麻雀が強くなるための心と技術 (近代麻雀戦術シリーズ) 単行本 魚谷 侑未 (著)

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この本は、ルールを覚えてある程度打てるようになった方が、その後どうやったら「強くなれるか」について著者・魚谷侑未の実戦経験から書かれた本です。

麻雀にはいろいろな勉強方法があります。
人のあたり牌を読む方法、リーチのタイミング、鳴きのタイミングなどそれぞれの技術は、麻雀の上達に必要です。
しかしいくら技術を増やしてもそれだけでは麻雀は勝てません。
なぜなら麻雀とは多分に心が揺れるゲームだからです。
相手から早いリーチが何度もかかる、人に放銃したら裏ドラがのる、リーチ合戦で自分の方が待ちが良いのに負けるなど、想像を超える不運が連続で起こることもあり、それらに揺れない心が必要なのです。

この本では麻雀が強くなるための心と技術、その両方の磨き方がシンプルに書かれています。
(引用:amazon)

出版社: 竹書房
発売日: 2019/10/2

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第36期十段位決定戦 優勝は伊藤優孝!

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優勝:伊藤優孝 準優勝:藤崎智 第3位:杉浦勘介 第4位:内川幸太郎 第5位:沢崎誠

最終成績

伊藤優孝 +116.7P
藤崎智 +40.0P
杉浦勘介 ▲3.5P
内川幸太郎 ▲44.8P
沢崎誠 ▲108.4P

 

 

ベスト8
A卓(7/26) 魚谷侑未vs櫻井秀樹vs沢崎誠vs藤崎智

決勝進出:沢崎誠  藤崎智

B卓(8/2) 小松武蔵vs黒沢咲vs杉浦勘介vs伊藤優孝

決勝進出:杉浦勘介  伊藤優孝

第33期新人王戦 決勝戦観戦記 日髙 志穂

2019年8月25日
令和最初の新人王戦決勝戦が行われ、連盟チャンネルにて放送された。
日本プロ麻雀連盟入会後5年目までしか出場できない新人王戦。G1タイトルのシード権など、優勝によって得られるチャンスは、若手選手は喉から手が出るほど欲しいものだろう。
過去最多の136名が参加した前日の予選を見事勝ち抜いた4名が、各々の闘志を抱えて夏目坂スタジオに集まった。
決勝戦メンバーは以下の4名。(以下敬称略)

 

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予選1位通過:田村 良介
中部本部所属33期生

 

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予選2位通過:宮内 崇成
東京本部所属31期生

 

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予選3位通過:谷 誠之
東京本部所属31期生

 

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予選4位通過:松本 幸大
北海道本部所属34期生

 

映像対局経験のある宮内と谷にとっては最後の新人王戦。田村と松本にとっては初の映像対局と、それぞれ肩に力が入る試合。張りつめた空気の中1回戦目が始まった。

 

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1回戦(起家から、田村・谷・宮内・松本)

東1局
最初に動いたのは北家の松本。6巡目に東をポンしてテンパイ。

四万五万六万九万九万六索七索四筒五筒六筒  ポン東東東  ドラ二索

456の三色同順を見切る四索切りテンパイ。ひとまずアガってエンジンをかけるイメージだろうか。
これに追いついたのは西家の宮内。5巡目から好形の1シャンテンだったが、テンパイは12巡目。ドラを切ってのヤミテンに構える。

一万一万三万四万五万六万七万三筒四筒五筒五筒六筒七筒

アガリを決めたのは松本。13巡目に東家の田村から1,000の出アガリ。東1局は静かなスタートとなった。
東2局も松本の仕掛けによる軽いアガリで局が進む。松本の表情はとても冷静に見えた。

東4局
東3局で田村が1,300・2,600をアガリ、リードしたかと思われた矢先、ここから大きく展開が変わる。
5巡目にネックだったカン七万を引き入れて好形の1シャンテンとなった東家の松本が、すんなりと7巡目にテンパイ。

三万三万六万七万八万六索七索八索五筒六筒中中中  リーチ  ドラ八万

西家の谷も同巡、ピンフドラ1でテンパイ。

一万二万三万七万八万一索七索九索一筒二筒三筒七筒七筒  ツモ八索  打一索

リーチの少ない雀風の谷、松本の現物待ちということもあり、松本に対して通っていない一索を押し切ってヤミテンにとる。
テンパイを維持していた谷だったが、11巡目にドラ筋の五万を切れないと判断、ここでオリを選択。松本の1人旅となった結果、17巡目に残り1枚の四筒をツモ。3,900オールの大きいアガリとなった。

ここから松本の勢いが止まらない。
子番の3人が勢いを止めに入るが奮闘虚しく、松本は6本場まで親番を継続し、南1局の時点で67,200の飛びぬけたトップ目に立つ。

これに負けずと踏ん張るのは谷。
南1局に1,300・2,600、親番の南2局0本場に2,900、1本場に1,500は1,800と3局連続してアガリをものにするも、南2局2本場は中盤にピンフの手牌をヤミテンに構えていた北家田村の1,000は1,600のアガリとなり、2着目の谷の親番が流れてしまう。

南4局
トップ目松本の親番、3者全員が早く終わらせたい局面。
南家の田村が5巡目に先制テンパイ。

四万六万五索五索三筒四筒五筒六筒七筒八筒白白白  ドラ中

好形変化やアガリやすさをみてのヤミテンに構える。
しかし東家松本、2着の谷と34,300も差をつけたトップ目だが、攻めの勢いにブレーキをかけることはなかった。
松本は9巡目にテンパイ。

二万三万五万六万七万七万七万二索三索四索四索五索六索  リーチ

このリーチに対し、さらに点差を離されたくない田村が押してテンパイを継続させるも、14巡目にツモ七万からの打四万により、5,800の放銃となった。
続く南4局1本場でも東家の松本が4,000は4,100オールの大きなアガリを決める。
1回戦は松本が80,200点持ちの大きなトップで終了。下位の3選手は追う立場としてどのように攻めるかが課題となった。

1回戦成績
松本:+62.2P 谷:▲6.8P 田村:▲20.2P 宮内:▲35.2P

 

 

2回戦(起家から谷・宮内・田村・松本)

東1局は松本の1人テンパイで流局し、1回戦目の勢いが若干残っている出だしとなった。

東2局1本場
1回戦は苦しい展開の続いた宮内の親番。
最初に動いたのは西家松本。7巡目に発をポンして1シャンテンの形。

二万三万四万五索五索六索六索八索五筒六筒  ポン発発発  ドラ五万

ドラのない現状1,000点の手牌だが、優勝のみが意味のある決勝戦で攻撃の手を緩めるつもりはないということだろう。
先制テンパイは9巡目、南家の田村。

一筒一筒二筒二筒三筒四筒五筒五筒六筒六筒七筒西西

メンゼンでホンイツのテンパイ。リャンペーコーの変化で出アガリ跳満にもなり得る大物手、ヤミテンを選択。
次巡、ここで東家宮内もテンパイ。タンヤオのつかない一索を引き入れてのテンパイだが、リーチと意気込む。

四万五万六万二索三索六索七索七索七索八索四筒五筒北  ツモ一索  打北  リーチ

1回戦は連荘のなかった宮内、まずはアガって親番を繋ぎたいところ。しかしこのリーチに対して松本も押し切って13巡目にテンパイ。

三万四万五万四索五索六索六索四筒五筒六筒  ポン発発発

これを16巡目に宮内から2,000は2,300のアガリ。宮内はさらに苦しい展開となる。

松本の1人浮きの状態で迎えた東4局の1本場。
動いたのは宮内。三色同順やタンピンを見切り、5巡目に東をポンしてテンパイ。打点よりもスピードを重視して、松本の連荘を阻止したいという考えだろう。

二万三万四万四索五索二筒三筒四筒五筒五筒  ポン東東東  ドラ四索

東家松本のテンパイも早かった。配牌こそ悪かったものの、メンツ手を見切っての七対子テンパイは7巡目。

七万七万八万八万六索六索八索八索一筒九筒九筒中中

しかし次巡、宮内が松本から2,000は2,300を出アガリ。高打点ではないものの、宮内は決勝戦の初アガリ、松本は初放銃となった。

南3局1本場
大きなアガリのないまま局が進み、この時点でトップ目は松本。親番で2着目の田村はここで松本からトップを奪還して2連勝を阻止したいところ。
先に動いたのは西家の谷、八筒西をポンし、11巡目にテンパイ。残り2局での原点復帰が目標だろう。

三索四索六索六索五筒六筒七筒  ポン八筒 上向き八筒 上向き八筒 上向き  ポン西西西  ドラ五筒

しかし次巡、東家田村もテンパイ。

二万三万四万六万六万三索四索五索三筒三筒三筒五筒六筒  リーチ

迷わずリーチし、これを同巡谷から7,700は8,000の出アガリ。
田村にとっては松本に近づく一歩となったが、現状2位の谷にとっては痛い放銃となった。

なんとか3本場まで親番を繋いだ田村だったが、3本場で松本に2,600は3,500を放銃。
南4局は谷の1人テンパイで流局。
2回戦目も松本のトップで終了となり、後半戦の戦い方に大きな課題の残る形で前半戦が終了した。

2回戦成績
谷:▲18.9P 宮内:▲13.9P 田村:+8.7P 松本:+23.1P

2回戦終了時
松本:+85.3P 田村:▲11.5P 谷:▲25.7P 宮内:▲49.1P

 

 

3回戦(起家から田村・宮内・谷・松本)

東1局
前半戦はテンパイからアガリまでが遠かった宮内、ここでドラの九筒がトイツの手牌を6巡目にテンパイ。宮内は爆発力に定評のある選手、ここからの巻き返しが期待できそうな出だしと思われた。待ちはカン二万だが、打点は十分とみての先制リーチ。

一万三万五万六万七万二索二索二索六索七索八索九筒九筒  リーチ  ドラ九筒

このリーチに対抗したのは同じくドラがトイツの谷。14巡目に追いついてテンパイ、ヤミテンを選択。

二万三万四万四万五万六索七索八索五筒六筒八筒九筒九筒  ツモ四筒  打八筒

しかし16巡目、ツモ五万からの打二万となり谷が5,200の放銃。
それまで大きなアガリのなかった宮内にとって、反撃の狼煙を上げるかのようなアガリとなった。

東2局2本場
東2局0本場で3,900の出アガリ、1本場で1,300オールは1,400オールのツモと、前半の状態を打破して3局連続のアガリをきめた宮内。トップ目ではあるものの、さらに加点したいところ。
宮内にドラの北がトイツ、他3者も役のあるテンパイの見込める好手牌が入り、全員がぶつかる局となった。
4巡目の先制テンパイは西家松本。

三万四万七万七万三索四索五索二筒三筒七筒八筒九筒北  ツモ二万  打北  ドラ北

ピンフのみの手牌をドラの北を切ってのヤミテン。この北を、オタ風牌ではあるがチャンタの手役を作っていた宮内が仕掛けて1シャンテン。

一万三万一索一索三索七索八索九索九筒九筒  ポン北北北

しかし間に合わず、7巡目に松本が四筒をツモって400・700は600・900をアガリ、宮内の勢いを止めた。

東3局
北家の宮内に勝負手が入る。4、5巡目で八筒をトイツ落とししてのホンイツ。6巡目に東をポン、8巡目にドラの中を重ねて跳満のテンパイ。これはアガって大きなトップを取りたいだろう。

一万二万四万五万六万七万八万九万中中  ポン東東東  ドラ中

しかし東家谷も食い下がる。
端牌の多く受け入れの少ない手牌だったが、親番継続のために国士無双を見切っての仕掛けが功を奏す。仕掛けによってペースをつかむタイプの谷らしい仕掛けととれる。4巡目に八索をチー、11巡目に一索をポンしてテンパイ。

一筒二筒三筒七筒八筒九筒発  ポン一索 上向き一索 上向き一索 上向き  チー八索 左向き七索 上向き九索 上向き

これを松本から1,500の出アガリ。
谷は宮内の大物手を防ぎ、親番を繋ぐいいアガリとなった。

続く東3局1本場では谷に11,600の勝負手が入るが、松本が難なく300・500は400・600をツモ。松本のそつないアガリによって、最終戦までの局数が消化されていく。

東4局は、2,000オール、1,300は1,400オールをアガった東家の松本がまたもやトップ目に立つ。その後は大きい点棒移動のないまま、松本の3連勝で3回戦が終了した。

3回戦成績
松本:+18.1P 宮内:+11.6P 田村:▲11.2P 谷:▲18.5P

3回戦終了時
松本:+103.4P 田村:▲22.7P 宮内:▲37.5P 谷:44.2P

 

 

最終4回戦(起家から田村・宮内・谷・松本)
攻めの姿勢を崩さず3連勝で最終戦を迎えた松本。それに対し宮内・谷・田村は、大きな壁が立ちはだかった状態で最終戦を迎えた。
現状2位の田村と松本のポイント差は126.1P。下位3名のポイント差は大きくないため、3名は松本と約10万点の差をつけたトップがだいたいの条件となる。

東1、2局は大きいアガリや親の連荘もなく局が進み、貴重な1回の親番がなくなった田村、宮内は、南場の親番までにどれだけ点数を増やせるかが課題となった。
一方、谷は大きいアガリがなかったものの連荘に成功。

東3局2本場
谷にダブ東がトイツ、ドラ1の配牌が入る。
しかし、先に動いたのは現状1位の南家松本、1巡目に中をポン。手牌は苦しい形の3シャンテンだが、ポイントの余裕も相まってか、積極的に攻めてくる。
ここで松本から打たれた東を谷がポン。
先にテンパイしたのは東家の谷。

二万三万四万一筒四筒五筒六筒北北北  ポン東東東  ドラ一筒

次巡このドラ単騎をツモ。4,000は4,100オールのアガリ。谷にとっては優勝を手繰り寄せる大事なひとアガリだったが、まだまだ点差は大きい。
東3局3本場も東家谷の500は800オールのツモアガリで連荘。

東3局4本場
それまでぐっと堪えていた田村、宮内の勝負局が来る。
田村、宮内は松本とのポイント差を考えると、安い手で局を消化する必要はない。
ここで西家田村が2巡目に九筒をポン、3巡目に二筒をポン、5巡目に南をポン、10巡目にテンパイしてこの牌姿。

七筒七筒東東  ポン南南南  ポン二筒 上向き二筒 上向き二筒 上向き  ポン九筒 上向き九筒 上向き九筒 上向き  ドラ発

ホンイツ・トイトイで満貫の勝負手。
宮内も11巡目にドラを重ねてテンパイ。

五索六索七索三筒四筒五筒五筒五筒六筒六筒七筒発発  リーチ

これに対し、まだ親番を続けたい谷が3シャンテンの苦しい形から仕掛けを入れて食らいつく。
13巡目に北をポン、14巡目に三筒をチー、16巡目にドラを重ねて形式テンパイを取る。

三万四万六万七万八万発発  チー三筒 左向き二筒 上向き四筒 上向き  ポン北北北

しかし、17巡目に宮内が松本から5,200は6,400の出アガリ。
この松本から打たれた四筒は、局消化のために子番の2人にアガらせる一打と見て取れた。このような戦略が有効なのも、それまでの3回戦で稼いだポイントが大きかったからだろう。

現状2位の谷がダブル役満直撃、トリプル役満ツモ条件となって迎えた南4局。
しかし誰も条件を満たせず、静かに流局。その瞬間の松本の表情はとても落ち着いており、良い意味で新人らしくない新人王が誕生した瞬間であった。

第4位:宮内 崇成
「1、2回戦、なかなか手が入らず非常に苦しかったです。3回戦以降はそこそこ戦えたので良かったです。4位と悔しい結果になりましたが、リーグ戦や他のタイトル戦にこの経験を生かしていきます。」

第3位:田村 良介
「結果は残念でしたが、今出せる力は出せたと思います。また決勝の舞台に立てるよう勉強します。」

第2位:谷 誠之
「自覚なかったけど、結構追い詰められていたのか自分らしくない部分がいくつか見えました。決勝行きたい!それがようやく叶いこの舞台で対局できたことには本当に感謝しています。」

優勝:松本 幸大
「第33期新人王になる事が出来、大変嬉しく思います。こんなに沢山の方に応援して頂いたのに負けられない。皆さんの期待を裏切りたくない。そんな思いが自分を奮い立たせてくれました。本当に感謝の気持ちで一杯です。ありがとうございました。」

 

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第33期新人王戦は、北海道本部所属の松本幸大プロの優勝で幕を閉じた。
冷静で着実な麻雀で、これを機にどこまで昇っていくのかとても楽しみです。健闘を心より祈っております。
令和最初の新人王戦。第33期新人王、松本幸大プロ、おめでとうございます!

第15期静岡プロリーグ 第5節レポート

残暑の厳しい候、第15期静岡プロリーグ第5節が行われた。
それでは各卓の結果を見てみよう。

1卓
藤島健二郎 × 相沢かおる × 岩井健太 × 鈴木涼太

第4節終了時
藤島健二郎 ▲34.0P 相沢かおる ▲36.2P 岩井健太 +85.3P 鈴木涼太 ▲46.1P

今期苦戦している藤島・直前の鳳凰位戦ではB2に昇級を決め、勢いに乗っている相沢・安定感が光る岩井・2節連続でマイナスし、迎えた第5節ではなんとかプラスしたい鈴木涼。

藤島 +91.6P 岩井 +5.4P 鈴木 ▲47.4P 相沢 ▲49.6P

藤島が90Pオーバーのプラスで戦線に復帰。
強い藤島が帰ってきた。
ここから先は全員が藤島をマークするのが予想されるだけに浮上できるか注目したい。

岩井は、ただ1人全節プラスである、決勝進出の可能性は高いか。

2卓
鈴木秀幸 × 大橋幸正 × 岡田智和 × 土屋幸弘

第4節終了時
鈴木秀幸 +20.4P大橋幸正 ▲46.7P 岡田智和 ▲70.4P 土屋幸弘 +67.7P

中位陣の鈴木秀は上位陣の土屋のポイントを減らした上で自身もプラスし、決勝進出争いに名乗りをあげたい。
大橋・岡田はポイント状況的にも負けられない戦い。
これ以上のマイナスはこの先の選択肢を減らしてしまうために避けたい。

岡田 +18.6P 鈴木秀 +12.2P 土屋 +9.4P 大橋 ▲41.2P

結果は大橋の1人沈み。
ほか3者ともこの日は安定した戦いでプラスを積み重ね、土屋は4位につけている。

個人的には能力が高い大橋の不調には驚いている。
大橋以上に諦めが悪い選手もあまり知らない。
このままでは終わらないはず。次節以降に期待したい。

3卓
鈴木郁孝 × 鷲見隼人 × 青嶋宏樹 × 斉藤隆

鈴木郁孝 +22.6P鷲見隼人 ▲82.8P 青嶋宏樹 +9.4P 斉藤隆 ▲ 86.2P

長年、静岡支部を支えているベテラン鈴木郁・鷲見、新人の青嶋・斉藤との対決となった。

結果は青嶋と鷲見がプラス。
鈴木郁は苦しい展開だったが、少ないチャンスをものにすることに成功し、最小限のマイナスにとどめた印象。
斉藤はリーチ判断や鳴き判断が全て裏目にでてしまい大きくマイナス。

青嶋 +53.1P 鷲見 +29.2P 鈴木郁 ▲ 14.7P 斉藤 ▲ 68.6P

4卓
中野妙子 × 望月雅継 × 大月れみ × 田中寛治

第4節終了時
中野妙子 ▲11.1P 望月雅継 +63.1P 大月れみ +26.0P 田中寛治 +107.9P

望月はプラスして2年連続の決勝進出を目論む。
田中の快進撃を止めるのは前期覇者の望月か?
前節四暗刻を成就させ、好調の中野か?
それとも同じく新人の大月が意地をみせるか?

