラスだったが圧倒的リードで今日を迎えた粕谷(祐)とベテランの強みを見せた粕谷(勇)がAリーグ昇級を決めた。

5卓(野家、佐々木、雫石、菅原、蓬田)
この中から入れ替え戦に確実に進めるのは1名だけなので、この5人の中でtotalのポイントでトップになる必要がある。
そんな状態で始まったが、ポイント下位の佐々木、雫石の調子が良く、4回戦までポイントを伸ばす。
逆にスタート時のポイントがトップの蓬田が3、4回戦と連続でラスとなり、大きく後退する。
菅原が最後の5回戦のラス親で粘りを見せ、52,500点のトップを取るが、それまでのマイナスが大きく届かなかった。
トップこそ無かったが、終始安定した成績の野家に軍配が上がった。
入れ替え戦の3名は安ヶ平、吉田、野家に決定した。

第35期鳳凰位決定戦 二日目観戦記 荒 正義

東京は、寒い日が続いていた。吹く風が冷たくて、身に凍みる。しかし、大一番の会場には熱気があった。この日も、一番乗りは柴田である。1人で卓に着き、ツモ捨て繰り返し打っていた。
初日の4回戦は、柴田にとっては悔いの残る半荘だった。持ち点を57,1Pまで積み上げ、これまでのマイナスを一気に取り戻す勢いだった。しかし、終わってみれば33,8Pだ。浮きの2着は確保したが、不満はかなり残ったはずだ。

 

100

 

5回戦。
出親は前原で、順に勝又、柴田、吉田の並び。
東3局までは、小場だった。微妙だったのが、東4局の1本場だ。前局が流れて、リーチ棒が2本ある状況だった。まず仕掛けたのは、南家の前原だ。

五万五万六万六万五索五索六索八索六筒東中中中  ドラ西

5巡目に五万をポンして、打東。少し強引だが、リーチ棒がある。
7巡目、親の吉田の手がこうなる。ドラ2と、一通が見えるチャンス手だ。

五万六万一索一索三索四索五索七索七索八索九索西西  ツモ二索

五万六万の受けは、いいマチだ。それなら打牌は七索のはずだ。ところが、吉田は一索を切ったのである。これが微妙。このとき前原の手は、こうだ。

六万六万五索五索六索八索六筒中中中  ポン五万 上向き五万 上向き五万 左向き

七索切りなら、前原のチーテンが入る。
2巡のツモで、前原は六索四索と引いてこのテンパイ。

六万六万四索五索五索六索六索中中中  ポン五万 上向き五万 上向き五万 左向き

次に吉田のツモがこうで、七索がロン牌となったのだ。

五万六万一索二索三索四索五索七索七索八索九索西西  ツモ四万

先に受け手広く七索切りなら、前原のテンパイはこうだ。

六万六万五索五索中中中  チー七索 左向き六索 上向き八索 上向き  ポン五万 上向き五万 上向き五万 左向き

吉田はこう。

五万六万一索一索二索三索四索五索七索八索九索西西

四万は食いで流れるが、前原のテンパイも不自由だ。これなら結果は分らない。打点が大差なだけに、吉田は残念。

南2局は、大きな見せ場となった。親の勝又の手が軽い。

三万四万四万五万六万六索七索七索三筒四筒四筒四筒五筒  ツモ八索  ドラ五索

これが3巡目の仕上がり、当然リーチだ。

東四索 上向き七索 左向き

少しの不満は、入り目がドラでなかったことだ。出て5,800点か、ツモで2,600点オールは固い。このとき、北家の前原の手もこうだった。しかし、好形テンパイと2シャンテンでは、勝又有利だ。

三万二索二索三索三索五索九索九索北北白白白  ツモ七万

当然、前原は無筋のマンズを切って前に出る。すぐに二索が出る。ポンだ。次が北。これもポン。

三索三索九索九索白白白  ポン北北北  ポン二索 上向き二索 左向き二索 上向き

あっという間に追いついた。まだ5巡目だが、跳満である。すぐに勝又が三索を掴んだ、何たる不運!
やっぱりゴジラの生命力は、ただものではない。このあと2局進んで、前原が楽勝の流れだ。

問題は、オーラスに起きた。この時点で、4人の持ち点はこうだ。

前原 勝又 柴田 吉田
46.2  13.3  33.3  27.2

8巡目、吉田がリーチだ。

四万四万一索一索一索五索五索五索一筒二筒七筒八筒九筒  ドラ五万

しかし、三筒は純カラ。9巡目、柴田にも七対子のテンパイが入る。浮きの2着だから、ヤミテンは当然。
そして12巡目、親の前原が切ろうとしたとき牌山に手がかすって、山が崩れてしまったのである。落ちた牌は4枚で、どれも表が見えている。麻雀ではよくある出来事だ。
すぐに立会人の紺野から、ストップの声がかかる。規定では2枚までがセーフで、3枚がアガリ放棄だ。4枚は、続行不可能でチョンボとして2万点の罰則。
紺野が裏に回り、ビデオ判定。結果は、前原のアガリ放棄で続行。前原、助かる。
見えた牌の1枚は、ドラの指示牌だったからである。
ゴジラの弱点発見!手が大きいと不利なのだ。

このあと、11巡目に勝又のリーチだ。

五万五万七万七万七万四索四索一筒二筒三筒六筒七筒八筒

入り目は五万の、ドラの重なりである。これに四索で、柴田が5,200点の放銃。
なんと、柴田が沈んで前原の1人浮きとなった。アガリ放棄なのに、4,000点の加点である。これには、びっくり。

 

100

 

5回戦までの総合成績がこれだ。
前原   吉田   勝又   柴田
+43,0 +17,9 ▲22,9 ▲38,0

 

 

6回戦
出親は前原で順に勝又、吉田、柴田の並び。
席は、前原と勝又は動かなった。トップを取って、同じ席に座ると気分がいい。比べてラスを食って、同じ席だといやな予感がする。案の定だ、東1局は勝又の1人ノーテン。
1本場は、親の前原に軽い手が入った。8巡目でリーチだ。

二筒 上向き一筒 上向き八万 上向き一万 上向き一万 上向き一万 上向き
南七索 左向き

一万の暗刻かぶりがあって、テンパイは遅れたが手牌はこう。

二万三万四万五万六万七万三索三索六索六索六索四筒五筒  ドラ五索

同巡、柴田にもテンパイが入る。

二索二索二索七索七索八索九索九索三筒三筒三筒五筒六筒  ツモ五筒

八索は2枚出ていたが、六筒切りで強気の攻めだ。しかし、これが命中で3,900点と300点の支払い。確かに、前原への安全パイは七索しかなかったが、相手は親だ。しっかり、受ける手段もある。私なら七索切りである。前原は好調の滑り出し。この前原に待ったをかけたのが、吉田だった。

東1局2本場。
吉田の手が、3巡目にしてこれである。

四万四万五万五万八万八万八万六索六索六索東白白  ドラ八索

そして次のツモが四万で、即リーチだ。

六筒 上向き発中東

六筒の先切りが気になるが、これではマチが絞れない。五万は山に無いが、白は2枚生きている。この白を勝又が捕まる。しばらく粘ったが、11巡目に打ち出した。12,000点と600点の放銃。勝又の手も、ドラが2丁のこの手だから仕方ない。

二万三万五索六索八索八索一筒一筒一筒七筒七筒八筒九筒

勝又、不調である。

東2局。
吉田の手が軽い、6巡目でこうだ。

四万五万六万三索四索六索四筒五筒五筒六筒六筒七筒南  ツモ五索  ドラ南

ここで吉田はドラ待ちを選択、そしてヤミテン。
南は、勝又と柴田の手に浮いている。手が進めば出る可能性がある。
9巡目に、前原が追いついてリーチだ。

一索二索三索四索五索六索八索九索九索九索五筒六筒七筒

しかし、七索は河に3枚出て純カラ。八索は1枚残りだ。どうして、ゴジラはこんなに強気なンだろう。吉田も、無筋をバンバン通して突っ張った。結果は、南を掴んだ前原の放銃。リーチ棒込みで、9,000点は痛かった。

東3局は、柴田が吉田から満貫を打ち取る。

東4局。この時点で、4人の持ち点はこう。
前原 勝又 吉田 柴田
27.2  13.4  43.6  35.8

 

100

 

ここから、柴田が頑張った。
まず親で2900点を、吉田から打ち取る。
そして、南2局で七対子ドラ2をツモって、2,000・4,000点。
前局は勝又が満ツモだったが、すぐに親で被る。やっぱり、今日の勝又は運がない。

南3局の1本場は、前原が意地を見せた。

二万二万六万八万五索五索六索六索七索七索三筒四筒五筒

この手をリーチで引いて、2,000・3,900点。

オーラスも勝又から、2,600点を打ち取って幕とした。これでトップは柴田。2着は吉田で、前原は小さい沈みの3着。勝又が、大きく沈んだラスだ。
そして、6回戦までの総合成績がこれだ。

前原   吉田  勝又  柴田
+35.9 +30.3 ▲48.6 ▲17.6

残り10戦、この点差ならまだわからない。優勝は、勝又だって十分狙える。

 

 

7回戦。出親は前原で、順に吉田、柴田、勝又の並び。

東1局。
11巡目、テンパイ一番乗りは、吉田でヤミテン。

四索五索六索六索七索八索九索九索三万四万五万五万七万  ドラ四万

同巡、勝又にもテンパイが入る。

六万七万二索三索四索五索六索七索二筒二筒六筒七筒八筒

三色の手変りがあるので、こちらもヤミテンを選択。
すると吉田が絶好のドラ引きで、こうなった。

三万四万四万五万五万四索五索六索六索七索八索九索九索

これもヤミテン。すると流局間際、ラス牌の三万を掴んで勝又の7,700点の放銃。これが、運の明暗である。勝又には、仕方がない放銃ばかりが目立つ。
一方の吉田は、絶好調。手が軽いしツモが利いている。今日の彼の課題は、プラスをどこまで伸ばすかだ。

 

100

 

吉田は、1977年2月生まれの41歳。趣味はカラオケである。タイトル戦の優勝はまだないが、A1昇級と鳳凰戦出場は立派な戦歴だ。そのときのご褒美に、瀬戸熊からもらったネクタイが2本ある。初日がその1本で、今日が残りの1本だ。元気にゲンを担いで締めている。

東3局1本場。ドラ八筒
この局は、勝又と吉田の鳴き合戦。最初に動いたのは勝又だ。
六筒のポン。次にドラの八筒のポン。これで、一気に場に緊張が走る。
仕上げが、これだ。

三索二筒三筒四筒  チー三索 左向き四索 上向き五索 上向き  ポン八筒 左向き八筒 上向き八筒 上向き  ポン六筒 上向き六筒 左向き六筒 上向き  ツモ三索

三索を鳴く前は、この形。

五万三索四索五索二筒三筒四筒

テンパイ時の打牌が六万なので、その周りは危険牌。だから鳴いて、相手の読みの裏をかいたのだ。すると、次のツモが三索でまんまと成功。リーチ棒込みで2,000・3,900。これで、勝又は原点復帰。このアガリが、次につながればいいのだが…。
東4局は、勝又の親で2,900点のアガリ。
そして1本場。11巡目の、勝又のリーチだ。

