八局麻雀11<セブンネット限定特典:生写真セット付き>(DVD)7月3日予約発売開始!

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★V☆パラダイスで放送中、大人気麻雀バラエティ「八局麻雀」第11弾がDVD化決定!
親連荘なしの八局という画期的なルールにより対局がスピーディに展開。
実況席からもタレント・雀士によるコメントが入り、まるで有名人のプライベート麻雀を自宅で覗き見しているかのような、これまでの対局番組には無いバラエティ要素満載の新感覚麻雀番組!

予約発売日 2020年07月03日

特典つき セブンネット限定特典 生写真セット(高宮まり、東城りお、古谷知美、岡田紗佳 )

販売価格 : 5,800円 (税込:6,380円)

コピーライト ©V☆パラダイス

詳細はこちらをご覧ください。

2020年7月度道場ゲスト

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          日本プロ麻雀連盟本部道場 2020年7月ゲスト ~道場部~

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第210回:第14回MONDO名人戦優勝特別インタビュー 沢崎 誠  インタビュアー:清原 継光

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MONDO名人戦は沢崎プロが優勝した。そのインタビューは世間の騒動から例年より少し遅れてなされた。

 

~決勝のテーマ~

 

清原「まずは優勝おめでとうございます。」

沢崎「ありがとう」

清原「今回、優勝ということで決勝戦を見させてもらったのですが、正直優勝しそうな雰囲気を感じませんでした。え?ここから優勝したの?ってのが映像を見たときの最初の感想でした。最後の最後、オーラスでの逆転劇、ご自分ではどう感じながら打ってたのですか?」

沢崎「特に何も。いつもどおりよ。あれぐらいあたりまえだよ。(笑)」

清原「1回戦は3着で終える。1回戦を終えてどう考えてらしたのですか?厳しいなぁとか苦しいなぁとか?」

沢崎「全然苦にしてなかった。半荘2回勝負の決勝は必ずどちらかをトップをとらなければならない。2着2着で優勝てのはまずありえないんだよ。必ずどっちかにトップが必要。
あとは1回戦トップのともたけとの着差だけを考えればいいから、3着で終えても自分の中では何も。1回戦はまだ途中経過だからね。」

清原「1回戦の結果はホントに気にしてなかったんですね。」

沢崎「4着だけはダメだよ。4着をとると全員の着差を考えなければならないから。それか大トップか。4着をとると条件が厳しくなる。4着を回避できたからあとはトップをとれば優勝だなと。」

清原「優勝のための条件計算がすでになされてたんですね。」

沢崎「あたりまえじゃない。それが決勝のテーマ。そんなことは決勝をやる前から分かってなくちゃダメなんだよ。」

清原「(決勝経験の豊富さが違うな。それだけ条件戦の場数をこなした量が違うのだろう。)
話は変わりますが、優勝のためにトップが必要でホントにトップをとるのはさすがですね。」

沢崎「予選から3着1着3着1着で予選をクリア。次を2着1着でクリア。トップ率50%で来てたからね。」

清原「それはすごいですね。しっかりトップをとって予選を通過してきてたんですね。」

沢崎「でもそれも最後の半荘のトップ条件をクリアしての通過なんだよ。ギリギリの通過。そしてそれが大事なんだよ。大トップで余裕の状態だと緩んじゃうから。どこか麻雀が弛緩してしまう。でも厳しい条件の中、それをクリアするってのは緊張状態の中でそれだけいい麻雀を打ててるということ。そういう方が決勝もそのままいい麻雀が打てることが多い。」

清原「(勝たなければならない半荘で勝ちきること。予選の厳しい条件をクリアしてきたことが決勝を勝ちきる自負につながってるのかな)。その予選があって決勝での自信になってるんですね。」

 

 

~逆襲の心構え~

 

清原「決勝の2回戦。ここから沢崎さんの逆襲がはじまるかと思ってたのですが、東2局に親の藤崎さんのヤミテンのホンイツに飛び込んでしまう。この9,600放銃は痛すぎます。」