田中 +53.4P 中野 ▲2.1P 大月 ▲5.6P 望月 ▲45.7P

結果は田中の1人浮き。
今は望月でも止めることができない勢いがあるというところだろう。
決勝進出争いにも頭ひとつ抜けだした。

5卓
平野敬悟 × 山本拓哉 × 岡本和也 × 杉村泰治

平野敬悟 ▲34.7P 山本拓也 +36.5P 岡本和也 +17.6P 杉村泰治 +36.1P

平野以外中位陣の卓。
平野にとっては上位陣に食い込むきっかけを掴むチャンスとなりえそうだ。

平野 +45.4P 山本 +13.4P 岡本 ▲18.9P 杉村 ▲40.9P

平野なら、現在の位置から十分に決勝進出を狙う力がある。
個人的にも平野のトータルプラス域浮上は脅威である。

6卓
原佑典 × 中 寿文 × 足立純哉 × 渡辺洋巳

第4節終了時
原佑典 +61.5P 中 寿文 58.8P 足立純哉 +5.6P 渡辺洋巳 ▲ 36.2P

上位につけている原・中と下位陣の足立・渡辺。
前者2人は上位につけているが決勝を目指すためにはポイントは物足りない。
ポイントの上積みを狙いたい。
逆に足立・渡辺は上位陣を喰って浮上のきっかけを狙っているだろう。

足立 +21.5P 原 +12.9P 中 +7.7P 渡辺 ▲42.1P

結果は渡辺が勝負所と見てエンジンをかけたが他3者に阻まれる結果に。
原・中はポイントを維持し次節もポイントを上積みしたいところだ。

第5節が終了し、折り返し地点での順位は首位から田中・太田・岩井・土屋と続く。
頭一つ抜けだした田中。ここから先はマークが厳しくなり彼にとっては厳しい戦いが待っているだろう。

比較的前期と比べると現在のボーダーも高くなく、穏やかなポイント推移が続いている。

個人的にはここから先は抜け出す者や、下から牙を研いでいた猛者がポイントを伸ばし、荒れる展開も予想される。

麻雀は普通、ポイントを持っている者が有利である。
なぜなら選択肢が増えるからだ。
ポイントが少ない者は選択肢が狭まるため引き出しの数が少なければポイントを減らすだけだろう。
選択肢が少ない時にこそ麻雀プロの真価が発揮されるはずだ。

次節は第6節。
是非注目していただきたい。

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 10節 合計
1 田中寛治 ▲ 12.1 54.5 18.3 47.2 53.4 161.3
2 太田昌樹 11.5 ▲ 24.7 76.2 45.3 108.3
3 岩井健太 2.3 5.3 21.9 55.8 5.4 90.7
4 土屋幸弘 ▲ 3.8 30.4 41.1 9.4 77.1
5 原佑典 38.6 65.1 ▲ 13.4 ▲ 28.8 12.9 74.4
6 青嶋宏樹 15.7 ▲ 55.3 49.0 53.1 62.5
7 中寿文 43.7 ▲ 13.0 ▲ 5.1 28.1 7.7 61.4
8 山本拓哉 3.9 ▲ 5.6 38.2 13.4 49.9
9 鈴木秀幸 ▲ 12.3 ▲ 31.2 63.9 12.2 32.6
10 藤島健二郎 ▲ 51.1 2.6 ▲ 27.4 14.5 91.6 30.2
11 岡本和也 29.9 ▲ 4.1 29.4 ▲ 8.2 ▲ 18.9 28.1
12 足立純哉 36.7 9.8 ▲ 40.9 21.5 27.1
13 川崎義之 ▲ 7.5 38.4 24.7 ▲ 28.7 26.9
14 大月れみ 4.6 22.1 40.2 ▲ 40.9 ▲ 5.6 20.4
15 藤本哲也 15.1 10.1 ▲ 6.0 19.2
16 望月雅継 41.9 21.2 ▲ 45.7 17.4
17 平野敬悟 ▲ 41.1 6.4 45.4 10.7
18 鈴木郁孝 ▲ 1.8 27.9 30.4 ▲ 33.9 ▲ 14.7 7.9
19 杉村泰治 ▲ 36.1 5.5 ▲ 15.8 82.5 ▲ 40.9 ▲ 4.8
20 中野妙子 ▲ 58.9 32.3 ▲ 32.2 47.7 ▲ 2.1 ▲ 13.2
21 京平遥 ▲ 20.2 ▲ 24.8 20.6 ▲ 24.4
22 蓮沼友樹 ▲ 2.2 1.1 ▲ 41.4 ▲ 42.5
23 岡田智和 ▲ 69.4 ▲ 24.2 ▲ 6.5 29.7 18.6 ▲ 51.8
24 鷲見隼人 28.9 35.7 ▲ 79.3 ▲ 68.1 29.2 ▲ 53.6
25 後藤咲 11.7 ▲ 54.4 ▲ 23.2 ▲ 65.9
26 渡辺洋巳 ▲ 2.0 9.4 ▲ 17.5 ▲ 26.1 ▲ 42.1 ▲ 78.3
27 高木翔太 ▲ 3.2 ▲ 0.4 ▲ 65.0 ▲ 15.5 ▲ 84.1
28 相沢かおる 11.0 39.5 0.2 ▲ 86.9 ▲ 49.6 ▲ 85.8
29 大橋幸正 34.8 ▲ 33.9 ▲ 34.2 ▲ 13.4 ▲ 41.2 ▲ 87.9
30 鈴木涼太 28.7 ▲ 32.3 ▲ 42.5 ▲ 47.4 ▲ 93.5
31 都築友和 ▲ 30.4 ▲ 55.1 ▲ 8.1 ▲ 93.6
32 斉藤隆 ▲ 27.9 ▲ 58.3 2.1 ▲ 68.6 ▲ 152.7

第33回静岡リーグ(プロアマ混合)最終節レポート

参加人数77人(うちプロ参加人数32人)という過去最大規模で行われた第33回静岡リーグも、ついに最終節を迎えた。
最終節は規定により、1~3回戦は上位16名の回り順。4回戦は上位8名での回り順となっている。

最終節を別日対局で消化し、+173.3Pの暫定2位で終えた後藤プロはほぼ決勝進出当確。
残る4つの椅子を争い、激しい戦いが始まった。

この日は上位のプロが思うようにポイントを伸ばせず、2回戦目で親の国士無双をアガった原プロだけがわずかにポイントを上積みしただけに留まった。
代わりに3連勝を飾った牧野さん、オールプラスでまとめた高橋さんが一気に順位を上げてきた。
3回戦を終えての順位は以下の通り。

1位 後藤プロ +173.3P(消化済み)
2位 牧野さん +156.6P
3位 原プロ +151.5P
4位 鈴木秀プロ +148.2P
5位 川崎 +143.6P
6位 高橋さん +137.6P
7位 杉村プロ +121.6P
8位 堀さん +118.4P
9位 安藤真さん +114.8P

後藤プロを除く上位8名全員が、現実的に決勝進出を狙える混戦模様となった。

最終戦1卓 
牧野さん×川崎×高橋さん×安藤さん

開始早々親の高橋さんが6,000オールをアガり、その後も巧みな卓回しで卓内トップを取り、決勝進出を決めた。
卓内2着は川崎。最初のビハインドをコツコツ返していき、最終的に浮きに転じることができ、ほぼ決勝進出を手中にした。
卓内3着は牧野さん。
苦しい展開が続いていたが、オーラスに7,700をアガって望みを繋ぎ、別卓の結果を待つこととなった。

2卓
原プロ×鈴木秀プロ×杉村プロ×堀さん
この日苦しんでいた鈴木秀プロが親で6,000オールをアガるなど、大量リード。
それに続くのは杉村プロ。
親で連荘を重ね、ポイントを積み上げていく。
しかし、鈴木秀プロのダブリーを受け、無念のノーテン流局。
そして制限時間により終局となった。

最終成績
1位 鈴木秀プロ
2位 後藤プロ
3位 高橋さん
4位 川崎プロ
5位 牧野さん

最終戦で大きなトップを取った鈴木秀プロが首位に返り咲いた。
2位は後藤プロ。
3位は高橋さん。
最後まで集中を切らさず、見事決勝の椅子を手に入れた。
4位は私。
ポイントを減らすも何とか踏ん張ることができた。
5位は牧野さん。
最終戦オーラスの7,700が無ければ敗退していた。
最後まで丁寧に手役を作り、アガリに向かったことが報われた形となった。

そして6位で無念の敗退となったのは杉村プロ。
対局終了後少し話しをさせてもらったが、最終戦の1卓の様子を背中で感じていたようで、まさかオーラスに牧野さんが7,700をアガっていたとは思っていなかったと話していた。
もし分かっていれば、鈴木秀プロのダブリーに対し果敢に押し返し、違った結果があったかもしれない。

色々なドラマがあった第33回静岡リーグも、残すは決勝戦のみとなった。
1週間後、同じ場所で更なる熱い戦いが繰り広げられるだろう。

順位 名前 プロ/一般 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 鈴木秀幸 プロ 3.9 69.3 42.4 76.9 ▲ 7.8 184.7
2 後藤咲 プロ 13.4 19.3 98.1 3.0 39.5 173.3
3 高橋孝基 一般 ▲ 27.2 19.2 80.2 16.8 78.6 167.6
4 川崎義之 プロ ▲ 9.9 62.2 65.8 52.3 ▲ 14.9 155.5
5 牧野光治 一般 54.8 19.2 ▲ 5.2 16.2 56.7 141.7
6 杉村泰治 プロ 20.0 78.0 14.7 9.9 16.4 139.0
7 相沢かおる プロ 1.0 45.8 31.1 37.7 10.6 126.2
8 平野敬悟 プロ 14.2 60.8 ▲ 10.1 ▲ 36.3 86.5 115.1
9 原佑典 プロ 48.3 42.9 35.6 8.4 ▲ 23.3 111.9
10 鈴木郁孝 プロ ▲ 0.7 47.9 15.3 ▲ 16.5 58.4 104.4
11 堀孔明 一般 45.7 ▲ 1.6 42.3 5.4 11.3 103.1
12 斉藤隆 プロ 44.6 26.4 ▲ 7.6 6.4 28.7 98.5
13 都築友和 プロ 30.5 30.3 ▲ 46.7 30.5 53.2 97.8
14 望月雅継 プロ 48.5 ▲ 9.8 17.9 6.7 28.7 92.0
15 安藤真由美 一般 92.1 9.4 23.7 ▲ 27.7 ▲ 9.7 87.8
16 宮地孝尚 一般 16.7 51.5 ▲ 1.6 8.3 12.4 87.3
17 藤井太郎 一般 34.4 ▲ 9.3 47.1 ▲ 44.6 59.1 86.7
18 藤島健二郎 プロ 16.2 9.4 20.1 25.9 12.1 83.7
19 岡田智和 プロ ▲ 33.8 ▲ 10.9 127.2 1.4 ▲ 6.6 77.3
20 足立純哉 プロ ▲ 3.9 27.0 55.8 ▲ 26.3 18.5 71.1
21 浜田修 プロ ▲ 11.5 ▲ 21.3 ▲ 38.7 72.4 66.0 66.9
22 大橋幸正 プロ 56.8 4.3 ▲ 58.9 ▲ 1.4 51.8 52.6
23 岡本茂 一般 32.6 ▲ 22.5 ▲ 14.7 42.2 14.6 52.2
24 松清一樹 一般 6.4 10.7 ▲ 0.8 50.2 ▲ 19.4 47.1
25 小山剛史 一般 ▲ 42.0 54.9 16.4 ▲ 37.7 53.0 44.6
26 平田拓也 一般 18.9 46.0 19.5 2.6 ▲ 42.6 44.4
27 京平遥 プロ ▲ 44.4 5.5 62.8 ▲ 22.1 34.6 36.4
28 鷲見隼人 プロ 25.1 43.6 ▲ 23.5 12.7 ▲ 28.6 29.3
29 白戸隆寛 一般 38.7 ▲ 9.5 欠場 欠場 欠場 29.2
30 土屋幸弘 プロ ▲ 5.0 51.0 ▲ 5.3 12.9 ▲ 25.1 28.5
31 影山恒太 一般 ▲ 8.3 ▲ 0.9 ▲ 14.8 32.0 19.6 27.6
32 舟橋晃 一般 38.3 ▲ 28.8 19.3 ▲ 20.1 4.7 13.4
33 藤本哲也 プロ 1.2 ▲ 19.8 ▲ 13.3 53.6 ▲ 8.5 13.2
34 井上一雄 一般 ▲ 2.3 ▲ 83.2 23.3 48.7 20.8 7.3
35 伊藤真 一般 ▲ 1.1 ▲ 11.5 9.5 28.2 ▲ 18.5 6.6
36 太田昌樹 プロ ▲ 3.3 ▲ 15.8 ▲ 4.5 10.2 18.0 4.6
37 中野一男 一般 5.7 ▲ 7.0 ▲ 31.7 31.6 4.7 3.3
38 山本拓哉 プロ 11.1 ▲ 49.5 ▲ 10.1 78.4 ▲ 34.4 ▲ 4.5
39 源馬健太 一般 22.5 ▲ 36.3 ▲ 73.3 57.1 22.8 ▲ 7.2
40 松永誠 一般 ▲ 12.1 9.5 ▲ 6.8 13.0 ▲ 12.5 ▲ 8.9
41 鈴木翔穂 一般 ▲ 29.6 ▲ 0.6 ▲ 18.1 16.3 22.8 ▲ 9.2
42 中寿文 プロ 9.2 3.9 6.5 5.3 ▲ 41.4 ▲ 16.5
43 岩井健太 プロ 4.9 16.8 ▲ 39.0 18.4 ▲ 18.7 ▲ 17.6
44 高木翔太 プロ 23.1 ▲ 27.0 ▲ 41.5 7.4 17.3 ▲ 20.7
45 依田叡門 一般 ▲ 20.4 ▲ 17.4 34.3 ▲ 16.5 ▲ 3.1 ▲ 23.1
46 深見翔 一般 50.5 1.0 ▲ 39.5 25.7 ▲ 67.4 ▲ 29.7
47 田中寛治 プロ ▲ 69.9 ▲ 15.8 36.6 ▲ 5.3 23.5 ▲ 30.9
48 大月れみ プロ ▲ 29.8 ▲ 0.9 ▲ 55.5 10.8 39.8 ▲ 35.6
49 岡本和也 プロ 20.7 ▲ 26.3 43.9 ▲ 55.8 ▲ 19.7 ▲ 37.2
50 村瀬光佳 一般 31.0 ▲ 19.4 69.2 6.9 ▲ 129.0 ▲ 41.3
51 山本潤 一般 ▲ 17.4 ▲ 30.4 ▲ 47.2 11.1 35.4 ▲ 48.5
52 福井弘人 一般 ▲ 14.8 ▲ 24.2 31.2 ▲ 32.0 ▲ 10.7 ▲ 50.5
53 櫻井竜一郎 一般 ▲ 13.2 9.9 ▲ 50.1 欠場 欠場 ▲ 53.4
54 中野妙子 プロ ▲ 32.6 8.1 ▲ 15.1 ▲ 34.5 18.3 ▲ 55.8
55 阪本恭郎 一般 ▲ 13.3 ▲ 2.8 ▲ 26.9 ▲ 12.6 ▲ 5.0 ▲ 60.6
56 北島武弘 一般 17.0 ▲ 1.2 ▲ 46.9 32.3 ▲ 64.5 ▲ 63.3
57 平井良岳 一般 3.8 ▲ 26.6 ▲ 5.8 ▲ 49.5 0.0 ▲ 78.1
58 西田孝志 一般 ▲ 5.3 ▲ 25.8 ▲ 17.7 ▲ 45.4 11.4 ▲ 82.8
59 白井健夫 一般 2.0 ▲ 19.8 ▲ 24.0 ▲ 12.3 ▲ 34.2 ▲ 88.3
60 安藤順一 一般 ▲ 65.6 ▲ 61.4 ▲ 82.0 61.5 56.5 ▲ 91.0
61 田中良典 一般 6.8 ▲ 42.1 9.5 3.6 ▲ 79.7 ▲ 101.9
62 服部哲也 一般 38.2 ▲ 100.0 24.2 ▲ 65.0 ▲ 1.0 ▲ 103.6
63 片山一哉 一般 17.0 ▲ 27.6 ▲ 24.0 ▲ 4.4 ▲ 65.5 ▲ 104.5
64 青嶋宏樹 プロ ▲ 7.9 4.3 ▲ 1.7 ▲ 68.6 ▲ 33.1 ▲ 107.0
65 八木寛大 一般 1.7 ▲ 6.5 ▲ 24.1 ▲ 48.3 ▲ 42.0 ▲ 119.2
66 ドラコスアリストテレス 一般 ▲ 41.2 ▲ 17.3 ▲ 50.9 ▲ 12.1 欠場 ▲ 121.5
67 渡辺洋巳 プロ ▲ 64.0 18.5 9.2 ▲ 7.7 ▲ 80.4 ▲ 124.4
68 山内紀博 一般 ▲ 41.8 ▲ 48.5 ▲ 39.6 ▲ 32.1 20.5 ▲ 141.5
69 大谷数則 一般 ▲ 61.5 ▲ 36.8 ▲ 11.3 ▲ 37.8 4.8 ▲ 142.6
70 鈴木貴仁 一般 ▲ 30.4 ▲ 52.8 ▲ 14.2 ▲ 43.2 ▲ 3.4 ▲ 144.0
71 伊藤裕美子 一般 ▲ 51.3 ▲ 80.9 17.8 ▲ 32.8 1.4 ▲ 145.8
72 大橋義一 一般 ▲ 25.5 ▲ 45.9 ▲ 11.6 ▲ 31.2 ▲ 33.9 ▲ 148.1
73 本田真之 一般 4.8 ▲ 24.4 ▲ 46.6 ▲ 38.8 ▲ 44.7 ▲ 149.7
74 鈴木涼太 プロ ▲ 62.0 34.1 ▲ 54.1 ▲ 26.2 ▲ 44.5 ▲ 152.7
75 坂本彰光 一般 ▲ 13.2 ▲ 38.8 ▲ 78.7 ▲ 20.3 ▲ 57.4 ▲ 208.4
76 小倉雨 一般 ▲ 17.1 ▲ 76.1 ▲ 28.7 ▲ 67.0 ▲ 56.1 ▲ 245.0
77 鈴木雅人 一般 ▲ 83.2 ▲ 60.5 ▲ 26.7 ▲ 85.3 3.5 ▲ 252.2

第28期東北プロリーグ 第5節レポート

Aリーグ

武藤×東×佐藤×波奈×瀧田
前節マイナス40Pオーバーだった東がプラス79.9Pとトータルも100Pを越え4位に浮上した。
丁寧さもあるが、勝負するところは勝負するバランスが絶妙だった。
瀧田も丁寧に打ちプラス35.2Pと瀧田らしさが出ていた。

粕谷勇×藤本×石井×山下×安ヶ平
攻めの強い石井が今節も好成績を残す。プラス74.2Pのトータル2位で折り返す。
安ヶ平もプラス40.9Pで最下位を脱出。

皆川×遠藤×菊田×粕谷祐
菊田がプラス79.5Pでトータル3位になった。
トータル1位の皆川も18,000と12,000をアガリマイナスしそうだったところから粘ってプラスで終えた。
遠藤は大きなマイナスはないが20Pくらいずつ積み重ねてついに最下位に。

今節は100オーバーが4人となり、逆にマイナス60からが団子状態になった。
これほど好調者と不調者がはっきりしたリーグも珍しいが、まだ半分あると思い下位陣の奮起に期待したい。

Aリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 10節 合計
1 皆川 直毅 57.4 49.9 46.5 80.0 7.8 241.6
2 石井 良樹 ▲ 47.2 4.0 42.1 51.9 74.2 125.0
3 菊田 政俊 35.6 28.3 32.1 ▲ 68.0 79.5 107.5
4 東 幸一郎 89.9 ▲ 31.3 8.9 ▲ 44.6 79.9 102.8
5 佐藤 晃大 20.0 ▲ 43.7 66.8 ▲ 9.0 ▲ 12.3 21.8
6 瀧田 亮 ▲ 41.7 ▲ 9.0 37.0 ▲ 9.3 35.2 12.2
7 粕谷 勇吉 23.1 ▲ 19.6 ▲ 7.0 ▲ 19.3 ▲ 16.5 ▲ 39.3
8 武藤 武 ▲ 27.0 ▲ 42.5 ▲ 10.8 58.9 ▲ 40.3 ▲ 61.7
9 藤本 修二 ▲ 29.6 50.3 ▲ 80.3 50.8 ▲ 63.1 ▲ 71.9
10 粕谷 祐太 8.4 39.1 ▲ 40.2 ▲ 11.5 ▲ 68.5 ▲ 72.7
11 波奈 美里 9.4 ▲ 30.8 20.8 ▲ 9.6 ▲ 62.5 ▲ 72.7
12 山下 敬介 2.9 23.4 ▲ 44.1 ▲ 29.1 ▲ 36.5 ▲ 83.4
13 安ヶ平 浩希 ▲ 80.7 7.6 ▲ 35.3 ▲ 20.9 40.9 ▲ 88.4
14 遠藤 昭太 ▲ 22.5 ▲ 25.7 ▲ 37.5 ▲ 20.3 ▲ 18.8 ▲ 124.8

 

 

Bリーグ

吉田×菅原×櫻井×佐々木
「今日は集中力を切らさないで打てました。」とコメントした菅原。
2回戦で1人沈みだったが、3回戦で7万点弱の1人浮きでプラス63.0P。
上位を狙える位置につき前半を終える。

蓬田×石倉×大沼×小山
蓬田がメンチンでのリーチをする。

一筒二筒三筒四筒五筒五筒五筒五筒六筒六筒七筒九筒九筒  ドラ七筒

巡目も早く手牌変化もあるのでヤミテンの選択もあるが、勝負をかけてリーチを選んだ。
しかし結果は最悪となり、大沼がダブ南を仕掛けてドラ単騎待ちをしていたところに、蓬田が七筒をつかみ8,000の放銃。
2位にいた蓬田が5位まで落ちてしまった。
今年度加入の小山は青森から通っている。
現在最下位だが、まだまだ分からない。諦めずに頑張っていただきたい。

Bリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 10節 合計
1 櫻井 勇馬 32.4 37.0 37.0 46.2 1.1 153.7
2 石倉 弘之 ▲ 51.4 20.6 ▲ 21.7 53.9 39.9 41.3
3 吉田 勝弥 72.1 ▲ 41.9 2.0 ▲ 1.3 ▲ 5.0 25.9
4 菅原 直哉 31.5 ▲ 51.4 ▲ 13.9 ▲ 8.6 63.0 20.6
5 蓬田 一貴 29.4 55.3 ▲ 52.4 3.4 ▲ 31.2 4.5
6 大沼 慎 ▲ 12.5 18.7 ▲ 25.0 ▲ 30.3 30.8 ▲ 18.3
7 佐々木 啓文 ▲ 29.4 ▲ 77.5 9.7 ▲ 36.3 ▲ 59.1 ▲ 192.6
8 小山 幸廣 ▲ 71.2 18.8 ▲ 150.0 ▲ 27.0 ▲ 40.5 ▲ 269.9