三万三万三万四万四万四万七万七万一索一索四筒五筒六筒  ドラ一索

西北九筒 上向き九万 上向き発東
三筒 上向き五索 上向き二万 上向き九万 上向き六万 左向き

このとき、吉田も四万七万のテンパイだった。その七万が、出ない形になったのだ。
ドラの一索は無いが、七万は2枚生きている。ツモなら6,000点オールだ。
前原のリーチが入る。

五万五万五索六索七索二筒三筒四筒六筒六筒七筒七筒八筒

しかし、結果は流局。七万は、王牌(ワンパイ)の中だった。
2本場は、勝又のアガリ。1,000点オールだが、リーチ棒2本と積み場が付いた。
3本場は、勝又と前原のテンパイで流局。
勝又の粘りも、ここまでだった。南場は好調の吉田が加点し、トップを決めた。
2着は浮きの勝又。3着が前原で柴田がラスだった。

総合得点はこれだ。
前原   吉田  勝又  柴田
+25.2 +51.5 ▲36.2 ▲40.5

 

 

8回戦。出親は勝又で順に前原、柴田、吉田の並び。
東1局。
やっぱり、吉田が好調。

五万六万八万八万五索六索七索七筒七筒八筒八筒九筒九筒  ドラ八筒

この手をヤミテンで、前原から仕留めて7,700点のスタートだ。

東2局。ドラ七筒
ここは、仕掛け合戦。しかし、制したのは吉田だった。

五万六万一索二索三索五索六索七索七筒七筒  ポン西西

この手を七万で、勝又から打ち取る。3,900点。
このあとは無難に流れて、オーラスの持ち点がこうだ。

勝又 前原 柴田 吉田
25.5  23.9 22.6  48.0

3人沈みである。吉田とは、差が大きく広がる。
今度は、勝又が頑張った。なりふり構わずの3フーロ。

九万九万八索八索  ポン六筒 左向き六筒 上向き六筒 上向き  ポン六万 上向き六万 左向き六万 上向き  ポン中中中

この八索を引いて1,300・2,600点。沈みが、浮きの2着になった。これは大きいアガリだ。勝又の根性が、垣間見えた。

 

100

 

これで、4者の総合得点がこれだ。
吉田   前原  勝又  柴田
+74.9 +13.8 ▲31.5 ▲57.2

態勢は吉田有利だが、まだ半分の道のりだ。まだ、勝負は分らない。

第27期東北プロリーグ 最終節成績表

Aリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 10節 合計
1 皆川 直毅 29.3 16.6 12.4 10.9 46.8 ▲ 2.1 ▲ 40.1 ▲ 18.3 56.4 67.5 179.4
2 波奈 美里 ▲ 14.0 4.2 ▲ 19.5 57.9 1.9 124.1 63.1 ▲ 32.7 11.9 ▲ 45.0 151.9
3 武藤 武 12.2 ▲ 29.8 41.4 ▲ 29.6 ▲ 14.2 65.2 2.2 36.5 15.7 12.0 111.6
4 菊田 政俊 14.3 12.1 44.2 ▲ 77.4 47.8 51.4 ▲ 47.8 18.0 ▲ 25.8 60.4 97.2
5 東 幸一郎 38.9 28.5 8.3 ▲ 14.8 ▲ 40.4 ▲ 60.6 97.6 66.1 10.5 ▲ 94.9 39.2
6 遠藤 昭太 27.9 ▲ 19.8 41.1 17.2 ▲ 77.5 ▲ 83.1 93.5 35.1 ▲ 68.3 13.2 ▲ 20.7
7 佐藤 晃大 ▲ 57.8 ▲ 55.8 16.9 49.4 14.4 ▲ 15.0 ▲ 48.1 5.4 ▲ 2.1 48.1 ▲ 44.6
8 瀧田 亮 36.9 29.0 ▲ 40.2 ▲ 22.0 ▲ 16.7 ▲ 19.8 17.9 ▲ 3.7 ▲ 50.0 休会 ▲ 68.6
9 藤本 修二 ▲ 27.1 20.2 ▲ 1.6 16.5 48.3 ▲ 27.4 ▲ 17.8 ▲ 51.4 5.3 ▲ 38.3 ▲ 73.3
10 新田 大輔 ▲ 21.4 40.0 ▲ 53.7 ▲ 40.1 32.0 11.3 ▲ 27.9 ▲ 64.0 40.7 ▲ 42.5 ▲ 125.6
11 山下 敬介 ▲ 12.4 ▲ 58.9 ▲ 10.7 ▲ 51.8 3.2 ▲ 23.8 ▲ 35.1 ▲ 0.3 4.1 ▲ 26.4 ▲ 212.1
12 石井 良樹 ▲ 47.3 9.7 10.6 17.4 ▲ 40.5 ▲ 34.4 ▲ 61.6 ▲ 54.0 ▲ 64.8 44.9 ▲ 220.0

Bリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 10節 合計
1 粕谷 祐太 30.2 60.1 4.3 12.2 94.4 56.9 ▲ 33.1 6.2 23.1 ▲ 69.2 185.1
2 粕谷 勇吉 ▲ 15.9 ▲ 11.4 47.3 33.7 15.1 ▲ 11.6 23.6 38.6 ▲ 26.0 21.0 114.4
3 安ヶ平 浩希 26.0 ▲ 25.7 ▲ 10.8 10.2 ▲ 17.6 68.2 3.2 ▲ 10.5 7.7 31.5 82.2
4 吉田 勝弥 4.1 ▲ 45.0 ▲ 1.8 ▲ 3.5 ▲ 3.9 ▲ 52.1 34.1 19.9 25.6 16.7 ▲ 5.9
5 野家 龍治 8.1 ▲ 24.5 ▲ 25.5 4.9 39.8 ▲ 63.5 ▲ 42.4 ▲ 3.3 68.5 11.1 ▲ 26.8
6 菅原 直哉 14.8 45.2 32.6 ▲ 38.6 ▲ 60.6 ▲ 50.0 42.5 ▲ 52.9 11.4 ▲ 3.2 ▲ 58.8
7 及川 慶次 ▲ 77.1 56.3 5.7 ▲ 50.0 0.0 0.0 ▲ 0.9 9.4 ▲ 10.4 休会 ▲ 67.0
8 蓬田 一貴 24.1 ▲ 36.8 12.0 ▲ 17.5 ▲ 31.3 92.6 ▲ 38.2 ▲ 1.4 ▲ 32.4 ▲ 56.2 ▲ 85.1
9 雫石 沙応里 ▲ 44.3 ▲ 3.3 ▲ 26.7 17.2 4.1 ▲ 25.9 7.5 8.0 ▲ 150.0 43.4 ▲ 170.0
10 佐々木 啓文 26.0 ▲ 15.9 ▲ 38.1 ▲ 19.6 ▲ 40.0 ▲ 14.6 1.7 ▲ 34.0 ▲ 70.5 4.9 ▲ 200.1

第145回:中級講座『公式ルール的押し引きあれこれ』 浦田 豊人

連盟公式ルールに的を絞った中級講座の連載も、今回で7回目となりました。

麻雀において勝敗を決するポイントは何かと問われれば、答えは「押し引き」だといっても過言ではないかと思います。
上級者ほど押し引きに秀でており、そのまま勝率に直結しているものだと感じます。
公式ルールでも同じ事が言え、いやむしろ公式ルールだからこそ、この押し引きがより勝敗を決する事になるでしょう。

麻雀は毎回毎回色んな場面に遭遇します。
何処で押して、何処で引くかは本当に難しいものですが、ただ一番大切な事は常に同じように打つ「一貫性」であります。
同じ局面なのに、その時によって押したり引いたりするのが一番悪いことであります。
そんなフラフラした押し引きならば、何も考えずに打った方がまだましです。
そのためにも、先ずは自分のフォームをしっかりと固め、それを貫く必要があります。

これまでの中級講座でもこの押し引きについて、トップ判断、リーチ判断、鳴き判断、昇級的判断などの様々な観点からお話をさせて頂きましたが、今回はそれ以外の幾つかの点において、話をしたいと思います。

題して
「公式ルール的押し引きあれこれ」です。

●ハイリスクは何点以上か?

押し引きを考える上で、先ず公式ルールにおいて
「相手の手の高打点と言えば、何点以上のことを言うのか?」
という事を考えてみたいと思います。
何故ならば、押し引きの選択時にハイリスクハイリターンで比較しますが、何点からがハイリスクだと見立てる事が出来なければ、その判断がつきにくいからです。
ちなみに一発裏ドラがあるWRCルールでしたら、やはり満貫あたりでしょうか?

公式ルールでは高打点の分岐点は何点でしょうか?
私が思うに、「3,900点より上、5,200点あたり」が高打点と位置付けします。
理由としましては、自分が「1局で返す」事が出来うる点数が3,900点あたりまでだからと考えるからです。

裏ドラカンドラがない公式ルールでは、表ドラ4枚のみが唯一のドラであり、そうすると自分に来る確率は自ずと毎局平均して約1枚になります。
仮にドラが1枚あり、リーチをかけてツモれば「1,000・2,000」であり、これなら他に手役がない時でも1局でギリギリ返せる点数といえるのではないでしょうか?
また一番作りやすいタンヤオを活用し、タンヤオツモドラ1やリーチツモタンヤオでもOKです。
よくオーラスなどの最終局の時点で「1,300・2,600条件」の時に、
「1,000・2,000ならまだ良いのになぁ~。」
と思い、簡単なようで意外と5,200点がキツく感じた経験はないでしょうか?
(5,200点だと主にピンフ条件になるため)
また、アガれずとも流局で1人テンパイの時なら3,000点入りますので、ほぼほぼ3,900点に近い収入となります。

なので、相手の手が3,900点までならば基本的にはギリギリローリスクで「押し」になり、5,200点以上ならばハイリスクで「引き」の領域になる、と私は判断します。

●役牌とドラの放し時は?

自分に不要な役牌やドラは、何処で放せば良いのでしょうか?