沢崎「全然痛くないよ。」

清原「僕なら心が折れてます。どう考えてたんですか?」

沢崎「まずな、打ってる時にダメだと思った人間が優勝することはないから。」

清原「はい」

沢崎「点数がないからダメだと思うかもしれないけど、そんなことはない。アガリを目指す手が来たうえでの放銃なので、放銃ができてるということはそれだけの手が組めてるということなんだ。悪いという状況は理解してるけどツイてないのとは違う。」

清原「はい」

沢崎「ツキがないわけではない。なぜか、それはちゃんと戦えてるから。それは良いと解釈しなくちゃいけない。それを悪いと解釈したらどんどん悪くなってしまう。」

清原「ドツボにハマってしまうような感じですね。」

沢崎「ツイてないとは思わない。点数は厳しい状況にあるけど。」

清原「この放銃で藤崎さんは41,300点、沢崎さんは9,200点、点数だけ見ると厳しいです。どう思考したのですか?」

沢崎「この放銃で自分よりも他の2人(新津プロとともたけプロ)、特にともたけが痛がってるな、と。」

清原「1回戦トップのともたけさんは逆に藤崎さんに条件を突きつけられた形になりましたからね。(放銃した瞬間に対戦相手の心理をまず考えてるのか!)」

沢崎「それと藤崎と32,000点差あるわけだけど、これを32,100点アガれば勝てると思うと苦しむ。逃げる者と追う者、ゴール前で並んだらどちらが有利か分かるか?追いかけるほうが有利なんだよ。オーラス満貫ツモ圏内までいけば追いかけるこちらが有利だ。だからオーラスまでに22,000点アガれば勝てる。そう考えれば満貫ツモ2回で届く。もちろんラス親が新津であるということも大事だよ。ラス親が藤崎だと1局勝負になってしまうから。そこはもちろん確認した上で。」

清原「(究極のポジティブシンキング!)。オーラス満貫ツモ圏内なら勝ちというのもまたすごい自信です。」

沢崎「普段から練習をしてるからね。逆転手をつくる練習をしてないと大事な局面で逆転手をうまくつくれないから。」

清原「(圧倒的な練習量が自信につながってるのだろうなぁ)。そして見事に有言実行をする、と。」

そして放銃の次の局

七筒七筒八筒八筒九筒九筒東東中中  ポン白白白  ドラ七万

リーチしている新津から中を討ち取る。

東4局には

一万一万四万五万六万一索二索三索五索六索二筒三筒四筒  ドラ六索

リーチを打って一発ツモウラで跳満のツモアガリ。わずか3局で満貫ツモ圏内に復帰する。

沢崎「ラッキーだったね(笑)」

 

 

~負けを覚悟した瞬間~

 

沢崎「実は決勝では『負けた』と思った瞬間が2回あった。どこだか分かるか?」

清原「どこですか?一番苦しそうな時間帯は乗り越えたと思ってました。」

沢崎「オーラス(藤崎35,800点、沢崎35,300点。アガった方が優勝)。藤崎にチーと言われた瞬間。藤崎が中途半端な仕掛けをするはずがないから。あいつがチーと言った瞬間、最終形なんだよ。対してこちらはバラバラでテンパイも遠い。負けたと思ったよ。」

清原「とてもそうは見えませんでした。仕掛け返して戦ってるように見えました。」

沢崎「あれは悪あがきだね。形だけ仕掛け返したけど、バラバラで端牌だらけでいらない牌を切っても放銃しないし、いつ藤崎にツモと言われるかと思ってた。」

清原「そうだったんですか。。」

沢崎「それが終盤までもつれて親の新津からリーチが入ってハイテイで新津がツモって、それでこれで勝てるぞと思った。」

清原「そこは急に変わるんですね」

沢崎「負けたと思った。それがもう1局できることになった。これは自分に分があるぞ、と。負けたと思ったのに負けにならなかった。これは自分に運気がある。次は戦える。そして勝てる、と。」