第18期関西プロリーグ A・B・Cリーグ 第6節レポート

Aリーグ第6節:高谷圭一

関西リーグも早くも後半戦に突入の第6節目を迎えます
今回の組合せは以下のとおりとなります

1卓  辻本・宮田・坂本・藤川
2卓  勝間・高谷・佐々木・吉本
3卓  米川・横山・城・稲岡

1卓
坂本が今節絶好調で4連続トップで一気に降級危機を脱した。
対して藤川は絶不調で3ラスで大きくマイナスしてしまった。
辻本も宮田もマイナスで終える形となり、終わってみれば坂本の1人勝ちとなる。

2卓
1回戦(起家から吉本・佐々木・高谷・勝間)
開局早々親番の吉本が2,600オールをツモアガリ幸先の良いスタートを切る
東3局 親、高谷
中盤親の高谷にドラ含みの三色手のテンパイが入りヤミテンにかまえると西家吉本にも高め三色含みの本手が入り、こちらもヤミテンにかまえ、序盤から互いの本手がぶつかる展開になる

(高谷)
三万四万五万三索四索五索三筒四筒五筒六筒六筒白白  ドラ白

(吉本)
四万四万五万五万六万六万四索五索六索五筒六筒七筒七筒

結果、佐々木が吉本へ高め四筒の8,000点放銃となる。
その後、高谷が南場で吉本をかわしそのままトップ、浮きの2着に吉本、佐々木はラスとなる。

2回戦、
ここまで1人劣勢で迎えた親番勝間にチャンス手が入る。

南2局 親(勝間)
六万七万四索四索五索五索一筒一筒七筒七筒白白白  ドラ一筒

高谷が既に2フーローし三万六万のタンヤオのみテンパイをいれている状況化で、佐々木がドラの一筒を切り出す、そのドラに勝間が仕掛け打四索、さらに自力で五索を引き入れ五万八万のテンパイ。
これに高谷が八万をつかみ12,000点の手痛い放銃となる。

(勝間)
六万七万五索五索五索七筒七筒白白白  ポン一筒 上向き一筒 上向き一筒 上向き  ロン八万

この放銃での失点が最後まで尾を引きこの回高谷は1人沈みのラスとなった。
(対局結果)
吉本   +17.4P
佐々木  +10.3P
勝間   ▲5.6P
高谷   ▲22.1P

麻雀にたら、れば、はない。
今までであれば間違いなくリーチを打っていたのに打てなかった。
これをアガれば『原点復帰できる』、『ラス回避できる』っていうことから、これは絶対アガリたいっていう気持ちが自身の判断を鈍らせた。
リーチを打っていたからといってアガレてるとは限らない。
ただリーチを打っていたら、今のようなモヤモヤした気持ちにはなっていないはず、反面こういったいままでどおりの麻雀が打てなくなるような舞台で打てていることに嬉しさも感じる。

3卓
1回戦から稲岡が55,000点越えのトップをとり幸先のいいスタート。
対して、ここまでトータルポイント首位の城と2位米川がマイナススタートとなる。

稲岡としても決定戦向けてこの2名をマイナスにできたことは大きい。
続く2回戦は横山がトップ、城は1回戦に続き2連続ラスとなる。
3回戦4者僅差ながら稲岡が1人浮きのトップをとり太閤戦決定戦に向けて大きく前進。
城はこの回もマイナスとなり暗雲が立ち込める。

4回戦(起家から米川、横山、稲岡、城)
東4局親番の城は積極的な仕掛けで主導権を握り、連荘に成功し40,000点超え。
しかし、3本場でここまで沈黙していた横山が以下の牌姿で城の仕掛けにリーチで応戦する。

五万六万四索五索六索二筒二筒三筒三筒三筒四筒五筒六筒  ドラ六筒

数巡後、高め四万の跳満を力強くツモ。一気に原点超えに成功。
同時にトップ目の城に親かぶりさせたことも大きい。

南3局、親番稲岡が反撃していく。
まずは城から3,900は4,500をでアガリ、続く局も米川から3,900は4,800をでアガリ、一気にたたみかけるかと思われたが、

南3局 4本場 親(稲岡)
原点割れし後がなくなった城が以下牌姿でリーチをかける。

一万六万六万八万八万九万九万四索四索六索六索九筒九筒  ドラ六万

次巡に一万をツモりあげ一気に原点復帰すると、南4局自身の親番で連荘をし、一気に持ち点を60,000点オーバーとする。
迎えた3本場の城の牌姿が以下のような形となる。

南4局 三本場 親(城) ドラ三索

四万四万四万五万七万八万九万八筒西西西白白

ここで横山から初牌の白が打ち出されるが、城はこれをスルーし次巡六万を引き入れ四万七万白の変則3面待ちのテンパイをいれヤミテンにかまえる。
次巡、横山の仕掛けもあり真っ向勝負のリーチを打ってでるが、同じくヤミテンに構えていた米川がアガリ対局終了となる。
4回戦目の親番での城の粘り強さが光った半荘で、積極的な仕掛けで他の3者を翻弄した打ち筋は、見事だと思いました。
最後の局においてもこれまでの打ち筋を見ていると、白を仕掛けテンパイをいれるかと思いきや、自分に流れがきていると思うと重厚な打ち筋に変化できるところは引き出しの多さを感じさせられました。
この節の結果を受けて城以外の上位陣が総崩れし、2位以下が混戦状態になっています。
次節以降も波乱の展開が巻き起こるのか乞うご期待

 

 

Bリーグ第6節:丸山直

1卓は中川の1,000、2卓は山中の5,800、4卓は大橋の1人ノーテンで始まった。

1卓(仁科・中川・福原・辻井)
続く東2局、中川が親番で南北を仕掛けていくが、終盤仁科が東単騎をツモアガリ500・1,000で流す。東場はこのような軽いアガリで進むが、南場に入ると一変します。
南1局、中川が9巡目にリーチ。
捨牌
東九万 上向き二筒 上向き白南八索 上向き
五索 上向き八万 上向き八万 左向き

親仁科は無筋を2枚押しての追いかけリーチ。

一索一索二索三索四索四索四索六索七索八索四筒五筒六筒  ツモ一索  ドラ一索

この4,000オール。1本場でも1,000オールで加点しリードを広げる。

南1局2本場 ドラ九万
辻井の手が早い。1巡目に

七万八万九万三索四索四索四索五索五筒五筒七筒七筒北

この形になると、次巡五筒を引き入れテンパイ。だがこれは罠だったのかもしれない。手が変わらず、8巡目にツモ切った五万が福原の大物手に捕まる。

五万五万九万九万九万九索九索九索四筒四筒東東東  ロン五万

辻井はその後700・1,300、500・1,000と失点を取り戻すが、オーラス

一万二万三万五万五万六万七万七万八万八万九万西西

リーチの中川に一発で西を放銃してしまい痛恨の1人沈みとなってしまう。
4回戦にも

七万七万九万九万  ポン五万 上向き五万 上向き五万 上向き  ポン発発発  ポン南南南  ロン七万

これに放銃してしまった辻井は4戦トータル▲90.0。辛い1日となってしまった。逆に大きな手を何度も決めた福原は+76.4Pとしプラス域に。

2卓(山中・山室・長尾・筒井)
この卓も山室が1人厳しい結果になってしまう。
2回戦、4人ノーテン、4人ノーテン、山中の1人テンパイと3連続流局で、東4局3本場。山中が11巡目にツモ切り先制リーチをかけると、13巡目、親の長尾がドラの六索を切り追いかける。山室も一筒待ちの七対子テンパイを果たし、山中から一筒が切られロンと発声するがアガリは長尾。

四万五万五万六万六万七万二筒三筒四筒四筒五筒五筒五筒  ロン一筒

何の因果か、七対子をアガれなかった山室は次局、筒井の七対子に放銃。なにかが崩れたか、罰符収入はあったものの、ここから5,200、6,400と連続で放銃し、迎えた南3局でどぎつい一撃が。
9巡目に切った1枚切れの九筒

一万九万九万一索九索一筒東南西北白発中  ロン九筒

親の筒井に48,000を打ち上げてしまう。
3回戦こそトップをとったものの4戦で▲86.4で最下位に沈んでしまった。

4卓(川上・音羽・貫上)
3回戦 南2局1本場
配牌で南とドラの中がトイツとものにしたい親の音羽。7巡目に七万、9巡目に八索を持ってくる。11巡目に四筒をチーしテンパイ。

七万七万七万八索八索八索南南中中  チー四筒 左向き三筒 上向き五筒 上向き  ドラ中

2巡後、貫上から高めの中をアガリ12,000。
2、3、4回戦と3連勝の音羽は+46.1P。大橋が全浮きの+48.3Pとなった。
Bリーグもますますヒートアップしてきた。これからの攻防が面白くなりそう。

 

 

C1リーグ後期1節 管東優太
今期C1リーグのレポートを書かせていただきます、管東優太と申します。よろしくお願いします。
C1リーグでは後期第1節ということで、スタートダッシュを決めたい者、いつも通り平常心で臨む者等、様々な思いが入り混じるリーグ戦となりました。

2卓は、原田・吉田・山神・北村・桑田の5名での戦いとなりました。
3回戦を終え山神が+70.3Pと独走状態となり、他者もなんとか食い下がろうとするものの、そのまま逃げきられ+82.6Pを献上する形となりました。

2卓4回戦(吉田哲・北村・原田・桑田)
東1局 親番 (吉田) ドラ二索
2着で山神を追いかける桑田にここで手が入る。
9巡目に桑田がリーチをかける。

四万四万八万八万八万二索三索四索四索四索七索七索七索  ドラ二索

この牌姿で11巡目に高めとなる四万をツモり12,000点を加点。
さらに東2局2本場では、11巡目に北村が親リーチをかけるも、桑田に追っかけリーチを打たれ、リーチ、ピンフ、一気通貫の7,700は8,300の放銃。
これが決め手となり、この半荘桑田がトップで終了。しかし絶好調の山神も終盤に追い上げを見せ2着と、この日100%連対で卓内トップを勝ち取りました。
2卓では山神の1人舞台となった模様で、他の卓の者にとっても痛い大トップとなりました。このポイントが今後の戦いにおいてどう影響するのか。まだ始まったばかりのC1リーグですが、勝負の行方から目が離せなくなりました。

 

 

C2リーグ

C2は新人の紹介をしています。
以下の項目書いてもらいました。

①氏名  ②年齢  ③期
④好きな役  ⑤好きな雀士
⑥プロになろうと思ったきっかけ
⑦麻雀に思うこと、リーグに参加して感じたこと、これからどうなれば良いかなど自由に書いて下さい

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① 山本琢慎
② 32歳
③ 35期
④ タンヤオ三色ドラ1
⑤ 藤崎智 山中翼
⑥ フリー麻雀に行くようになって強い人がたくさんいたため
⑦ 考えられることも増えていくにつれて、新たな発見があり、今までこんなことも考えられていなかったのかと痛感しています。日々、勉強します。

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① 佐藤伶太 (さとうれいた)
② 20歳
③ 35期
④ 立直、一発、面前清自摸和
⑤ 白鳥翔、多井隆晴、山中翼
⑥ 麻雀を通して社会に出る足がかりにできると思ったから
競技としての麻雀をプロとして体験してみたかったから
⑦ 麻雀は人生で一番好きなもの。理不尽で、報われないことの方が多いから、巧くしたいと思えるし、うまくいった時の喜びは何にも代え難い。
リーグ戦が一番麻雀と向き合うことができると感じた。
麻雀を通して、色々なものと向き合うことができる。
見落とすことが無いようにするために、一半荘を丁寧に打つことができるようになった。
まずは自分の麻雀を、自分の力で打てるようになりたい。そして出来上がった麻雀を、できるだけ多くの人に見てもらいたい。見てくれた人に、何かを感じてもらえる麻雀を目指していく。

麻雀日本シリーズ2019 第4節レポート 白鳥 翔

100

 

 

いよいよ佳境の第4節、この第4節が終わると選手が各自5戦ずつの消化となる。
第4節の初戦、16回戦ではここまでまだ2試合しか消化していなかったダンプの登場。ダンプはここから3戦連続での出場となる為気合いが入るところ。
しかし、佐々木の持ち前の攻撃力が光り、16回戦は佐々木のトップ。ダンプはラスという結果に。
続く17回戦は小林のトップ。そして、18回戦、

萩原 18,200
金 27,600
前原 44,800
ダンプ29,400

という持ち点で南4局を迎え、ドラは中。ここで事件が。
前原の手が進み8巡目に南を打つと萩原の手が開かれる。

二万三万四万五万六万七万南南北北中中中  ロン南

トップ目前原から倍満の直撃を取り、ラス目からトップに。配牌からドラの中が3枚あるにも関わらず、他の色の中張牌を打ち出して一気にホンイツに向かった萩原を褒めるべきだろう。
打った前原もこれには呆然。まさか横移動で自分がラスになると思っていなかったであろう金にとってもこれは痛かった。

19回戦、ここまでトータルポイント▲89.2Pの谷井。敗退を免れる為には2連勝が絶対条件。しかも大きめのトップを取っておきたいところ。
この半荘、谷井今までの鬱憤を晴らすかの様な怒涛のアガリラッシュ。半荘終了時の持ち点は・・・・・・95,200点!!!!!!ええ!!!!?
これで谷井のトータルポイントは▲14.7Pに。予選最終戦小さい3着でもおそらく予選敗退はないだろうという位置まで一気に上ってきた。

この半荘だけでも何が起こったか気になる方は多いと思うので、是非FRESH LIVEの日本プロ麻雀連盟チャンネルに登録して観てみてください!

FRESH LIVE 日本プロ麻雀連盟チャンネルはこちら

次回は敗退者が決まる第5節。お見逃しなく!

【システム】
■16人で一次予選全24回戦(各自6回戦)を行い下位4名が敗退
■12人でポイントを持ち越し二次予選全6回戦(各自2回戦)を行い下位4名が敗退
■8人でポイントを持ち越しプレーオフ全4回戦(各自2回戦)を行い上位4名が決勝進出
■ポイントをリセットし決勝4回戦

【ルール】
30,000点持ち30,000点返し
順位点5,000-15,000
一発・裏ドラあり
その他WRCルールに準ずる

 

一次予選

順位 名前 1回戦 2回戦 3回戦 4回戦 5回戦 6回戦 合計
1 近藤誠一 52.3 18.6 ▲ 2.6 40.8 10.0 119.1
2 多井隆晴 33.1 ▲ 7.6 7.4 31.3 15.3 79.5
3 沢崎誠 41.4 10.1 27.1 ▲ 11.6 4.6 71.6
4 佐々木寿人 25.2 ▲ 22.1 6.4 35.0 8.8 53.3
5 小林剛 ▲ 34.0 ▲ 10.3 64.6 ▲ 6.7 24.3 37.9
6 内川幸太郎 ▲ 17.8 25.4 ▲ 0.4 28.2 ▲ 4.6 30.8
7 萩原聖人 ▲ 25.2 ▲ 18.4 50.6 19.2 ▲ 8.3 17.9
8 中嶋和正 ▲ 2.1 27.5 ▲ 1.6 ▲ 40.3 9.6 ▲ 6.9
9 谷井茂文 12.6 ▲ 40.6 ▲ 24.1 ▲ 44.8 82.2 ▲ 14.7
10 金太賢 ▲ 4.4 15.2 ▲ 32.1 22.2 ▲ 17.4 ▲ 16.5
11 武則輝海 ▲ 12.9 ▲ 27.6 8.7 ▲ 28.0 30.4 ▲ 29.4
12 魚谷侑未 ▲ 13.6 ▲ 11.6 30.2 ▲ 10.9 ▲ 28.0 ▲ 33.9
13 ダンプ大橋 14.0 ▲ 16.9 ▲ 33.8 ▲ 5.0 4.4 ▲ 37.3
14 藤田晋 ▲ 26.4 ▲ 6.0 13.2 ▲ 31.3 5.1 ▲ 45.4
15 吉田直 5.1 ▲ 29.1 ▲ 37.9 ▲ 5.8 ▲ 37.4 ▲ 105.1
16 前原雄大 16.7 ▲ 37.2 ▲ 34.2 ▲ 6.2 ▲ 63.0 ▲ 123.9

第151回:中級講座『二の矢を放て』 森下 剛任

半年に渡って担当させて頂きました中級講座ですが、今回で最終稿となります。
最終稿は『二の矢を放て』という内容で、麻雀を打つ(対局を行う)上で私が大切に思っている事の一つを紹介します。

何度も言いますが、麻雀は4人で戦う対戦ゲームです。
人と人とが戦うゲームですので、その日のツキや実力はもちろん、そこには焦りなどの感情も生まれますし、調子が良い人・悪い人、リーグ戦でいえばポイントがプラスの人・マイナスの人、対局者の状況は千変万化です。
麻雀を打つ上で、人によっては調子の良し悪しで戦い方を変える人もいるでしょうし、単純に手牌の効率・自分と相手の持ち点の状況や残り局数などデジタルな情報を基に戦う人もいるでしょう。

戦い方について私が大事に思うことは、見える部分での的確な状況判断と、見えない部分に対してどれだけ深く考えるか、さらにそのバランスのとり方だと思います。
囲碁や将棋のように盤面だけを見て勝負するゲームであれば、熟練者より若い人の方が体力面は当然の事、記憶力・判断力・思考の瞬発力など思考面でも有利であると思います。

しかし、いまの麻雀界を振り返ると果たしてそうなっているでしょうか。
熟練者が優れている点としては、なんといっても経験値・経験則でしょう。
盤面や自分の手牌といった目に見えている部分だけで麻雀を打つのではなく、目に見えない部分をどのように推理・予測して戦うか。これこそ、経験則が物を言います。

さらには、「自分の手牌は待ちが悪い(もしくは、打点が低い)が、この局面ならリーチを打てば相手が反撃し辛い状況だから、リーチだ」など、目に見えない相手の心理面を突いた攻めなどは熟練者の業といえるでしょう。

戦い方について別の側面から考えた場合、人にはそれぞれの考え方・価値観・性格があり、それに沿った形での成功の仕方・失敗の仕方があります。
極力、安全牌1枚は手の内に確保して麻雀を打つ慎重なタイプ、ドラや役牌を積極的に切り出したり、相手のリーチに対して無筋を数枚は打ち出していく大胆なタイプ、ルールや対戦相手に応じて打ち方を変える事のできる器用なタイプ、一つの打ち方を愚直に進める不器用なタイプなど、打ち手のタイプは様々です。

性格などの違いも加味すると、麻雀においての勝ちパターン・負けパターンは打ち手によって千差万別です。そのため、まずは自分自身を知ることが大事だと思います。

自分は何が得意で、何が不得意か。
自分は何が好きで、何が嫌いか。
自分は何が強み(ストロングポイント)で、何が弱み(ウィークポイント)か。

自分がしたい麻雀と、自分に合った麻雀が異なっていることもあります。
まずは、たくさん麻雀を打ち、試合に出場し自分自身を分析してみましょう。

自分の手牌や捨て牌、相手の捨て牌など目に見える部分を基に状況判断が出来るようになったのなら、次は対戦相手のその場の状況や心理状態などの目に見えない部分を深く考えてみましょう。

「彼を知り己を知れば百戦殆からず」

時に理不尽な出来事も起こりうるのが麻雀ですが、故事にあるように相手の実情までも熟知できれば勝てる場面・局面も増えると思います。

前置きが長くなってしまいましたが、これらを踏まえて『二の矢を放て』について紹介したいと思います。

イメージはリードがあるうちにしっかりと勝負するといった感覚でしょうか。
例えば、開局に2,000・4,000をアガっても、そのアガリだけでは決定打にはならない事が多いです。
このリードを軽いアガリで局を流すのではなく、更なる加点を目指して本手をぶつける事が二の矢という事になります。

リーグ戦の昇級ボーダーは100ポイント前後になることが多いです。
半年のリーグ戦では20半荘で結果を残さないといけません。

1半荘あたりアベレージ+5ポイントが必要です。
毎回30,000点を維持すればいけそうな数字ですが、簡単な事ではありません。

公式ルールは原点や着順も大事ですが、一番大事なのは素点だと私は思っています。
一の矢が成功したら二の矢、二の矢が成功すれば三の矢と、調子がいい時に得点を伸ばし不調の時は失点を減らす事が昇級や降級しない為に必要な事だと思います。

よく見かけられるのは、不調の時に着順を上げようと無理をし、さらに失点をするケースです。
私自身もこのケースでよく失敗経験がありますが、公式ルールは着順が大事なルールではないので、不調の時に無理しない事が結果的に良いケースが多いです。

仮に、不調時に何かアクションを起こしたいときは、親番でする事をお勧めします。

『二の矢を放て』ということは一の矢は成功したということなので、調子は悪くはなさそうです。

できることなら東場のうちに二の矢を放ちたいところです。
理由はとしては…

・東場で大きく抜け出すと他家の目標が2着狙いになりやすく、南場に入ってからも大きく加点できるチャンスが増えるため。
・南場に入ってからだと勝負に対するリスクが高くなるため。

今回は二の矢のケースですが、調子が悪い時や、状況を打破したい時に南場よりも東場での挑戦をお勧めします。

最後に、場況や自分の手牌といった目に見えている部分はしっかり学び、目に見えない部分をどのように考え、見えている部分との、バランスのとりかたが大事だと思います。
押し引きを見極めその時々で柔軟に対応していかなければなりません。

忘れていけないのは、自分1人で麻雀をしているのではないということ。
自分のコンセプトはあると思います。ただ、堅くならずに柔らかく考えてみることも時には大切なことだと思います。

