「~復活~」 藤崎 智

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 古川 孝次(愛知) 79.9 6.3 ▲ 7.9 26.8 31.1 136.2
2 HIRO柴田(神奈川) 5.7 25.3 3.9 ▲ 4.4 21.2 51.7
3 沢崎 誠(群馬) 0.1 ▲ 4.9 40.3 ▲ 20.0 34.4 49.9
4 西川 淳(愛媛) 2.9 ▲ 53.5 42.4 26.6 ▲ 9.6 8.8
5 前原 雄大(東京) 79.0 33.6 ▲ 58.2 ▲ 23.5 ▲ 41.9 ▲ 11.0
6 勝又 健志(東京) 12.8 27.5 ▲ 36.1 ▲ 33.4 ▲ 3.4 ▲ 32.6
7 和久津 晶(東京) ▲ 8.4 ▲ 63.8 ▲ 7.8 19.4 27.6 ▲ 33.0
8 前田 直哉(静岡) ▲ 27.7 24.8 ▲ 10.1 5.3 ▲ 29.2 ▲ 36.9
9 伊藤 優孝(秋田) ▲ 65.0 65.4 0.1 ▲ 6.5 ▲ 42.7 ▲ 48.7
10 瀬戸熊 直樹(東京) ▲ 51.3 ▲ 68.7 25.0 29.6 11.4 ▲ 54.0
11 藤崎 智(秋田) ▲ 0.2 37.1 ▲ 30.3 ▲ 11.4 ▲ 52.4 ▲ 57.2
12 紺野 真太郎(静岡) ▲ 27.8 ▲ 29.1 ▲ 31.3 ▲ 8.5 33.5 ▲ 63.2

 

 

第36期鳳凰戦A1リーグ第6節。
5節まで▲60ポイント弱。まだまだお尻に火が付いた状況というわけではないのだが、これ以上負けると・・・というポジション。

ここで約30ポイントプラスして、トータルの数字だけみれば一息ついた。
もちろんこの日だけで考えればしっかり打ててはいたし納得のいく対局だったと思う。
しかし麻雀の感覚が完全に戻ったという感覚は全くない。

今にして思えば単なる被害妄想だったのかもしれないが、とにかく1年間戦って勝ちきれる気もしなければ、1日4半荘でプラスできる気もしない。
とにかく、麻雀プロにとって重要な根拠のない自信といったものが全く持てなかった。

第7節。+95.7P。もちろんこの数字、実力でたたける数字ではない。
ただツイていただけである。しかし本当に久しぶりにリーグ戦を闘っていて麻雀自体が楽しかった。
この対局の前に十段戦の決勝戦にも進出を決めている。

第8節。0.0P。1回戦目、瀬戸熊プロのクマクマタイムをくらうも、きっちりスコアをまとめて、納得度では今期一番の対局。

第9節。+56.5P。これでトータルも+100ポイントオーバーで2位まで浮上。
ここまで来ると、ついこの間までの不安はどこへやら。抱えていたことすらすっかり忘れていた。「背水の陣」、何だそれ?状態。
完全に「病は気から」で、自分にとっての一番の薬は大きなプラスポイントだったのかもしれない。

本当は4月の開幕の時点で麻雀は戻っていたのかもしれないし、夏場くらいにようやく戻ったのかもしれない。
今となっては自分でもわからないが、麻雀プロとしてある種の自信というのは大切なもののような気がした。

第12節、最終節。4位の勝又プロに80ポイント以上の差をつけて3位でのスタート。
最後にヒヤッとさせられる展開となったが、大きなリードがあったおかげで決定戦に進むことができた。
この日の対局も、11節までの大きなリードと展開にも恵まれたにもかかわらず、安定感のある対局とはいかなかったが、追ってきた勝又プロが素晴らしかっただけで、自分としては納得できる内容だったと思う。

5年ぶりの決定戦。昨年はたった2ヶ月、たった2節の欠場だったはずなのにほとんどリーグ戦の記憶がないし、吉田プロが勝った決定戦の内容も全く覚えていない。
1年間、10節闘って唯一覚えているのは最終節近藤プロとの降級争いの大接戦で、最後、紺野プロの仕掛けに放銃すれば降級の局面で、自分でツモアガった300・500だけである。
吉田プロとの付き合いも長いし、A1初昇級でのA1リーグ・鳳凰位決定戦での快勝の快挙を成し遂げた後輩を全く覚えていないのは我ながら不思議でしかたがない。
間違いなくリーグ戦のどこかで何度か対戦しているはずだし、おそらく負けているはずである。今決定戦で吉田現鳳凰位との対戦が楽しみでしょうがない。

 

第36期鳳凰位決定戦予想

番号 名前 プロフィール 紺野 HIRO 前田 沢崎 伊藤 佐々木 黒沢
1

吉田直

23期生

第35期鳳凰位

ロン2プロフィール

2

古川孝次

1期生

第16、17、18期 鳳凰位

ロン2プロフィール

2

西川淳

18期生

第22期チャンピオンズリーグ 優勝

ロン2プロフィール

4

藤崎智

13期生

第30期 鳳凰位
第16、33、34期 十段位
グランプリ2005 優勝
第3、5、6回 日本オープン 優勝

ロン2プロフィール

 

第33期十段位決定戦でも似たような予想で周りから期待された経験がある。
やはり少しプレッシャーになる。
しかし今回は自分自身一抹の不安もない。プレッシャーもない。自信に満ちあふれている。勝つ自信ではなく、自分の麻雀を打ち切る自信である。
とにかく楽しみでしょうがなかった。G1タイトル戦の決勝30回目にして初めての経験だと思う。結果的にこの気持ちが一番の勝因だったのかもしれない。

次回「決定戦始まる」

第37期十段戦

開催概要はこちら

戦術の系譜9 西川 淳

将棋界でかの羽生善治と並び才能を認められながらも29歳の若さで夭逝した「怪童丸」こと村山聖九段。
その生涯は映画化され、大好きだったという麻雀のシーンも再三でてきます。
彼が亡くなる寸前の1996年の将棋年鑑に「コンピュータがプロ棋士を負かす日は?来るとしたらいつ」というアンケートがありました。

村山 聖「来ない」

血の滲む思いで研鑽を重ねた一流棋士の自負がたった三文字に色濃く映し出されています。
元日本将棋連盟会長の米長邦雄永世棋聖に至っては「永遠になし」と切り捨てました。
達人が断じるほどに、その道は深く、人間の知性でしか成し得ない領域があると信じられていたのでしょう。