公式ルールにおいては役牌のポンはそのまま即1ハンがつきますので、鳴いた側にとってみれば非常に嬉しい、アガリに一歩近づく状況になります。
逆に鳴かれた側は、そこから更に鳴かれないように、もしくはもうテンパイしていて放銃しないように、警戒を強めなくてはならないので厄介です。

公式ルールにおいては特に攻守ともどもキーポイントとなる役牌。
「相手に重ならないうちに、自分に不要ならいち早く切ってしまおう。」
これが現代流ではないでしょうか?
確かに正論とも言えます。
しかし私の考えは先ず「絞り」です。

麻雀の勝つコツは究極としては、
「アガれると判断したら、とことん攻める。」
「自分にアガリが厳しいと判断したら、相手にアガらせないように全力を尽くす。」
という事ではないでしょうか?
だとすれば、自分にアガリがあるかどうかがまだ分からない序盤では、まだ役牌は切るわけにはいかず、その後アガれると判断すれば切るし、もしアガれないと判断すれば握り潰すべきでしょう。

例えば東3局、序盤3巡目の南家の私の手牌。

二万二万四万七万二索八索九索四筒四筒六筒六筒八筒南  ツモ中  ドラ七万

ツモって来た中をあっさりツモ切ると、下家の西家が「ポン!」。
西家の手はこのとき

四万六万八万一索三索五索六索九索九索南南中中

この中ポンで西家はホンイツに方針を決定する事が出来、その後に出る南二索九索も安心して鳴けるカタチとなった。
これがもし南家が南二索から切っていたら、西家は仕掛ける事が出来ただろうか?
勿論仕掛ける人もいるかもしれませんが、そうすると益々ホンイツを警戒され、テンパイさえ危うい事になるかもしれません。

上記の例は極端な例かもしれませんが、切る順番1つでガラッと展開が変わる、
そういう意味からもやはり役牌の切る順番には、公式ルールでは特に神経を使わなければなりません。

不要なドラはどうしましょう?
やはりこれも不要とはいえ、相手にポンされればたちまち満貫以上確定となり、手が高くなりにくい公式ルールでは、ハイリスクの緊急警報が鳴ってしまいます。
基本的にはドラを切らない手組にする、もしくはテンパイまで絞り、テンパイした時に勝負が理想的であると考えます。

しかしながら、1シャンテン時に切った方が良いときもあります。
それは「親番」のとき。

ここまで沈んでいて連荘必須のとき、

二万三万四索四索五索五索六索二筒二筒六筒六筒七筒白  ツモ四万  ドラ白

こんな1シャンテンではドラ白をここでリリースするべきです。
格好つけて六筒とか打ってはいけません。もし切らずに、誰かが仕掛けたり、先にリーチをかけられると、気持ち的にもう切りたくなくなってしまいます。
いつの間にか連荘必須の目標を忘れてしまっております。
勿論そのまま「ロン!満貫!」と言われるかもしれませんし、そうでなくても鳴かれる可能性も多分にありますが、絶対連荘がテーマであるなら、ここで切るべきです。
そしてもし鳴かれたら、メンゼンにこだわらず三索六索二筒五筒六筒八筒全ての牌を仕掛け返して、全面戦争を挑まなければなりません。
こうなれば死ぬ気でダイブしなければなりません。

●アガリ逃しの後にアタリ牌が来る「システム」

まだプロになる前の三十年程昔の話、その頃よく一緒に麻雀をしていた友人O君と、いつも「システム」の話をしていた。
それは、「自分がアガリ逃しをした後に持って来る危険牌はアタリ牌になる。」
という経験則。
私達はそれを「システム」と呼んで、本気で信じていました。

例えば自分が下記の手をポンしたとする。

二万三万四万五万六万七索八索七筒八筒北北  ポン発発発  ドラ五万

ドラ含みの3メンチャンのマンズは当然切らないとして、残りの両面は甲乙つけがたく悩むが、ピンズの七筒八筒を落としていく。
すぐに一万を引いて六索九索待ちのテンパイになったところへ、リーチがかかる。

西一筒 上向き九索 上向き白二索 上向き五筒 上向き
西八万 上向き六万 左向き

こちらにオリる意志もなく、危険牌を勝負していく。
するとリーチ者が選択次第で自分のアタリ牌になり得た六筒をツモ切り、そして直後私のツモがまた危険牌の三筒
こんな三筒はアタリ牌になりますよ、それが麻雀のメカニズム、つまり「システム」なのですよ、という話です。

そんなオカルトな!?と言われる方も多いかと思います。無論何の根拠もデータもありません。
「アガリ逃しした後にアタリ牌を持って来る。」というシチュエーションがあまりにもインパクトが強過ぎて、データも何も無い昭和の人達の脳裏に刻まれてしまったからかもしれません。

しかしながら、麻雀はレベルが上がれば上がるほど紙一重の勝負となり、お互いのアガリ牌もわずか一牌の後先となるケースが多いのです。
そんなギリギリの闘いだからこそ、アガリを逃して次に来るのもまた自分のアガリ牌と思うのは虫のいい話であり、次に来るのは相手のアタリ牌だと思うことの方が、私は自然に感じます。

なので私はプロになってからも、鳳凰戦でこのシステムを大いに活用し、アガリ逃しがあるまではこれでもかと勝負していても、アガリ逃しの後に危険牌を持って来た時は、唐突に受けに回るようにしておりました。

●ヤミテン押しにこそ「システム」あり。

上記のシステムはメンゼンでヤミテンになった時にこそ発動します。

例えば下記の手でテンパイしたとします。

南1局・西家(21,000点・3着目)

一万三万三索四索五索一筒二筒三筒八筒八筒八筒白白  ドラ二筒

二万は場況的にみてそんなに悪くもなく、そのままリーチの選択もあり得たが、沈んでいて得点が欲しい事もあり、ここは白とシャンポン待ちにしてからリーチをかけたいと一旦ヤミテンにする。
するとリーチがかかり、こちらも突っ張っていたところに、相手が数巡後二万をツモ切る。
(勿論役無しなのでアタれません。)
そして直後持って来た危険牌…。

そう!これが「システム」です!
その危険牌はアタリ牌です!ここからは受けましょう!
これも上記のシステムと同じ現象であります。あなたもこんな経験をされた事はありませんでしょうか?騙されたと思って、この「システム」を活用してみて下さい。

●1シャンテン時の押し引きは?

公式ルールにおいて、相手のテンパイに対して自分が1シャンテンの押し引きは、基本的に「引き」であります。
公式ルールはヤミテンでも受けに回る選択肢もあり、それが1シャンテンであればなおのこととなります。

例外としては、
①自分が親のとき
②南場のラス目のとき
③勢いがあって大きなトップ目のとき

これらの時に、場合によっては押すこともあるかもしれません。
例えば下記のリーチがかかったとします。

南2局南家9巡目

九万 上向き西二索 上向き中七索 上向き一筒 上向き
六万 上向き四万 上向き七筒 左向き

対して私の手(北家・20,000点・ラス目)

四万五万六万三索四索五索六索三筒四筒四筒五筒六筒八筒  ツモ南  ドラ五筒

もう親もないラス目でもあり、なんとかアガリたかったため、目一杯に手を広げていたところへのリーチ。
南は生牌で、リーチ者にとってダブ南でもあり、超危険牌の1つ。
ここではとりあえず南を押して粘る。果たして次のツモがこれまた危険牌の二万

四万五万六万三索四索五索六索三筒四筒四筒五筒六筒八筒  ツモ二万  ドラ五筒

三索から切るか?それとも二万から行くか?私の選択は、ここで「引き」となります。

この手はリーチがかかった時点から結局アガリまでには南(は通ったが)、三索二万と最低3枚は通さないとアガれないカタチであります。
3枚とも通る可能性はあるが、いかにも感触が悪い。
「危険牌3枚は『やめのサイン』」
と私は決めております。
ちなみに、上記の手で中筋といって四筒を切る方がいらっしゃいますが、それはやり過ぎです。残った手牌のカタチが悪い事もさながら、ドラが五筒でもあり、カン四筒は十分に考えられます。

●形式テンパイの押し引きは?

役がなくともカタチさえテンパイしていれば、テンパイ料が貰えるルール、それが形式テンパイですが、公式ルールにおいてもこの形式テンパイルールはあります。
形式テンパイでも役満のテンパイでも、テンパイ料は同じであり、1人テンパイだと3,000点の収入になり、これは「子の40符2ハン→2,600点」よりも大きな収入となります。
なので終盤アガれなさそうと判断した場合は、形式テンパイもある意味馬鹿に出来ません。

しかしながらそれは一打一打にしのぎを削る、本来の勝負事からは違うものであると私は位置付けます。
なので、
「形式テンパイでは危険牌を勝負してはいけない。」
のであります。
勝負は本来の闘いの時だからこそ勝負するものであり、形式テンパイの時には、その勝負の場面なんかではないのです。
勝負しなくても取れる時だけするように心がけて下さい。
もし形式テンパイで打ち込めば、
「勝負処でない場面で勝負してしまったのだから、結果負ける。」
という図式が出来上がり、そのままその日1日の致命傷になるかもしれません。

●供託がたくさんある時の押し引きは?

供託もアガリも同じ得点である事に違いはありません。
例えばリーチ棒3本と3本場が供託であれば、それだけで3,900点となり、「子の30符3ハン」の得点と同じ場所あり、自分のアガリ点を加えれば、冒頭のハイリターン「3,900点より上、5,200点くらい」に匹敵します。その際には冒頭に「押し有利」と述べました。
しかしながら私の考えは形式テンパイの時と同様で、
「供託のためには勝負しない。」
であります。

確かに同じ得点には変わりありませんが、本来の土俵上で闘う中での勝負、そのための押し引きとは別物であると考え、私は供託が多いから勝負するのでなく、供託に関係なく、勝負する場面では勝負し、勝負しない場面では無理しない、それが自分のフォームを保つ「一貫性」だと思います。
私にとって供託は相撲でいう「懸賞」みたいな感覚であります。

●オリていたのにテンパイしてしまった場合は?

こんなケース、よくあると思います。
例えば下記の親リーチがかかったとする。

北白一筒 上向き四万 上向き二万 上向き一索 左向き

対する南家の私の手。

二万二万七万九万三索四索五索八筒九筒九筒九筒東中  ツモ四索  ドラ三索

2シャンテンで、他のカタチもあまり良いとは言えずも、ちょっとストレートに勝負しにくい。
なので二万のトイツ落としで回る。
通りそうな牌を優先して打ち回していき、流局狙いになってきたところで、14巡目に下記の手になる。

三索三索四索四索五索五索七索三筒七筒八筒九筒九筒九筒  ツモ六筒  ドラ三索

後半必要牌が押し寄せて来て、七索三筒を切れば、イーペーコードラ2の5,200点のテンパイ。

親リーチの捨て牌
北白一筒 上向き四万 上向き二万 上向き一索 左向き
六万 上向き白四筒 上向き西四筒 上向き五索 上向き
北九筒 上向き

5,200点はハイリターンに位置付けされるので、出来れば勝負したい。
七索三筒のどちらかを切るか?それとも?

私の選択はテンパイ取らずで、今通った九筒を切ります。
こういう「オリていたけどテンパイしてしまったテンパイは罠」と思うようにしています。
二万のトイツ落としをして、結果タンキ待ちになるというのもいかにも嫌です。
「ネガティブ=罠」の思考かもしれませんが、私の公式ルール経験則上では、ここは「引き」となります。

以上、「公式ルール的押し引きあれこれ」でした。
賛否両論あるかもしれませんが、ご参考にして頂ければ幸いです。

さて邪道戦法もいよいよ次回最終回となります。
タイトル予告は邪道戦法の極み中の極み、「態勢論」です。
お楽しみに~。

第14期静岡プロリーグ 最終節レポート

静岡プロリーグ最終節、遂に決勝進出者が決まる!