清原「次の局で勝敗を決せると?」

沢崎「それが次の局も藤崎に先制リーチを打たれて、それが二度目の負けを覚悟した瞬間。」

清原「(笑)。勝てると思ってたのにまた先にテンパイを入れられた。。」

沢崎「あれ?おかしいな?違うかな?負けたかな?って」

清原「沢崎さんでもそう思う瞬間があるんですね。(笑)」

が、この局、沢崎は藤崎のリーチをかいくぐり

二万三万四万六万七万八万二索三索二筒三筒四筒五筒五筒  ドラ一筒

この手をテンパイすると、親の新津から四索を討ち取る。

清原「見事なタンピンサンショクでした。」

沢崎「1,000点も8,000点も変わらないけどな。藤崎のチーで負けたと思ったけど負けなかった。それが全部だな。あれは藤崎がアガリきらなければダメだよ。」

その言葉は、藤崎のほんの少しの選択の瑕疵で勝負の天秤の傾きが変わったような、そんな含みを感じさせる言葉だった。

 

 

~名人戦はおもしろい~

 

清原「今回、名人戦の決勝を見せてもらいました。すごくおもしろかったです。なんでこんなにおもしろいんでしょうね。」

沢崎「やっぱり質だろうな。変な打牌が少ない。周りの見つめる視線もきついし好き勝手に切ればいいわけじゃない。変わった打牌をするなら結果が必要ということ。あと変な放銃が少ない。ぶつかる前半の手組みが大事で、その上で勝負手どうしがぶつかる。それがいい対局をつくる。あとタイプは違うけど皆、個性的だな。」

清原「それは見ていてとても感じます。次は名人戦優勝者として王座戦ですね」

沢崎「俺は今、MONDO2冠なんだよ。3人麻雀と名人戦。次に王座を勝って3冠といきたいね。」

清原「名人戦のファンとして、ベテランの強さを是非見せてください。最後に抱負をお聞かせください。」

沢崎「ファンのため、見てる人に刺激を与えたい。アンチでもいい。アンチが見て刺激を受けてくれたら、こんなおもしろいことはないね。あと、勝ちにいくところを見せたい。トップが見えればできるだけトップを目指す。それが見てる人が喜ぶから。麻雀は世界で一番楽しいゲーム。打つ人も楽しく打ってほしいし、見てる人も楽しんでほしい。皆、刺激をもって見てほしい。高い手、可愛い女の子、こんなおじいちゃん、なんでもいいから。」

 

 

~エピローグ~

 

インタビューを終えて、宵もふけて酔いも進んだころ、Cリーガーも合流して、いろんな麻雀の質問をする。名人がそれらに答えてくれる。それはとても素晴らしい時間だ。
そんなベテランが若者たちに向けて語った言葉は酔いと共に忘れ去られるには惜しい。そんな言葉をとどめておきたい。

「プロなら貪欲に自分にないものを求めろ。ただ、昇級したい、勝ちたい、じゃない。自分にない技術がほしい。でも手に入れたい。それにはまず見ること。見方、考え方、自分と違うものを見て複合的な視野での見方を得ることが大事。」
「映像から学べるものはくさるほどある。決勝は見る価値がある。決勝は皆勝ちたいから。自分が成長できるチャンスはいっぱいある。いっぱい見ろ。負けられない試合を。」
「勉強することは自分のためでもあり、ファンのためでもある。自分にはファンがいないと思ってるかもしれないけど、自分が思ってる以上にファンがいる。」
「ファンのために勝ちたい、タイトルが欲しい、じゃない。目標はそこじゃない。勝つことが目標じゃなくて、戦うことが目標。ファンのためにやりたいことをやることが目標。」
「勝つだけではダメ。自分からいろいろな経験をしないと。負けることも大事。負けて悔しくてそういう経験から分かることもある。ずっと進歩するしかないし、それを追っていくしかない。下手なんだから。俺だって自分でそう思ってるんだから。プロは練習するしかない。」
「連盟はいろんなことを教えてくれる先輩がいる。俺も北海道元本部長の仲澤さんの言葉とか、はじめはわからなくていいから何年か経ってからで分かってきたりする。若いうちはガムシャラに勝ちに貪欲でいい。そのうちに分かってきたら後輩に伝えていければいい。でも結果出せないやつが物言える世界じゃないからな、まずは勝て。」

麻雀の文化の継承として次の世代につなげていこうと思える言葉だった。
その先にもっともっと麻雀がおもしろくなる世界が広がっている。
そんな景色を想像させる宵の淵。夜は更けていく・・・。