しかし、世紀が変わり、コンピュータテクノロジーがもたらしたAI(人工知能)は将棋界の一流棋士を圧倒。
そして「将棋」の数倍の世界的競技人口と歴史を有する「碁」においても同様のことが起ります。
2016年、Google DeepMindが開発したAI(人工知能)のAlphaGoが、世界最強と評された囲碁の李九段に圧勝。
翌年、「大帝」と崇められ人類最強との呼び声高い柯潔九段に完全勝利を果たした直後「役割を終えた」と碁の世界から引退(開発終了)を発表。
完膚なきまでに叩きのめされ、静かに涙を拭い投了に及んだ柯潔の姿は、世界に衝撃を与えました。
同時に、コンピュータが人類に勝つのが最も難しい分野と言われ続けた碁におけるこの結末は、人類はどうやってもAIに勝てない、という現実を突きつけられることとなりました。

分野や規模は違えども、同じ知性を競う世界に生きる私にとって、この出来事は雷に打たれたようなインパクトがありました。
卓越した能力の持ち主が、寝食を惜しみ人生を賭けて取り組み、人類の頂点に立った競技において、わずか数時間学習したAI(人工知能)にどうやっても太刀打ちできない。
プライドがずたずたに切り裂かれる彼らの魂を自分に重ねると、胸が締め付けられるような心持になったものです。不完全情報という性質の差を考慮してもおそらく麻雀でも同様の結論が待っていると考えています。

ならば、もうプロ棋士は必要ないのでしょうか。
人類が囲碁や将棋、そして麻雀に取り組む価値はないのでしょうか。

 

 

第3章
【① 対局相手に敬意を】

 

AI(人工知能)は計算を間違えることはありません。
また判断を迷うことはありません。

しかし、人間は、必ず間違えます。
数手先のことを読むのには時間がかかります。
直感という素晴らしい能力がありますが、それは心理状態や体調によって左右されます。
不安な状態、興奮した状態だと、判断がブレることが多々あります。
私も、あなたも、例外なく、です。

技術を向上することと同様に、そのブレを極力抑えることはとても重要です。
そのために大切なことは何でしょうか。

私が一番大切と考えている事の一つが「対戦相手に敬意を払う事」です。

下は第36期鳳凰位戦第7節A卓からです。

 

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上家の伊藤優孝プロからリーチが入っています。
そのリーチを受けたあと、藤崎智プロが私の切った三索三索 左向き二索 上向き四索 上向きでチーして、2枚目の打一筒
そして次の巡目に藤崎プロが中をツモ切りしました。

私は、そっと置かれたこの中に、背筋が凍りました。

なぜ中なのでしょう。
藤崎プロは、リーチに対して、多少のチャンス手でなんとなく生牌の中を捨てる打ち手ではありません。

可能性を考えていきましょう…
① 実は中は安全牌?あるいは安全牌が無い?
⇒暗刻になった中を切った?
⇒リーチの伊藤プロ(私や勝又プロも含めて)に中が安全だという根拠がある?
② 実は藤崎プロもテンパイ?
⇒だとしたら、どのような構成?何待ち?
③ ちょっとアツくなってバランスを崩している?

それまでの得点状況、雰囲気、何より現在に至るまでの数々の実績・データから③だけはないと考えます。
同様に安全牌がないということも考えにくいでしょう。

① である可能性を、対局者全員の捨て牌、テンションからひとつずつ検討していきます
・伊藤プロの捨て牌は、ノーマルなもの。中待ちになっていない、という根拠は薄い
・藤崎プロの手は、第一打が六索、典型的な変則手。中が手の内にトイツになっているのだとしたら七対子が考えられるが、一筒がトイツ落としだからそれは無さそう
・勝又プロが中をトイツ落とし…やはり中は危ない牌だった。勝負して切り出した牌なんだな…

といった具合に、です。
藤崎プロはその後、無筋の七索を捨てます。

ここで、確信に変わります。
藤崎プロは、実はテンパイしているから勝負している、のです。

では、どんな構成なんでしょうか?
・安い手で、勝負する?⇒藤崎プロの持ち点、状況からいっても可能性は低い
・伊藤プロの手をどう感じている?⇒例えば、有力な待ち候補を自分がつぶしている、とかドラを自分が多く持っているので相手にない、等
・役は何?⇒役牌は全部切られているから無い。前述の通り、七対子はまず無い。変則手だからピンフ系は考えにくい。三色?一気通貫?

といった具合に、です。

更に細部まで読んでいきます。
3巡目の打八筒が光っています。ドラの九筒がトイツ以上と濃く予想できます。1,000点の手では中は押すに値しないでしょうから、より強い根拠となります。
三索二索四索で鳴いたのに第一打が六索なのが気になります。一気通貫ならば二索四索六索の形から六索は切らないのではないでしょうか。
おそらく三色同順なのです。

二万三万四万二索三索四索二筒三筒四筒九筒九筒牌の背牌の背牌の背

という藤崎プロの目指しているアガリのイメージが浮かんできます。
牌の背牌の背牌の背はソウズ以外のメンツ、あるいは九筒が暗刻+頭というあたりが想像できますが、他の中張牌を未練なく捨てているのですでに完成している可能性が高い、少なくともリャンメンと感じていました。

待ちは何?
一筒のトイツ落としをしているからシャンポン待ちやタンキも考えにくいです。
何かのシャンポン待ちならば待ち頃となる一筒をトイツ落とししないでしょうし、ここでテンパイならそもそも一筒をポンするでしょう。
きっとアガリやすい牌と藤崎プロが読んでいる牌でしょう。
・山にいる可能性が高い、と予想するような牌
・リーチ者の現物待ちなども有力

…そうすると、四万は実に素晴らしい牌ではないでしょうか。
だとすると片アガリ?そんな不安定なことを…いや、だからこそ盲点、か!