最終節は、上位8人は周り順でそれ以下は順位順で卓が組まれる。
上位2卓から決勝進出者が決まるため、上位卓を見てみようと思う。

1卓
鈴木郁孝(+321.5P)×京平遥(+197.5P)×太田昌樹(+121.8P)×鷲見隼人(+108.8P)

鈴木郁は当確。
4位京平と5位太田の差が70ポイント。
8位の鷲見にも展開次第ではチャンスがある。
京平が圧倒的に有利なのは間違いないが、京平の立場からするとやりにくくて仕方ないだろう。
2回戦は、太田が大トップで京平が沈みの3着のため、この半荘だけで60ポイント差が詰まり、あわや大逆転かと思われたが続く3回戦で、京平が決め手となる6,000オールのアガリで勝負あり!

結果
京平+16.9P 太田+11.4P 鷲見+11.1P 鈴木郁▲39.4P

2卓
藤島健二郎(+270.0P)×望月雅継(+266.1P)×山本拓哉(+116.9P)×川崎義之(+109.0P)

圧倒的な安定感で9節消化した、藤島と望月。
この2人の牙城を崩すべく、果敢に攻める山本と川崎。
山本と川崎は、なるべく多くプラスして別卓の京平の結果待ちというのが現実的な条件か。
しかし終わってみれば、藤島3勝の望月1勝で、山本と川崎は何もさせてもらえなかった。

結果
藤島+66.3P 山本▲4.5P 望月▲28.8P 川崎▲33.0P

こうして、決勝進出者4名が決定した。
今期初参戦の藤島はAリーガーの力を見せつけ堂々の1位通過。
そして、鈴木郁は今期からのスタイルチェンジがマッチし、危なげなく2位通過を決めた。
鳳凰戦を引退し、静岡の活動に注力した望月がその力を遺憾なく発揮し3位通過。
「漆黒の打点師」の異名とる京平が4位通過と、決勝戦としては文句のないメンバーが出揃った。

激闘必死!!

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 10節 合計
1 藤島健二郎 36.0 62.5 8.2 87.6 44.0 13.3 ▲ 34.4 52.7 0.1 66.3 336.3
2 鈴木郁孝 108.1 9.5 40.9 ▲ 7.4 27.5 52.3 30.9 3.7 56.0 ▲ 39.4 282.1
3 望月雅継 51.9 63.9 ▲ 28.2 22.1 8.9 20.7 95.0 5.5 26.3 ▲ 28.8 237.3
4 京平遥 22.8 ▲ 5.8 14.8 44.2 19.3 ▲ 29.1 72.7 91.5 ▲ 32.9 16.9 214.4
5 大橋幸正 24.9 ▲ 13.9 47.5 16.9 49.6 ▲ 51.2 2.9 ▲ 3.0 ▲ 5.9 67.3 135.1
6 太田昌樹 5.6 ▲ 4.8 27.1 16.1 ▲ 27.4 34.4 22.5 22.8 25.5 11.4 133.2
7 鷲見隼人 ▲ 42.1 ▲ 34.8 ▲ 17.5 7.1 57.2 101.0 7.7 4.7 25.5 11.1 119.9
8 山本拓哉 18.1 5.6 26.4 42.1 83.0 ▲ 10.7 ▲ 80.3 ▲ 12.7 45.4 ▲ 4.5 112.4
9 蓮沼友樹 29.8 15.4 2.8 8.0 74.4 19.3 ▲ 1.0 ▲ 59.6 11.3 ▲ 21.0 79.4
10 川崎義之 20.2 37.4 94.8 0.9 ▲ 17.5 ▲ 13.5 17.3 ▲ 9.9 ▲ 20.7 ▲ 33.0 76.0
11 鈴木秀幸 65.6 ▲ 40.9 ▲ 17.7 35.9 14.9 24.9 14.9 ▲ 81.0 ▲ 7.2 36.4 45.8
12 杉村泰治 ▲ 94.0 43.6 59.2 8.4 12.9 17.4 23.6 13.5 ▲ 34.0 ▲ 9.8 40.8
13 土屋幸弘 ▲ 26.0 ▲ 20.0 27.6 ▲ 0.5 ▲ 30.0 ▲ 2.8 26.7 5.1 ▲ 20.0 70.5 30.6
14 足立純哉 25.5 90.8 ▲ 11.8 26.3 ▲ 79.4 51.8 ▲ 20.9 6.3 ▲ 54.8 ▲ 36.5 ▲ 2.7
15 青嶋宏樹 58.5 17.2 51.6 ▲ 29.8 29.6 ▲ 75.0 ▲ 2.8 ▲ 16.9 ▲ 15.9 ▲ 46.0 ▲ 29.5
16 平野敬悟 ▲ 23.8 33.5 ▲ 75.9 ▲ 69.1 29.7 11.6 ▲ 5.1 74.1 ▲ 44.1 21.2 ▲ 47.9
17 佐藤あいり ▲ 17.0 ▲ 59.1 ▲ 4.6 2.5 ▲ 52.1 16.4 ▲ 41.5 1.7 111.0 ▲ 8.1 ▲ 50.8
18 鈴木涼太 ▲ 39.6 ▲ 64.4 ▲ 24.0 ▲ 33.2 ▲ 5.1 15.5 38.2 25.4 45.7 ▲ 32.4 ▲ 73.9
19 中寿文 28.1 15.3 ▲ 23.2 ▲ 14.7 32.4 4.7 7.8 ▲ 76.7 5.3 ▲ 61.9 ▲ 82.9
20 越川清一 32.1 16.0 ▲ 51.3 ▲ 26.9 ▲ 56.4 17.3 ▲ 14.6 9.2 ▲ 59.0 28.7 ▲ 104.9
21 都築友和 ▲ 52.7 ▲ 16.1 ▲ 8.8 44.0 6.3 ▲ 42.4 ▲ 75.3 ▲ 16.6 ▲ 33.8 84.2 ▲ 111.2
22 原佑典 ▲ 70.9 ▲ 26.2 29.0 ▲ 62.9 ▲ 62.2 ▲ 88.0 68.2 69.4 ▲ 6.0 ▲ 9.4 ▲ 159.0
23 中野妙子 ▲ 71.1 ▲ 44.9 ▲ 18.6 ▲ 16.0 ▲ 56.5 ▲ 18.7 ▲ 24.5 18.1 34.2 ▲ 37.9 ▲ 235.9
24 渡辺洋巳 ▲ 8.3 6.6 ▲ 36.9 ▲ 33.7 ▲ 9.0 ▲ 40.5 ▲ 65.3 ▲ 35.4 ▲ 29.6 ▲ 2.2 ▲ 254.3
25 加来千香子 ▲ 17.5 ▲ 23.2 30.5 ▲ 65.0 ▲ 27.4 ▲ 14.2 ▲ 40.1 ▲ 35.8 ▲ 43.9 ▲ 76.2 ▲ 312.8
26 高木翔太 ▲ 70.3 ▲ 85.6 ▲ 22.1 ▲ 34.9 ▲ 78.5 ▲ 72.9 3.2 ▲ 15.6 18.5 32.1 ▲ 326.1

第14期 静岡プロリーグ 最終節成績表

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 10節 合計
1 藤島健二郎 36.0 62.5 8.2 87.6 44.0 13.3 ▲ 34.4 52.7 0.1 66.3 336.3
2 鈴木郁孝 108.1 9.5 40.9 ▲ 7.4 27.5 52.3 30.9 3.7 56.0 ▲ 39.4 282.1
3 望月雅継 51.9 63.9 ▲ 28.2 22.1 8.9 20.7 95.0 5.5 26.3 ▲ 28.8 237.3
4 京平遥 22.8 ▲ 5.8 14.8 44.2 19.3 ▲ 29.1 72.7 91.5 ▲ 32.9 16.9 214.4
5 大橋幸正 24.9 ▲ 13.9 47.5 16.9 49.6 ▲ 51.2 2.9 ▲ 3.0 ▲ 5.9 67.3 135.1
6 太田昌樹 5.6 ▲ 4.8 27.1 16.1 ▲ 27.4 34.4 22.5 22.8 25.5 11.4 133.2
7 鷲見隼人 ▲ 42.1 ▲ 34.8 ▲ 17.5 7.1 57.2 101.0 7.7 4.7 25.5 11.1 119.9
8 山本拓哉 18.1 5.6 26.4 42.1 83.0 ▲ 10.7 ▲ 80.3 ▲ 12.7 45.4 ▲ 4.5 112.4
9 蓮沼友樹 29.8 15.4 2.8 8.0 74.4 19.3 ▲ 1.0 ▲ 59.6 11.3 ▲ 21.0 79.4
10 川崎義之 20.2 37.4 94.8 0.9 ▲ 17.5 ▲ 13.5 17.3 ▲ 9.9 ▲ 20.7 ▲ 33.0 76.0
11 鈴木秀幸 65.6 ▲ 40.9 ▲ 17.7 35.9 14.9 24.9 14.9 ▲ 81.0 ▲ 7.2 36.4 45.8
12 杉村泰治 ▲ 94.0 43.6 59.2 8.4 12.9 17.4 23.6 13.5 ▲ 34.0 ▲ 9.8 40.8
13 土屋幸弘 ▲ 26.0 ▲ 20.0 27.6 ▲ 0.5 ▲ 30.0 ▲ 2.8 26.7 5.1 ▲ 20.0 70.5 30.6
14 足立純哉 25.5 90.8 ▲ 11.8 26.3 ▲ 79.4 51.8 ▲ 20.9 6.3 ▲ 54.8 ▲ 36.5 ▲ 2.7
15 青嶋宏樹 58.5 17.2 51.6 ▲ 29.8 29.6 ▲ 75.0 ▲ 2.8 ▲ 16.9 ▲ 15.9 ▲ 46.0 ▲ 29.5
16 平野敬悟 ▲ 23.8 33.5 ▲ 75.9 ▲ 69.1 29.7 11.6 ▲ 5.1 74.1 ▲ 44.1 21.2 ▲ 47.9
17 佐藤あいり ▲ 17.0 ▲ 59.1 ▲ 4.6 2.5 ▲ 52.1 16.4 ▲ 41.5 1.7 111.0 ▲ 8.1 ▲ 50.8
18 鈴木涼太 ▲ 39.6 ▲ 64.4 ▲ 24.0 ▲ 33.2 ▲ 5.1 15.5 38.2 25.4 45.7 ▲ 32.4 ▲ 73.9
19 中寿文 28.1 15.3 ▲ 23.2 ▲ 14.7 32.4 4.7 7.8 ▲ 76.7 5.3 ▲ 61.9 ▲ 82.9
20 越川清一 32.1 16.0 ▲ 51.3 ▲ 26.9 ▲ 56.4 17.3 ▲ 14.6 9.2 ▲ 59.0 28.7 ▲ 104.9
21 都築友和 ▲ 52.7 ▲ 16.1 ▲ 8.8 44.0 6.3 ▲ 42.4 ▲ 75.3 ▲ 16.6 ▲ 33.8 84.2 ▲ 111.2
22 原佑典 ▲ 70.9 ▲ 26.2 29.0 ▲ 62.9 ▲ 62.2 ▲ 88.0 68.2 69.4 ▲ 6.0 ▲ 9.4 ▲ 159.0
23 中野妙子 ▲ 71.1 ▲ 44.9 ▲ 18.6 ▲ 16.0 ▲ 56.5 ▲ 18.7 ▲ 24.5 18.1 34.2 ▲ 37.9 ▲ 235.9
24 渡辺洋巳 ▲ 8.3 6.6 ▲ 36.9 ▲ 33.7 ▲ 9.0 ▲ 40.5 ▲ 65.3 ▲ 35.4 ▲ 29.6 ▲ 2.2 ▲ 254.3
25 加来千香子 ▲ 17.5 ▲ 23.2 30.5 ▲ 65.0 ▲ 27.4 ▲ 14.2 ▲ 40.1 ▲ 35.8 ▲ 43.9 ▲ 76.2 ▲ 312.8
26 高木翔太 ▲ 70.3 ▲ 85.6 ▲ 22.1 ▲ 34.9 ▲ 78.5 ▲ 72.9 3.2 ▲ 15.6 18.5 32.1 ▲ 326.1