戦術の系譜8 西川 淳

たとえば。

あなたが麻雀をするとき。
あなたが望めば、いつでもアガることができるとしましょう。
あなたが望めば、いつでもトップをとることができるとしましょう。

果たして、そのような麻雀は、あなたにとって楽しいですか?
勝って嬉しいでしょうか。

連戦連勝。
プロならば、最高リーグで常勝。出るタイトルを獲りまくりです。
周囲からは称賛され、尊敬の目でみられることでしょう。

しかし、それで心は満たされるでしょうか。

私は、それだとツマラナイとしか感じません。
麻雀はアガれるかどうか「わからないからこそ」ワクワクする。
トップを取ることが「困難だからこそ」達成したら嬉しい。
努力の末に何かを成し遂げた時「自分で自分を褒めることができたときこそ」心の底から充足感を得られると考えています。

 

第2章

【①どの山をどのように登りたいのか】

 

前回の連載では、理論的な背景も踏まえて、アガリを登山にたとえて
・終盤にかけてアガリへの道のりは厳しくなる
・どのようなルートを選ぶか、などの技術や見識が大切
と、山を登りきるために重要な要素を主張しました。

今回は、その前提の上で敢えて提唱したいことがあります。
みなさんは、次のAとBのどちらの山を登りたいでしょうか。

A・険しくて高いけれど、山容が美しく、山頂からの眺めも絶景な山
B・誰でも容易に登ることができ、山頂からの眺めが凡庸な山

もし「Aのほうを登りたい!」と思われるようでしたら、是非一緒にそうしましょう。
「Bのほうが良い」という方は、それはなぜなのか振り返ってみてください。
価値観を押し付けるつもりは毛頭ありませんが、「それは本当に楽しいことなのか?」と見つめ直してもらえれば幸いです。

「そうはいっても現実問題、Bを目指すほうが効率的だし、アガれなかったら身も蓋もないじゃないか」
と思う方もいらっしゃるでしょう。
確かに麻雀はアガってなんぼ、です。他の人が先にアガったら何もないように見えます。

でも、思い出してください。
麻雀のアガリの成否は、途上が楽かどうかはあまり関係がなく、最後の瞬発力によって決することが多いのです。
どんなにキツそうに見えても、どんなに回り道をしても、最後の最後でしっかりと力を発揮できればアガリをとることができます。
険しい山だったとしても、ちゃんと登りきることができるのです。

下の牌姿は、第36期鳳凰位戦第10節の私の手です。

 

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すでにテンパイしています。
私は、ここから六筒を切りテンパイを崩して清一色に向かいました。
・牌の組み合わせ・つながりが良好で、伸びがある上、まだ序盤で十分アガリが見込めること。
・上家の捨て牌からマンズを仕掛けることも期待できること。
・得点状況に余裕があること。
など、いくつかの方針決定の要素はありました。

しかし、根幹となっている意思決定基準、思想は「どの山を登りたいか」です。
この手、最初のテンパイでアガっても何が残るのでしょうか。
険しくて登れるかどうかわからない、でもチャレンジしがいのある山のほうに登りたくはありませんか。
きっと頂上からの眺めはサイコーです!

メンツを崩すことを「強欲」だと感じる方もいるかもしれません。
でも、私にとっては、チンイツに向かうことが「自然」であり、アガリ逃しやノーテンを恐れ、最初のテンパイにこだわるほうがむしろ「強欲」だと感じます。

「何かを捨てたほうが、かえって大きなものを得ることがある。」
このことは実は麻雀の分野でも摂理に近い気がしています。

一日を終えたときに「どんな山を登ったのか」によって、満足度は違うでしょう。
大袈裟に言えば、人生を終えるときに「あんな山に登ったことがある」という思い出があるほうが、実りある一生だと考えています。

 

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【②急所を登りきる脚力】

 
取り組みがいのある山にチャレンジしているとき、最大の難所は前回も言及したとおり、やはり山頂の手前となります。
しかし、それこそが力の見せ所、面白いところと言えるのではないでしょうか。

