「~開幕~」 藤崎 智

第36期鳳凰位決定戦初日。29期30期31期に続いて5年ぶり4回目の決定戦。
29期は初日▲50Pオーバーで1人大きく出遅れて結果3位。30期は初日からロケットスタートでそのまま大差での優勝。31期は初日▲50Pオーバーながら3日目に一旦トータルトップまでいき最終的には2位。というわけで過去3回は初日上か下かに振り切れていた。さて今回はいかに。

今決定戦の作戦はズバリ「出たとこ勝負」。個性的なメンバーとなった36期の決定戦なのだが、古川プロの仕掛けにどう対応しようか?打点力のある吉田プロと西川プロ相手にどこまで捌きを使おうか?等少し作戦を考えたが、自分が勝つ確率を少しでも上げるためには正攻法が一番良いのでは?という結論に達した。
自分の麻雀が正攻法という意味ではない。あくまで自分の中での正攻法、つまりはいつも通りの自分のスタイルでという事である。というわけで「出たとこ勝負」といってもけして何も考えていないわけではない・・・つもりである。しいていえば初日大きく出遅れるのは嫌ってくらい。

1回戦ノー和了のラス。▲29.3P。
2回戦。南4局の親番を迎えた時点で10,500点持ちのラス目。このまま終われば▲57P弱。さらにトップの古川プロとの差は早くも100ポイント以上ついている。とにかく全くアガれないし、とにかく何も出来ない感じである。

 

 

配牌には恵まれなかったもののツモがきいてくれて10巡目1シャンテン。これがなかなかテンパイ出来ない。15巡目にこの半荘を終わらせたい古川プロの仕掛けが入って16巡目テンパイ。これほど悪い状態でなければ少しでもアガリの確率を上げたい手なのでヤミテンに構えるのだが、このときはどうやってもアガリに結びつくイメージがわかなかった。なのでおそらくテンパイであろう古川プロにオリて欲しくてリーチといった。

 

 

自分なりの正攻法で?自分のスタイルで?
全16回戦の2回戦目にして早くも自分のスタイルを曲げた。早々に自分の中では「非常事態」となっていたのである。
思えば今決定戦で自分のスタイルを曲げたのはこの局だけだったように思う。4日間を通しても一番印象に残っている局である。

 

 

結果は自分でも驚きの6,000オール。まだ麻雀の神様には見放されてはいなかったようである。

1本場ではアガれず浮きまでとはいかなかったが、このアガりのあと3回戦以降雰囲気が一変した。

2回戦終了時 
古川+50.6P 吉田+17.4P 西川▲30.3P 藤崎▲37.7P

3回戦。東4局。ここまでアガリはないもののツモの伸びや展開で先程までとは明らかに雰囲気が違う。

 

 

場にすでに4枚見えの二万五万待ち。ヤミテンでも簡単に拾えそうでもないし打点的な兼ね合いでもリーチを選択。

 

 

この半荘トップ目の親番の西川プロの押し返し(実際メンホン一通のテンパイが入っていた)に内心ドキドキしていたが意外とあっさり2,000・4000のツモアガリ。
ここからは簡単ではなかったものの、展開が自分のスタイルに見事なまでにマッチして3回戦4回戦と2連勝で初日を締めくくった。

初日4回戦まで 
古川+53.2P 藤崎+6.4P 吉田▲25.7P 西川▲33.9P

どうなることやらと思っていた前半戦も終わってみればプラスで終えることが出来た。
1日で50ポイント近い差は決して小さくはないが前半の感じからすれば満点以上の結果だったと思う。

1日目を終えてのインタビューで、吉田プロが「藤崎さんばかり見ていた。2日目以降も藤崎さんマークで」と答えていた。

初日、局面を常にリードしていたのは明らか古川プロである。「サーフィン打法恐るべし」をまざまざと見せつけていた。「直それはないだろう!」と思って聞いていたのだが、考えてみればたいへん名誉なことである。鳳凰位を獲得するくらいの後輩に意識してもらえるのだから。

2日目以降も自分の出来る全てのものを出し惜しみせず出して、全力で勝ちにいこうと改めて思った瞬間だった。

第37期鳳凰戦A2リーグ第6節C卓レポート

客野直、勝負節を乗り切り昇級を視野に!