私は、ほぼこの四万が藤崎プロのアガリ牌で、3,900か7,700点の手だと強く予想しました。
伊藤プロのリーチに対してこの後手詰まったとしても、左端に置いた四万だけは絶対切らないと心に決めました。
この対局の感想戦でふれた「感じることができた」と振り返った局面はこの時のことです。

 

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さて、長い説明になってしまいましたが、私がここで主張したかったのは、読みのテクニックではありません。

私が強調したいのは、藤崎プロの中に対して「なんだと!?」と感じることの重要性なのです。

読みの前提となるのは、その出された牌に対する、正当な評価です。
正当な評価をするために必要なことは、対局者相手に対する敬意です。
敬意が欠如していると、アンテナが働かなくなり、牌がぼやけて意味を見失います。
「必ず意味があるはずだ」と謹んで受け取り、分析することによって真相に近づくことができます。

もちろん、打ち手のレベルによっては、打牌の意味の軽重もかわってくることでしょう。
しかし、それでも敬意を払って、軽重を加味した上で吟味することが重要です。

「なんでも出てくるんだもの。読むことができないよ、無視無視!」といった趣旨の発言を時に耳にします。
しかし、それは思考放棄の言い訳にすぎません。
誰に対しても敬意を払い、理由・意味を五感を総動員して探るほうが、「相手を見ない」ことよりも確実に適切な対応ができます。
それに「相手を見ない」のなら、そもそも4人でやる必要がないゲームですよね。

相手に敬意を払うこと、敬意を失うこと、どちらもAI(人工知能)には無い現象です。

 

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【② 感謝する心】

 

この原稿を書いている現在、世界は新型コロナウイルス感染症の影響で多大なるダメージを受けています。
麻雀界も例外ではなく、長い間、麻雀を楽しむことができなくなりました。
私も人生で初めて、1秒も牌に触れない期間が続きました。
当たり前のようにできていた麻雀が、こんなにも有難いものだったのか、と振り返る時間でした。

2020年6月1日に再開されたリーグ戦。
マスク着用での不自由な対局となりましたが、麻雀を打てることへの感謝の気持ちでいっぱいでした。
ドラが来るだけで嬉しく、アガリの一つ一つを愛おしく感じたものです。
場を壊さないように一打一打を丁寧に打つように心がけました。

考えてみれば、麻雀ができるということは奇跡的なことです。
何も心配なく麻雀を打てる環境の背景には多くの人のサポートがあります。
何より対戦相手がいなければやることができません。
今回のような感染症でなくても、戦争などが起こったらすぐにできなくなってしまう儚いものなのです。

そう考えるとなんと有難いことか。

麻雀で負けたとき、振り返ると、途上で投げやりな打牌が混ざっていることが多くあります。
それはやはり、麻雀が打てることについての有難さを忘れていることに起因していると思います。

有難さを理解し、喜びをもって臨むときはそれがありません。
自然と安定した選択をすることができます。
攻めるべきときは攻め、オリるときはオリる。
たとえ負けたとしてもダメージはありません。
なぜなら「打てるだけで倖せ」なことと分かっていて、ベストを尽くすことができたからです。

何らかの事情でしばらく打ってない状態だった人が、大勝して「ツキがたまってる」などと理由付けされることをよく見かけます。
私にとってはツキが理由ではなく、打てるありがたさを噛みしめ、丁寧に打ったことが勝ちにつながっただけ、と分析しています。

ある程度のレベルに達すると、勝敗は、心の動きで決まります。

危険牌の見落としは、「慢心」や「恐怖」による視野の狭さが原因。
押し引きのバランスの崩壊は、「怒り」や「不安」が原因。
選択のミスは「欲」や「打算」が原因。
結果が出たあとに、人間は思い知ります。
「心のせいで判断を間違えた。本能が教えてくれて、本当は正解を知っていたはずなのに…」

それらを克服するために重要なのが「感謝すること」だと思うのです。
感謝しているときに、上記のような「悪い心の動き」は顔を出しません。

どうやったら麻雀の価値に感謝することができるか。
それは日々、しっかり生きることだと思います。
・あいさつをしっかりすること
・仕事をしっかりやること
・良質な書籍や映画などを観ること
等々いくらでもあります。
それらを全うすることで麻雀ができる感謝心が生まれると考えています。

だから、麻雀で勝つためには、1半荘打つことよりも、身の回りの掃除をすることの方が有効、と心の底から信じています。

AI(人工知能)には感謝する、という概念はありません。人間だけの特権です。

 

 

【③ 成長し続けること】

 

AI(人工知能)の碁は、多くのプロが「違和感がある、気持ち悪い」、「考えられない悪手にみえる」と評しました。
人間が長い年月をかけて築き信じていた定石や真理を逸脱し、破壊するものばかりだったそうです。

麻雀においても、現在の「正しい常識」が、近い将来、間違っていると評価されるケースが多々でてくるでしょう。
したがって、研究の進歩にあわせて、進化する技術・戦略などを、常に取り入れていかないと取り残されます。
どこまでも勉強、成長していく必要があるのです。
自分の中で正しいと考えている固定観念に固執し、他を否定する姿勢だとこれは叶いません。

いつまでも成長の可能性を信じ、進むことができるかどうかは、本人次第です。
そしてそれができる人間こそがやはり強い。
また成長し続けられるからこそ、麻雀、そして人生は楽しい、ともいえます。

AlphaGoに敗れた柯潔九段が残したコメントがそれを物語ります。
「(人工知能のおかげで)新しい領域に進むことができ、新しい世界に到達することができる」

 

 

【④ 楽しむこと】

 

最後に。
麻雀で勝つために一番大切なことは「楽しむこと」だと思います。最強です。
理論を勉強して習得し、研究を重ね、対戦相手に敬意を払い、感謝し、成長を実感できるならば、どう考えても麻雀は楽しいものです。
楽しんでいるときに麻雀で負けた人はかつていたのでしょうか?

楽しくない時は、その理由を探ってみましょう。
何かを失うことが怖かったり、何かを欲しがったりしていないでしょうか。
評価や結果を恐れてないでしょうか。
そんなことで楽しさを失うのは、とてももったいないことだと私は感じます。

AI(人工知能)は、どんなに強くても麻雀を楽しむことができない。
人類は楽しむことができる。

人は、志や信念によって、足りない部分を努力して克服して成長することができる。
恐怖や欲に打ち勝ったり我慢したりすることができる。
だからこそ、打っていても、観ていても、それが伝わる瞬間、人は感動するのではないでしょうか。
そして麻雀を通して成長する機会を与えられていると思うのです。

私のコラムはこれで終りになります。
思想的な内容が多くなりましたので、この手の文章が苦手な方もいらっしゃったかもしれません。
また戦術というタイトルから技術面の話を期待した方には申し訳ありません。
ただ、強くなるために本当に必要と私が考えることを正直に書きました。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。

最後に一番伝えたいことです。
麻雀を楽しみましょう!