第32回静岡リーグ(プロアマ混合)最終節レポート

前期と今期を合わせて1年間、この静岡リーグのレポートを執筆させて頂いた。
今回のレポートで一旦、一区切りとなる。

毎回、今節はどんなテーマで書いてみようか。
どうしたら上手く、このレポートをご覧になって下さっている全国の皆さんに静岡で繰り広げられている熱き戦いをお伝えできるか。
そんなことばかり考えていたように思う。

第32回 静岡リーグ第1節のレポートにて
「これまでに書いたレポートを改めて読み返してみたが、思ったことはたった1つ。文章を書くことは昔から好きだが、何も成長していないように感じた」
と記した。

さらに半年を経て、どうであろうか。

この”成長”とは、何を指していたのだろう。
文章力だけの話ではないはずである。

スラスラと目を通せる読みやすさがあるかどうか。
万人に最後まで読みたいと思わせる魅力溢れる内容になっているかどうか。
そして、どれだけの情熱をこのレポートに捧げられているかどうか。
たくさんの道標がある。

1年もの時間を費やして、やっと少しだけ理解できるようになった…というのが正直な気持ちである。

レポートと観戦記は似て非なるもの。

自分にしか書けない文。
自分にしか書けないレポート。
自分にしか書けない観戦記。

ゴールは遥か先であろうが、今後も見出していきたいと思っている。

第32回 静岡リーグもオーラス。
この最終節で、今期の決勝進出者5名が確定する。

静岡リーグの醍醐味の1つに、最終順位によって決勝でのアドバンテージ(ポイント)が与えられる点がある。

簡単に言えば、決勝に進出できたら1位通過も5位通過も変わらない…ということがない。
より上の着順でフィニッシュすることが、決勝での戦いを有利に進められる。
つまり、最終節を前にして決勝に向けての戦いは始まっているということ。
これは上位に位置する選手達、誰しもの頭に刻まれていることであろう。

まず、最もアドバンテージを得ることに成功したのは、唯一の総合200ポイントオーバーを記録し、首位で決勝進出を決めた中部本部・山本拓哉。
第4節から一気に上昇して、その座を射止めた。
過去には静岡プロリーグ・静岡リーグのダブルクラウンも達成した実績がある。
勢いも味方に、優勝を狙う。

2位通過は川崎義之。
全節オールプラスの持ち前の安定感で、第30回優勝以来の決勝の椅子をゲットした。
決勝ではそれに加えて、勝負所での攻めも見せて頂きたい。

3位は藤島健二郎。
この1年間、静岡を牽引してきたと言っても過言ではないだろう。
前回の静岡リーグでは惜しくも準優勝。
初出場・初優勝を前に涙を呑んだ。
圧倒的な最有力候補として、雪辱の一戦となる。

4位は一般参加の松清一樹さん。
最終節の最終戦で大きなトップを取り、決勝のチケットを自らの手でもぎ取った。
決勝の相手は静岡リーグ優勝経験者やA2リーガー、そして今期静岡リーグで常に1・2位の位置をキープしていた選手と強者が揃った。
気負わず、最高の結果を目指して戦って欲しい。

5位は、こちらも一般参加の藤井太郎さん。
今期は藤島健二郎と首位の座を争う展開で、絶好調の一言だった。
ただし、最終節でのマイナスは不安材料。
またスタートラインに立ったと切り替えて、気持ちを新たに臨めるか。

5人の戦士達。
だが、たった1人にしか得られない”優勝”という称号。
一体、どんな闘牌になるだろうか。
是非ご注目いただきたい。

順位 名前 プロ/一般 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 山本 拓哉 プロ 30.0 69.4 ▲ 6.1 67.5 40.9 201.7
2 川崎 義之 プロ 4.1 26.4 52.1 82.1 21.3 186.0
3 藤島 健二郎 プロ 98.6 51.6 18.7 50.2 ▲ 46.4 172.7
4 松清 一樹 一般 19.8 19.6 ▲ 11.6 51.4 62.6 141.8
5 藤井 太郎 一般 29.0 88.6 43.4 22.8 ▲ 42.0 141.8
6 杉村 泰治 プロ 54.6 9.9 41.0 ▲ 30.1 49.3 124.7
7 鈴木 雅人 一般 57.6 ▲ 35.4 106.2 ▲ 54.5 50.5 124.4
8 都築 友和 プロ 37.7 3.2 50.4 33.7 ▲ 19.1 105.9
9 大谷 数則 一般 ▲ 40.5 7.0 52.5 3.3 79.9 102.2
10 平田 拓也 一般 29.4 17.6 ▲ 11.5 111.1 ▲ 48.0 98.6
11 平野 敬悟 プロ 3.8 31.2 87.0 ▲ 41.5 7.9 88.4
12 岩井 健太 プロ 89.9 ▲ 8.0 ▲ 13.9 17.3 1.9 87.2
13 北島 武弘 一般 24.8 ▲ 10.4 59.9 42.5 ▲ 43.1 73.7
14 大橋 幸正 プロ ▲ 4.8 ▲ 4.6 ▲ 30.7 97.4 6.7 64.0
15 影山 恒太 一般 0.6 26.9 ▲ 9.8 47.0 ▲ 13.7 51.0
16 松永 誠 一般 54.0 30.4 ▲ 25.9 13.3 ▲ 23.1 48.7
17 坂本 彰光 一般 1.3 3.8 0.3 37.7 4.1 47.2
18 堀 孔明 一般 52.5 17.4 4.8 ▲ 17.5 ▲ 19.1 38.1
19 髙橋 孝基 一般 ▲ 10.1 ▲ 6.8 24.3 ▲ 21.7 51.7 37.4
20 深見 翔 一般 3.5 40.5 ▲ 11.6 3.1 0.7 36.2
21 鈴木 涼太 プロ 41.4 ▲ 76.8 0.3 17.1 51.0 33.0
22 高木 翔太 プロ 47.0 27.3 ▲ 68.5 20.0 ▲ 6.5 19.3
23 中 寿文 プロ ▲ 8.3 27.3 3.4 ▲ 18.8 10.6 14.2
24 牧野 光治 一般 ▲ 13.0 ▲ 0.5 ▲ 19.8 20.8 23.9 11.4
25 鈴木 郁孝 プロ 45.0 ▲ 47.0 24.2 ▲ 5.4 ▲ 5.8 11.0
26 袴田 一郎 一般 ▲ 24.2 46.8 17.1 ▲ 26.6 ▲ 2.2 10.9
27 足立 純哉 プロ ▲ 3.6 ▲ 1.1 ▲ 10.7 2.8 23 9.9
28 白井 健夫 一般 ▲ 78.2 ▲ 6.3 24.9 30.1 25.1 ▲ 4.4
29 太田 昌樹 プロ 59.3 21.4 ▲ 32.3 ▲ 12.9 ▲ 44.2 ▲ 8.7
30 舟橋 晃 一般 ▲ 42.8 ▲ 7.1 ▲ 10.4 5.4 43.5 ▲ 11.4
31 宮地 孝尚 一般 91.5 ▲ 33.5 ▲ 15.5 ▲ 55.4 ▲ 12.7 ▲ 25.6
32 鷲見 隼人 プロ ▲ 61.5 16.5 ▲ 1.8 ▲ 33.9 54.4 ▲ 26.3
33 村瀬 光佳 一般 ▲ 15.6 ▲ 10.3 ▲ 22.9 13.7 7.4 ▲ 27.7
34 伊藤 真 一般 8.3 34.8 11.5 ▲ 38.0 ▲ 50.1 ▲ 33.5
35 西田 孝志 一般 ▲ 38.5 21.4 ▲ 54.1 7.9 19.8 ▲ 43.5
36 伊藤 裕美子 一般 2.2 ▲ 12.1 ▲ 9.1 ▲ 67.5 30.2 ▲ 56.3
37 渡辺 洋巳 プロ ▲ 14.4 ▲ 24.6 ▲ 47.1 27.4 ▲ 1.0 ▲ 59.7
38 青嶋 宏樹 プロ ▲ 34.6 ▲ 5.1 7.3 ▲ 30.5 0.8 ▲ 62.1
39 福井 弘人 一般 ▲ 42.7 23.0 ▲ 13.2 ▲ 26.0 ▲ 3.7 ▲ 62.6
40 望月 雅継 プロ ▲ 22.7 ▲ 51.8 ▲ 57.4 6.5 55.4 ▲ 70.0
41 鈴木 康功 一般 ▲ 1.3 50.4 ▲ 27.6 ▲ 41.4 ▲ 66.0 ▲ 85.9
42 源馬 健太 一般 27.3 ▲ 25.4 12.0 ▲ 29.7 ▲ 72.2 ▲ 88.0
43 山内 紀博 一般 32.8 5.5 ▲ 80.0 ▲ 77.6 25.4 ▲ 93.9
44 斉藤 隆 プロ ▲ 54.0 ▲ 4.8 21.3 ▲ 30.5 ▲ 26.4 ▲ 94.4
45 岡田 智和 プロ ▲ 34.8 38.7 ▲ 10.2 ▲ 19.7 ▲ 70.2 ▲ 96.2
46 小山 剛史 一般 10.6 ▲ 70.8 ▲ 39.9 ▲ 40.8 37.6 ▲ 103.3
47 鈴木 秀幸 プロ ▲ 79.6 ▲ 28.0 25.3 0.0 ▲ 24.3 ▲ 106.6
48 京平 遥 プロ ▲ 36.3 ▲ 31.5 ▲ 22.4 ▲ 24.6 ▲ 1.2 ▲ 116.0
49 中野 一男 一般 ▲ 20.2 ▲ 81.2 25.2 ▲ 24.9 ▲ 19.2 ▲ 120.3
50 原 佑典 プロ ▲ 59.0 ▲ 18.3 ▲ 20.1 ▲ 16.5 ▲ 8.4 ▲ 122.3
51 八木 寛大 一般 15.9 ▲ 71.5 0.2 ▲ 20.5 ▲ 59.0 ▲ 134.9
52 岡本 茂 一般 ▲ 59.4 ▲ 35.9 ▲ 28.0 ▲ 1.6 ▲ 35.9 ▲ 160.8
53 大橋 義一 一般 ▲ 53.8 ▲ 31.4 ▲ 63.3 ▲ 10.9 ▲ 19.5 ▲ 178.9
54 本田 真之 一般 ▲ 122.4 ▲ 12.3 ▲ 23.7 ▲ 44.2 5.2 ▲ 197.4