9月30日に行われた第37期鳳凰戦A2リーグ第6節C卓は客野直が卓内トップとなり、トータルマイナスしていた所から34.4Pをプラスし、残り5節の目標を昇級に設定することに成功しました。

試合開始前のトータルポイントは以下の通り。

 

 

当日の解説を務めた勝又健志は「今節の結果次第で、今後の目標(昇級と降級回避どちらを目指すか)が変わる。今日は勝負節です」と、通年リーグの折り返し地点である今節の重要性を強調。

 

 

1戦目はオーラスに安村の猛連荘で1人浮きに。暫定のトータルポイントで山田浩之をかわし、降級圏を逃れます。
一方、オーラスに浮きから4着まで転落してしまい尻に火がついたのは客野。2戦目に入ると和久津の役役ホンイツ、安村のチンイツなど大物手が飛び出しますが、自身もメンタンピンドラ1をアガると親番で連荘。1半荘で+38.3Pの特大トップに。

次戦は道中8,600点まで沈んでしまいますが、南場の親番ではペン三索テンパイを取らずにフリテンリーチとするとしっかり高目をツモり6,000オール。

 

 

さらに次局も手を緩めず2,600は2,700オール。

 

 

大きい沈みから+21.0Pのトップまでのし上がると、最終戦も3着とまとめてトータルで古橋を逆転。「勝負節」を勝ちきりました。
1日を終えてのトータルは以下の通り。

 

 

客野は「5万点行ったり5,000点になったり忙しい日だった…トータルもプラスになりました」と振り返りました。

内川は3回戦までアガリが少なく沈んでいましたが、最終戦にはトップを取りプラスでまとめました。

和久津・安村はわずかにプラス。

古橋は4戦中3回の4着で降級回避も視野に入れるべき状況に。
「やってしまいました!なんとか立て直せるように次節頑張ります」と振り返りました。

(文中敬称略)
文:浜野太陽

第37期十段戦 七段戦レポート

9/27(日)の六段戦終了後、勝ち上がり者が残った会場にシード選手が加わり七段戦が行われた。

 

 

 

新型コロナウイルス感染症予防のため、今年の十段戦は初段から隣合った卓を使用せず広く間隔を空けている。受付前の検温(高熱の者は参戦不可)や、半荘ごとの手洗いとアルコール消毒、全員マスク着用など、出来る限りの対策をして慎重に運営している。プロ雀士は対局に参加したり麻雀普及活動をするために、対局当日だけでなく日頃から大人数が集まる場所でのレジャー施設訪問や会食などを控えて感染症予防に努めているはずである。

七段から出場して勝ち上がったのは、前田、近藤、山井、勝又、斉藤、二階堂亜樹、滝沢、本田。Mリーグ「EX風林火山」の3名が全員参戦し、白星を挙げた。

Aリーガーでは、和久津が+115.1Pで圧勝。トーナメントで100超えはなかなか見ない数字だ。

西川、吉田、藤島、魚谷、佐々木も勝ち上がり。

A2山田は3位者の惜敗率1位でワイルドカードを使っての八段戦進出が確定している。(当日までに欠場者が出た場合、惜敗率2位以下の者が繰り上がりで八段戦に進む事がある。)

名前が広く知られていない選手が決勝に来るのも十段戦の醍醐味だが、破竹の勢いを見せていた三段以下のルーキー達はことごとく先輩の強さを思い知らされる結果に。四段から出場、北関東所属の髙橋が最下段からの勝ち上がりとなった。

八段戦は10/10(日)開催予定。Mリーグの和久津、魚谷のセガサミーフェニックス直接対決、勝又、滝沢のEX風林火山直接対決は特に関心が集まるであろう。北関東支部長吉田幸雄、静岡支部長の望月、歴代十段位の櫻井秀樹、柴田吉和の参戦も楽しみだ。

勝ち上がり者も猛者ばかり。現グランプリで七段から出場した北陸の本田。初代世界チャンピオンの山井。鳳凰位・最強位・グランプリの三冠A1リーガーの前田。67歳でマスターズ獲得し、70を超えた現在も第一線で活躍する西島。上記以外にも歴代タイトルホルダーやAリーガーの名が並び、注目選手を挙げたらキリがないほど全卓豪華なカードが揃っている。

連盟公式Twitterでの速報(当日リアルタイム)、公式ホームページのレポート(後日)を通して今期十段戦の様子を皆さんにお伝えしていくので、是非ご覧頂きたいと思う。

(文:編集部)

第37期十段戦 六段戦レポート

9/27(日)六段戦が行われた。段位制を採用している麻雀プロ団体は当連盟のみ。

 

 

 

他のタイトル戦とは一味違う面白さがあり、そのシステムを理解するとより速報結果や観戦が楽しめると思う。

要点は2点。

①トーナメント戦
会場内上位◯◯%通過というシステムは1回戦ごとに対戦相手が変わる。通過ラインは変動するため、大まかに予想しそれを上回るように照準を合わせて打つ。最終戦はトップなら間違いなく通過、2着は7割方通過、3着ならかなり素点が必要といった具合だ。今同卓している相手を上回る戦略はもちろん大事だが、ライバルは卓内の人間とは限らない。先に終わった卓が不利にならないよう最終戦の別卓の結果は全卓が終わるまで明かされないよう配慮されている。
一方トーナメント戦は同一の4名で規定回数を戦い、卓内上位2名が次に進む。これだと別卓の結果は影響なく、目の前の3名のみがライバルとなる。序盤は自分のみが連勝などして当確になる事を目指す。もし自分以外の人が当確になれば2、3、4位のうち1人しか勝ち上がれないので、現状2位の自分は3位には振り込まないように打つなど、毎局正確な戦略を立てる事が出来る。トーナメント巧者と言われるプロは他家とのポイント差を瞬時に判断し、その局の最善手を選ぶ能力が高い打ち手だ。ベスト16からは配信される予定なので、選手の戦略に注目してご覧頂けたらと思う。