「碁の本質は楽しむこと。AlphaGoとの対局はずっと楽しかった」
李九段

「AlphaGoは世界を変えてしまったが、ぼくはぼく自身でありたい。そして囲碁が楽しいことを伝えたい。その責任がある」
柯潔九段

 

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第16期静岡プロリーグ 第1節レポート

未曾有の脅威が我々を襲った2020年も夏を迎えた。
手放しで夏の到来を喜べないのは歯痒いが、僅かに光明が見えた。
顔を俯いて過ごした冬が終わり、少しだけ顔を上げて今宵の月を眺めながら物思いに耽られるようになった。

前年度、各選手は様々な思いを抱いたのだろう。だが一喜一憂している暇はないのだ。
頂上に辿り着いたら、また新たな旅路の始まりだ。未踏の山々を目指し、己の足で踏みしめるのだ。

涙を流した者はその流した涙を種にして、己の心にある畑にそっと植えるのだ。その畑を毎日手入れして、いつか訪れる実りを願うのだ。
前年度を回顧すると、私は『畑手入れ派』である。『未踏の山々派』が羨ましい。
まだまだ汗をかいて、実りを待っているのである。

しかしながら、近頃はオムライス作りに熱中しており、自宅でオムライスばかり食べているという体たらくである。
むしろ早めに仕事や麻雀を引き上げて、オムライス作りの時間を確保しているきらいがある。

『これこれ、心の畑に種を植えるとかって言う話はどうなってるんだい?』という疑問が皆様の頭に浮かんだと思う。

違うのだ。
畑の手入れ方法はお風呂の湯加減や薬の効き方と同じなのだ。
そう、人それぞれ違うのだ。自分の畑からどんな花が咲くのかは分からない。私はいつ咲くかも分からない花の色を確かめるために、またあの場所に向かったのだ。

静岡プロリーグ、2ヶ月遅れの開幕。

1卓
藤島健二郎 × 蓮沼友樹 × 天音まこと × 平岡理恵

ベテラン3人vs若手1人の構図。

結果
蓮沼 +67.8P 天音 +31.8P
平岡 ▲39.2P 藤島 ▲60.4P

大荒れの展開を制したのは蓮沼と天音。
藤島と平岡は大きく出遅れた。

対局終了後、藤島の複雑な表情が印象的であった。

復帰戦の平岡は本調子ではないか…。
次節以降の奮起を願う。
この世の強者は総合格闘技のチャンピオンでもなく、あらゆる利権を持った権力者でもない、母なのだ。

2卓
太田昌樹 × 木原翼 × 佐藤伶太 × 中村裕之

ベテラン太田vs静岡初参戦の関西・中部・北陸の若手。

結果
佐藤 +59.1P 中村 ▲12.3P
木原 ▲19.7P 太田 ▲29.1P

佐藤・中村・木原が太田に尻込みするかと思いきや、ここは関西本部・佐藤の1人浮き。
太田は辛い展開の中、4回戦で浮きを取りマイナスを減らした。

3卓
鈴木郁孝 × 平野敬悟 × 望月雅継 × 土屋幸弘

やはり注目は望月と現静岡リーグチャンピオンの鈴木郁であるが、平野と土屋のカウンターにも注目である。

結果
鈴木郁 +123.5P 土屋 ▲32.0P
平野 ▲33.0P 望月▲58.5P

鈴木郁の超特大トップ。
土屋・平野・望月は成す術なしか…。
そして望月がまさかの大沈み。

4卓
岡本和也 × 大橋幸正 × 鷲見隼人 × 渡辺洋巳

こちらも楽しみな卓である。

結果
大橋 +75.8P 渡辺 ▲13.4P
鷲見 ▲27.4P 岡本 ▲35.0P

大橋の大きな1人浮き。
親番で高打点のツモアガリをした際、渡辺・鷲見・岡本の落胆が私の卓まで届いていた。
大橋は『麻雀整体師』のキャッチコピーの通り、整体師である。たとえ何日も眠れないくらい体が痛んでも、立ち上がれない程のぎっくり腰になったとしても、渡辺・鷲見・岡本が大橋に整体を頼むことは一切無いのだろう。

熱戦はまだまだ続く。

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 10節 合計
1 鈴木郁孝 123.5 123.5
2 大橋幸正 75.8 75.8
3 蓮沼友樹 67.8 67.8
4 佐藤伶太 59.1 59.1
5 天音まこと 31.8 31.8
6 青嶋宏樹 0.0 0.0
7 石津寿人 0.0 0.0
8 川崎義之 0.0 0.0
9 京平遥 0.0 0.0
10 斉藤隆 0.0 0.0
11 島﨑涼 0.0 0.0
12 鈴木秀幸 0.0 0.0
13 中寿文 0.0 0.0
14 杉村泰治 0.0 0.0
15 田中寛治 0.0 0.0
16 中村裕之 ▲ 12.3 ▲ 12.3
17 渡辺洋巳 ▲ 13.4 ▲ 13.4
18 木原翼 ▲ 19.7 ▲ 19.7
19 鷲見隼人 ▲ 27.4 ▲ 27.4
20 太田昌樹 ▲ 29.1 ▲ 29.1
21 土屋幸弘 ▲ 32.0 ▲ 32.0
22 平野敬悟 ▲ 33.0 ▲ 33.0
23 岡本和也 ▲ 35.0 ▲ 35.0
24 平岡理恵 ▲ 39.2 ▲ 39.2
25 望月雅継 ▲ 58.5 ▲ 58.5
26 藤島健二郎 ▲ 60.4 ▲ 60.4

第35回静岡リーグ(プロアマ混合)第1節レポート

みなさんはじめまして。

第35回静岡リーグのレポートを担当させていただくことになりました34期後期生の斉藤隆と申します。
拙い文章になるかもしれませんが、半年間お付き合い頂ければ幸いです。
よろしくお願いいたします。

2月、鈴木郁孝プロの涙の初優勝で幕を閉じた第34回静岡リーグから4か月。
新型コロナウイルスによる非常事態宣言の発令により、当初の4月開幕から延期になり、開催そのものも危ぶまれたが、6月21日ようやく待ちに待った第35回静岡リーグが開幕した。