麻雀は勉強したからといってすぐ結果がついてくるゲームではありません。
結果が出なくてつらい時もありますが、経験を積み学び続けることが大切だと思います。

半年に渡って書かせていただいた中級講座も今回で終了です。拙い文章にお付き合いいただきありがとうございました。

第14期女流桜花 Bリーグ 最終節成績表

A C

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 川原 舞子(愛知) 36.4 49.9 ▲ 2.0 110.7 ▲ 37.5 157.5
2 白銀 紗希(青森) 47.3 3.6 41.1 38.6 ▲ 2.9 127.7
3 藤井すみれ(埼玉) 43.6 43.1 26.7 ▲ 11.3 18.6 120.7
4 安田麻里菜(秋田) ▲ 33.1 ▲ 8.0 2.4 73.3 63.0 97.6
5 波奈 美里(宮城) 11.6 43.4 24.3 ▲ 42.3 53.4 90.4
6 井上 絵美子(東京) 1.7 ▲ 16.5 37.1 45.1 ▲ 14.7 52.7
7 早川 林香(宮城) ▲ 38.2 10.6 35.3 25.2 15.5 48.4
8 小島 優(愛知) ▲ 34.6 32.8 23.9 27.6 ▲ 12.1 37.6
9 北野 由実(東京) ▲ 30.8 ▲ 29.2 17.7 26.6 37.2 21.5
10 童瞳(上海) 14.7 ▲ 9.8 ▲ 19.6 ▲ 32.5 65.0 17.8
11 中川 由佳梨(大阪) ▲ 0.6 ▲ 4.1 ▲ 1.8 ▲ 35.9 44.1 1.7
12 和久津 晶(東京) 14.2 ▲ 61.8 22.0 36.3 ▲ 19.4 ▲ 8.7
13 高田 麻衣子(石川) 8.0 15.8 ▲ 41.3 ▲ 21.6 28.9 ▲ 10.2
14 優木 美智(福岡) 35.0 ▲ 32.8 ▲ 20.5 60.6 ▲ 53.1 ▲ 10.8
15 王 政芳(中国・ハルピン) 20.2 17.9 39.1 ▲ 104.8 ▲ 6.2 ▲ 33.8
16 蒼井 ゆりか(静岡) ▲ 10.8 12.8 3.0 ▲ 22.7 ▲ 30.2 ▲ 47.9
17 高宮 まり(茨城) 12.7 19.2 ▲ 18.7 ▲ 16.9 ▲ 50.0 ▲ 53.7
18 平岡 理恵(静岡) ▲ 57.6 ▲ 7.2 ▲ 39.5 21.9 24.0 ▲ 58.4
19 西嶋 ゆかり(群馬) ▲ 18.2 ▲ 36.0 29.8 ▲ 0.9 ▲ 36.5 ▲ 61.8
20 松本 千鶴(北海道) 51.3 ▲ 31.3 ▲ 83.5 ▲ 2.6 3.8 ▲ 62.3
21 長内 真実(北海道) ▲ 23.8 ▲ 27.9 ▲ 32.0 ▲ 9.1 28.7 ▲ 64.1
22 大久保 朋美(福井) ▲ 7.4 2.1 ▲ 20.6 ▲ 61.3 0.9 ▲ 86.3
23 京平 遥(静岡) ▲ 23.1 ▲ 7.3 ▲ 3.4 ▲ 28.9 ▲ 31.6 ▲ 94.3
24 石川 詩万(神奈川) 0.4 ▲ 3.9 ▲ 37.9 ▲ 37.8 ▲ 26.5 ▲ 105.7
25 菅原 千瑛(埼玉) ▲ 19.9 22.6 ▲ 8.6 ▲ 39.3 ▲ 64.4 ▲ 109.6

第14期女流桜花 Cリーグ 最終節成績表

A B

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 鈴木 彩夏(東京) ▲ 6.9 58.8 66.8 38.1 9.0 165.8
2 北條 恵美(アメリカ・ニューヨーク) 78.8 ▲ 19.4 62.6 ▲ 18.9 53.6 156.7
3 渋谷 菜瑠美(栃木) ▲ 39.2 25.8 47.4 57.4 60.6 152.0
4 土田 さおり(兵庫) 38.4 9.1 37.4 ▲ 13.3 68.4 140.0
5 一瀬 由梨(鳥取) 0.0 32.6 48.3 45.6 7.3 133.8
6 渡辺 明日華(栃木) 4.9 17.5 6.6 35.9 58.7 123.6
7 長井 梨世(千葉) 34.6 ▲ 16.0 43.9 51.1 0.0 113.6
8 西城 凛(東京) 14.8 ▲ 4.6 34.0 12.1 46.4 102.7
9 室伏 理麻(東京) ▲ 16.0 43.5 ▲ 15.4 ▲ 12.1 82.4 82.4
10 楠原 遊(東京) ▲ 64.1 85.9 62.1 ▲ 1.7 ▲ 2.8 79.4
11 宮内 こずえ(愛媛) 16.8 27.2 10.8 32.4 ▲ 8.1 79.1
12 大野 彩乃(東京) 62.2 17.9 ▲ 23.3 48.0 ▲ 30.9 73.9
13 桜川 姫子(静岡) 14.8 76.0 ▲ 15.6 ▲ 29.5 10.0 55.7
14 美晤(韓国・ソウル) ▲ 9.7 24.7 ▲ 3.3 5.5 33.8 51.0
15 日高 志穂(神奈川) 1.0 22.8 16.9 ▲ 20.8 26.7 46.6
16 古川 彩乃(東京) ▲ 36.2 ▲ 25.4 16.3 78.5 12.4 45.6
17 吉田 彩乃(福岡) 4.9 ▲ 11.0 37.4 86.6 ▲ 74.2 43.7
18 藤根 梨沙(奈良) ▲ 23.2 51.8 13.0 ▲ 12.3 8.1 37.4
19 松田 彩花(東京) 41.1 ▲ 35.8 ▲ 20.3 27.3 10.0 22.3
20 東城 りお(秋田) 11.4 ▲ 34.4 16.7 12.3 16.3 22.3
21 安部 久美子(福岡) 51.0 ▲ 11.1 ▲ 19.4 30.8 ▲ 29.0 22.3
22 ジェン(アメリカ・シアトル) 29.0 80.2 ▲ 40.3 ▲ 32.2 ▲ 18.3 18.4
23 天音 まこと(三重) 63.0 ▲ 38.7 ▲ 31.1 ▲ 13.2 35.1 15.1
24 伊達 朱里紗(兵庫) 12.7 44.5 ▲ 44.6 ▲ 36.4 35.6 11.8
25 咲良 美緒(東京) ▲ 34.9 123.9 11.3 ▲ 56.6 ▲ 38.5 5.2
26 安城 るい(石川) 18.7 ▲ 44.4 19.0 ▲ 36.3 45.8 2.8
27 内山 えみ(東京) 19.7 2.5 ▲ 50.1 41.2 ▲ 15.2 ▲ 1.9
28 大亀 あすか(広島) 2.3 28.7 ▲ 0.8 ▲ 69.6 30.0 ▲ 9.4
29 内田 みこ(東京) ▲ 36.3 8.4 ▲ 1.5 25.2 ▲ 5.8 ▲ 10.0
30 大月 れみ(富山) 58.4 7.5 ▲ 49.2 ▲ 33.6 3.8 ▲ 13.1
31 柊木 かえで(埼玉) 58.5 ▲ 20.5 ▲ 42.0 ▲ 68.8 52.3 ▲ 20.5
32 吉田 祥子(北海道) 22.2 8.1 ▲ 43.1 ▲ 29.5 21.3 ▲ 21.0
33 優月 みか(埼玉) ▲ 47.8 39.1 ▲ 2.1 14.8 ▲ 27.8 ▲ 23.8
34 駒田 真子(神奈川) ▲ 37.0 11.9 31.6 ▲ 25.0 ▲ 10.5 ▲ 29.0
35 高橋 慧(奈良) ▲ 17.5 2.8 55.5 ▲ 20.8 ▲ 50.0 ▲ 30.0
36 犬飼 あやの(岩手) ▲ 21.9 37.8 46.5 ▲ 29.2 ▲ 65.2 ▲ 32.0
37 水越 京子(埼玉) 32.0 ▲ 49.8 70.3 ▲ 25.0 ▲ 60.6 ▲ 33.1
38 手塚 紗掬(北海道) ▲ 47.0 ▲ 32.3 ▲ 32.4 40.6 35.1 ▲ 36.0
39 音羽 なお(兵庫) ▲ 22.5 47.0 9.1 ▲ 7.7 ▲ 63.2 ▲ 37.3
40 夏目 翠(東京) 20.2 ▲ 38.4 7.7 ▲ 35.0 8.2 ▲ 37.3
41 岡田 紗佳(東京) 74.2 ▲ 47.9 ▲ 4.6 ▲ 42.1 ▲ 24.2 ▲ 44.6
42 山口 やよい(千葉) 43.4 ▲ 66.6 43.2 ▲ 65.3 ▲ 4.2 ▲ 49.5
43 高橋 侑希(岐阜) ▲ 67.7 4.8 ▲ 44.0 25.2 26.5 ▲ 55.2
44 青山 めぐみ(千葉) ▲ 61.6 29.1 ▲ 31.0 9.8 ▲ 14.2 ▲ 67.9
45 小笠原 奈央(千葉) ▲ 38.8 ▲ 35.9 ▲ 4.2 ▲ 13.9 24.4 ▲ 68.4
46 片倉 まち(神奈川) ▲ 13.4 ▲ 36.0 ▲ 0.5 17.4 ▲ 37.4 ▲ 69.9
47 杉浦 まゆ(東京) ▲ 17.9 ▲ 54.2 ▲ 67.3 ▲ 10.9 66.3 ▲ 84.0
48 桜木 里咲(埼玉) 57.9 ▲ 33.8 ▲ 57.6 ▲ 9.4 ▲ 46.7 ▲ 89.6
49 襟川 麻衣子(埼玉) ▲ 46.8 ▲ 55.8 ▲ 2.3 11.8 ▲ 18.7 ▲ 111.8
50 くさの いおり(茨城) ▲ 19.8 ▲ 100.7 ▲ 9.5 52.5 ▲ 38.4 ▲ 115.9
51 蒼木 翔子(東京) 8.5 21.5 ▲ 43.7 ▲ 61.6 ▲ 49.5 ▲ 124.8
52 後藤 咲(愛知) ▲ 27.1 ▲ 66.9 ▲ 46.6 15.4 ▲ 60.3 ▲ 185.5
53 河野 みのり(福岡) ▲ 16.6 ▲ 79.0 ▲ 18.8 ▲ 18.5 ▲ 109.5 ▲ 242.4
54 齋藤 麻衣子(福井) ▲ 129.5 ▲ 55.8 ▲ 50.8 6.7 ▲ 57.9 ▲ 287.3

第197回:第1期小島武夫杯帝王戦優勝特別インタビュー 藤原 隆弘  インタビュアー:吉田 直

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“天国の小島先生に捧げる藤原隆弘涙の載冠”

こんな風に麻雀新聞に載るなんて本当にカッコよくて羨ましい。

私はというと、最終戦ラスを引かなければベスト16に残れる所で痛恨のラスを引いてしまい、残念ながら次の日は解説になった(涙)
準決勝の解説が終わり、決勝1回戦は携帯を見ながら家に向かい、最終戦は家のパソコンで見ていた。
最終戦のオーラス、藤原さんがテンパイして残り1枚しかない七筒が手元に舞い降りた瞬間、本当に嬉しくて当然の様に泣いていた(笑)

その翌日、夏目坂スタジオに行く用事があったので、編集担当者に帝王戦のインタビューって決まっていますか?と尋ねると、まだだよと言われ、是非やらせて下さいとお願いした。

連盟に出戻る前から大変お世話になっていて、ずっと藤原さんの麻雀を見てきた。だからどうしても書きたかった。
しかし、元々文章は得意ではないので、拙い文章になると思うがご了承願いたい。

吉田「わらさん(藤原プロ)インタビュー自分が書くのでいつ空いてますか?」

藤原「◯日の運営終わった後とかどう?」

吉田「自分はその日試合終わりなら行けるので、時間的にちょうどいいですね。」

藤原「じゃあその日、食事でもしながら話そう。」

当日待ち合わせ場所に着き、運営が終わった藤原さんと合流してお店に入る。
まずは藤原さんの大好きなビールを頼み乾杯。

 

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吉田「わらさん帝王戦優勝おめでとうございます(涙)」

藤原「ありがとう」

吉田「オーラス七筒ツモった瞬間、自分が優勝した時と同じくらい嬉しくて勝手に泣いてました。」

藤原「俺だってタダシが鳳凰戦で優勝した時、家族でファミレスでご飯食べてて携帯見ながら泣いちゃったよ(笑)」

吉田「ありがとうござます(涙)。本当にわらさんが優勝して良かったです。」

藤原「俺もチャンピオンズリーグしか勝てないと思ってたから本当に嬉しいよ。それに初代は気持ちいいよなぁ。」

吉田「確かに初代は本当羨ましいです(涙)。」

チャンピオンズリーグしかって言うけど、第8期、第16期、第24期って3回も優勝してるのは凄いよなぁ。ただこの人はオリンピック選手かとも思った(笑)
※チャンピオンズリーグ(現WRC)は半年に1回開催

とりあえずわらさんが酔っ払う前にインタビューしなければ

吉田「予選はどんな感じだったんですか?」

藤原「2回終わって2着1着でそこからずっと16位のボーダー付近。それで最終戦2着条件で誠さん(沢崎プロ)と瑠美ちゃん(二階堂瑠美プロ)と一般の人とやったんだけど、東1局からいきなり瑠美ちゃんが大三元ツモるんだよ(汗)」

吉田「えー!(◎_◎;)ヤバイじゃないですか?」

藤原「でも親じゃないから8,000点払っただけだし、2着になればいいからね」

吉田「自分だったらめちゃくちゃ焦りそうです」

藤原「ただこの後、誠さんが8,000点アガった時は流石にヤバイかなとは思ったけど(笑)」

吉田「相手が相手なだけに相当キツイですね」

藤原「そしたら親で9,600アガってその後、誠さんからリーチが来てそこが勝負局だった」

吉田「ほー。」

藤原「誠さんからリーチ来た時にダブ東ホンイツ三暗刻の一万四万のノベタンでテンパイしてるんだよ。だから一発でドラの七筒押して、そこから3枚ぐらい無筋切ったかなぁ。」

吉田「わらさんがそんだけ押してたら尋常じゃないなって周りも思いますね(笑)」

藤原「瑠美ちゃんも完全にオリてたね。それで一万をツモって8,000オール。」

吉田「それで通過が決まったんですね。」

藤原「小島先生が入れてくれた9,600と8,000オールかなって思って終わった後は気分が高揚してたね。」

吉田「やっぱり天国にいる小島先生はわらさんの事見てくれてるんですね(涙)。ただ予選も凄かったと思うのですが、自分が解説していた準決勝のオーラスが凄すぎて、
自分には一生かかっても真似出来ないなって思いました。」

藤原「まぁ確かにあれが優勝に繋がったよね」

 

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吉田「条件としては、6,400直撃か跳満ツモでしたが、ドラ単騎になった場合、ツモったら最悪だから普通リーチすると思うのですが、何故ヤミテンだったんですか?」

藤原「多分ほとんどの人がリーチでしょ。そっちの方がマジョリティ。ただ俺はヤミテンの方が6:4で得だと思った。」

吉田「えー!全然わかりません。」

藤原「親が切った西を誰もあわせなかったから山に2枚あるのは確信。ただ不安なのは、山に2枚あるからツモると困るんだよなぁ。」

吉田「じゃあやっぱりヤミテン駄目じゃないですかー。」

藤原「本当引退覚悟のヤミテンだよ(笑)。まぁツモった時は何か落として単騎で回して行こうと思ってたし、親がドラを切って来る以上、好形1シャンテンだろうからもう1局あるからね。」

確かに親と2人テンパイだと、次局は満貫ツモ条件になるし、ドラをツモってもいい単騎待ちなら直撃もある。
その前にドラが打たれる事もあると考えると、ヤミテンが本当にいいような気がしてきた。それを瞬時に判断するなんて流石“緻密な仕事師”。

吉田「自分がしーらさんの立場だと、ドラの西単騎ならリーチを打ってくると思って切っちゃいそうです。」

藤原「本当に直撃出来たのは上手く行き過ぎたけど、ああいう時にツモった記憶がないんだよ(笑)。だから俺のツモ山にはいないと思った。」

常に守備型というかネガティヴ思考の藤原さんだから出来たヤミテンなんだなぁ

吉田 「決勝で焦った所とかありました?」

藤原「決勝は伸び伸び楽しんで打とうと思ったんだよ。特に荒さんと決勝で打つことが出来るから。」

吉田「やっぱり藤原さんでも荒さんと決勝が打てるって嬉しいんですね」

藤原「荒さんとは、もう何年も前の十段戦で戦った以来だし、ずっと荒さんの背中を追っかけて来たから、決勝で打てるのは本当に楽しみだよね」

自分も藤原さんの背中を追っかけて来たから気持ちは凄くわかります(涙)
ちなみに、わらさんが十段戦で荒さんと戦ったのは、自分が入って来た23期ですよ。あの頃のわらさん本当カッコ良かったんだけどなぁ笑

藤原「荒さんが1回戦で4,000オールツモった時は、小島先生は荒さん選んだのかなぁって思ったよ(笑)。」

吉田「随分早いですね(笑)。ただ荒さんはそこから失速したんですよね。」

藤原「そうなんだよ。親の斉藤さんにリーチ負けして、ウラドラ2枚の親満打ったからビックリしたよ。」

吉田「勢い的には荒さん勝ちそうですもんね。ただ今回の決勝に残った斉藤さんも五月女さんも、準決勝から見ててめちゃくちゃ強いと思ったんですけど。」

藤原「斎藤さんは、以前連盟に居たので顔は見覚えあったけど麻雀の印象は無かった。五月女さんも関西の方だから勿論初対面。2人共決勝の1回目を打ってみて、かなり実力があることはわかった。お陰で最終戦は気合が入ったし、2人共無茶な事はしない方だから、麻雀にも信頼ができるので、そうした意味では安心して闘えると思ったよ。」

吉田「やっぱりわらさんも評価が高かったんですね。決め手になったと思う局はありますか?」

藤原「南2局の4,000オールの時に勝てるかもって思ったよ。まぁラス前に再逆転されたけどね(笑)。」

 

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吉田「確かに南場の攻防は目が離せなくてドキドキしました。それでも最後にラス牌の七筒がわらさんの所に来てくれましたね。」

藤原「第1期だし連盟員が優勝しなきゃって思いが強かったから、最後ツモった時は本当に嬉しかったし小島先生ありがとうございますって思った。」

吉田「本当におめでとうございます(涙)。最後に今後の目標を教えて下さい。」

藤原「今後の目標は、第1期小島杯覇者として、このタイトル戦のグレードを上げて権威あるタイトル戦にしていくために、僕が頑張って行かなければならない自覚、責任感を持って麻雀プロとしての活動を続けていく!勿論これまで以上に強い気持ちでA1への復帰と最年長鳳凰位を狙います!」

吉田「絶対泣くと思うけど決定戦やりましょう(笑)。今日はありがとうございました。」

日本プロ麻雀連盟を作り、ここまで麻雀界を盛り上げ大きくしてくれた第一人者と言っても過言ではなく、皆に愛されカッコイイ麻雀を打ってきた「ミスター麻雀」小島武夫。
自分も勉強会で一緒に打たせてもらったり、後ろで見させていただき本当に憧れの存在であり、今でもその背中を追いかけている。
そんな偉大な小島先生だからこそ、「第1期小島武夫杯帝王戦」というタイトル戦が作られた。我々連盟員はこれからもこの日本プロ麻雀連盟を皆さんに愛される、素晴らしい団体にしていきたいと思っています。

小島先生、どうか心配なさらず天国から「ガハハ」と豪快に笑いながら見守っていて下さい。

 

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第1期小島武夫杯帝王戦 決勝観戦記 望月 雅継

決勝戦

五月女義彦(B卓勝ち上がり、予選2位、関西代表)
『先程の役満連続を見て、最後まで諦めずに戦いたいと思います。』

荒正義(A卓勝ち上がり、予選1位)
『かなり強い人ばかりなので頑張ります。危ない人ばっかりです(笑)』

藤原隆弘(C卓勝ち上がり、予選11位)
『この席に座れているだけで大分満足していますけど、(天国の小島先生に)ここまで来たらいい決勝戦だったねと言われるように、あと半荘2回頑張ります。』

斉藤健人(D卓勝ち上がり、北関東支部代表)
『先程対局が終わって、一番勢いがあるところだと思っているので、決勝戦も飛ばしていきたいと思います。』

『小島武夫杯帝王戦』もついに決勝戦。泣いても笑っても残り半荘2回で初代チャンピオンが決定する。
準決勝はオーラスに驚くほどのドラマが立て続けに起こる、まさにスリリングな試合展開。
内容を見比べてみても、誰が勝っても全くおかしくないようなゲーム内容と選手の実力だけに、かなりの白熱した試合展開が予想されるだろう。

勝ち上がったのはプロ2人、アマチュア選手2人。
アマチュア選手の勝ち上がりは、若者の良さを十分に発揮して勝ち上がった北関東代表の斉藤さんと、熟練の技を如何なく発揮した関西代表の五月女さん。
対するプロは、剛と柔を使い分けての貫禄の勝ち上がりの荒と、緻密な仕事師らしく針に糸を通すような際どい勝負を勝ち上がった藤原。小島武夫杯らしく、故小島武夫プロに縁の深い2人が勝ち上がった。
この日の試合展開を振り返ってみても、恐らく最後まで誰が勝つのか全く分からないような試合展開になることだろう。