誰も登れなさそうな崖を、人並外れた技術や腕力を持って踏破する人には憧れます。
誰も通らない獣道を勇気をもって分け入り目的地に到達する人には心を動かされます。

それらを成し遂げるには、やはり研究や分析の努力、練習が必須でしょう。
時には定説となっていることを疑い検証することも大切かもしれません。

・数多く放銃を経験している人の方が、「どういう時に放銃する」とか「どういう時に高い点である」と知っている。
・数多く鳴いている人の方が、「鳴いた後の変化の度合」や「守備力の向上」の技術を身に着けている。
・常識的な選択に「本当にそうか?」と掘り下げている人の方が、選択肢は多く視野は広い。

柔軟な思考で神羅万象に探求心を持ち
「こうすればこうなる」
と、より多く理解している人の方が麻雀は強いと私は考えています。

私は過去に下のようなトレーニングをしたことがあります。
①3巡以内に必ず振り込む。
②振り込む前に相手の点数を読む。
③決めた時間にちょうど半荘を終らせる。
④どんな手でも巡目でも、とにかくリーチする。
⑤ホンイツ七対子しか狙わない。
などなど。
もし麻雀や対戦相手を冒とくしているように感じた方がいたらごめんなさい。
しかし、このような取り組みを経て、それまで見えていなくて、わかってきたことが私には多々ありました。
よかったら⑤だけでも機会があったら試してみてください。
結構な確率で良い線までいくことが理解していただけると思います。
もしかしたら麻雀観が少し変わるかもしれません。
そういった積み重ねで「イメージや先入観」と「真理」との溝を徐々に埋めることができると私は考えています。

下は第34期十段戦ベスト16D卓3回戦からです。

 

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このテンパイから四索を切り八索単騎のリーチに踏み切りました。
「ピンフの役」とリャンメンという「待ちの枚数の多さ」を捨てたわけです。
結果すぐに出アガリできたのですが、この選択は多くの方に驚かれました。

このときは、下家のダンプ大橋プロが九索をポンしています。
他にも何点か判断材料がありましたが、ざっくり書くと
八索が使われていない(良さそう)
一索四索が使われている(あまり良くない)
という読みがありました。
ツモったときに満貫となる枚数が多い八索単騎のほうが優秀(またそのためにここまで温存していた)と考えたこともあり、
個人的にはごくごく普通の自然な選択で、奇をてらったつもりはありませんでした。
ただ、手拍子で打ち一索四索待ちにする人も多いかと思います。
正解はこうだ、といいたいわけではありません。
正解は私にはわかりませんし、裏目ももちろんあるでしょう。

主張したいことは、一打一打、麻雀の真理に沿ったものになるように絞り出すように真剣に考えることの重要性です。
先入観にとらわれることなく、惰性になることもなく取り組み、またその土台となる技術を日頃養う事の肝要さなのです。

それが、他の人があきらめるかもしれない山を登るための大事なトレーニングになると信じているのです。

 

 

【③相手との距離感】

 

もうひとつ大事なことがあります。
それは対戦相手との兼ね合いです。
対局者がいるのだから自分の都合だけで進めることはできません。
手合いのレベルが上がってくるとなおさらのことです。

自分がいくら自信の持てる手作りをしたり、待ちになったからといって必ずしも勝てるとは限りません。
相手がさらに上回る手作りや待ちをしている可能性が十分あるからです。

自分が3面待ちで、相手のカンチャン待ちに負けた時に、嘆く暇があったら何故負けたのか手がかりを探るべきです。
もしかしたら自分の3面待ちより遥かに優秀なカンチャン待ちかもしれません。
そういうときは未だ自分のアガリの基準が甘く、まだまだ努力不足で工夫する余地があるということなのでしょう。
それに気が付くことが、相手を知ることであり、自分の麻雀の幅を広げる成長のチャンスかもしれません。

 

 

【④絵を描く】

 

私は、配牌を手にしたときに、まず最終形のイメージを描き構想を練ります。
「こうなりそうだなあ」
「こうしたいなあ」
というイメージです。

それは「絵を描く」ことに似ているなと、常々感じています。
与えられた材料で真っ白なキャンバスに美しいアガリの絵を描くのです。
もちろん、完成に至る設計図は何パターンも用意するし、途中で新しいアイデアが湧くこともあります。
しかし、最初に抱いたビジョンが鮮明であるほど実現する可能性は高く、構想に寄り添えるほど達成率は高いと感じています。