②段位戦
連盟に入るとまずは初段からスタートとなる。規定値を達成すると二段に昇段となる。プロリーグ戦やタイトル戦に出場する事で段位ポイントが加算されるが、そこで好成績をおさめるとポイントが多く加算され、昇段が早くなる。
初段から二、三、四…と勝ち上がる十段戦は強者の集まる塔を登る行為に近い。4人中2人しか登れない階段があり、同フロアのライバルを倒して登ると次のステージにはボスが2人待ち構えている。そこで何とか勝っても次の階にはさらに強いボスが現れる。六階ともなるとフロア中がボスだらけ、それ以外は傷だらけになりながらも目力はギラついて勝利を欲しているような顔ぶれだ。一階で見かけた者が向こうで無念を滲ませ倒れているのが見える。三階で激突し、自分が非常に苦戦した相手はAリーガーに惨敗し、俯いて悔しさを堪えている。例えるならそういうシビアなタイトル戦である。高段者の圧倒的な強さももちろん見所だ。低段位からスタートして勝ち上がっている勢いのあるルーキーに着目すれば、いつかタイトルを獲得するような大物を早くから見つけて応援する事が出来る。次の段でも高段者やタイトルホルダー相手に大金星を挙げるかもしれない。未来のスターを発掘するのも十段戦観戦の楽しみの1つと言えよう。

 

 

六段戦
現A1リーガーは西川淳、吉田直、佐々木寿人が、A2リーガーは和久津、藤島、一井、魚谷、麓、白鳥が七段戦に駒を進めた。
魚谷は卓内1人プラスで同卓者を圧倒し、一方白鳥と一井は最終戦着順勝負の痺れる接戦を切り抜けた。

リーグ戦の上位者が強さを見せつける結果となった六段戦。実況でおなじみの日吉や、「麻雀番組が10倍楽しくなる本」を出版した黒木も注目したい。
初段から出場の曽篠は7回目の勝ち上がり。今期十段最大のルーキーだ。ワイルドカードを使用しているが初段からの津村、二段からの奥津、古川も厳しい戦いを制し七段進出。初段から勝ち上がり続けたダニエル、立田は残念ながらここまでとなった。

(文:編集部)

【菊田政俊、D1リーグからB2リーグへ!特別昇級リーグレポート】

2020年9月26日に行われた第28期特別昇級リーグ決勝戦は、準決勝終了時点で首位に立っていた小林正和を逆転し、菊田政俊が優勝。
D1リーグから4階級ジャンプアップの快挙となりました。

特別昇級リーグは2006年から開始した力量ある若手のためのリーグ戦。2020年現在で11階層まで増えたリーグ戦をジャンプアップするチャンスを設け、プロリーグ全体の活性化を目指す制度です。
「本場所のリーグ戦での成績がプラスである」という条件はあるものの、優勝すればB2リーグ、準優勝でC1リーグ、3位でもCリーグまで昇級することができます。

 決勝開始時点での成績は以下の通り。
1位 小林正和 +223.6P(C1リーグ所属)
2位 菊田政俊 +216.6P (D1リーグ所属)
3位 東谷達矢 +160.6P (C2リーグ所属)
4位 上田稜 +123.8P(D1リーグ所属)

既にC1リーグにいる小林は優勝した場合のみ、C2リーグにいる東谷は準優勝以上の場合のみ昇級するチャンスがあります。

 

 

試合が始まるとまず目立ったのは小林の手数の多さ。1回戦12局中6局をアガリ、ライバルの菊田の親番では遠くて安くても仕掛けを入れるなど、今日に向けて戦い方を練ってきたことを感じさせる内容でトップをもぎ取ります。

 

 

上田もオーラスの親番までアガリが無かったものの、鳴いての連荘で粘りこみ、2万点近く加点して準優勝以上への希望を繋ぎました。

 

 

トータル首位のトップで苦しくなった東谷でしたが、2回戦目ではリーチ三色の5,200を小林から直撃。さらに南1局では驚くような手が。3巡目に出た中に「ポン」の声をかけた西家・東谷の手牌がこう。

五索五索東東西西西発発発 ポン中中中

次の巡目には小林から東が放たれ、跳満の直撃。

 

 

そしてオーラスの菊田の親番になった時点では菊田・小林が3・4着に。東谷は役牌をポンして終わらせにいきますが、メンゼンで東・一通の7,700をテンパイしていた菊田に痛恨の放銃。小林とともに沈みに。

そして当日菊田が「一番大きかった」と振り返るのが3回戦オーラス。
親番の東谷のリーチがかかった巡目に菊田はくっつきの1シャンテン。

六万七万八万一筒二筒三筒六筒七筒七筒七筒四索四索七索 ドラ六筒

ノーテンからは押しづらい手ですが、なんとここに引いたのが四索
現物の七索を切って追いかけリーチとすると、すぐに六筒をツモアガリトップに。

 