局が大きく動き始めたのは東2局。
親番荒の7巡目、タンヤオのテンパイもヤミテンに。9巡目、絶好の五筒を引いてリーチに。

二万三万四万四索五索六索二筒三筒三筒三筒四筒五筒六筒  リーチ  ツモ七筒  ドラ六筒  裏七万

当然のように七筒をツモって4,000オール。
小島武夫杯の初戴冠は俺だと言わんばかりの貫禄のアガリで堂々とトップに躍り出た。

しかし周りも黙っていない。
東2局1本場、荒の連続攻撃。1回戦からエンジン全開。トップを不動のものにすべく12巡目リーチ。

二万三万四万七索八索九索二筒三筒四筒五筒六筒東東  リーチ  ドラ発

このリーチを受け、丁寧に対応したのは五月女さん。テンパイを拒否し、中の暗刻落としを挟んで、ドラを重ねて最後はフリテンのツモアガリ。

四万四万五万五万六万二索三索四索五筒六筒七筒発発  ツモ三万

貴重な1,000・2,000のツモアガリ。これで五月女さんは原点復帰で2着浮上。
短期決戦とはいえ、勝負はまだまだわからない。

五月女さんはさらに攻めたてる。東4局11巡目リーチを放つ。

一万一万一万四万五万六万八索八索八索一筒一筒四筒五筒  リーチ  ドラ三筒

このリーチに荒が襲いかかる。同巡、高目三色の3メンチャンリーチ。

二万三万四万二索三索四索五索六索七索八索二筒三筒四筒  リーチ

この2件リーチに、さらにかぶせるのが親番の斉藤さん。
12巡目リーチに踏み込む。

七万七万八万八万八万四索五索四筒五筒六筒六筒七筒八筒  リーチ  ロン三索  ドラ三筒  裏七万

この勝負を制したのは親の斉藤さん。
荒から三索を召し捕り、さらに裏ドラが七万。強烈な12,000で、ラスから一気にトップまで急浮上。準決勝D卓の勢いをそのまま継続させているようなアガリだ。

4人の牽制はまだまだ続く。
南1局4本場、五月女さん、11巡目一索チーで三色のテンパイ。

一万二万七万八万九万一筒二筒三筒七筒七筒  チー一索 左向き二索 上向き三索 上向き  ドラ九筒

藤原同巡七対子のテンパイ。

六万六万七万四索四索五索五索六索六索南南中中

13巡目には荒もテンパイと追いつく。

三万三万四万四万五万五万五筒五筒五筒六筒八筒白白

荒、テンパイ打牌が中
この中を藤原がポンして切り返す。七対子から五万八万に待ち変え。

局面が目まぐるしく揺れ動く。
五月女さんツモ七筒。これは荒のアタリ牌。場を一瞥すると打一万と、役無しになるが放銃回避。

それを確認した荒、ツモ切りリーチを敢行。そしてラス牌の七筒を引きアガる。

 

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荒は1,000・2,000のツモアガリ。供託のリーチ棒3,000と4本場を全て回収して2着に再浮上。勝負の行方は全くわからない。

荒に喰らいつくのは藤原。
南2局、まずは斉藤さんが6巡目、ドラの白切りで役無しテンパイ。

二索四索六索七索八索五筒五筒五筒七筒八筒九筒東東  ドラ白

9巡目、ラス牌の白を重ねた藤原がテンパイ。当然のヤミテンから次巡、同テンの三索をツモアガリ。

七万八万九万一索二索七索八索九索一筒二筒三筒白白

ツモ、チャンタ、ドラ2で2,000・4,000。荒を差し切り今度は藤原が2着浮上。
藤原は後述する。

「前局の南1局2本場に、自分が強く押せれば自身のアガリがあった…。アガリ逃しの次局だけに、ここは丁寧に進める局であった。」

と、繊細な打ち手だけに、局面や自身の心の移り変わりや揺れなどを敏感に察知し、それを打牌や押し引きに反映させていく藤原の麻雀。道中、抜群の押し引きに感じられたその打牌の裏側には、経験と実績に裏打ちされた緻密な判断があることを若手プロ達には感じ取ってほしいと思う。

さて、いきなりですが問題です。
南3局、五月女さん4巡目の手牌。

二万三万三万四万七万七万七万五索六索二筒二筒二筒三筒  ツモ二筒  ドラ中

リャンメンと3メンチャンの1シャンテンのこの形にツモ二筒
皆さんならどうしますか?

ソウズの縦引きのテンパイをも取りこぼさないように打三万が自然な一打。マンズの膨らみやイーペーコーを狙いたい人は二筒のツモ切りという方もいるはずだ。

しかし五月女さんは二筒を暗カン。
そしてリンシャンからツモ四索でテンパイ。さらにはカンドラがなんと七万。信じられないアクションとそれに応える結果の連続に、解説席も驚嘆の声を上げる。

 

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ツモ一万で少考。そしてドラ切りリーチへ。
そして五万を一発ツモ

一万二万三万三万四万七万七万四索五索六索  暗カン牌の背二筒 上向き二筒 上向き牌の背  リーチ  ドラ中七万  裏南発

この結果になる選手が果たしてどれだけいるだろうか。全てのアクションが連動した2,000・4,000。この手筋でないと、この巡目にはアガリ切ることが出来ない。
全ては結果である。しかし、勝つことにしか意味を持たない決勝戦の舞台で、このアイデアが浮かぶことがすごいことなのだし、そしてそれが結果に結びつけることがすごいことなのだ。

誤解の無いように補足しておくが、極めて常識的で数字に明るい打ち手であることは、対局を観戦していればすぐにわかること。その五月女さんが勝負とばかりにセオリーを無視し、効率を無視したアクションを起こし、結果を出すことが素晴らしいと思うのだ。

五月女さんはこのアガリでラスから一気に周りを振り切り斉藤さんと並び同点トップに。
さらに卓内は勝負の熱を帯びてきた。

そして迎えたオーラス。
五月女さんと斉藤さんは同点。このままで終わると順位点は2人で分け合う事になるが、最終戦の座順は規定により、斉藤さんが東家、五月女が北家になる。
オーラスに親番を迎える北家の方が有利に働く為、斉藤さんの立場ではここは是が非でもアガって単独トップで最終戦を迎えたいところだ。

五月女さん4巡目七対子テンパイ。待ちは西タンキ。

六万六万二索二索四索四索八索八索九索九索五筒五筒西  ドラ三筒

荒5巡目テンパイ。こちらはチャンタドラ1。待ちはペン七索
満貫ツモは単独トップ。斉藤さんか五月女さんからの出アガリは、放銃しない方との同点トップ。さらに藤原からの出アガリは、3人が同点で並ぶ事になる。
荒の選択はヤミテン。ツモった場合にのみトップに立つ道を選んだ。

対する五月女さんは7巡目、ドラをそっとツモ切る。あくまで西タンキで心中するようだ。

荒の七索と、五月女さんの西は共に山に3枚。
どちらもほぼ場に放たれる牌だけに、どちらが先に山にあるかが勝負となりそうだ。

五月女さんのドラ三筒
のツモ切りを見て、荒は8巡目リーチを選択。

一万二万三万八索九索一筒二筒三筒七筒八筒九筒中中  リーチ

すると同巡、斉藤さんのツモは五月女さんのアガリ牌西
この西を斉藤さんは止めて打八筒。見事に放銃回避。

さらに追いついたのは藤原。10巡目、二万五万待ちで覚悟を決めてリーチに打って出る。

三万四万四万五万六万七万八万九万四筒四筒北北北  リーチ

しかし…
勝ったのは五月女さん。力強く西を引き寄せツモ、七対子。800・1,600でトップを奪取。
決勝は半荘2回戦という短期決戦の中、価値あるトップを自らの手でもぎ取った

決勝1回戦終了
五月女+23.0P 斉藤+6.2P 藤原▲7.2P 荒▲22.0P

 

 

決勝2回戦

東1局から素晴らしい牌譜が残る1局が見られることとなる。
決勝1回戦はラスとなった荒、開局からドラ暗刻の勝負手。7巡目、藤原の切った二万にチーの声をかけてテンパイに。

二索三索一筒二筒三筒東東中中中  チー二万 左向き三万 上向き四万 上向き  ドラ中

このチーを受けた五月女さんの手は、

一万三万五万八万一索四索五索六索七索九索九索東東  ツモ七万

と、絶体絶命。孤立牌の一索は荒のロン牌。
フラットな状況なら当然打一索となるこの形から…五月女さんは一索を切らない。打五万と放銃回避。次巡ツモ二索とアタリ牌の一索がターツとなり、方針変更。12巡目に、

六万七万八万一索二索三索四索五索六索七索九索東東

一気通貫のテンパイに。
このテンパイがついた瞬間の親番斉藤さん、

二万三万四万五万六万六万二索四索八索二筒四筒七筒七筒  ツモ二筒

こちらも打八索となりそうなところだが…
六万と放銃回避。対局に入りきっているように感じるアマチュア選手の両者。そしてディフェンス力の高さ。

結果、荒が八索を掴み五月女さんへの2,600の放銃で決着。

よく考え直してみよう。
1回戦ラスの荒が、リャンメンチー。それも三万四万四万からの二万をチーなのだ。
これはもう、緊急事態であると。

A1リーグで荒と共に長く戦ってきた者ならば、荒のこのアクションに恐怖を感じるのは各者の共通見解であろう。荒がチーなのだからテンパイは明白。ドラの中が恐らく刻子である以上、荒の待ち取りは二万五万以上の待ちになっているはず。それならば…この一索は危険牌の1つであろう。

ここまでの推理はわかる。
しかし、それでも自分に甘え、欲に駆られて打一索としてしまうのが並の打ち手であろう。
結果的に五月女さんは一索を切らなかった。そして一索がアタリ牌であった。さらに八索でアガリ切った。これが五月女さんの力なのだ。補足しておくと、八索を切り出さなかった斉藤さんも同等の評価を受けるべき打ち手であると思う。

 

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この安定感とディフェンス力を見ると、五月女さんと斉藤さんのどちらかが大金星を挙げる可能性が高まったように思えた。そして、それがフロックではなく、ここまで勝ち上がってきた真の力であるという事の証明にもなるはずだと。

アマチュア選手2人のスーパープレーが、戦っている選手の目に映っていたかどうかは定かではない。しかし、このプレーが、明らかに1人の男の心に火をつけた。

 

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東2局、優勝する為には是が非でも落とせない藤原の親番。
9巡目、理想的なツモ発でのテンパイを果たしリーチに。

七万七万九万九万九万三索四索五索五筒六筒発発発  リーチ  ツモ四筒  ドラ四索  裏九万

予選道中、準決勝、そして決勝。
数々のスーパープレーを見せてきた藤原に、麻雀の神様が、いや、小島武夫が届けてくれた裏ドラ3枚のプレゼント。

「このアガリで、五月女さんとほぼ並びになったことはすぐにわかった。ツモって4,000オールでも嬉しいのに、普段乗らない裏ドラが3枚も乗ったという事は、何か見えない力が背中を押してくれているようにも感じたんだ。」

藤原はこのアガリで五月女さんを1.2Pかわしてトータルトップに躍り出た。
まだ先が長いとはいえ、この6,000オールには点棒以上の価値があったはずだ。

東3局2本場は藤原が斉藤さんに2,600の放銃。
東4局、斉藤さんが藤原に2,000の放銃。

重い空気の中、終局に向かって一歩ずつ近づいている。

南1局、最後の親番の斉藤さん、10巡目リーチに。

七万八万三索四索五索七索八索九索三筒四筒五筒発発  リーチ  ドラ三万

この親リーチに荒がかぶせる。12巡目、リーチを宣言。

一万二万三万四万五万六万二索三索四索六筒六筒七筒八筒  リーチ

五月女さんも追いつく。同巡、タンヤオイーペーコーのテンパイをヤミテンで押す。

二万三万四万五索六索六索六索七索五筒五筒六筒七筒七筒

この3者の争いは、親番の斉藤さんが粘りこむ。荒から九万で2,000の出アガリ。

何とか粘った斉藤さんであったが、続く南1局1本場、五月女さんは何と2巡目テンパイ。斉藤さんの親番を落としにリーチで攻め立てる。

四万五万六万七万八万九万五索五索五索六索九索九索九索  リーチ

あっさりと五月女さんがツモって500・1,000は600・1,100。
斉藤さんの最後の親番を落とすことに成功。

親番が落ちた斉藤さんだが、この時点ではたった1万点程の差しかない。そんな斉藤さんに値千金のテンパイが。南2局9巡目、

二索二索七索七索九索九索東東西西発中中  ドラ八万

メンホン七対子の発タンキに。これをアガれば一気の再浮上も見えてくるところ。
しかし親番の藤原も譲れない。
10巡目藤原、こちらはドラを暗刻にしてのイーペーコードラ3の超勝負手。藤原らしくここは当然のヤミテンに。

四万五万八万八万八万四索四索一筒一筒二筒二筒三筒三筒  ツモ三万

斉藤さんの発は山に2枚。対して藤原の三万六万は山に4枚。
13巡目、藤原が手にしたのは待ち望んだ三万
初代小島武夫杯帝王位の座をグッと手元に引き寄せる4,000オール。これで優勝への道が一気に広がった。

南2局1本場
追いかける立場の3者。1局も無駄に出来ない。
斉藤さんはタンピン三色の1シャンテン。
荒はドラ暗刻の1シャンテン。
そんな中、五月女さんは12巡目三色のテンパイ。当然即リーチに。

四万五万六万四索六索二筒三筒四筒四筒五筒六筒南南  リーチ  ドラ二筒

しかし…
このリーチはジュンカラ。
同巡斉藤さん、三色ならずのタンピンテンパイ。点数が必要な斉藤さん、ここはまだヤミテンを選択。

二万三万四万五万六万七万五索五索六索七索六筒七筒八筒

ここは両者痛み分け。
丁寧に対応した藤原の親番が落ち、残すはあと2局。

南3局2本場親番の荒、10巡目東ポンでホンイツのテンパイ。
満貫を引きアガれば、荒にだってまだまだチャンスがひろがってくるはず。

二筒三筒四筒五筒五筒九筒九筒発発発  ポン東東東  ドラ四万

しかしそんな荒の前に立ちはだかったのは、逆転を目指す五月女さん。
12巡目渾身のリーチを放つ。高目がドラのタンピンリーチだ。

五万六万七万七万四索五索六索六索七索八索二筒三筒四筒  リーチ  ツモ七万  ドラ四万  裏発

なんとここでも一発ツモで2,000・4,000は2,200・4,200。一気に藤原を再逆転。再度トップに躍り出た。
そしてこのアガリで、斉藤さんと荒の小島武夫杯は幕を閉じる事になってしまったのだ。

泣いても笑っても最後のオーラス。最後は2人のマッチレース。
五月女さんと藤原の差は4.3P。1,000・2,000のツモアガリか、2,600の直撃。周りからは5,200の出アガリが藤原の逆転条件。

五月女さんは伏せても逆転される事はない為、実質この1局で勝負が決まる。

南4局。勝利の女神が微笑むのは、五月女さんか、藤原か。
流局OKの五月女さんは、序盤から安全牌を確保しながらの手牌進行。無事終局する事を祈る。

対する藤原は、タンヤオベースで手を進める。13巡目、条件を満たすイーペーコーが完成してテンパイ。後は四筒七筒をツモるだけ。
山には七筒がたった1枚眠っているのだが…

三索三索三索六索六索七索七索八索八索二筒二筒五筒六筒  ツモ七筒  ドラ八筒

思い起こせば、予選道中から準決勝〜決勝と、数々のドラマが繰り広げられた『小島武夫杯帝王戦』。逆転に次ぐ逆転、さらには高打点の応酬、小島武夫のイズムを継承する打ち手達が、プロアマ問わず卓上で躍動し続けた2日間だった。

最後まで勝負の行方は全くわからなかった。
それは、戦いに挑んだ全ての選手が同じ思いの下、ゲームを創り上げてきたことに他ならない。

そして最後は、小島武夫を敬愛し、そして小島武夫にも寵愛されたこの男が、たった1枚の七筒を掴み取った。

タンヤオ、ツモ、イーペーコー。1,000・2,000のツモアガリでの逆転優勝。
藤原隆弘が第1期小島武夫杯帝王戦の頂点に立ったのだ。

 

〜戦いを終えて〜

4位 荒正義
『今のはしょうがないと思うんですけど、予選から今日まで6回やって5回トップだったんです。小島さんが背中を押してくれているのかな…と思ったら、決勝になったらガラッと風が変わってしまって。ありがとうございました。』

3位 斉藤健人(北関東支部代表)
『決勝は予選と違って手が入らなかったんですけど、 発タンキのメンホン七対子をテンパイした時にはチャンスがあるかな…と思ったんですが。久々に競技麻雀をやってみたんですけど、やっぱり面白いなって思いました。』

準優勝 五月女義彦(関西代表)
『最後、アガリにいけない状態だったので、自分でいきたかったなっていう気持ちはあります。森山会長が予選開始の際の挨拶で、藤原さんの名前を挙げた事がちょっと頭をよぎりました。なんかあるのかなぁというのは感じました。予選からずっと手が入っていたので楽しく打たせて頂きました。』

優勝 藤原隆弘
『ボーっとしてますね。僕なんかが勝っちゃっていいのかなと思うんですけど、50年くらい前に、中学生の時に11PMに出ている小島先生を観て、麻雀プロってカッコいいなって思って、それがキッカケでこの世界に入ってきた中の1人なので、勝ててメチャクチャ嬉しいです。森山会長、東京本部のプロ代表で出してもらって本当にありがとうございました。
(対局を振り返って)
あんまり覚えてないですけど、スゴイ手が入ったんで…1回戦ちょっと大事に行きすぎて日和過ぎて情けないなと思って、自分の顔を引っ叩いて2回戦に臨みましたけど、これだけ手が入ってくれたのは(小島)先生のおかげかなと思って。先生、ありがとうございました。今日、夢に出てきてほしいです。応援してくれている人のパワーのおかげで、手が入って勝てたと思います。本当にありがとうございます。』

 

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今回が第1期となった『小島武夫杯帝王戦』。
栄えある第1期は藤原隆弘の優勝で幕を閉じた。
普段から技を磨き研鑽を重ねる麻雀プロ達が、地方に居を構えながら、麻雀を愛し麻雀と共に生きるアマチュア選手達と、『小島武夫』の冠を賭けて真剣勝負をすること。
それぞれの仲間たちの想いを背負って、地区を代表して勝負に挑むこと。
皆に愛し愛され、そして憧れた『小島武夫』の存在の大きさ。
それらを実感することが出来た『小島武夫杯帝王戦』
そんな素敵な大会に、ほんの僅かではあるが携わることが出来た事を本当に嬉しく思う。

数々の対局を目にしてきたが、本当にお世辞抜きに素晴らしい対局の数々であった。
プロアマでの映像対局としては、間違いなくここ近年のベストバウトであろう。
まだ目にしていない方は、時間が許すならば是非全ての対局をご覧になって頂きたいとおもう。それくらい素晴らしく凄まじい戦いの連続であった。

その対局をどこかで見守ってくれているであろう、小島先生。
そしてこの対局を目にして、いつかこの舞台で戦ってみたいと思う若者達。
全国各地で麻雀と向き合っている全ての方々の為に、この大会を未来永劫継続していく事が出来るよう、日々の活動に邁進していこうと心から思っている。

この場を借りて、この大会の設立、運営、放送に関わって下さった全ての皆さまに感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

 

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第17期プロクイーンベスト16A卓レポート 

1回戦(起家から吾妻、渋谷、仲田、水口)

第17期プロクイーン ベスト16 A卓は、対局開始2分、親・吾妻の四暗刻ツモ16,000オールによって幕が開いた。
第8、9期女流桜花連覇 吾妻さおり

 

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東2局1本場、前局4,000オールをアガった渋谷の親リーチ。

六万六万六万六索七索八索一筒一筒三筒四筒五筒六筒八筒  リーチ  ロン七筒  ドラ七索  裏一筒

ラス牌を掴んだ吾妻の放銃。
初タイトル奪取に気合いが入る渋谷菜瑠美が2局連続の親の満貫をアガる。

 

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続く東2局2本場、仲田がこの半荘2度目となる四暗刻を終局間際にツモアガる。
女流桜花3連覇 仲田加南

 

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ここまで放銃はしていないが、他家のツモアガリによって大きく持ち点を削られてしまった水口が、意地の3,000・6,000をツモアガリ迎えた親番。

四万五万六万六索六索七索八索九索二筒三筒四筒七筒八筒  リーチ  ロン九筒  ドラ四索  裏六万

九筒のトイツ落としが間に合わなかった吾妻の放銃となった次局、水口にダブルリーチの手が入る。

二万二万三万三万三索四索五索四筒五筒六筒九筒九筒九筒  ダブルリーチ  ツモ二万  ドラ西  裏九万

11巡目にダブルリーチの2,600オールをツモアガリ、昨年、決勝で悔しい思いをした水口が一気にトップ目に立った。
第16期プロクイーン決定戦で5位となった水口美香(日本プロ麻雀協会)

 

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この後、渋谷の1人テンパイで流局し大物手が多く出た東場が終了した。

南1局5本場、親の吾妻が7巡目にメンタンピンの先制リーチを放つが、そこに水口が無筋を4枚押しきり追っかけリーチ。

四万五万六万四索五索六索六索六索五筒六筒九筒九筒九筒  リーチ  ロン四筒  ドラ白  裏二索

吾妻が一発で高めの四筒を掴み満貫の放銃。この放銃によって親の四暗刻をアガった吾妻が持ち点30,000点を割ってしまう。

南3局、水口は再び吾妻からダメ出しの満貫を討ち取り、最後は2着キープとなる仲田の2,600によって役満が2度飛び出すといった激動の半荘が終了。

1回戦成績
水口美香+39.4P 仲田加南+8.3P 吾妻さおり▲14.4P 渋谷菜瑠美▲33.3P

 