第32回静岡リーグ(プロアマ混合) 最終節成績表

順位 名前 プロ/一般 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 山本 拓哉 プロ 30.0 69.4 ▲ 6.1 67.5 40.9 201.7
2 川崎 義之 プロ 4.1 26.4 52.1 82.1 21.3 186.0
3 藤島 健二郎 プロ 98.6 51.6 18.7 50.2 ▲ 46.4 172.7
4 松清 一樹 一般 19.8 19.6 ▲ 11.6 51.4 62.6 141.8
5 藤井 太郎 一般 29.0 88.6 43.4 22.8 ▲ 42.0 141.8
6 杉村 泰治 プロ 54.6 9.9 41.0 ▲ 30.1 49.3 124.7
7 鈴木 雅人 一般 57.6 ▲ 35.4 106.2 ▲ 54.5 50.5 124.4
8 都築 友和 プロ 37.7 3.2 50.4 33.7 ▲ 19.1 105.9
9 大谷 数則 一般 ▲ 40.5 7.0 52.5 3.3 79.9 102.2
10 平田 拓也 一般 29.4 17.6 ▲ 11.5 111.1 ▲ 48.0 98.6
11 平野 敬悟 プロ 3.8 31.2 87.0 ▲ 41.5 7.9 88.4
12 岩井 健太 プロ 89.9 ▲ 8.0 ▲ 13.9 17.3 1.9 87.2
13 北島 武弘 一般 24.8 ▲ 10.4 59.9 42.5 ▲ 43.1 73.7
14 大橋 幸正 プロ ▲ 4.8 ▲ 4.6 ▲ 30.7 97.4 6.7 64.0
15 影山 恒太 一般 0.6 26.9 ▲ 9.8 47.0 ▲ 13.7 51.0
16 松永 誠 一般 54.0 30.4 ▲ 25.9 13.3 ▲ 23.1 48.7
17 坂本 彰光 一般 1.3 3.8 0.3 37.7 4.1 47.2
18 堀 孔明 一般 52.5 17.4 4.8 ▲ 17.5 ▲ 19.1 38.1
19 髙橋 孝基 一般 ▲ 10.1 ▲ 6.8 24.3 ▲ 21.7 51.7 37.4
20 深見 翔 一般 3.5 40.5 ▲ 11.6 3.1 0.7 36.2
21 鈴木 涼太 プロ 41.4 ▲ 76.8 0.3 17.1 51.0 33.0
22 高木 翔太 プロ 47.0 27.3 ▲ 68.5 20.0 ▲ 6.5 19.3
23 中 寿文 プロ ▲ 8.3 27.3 3.4 ▲ 18.8 10.6 14.2
24 牧野 光治 一般 ▲ 13.0 ▲ 0.5 ▲ 19.8 20.8 23.9 11.4
25 鈴木 郁孝 プロ 45.0 ▲ 47.0 24.2 ▲ 5.4 ▲ 5.8 11.0
26 袴田 一郎 一般 ▲ 24.2 46.8 17.1 ▲ 26.6 ▲ 2.2 10.9
27 足立 純哉 プロ ▲ 3.6 ▲ 1.1 ▲ 10.7 2.8 23 9.9
28 白井 健夫 一般 ▲ 78.2 ▲ 6.3 24.9 30.1 25.1 ▲ 4.4
29 太田 昌樹 プロ 59.3 21.4 ▲ 32.3 ▲ 12.9 ▲ 44.2 ▲ 8.7
30 舟橋 晃 一般 ▲ 42.8 ▲ 7.1 ▲ 10.4 5.4 43.5 ▲ 11.4
31 宮地 孝尚 一般 91.5 ▲ 33.5 ▲ 15.5 ▲ 55.4 ▲ 12.7 ▲ 25.6
32 鷲見 隼人 プロ ▲ 61.5 16.5 ▲ 1.8 ▲ 33.9 54.4 ▲ 26.3
33 村瀬 光佳 一般 ▲ 15.6 ▲ 10.3 ▲ 22.9 13.7 7.4 ▲ 27.7
34 伊藤 真 一般 8.3 34.8 11.5 ▲ 38.0 ▲ 50.1 ▲ 33.5
35 西田 孝志 一般 ▲ 38.5 21.4 ▲ 54.1 7.9 19.8 ▲ 43.5
36 伊藤 裕美子 一般 2.2 ▲ 12.1 ▲ 9.1 ▲ 67.5 30.2 ▲ 56.3
37 渡辺 洋巳 プロ ▲ 14.4 ▲ 24.6 ▲ 47.1 27.4 ▲ 1.0 ▲ 59.7
38 青嶋 宏樹 プロ ▲ 34.6 ▲ 5.1 7.3 ▲ 30.5 0.8 ▲ 62.1
39 福井 弘人 一般 ▲ 42.7 23.0 ▲ 13.2 ▲ 26.0 ▲ 3.7 ▲ 62.6
40 望月 雅継 プロ ▲ 22.7 ▲ 51.8 ▲ 57.4 6.5 55.4 ▲ 70.0
41 鈴木 康功 一般 ▲ 1.3 50.4 ▲ 27.6 ▲ 41.4 ▲ 66.0 ▲ 85.9
42 源馬 健太 一般 27.3 ▲ 25.4 12.0 ▲ 29.7 ▲ 72.2 ▲ 88.0
43 山内 紀博 一般 32.8 5.5 ▲ 80.0 ▲ 77.6 25.4 ▲ 93.9
44 斉藤 隆 プロ ▲ 54.0 ▲ 4.8 21.3 ▲ 30.5 ▲ 26.4 ▲ 94.4
45 岡田 智和 プロ ▲ 34.8 38.7 ▲ 10.2 ▲ 19.7 ▲ 70.2 ▲ 96.2
46 小山 剛史 一般 10.6 ▲ 70.8 ▲ 39.9 ▲ 40.8 37.6 ▲ 103.3
47 鈴木 秀幸 プロ ▲ 79.6 ▲ 28.0 25.3 0.0 ▲ 24.3 ▲ 106.6
48 京平 遥 プロ ▲ 36.3 ▲ 31.5 ▲ 22.4 ▲ 24.6 ▲ 1.2 ▲ 116.0
49 中野 一男 一般 ▲ 20.2 ▲ 81.2 25.2 ▲ 24.9 ▲ 19.2 ▲ 120.3
50 原 佑典 プロ ▲ 59.0 ▲ 18.3 ▲ 20.1 ▲ 16.5 ▲ 8.4 ▲ 122.3
51 八木 寛大 一般 15.9 ▲ 71.5 0.2 ▲ 20.5 ▲ 59.0 ▲ 134.9
52 岡本 茂 一般 ▲ 59.4 ▲ 35.9 ▲ 28.0 ▲ 1.6 ▲ 35.9 ▲ 160.8
53 大橋 義一 一般 ▲ 53.8 ▲ 31.4 ▲ 63.3 ▲ 10.9 ▲ 19.5 ▲ 178.9
54 本田 真之 一般 ▲ 122.4 ▲ 12.3 ▲ 23.7 ▲ 44.2 5.2 ▲ 197.4

巣鴨本部道場 1月度プロアマオープン大会成績表(最終結果)

WRCルール部門(連続16戦)

順位 名前 打数 成績
1 松本裕也 26 298.8
2 ぽいすけ 55 273.2
3 岡本浩一 31 235.3
4 Andy-San 42 233.5
5 しーら 53 215
6 中村 58 200.6
7 篠田拓郎 60 195.1
8 小泉忠 45 175.2
9 テツ 28 174.1
10 後藤竜也 18 173.1
11 エテキチ 25 170.6
12 杉山俊彦 21 170.3
13 藤次祐紀 82 158
14 岡野 86 157.5
15 市川幹人 16 156.1
16 金山 34 149.7
17 ライ 30 149.2
18 大澤達弘 17 144.9
19 うりぽたん 16 144.5
20 徳永 18 143.4
21 有田将之 33 133.9
22 堀田 20 129.6
23 松井直文 16 129.4
24 小林泰士 36 124.8
25 野瀬守康 16 124.4
26 西角健二 50 117.5
27 イガラシ 19 110.5
28 住吉聡 45 108.8
29 光瀬 19 105.7
30 稲熊勝明 34 104.9
31 ひろりん 16 91.4
32 藤原隆弘 41 87.1
33 ミヤ 25 85.6
34 厚地 16 80.6
35 江田源太郎 24 77.3
36 くまお 16 74.8
37 タカトシ 35 72.3
38 カオリンゴ 22 70.1
39 葭葉 16 67.8
40 水野裕来 20 62.5
41 マイマイ 20 60.4
42 金丸大地 30 57.6
43 丹野賢一 48 55
44 山本沙衿 22 41.3
45 木本一郎 24 33.6
46 塚田悠介 22 20.5
47 茶谷正人 16 14.6
48 山田侑輝 48 0

 

 

公式ルール(連続8戦)

順位 名前 打数 成績
1 小泉忠 18 163.1
2 山田浩之 16 154.2
3 藤次祐紀 18 148.4
4 金谷 8 113.6
5 ぽいすけ 16 110.7
6 中村 15 108.6
7 水野裕来 18 82
8 野瀬守康 11 81.7
9 塚田悠介 11 80.3
10 ケンタ 9 80.1
11 金山 11 76.5
12 藤本修二 9 69.5
13 吉田直 14 63.3
14 木梨祐輔 11 58
15 極楽7 8 55.5
16 シマカタ 13 45.1
17 小林泰士 12 43.4
18 Andy-San 16 41.2
19 なーこ 12 40.9
20 丹野賢一 17 33.3
21 宗形周平 12 32.8
22 深沢岳彦 14 31.5
23 藤原隆弘 8 29.7
24 光瀬 10 17.7
25 篠田拓郎 14 13.1
26 宮村信 17 7.7
27 佐藤妙子 8 4.8
28 立岩知朗 11 3.9