 

最終戦は100ポイント差を逆転したい東谷がタンヤオドラ3をリーチしてツモるなど1人浮き状態に。
僅差で優勝を争う菊田・小林は決定的なアガリが出ないまま菊田リードでオーラスへ。
ノーテン罰符で順位が入れ替わる程拮抗していましたが、上田が3位確保のピンフのみをアガリ、決着。

最終的なポイントと結果は以下の通り。

優勝 菊田政俊 +225.1P
準優勝 小林正和 +216.4P
3位 上田稜 +152.4P
4位 東谷達矢 +130.7P

菊田はB2リーグへ、上田はC2リーグへの昇級権利を得ました。

 

 

二人のコメントは以下の通り。

菊田政俊
「最初から最後まで、勝った気がまったくしない戦いでしたが、優勝という結果になりました。沢山の応援いただいた力が勝たせてくれたのだと思います。これからも戦いつづけます!感謝。」

上田稜
「(優勝のために)100ポイント差は捲れなかったですけど、何とか3位でC2リーグに昇級出来ました!これからも頑張ります!」

2選手の今後の活躍にご注目ください!

(文中敬称略)
文:浜野太陽

麻雀最強戦2020 最強「M」トーナメント

【麻雀最強戦2020 最強「M」トーナメント】優勝は二階堂亜樹プロ。
二階堂プロは12月12日の最強戦ファイナルに出場となります。

(麻雀最強戦キンマweb-近代麻雀)

 

 

第28期特別昇級リーグ 決勝成績表

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 合計
1 菊田政俊 43.3 ▲ 3.1 74.4 ▲ 29.3 2.4 72.2 56.7 8.5 225.1
2 小林正和 40.3 ▲ 28.6 46.1 46.5 ▲ 39.5 61.1 97.7 ▲ 7.2 216.4
3 上田稜 17.3 42.4 ▲ 41.6 62.5 46.7 ▲ 0.3 ▲ 3.2 28.6 152.4
4 東谷達矢 ▲ 56.7 63.6 58.1 ▲ 56.7 52.3 20.7 79.3 ▲ 29.9 130.7
5 今泉誠一 17.5 ▲ 19.7 ▲ 75.8 30.0 33.9 88.5 ▲ 60.6 敗退 敗退
6 櫛田利太 66.4 26.6 ▲ 76.6 19.1 58.5 ▲ 65.0 ▲ 43.2 敗退 敗退
7 木原翼 30.1 15.9 30.3 ▲ 38.9 5.8 ▲ 13.2 ▲ 51.3 敗退 敗退
8 原佑典 14.7 ▲ 14.1 ▲ 4.1 24.3 ▲ 7.9 7.5 ▲ 75.4 敗退 敗退
9 古谷知美 109.4 17.4 43.2 16.5 ▲ 17.7 ▲ 5.4 失格 失格
10 菅原千瑛 11.9 ▲ 41.0 ▲ 2.1 ▲ 3.3 ▲ 6.1 ▲ 2.1 敗退 敗退
11 真鍋明広 ▲ 20.3 44.3 ▲ 43.4 ▲ 17.5 6.3 ▲ 68.3 敗退 敗退
12 犬見武史 ▲ 11.7 ▲ 50.2 71.3 73.4 ▲ 86.9 ▲ 95.7 敗退 敗退
13 蛯原朗 ▲ 20.0 ▲ 61.9 21.6 ▲ 14.1 33.2 敗退 敗退
14 渡邉浩史郎 ▲ 58.3 73.1 0.2 ▲ 71.3 ▲ 2.1 敗退 敗退
15 小笠原奈央 ▲ 14.4 10.3 ▲ 11.1 4.5 ▲ 52.2 敗退 敗退
16 岡田紗佳 ▲ 1.9 ▲ 35.4 ▲ 28.9 ▲ 18.6 ▲ 26.7 敗退 敗退
17 太田優介 ▲ 27.5 ▲ 13.4 ▲ 19.4 ▲ 28.1 敗退 敗退
18 里木祐介 ▲ 80.0 0.0 欠場 失格
19 山脇千文美 ▲ 40.6 ▲ 69.4 失格 失格
20 岡崎涼太 ▲ 40.5 失格 失格

第15期女流桜花Aリーグ第5節C卓レポート

中山奈々美、国士無双炸裂!!