絵を描くことは右脳を使う。計算は左脳を使う。
と言われます。
右脳が主導権を握り、左脳がしっかり基本をサポートする。
双方が合致して調和しているとき、そうそう悪い結果になることはないと信じています。

 

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「あの山に登りたい」
「こんな絵を描きたい」

その思いを基に、集中力と技術を結集させて歩を進めれば、道に迷うことはないし、うまくいかず退却するときも潔く諦めることができます。
そして何より、相手と全面対決になったときに動じないし、結果がどうなろうと後悔がないのです。
「この手だったら心中できる」という覚悟があるからです。

それでも負けたら…
相手が上回ったのだから仕方がなくありませんか?
それだけ素晴らしい対戦相手に恵まれたことに感謝すべきで、また努力して上を目指せば良いだけだと私は考えています。

「麻雀讃」で有名な昭和の文豪、菊池 寛は、「麻雀春秋」の中で以下のような言葉を残しています。

麻雀の世界は、生活を離れた一つの楽園である。
そこではどんな空想も描くことができるし、どんな計画でもたてることができる。
他と競いながらも、自分は自分で創造の快感に酔うことができる。

私はこの表現に深く共感をもつ人間です。
「プロならば結果が全て。勝たないといけない。」という考えがあることは承知しており、そう考えない私は悩んだ時期がありました。
しかし、現在はこの文脈の上で「麻雀は描いてこそ。挑戦を楽しんでこそ。」と表現していきたいと決意しています。

次回で最終回です。

【第18期プロクイーン】

開催概要はこちら

【日本プロ麻雀連盟巣鴨本部道場】

お客様各位

平素より格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申しあげます。

日本プロ麻雀連盟は、「東京アラート」の解除による休業要請の「ステップ3」への移行に伴い、日本プロ麻雀連盟巣鴨本部道場の営業を6月15日(月)より再開しております。
お客さまに安心・安全に麻雀をお楽しみいただけるよう「新しい生活様式」を取り入れた営業を行います。皆様にはご協力を賜りますようお願い致します。

※尚、感染拡大予防の観点よりご来場される際にはマスクのご着用、受付時に検温、手指の消毒にご協力頂きますようお願い致します。

※ま営業時間は従来通り10時から23時半となります。

◆麻雀教室 10:00〜12:00
◆健康麻雀 10:00〜16:30
◆競技麻雀 16:30受付開始、17:00〜23:00

麻雀教室講師・道場部ゲスト参戦予定表【本部道場】ページの【ゲスト】ボタンからご確認頂けます。

日本プロ麻雀連盟巣鴨本部道場
03-5980-9116

何を切る? 2020年6月

第1回クイーンズリーグ 4回戦 南2局 東家 高宮まりプロ

 

 

 

 

 

■ Twitterで実施したアンケートの結果

 

 

 

■プロ解答

二筒切り

 

 

 

 

四万切り

 

 

 

■実況・解説陣

 

 

佐々木寿人「四万!345の変化もある。」
山井弘「ぼくは二筒ですね。」
内藤正樹「ぼくも二筒かな。」
山井弘「七筒切りは2シャンテン戻しですからね。素直に1シャンテンに受けるとカン六筒のテンパイになっているところですが、高宮プロには何か見えているんじゃないですか?我々の想像を超えるアガリがきっとあるんですよ。」

 

■プロの視点
高宮まりプロ「リャンメン待ちリーチで攻めたかったので、良形変化を狙って2シャンテン戻しとしました。ダイレクトの六筒引きは痛いですが、345三色は残りますし、ドラ九万という中での宮内プロ・和久津プロの捨牌から、マンズ・ソーズの中程の牌は悪くなさそうなのでフォローはできるかなと考えました。本線はリーチなのですが、この後トップ目の和久津プロから仕掛けが入り、さらに二万が不安になってきた段階で仕掛けも視野に入れていました。」

 

■終局図

 

 

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第209回:プロ雀士インタビュー 本田 朋広  インタビュアー:木原 翼

本田プロに初めて会ったのは、2017年10月の王位戦北陸予選。
その王位戦予選で同卓したかもしれないとお互い薄い記憶があるくらいで、次に会うときは新しい年になっており私はプロになっていた。