今回は延期の影響で4節開催となってしまったため、1節あたりの比重が非常に大きいものとなっている。

今回はコロナの影響で参加を見合わせる参加者も多かった。
それでも60名弱という多くの参加者での開催となった。

そのような状況下の中、東京本部、中部本部、関西本部、北陸支部の各本支部所属のプロ、そして静岡内外から参加していただいているアマチュアの皆様のおかげで無事に開催に至ったことをこの場を借りてお礼申しあげます。

感染防止対策として、消毒やマスク着用、検温と例年にはない雰囲気ではあったが、やっと開催できる喜びが参加者からひしひしと伝わった。

密集を防ぐために参加者を半分にして開会式。
例年の選手紹介を簡略化し、意気込みはなしという形だったが、いざ対局がはじまると、各卓から参加者の熱がこもった打牌や発声が会場中に響いていた。

結果に目を向けると、首位にたったのが、アマチュアの山田さん。
+106.7Pのポイントをたたき出した。
今回からレギュラー参加、誰もが知る実力者だが、1節目からトップ3回、2着1回と結果をまとめてきた。
4節開催の短期決戦でこのポイントは決勝に向けての大きなアドバンテージである。

2位につけたのは、リーグ戦開始前に今回は絶対上位に入ると、昨年の不調から巻き返しを誓っていた鷲見隼人プロが有言実行の+72.3P。
鷲見プロは2年前、静岡プロリーグ、地方チャンピオンシップを制した実力者。
決勝を見据えた上々のスタートが切れたというところだろう。

3位には32回、34回と決勝進出を果たしているアマチュアの松清さん。
松清さんは決勝の常連になりつつあるが、あと一歩優勝には手が届いていない。
過去2回での忘れ物を取りに行くための好スタートといったところだろう。
公式ルールを勉強、研究を日々しているからこその結果ともいえよう。

余談ではあるが、リーグ戦直前の公式ルールでの練習で、1半荘に国士無双と緑一色を放銃しており、その時には「リーグ戦の分も放銃しきったから、その分プラスにする。」と笑顔で意気込んでおり、有言実行したところはさすがである。

4位にはアマチュアの安藤さん。
遠方から参加していただいて、今回で3回目の参戦。
過去3回では上位で終了した実績もあるだけに、あとはポイントを積み重ねるだけって言ったところだろうか。

そして、個人的に注目したいのは5位の天音まことプロ。
こういう時期だからこそ静岡にと、今期プロリーグ・静岡リーグに参加していただいた。
そういう意気込みはうれしい限りである。
静岡リーグでは上位につけ、次節以降も注目していきたいと思う。

全体を見ていると、リーグ戦という舞台だけに真剣勝負なのは当然なのだが、真剣な顔の中にも参加者みんな笑顔が多かったように感じた。

麻雀を打てる喜び、リーグ戦に参加できる喜びをみんな噛みしめていたのだろうと想像した。

ちなみに私はというと、+19.7Pというスタート。
上位に離されていかないようについていきたいと思う。

結果としては、上位10人中8人はアマチュアの方が占める結果に。
今節下位に沈んでしまったプロは、爆発力のあるプロが揃っている。
今後のプロの巻き返しを次節以降に期待したい。

ただ、例年よりも決勝進出圏内は全体的に大きく離れておらずの団子状態。

2節以降の巻き返しで、大きく上位は変動する状況ではある。
ましてや、1節少ない戦いはみんな未知数の戦いとなる。
この後の1半荘1半荘が目の離せない戦いとなるだろう。

順位 名前 プロ/一般 1節 2節 3節 4節 合計
1 山田昭裕 一般 106.7       106.7
2 鷲見隼人 プロ 72.3       72.3
3 松清一樹 一般 54.3       54.3
4 安藤真由美 一般 51.9       51.9
5 天音まこと プロ 49.9       49.9
6 大谷数則 一般 49.7       49.7
7 白井健夫 一般 47.2       47.2
8 加藤拓 一般 42.4       42.4
9 堀孔明 一般 38.6       38.6
10 牧野卓人 一般 38.0       38.0
11 村瀬光佳 一般 34.0       34.0
12 西田孝志 一般 29.9       29.9
13 中野一男 一般 27.7       27.7
14 佐藤伶太 プロ 21.0       21.0
15 平野敬悟 プロ 19.9       19.9
16 斉藤隆 プロ 19.7       19.7
17 太田昌樹 プロ 17.5       17.5
18 杉村泰治 プロ 15.5       15.5
19 鈴木秀幸 プロ 14.9       14.9
20 高橋大輔 一般 14.8       14.8
21 安藤順一 一般 12.8       12.8
22 渡部文也 一般 7.2       7.2
23 渡辺洋巳 プロ 7.1       7.1
24 島﨑涼 プロ 3.2       3.2
25 青嶋宏樹 プロ 0.0       0.0
26 石津寿人 プロ 0.0       0.0
27 京平遥 プロ 0.0       0.0
28 土屋幸弘 プロ 0.0       0.0
29 蓮沼友樹 プロ 0.0       0.0
30 大橋幸正 プロ 0.0       0.0
31 中村裕之 プロ 0.0       0.0
32 影山恒太 一般 0.0       0.0
33 小山剛史 一般 0.0       0.0
34 服部哲也 一般 0.0       0.0
35 高村龍一 一般 ▲ 0.8       ▲ 0.8
36 伊藤真 一般 ▲ 5.3       ▲ 5.3
37 前嶋茂 一般 ▲ 6.7       ▲ 6.7
38 山内紀博 一般 ▲ 13.5       ▲ 13.5
39 小倉雨 一般 ▲ 15.6       ▲ 15.6
40 井上一雄 一般 ▲ 17.8       ▲ 17.8
41 木原翼 プロ ▲ 18.8       ▲ 18.8
42 片山一哉 一般 ▲ 22.7       ▲ 22.7
43 金田年伸 一般 ▲ 22.9       ▲ 22.9
44 栗島有紀 一般 ▲ 23.7       ▲ 23.7
45 宮地孝尚 一般 ▲ 27.0       ▲ 27.0
46 松本貴仁 一般 ▲ 30.8       ▲ 30.8
47 鈴木優貴 一般 ▲ 33.8       ▲ 33.8
48 鈴木貴仁 一般 ▲ 34.8       ▲ 34.8
49 望月雅継 プロ ▲ 35.5       ▲ 35.5
50 岡本和也 プロ ▲ 42.0       ▲ 42.0
51 湯本紳介 一般 ▲ 51.9       ▲ 51.9
52 鈴木博直 一般 ▲ 52.5       ▲ 52.5
53 鈴木郁孝 プロ ▲ 56.4       ▲ 56.4
54 中寿文 プロ ▲ 72.4       ▲ 72.4
55 伊藤裕美子 一般 ▲ 74.8       ▲ 74.8
56 柳瀬真志 一般 ▲ 79.0       ▲ 79.0
57 藤島健二郎 プロ ▲ 84.5       ▲ 84.5