 

2回戦(起家から仲田、水口、渋谷、吾妻)

1回戦とは裏腹に安いアガリが続いた2回戦だったが、南2局、仲田が均衡を破る。
3フーロしてのトイトイの満貫を終局間際にツモアガリトップ目に立つ。

 

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1回戦ラスになり、この半荘マイナスだけは避けたい南3局渋谷の親番であったが、リーチ宣言牌であるドラの北を水口に放銃。

 

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南4局、ここまで苦しい渋谷が、2,000をアガるも2戦連続でのラスとなってしまった。

2回戦成績
仲田加南+23.2P 水口美香+6.6P 吾妻さおり▲4.4P 渋谷菜瑠美▲25.4P

2回戦終了時
水口美香+46.0P 仲田加南+31.5P 吾妻さおり▲18.8P 渋谷菜瑠美▲58.7P

 

 

3回戦(起家から仲田、渋谷、水口、吾妻)

この半荘どうしてもトップが欲しい渋谷は、南2局まで小さなトップを守り抜くものの、南3局水口の親番。5,800を皮切りに4,000オールをアガリ、続く2本場。
8巡目に水口から先制の親リーチ。ここで引けない渋谷が七対子のテンパイを入れる。

 

100

 

100

 

無情にもこのリーチ宣言牌が水口への12,000放銃。
このアガリよって水口がベスト16突破を確定づけ、一方の渋谷はベスト16突破が絶望的となってしまう。
ここからは残り1つのイスをかけた仲田、吾妻の戦いとなる。
この半荘、仲田よりも上の着順でないと最終戦の条件が厳しくなってしまう吾妻が、5,200、2,000オールとアガリを決めて2着をキープし最終戦に臨みを残す形で3回戦が終了。

3回戦成績
水口+36.0P 吾妻+7.1P 仲田▲3.8P 渋谷▲39.3P

3回戦終了時
水口+82.0P 仲田+27.7P 吾妻▲11.7P 渋谷▲98.0P

 

 

最終戦(起家から渋谷、仲田、吾妻、水口)

水口はほぼ当確、仲田と吾妻の差が39.4ポイント、渋谷が絶望的となった最終戦。
順位点は1着順1万点のWRC ルールのため、吾妻はトップが最低条件であるとともに並びが大事になってくる。

東2局吾妻が3巡目にリーチ。これを力強く一発でツモアガる。

四万五万二索三索四索一筒一筒三筒四筒五筒七筒八筒九筒  リーチ  ツモ三万  ドラ四索  裏七万

このアガリで一気に仲田を交わした。

 

100

 

このまま接戦で迎えた南3局親番の吾妻が先制リーチ。

 

100

 

この同巡に仲田もカン三筒をいれて勝負の追っかけシャンポンリーチにでる。

 

100

 

場に緊張が走った数秒後

 

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仲田が勝負を決めるラス牌の北を一発ツモ。
このアガリが決め手となり、仲田がベスト8へと勝ち進む2つ目のイスを勝ち取った。

最終戦成績
渋谷+28.6P 仲田+7.2P 吾妻▲9.9P 水口▲25.9P

最終戦終了時
水口+56.1P 仲田+34.9P 吾妻▲21.6P 渋谷▲69.4P

勝ち上がり 2位通過 水口美香 2位通過 仲田加南

2019年10月度道場ゲスト

[output_h2_image src=”/wp-content/uploads/hl_news_doujou_ll.jpg” alt=”日本プロ麻雀連盟 四ツ谷道場”]

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          日本プロ麻雀連盟本部道場 2019年10月ゲスト ~道場部~

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第1期小島武夫杯帝王戦 準決勝観戦記 望月 雅継

『小島武夫杯帝王戦』

これは、全国で行われているプロアマリーグなどを予選とし、プロ連盟の地方本部支部8地区(北海道、東北、中部、関西、九州、北関東、北陸、静岡)から各地区プロ代表2名、アマチュア代表2名の計32名が、東京本部の代表プロ16名と、アマチュアの巣鴨道場代表、ロン2代表、麻雀格闘倶楽部代表合わせて16名、合計64名で争う今年度から新しく設立されたタイトル戦である。

日本プロ麻雀連盟初代会長で“ミスター麻雀”と呼ばれ親しまれた、

『小島武夫』

の名を冠にしたこの大会。単なる一つのタイトル戦の設立とは訳が違い、麻雀ファンを心から愛した小島プロの理念にも沿った、全ての麻雀ファンが目指すべきタイトル戦になるように、夏目坂スタジオがアマチュア選手にとっての"麻雀の甲子園”になるように祈念して設立されたタイトル戦である。

当然プロ側の熱量も凄まじく、普段のタイトル戦やリーグ戦以上の真剣勝負が繰り広げられた。また、アマチュア選手や地方プロにとってもこのような機会は貴重な場であり、それぞれの地区を背負っての戦いとなっていただけに、王位戦やマスターズ、またファン感謝祭などのプロアマイベントとも違った新しい雰囲気での大会の盛り上がりとなっていたように感じた。

初年度である第1回の今回は、故小島武夫プロにゆかりのあるプロから選出された選りすぐりのトッププロばかり。
小島武夫杯の名に相応しい選手が、7/20、21に東京に集結し、栄えある第一期の小島武夫杯帝王戦の頂きを目指して熱戦が繰り広げられたのだ。

ルールは一発、裏ドラありのWRCルール。
準決勝は各卓80分プラス1局、決勝は各回100分プラス1局となる。
決勝に進出出来るのは各卓から1人だけ。
トップ者だけが決勝に進出する事が出来る厳しいサバイバルレースだ。

それでは準決勝の各卓を振り返っていこう。

 

 

準決勝A卓

滝沢和典(予選16位)
『最後まで気を緩めずにしっかりと打ちたいと思います。』

黒田隆明(予選9位、九州代表)
『山口で普段は対局しています。恐れ多い卓に入らせて頂きましたが、遠く山口からでもアマチュアとしてこういった場所に立たせて頂けることに感謝しながら戦いたいと思います。』

森山茂和(予選8位)
『最悪の卓ですね。なんで荒プロと滝沢プロと戦わないといけないんだ…小島武夫は一体何を考えているんだ(笑)はっきり言いましてこの対局が一番の勝負所です。そういうつもりで戦います!』

荒正義(予選1位)
『昨日はちょっと出来が良すぎたんですけど、今日はそれが残っているかどうか。小島先生に喜ばれるような麻雀をみせていきたいと思います。』

(起家から、滝沢・黒田・森山・荒)

A卓はアマチュア選手が九州代表の黒田さん1人。
対するプロは森山、荒、滝沢と、プロ連盟を代表するレジェンドがいきなりの登場。
勝手知ったるプロ3人は自分の仕事をするだけだろうが、この3人に囲まれた黒田さんの心中を察すると、緊張感だけでなく脅威すら感じる事だろう。黒田さんには臆することなく自身の麻雀を打ち切ってもらいたいと願う。

開局、まずは先手を取ったのは親番滝沢。
7巡目、先制リーチと打って出る。

四万五万六万三索四索九索九索五筒六筒七筒七筒八筒九筒  リーチ  ロン二索  ドラ北  裏東

ここに飛び込んでしまったのは黒田さん。
滝沢の第一打には三索が光っていた。
丁寧に二索三索のターツ落としを選択した事が裏目に出てしまったか。裏ドラが乗らなかった事が幸いか。
滝沢としては打点的には不満残りも、まずまずのスタートを切ったといってもいいのではないか。

東2局、今度は黒田さんの親番。
ドラのトイツが黒田さんと荒に。
時間はかかったが、13巡目、黒田さんに高めツモ跳満のテンパイが。迷う事なくリーチを宣言する。

六万七万八万三索三索四索四索五索三筒三筒七筒八筒九筒  リーチ  ドラ三筒

このリーチに対して14巡目、森山に七対子のテンパイ。

三万三万五万五万七万七万九万九万八索五筒五筒北北  ロン八索

黒田さんの勝負手を、森山がキッチリと捌く。
黒田さんにとっては本当に痛恨の1局となってしまった。

局は進んで東3局1本場、後に滝沢がこの局の対応を悔いた局だ。
最初にテンパイは荒。7巡目、

二万二万四万五万六万七索八索九索三筒四筒五筒五筒七筒  ドラ二索

ここは即リーチではなく、じっくりと手牌変化を待ってのヤミテンに構える。
しかし先制リーチは滝沢。11巡目、高め三色のピンフテンパイをリーチに。

六万七万三索四索五索五索六索七索九索九索五筒六筒七筒  リーチ

荒、ツモ四筒。この変化を待っていた荒は真正面から滝沢に勝負を挑む。

二万二万四万五万六万七索八索九索三筒四筒四筒五筒五筒  リーチ  ロン三筒  ドラ二索  裏発

荒のこの判断が大正解。
先制リーチの滝沢から高めの三筒を討ち取り3,900は4,200と浮上のきっかけを掴んだか。

続く東4局、親番を迎えた荒、配牌ダブ東暗刻の超勝負手。
安めのツモ二万ながらも、4巡目リーチに。

一万一万二万三万四万四索五索六索七索八索東東東  リーチ  ツモ六索  ドラ五万  裏五索

当然のようにあっさりと六索ツモ。持ち点は50,000点を超え、荒は一気に独走態勢に入る。
連荘を続けたい荒、続く東4局1本場12巡目リーチ。

三万四万五万七万八万九万三索三索七索七索七索二筒四筒  リーチ  ドラ九筒

このリーチを受け、ここまで苦しい展開の続く黒田さんであったが13巡目に追いつきテンパイ。
リーチの選択もあるも、ここはヤミテンに。

五万六万七万八万九万七索八索八索八索八索九索五筒五筒

このヤミテンの判断が大正解。生牌の北を引いて受ける。
次巡、荒のアタリ牌を引いていただけに、黒田さんとしては好判断の1局となった。

この粘りが活きたか、東4局3本場、黒田さんにドラ暗刻の勝負手が入る。
7巡目二筒ポン、10巡目八筒引きでテンパイ。

六筒七筒八筒東東西西西白白  ポン二筒 上向き二筒 上向き二筒 上向き  ドラ西

仕掛けを受けた滝沢であったが、10巡目リーチに踏み切る。

一索一索三索四索五索七索八索九索五筒六筒七筒白白

白は互いの手に。滝沢の一索が2枚、黒田さんの東が1枚。この勝負の行方で展開は大きく変化するのだが…
ここは滝沢が一索をツモって700・1,300は、1,000・1,600。
黒田さんとしては荒を追いかける大チャンスを逃した形となってしまった。

荒を追いかける3者。
各自の親番は加点チャンスだけに、南入してからは一局一局が勝負となってくるはずだ。

まずは滝沢の親番。何とか連荘をしたいところだったが、先手を取ったのは森山。南1局1本場9巡目リーチ。

二万三万四万五万六万七索七索五筒六筒七筒  暗カン牌の背二索 上向き二索 上向き牌の背  リーチ  ロン一万  ドラ九索四索  裏一索九索

待ちは文句なし。暗カンして裏ドラチャンスでもあったが…
荒が放ったのは安めの一万。裏ドラも乗らず1,600は1,900。荒にとっては助かったと言えるだろうか。
森山とすれば荒からの直撃は追いかける立場としてはプラスに考えるところだろう。
逆に親番が落ちた滝沢とするとかなり厳しい状況に追い込まれた。

続く南2局は黒田さんの親番。しかし手牌が苦しい。
逃げる立場の荒、10巡目テンパイ。も、役無しのカン八万。ここは当然のヤミテンに構える。

一万二万三万七万九万三索四索五索北北北白白  ドラ九筒

親番の落ちた滝沢、加点が欲しいだけに僅かな望みに賭けて11巡目に先制リーチ。

三万四万四万五万六万八万八万七索八索九索七筒八筒九筒  リーチ

現在2着目の森山16巡目、ホンイツのチーテンに

三筒四筒五筒六筒六筒七筒八筒九筒白白  チー四筒 左向き二筒 上向き三筒 上向き

この2人の攻勢に挟まれては、黒田さんとしてはかなり厳しい状況となってしまった。
最後まで可能性を探るものの、無念のノーテン。滝沢、森山の2人テンパイで、黒田さんとしてはここで事実上の敗退となってしまった。

残るは後2局。森山と荒の親を残すのみ。時間的にも残り3局がギリギリといったところ。
追手の森山としては、荒との点差約20,000点をどうやって詰めていくのかがカギとなるだろう。

そんな森山に大チャンスが訪れた。

南3局1本場森山14巡目、チャンタ三色のテンパイ。
引き上がっての跳満狙いも十分に考えられるところだが、森山は荒からの直撃を狙いに慎重にヤミテンに構える。

一万二万一索二索三索一筒二筒三筒九筒九筒九筒西西  ロン三万  ドラ二索

テンパイの前巡、荒は1シャンテンから一万三万のカンチャンターツを払って打一万
この一打を森山の目は見逃さなかったのだ。
まさにこのタイミングしかない絶好のヤミテンは、荒が築き上げたポイントを一瞬にして奪い取る、チャンタ三色ドラ1。一気に形勢は逆転し、今度は荒が追いかける立場に。
小島武夫の系譜を継承する森山らしい一撃。このアガリは本当に価値のある12,000となったのだ。

こうなると、荒も滝沢もターゲットは森山となる。
南3局2本場、滝沢8巡目テンパイも、打点が足りない。

五万五万三索七索七索九索九索八筒八筒南南西西  ドラ九万

七対子のテンパイも、ドラの九万を引くまではリーチには踏み込めないだろう。
対する荒は9巡目、役牌三暗刻のテンパイ。

一万一万一万四万五万六万六万二索二索二索発発発  ロン六万

このテンパイを果たした瞬間に、80分のコールが鳴る。この局プラス1局での終了が確定。
対局者に残された局は残り2局。
勝ち上がりの為には前に出るしかない九州代表の黒田さん。ドラの九万が対子の七対子を決める為には、六万を切り出す道しか残されていなかった。

役牌三暗刻は60符3翻の8,000は8,600。
森山を再度逆転して、残り1局となった。

荒と森山の差は2,900。
滝沢は倍満ツモも僅かに届かず。
実質的に2人のアガリ勝負となった。

南4局、泣いても笑ってもこの局で終了となる。

まずは荒が仕掛ける。
3巡目、東ポン。自力でアガって勝ち上がりを決める腹であろう。
難解な選択も残っていたが、10巡目、荒は見事にテンパイを果たす。

四万五万七万八万九万八索八索四筒五筒六筒  ポン東東東  ドラ一筒

が、この待ちは既に山に1枚。
すぐに滝沢に吸収され、自力でのツモアガリはない状態に。
後がない森山、1シャンテンが長く焦れるところだが、13巡目テンパイ。

二万三万四万二索三索四索三筒四筒五筒五筒六筒八筒八筒  リーチ  ドラ一筒

ヤミテンで直撃かツモアガリ。滝沢と黒田さんからは出アガリが出来ない。しかし状況が状況だけに、2人からの出アガリは恐らくないであろう。

それでも森山はリーチを選択した。
これが森山の中に脈々と流れている【小島イズム】なのだろう。“魅せて勝つ”道を選んだように感じた。

結果…
荒、森山の2人テンパイ。
最後まで手に汗握る戦いとなったが、荒の勝ち上がりで準決勝A卓は幕を閉じることになった。

〜戦いを終えて〜

黒田隆明(予選9位、九州本部代表)
『攻めていいのか、判断に迷う局が多かった。あんまり覚えてないです。』

滝沢和典(予選16位)
『567高め三色のリーチが満貫になるからって理由だけでリーチしてしまったのですが、あのリーチをヤミテンにしていたらどうだったか…?後は難しかったです。』

森山茂和(予選8位)
『(12,000直撃のシーンを振り返って)荒プロが一万を切ってきたから、ひょっとしたら三万が出るかもと思って。その後の荒プロの満貫が凄かったね。荒プロおめでとうございます。』

荒正義(予選1位)
『(東3局1本場の)カン六筒をずっとヤミテンにしていて、四筒と振り返って三筒でアガれたから、手ごたえはかなりあった。次の配牌を見たら『ほら来た!』って感じだったので。(森山に放銃した)三万は、嫌な気がしていたんですよ。切らなくてもいいじゃないですか。やめちゃおうかなぁと思ったんですけど…勝てて良かったです。ありがとうございました。』

 

 

準決勝B卓

丹野賢一(予選7位、巣鴨道場代表)
『2月に行われたプロアマオープン優勝で本大会に出場の権利を頂きました。僕が麻雀を覚えた80年代、小島さんはスーパースターでよくその姿を見ていましたので、その冠がついた大会に出られる事は光栄に思っています。今日は頑張ります。』

宮内こずえ(予選15位)
『A卓が素晴らしすぎて…観てて逆に緊張しちゃってて、いつもの麻雀を打てるかはわからないですけど、小島先生に女流で一番お世話になったのは私だと思うので、小島先生の力をお借りしてここを勝ち抜きたいと思います。』

五月女義彦(予選2位、関西本部代表)
『関西プロアマリーグの昨年度の上位者で戦って勝ち抜いてきました。プロアマリーグには15、6年出場させてもらっています。昨日の予選は手が入ってツキすぎていたので、今日はどうなるかわかりませんが、出来ることはやって頑張りたいと思います。』

中庭三四郎(予選12位、ロン2代表)
『ロン2予選を勝ち上がってきました。手元がおぼつかないのでご了解をお願いします。どんな状況でも、出来る限りの事をやって楽しみたいと思います。』

(起家から、丹野・宮内・五月女・中庭)

先程のA卓はプロ3人の対局だったが、こちらB卓はプロが宮内1人。アマチュア3人が宮内に対して挑戦する形となった。
とはいえ、丹野さんはプロアマオープン優勝者、五月女さんは関西競技麻雀界の強豪、中庭さんは厳しいロン2予選を勝ち上がっての準決勝進出だけに、どんな結果になるのか想像もつかない戦いとなった。

局が動いたのは東2局1本場、五月女さんは5巡目テンパイも、テンパイとらず。まだまだ余裕がありそうだ。
6巡目丹野さん、ペン三万をチーして、東とドラの白のダブルバックに。

五万六万二筒四筒五筒六筒東東白白  チー三万 左向き一万 上向き二万 上向き  ドラ白

五月女さん7巡目、理想的なツモ二索でリーチを宣言。

二万三万四万一索二索二索三索三索六索七索八索三筒三筒  リーチ  ロン四索  ドラ白  裏東

東をポンした丹野さんから四索が出て2,000は2,300。初アガリにホッと一安心の五月女さん。堂々とした打ち回しに自信の色が窺える。

さらに五月女さんは攻める。東3局、丹野さん7巡目リーチを受け、

五万五万三索四索五索一筒一筒一筒二筒三筒四筒五筒七筒  リーチ  ドラ五索

親番の五月女さん、9巡目に追いつきリーチに。

六万七万一索二索三索四索五索六索五筒五筒六筒七筒八筒  リーチ  ロン八万

安全牌に窮した中庭さんから5,800の価値あるアガリ。五月女さんはまずは一歩抜け出す事に成功する。

このままでは五月女さんペースか…
と思われた瞬間、ここでロン2代表の中庭さんがベールを脱ぐ。

東3局1本場、前局気持ちいいアガリを決めた親番の五月女さん、次局の配牌はなんと、

二万三万四万五万六万七万八万二索三索六索三筒四筒六筒六筒  打六索  ドラ白

234三色含みの1シャンテン!一気通貫も視野に入れ、第1打は当然打六索
ここでロン2代表の中庭さんがこの六索にポンの声。次巡南ポンで役が完成し、

七万九万四筒九筒九筒九筒西  ポン六索 上向き六索 上向き六索 上向き  ポン南南南

ツモ五筒西八万チー打九筒で、あっという間のテンパイに。

四筒五筒九筒九筒  ポン六索 上向き六索 上向き六索 上向き  ポン南南南  チー八万 左向き七万 上向き九万 上向き

この仕掛けによって、好配牌の五月女さんは無情にも迂回を選択。
五月女さんの6,000オールが見える配牌を、六索ポンの一声で潰した形となった中庭さん。結果、最後には再度テンパイ復活した五月女さんから1,000の出アガリ。
点数は安いものの、五月女さんのチャンス手を封じ込めた中庭さんの仕掛けには恐れ入った。

中庭さんが魅せるのなら、丹野さんだって負けてはいない。
東4局、丹野さん2巡目、

三万五万二索三索四索五索八索九索一筒四筒五筒西西  ツモ三万  ドラ一筒

さぁここから何を切る?
色々な手役の可能性がある中、丹野さんは何と打五万!この手が7巡目にはドラを重ねて、
リーチを宣言。

三万三万三万三索四索五索七索八索九索一筒一筒四筒五筒  リーチ  ツモ六筒  ドラ一筒  裏一筒

形を見ればドラの一筒を重ねた理想的なリーチに。
しかし難解な手筋なだけに、このテンパイ形を組める男が世の中にどれくらいいるのか?
そして当然のように一発ツモ。裏ドラも一筒で3,000・6,000。丹野さんが一気に抜け出し、南入へ。