まだ2年程の付き合いである。
その後はセットをやってもらったり、たまに連絡を取りあって麻雀やスポーツの話をする感じで良くしてもらっていた。

私は去年関東に引っ越していたので、今回のグランプリ期間中には頻繁に連絡を取って、試合後、富山に帰れないときはご飯に連れてってもらったりした。
大変お世話になっており優しくて穏やかな人である。
すき焼きが続いたのできっと好物なんだと思う。

 

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長くなりましたが、編集部の観戦記にもありましたように、今回本田プロの優勝インタビューをさせて頂きますのは、北陸支部所属34期生の木原翼です。
初めてのインタビューで至らない点が多々あると思いますが、最後までよろしくお願い致します。

〈本田プロのプロフィール〉
1983年10月3日生まれ A型
富山県出身 独身(募集中と言ってました)
28期後期入会(8年目) 鳳凰戦C2リーグ
第2期北陸プロリーグ優勝
第20期北陸プロアマリーグ優勝
大学卒業後、自分の雀荘を持つために勉強として雀荘に就職。
25才で現在のお店をオープンし28才でプロになる。
趣味は映画鑑賞(主にサスペンス系)

決勝戦のその日にも会ったが、3月末に改めて約束しインタビューさせてもらった。

木原「改めて優勝おめでとうございます!」

本田「ありがとう。」

木原「1人だけ飲んですいません笑」

本田はお酒が飲めない訳ではないが控えているそう。

 

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木原「まずはグランプリ振り返ってどうでした?」

本田「普段中々打てない強い人とたくさん打てて楽しかったよ。その中でも同期の柴田くんは意識したよね。タイトルもいくつか獲ってる出世頭だし負けなくないって凄く思った。」

木原「あとはやっぱり大三元ですかね。」

本田「ね。2回目は逆にやめてくれと思ったよ笑 テンパイしてからはポイント差もあったから色々考えてて頭こんがらがってた笑」

本田はグランプリMAXの予選で2回大三元をアガっている。
どちらも白で出アガリ、2回目に関してはメンゼンでツモれば四暗刻も付くダブル役満の形だった。
この局はYouTubeの日本プロ麻雀連盟チャンネルにアップされているので是非ご覧下さい。

 

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木原「決勝の面子が決まったときはどうでした?」

本田「キツいよね。道中もみんな何でも出来るけど、決勝が特に全員穴が無いなと思ったよ。」

木原「決勝戦の前にシミュレーションとかしてました?例えば劣勢だったら初日はここまでに抑えようとか。」

本田「そういうのは一切なかったよ、守るのはやめようって。事前に色々考えて上手く打とうと思ってもボロが出るだけやし、マイナスしたときはそのとき考えようって思ってた。」

木原「1回戦が大きなトップから始まり、結果的には初日を2番手と80P以上の差で終えたんですけど、どの辺りから今日は行けそうだなって思いました?」

本田「2回戦南4局1本場かな。オーラストップ目で迎えたけどラス親の直さんがアガって2着になった局。そのまま浮きで終わろうと仕掛けたんだけど、運よくドラが重なってアガれて再逆転したときは行けそうだなって思った。ツイてただけだろうけどね笑」

 

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一万二万三万五索六索一筒一筒七筒八筒九筒  ポン白白白  ツモ四索  ドラ一筒

白ドラ2で1,000・2,000は1,100・2,100のツモアガリで再逆転

・初日終了時点でのポイント
本田+82.6 吉田+0.6 内川▲30.5 山田▲52.7

木原「最終日迎えるまでの心境はどうでした?」

本田「毎日そのこと考えてたよ。結局最終日までにどうしたらいいか考え切れんかったし。ポイント的にはかなり余裕があるけど、今まで色んな決勝見てきてすんなり終わったのは無いからさ。
それで5回戦東1局1本場にヒロさんの見逃しを見て、試練はこんなにすぐやってくるものかと。
頭真っ白になったよね笑」

 

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木原「最終日は苦しい展開が続いてましたが、勝てると思ったのはどこですか?」

本田「7回戦でホンイツアガって浮きで終わったときやね。」

 