 

 

道場ポイントランキング

順位 名前 8~10月合計 11WRC 11公式 12WRC 12公式 1WRC 1公式 合計
1 小泉忠 549.75 85 29.25 400 21 160 100 1345
2 うりぽたん 853.75 101 0 160 0 112 0 1226.75
3 しーら 600 170 0 114 0 190 0 1074
4 篠田拓郎 480.5 200 47.5 120 29.75 170 24.25 1072
5 ぽいすけ 252 150 42.5 200 50 300 47.5 1042
6 立岩知朗 448 400 0 96 0 61 23.5 1028.5
7 厚地 746 86 0 101 0 84 0 1017
8 Andy-San 326.75 250 28.5 119 29 200 28.25 981.5
9 住吉聡 589.75 115 0 180 0 94 0 978.75
10 藤次祐紀 510 99 35 99 45 118 62.5 968.5
11 金山 585.5 66 20.5 98 29.25 115 30 944.25
12 中村 467 70 28.25 116 23.25 180 45 929.5
13 岡本浩一 411 95 24 140 0 250 0 920
14 丹野賢一 509.75 114 24.75 97 30 71 27.75 874.25
15 松本裕也 160 0 0 300 0 400 0 860
16 杉山俊彦 300.5 120 0 250 0 119 0 789.5
17 藤原隆弘 405 118 0 85 29.5 86 24.75 748.25
18 小林泰士 419 65 27.75 72 35 98 28.5 745.25
19 くまお 356.5 73 29.75 150 21.25 82 20.75 733.25
20 ショウ 589.75 94 24.25 0 0 0 0 708
21 西角健二 352 112 62.5 71 0 96 0 693.5
22 エテキチ 392 71 0 68 24.75 120 0 675.75
23 ミヤ 405.5 180 0 0 0 85 0 670.5
24 大澤達弘 306 119 0 86 0 113 0 624
25 岡野 218.25 93 28 113 21.75 117 21.5 612.5
26 有田将之 247 160 23.75 57 0 101 21.75 610.5
27 青木保則 342.25 116 50 79 0 0 0 587.25
28 塚田悠介 283 97 25.25 65 0 68 37.5 575.75
29 ケンタ 232.75 84 0 190 24.25 0 35 566
30 稲熊勝明 276 117 0 78 0 92 0 563
31 シマカタ 223.5 190 23.5 80 0 0 28.75 545.75
32 松井直文 262 57 0 115 0 99 0 533
33 カオリンゴ 300 82 0 69 0 80 0 531
34 山田侑輝 261 80 0 111 0 66 0 518
35 小笠原和彦 248 72 20 61 24 60 23 508
36 カズ 335 81 0 84 0 0 0 500
37 市川幹人 383.25 0 0 0 0 116 0 499.25
38 木本一郎 266 78 0 81 0 69 0 494
39 もと 46.75 98 29 170 62.5 64 0 470.25
40 286 56 0 70 0 56 0 468
41 山田浩之 193.25 0 100 94 0 0 75 462.25
42 月下の雀士 288 100 0 73 0 0 0 461
43 イガラシ 66.25 140 0 117 28.75 95 0 447
44 太田久雄 349 0 21.5 0 0 58 0 428.5
45 タカトシ 201 61 0 82 0 81 0 425
46 野瀬守康 182 0 37.5 66 0 97 40 422.5
47 中谷あずさ 129.75 96 0 100 0 65 20 410.75
48 齋藤麻衣子 218 68 0 59 0 54 0 399
49 木澤謙 293.75 0 20.75 0 0 57 20.25 391.75
50 中村健二 133 67 0 92 0 59 0 351

第35期鳳凰位決定戦 初日観戦記 荒 正義

2019年1月19日(土曜)、第35期鳳凰決定戦の日が来た。
この日、東京は冷えたが晴れだ。雨より、晴れがいいのだ。皆、電車をつないで来るから、雨の日は傘を差しても濡れて大変である。気分よく卓に着くためには、やっぱり晴れの日がいい。
対戦者は現・鳳凰の前原雄大。挑戦者はHIRO柴田・勝又健志・吉田直の3名である。一番早く会場入りしたのは、柴田のようだ。卓上でツモ捨てを繰り返し、イメージトレーニングをしていた。これは、指先をほぐす効果もある。

次に見たのは勝又。彼は、清々しい笑顔で挨拶をしていた。彼の透き通った顔を見て、気合も仕上がりも十分と見た。すると、奥からぬーっと現れたのが普段着の前原だった。彼は、会場入りしてから着替えるのだ。
一番遅く入ったのが、吉田である。まだ、足を引きづっている。彼は昨年、事故で足を痛めた。その様は痛々しかったが、こうして挑戦権を得たのは、不幸中の幸いか。彼が見せた予選最終日の涙は、記憶に新しい。この一戦に賭ける思いが伝わる。

 

100

 

1回戦東1局。ドラ西
出親は前原で、順に勝又・柴田・吉田の並び。
13巡目、テンパイ一番乗りは南家の勝又だった。

六万七万八万八万九万九万三索四索五索三筒四筒五筒西  ツモ八万

ここで、初牌のドラの西を切る。しかしヤミテン。まだ様子見だから、危険は冒さない。これに合わせて、柴田も西を切る。
字牌を絞り、オリ気味に打っていた柴田の手はこうだ。

一筒二筒三筒六筒八筒九筒東白白発発中中

残念ながら白は、2枚出て枯れている。14巡目、吉田の手はこうだ。

四万五万七万八万九万五索六索八索八索五筒六筒七筒東  ツモ発

ドラ切りから、勝又のテンパイは見えている。しかし、勝又の打点とマチは分らない。東発も初物。オリか迷ったが、発を切る。
これに柴田がポンの声。

一筒二筒三筒六筒八筒東白白中中  ポン発発発

白は枯れているし、中は1枚残り。苦しいが、アガリできれば跳満の大きい手だ。次に吉田が四筒を掴んでオリ。このとき、柴田の河はこうだった。

柴田の河
一万 上向き南二万 上向き六万 上向き四万 上向き六索 上向き
二索 上向き六万 上向き七索 上向き四索 上向き五索 上向き三索 上向き
西五万 上向き九筒 上向き

初牌の東も、ピンズも切れない。このとき、前原の手がこうなった。

三万三万三万七万九万五索六索七索六筒七筒東東西  ツモ西

取りあえず七万切り。ドラは枯れているが、欲しいのは東だ。この東が、受けが広がった柴田から出る。

一筒二筒三筒六筒八筒東白白中中  ポン発発発  ツモ四筒

前原のポンテンが入る。誰もドラ2とは思わない。

三万三万三万五索六索七索六筒七筒西西  ポン東東東

引けば3,900オールだ、でかいぞ。
結局、八筒は勝又が掴んで回る。しかし、勝又はもう1枚八筒を引きこみテンパイ復活。勝又の最終形はこうだ。

六万六万七万八万八万三索四索五索三筒四筒五筒八筒八筒

吉田は、流局間際に形式テンパイ。柴田の1人ノーテンだ。流局したが、見ごたえのある1局だった。

 

100

 

東1局1本場。ドラ西
1人ノーテンの、柴田が怒った。8巡目のリーチだ。

一万 上向き北白東一万 上向き一索 上向き
五索 上向き七万 左向き

そして、手牌はこうだ。

二万四万四万八万八万二索二索六索六索六筒六筒七筒七筒

無筋のタンキ待ちだが、4者の河見ると、四万が1枚切れていい待ちに映る。

しかし13巡目、前原が追いかけリーチをかけた。

一索二索三索四索五索八索八索八索八筒八筒八筒九筒九筒  リーチ

が、結果は流局。

東1局3本場。ドラ東
勝又の早い仕掛け。6巡目でこのテンパイ。

四索五索発発中中中  チー一索 左向き二索 上向き三索 上向き  チー三索 左向き一索 上向き二索 上向き

すぐに前原が追いつく。

四万五万五万九万九万九万四筒四筒五筒六筒七筒白白  ツモ白

普通なら五万切りのヤミテンで、サバキに出る場面。しかし、三万が場に3枚出ている。なので、前原は四万切りでツモリ三暗刻に受ける。ドラが東で、初牌だからヤミテンが正しい応手だ。リーチ後に東を掴んで勝又に打って、跳満ではかなわない。しかし、勝又は六万のツモ切り。前原はがっかり。これは麻雀ではよくある出来事だ。私も、前原と同じ構えに取る。
16巡目、ドラを重ねた吉田にテンパイが入る。

五万六万七万四索五索六索七索八索六筒七筒東東白  ツモ六索

白を切ってリーチだ。白は、吉田の勝又への勝負牌。
次の前原のツモが六索で、ツモ切る。これが勝又に放銃。積み場と合わせて4,500点。リーチ棒が3本あって、勝又には美味しいアガリである。
しかし、六索切りは意外な放銃だった。アガリ逃しが3度あった前原には、止められた牌である。

東2局は勝又のアガリ。ドラ三索

三万三万八索八索白白白  ポン四万 上向き四万 上向き四万 上向き  ポン東東東  ツモ八索

勝又が手なりで打って、4,000点オールだ。好い流れだ。
後は、小場で進んだ。

南1局は前原の親番。この時点で、4者の持ち点はこうだ。

前原・25,700
勝又・50,700
柴田・21,600
吉田・22,000

勝又が断然有利だ。このまま進んで勝又のトップが決まるかに見えたが、そうは簡単に問屋が卸さない。前原は、この親で4本積んだ。アガリは小さかったが、それでも4本である。親が落ちた段階で、持ち点はこうだ。

前原・38,200
勝又・46,300
柴田・19,200
吉田・16,300

そして、南2局。勝又の親に加点のチャンス到来。
この手が5巡目の仕上がり。当然リーチだ。

一万三万三万四万四万五万五万七万八万九万四索四索六索  ツモ二万  ドラ五索

一万 上向き北一索 上向き三索 上向き六索 左向き

安目で5,800、高目の六万なら11,600点だ。三万が2枚、六万が3枚残っている。一発で引くかと思ったが、違った。二筒だった。なかなかツモれない。これに勝負と出たのが吉田である。

 

100

 

一万二万九万七索八索九索南南白白中中中  ツモ三万

九万切りのリーチだ。

一筒 上向き九筒 上向き東三索 上向き七筒 上向き九索 上向き
四万 上向き九万 左向き

両者ともロン牌は、4枚生きている。さあ、勝つのはどっちだ―。2巡後、南を引いたのは吉田だった。これで3,000・6,000点。勝又には、痛い親のかぶりだ。
南3局は前原の1,300・2,600点のツモ。これで前原がトップに立つ。

南4局は、柴田が意地を見せた。

四万五万六万一索二索三索七索八索九索三筒三筒七筒八筒  ドラ三筒

この手をリーチで、吉田から九筒を打ち取る。これで、4者の成績はこれだ。

前原+18,4P
勝又+11,0P
柴田▲11,7P
吉田▲17,7P

 