ここまで息を潜めていた宮内、ようやく一つ結果を出す。
南1局、まずはアクションを起こしたのは中庭さん。7巡目一索ポン。次巡二索ポン。で一気にチンイツへ。

五索五索七索七索八索九索発  ポン一索 上向き一索 上向き一索 上向き  ポン二索 上向き二索 上向き二索 上向き  ドラ五索

対する宮内は9巡目テンパイ。ここは平和と三色の変化をみて打白でヤミテンに。

二万二万四万五万六万四索五索六索七索八索九索五筒五筒

この白を丹野さんがポンテンにとる。

五万六万九万九万一筒二筒三筒三筒四筒五筒  ポン白白白

宮内としては、この手を最高形に仕上げたかったところだが、ここはそのまま宮内のツモアガリで500・1,000。ようやく南入しての初アガリ。追撃態勢を整える。

局は進んで南3局1本場、ここまで苦しい展開の中庭さんが切り込む。
中庭さんは7巡目テンパイ。そして逆転を目指して即リーチに。

九万九万二索三索四索七索八索九索五筒六筒七筒七筒八筒  リーチ  ロン九筒  ドラ五筒

このリーチに飛び込んだのはトップ目の丹野さん。裏ドラは乗らなかったが、3,900直撃で本当に誰が勝ってもおかしくないオーラスとなった。

トップの丹野さんが34,000、2着の五月女さんが32,800。その差僅か1,200点。3着の宮内が29,500で4,500点の差。3,900直撃か、1,000・2,000ツモ。脇からは5,200。中庭さんは23,700だがオーラスの親番。本当にわからない点差だ。

そして迎えた南4局、好配牌は中庭さん。逆に苦しいのは丹野さん。宮内は条件つきの手組や仕掛けが必要で、五月女さんは早くテンパイしたいところ。

宮内8巡目、2枚目の中をポンしてトイトイに。
連荘を狙う中庭さん、同巡リーチに。場合によっては一気の浮上も考えられるリーチだ。

五万五万七万八万九万二索三索四索五筒六筒七筒七筒八筒  リーチ  ドラ五筒

勝ち上がりには後が無い宮内、11巡目、二万をポンしてドラの五筒を勝負に出る。これで勝ち上がりの条件は整った。

一万一万四索四索四索五索五索  ポン中中中  ポン二万 上向き二万 上向き二万 上向き

この2人に追いついたのは五月女さん。同巡役無しながらテンパイに。
五月女さん、ここは腹を括ってリーチを宣言。

六万六万六万九万九万二索三索四索六索七索八索三筒四筒  リーチ  ツモ二筒  ドラ五筒  裏六万

すると…五月女さんは何とこのリーチを一発ツモ。
さらに裏ドラが3枚のおまけつき。
色々な動きがあり、バラエティーに富んだ内容を見せてくれたB卓は、終始安定した打ち回しを見せた五月女さんが最後の直線で差し切り逆転勝利を収めた。

〜戦いを終えて〜

中庭三四郎(予選12位、ロン2代表)
『最後にツモって裏が乗れば逆転の手が入ったのですが…アガれなくて残念でしたが、私の実力が出た半荘でした。また研鑽して戻って来たいと思います。ありがとうございます。』

宮内こずえ(予選15位)
『最後はこうするしかないかなと思ったんですけど、南場の親番でもう少し粘れば良かったと思いました。』

丹野賢一(予選7位、巣鴨道場代表)
『南場、トップ目に立ってから鳴きで早めに流していきたかったんですけど、それが上手く実らなかったです。普段通りの戦い方は出来ました。』

五月女義彦(予選2位、関西代表)
『途中すごく手が入っていたのですが、それがことごとくアガれなかったんで…最後も親に1回アガってもらってと思っていたんですけど、1回勝負なんで。ツイてました。』

 

 

準決勝C卓

しーら(予選3位、巣鴨道場代表)
『この前この場所で負けているので、今日は頑張りたいと思います。』

稲岡ミカ(予選6位、関西本部代表)
『関西本部の予選があったんですけど、そちらで勝ちあがって本戦に出場しました。今日は最後まで悔いなく打てたらいいなと思います。』

藤原隆弘(予選11位)
『まだ準決勝なのでかかってはいないのですが、一発勝負、トップ条件という対局は今まで勝った事がないのであんまり自信がないのですが、トップ一本狙いでいきます。頑張ります。』

皆川直毅(予選14位、東北本部代表)
『東北の方やいろんな人に応援してもらっているので、イイ麻雀が打てるように頑張ります。』

(起家から、しーら・稲岡・藤原・皆川)

C卓はプロが3人。
関西代表の稲岡、東北代表の皆川と地方勢に、巣鴨道場代表のしーらさんと道場長の藤原。
東京VS地方勢といった見方も出来るか。
藤原としーらさんとは巣鴨道場でかなりの対戦回数があるとの事。相性も含め、当人たちにしかわからない感情もあるだろう。また藤原は、『小島武夫杯』という事でかなりの気合いが入っての戦いになっているはず。トップにしか意味の無いこの戦いは果たしてどんなドラマが見られるのだろうか。

東1局、最初のテンパイはしーらさん。
ピンフや一気通貫の変化があるこの形から、7巡目即リーチに打って出る。

七万七万一索一索三索四索五索七索八索九索三筒四筒五筒  リーチ  ドラ七索

同巡稲岡、こちらもリーチに。真正面からぶつかり合う2人。

二万三万六万七万八万二索二索二索五索五索五筒六筒七筒  リーチ  ロン一万  ドラ七索  裏二万

時間はかかったが、稲岡がしーらさんから2,600の出アガリ。幸先の良いスタートを切った。

続く東2局は藤原VSしーらさんの1局。
藤原13巡目発のポンテンで、ホンイツのテンパイ。

五索六索七索八索八索八索九索九索北北  ポン発発発  ドラ八万

皆川16巡目七対子ドラ2のテンパイに。

一万一万三万八万八万四索四索西西北北白白

皆川は不穏な空気を感じてか、終盤だけにヤミテンを選択
しーらさん17巡目、藤原と同色のメンホンテンパイも…
余剰牌の九索が藤原のアガリ牌。

一索二索二索二索三索三索三索五索六索七索九索西西  ツモ一索  打九索  ドラ八万

しーらさんから藤原が5,200のアガリで一歩リード。しーらさんは2局連続の放銃で苦しい立ち上がりとなってしまった。
逆に藤原としては狙い通り。このリードを上手く活かせるか。

藤原の勢いは止まらない。
東3局、親番を迎えた藤原は5巡目リーチに。

六万七万八万四索五索六索八索八索六筒七筒八筒白白  リーチ  ドラ六万

ここも戦いを挑んだのはしーらさん。
9巡目テンパイ。こちらもリーチと勝負に出る。

一万二万三万七万八万九万三索四索五索六索七索七筒七筒  リーチ

稲岡10巡目テンパイ。稲岡はヤミテンを選択。
同巡皆川テンパイ。皆川もヤミテン。これで4者共にテンパイに。

しかし…
この激戦を制したのはまたしても藤原。
高目の白を引きアガっての4,000オール。本当に貴重な加点となった。

このままでは藤原のワンサイドゲームになってしまうのでは?と、誰もが感じ始めていた東3局1本場、ここでも攻めるのはしーらさん。
12巡目のしーらさん、ピンフイーペーコーのテンパイを即リーチに。

四索四索五索五索六索七索八索九索二筒二筒三筒四筒五筒  リーチ  ツモ六索  ドラ五筒  裏九索

4度目の正直とでも言えば良いのだろうか。しーらさんは高目六索を一発ツモ。
裏ドラも乗せて3,000・6,000は3,100・6,100。失点を一気に挽回して、2着目に浮上。藤原追撃の一歩を踏み出した。

南1局、さらに勢いをつけたいしーらさんの親番。
藤原6巡目テンパイも、ドラ単騎の仮テン。手牌の変化を求める。

七万八万九万二索三索四索五索六索七索三筒四筒五筒七筒  ドラ七筒

稲岡7巡目、カン三筒のチー。 そして10巡目八万チーでこの形。

三万四万四索五索七筒七筒南  チー三筒 左向き二筒 上向き四筒 上向き  チー八万 左向き六万 上向き七万 上向き

仕掛けたものの、まだまだアガリまでは時間が掛かりそうだ。
対する親番のしーらさんは11巡目、発を暗刻にしてテンパイ。待ち取りの選択があるも、二万五万でリーチに。

二万三万四万五万八索八索八索五筒六筒七筒発発発  リーチ  ロン二万  ドラ七筒  裏五筒

稲岡15巡目に五万を引いてテンパイ。
次巡ツモ二万は止まらない。痛恨の12,000の放銃で脱落。しーらさんはこのアガリで藤原に肉薄。一対一の構図になってきた。

南1局1本場、しーらさんはまだ攻め抜く。
しーらさん8巡目、稲岡から放たれたドラの六筒をポン。そして稲岡から南が出て12,000は12,300。藤原を一気に捲ってトップ目に躍り出た。

三万三万四索四索四索六索七索八索南南  ポン六筒 上向き六筒 上向き六筒 上向き  ロン南  ドラ六筒

稲岡としてはこの放銃で敗退がほぼ確定。
トップしか意味のない戦いで、最終的な手を見ると放銃も仕方なく映る。
しかし序盤からの手牌構成を丁寧に進めると、ドラを組み込んだ形にもなり得ただけに、ドラを切り出したことが結果的には敗着。残念な放銃となってしまった。

ここまで受けに回る展開が多かった皆川。
手牌進行で後手に回る局面が多く、しーらさんの攻勢もあっては仕方ない部分もあったのかもしれない。しかし、決勝の椅子はたった1つ。このまま黙って見ているわけにはいかないだろう。

南1局2本場、皆川13巡目リーチ。

四万五万六万七万八万一索二索三索四索五索六索六筒六筒  リーチ  ドラ一索

こちらは無念の流局。
そして南3局皆川11巡目テンパイ。
メンホンの勝負手だけに時間を使って少考。そしてリーチを宣言する。

三万四万五万七万八万九万東東発発発中中  リーチ  ドラ五万

このリーチに立ちはだかったのは…やはり藤原。

四万五万二索三索四索四索五索六索四筒四筒  ポン南南南  ロン六万

皆川のリーチに屈するようなことがあると、藤原自身の勝ち上がりに黄信号が灯るところであったが、ここは皆川から六万を討ち取り親番キープ。勝ち上がりに可能性を残した。

局は進んで南3局2本場、しーらさん追撃の為には親番を落とせない藤原は9巡目、三色の手変わりを待たずに即リーチを宣言。

五万六万七万七万八万九万三索五索五筒六筒七筒九筒九筒  リーチ  ドラ五筒

しかしこの藤原のリーチは、

四索五索六索七索八索九索二筒三筒四筒五筒六筒北北  ロン一筒

しーらさんが藤原の現物の一筒を稲岡から出アガリ2,000は2,600。藤原のリーチ棒込みで3,600の収入。追いかける藤原、いよいよ後がなくなった。
しーらさんと藤原の差は12,300。条件的にはかなり厳しいか。

そして運命の南4局。
藤原9巡目七対子テンパイ。これでは条件に届かず。そして10巡目、待望のドラの西を引く。
しーらさんとは6,400直撃か跳満ツモアガリ。リーチを宣言してツモアガリにかけるか、しーらさんからの直撃を狙うか…

藤原はヤミテンを選択し、しーらさんからの直撃に賭けた。これは9巡目、親の皆川からドラの西が放たれた事も理由の1つ。この瞬間なら直撃の可能性もあるとみたのだ。

テンパイした次巡、しーらさんの手には西が届いた。そして12巡目、しーらさんテンパイ。打西。藤原の手が開かれる。

六索六索七索七索二筒二筒四筒四筒東東西白白  ロン西  ドラ西

この道しかないと思われる藤原の大逆転劇。
見事としか言いようがないアガリであったが、このアガリはまだこの後に巻き起こるドラマのプロローグであった事は、この瞬間には誰も想像出来なかった。

〜戦いを終えて〜

稲岡ミカ(予選6位、関西本部代表)
『いつも通りと言ってはなんなんですが…大体こんな感じです。南3局の一筒放銃は申し訳なかったです。最後は流石藤原さんといった感じでした。楽しかったです。ありがとうございました。』

皆川直毅(予選14位、東北本部代表)
『見せ場なかったです。(笑)南3局のメンホンはヤミテンだったな、と。入れ替えてまだ粘れたかなと思ったのですが。』

しーら(予選3位、巣鴨道場代表)
『楽しかったです。藤原さんとやる時は配牌がいつも悪いので、いつも通りだなと思っていたのですが、途中から段々と良くなって今日は勝てるのかなと思ったんですが。最後は悔しいですね。』

藤原隆弘(予選11位)
『皆川くんが西を切った時、稲岡さんが合わせなかったから西は山にあるかと。直撃の僅かな可能性にかけてそれが上手くいったと。奇跡的でした。』

 

 

準決勝D卓

斉藤健人(予選4位、北関東支部代表)
『北関東のプロアマリーグに出場しています。応援してくれている地元の方々もたくさんいるので、頑張って勝ち上がりたいと思います。』

山屋洋平(予選13位、北海道本部代表)
『今日は視聴者の皆さんに、印象に残るようなワクワクする麻雀を打ちたいと思っています。』

小泉陽平(予選12位、北陸支部代表)
『北陸プロアマリーグに出場しています。せっかく掴んだチャンスなので、一発勝負ですけど決勝に残れるような打ち方で頑張ろうと思います。』

葭葉(5位通過、巣鴨道場代表)
『巣鴨道場に週3回くらい行っています。最初で最後のチャンスだと思いますので、精一杯打ちたいと思います。ちょっと緊張していますけど、打っているうちに緊張もほぐれるかと思います。』

(起家から、斉藤・山屋・小泉・葭葉)

予選最終卓となるD卓。
ここまで様々なパターンの大逆転劇を見せてもらったが、このD卓でもあっと驚くようなプレーの連続であった。
プロは北海道本部代表の山屋ただ1人。
対するアマチュア選手は、北関東支部代表の斉藤さん、北陸支部代表の小泉さん、そして巣鴨本部代表の葭葉さんと、この卓も全国各地の代表選手が顔を揃えた。
各地区を代表する選手の戦いを是非ご覧頂きたい。

まずは東1局。
親番斉藤さんが7巡目リーチ。

四万五万六万二索三索四索六索七索八索三筒四筒白白  リーチ  ツモ二筒  ドラ二万  裏三索

打点は安いリーチだったものの、ツモって裏1の2,000オールは幸先のいいスタートと言えるだろう。

続く東1局1本場は小泉さんが魅せる。
11巡目、三色のテンパイもヤミテンに。

七万九万七索八索九索二筒二筒二筒五筒五筒七筒八筒九筒  ロン八万  ドラ七筒

2枚切れのカン八万であったが、これを斉藤さんから出アガリ5,200は5,500。小泉さんとしても感触の良い滑り出しとなっただろう。

この2人に続くのは山屋。東2局、親番山屋は7巡目リーチ。

二万三万四万二索二索二筒三筒三筒四筒五筒南南南  リーチ  ツモ一筒  ドラ二万  裏九筒

山に2枚しかいない一筒四筒であったが、山屋はあっさりと一発ツモ。4,000オールで今度は山屋がリードする。

局面はさらに動きを加速させる。
東2局1本場斉藤さんの9巡目、ドラの五万を引き三色確定のテンパイ。これをヤミテンで構える。

一万一万三万四万五万一索一索三索四索五索三筒四筒五筒  ロン一万  ドラ五万

今度はトップ目の山屋から5,200は5,500。
前々局に小泉さんに放銃した手役と点数を、そっくりそのまま山屋から召し捕った斉藤さん。トップ目の山屋に迫る。

続く東3局、山屋10巡目東ポン
親番でドラ暗刻の小泉さん、山屋が切った四万をチーしてテンパイ。待ちはカン三索を選択。

二索四索六索七索七索七索八索二筒二筒二筒  チー四万 左向き五万 上向き六万 上向き  ドラ二筒

しかしカン三索はジュンカラ…。
このチーで斉藤さんに絶好のツモ四万。タンピン三色のテンパイをヤミテンに。1巡回してリーチを宣言。

三万四万二索三索三索四索四索五索三筒四筒五筒六筒六筒  リーチ  ロン五万  ドラ二筒  裏二万

このリーチを受け、山屋はテンパイするもあっさりと撤退を選択。
1枚押していれば、小泉さんからの出アガリか自身のツモアガリもあったのだが…

結果は親番でドラ暗刻の小泉さんが、ラス牌の高目五万を掴んで8,000の放銃。再びトップに返り咲く。

ここまで1人苦しい展開を強いられていた葭葉さん、ようやく手がまとまり始める。
南2局3本場葭葉さん6巡目リーチに。

二万二万二万四万五万六万六万七万七万七万四筒五筒六筒  リーチ  ツモ八万  ドラ九筒  裏六索

裏ドラは乗らなかったものの、ここへ来て葭葉さんに初アガリ。オーラスの親番に向けての足掛かりとなるか。

そう感じた矢先の南3局、葭葉さんにチャンス手が舞い込む。
6巡目リーチを宣言した葭葉さん。高目は三暗刻だが…。

一万二万三万四万六万六万六万八索八索八索一筒一筒一筒  リーチ  ツモ一万  ドラ三筒  裏一筒

見事に高目を一発ツモ。
そして裏ドラが3枚乗って4,000・8,000。
ここまで苦しんでいた葭葉さんがひとアガリでトップを逆転。このアガリでオーラスまで誰が勝つのか全くわからない展開になった。

オーラスを迎えて、トップの葭葉さんと2着の斉藤さんとの点差は僅か1,300。3着の山屋も7,700点差。三つ巴の戦いか…と思いきや、まだまだ大きなドラマが待ち構えていた。

南4局。
前局の親カブリで、小泉さんの点数は僅か6,000点に。逆転での勝ち上がりを決めるには役満のツモアガリが条件と、かなり厳しい状況でオーラスを迎える事になってしまった。

そんな状況下でも小泉さんは諦めない。
3巡目、中を重ねた小泉さんの手は、

三万三万三索四索一筒二筒白白発発発中中  ドラ六万

と、大三元の2シャンテンに。すぐに中が出てポン。
この仕掛けを受けて斉藤さんは7巡目八万チーと、自力で勝ち上がりを決める仕掛けに打って出る。

2つの仕掛けを見た葭葉さん、たまらず七索チーと、三色含みの仕掛けに。

アガれば通過の斉藤さん、ドラ六万をツモ切ると、山屋がポン。山屋も逆転条件が整った。
そして七筒をチーしてテンパイ。二索七索のシャンポンでアガれば勝ち上がり。

二索二索三索四索五索七索七索  ポン六万 上向き六万 上向き六万 上向き  チー七筒 左向き六筒 上向き八筒 上向き

葭葉さん13巡目、三色のテンパイに。

八万九万二筒三筒三筒三筒四筒七筒八筒九筒  チー七索 左向き八索 上向き九索 上向き

小泉さん13巡目、ツモ三索で手が止まる。

三万三万三索四索五筒白白発発発  ポン中中中  ツモ三索

全員が前に出る展開。自分が放銃したらゲーム終了。大三元の1シャンテンを諦め、打三万
自身の勝ち上がりより、良いゲームを作る事を大切にしたその判断に敬意を表したい。

が…
皮肉にも次巡のツモは白
大三元のテンパイ逃し。
しかしそれが小泉さんの生き方なのだろう。

結果、山屋が七万を掴み、葭葉さんへ1,500の放銃。勝ち上がりの結果はまだわからない。

大三元のテンパイを果たしていても、小泉さんには大三元をツモアガる事は出来なかった。つまりはそういう事なのだろう。

しかし、まだまだドラマは終わらない。
大三元のテンパイを諦めた小泉さんに、麻雀の神、いや小島武夫はもう一度チャンスを与えたのだ。

南4局1本場、葭葉さんと斉藤さんとの差は2,800。
葭葉さんと山屋の差は10,700。勝負はまだわからない。

3巡目、葭葉さん六万チー。
あくまでアガリ倒して勝ち上がりを決めるつもりだろう。

このチーでツモ山がズレる。
それでも最初のテンパイは葭葉さん。

三万四万五万二索二索二筒二筒六筒七筒八筒  チー六万 左向き七万 上向き八万 上向き  ドラ一筒

追いついたのは斉藤さん。9巡目リーチを宣言。条件を満たしたリーチだ。

八万八万八万五索六索七索三筒三筒四筒四筒五筒八筒八筒  リーチ

葭葉さん、斉藤さんとのマッチレース。誰もがそう思っただろう。
しかし小泉さんだけは諦めていなかった。11巡目、国士無双テンパイ。

一万九万一索九索一筒九筒南南西北白発中

前述した通り、小泉さんは役満ツモ条件。
しかし斉藤さんのリーチ棒が出たおかげで、葭葉さんからの出アガリだけは逆転となる。

1シャンテンの山屋から東が放たれる。平然とツモ山に手を伸ばす小泉さん。国士無双の見逃しだ。

勝負の行方は誰にもわからない。斉藤さんの逆転劇か。小泉さんの麻雀史に残るであろう役満での大逆転か。はたまた葭葉さんの連荘か…。
息を飲む実況解説陣。立会人の紺野も幾分前傾姿勢だ。

しかし…
ここも葭葉さんのツモアガリ。

三万四万五万二索二索二筒二筒六筒七筒八筒  チー六万 左向き七万 上向き八万 上向き  ツモ二索  ドラ一筒

麻雀の神様はまだ勝者を決めあぐねているようだ。

南4局2本場、葭葉さんと斉藤さんの差は7,200点。
まだ逆転には現実的な数字だ。
山屋との差は13,100点。こちらはかなり厳しい状況となったと言っていいだろう。

葭葉さんとしては、今度は伏せてゲームセットとなるだけに、今局が恐らく最終局になるだろう。

13巡目、斉藤さんがリーチ。
ツモれば条件を満たすリーチだ。

一万三万三万四万五万六索七索八索九索九索九索七筒七筒  リーチ  ツモ二万  ドラ一万  裏南

3度目の正直は…
斉藤さんが掴み取った。
ラス牌の二万をなんと一発ツモ。
ドラマのような目まぐるしく状況が変わるこの勝負は、斉藤さんが決勝の最後の椅子を自力で掴み取ったのだった。