 

 

【第5節C卓結果】

白銀+100.5P   中山+54.1P   山脇▲49.5P   瑠美▲105.1P

 

 

今節6位スタートだった中山は1回戦のオーラスに今期2度目となる役満をアガリます。

7巡目1・9字牌が余らずにテンパイした国士無双に放銃したのは瑠美。

この日の瑠美は相手が大物手をテンパイした直後にロン牌を掴む無限ループに陥り、近年稀に見る不幸に襲われました。

 

役満をアガった中山は攻撃的な麻雀が上手くハマり、トップ1回・2着3回と全連対。

去年は降級の危機を奇跡的に逃れ、入れ替え戦を経ての残留。

その入れ替え戦を解説をしていた魚谷に

 

「来期は決定戦に行きそう」

 

と予言されていた中山が今節を終えて2位に浮上です。

 

その中山よりも大きくプラスしたのが今期Aリーグ初挑戦の白銀。

 

 

今期のAリーグの顔ぶれは、第1期から一度も落ちたことがない二階堂亜樹・二階堂瑠美・清水香織。

仲田加南は3期から、内田美乃里は5期から、魚谷侑未は6期からAリーグで戦い続けています。

吾妻さおりは降級したのが入れ替え戦で敗れた一度だけ、松岡千晶と稲岡ミカは連続Aリーグ5期目と4期目になります。

残留枠が12位までで、降級経験の無い選手が8人在籍。

女流桜花Aリーグに新しく上がってきた選手は、まず残留することが大変です。

 

前節まで少し消極的な印象を受けた白銀、今節も序盤は慎重な打ちまわしに見えましたが

 

 

3回戦の東4局3本場。

白をポンした山脇の仕掛けを軽視した中山から打たれた東。

これをマークが外れていた白銀が鳴けてダブ東ドラ2のツモアガリ。

この局を切っ掛けに白銀が覚醒しました。

積極的に攻め続け3回戦で9万点近いトップを取ると、最終的にこの日のプラスが100ポイントを超えてトータルも15位から10位へ浮上。

 

1位スタートの瑠美と2位スタートの山脇が大きくマイナスし、15位スタートだった白銀が大きく浮いたことで上位も下位も大混戦になりました。

 

(文:越野智紀)

戦術の系譜11 猿川 真寿

前回は心構えを書かせていただいたが、今回は戦術である。
しかし、手合い、システム等によっては、全く意味のない自己満足で終わる。また、それなりの雀力が必要になる。
基本は使わない(使う必要がない)ことをお薦めする。

●大局観
今回の戦術を一言で表すなら大局観になるだろう。
確率的に麻雀は、4局に1局しかアガれない競技だ。4分の1を4分の1.5にするのもすごい技術。だが今回は残りの4分の3の戦い方の話をしたいと思う。
アガれない局なら、失点しないのが最善。それも1つの戦術であって、それだけが正解とは思っていない。

 

●1局消化の価値
戦術にいく前に、この話を書いておかなくてはならないだろう。多分私は、この価値を他の競技者より高く捉えていると思う。
麻雀は東1局から始まり南4局で終わる。最短8局で1試合。
東2局、親で連荘でき持ち点が、55,000点になったとする。オーラス終了時、大体トップが45,000点ぐらいだとしたら、7局で10,000点ぐらいは放出してもいい計算になる。
誰かに連荘されてかわされたとしたら?という意見もあるだろう。当然そういうこともある。ただ、そうさせないようにする戦術の話になる。
もっというと、そうなっても構わない。ただ、さすがにこれだけのビハインドがあったら2着には最低なりたい。
これが南2局の親番で55,000なら、残り3局で10,000点も使える計算になる。

ではここから具体的に話していくことにしよう。

 

●どの展開を望むか
例えばこんな牌姿
東3局 南家 41,700点持ち 4巡目

三万五万二索五索六索七索八索五筒東東西北白白  ドラ六筒

3巡目までの捨て牌が、九万 上向き八万 上向き一万 上向きだったとしよう。さて何を切るのが正解だろうか?
ホンイツもみながらアガリの早そうな西北もある。ホンイツ一直線だが色を絞らせない三万切りもある。どちらも悪くない発想だと思う。
ただここで五筒切りを選択する人も多いだろう。

問題は親が何着目か、手の進行具合は?
2着目の手の進行具合は?2着目との席順は?
などが本当は大事なことだと思っている。

 

●ターツ落とし
手出しツモ切りを見るときに、見逃してはいけないのが、ターツ落としだ。
捨て牌に五索三索とあったとする。これが、ツモ切りツモ切りと、手出し手出しでは相手の手牌構成を読むときに大きな違いが生まれる。

もう1つ大事なことは、ターツ落としが続けて切っているか?離して切っているか?を見ておくことだ。
全て手出しだとして、五索西三索と切られていたら、五索三索と切られたときより、よりいっそう残っている形が絞られてくる。
パッと出てくる形は、二索三索三索五索一索一索三索五索
あとはテンパイ外しからのくっつき狙いなどがある。
上記の牌姿をもう一度見てみよう。

東3局 南家 41,700点持ち 4巡目

三万五万二索五索六索七索八索五筒東東西北白白  ドラ六筒

捨て牌が九万 上向き八万 上向き一万 上向き(全て手出しだとする。)
三万を切ったら、相手はカンチャンターツ落としでターツオーバーか、ホンイツの可能性は否定できないと読むだろう。
西を切ったら、ピンフ系で少しまとまってきた感じがする。河としては1番おとなしい。(目立たない)
少しひねって五万を切って、数巡後に三万を切ると、できメンツからの空切りもあるが、字牌も切れていないし七対子の匂いを出すこともできる。