 

2回戦。出親は吉田で順に勝又、前原、柴田の並び。
東場は、小場で回って勝又が有利の展開。南場に入って急に荒れだした。

南1局は、吉田の親番。

二万二万八万八万九万九万二索二索五筒六筒七筒七筒東  ツモ六筒  ドラ二索

北一万 上向き五筒 左向き

これが、3巡目のリーチだ。東は河に1枚出ているから、絶好の狙い目だ。
打った者が不幸である。東は柴田に1枚あるが、オリで出る気配なし。しかし、7巡目にラス牌を吉田が引いて6,000点オールだ。これは大きいアガリだ。
この時点で4者の持ち点がこうだ。

吉田・48,000
勝又・28,900
前原・22,400
柴田・20,700

1本場は前原が500・1,000点のツモアガリ。
南2局は、吉田がリーチツモで500・1,000点のツモ。
南3局は、親の前原が吉田から3,900点のアガリ。吉田と柴田のリーチは不発。
1本場は、前原が1,300点のツモアガリ。
2本場は、吉田が満貫で決めた。

三万三万五万六万四索五索六索四筒五筒六筒発発発  ドラ四索

四万を打ったのは、本日不調の柴田だった。
南4局は、トップの吉田の1人ノーテン。でも、トップだからいいのだ。
1本場は、吉田が1,000点で勝又からアガって幕。
トップは前回ラスの吉田。浮きの2着は前原で、3着が勝又。柴田がラスだった。
2回戦終了時の総合成績はこうなった。

前原+27,7P
吉田+10,8P
勝又 +1,6P
柴田▲40,1P

 

 

3回戦。出親は前原で順に勝又、柴田、吉田の並び。
東3局までロンとツモで、小場で流れた。トップ目は前原で、4,000点の浮き。他者3人は、その分沈みだが大した差はない。

東4局。ドラ八筒
4巡目の柴田の手牌がこうだ。

二万八万八索二筒五筒六筒七筒七筒八筒東東南南

ここから、柴田が仕掛けた。オタ風からの南の仕掛けは、少し強引に映る。しかし、これまでの失点が大きいから、風を変えたかったのかもしれない。
8巡目でこの仕上がり。

五筒六筒七筒白  ポン東東東  チー九筒 左向き七筒 上向き八筒 上向き  ポン南南南

白は2枚出ているから、掴めば出る可能性はある。
だが、10巡目に前原が追いつく。

一万二万三万一索一索二索三索三索一筒二筒三筒九筒中  ツモ九筒

放銃覚悟の中切り。しかし、この中を動いたのは親の吉田だった。吉田もポンテン。

九万九万九万三索四索五索五筒五筒六筒八筒  ポン中中中

しかし、七筒は空テン。二索は3枚残りだ。場はソーズが安く、ツモ切られる可能性大である。18巡目、その二索を前原が引いた。3,000・6,000点。大きなアガリだ。前原の生命力は、この後だ。

 

100

 

南1局。ドラ九索
これが、親の前原の配牌。

二万四万一索一索三索六索九索九索三筒西白白発発

配牌で親満確定の手だ。まず、西を切る。すると、次のツモが発である。で、三筒を切ると次のツモが白だ。それなら、六索切りである。そして、二万一索のツモである。

二万二万一索一索三索九索九索白白白発発発  ツモ一索

ズルイよね、こんなツモ!
ヤミテンで親の倍満。ツモなら16,000点オールだ。しかも、前原は即リーチだ。

西三筒 上向き六索 上向き四万 上向き西三索 左向き

ドラは九索だから、筋でもおいそれと出る牌ではない。引きがいいから、押さえ込みのリーチをかけたのだ。鳴かれて、牌を流されてはかなわない。前局、跳満ツモの運の後押しもある。やっぱり、ここはリーチだ。
この時点で二万が1枚、九索が2枚生きていた。だが、なかなかツモれない。
この大一番は、8巡目にテンパイを入れた吉田がかわして500・1,000点のツモだった。ああ、くわばらクワバラである。

南2局は、親の勝又が頑張った。3本積んで浮きに回ったが、残念。
3本場で吉田のリーチに、高めの五万で振り込んだ。

吉田の手
六万七万一索二索三索五索六索七索五筒六筒七筒発発  ドラ発

これで勝又は、ぴったり配給原点。

南3局。今度は親番の柴田が頑張った。
まず、3,900点を吉田から打ち取る。そして、次がこれ。

柴田
七万八万九万五索五索六索六索七索一筒一筒五筒六筒七筒  ツモ七索  ドラ一筒

ヤミテンで引いて4,000と100点オールだ。
これで柴田の持ち点は、29,900点まで復帰した。
しかし、追撃もここまで。残り2局は、前原がさばいて1人浮きのトップだ。2着は柴田で、3着が勝又。ラスが吉田だが、沈みは小さい。
そして、3回戦までの総合成績がこれだ。

前原+52,5P
吉田 ▲3,6P
勝又 ▲7,0P
柴田▲41,9P

 

 

4回戦。出親は勝又で、順に柴田・前原・吉田の並び。
東1局は、10巡目の親の勝又のリーチを柴田が蹴る。六筒を打ったのは、テンパイの吉田だ。

一万二万三万四索五索六索三筒四筒四筒五筒五筒七筒七筒  ドラ七筒

勝又は、リーチのみだが連荘狙い。三筒六筒は柴田の目から5枚見えていたのでヤミテン。リーチ棒込みで4,900点はまずまずの収入だ。

東2局。
柴田の親番。ここから柴田の快進撃が始まった。

四万五万三索三索二筒三筒三筒四筒四筒五筒六筒七筒八筒  ツモ六万  ドラ南

まず、リーチで引いて2,600点オールだ。
1本場。

四万五万七万八万九万一索一索五索六索七索四筒五筒六筒  ツモ六万  ドラ四筒

これもリーチで引いて、同じく2,600点オールだ。不調だった柴田が、急にツキ出した。
2本場は勝又がさばいた。

東3局。
親の前原が、11巡目に勝負手のリーチ。

一万一万三索三索四索四索八索三筒三筒七筒七筒九筒九筒  ドラ三筒

北八万 上向き中南七索 上向き東
一万 上向き五索 上向き五筒 上向き六万 上向き七万 左向き

これに追いかけリーチをかけたのが、柴田だ。そして、引き勝つ。

三万三万三万四万五万六万五索五索七索八索二筒三筒四筒  ツモ六索

六索は、吉田の暗刻牌だった。これで柴田は持ち点を57,100とする。今日のこれまでのうっ憤を、晴らしているかのようだ。

 

100

 

柴田は、2000年に連盟入りした17期生である。最終学歴は、県立川崎南高等学校卒。ビッグタイトルは、無冠である。なのに、連盟の7人の優勝者予想は、◎の本命だった。実績からすれば、◎は前原のはずだ。次が勝又である。

1回戦開始前、緊張して1人で部屋に佇む柴田に私は声をかけた。
「よう、本命の気分はどう?」
「いや、あの予想は無いですよ!」
照れくさそうに、頭をかきながら彼は笑った。そう、緊張もいいがリラックスも大事なのだ。柴田の鳳凰戦は4度目の挑戦である。いつも、胃痛に苦しみながら打っていた。皆、それを知っている。あの予想は、その柴田への応援歌なのである。

東4局。ドラ八万
ここは、吉田の親番。柴田の手が軽い、2巡目にしてこの手だ。

三万三万四万六索八索四筒五筒六筒六筒八筒八筒白白  ツモ五筒

ここで柴田は八索切り。七対子の1シャンテンで普通の応手に見えるが、私は違和感を覚えた。ここは白を切るところに思える。運気は上々で手牌もいいのだから、ここもてっぺんを狙うところではないのか。白切りから浮かぶ手牌の最終形はこれだ。まず、これがてっぺん。

四万五万六万四索五索六索四筒五筒五筒六筒六筒八筒八筒

四万五万六万五索六索四筒四筒五筒五筒六筒六筒八筒八筒

いや、これでもいい。

三万四万六索七索八索四筒四筒五筒五筒六筒六筒八筒八筒

リーチかヤミテンかは状況次第だが、どちらにしてもこのテンパイならアガリの予感がする。次に七対子のテンパイが入れば、そのままテンパイに取るだろう。運気のある場面の、いなし手。それが嫌なのだ。
3巡目に下家の前原から白が出る。これを柴田がポンだ。

三万三万四万六索四筒五筒五筒六筒六筒八筒八筒白白

この鳴きにも、違和感があった。まだ、鳴くには早すぎる。鳴けば、1,000点にしかならないからだ。このとき、親の吉田の手はこうだった。

三万五万五万六万六万七万八万八万二索二索三索五索七索

この鳴きで四索を引きこみ、打三万。これを柴田がポンして打四万

柴田の手
四筒五筒五筒六筒六筒八筒八筒  ポン三万 上向き三万 左向き三万 上向き  ポン白白白

この鳴きで3巡後、ドラの八万を引きこんだ吉田の手がこれだ。

五万五万六万六万七万八万八万八万二索二索三索四索五索

四万が、仕掛けた柴田の河にあるからヤミテン。みんなの目は、柴田に向いている。これに打ったのが柴田だった。残念。
失投の始まりは八索切り。そして、白の鳴き。今の態勢なら面前で進める限り、柴田の放銃は無かった、と思うがどうだろう。

1本場は流局。
そして、2本場が吉田のこれだ。

四万五万六万三索三索一筒二筒三筒四筒五筒七筒八筒九筒  ツモ六筒  ドラ八万

8巡目のリーチで、高目のツモだ。これで柴田を抜いた。

後は無難に流れて、オーラス吉田の親だ。

一索三索三索三索四索五索六索七索八索九索中中中

この手を終局間際、一索で打ち取り大きな追加点。吉田の河は、ソーズの染め手。しかも、八索が余っている。打ったのは、剛腕・前原である。しかも、七対子テンパイの暗刻切り。

「そりゃあ、ないだろう!」

これで、4回戦は前原の1人沈みとなった。

4回戦の成績。
吉田+28,3P
柴田 +6,8P
勝又 +2,6P
前原▲37,7P

初日の総合成績。
吉田+24,7P
前原+14,8P
勝又▲4,4P
柴田▲35,1P

高い山が削れて、その差が詰まった。勝負は、これからだ。次が楽しみである。

第5期JPML WRCリーグ 優勝は沢崎誠!

100

 

優勝:沢崎誠 準優勝:仲田加南 第3位:前原雄大 第4位:HIRO柴田

 

 

旧「内外タイムス杯」を2001年に改め開催されたリーグ戦。
プロリーグの垣根を越えてAリーガーとEリーガーの対戦も実現する。半年で一期、予選は半荘20回戦を闘う。
2016年後期よりG2タイトルに格上げ。ルールをAルールからWRCルールに変更し、より多くのタイトル保持者、Aリーガーが参加するシステムにグレードアップ。

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第5期JPML WRCリーグ第5節終了時成績表はこちら