土田浩翔氏の打牌について

当連盟より、一般社団法人最高位戦日本プロ麻雀協会様宛に以下の文書を提出させていただきました。

令和 2 年 3 月25日
一般社団法人 最高位戦日本プロ麻雀協会 御中

日本プロ麻雀連盟
会長 森山茂和

MONDOTV放送対局における土田浩翔氏の打牌について

拝啓 時下ますますご清栄のことと拝察いたします。
さて、4月からの新しい年度を迎えるにあたって、今期のことは今期中に方を付けるべくご連絡させていただきました。
先般、貴団体から映像媒体に関するもっともな抗議をいただき、お互いに主張するべきことは主張するのが、今後のプロ麻雀界にとって最良であると考えるに至りました。
2019年4月にMONDOTVで放送された「第13回モンド名人戦」の予選最終戦(#10)の南4局2本場での、貴団体所属の土田浩翔プロの打牌について疑問がございます。
この時点での牌図を別紙に添付いたしますのでご覧ください。
親の森山と貴団体所属の金子正輝プロがリーチを掛けていました。森山と金子プロのどちらがアガっても、両者とも予選通過が決まっているという状況(金子プロは森山に三倍満を放銃すると予選落ちになりますが、森山からのリーチ棒が出たことで満貫ツモで2着になるという状況でした)で、北家の土田プロは現状だと予選落ち。1,000点でもアガれば予選ボーダーをクリアするという状況でした。また、予選のポイントは次のステージまで持ち越されるというシステムです。
リーチの一発目に土田プロは2ピンをチーして、打牌の直前が牌図の局面です。
両者に通る牌はありません。自分の都合だけなら普通は8ピンを対子落とししていくところだと思われます。
親の森山の現物の3ソーは、36ソーのスジが6枚見えており、金子プロには危険です。ドラの4ソーは金子プロの中スジですが、森山には危険です。
ここで土田プロは3ソー切りを選び、金子プロに放銃しました。次は森山に放銃となる4ソー切りだったのでしょうか?
実力のあるベテランプロ雀士として、かなり不自然な打牌であるため、貴団体のお考えを聞かせていただきたく思い、ご連絡させていただきました。
何卒、よろしくお願い申し上げます。

敬具

 

100

 

先日、以下のようなお返事をいただきましたので、掲載させていただきます。

 

令和2年7月5日

日本プロ麻雀連盟 御中

一般社団法人 最高位戦日本プロ麻雀協会
代表 新津潔

第13回モンド名人戦の予選最終戦における土田浩翔選手の打牌について
拝啓 時下ますますご清栄のことと拝察いたします。
お問い合わせいただいておりました件につきまして回答が遅くなりましたこと、お詫び申し上げます。
当会はお問い合わせいただいたこと自体に困惑しており、土田の意図をご理解頂けなかったことに関して誠に遺憾ではございますが、以下ご説明させて頂きます。

 

■該当局面で打3ソウと選択した理由について
 
まずは該当局面において自身の予選通過を目指すという前提の下、土田の狙いは大きく分けて以下の4点でした。

① 自身がアガる
② 森山プロが金子からアガることで自身の着順が浮上する
③ 流局
④ 森山プロがツモアガり、次局に進む

ポイント状況をふまえますと、①は通過が確定。②~④は次局に勝負を持ち越すという選択です。ここでは3ソウが先制リーチの森山プロの現物であること、金子がヤミテンを選択しており、ツモ切り追いかけリーチに至ったことを考慮すると、36ソウ待ちの可能性は低いと考えました。
・役あり36ソウ待ちであれば、現物待ちなのでヤミテンを続行する可能性が高い ・役なし36ソウ待ちであれば、他家の攻撃に対して守備の意識でヤミテンを選択していたことになるので、親リーチという明確な攻撃を受けてからリーチに踏み切る可能性は低い
以上の点から金子に最も通りやすい牌は3ソウであると判断した次第です。
当協会といたしましても、上記の①を目指す上での最善が打3ソウなのか打8ピンなのかは判断できませんが、金子へ放銃してしまうと上記①~④の狙いも消えてしまう状況の手順として、現時点でも最も安全だと判断した打3ソウに不自然さは感じません。また土田の手牌の中で金子に対して最も安全な牌は8ピンではなく3ソウであるという土田と同じ見解を当協会の複数選手が持っております。

 

■3ソウが放銃とならなかった場合に4ソウを切ったのか?について
 
ドラ4ソウが放銃となる可能性は当然考えられ、森山プロに放銃となった場合には自身の予選通過が厳しいものになることは重々承知しながらも、以降の聴牌のタイミングと局面によっては切り出す予定だったと申しております。
当協会としましても、この後土田が聴牌した場合に、流局連荘等に期待し、4ソウではなく、その瞬間一番安全だと思われる牌を選択することは十分にあると捉えておりますし、また4ソウを打つことも勝負に値するものだという認識もございます。
具体的には
・森山プロのリャンメン待ちは上下ワンチャンスである
・森山プロにリャンメンで放銃する分には(5800などであれば)次局可能性が残る
・森山プロのシャンポン待ちは手順として考えにくい
・金子のシャンポン待ちがあるのであれば即リーチしている可能性が高い
・聴牌流局すれば次局の横移動でも勝ち上がりできる
という打4ソウを後押しする要素に加えて
・残りの巡目
・残っているリーチの待ち(4ソウがどれくらいの確率で放銃になるのか)
・自身の待ち枚数(山に残っている枚数)
・自身の安全牌の枚数(と安全度)
などの刻一刻と変わる要素によって都度判断するものですので、必ず4ソウを切ったとも切らなかったともお答えすることが出来ないことご容赦くださいませ。
以上が土田浩翔の選択根拠と、土田が所属する当会の見解です。
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

敬具

何を切る? 2020年7月

第37期鳳凰戦A2リーグ 第1節 B卓 5回戦 東3局1本場 東家 古橋崇志プロ

 

 

 

 

 

■ Twitterで実施したアンケートの結果

 

 

 

 