このように、手出しの順番で相手に考えさせミスリードや切りにくい牌を変えることができる。
トップ目のときに、親番にアガられるのは誰でも嫌だろう。だったら、先に五筒を切ってホンイツをみせて、親に字牌を早めに絞らせる手もある。
自分のアガリも遠退くが、親のアガリも遠退くなら価値は低くない。ホンイツを見せたからといって、ホンイツがアガれないわけではない。
ただ、相手がみていなければなんの意味もないので、注意が必要である。

 

●場の重さ
私はかなりドラを切るタイミングが早い方の打ち手だと思う。
それによってよく失敗することもあるが、今のところ切るタイミングを変更するつもりはない。(連盟公式ルールは思考中)
理由はいくつかあるが、全員がじっくり構えての所謂、重い場が苦手だからである。ハイリスクハイリターンになりやすい。字牌の扱いについても同様で、なるべく早めにリリースしたい。

トップ目のときは、通常時より更に1巡早くなる。
場を軽くする意味もあるが、こちらの手牌進行の速度を読ませづらくするのが、大きなメリットだ。
それに対応して、安手で局を進めてくれれば終了時の着落ちリスクが減っていくことになる。

ドラを切って鳴かれて、アガられてトップ目を捲られたら?そうなっても仕方ない。
切らなかったとしても捲られるかも知れないし、前回書いたが、選んだ道以外の結果は分からないのだから。

ただ、そこに放銃したりするのはいただけない。あとは、2着目に手が入っていそうなのに、それを助けるドラ切りなどは避けたいところである。
ドラを切って子方の4着目が鳴いて満貫をツモアガったとする。この場合は点差にもよるが、鳴かれなかった場合より成功と言えるのではないかと思う。
自分は2,000点の失点で1局消化できたのも悪くないのではと考える。

例えばその次局の各々の持ち点がこうなったとする。

トップ目(自分)38,000
2着目 28,000
3着目 18,000
4着目 16,000

2着目は、そこまでトップしか見てなかったところを、4着まで考慮しなければならない。自分の4着になる可能性も上がってしまったが、これが南3局だとしたら連荘だけされなければ、2着で踏みとどめられそうな気がする。
点差が近くなれば、手牌進行が打点より速度を優先する割合が増え、痛手を負う可能性が低くなるのは、トップ目にとって有利な状況と言えるのではないだろうか。

 

●5分の1
前にも書いたが、1局でアガれる人は1人。流局もあるので実際は5分の1弱ではないだろうか?
よって2人が攻めているときは、押し返しにくい状況になる。(通常2人がアガれる確率が高いから押している)

先程の状況の続きで、南3局で子方の16,000点の4着目が8巡目にドラ切りリーチときたとしよう。ラス親が自分だとしたら、ツモアガリされても、オーラスに放銃さえしなければ2着には最低残る。
ということは、このリーチがアガられるかどうかより、まずは2着目が押すか引くかの動向が気になる。
2着目にアガられても、2着までには残りそうだが、トップを捲られてしまう可能性の差は大きい。

仮に、ラス目が満貫ツモしたときは、オーラスに2着まで2,000点。トップまで満貫ツモ(同点)なので、配牌次第だが2着狙いになるかも知れない。
2着目はオーラス、満貫ツモか跳満出アガリがトップ条件になる。よって、このリーチはアガってもらうのは悪くない。

明らかに安いと分かるか、自分の手がすでにテンパイで待ちがいいぐらいでないと、放銃したときのリスクが大きすぎるので攻める価値は低そうである。
例えば、受け気味に打っていたので、リーチを受けたときの牌姿はこうだったとする。

一万一万六万七万六索七索八索四筒赤五筒八筒八筒西西北  ドラ八筒

現物は一万とドラの八筒西は2枚切れだったとする。さて、何を切るのがいいだろうか?
とりあえず、放銃だけはしたくないので、現物か西以外は切りたくない。他者がくることも踏まえて、一万切りになりそうだ。
他者がくることも踏まえての、ドラの八筒落としだけはやってはだめだ。なぜかというと、赤があるとはいえ、ドラが3枚見えたら2着目が攻めやすくなってしまうからだ。

それによって、2着目が4着目に放銃してトップがとりやすくなる展開もあるが、現状かなりいい位置なので無理をする必要はない。
このリーチは、アガってくれていいので出来れば1人旅になって欲しい。
逆にこれが、2着目のリーチだったら、私なら迷わずドラのトイツ落としとして、他者を前に出しやすい状況にする。

次回は最終回です。
私の実戦譜から、今まで書いたことの説明をさせていただきたいと思います。

第37期鳳凰戦A1リーグ第7節C卓レポート

【超攻撃前田。親のホンイツに全く絞らない紺野。守備型の打ち手が闘志を剥き出した負けられない戦い。第7節C卓】

 