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本田「あとは1つずつ消化していけば大丈夫かなと思ったけど全然ダメだった。勝てるって思ったのもダメやっただろうね。特にラス前は極限状態やった。リーチに対してオリる牌選び間違えたりしたし、特に南3局3本場のヒロさんの6,000オールはヤバいって思った。こっちから見たら、開いた瞬間四暗刻に見えてドキドキしたし笑」

木原「最後はしっかり押して決めましたけど、道中鳴く選択肢はあったんですか?タンヤオや一気通貫の片アガリなどありましたけど」

本田「役が確定する鳴きはしたと思うけど、片アガリになる鳴きはするつもりはなかったね。最近はああいうの鳴く人も多いのかもしれんけど。」

実際に山田から出た七筒はチーせず一索を引き入れ打八筒六索を引き入れテンパイし打六筒と勝負して見事にアガリを決めた。

 

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二万三万五万五万一索二索三索四索五索六索六索七索八索  ロン四万  ドラ三万

ピンフドラ1で2,000は3,200の出アガリでオーラスへ

木原「最後の1局はどうでしたか?」

本田「条件がみんな一緒やったし最後は楽やったよ。」

そのまま山田、内川の2人テンパイで最終8回戦が終わり本田の優勝が決まった。
今大会通して本田は押すところでしっかり押してアガリ切っていた印象がとても強かった。
最後の牌が来るかどうかは紙一重ではあるが、その姿勢に牌も答えてくれてたのではないかなと思う。

木原「今後の目標はなんですか?」

本田「もう1回勝つことやね。色んなシードやチャンスももらえるし。勝つまではそこまで勝ちにこだわってなかった感じがあるけど、1回勝ったら周りからそういう目線も入ってくるし、マグレとは思われたくないから早く名前を残したりもう1つタイトルが欲しいよね。」

木原「プライベートだと?」

本田「お店出せたらいいなとは思ってるよ。」

木原「試合以外のことで聞きたいのは、ゲン担ぎやルーティンってあります?例えば赤のネクタイがかなり多かったんですけど」

 

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本田「北陸プロリーグで優勝したときのネクタイだから多めにしてた。あと、他のネクタイが不評だったのもある笑」

木原「他にはあります?」

本田「北陸プロリーグの日に、試合前にみんなでサイゼリア行ったんやけど、そのときミラノ風ドリアと小エビのカクテルサラダを食べて優勝したから、そのあとのグランプリの日も試合前に行って同じの食べてたよ。」

木原「これからも食べるんですか?」

本田「別に食べないかな。あとは試合時間に合わせて寝る時間変えたりとか、ちょっと良い栄養ドリンク買って途中で飲むとかはあるね。」

木原「なるほど。他に何か聞きたいことあるかな~。」

本田「なんか甘いもの食べようよ。ここなんかある?」

木原「ここはアイスくらいしかないんで喫茶店行って食べて解散しましょうか。」

こうしてインタビューは終わった。
本年度、マスターズは北海道本部の真光プロ、王位は中部本部の森下プロ、そしてグランプリMAXは北陸支部の本田プロ。
地方所属プロがタイトル戦で結果を残し、それぞれの所属する各本部支部に刺激や希望を与えただろう。

地方から東京へ来るには色々な面で負担も大きい。
本田も北陸プロリーグからグランプリMAXの決勝までの約2ヶ月で8回も富山から通っている。
地方からでも各本部支部やプロ個人から様々な方法で発信や活動をしているので是非応援して頂けたらと思います。

長くなりましたが最後までご覧頂きありがとうございました。
本田プロおめでとうございます!

 

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ロールケーキを目の前にして楽しそう。

【第2期小島武夫杯帝王戦及び第46期王位戦開催中止のお知らせ】

今年度の小島武夫杯帝王戦並びに王位戦は、新型コロナウイルスの感染が拡大している状況を鑑み、誠に勝手ながら開催を中止させていただくこととなりました。
ご参加をご検討いただいていた皆様にはご迷惑をおかけすることとなり大変申し訳ございません。
何とぞご理解のほどよろしくお願い申し上げます。

第37期プロリーグ



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Aリーグ、B1リーグの対局は連盟チャンネルにて生放送致します。
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