〜戦いを終えて〜

小泉陽平(予選12位、北陸支部代表)
『見せ場はありましたね。東場の親番がちょっとダメでしたね。(国士無双の直撃は親からならOK?)もちろんわかっていました。ありがとうございました。』

山屋洋平(予選13位、北海道本部代表)
『もうちょっと色々やりたかったんですけど、限界でした。もうちょっと暴れたかったです。』

葭葉(5位通過、巣鴨道場代表)
『本当にツイてたんですけど、いつも通りの2着麻雀でした。最後も北を落として逃げようと思ったんですけど…やっぱり(斉藤さんが)上手かったですね。』

斉藤健人(予選4位、北関東支部代表)
『あれだけ配牌が良くて勝てなかったら、応援してくれた方々には笑われちゃうと思うので、とりあえずホッとしています。今日は345に縁があったかなと。(二万ツモった時は?)マジで⁉』

第28期東北プロリーグ 第5節成績表

Aリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 10節 合計
1 皆川 直毅 57.4 49.9 46.5 80.0 7.8 241.6
2 石井 良樹 ▲ 47.2 4.0 42.1 51.9 74.2 125.0
3 菊田 政俊 35.6 28.3 32.1 ▲ 68.0 79.5 107.5
4 東 幸一郎 89.9 ▲ 31.3 8.9 ▲ 44.6 79.9 102.8
5 佐藤 晃大 20.0 ▲ 43.7 66.8 ▲ 9.0 ▲ 12.3 21.8
6 瀧田 亮 ▲ 41.7 ▲ 9.0 37.0 ▲ 9.3 35.2 12.2
7 粕谷 勇吉 23.1 ▲ 19.6 ▲ 7.0 ▲ 19.3 ▲ 16.5 ▲ 39.3
8 武藤 武 ▲ 27.0 ▲ 42.5 ▲ 10.8 58.9 ▲ 40.3 ▲ 61.7
9 藤本 修二 ▲ 29.6 50.3 ▲ 80.3 50.8 ▲ 63.1 ▲ 71.9
10 粕谷 祐太 8.4 39.1 ▲ 40.2 ▲ 11.5 ▲ 68.5 ▲ 72.7
11 波奈 美里 9.4 ▲ 30.8 20.8 ▲ 9.6 ▲ 62.5 ▲ 72.7
12 山下 敬介 2.9 23.4 ▲ 44.1 ▲ 29.1 ▲ 36.5 ▲ 83.4
13 安ヶ平 浩希 ▲ 80.7 7.6 ▲ 35.3 ▲ 20.9 40.9 ▲ 88.4
14 遠藤 昭太 ▲ 22.5 ▲ 25.7 ▲ 37.5 ▲ 20.3 ▲ 18.8 ▲ 124.8

Bリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 10節 合計
1 櫻井 勇馬 32.4 37.0 37.0 46.2 1.1 153.7
2 石倉 弘之 ▲ 51.4 20.6 ▲ 21.7 53.9 39.9 41.3
3 吉田 勝弥 72.1 ▲ 41.9 2.0 ▲ 1.3 ▲ 5.0 25.9
4 菅原 直哉 31.5 ▲ 51.4 ▲ 13.9 ▲ 8.6 63.0 20.6
5 蓬田 一貴 29.4 55.3 ▲ 52.4 3.4 ▲ 31.2 4.5
6 大沼 慎 ▲ 12.5 18.7 ▲ 25.0 ▲ 30.3 30.8 ▲ 18.3
7 佐々木 啓文 ▲ 29.4 ▲ 77.5 9.7 ▲ 36.3 ▲ 59.1 ▲ 192.6
8 小山 幸廣 ▲ 71.2 18.8 ▲ 150.0 ▲ 27.0 ▲ 40.5 ▲ 269.9

第33回静岡リーグ(プロアマ混合)最終節成績表

順位 名前 プロ/一般 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 鈴木秀幸 プロ 3.9 69.3 42.4 76.9 ▲ 7.8 184.7
2 後藤咲 プロ 13.4 19.3 98.1 3.0 39.5 173.3
3 高橋孝基 一般 ▲ 27.2 19.2 80.2 16.8 78.6 167.6
4 川崎義之 プロ ▲ 9.9 62.2 65.8 52.3 ▲ 14.9 155.5
5 牧野光治 一般 54.8 19.2 ▲ 5.2 16.2 56.7 141.7
6 杉村泰治 プロ 20.0 78.0 14.7 9.9 16.4 139.0
7 相沢かおる プロ 1.0 45.8 31.1 37.7 10.6 126.2
8 平野敬悟 プロ 14.2 60.8 ▲ 10.1 ▲ 36.3 86.5 115.1
9 原佑典 プロ 48.3 42.9 35.6 8.4 ▲ 23.3 111.9
10 鈴木郁孝 プロ ▲ 0.7 47.9 15.3 ▲ 16.5 58.4 104.4
11 堀孔明 一般 45.7 ▲ 1.6 42.3 5.4 11.3 103.1
12 斉藤隆 プロ 44.6 26.4 ▲ 7.6 6.4 28.7 98.5
13 都築友和 プロ 30.5 30.3 ▲ 46.7 30.5 53.2 97.8
14 望月雅継 プロ 48.5 ▲ 9.8 17.9 6.7 28.7 92.0
15 安藤真由美 一般 92.1 9.4 23.7 ▲ 27.7 ▲ 9.7 87.8
16 宮地孝尚 一般 16.7 51.5 ▲ 1.6 8.3 12.4 87.3
17 藤井太郎 一般 34.4 ▲ 9.3 47.1 ▲ 44.6 59.1 86.7
18 藤島健二郎 プロ 16.2 9.4 20.1 25.9 12.1 83.7
19 岡田智和 プロ ▲ 33.8 ▲ 10.9 127.2 1.4 ▲ 6.6 77.3
20 足立純哉 プロ ▲ 3.9 27.0 55.8 ▲ 26.3 18.5 71.1
21 浜田修 プロ ▲ 11.5 ▲ 21.3 ▲ 38.7 72.4 66.0 66.9
22 大橋幸正 プロ 56.8 4.3 ▲ 58.9 ▲ 1.4 51.8 52.6
23 岡本茂 一般 32.6 ▲ 22.5 ▲ 14.7 42.2 14.6 52.2
24 松清一樹 一般 6.4 10.7 ▲ 0.8 50.2 ▲ 19.4 47.1
25 小山剛史 一般 ▲ 42.0 54.9 16.4 ▲ 37.7 53.0 44.6
26 平田拓也 一般 18.9 46.0 19.5 2.6 ▲ 42.6 44.4
27 京平遥 プロ ▲ 44.4 5.5 62.8 ▲ 22.1 34.6 36.4
28 鷲見隼人 プロ 25.1 43.6 ▲ 23.5 12.7 ▲ 28.6 29.3
29 白戸隆寛 一般 38.7 ▲ 9.5 欠場 欠場 欠場 29.2
30 土屋幸弘 プロ ▲ 5.0 51.0 ▲ 5.3 12.9 ▲ 25.1 28.5
31 影山恒太 一般 ▲ 8.3 ▲ 0.9 ▲ 14.8 32.0 19.6 27.6
32 舟橋晃 一般 38.3 ▲ 28.8 19.3 ▲ 20.1 4.7 13.4
33 藤本哲也 プロ 1.2 ▲ 19.8 ▲ 13.3 53.6 ▲ 8.5 13.2
34 井上一雄 一般 ▲ 2.3 ▲ 83.2 23.3 48.7 20.8 7.3
35 伊藤真 一般 ▲ 1.1 ▲ 11.5 9.5 28.2 ▲ 18.5 6.6
36 太田昌樹 プロ ▲ 3.3 ▲ 15.8 ▲ 4.5 10.2 18.0 4.6
37 中野一男 一般 5.7 ▲ 7.0 ▲ 31.7 31.6 4.7 3.3
38 山本拓哉 プロ 11.1 ▲ 49.5 ▲ 10.1 78.4 ▲ 34.4 ▲ 4.5
39 源馬健太 一般 22.5 ▲ 36.3 ▲ 73.3 57.1 22.8 ▲ 7.2
40 松永誠 一般 ▲ 12.1 9.5 ▲ 6.8 13.0 ▲ 12.5 ▲ 8.9
41 鈴木翔穂 一般 ▲ 29.6 ▲ 0.6 ▲ 18.1 16.3 22.8 ▲ 9.2
42 中寿文 プロ 9.2 3.9 6.5 5.3 ▲ 41.4 ▲ 16.5
43 岩井健太 プロ 4.9 16.8 ▲ 39.0 18.4 ▲ 18.7 ▲ 17.6
44 高木翔太 プロ 23.1 ▲ 27.0 ▲ 41.5 7.4 17.3 ▲ 20.7
45 依田叡門 一般 ▲ 20.4 ▲ 17.4 34.3 ▲ 16.5 ▲ 3.1 ▲ 23.1
46 深見翔 一般 50.5 1.0 ▲ 39.5 25.7 ▲ 67.4 ▲ 29.7
47 田中寛治 プロ ▲ 69.9 ▲ 15.8 36.6 ▲ 5.3 23.5 ▲ 30.9
48 大月れみ プロ ▲ 29.8 ▲ 0.9 ▲ 55.5 10.8 39.8 ▲ 35.6
49 岡本和也 プロ 20.7 ▲ 26.3 43.9 ▲ 55.8 ▲ 19.7 ▲ 37.2
50 村瀬光佳 一般 31.0 ▲ 19.4 69.2 6.9 ▲ 129.0 ▲ 41.3
51 山本潤 一般 ▲ 17.4 ▲ 30.4 ▲ 47.2 11.1 35.4 ▲ 48.5
52 福井弘人 一般 ▲ 14.8 ▲ 24.2 31.2 ▲ 32.0 ▲ 10.7 ▲ 50.5
53 櫻井竜一郎 一般 ▲ 13.2 9.9 ▲ 50.1 欠場 欠場 ▲ 53.4
54 中野妙子 プロ ▲ 32.6 8.1 ▲ 15.1 ▲ 34.5 18.3 ▲ 55.8
55 阪本恭郎 一般 ▲ 13.3 ▲ 2.8 ▲ 26.9 ▲ 12.6 ▲ 5.0 ▲ 60.6
56 北島武弘 一般 17.0 ▲ 1.2 ▲ 46.9 32.3 ▲ 64.5 ▲ 63.3
57 平井良岳 一般 3.8 ▲ 26.6 ▲ 5.8 ▲ 49.5 0.0 ▲ 78.1
58 西田孝志 一般 ▲ 5.3 ▲ 25.8 ▲ 17.7 ▲ 45.4 11.4 ▲ 82.8
59 白井健夫 一般 2.0 ▲ 19.8 ▲ 24.0 ▲ 12.3 ▲ 34.2 ▲ 88.3
60 安藤順一 一般 ▲ 65.6 ▲ 61.4 ▲ 82.0 61.5 56.5 ▲ 91.0
61 田中良典 一般 6.8 ▲ 42.1 9.5 3.6 ▲ 79.7 ▲ 101.9
62 服部哲也 一般 38.2 ▲ 100.0 24.2 ▲ 65.0 ▲ 1.0 ▲ 103.6
63 片山一哉 一般 17.0 ▲ 27.6 ▲ 24.0 ▲ 4.4 ▲ 65.5 ▲ 104.5
64 青嶋宏樹 プロ ▲ 7.9 4.3 ▲ 1.7 ▲ 68.6 ▲ 33.1 ▲ 107.0
65 八木寛大 一般 1.7 ▲ 6.5 ▲ 24.1 ▲ 48.3 ▲ 42.0 ▲ 119.2
66 ドラコスアリストテレス 一般 ▲ 41.2 ▲ 17.3 ▲ 50.9 ▲ 12.1 欠場 ▲ 121.5
67 渡辺洋巳 プロ ▲ 64.0 18.5 9.2 ▲ 7.7 ▲ 80.4 ▲ 124.4
68 山内紀博 一般 ▲ 41.8 ▲ 48.5 ▲ 39.6 ▲ 32.1 20.5 ▲ 141.5
69 大谷数則 一般 ▲ 61.5 ▲ 36.8 ▲ 11.3 ▲ 37.8 4.8 ▲ 142.6
70 鈴木貴仁 一般 ▲ 30.4 ▲ 52.8 ▲ 14.2 ▲ 43.2 ▲ 3.4 ▲ 144.0
71 伊藤裕美子 一般 ▲ 51.3 ▲ 80.9 17.8 ▲ 32.8 1.4 ▲ 145.8
72 大橋義一 一般 ▲ 25.5 ▲ 45.9 ▲ 11.6 ▲ 31.2 ▲ 33.9 ▲ 148.1
73 本田真之 一般 4.8 ▲ 24.4 ▲ 46.6 ▲ 38.8 ▲ 44.7 ▲ 149.7
74 鈴木涼太 プロ ▲ 62.0 34.1 ▲ 54.1 ▲ 26.2 ▲ 44.5 ▲ 152.7
75 坂本彰光 一般 ▲ 13.2 ▲ 38.8 ▲ 78.7 ▲ 20.3 ▲ 57.4 ▲ 208.4
76 小倉雨 一般 ▲ 17.1 ▲ 76.1 ▲ 28.7 ▲ 67.0 ▲ 56.1 ▲ 245.0
77 鈴木雅人 一般 ▲ 83.2 ▲ 60.5 ▲ 26.7 ▲ 85.3 3.5 ▲ 252.2

第6期JPML WRCリーグ ベスト8B卓レポート 優月 みか

B卓対局メンバーは、第4期WRCリーグチャンピオンの藤島健二郎。
グランプリMAX優勝のダンプ大橋。
一次予選から勝ち上がり、ベスト16A卓では放送卓で見事金星を挙げた木原翼。
そして巣鴨道場でもお馴染み、ベスト16B卓から吉田直と共に勝ち上がりを決めた杉山俊彦。

トーナメントを得意とするダンプ、WRCリーグでは10戦9勝を誇る藤島を相手に若手2人はどう戦い抜くのか。

 

1回戦(起家から藤島→杉山→木原→ダンプ)

1回戦目では、開幕から激しい主導権争いが見られた。

親番藤島が3巡目に表示牌の中を仕掛ける。
だが親の仕掛けに臆することなく真っ直ぐ打ち抜いた木原、杉山が手を進めていき6巡目に木原が先制リーチをいれる。

木原
六万六万一索二索三索一筒二筒三筒五筒五筒六筒六筒七筒  ドラ白

木原からのリーチを受けた杉山は同巡この形、

四万二索三索四索六索七索八索四筒五筒七筒八筒白白  ツモ一筒

ドラの白トイツの勝負手、無筋の一筒を一発目にツモ切り攻めていく。
そして10巡目に九筒を引き入れ追いかけリーチ。

杉山
二索三索四索六索七索八索四筒五筒七筒八筒九筒白白  リーチ

木原、杉山からのリーチを受けた親番藤島は、さらに仕掛けてテンパイをとるも、ここは打ち出された三筒が杉山への放銃となった。

杉山5,200点のアガリを決め開幕を制する。

二索三索四索六索七索八索四筒五筒七筒八筒九筒白白  リーチ  ロン三筒

その後も激しい点棒の移動が続き、南2局まで流局なし、そのほとんどを出アガリで進むという目が話せない展開が続いた。

激しい攻防の末、オーラスを迎える頃の点数状況は
藤島22,000
杉山34,700
木原23,300
ダンプ38,000
となっていた。

オーラスでは、2本場供託2千点のところを4着目の藤島がリーチ一発ツモ白の満貫をアガリ、2着まで着順を上げて1回戦目が終了となる。

1回戦終了時トータルポイント
ダンプ大橋 +18.8P
藤島健二郎 +7.6P
杉山俊彦 ▲2.5P
木原翼 ▲23.9P

 

 

2回戦(起家から藤島→木原→ダンプ→杉山)

2回戦目では東1局に木原の満貫ツモアガリ。
東3局では杉山が仕掛けた東トイトイ三暗刻の手をリンシャンからツモアガリ、3,000・6,000。

高打点が続き迎えたオーラス。親番は杉山。
藤島31,900
木原32,100
ダンプ22,700
杉山33,300
とダンプの1人沈み、上3人はほとんどひとアガリで変わるような状況となっていた。

ダンプは満貫ツモでトップだが、手牌に打点がついていかなかった。
8巡目に先制リーチを入れるも、満貫になるには一発や高めツモ、裏ドラなどの条件が必要になる。

ダンプ
三万四万五万四索四索四筒五筒六筒七筒七筒八筒八筒九筒  リーチ  ドラ二索

このリーチに仕掛けてペン七筒のテンパイをいれている親番杉山は真っ直ぐ押していき、15巡目にアタリ牌の三筒を掴む。テンパイノーテンでも着順が入れ替わるこの局面、杉山は三筒を勝負にいく。
だが、この三筒にダンプは声をかけず。
アガっても裏裏条件をとなるアガリをするよりも、親が押しているならもう1局に希望を繋ぐというトーナメントならではの見逃し。

親番杉山とダンプの2人テンパイで1本場となる。

ダンプが繋いだ南4局1本場。
誰もがアガリに向かう局面。

 

100

 

ダンプは難しい手牌を見事成就させ、藤島から8,000点のアガリ。4着から2着に逆転を決め2回戦目が終了した。

2回戦成績
杉山俊彦 +19.8P
ダンプ大橋 +7.5P
杉山俊彦 ▲4.4P
藤島健二郎 ▲22.9P

2回戦目終了時トータルポイント
ダンプ大橋 +26.3P
杉山俊彦 +17.3P
藤島健二郎 ▲15.3P
木原翼 ▲28.3P

 

 

3回戦(起家から藤島→木原→杉山→ダンプ)

激しいぶつかり合いの2回戦目を終えて、3回戦目が始まる。

東4局1本場、供託2千点。
藤島が5巡目にこの形。

二万四万四万五万二索二索二索四索四索五索五索三筒三筒  ドラ九索

七対子の1シャンテンでもある難しい形から四索のポンを選択。
さらに2巡後三筒のポンもすることができ、テンパイ。

四万四万五万二索二索二索五索五索  ポン四索 上向き四索 上向き四索 上向き  ポン三筒 上向き三筒 上向き三筒 上向き

四万切りのタンヤオか、五万切りのタンヤオトイトイか悩むところだが、藤島は五万切りで打点も追った。
7巡目に杉山から五索が打ち出され、3,900点のアガリとなり、正解の手順を掴んだ。

南3局2本場では、杉山が4,000オールのアガリをきめトップ目に立つ。
トータルポイントトップのダンプは、藤島に6,400の放銃などもあり、3回戦目は4着となってしまった。

3回戦目成績
杉山俊彦 +26.3P
藤島健二郎 +14.4P
木原翼 ▲9.6P
ダンプ大橋 ▲30.1P

3回戦終了時トータルポイント
杉山俊彦 +43.6P
藤島健二郎 ▲0.9P
ダンプ大橋 ▲3.8P
木原翼 ▲38.9P

 

 

4回戦(起家から木原→ダンプ→杉山→藤島)

最終戦は、開始時点で杉山の1人浮き、2位勝ち上がりを決めるにはダンプと藤島は着順勝負となるが、この最終戦は藤島にとって本当に辛い展開になってしまった。
東4局、藤島の親番、2位通過の座を争うダンプから5,800点の直撃アガリを決め、藤島が一歩リードを決める。
南2局、親番はダンプ。ここまでのポイントは以下の通り。

木原36,800
ダンプ24,500
杉山22,300
藤島36,400

着順勝負の藤島とダンプは、藤島が12,100点差で上に立っている。

8巡目、ドラドラの手牌を藤島が先制リーチ。

一万一万二索三索四索一筒一筒一筒五筒六筒七筒七筒八筒  リーチ  ドラ一万

10巡目、親番のダンプも藤島にリーチをぶつけていく。

二万二万四万四万四万六万七万八万六索七索発発発

藤島の待ち牌六筒九筒は山に4枚、ダンプの待ち牌五索八索は山に5枚。
この息を呑むライバル同士の戦いは12巡目に藤島が五索を掴んで放銃となった。

二万二万四万四万四万六万七万八万六索七索発発発  ロン五索

開かれた手牌はリーチ役牌、親でも4,800点の手だがこの裏ドラが四万
ライバルであるダンプの親番、ドラドラの先制テンパイ。当然打つであろう先制リーチは12,000点の放銃となってしまった。

この後もダンプがダブリードラドラ ウラ3の4,000・8,000、杉山のリーチツモ七対子ウラウラ6,000オールなど天運がダンプ、杉山に味方し、両名の勝ち上がりでベスト8B卓は幕を閉じた。

勝ち上がり
ダンプ大橋
杉山俊彦

何を切る? 2019年9月

第36期A2リーグ第5節 C卓 3回戦 東4局 南家 白鳥翔プロ

 


 

 

■ Twitterで実施したアンケートの結果

 

 

■プロ解答

三筒切り

 

 

四筒切り

 

 

七筒切り

 

 

■プロの視点
白鳥翔プロ
「1シャンテンに取るとして、今この瞬間三筒は通るかもしれないが、次に六筒を打ち出さなければならない可能性が高く、巡目の深さと親の亜樹プロの中ツモ切りを重く見ました。
この巡目からタンピン三色を狙うのは無理筋かなと思ったので、七筒を合わせて打ち、テンパイ料がもらえれば良いかなという組み方をしました。
もちろんこの後は五筒八筒七索は仕掛けてテンパイに取ります。」

■終局図

 

 

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