 

A1の中では攻撃よりも守備の印象が強めの4名が揃った今回の組み合わせ。
その中でも特に守備寄りに思えるマイナス組の紺野、前田が普段より攻撃強めシフトで挑んだ事により非常に面白い対局になった。

まず超攻撃を魅せてくれたのは前田。

 

 

この手をリーチして親満をツモった。一見普通に見えるかも知れないが、ヤミテンでも發イーペーコードラの70符3飜の親満。ツモれば親満。つまり一発裏のない公式ルールである今日の対局では、全く打点上昇のないリーチ棒を出した事になる。他家に自由に打たせないため圧力をかける事を期待したリーチ宣言は、先制愚形などが多く半ば流局連荘狙いのものも多く見られるが、前田のこのリーチは違う。狙いを是非本人に聞いてみたいものだ。

とにかくツモアガリで連荘に成功し、次局はピンズのホンイツに向かう前田。ここに大リスクを背負いながら立ち向かったのが紺野だ。

 

 

北家でこの手牌。リーチしても2,600で下家の親前田はホンイツ濃厚。しかし三筒をぶつけて行き、場が凍りつく。
前田がチーして打七筒は紺野のアタり牌だが、役がないのでアガれず。一手変わり三色だけに仕方ないか。

次巡、紺野のツモは九筒普通ならもうやめたい。だが紺野にとってはオリたら負けなのだろうか?
覚悟を決めて打八筒とする。一筒九筒のシャンポンに待ち変えした。すると次の前田の打牌は九筒でまた役がないのでロン出来ず。前田にアタり牌を2回も打たれてしまい、さすがに次巡前田が2,600は2,700オールのツモアガり。

 

 

2回戦東3局には沢崎が五万ポン。これにより紺野のツモ牌は勝又に流れ、六索七索五筒とツモ切られる。紺野は

二万二万六万七万八万六索七索八索六筒六筒七筒七筒八筒 ツモ五筒

このアガリを喰い流されたのがはっきり見えてしまい、1回戦に続き辛い時間を強いられる。振りに回っていないのがせめてもの幸い。ここで崩れずに堪えられるのが紺野の強さ、南2局にピンフから役なしに受け変える丁寧な打ちまわしでアガリ切った。

 

 

一番辛いのは勝又。上記の紺野のアガリが封殺された局は沢崎に5,200放銃。2回戦南1局には沢崎のリーチを受けて丁寧にオリていたが、最後の打牌でドラ3の前田に痛恨のオリ打ち。

 

 

3回戦東1局には南をポンしてドラツモなら倍満のテンパイを入れるが、同テンを沢崎に引き負ける。沢崎は紺野、勝又の勝負手を尽く潰しながらチャンスと見れば強引にねじ込んで来る。

 

 

この跳満ツモも決して手なりではなくトイトイの重なりを強く意識した切り順で、配牌を見た時は沢崎のアガリ番には思えなかった。独特の仕掛けが観ていて面白い。

そんな厳しい勝又のターニングポイントになったのは3回戦南3局。
勝又はドラが雀頭のピンフテンパイ。待ちは二筒五筒で高め234三色だ。前田がピンズのホンイツ気配で良い色ではないが、意を決してリーチ。これに前田がテンパイキープでワンチャンスの二筒を勝負。跳満の放銃となり、絶好調だった前田は3回戦ラスを引いてしまう。

 

 

4回戦は前田にとって厳しかった。懸命に戦い続けたが、まるで12,000点と一緒に勝負に大切な何かを勝又に奪われてしまったかのようだった。それでも前田の今日の闘志剥き出しの戦い方は観ている者をワクワクさせてくれた。
一方の勝又は4421着。たった1つのきっかけをしっかり捕まえて今日のマイナスをほぼ帳消しに出来た。

 

 

2回戦終了時には90以上あった前田と勝又の差は一気に埋まり、4回終わってみればロースコアゲームとなった。卓内トップは唯一トップがなかった紺野。序盤の攻撃が空を切り厳しい展開に見えたが、その後は引き過ぎず行き過ぎず、きちんとまとめたのはさすが。

 

 

大きな変動はないまま終えた第7節C卓。勝負の山場はまだ先になりそうだ。開幕当初は打撃戦のハイスコアゲームが多かったが、飛び抜けたり、崩れたりする者が居なくここ数節ですっかり落ち着いた印象。嵐の前の静けさといったところか。

文:編集部

第37期鳳凰戦A2リーグ第6節B卓レポート

杉浦勘介、昇級確実!?100ポイントオーバーのプラスでダントツの首位に

9月22日(火)に行われた第37期鳳凰戦A2リーグ第6節B卓は、トータル首位の杉浦勘介が4連勝で圧倒的なリードを築く結果となりました。

対局メンバーは、
1位 杉浦勘介 (+97.4P)
8位 麓征生 (+22.7P)
9位 前原雄大 (+6.2P)
12位 山田浩之 (▲ 45.1P)
15位 二階堂亜樹 (▲ 149.8P)