■プロ解答

七索切り

 

 

 

 

七万切り

 

 

 

 

九万切り

 

 

 

 

九筒切り

 

 

■実況・解説陣

 

 

内川「ツモ切りかなぁー?六万切りたいくらいの手だね。」
小笠原「六万切りたい。ドラじゃなければ・・・」
内川「(七索切り)七対子かー。」
小笠原「七対子の1シャンテンに構えました。内川さんはツモ切りなんですね。」
内川「九万をツモ切るか、八索を切っておくか。」

 

■プロの視点

 

 

 

■終局図

 

 

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第34回静岡リーグ(プロアマ混合)決勝観戦記

決勝進出者は以下の5名。

鈴木郁孝(静岡支部)
高木翔太(静岡支部)・
舟橋晃(一般参加)
松清一樹(一般参加)
望月雅継(静岡支部)

 

1回戦(起家から鈴木・高木・望月・松清)

東3局1本場、いきなり山場が訪れる。

15巡目、松清さんから「ツモ」の発声。

四暗刻のアガリである。

四万四万六万六万六万九万九万七索七索七索六筒六筒六筒  ツモ九万  ドラ九万

しかし、望月・鈴木の両名がこのまま黙ってはいない。
2人がそれぞれ跳満をツモアガリ、松清さんの独走に待ったをかける。

1回戦は松清さんの四暗刻をきっかけに大物手の応酬となり、実に静岡リーグらしい幕開けとなった。

1回戦成績
松清+34.5P 鈴木+4.3P 望月▲15.7P 高木▲23.1P

1回戦終了時
松清+44.5P 鈴木+44.3P 舟橋+20.0P 高木+6.9P 望月▲15.7P

 

 

2回戦(起家から望月・松清・舟橋・鈴木)

南1局、望月・鈴木・舟橋さんの手がぶつかる。

親・望月
七万八万九万七索八索九索二筒二筒七筒八筒九筒中中  リーチ  ドラ七索

西家・舟橋
三万四万五万三索四索七索八索九索三筒四筒五筒北北  リーチ

北家・鈴木
六万六万七万七万八万八万二索三索四索五索二筒三筒四筒  リーチ

結果は、鈴木が二索をツモり2,000・3,900のアガリ。
それでも望月はこの後2,000・4,000、1,000・2,000と連続でアガリ、この半荘トップで終える。

2回戦成績
望月+25.9P 鈴木+14.1P 松清▲15.3P 舟橋▲24.7P

2回戦終了時
鈴木+58.4P 松清+29.2P 望月+10.2P 高木+6.9P 舟橋▲4.7P

 

 

3回戦(起家から望月・高木・松清・舟橋)

東2局、高木と舟橋さんの手がぶつかる。

東家・高木が9巡目に以下の形でリーチ。

五万六万七万三索四索六索六索五筒五筒六筒六筒七筒七筒  リーチ  ドラ六索

西家・舟橋さんが12巡目に追いつく。

七万八万九万五索六索二筒三筒三筒四筒四筒五筒北北  リーチ

軍配は舟橋さん。高木から3,900の出アガリだった。
舟橋さんはここまでの鬱憤を晴らすかのようにアガリ続け、ダントツの1人浮き状態に。
しかしオーラスで高木が意地のチンイツを成就させ、浮きに回る。

3回戦成績
舟橋+27.0P 高木+9.5P 望月▲8.9P 松清▲27.6P

3回戦終了時
鈴木+58.4P 舟橋+22.3P 高木+16.4P 松清+1.6P 望月+1.3P

 

 

4回戦(起家から舟橋・望月・鈴木・高木)

開局から望月が5,800、2,600と放銃が続くも、東3局に2,000・3,900をアガリ返し迎えた東4局、親の高木が5巡目にドラの二万を暗カンし、7巡目にリーチ。

六万七万八万七筒八筒九筒南白白白  暗カン牌の背二万 上向き二万 上向き牌の背  リーチ  ドラ二万

普通なら他家はベタオリとなりそうだが、このリーチに立ち向かう者がいた。

望月である。

五索六索六索七索七索八索九索九索三筒四筒五筒六筒七筒  リーチ

望月の気合いに押されるかのように高木が二筒を掴む。

この後、望月は立て続けにアガリ、終わってみれば1人浮きの大トップ。
トータルでも首位の鈴木に並んだ。

4回戦成績
望月+38.0P 舟橋▲3.0P 鈴木▲12.9P 高木▲22.1P

4回戦終了時
鈴木+45.5P 望月+39.3P 舟橋+19.3P 松清+1.6P 高木▲5.7P

 

 

5回戦(起家から鈴木・舟橋・松清・高木)
この半荘終了時、トータルラスの選手が敗退となる。

比較的小場で進み迎えた南3局、この半荘のトップを決定づけるアガリが出る。
親の松清さんが10巡目に南ポンテンの7,700のテンパイを入れる。

七索八索一筒一筒一筒三筒三筒三筒六筒六筒  ポン南南南  ドラ六筒

2巡後、ツモ七索でMAX8,000オールを見てシャンポンに受けかえる。
これが功を奏し、同巡にリーチをかけた高木から七索を討ち取り12,000の出アガリとなる。

七索七索一筒一筒一筒三筒三筒三筒六筒六筒  ポン南南南  ロン七索

このリードを守り切り5回戦は松清さんがトップ。

5回戦成績
松清+26.6P 舟橋+7.6P 鈴木+4.3P 高木▲38.5P

5回戦終了時
鈴木+49.8P 望月+39.3P 松清+28.2P 舟橋+26.9P 高木▲44.2P 

 

 

6回戦(起家から望月・松清・舟橋・鈴木)
首位から4位までのポイント差が22.9Pと過去に類を見ないほどの大混戦となった。
こうなると席順の有利不利はない。

東1局、親の望月が8巡目に先制リーチ。
これに対し舟橋さんが無筋を3枚勝負し、アガリきる。

四万五万七万七万三索四索五索六索七索八索  チー四筒 左向き三筒 上向き五筒 上向き  ロン六万

東2局1本場、今度は鈴木が攻める。
1,300は1,600の出アガリで局回しに成功する。

東4局は西家・松清さんが1,300・2,600のツモアガリ。
これで鈴木は原点を割り更なる大混戦に。

南3局、配牌でドラドラの舟橋さんが6巡目にリーチ。
1シャンテンだった望月から討ち取り、7,700の出アガリとなる。

そして迎えたオーラス。
微差ながらトータルトップ目の鈴木は1,000オールをツモアガリ、ノーテン終了できる点差に。

南4局1本場、各者の優勝条件は以下の通り。

望月 跳満ツモ、鈴木から跳満直撃、3倍満
松清さん・舟橋さん 1,300・2,600ツモ、鈴木から3,900直撃、倍満
鈴木 1人ノーテンOK

一番条件の厳しかった望月が無駄ヅモ無しで5巡目に以下のテンパイでリーチ。

一万一万一万五万六万七万九万三筒三筒三筒西西西  リーチ  ドラ九万

九万は山に残り2枚。

15巡目、ようやく舟橋さんにも条件が入る。

二万三万六万七万八万二索二索三索四索五索三筒四筒五筒  リーチ

この時点で望月・舟橋さんのアガリ牌は山に1枚ずつ残っていた。
しかし最後まで両者の手が開かれることは無く、アガリ牌は王牌に死んでいた。

6回戦成績
舟橋+13.4 松清+9.2 鈴木▲4.9 望月▲19.7(供託2.0)

最終結果
鈴木+44.9 舟橋+40.3 松清+37.4 望月+19.6 高木▲44.2(途中敗退) 供託2.0

鈴木はついに念願の初タイトルに手が届いた。
小さくても、タイトルを取ると景色が変わるという。
この日の勝利は鈴木にとって大きな意味を持つことになるだろう。
これからの更なる活躍に期待したい。

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巣鴨本部道場 2020年6月度プロアマオープン大会成績表 最終結果(プラス者のみ)

※今回は4月1~3日、6月営業日分の成績を“6月度”とさせて頂きます。

 

WRCルール部門(連続16戦)

順位 名前 打数 成績
1 篠田拓郎 18 246.3
2 太田久雄 16 228.5
3 藤次祐紀 59 212.1
4 金山二郎 16 162.8
5 くまお 21 160.6
6 茶谷正人 18 108.3
7 西角健二 28 89.7
8 藤原隆弘 35 55.2
9 丹野賢一 16 54.4
10 中村 45 50
11 市川幹人 21 49.9
12 岡本浩一 34 42.4
13 のりさん 26 34.4
14 木本一郎 29 3.4
15 稲熊勝明 19 1.6

 

 

公式ルール(連続8戦)

順位 名前 打数 成績
1 藤次祐紀 17 167.9
2 丹野賢一 12 128
3 西部健寛 11 115.1
4 金山二郎 8 75.1
5 もと 9 70.5
6 茶谷正人 9 59.7
7 木梨祐輔 12 50.2
8 太田久雄 10 37.4
9 市川幹人 12 22
10 前原由紀子 12 20.2
11 中村 9 12.1

 

 

道場ポイントランキング

順位 名前 1WRC 1公式 2WRC 2公式 3WRC 3公式 6WRC 6公式 合計
1 岡本浩一 400 100 250 0 400 0 119 0 1269
2 藤次祐紀 114 37.5 92 75 160 45 250 100 873.5
3 丹野賢一 200 23.5 140 30 118 47.5 150 75 784
4 金山二郎 94 35 190 24.5 120 29.75 200 50 743.25
5 くまお 116 23 180 28.75 116 50 190 29.5 733.25
6 藤原隆弘 150 23.75 200 29.5 150 0 160 0 713.25
7 中村 96 21.75 113 47.5 190 75 140 30 713.25
8 松村祐輔 300 0 150 0 250 0 0 0 700
9 加藤はるみ 83 29.25 300 27.75 115 0 115 0 670
10 水野裕来 0 21.5 400 62.5 92 29.5 0 29 634.5
11 Andy-San 140 47.5 160 0 119 62.5 0 0 529
12 篠田拓郎 0 20.25 96 0 0 0 400 0 516.25
13 稲熊勝明 98 0 112 0 170 0 116 0 496
14 西角健二 115 0 93 0 99 0 170 0 477
15 塚田悠介 180 29 86 0 113 35 0 0 443
16 のりさん 86 25.25 118 0 93 0 118 0 440.25
17 立岩知朗 170 0 120 0 117 28.25 0 0 435.25
18 前原由紀子 66 20 0 0 200 0 114 35 435
19 太田久雄 59 29.5 0 0 0 0 300 40 428.5
20 木本一郎 111 0 73 0 101 0 117 0 402
21 市川幹人 0 28.5 0 28.25 87 100 120 37.5 401.25
22 カズ 160 0 81 100 0 37.5 0 0 378.5
23 青木保則 250 0 79 45 0 0 0 0 374
24 後藤竜司 117 18.25 97 0 97 28.75 0 0 358
25 住吉聡 118 0 95 0 140 0 0 0 353
26 茶谷正人 92 0 0 35 0 0 180 45 352
27 シマカタ 120 24.5 117 42.5 0 40 0 0 344
28 菅沼正樹 0 0 0 0 300 0 0 0 300
29 厚地 79 0 115 0 98 0 0 0 292
30 葭葉 95 45 85 40 0 0 0 0 265
31 小林泰士 81 62.5 94 24.75 0 0 0 0 262.25
32 新井 100 0 67 0 94 0 0 0 261
33 岡野 113 28.25 119 0 0 0 0 0 260.25
34 福永雄介 67 0 82 0 95 0 0 0 244
35 西部健寛 0 0 0 0 180 0 0 62.5 242.5
36 テツ 99 21.25 116 0 0 0 0 0 236.25
37 ナベ 93 0 114 0 0 0 0 0 207
38 小笠原和彦 71 24.25 71 29.25 0 0 0 0 195.5
39 井出博幸 80 28 83 0 0 0 0 0 191
40 カオリンゴ 190 0 0 0 0 0 0 0 190
41 冨田久志 0 50 101 37.5 0 0 0 0 188.5
42 月下の雀士 0 0 170 0 0 0 0 0 170
43 野上陽子 85 0 84 0 0 0 0 0 169
44 加藤恵美子 70 0 98 0 0 0 0 0 168
45 齋藤麻衣子 65 0 0 0 96 0 0 0 161
46 美子 68 19.75 70 0 0 0 0 0 157.75
47 ダニエル・モレノ 0 0 99 50 0 0 0 0 149
48 ケンタ 61 0 87 0 0 0 0 0 148
49 78 0 66 0 0 0 0 0 144
50 佐藤好子 64 0 78 0 0 0 0 0 142

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