前の週に別卓の結果で首位に浮上した杉浦がリードを広げるか、中位陣2名が昇級争いに名乗りをあげるか、降級圏を逃れた山田に亜樹が迫るかが見どころの対局。

 

 

試合が始まると、まずは亜樹が粘り強い連荘で得点を伸ばします。満貫以上のアガりは無いものの、半荘で合計9局に渡って親番を繋ぎ、放銃は避ける慎重な打ち回しでトータル最下位から値千金のトップを手にしました。

 

 

全員に守備的な選択が多く見受けられるなか、異変が起こったのは2戦目。杉浦が門前のツモ三色ドラ1、タンヤオドラ3のアガリであっというまにダントツに。オーラスにも12,000のアガリで前節に続いて好調を感じさせます。
さらに全員がグッときたのは3回戦。平たい点数状況で南場の親番を迎えた杉浦は、まずはリーチ・ツモ・タンヤオの2,000オール。

 

 

次にリャンメン受けを拒否して打点にこだわった、ツモれば三暗刻のリーチ。

 

 

これは流局しましたが、次局はスピード感溢れる仕掛けであっという間に供託を回収。

 

 

そしてついに大物手が!タンピン三色確定のテンパイ!

 

 

これを力強くツモ。
最終戦も当然のようにトップをさらい4連勝を決めると、トータルポイントは+127.7という驚異的なスコアに!A1リーグへの昇級を一気に手元まで手繰り寄せました。
1日が終わってのトータルポイントは以下の通り。

 

 

杉浦はこの結果で、これから大きく貯金を減らさなければ昇級が濃厚に。逆に麓、前原は一旦は降級回避を念頭に置いての戦いとなっていきそうです。
このところ毎週大きくポイントが変動するA2リーグ。来週もぜひ熱い戦いにご期待ください。

(文中敬称略)
文:浜野太陽

麻雀日本シリーズ2020第5節レポート

【麻雀日本シリーズ2020第5節】敗退4名が決定。番狂わせの最終戦。

開始前(20回戦終了時)のスコアと、改めて日本シリーズのシステムを掲載する。

 

 

【システム】
■16人で一次予選全24回戦(各自6回戦)を行い下位4名が敗退
■12人でポイントを持ち越し、二次予選全6回戦(各自2回戦)を行い下位4名が敗退
■8人でポイントを持ち越し、プレーオフ全4回戦(各自2回戦)を行い上位4名が決勝進出
■ポイントをリセットし決勝4回戦

一次予選は各自この一戦で終了だが、決勝を見据えてポイントを伸ばしておきたいとは誰しもが思うところ。

 

【21回戦】 (1位)佐々木vs(8位)堀vs(9位)坂本vs(16位)伊藤

堀の職人芸。
上家の佐々木が国士無双模様の捨て牌。伊藤にも字牌が高いことを鑑み、役はなくなるが北切り

一索二索三索四索四索四索五索五索五索北五筒 チー七索 左向き八索 上向き九索 上向き

 

 

この北に伊藤からポンが入った結果、自身はテンパイ、佐々木は国士無双13面張になっていた北南が食い流れる。

一索二索二索三索四索四索四索五索五索五索 チー七索 左向き八索 上向き九索 上向き ツモ三索

2,000、4,000のツモアガリ。

このまま堀がポイントを伸ばすかと思われたが、余裕のある佐々木が攻める一方でトップ。
かろうじて2着の堀が+1.1P、3着の坂本が▲10.8Pとポイントを伸ばせず。

 

【22回戦】(2位)平賀vs(7位)本田vs(10位)原vs(15位)近藤

近藤の逆襲。まずは平賀から技ありの12,000。
続けて東3局2,000、4,000。東4局2,600オールと現状のボーダーまで3万点まで迫る。

 

 

平賀は箱割れ寸前まで点数を減らすが、それくらいは織り込み済みと言わんばかりの3,000、6,000。

九万九万一筒一筒二筒二筒三筒四筒五筒六筒七筒八筒九筒 ツモ三筒 ドラ九万

オーラスもきっちり条件を満たし、3着浮上。
逆に条件を満たされた原は、痛恨のラス落ちで、現時点で敗退の13位(▲48.7P)に後退。
近藤も南場では稼げず、15位(▲74.3)で終了。

 

【23回戦】 (3位)白鳥vs(6位)森下vs(11位)多井vs(14位)沢崎
MリーグではABEMASのチームメイトの多井と白鳥。前回は白鳥がトップで、「次は絶対やっつける」と解説席で語った多井。

東1局白鳥(親)

二万二万二万六万六万三筒四筒六筒七筒八筒三索四索五索 リーチ ロン二筒 ドラ七筒

先行リーチの多井から7,700。

東1局2本場白鳥(親)

二万二万二万四万五万六万四筒五筒三索三索発発発 リーチ 一発ロン六筒 ドラ白 裏六筒

またしても先行リーチの多井から12,000+600。
多井は白鳥に返り討ちにされてしまった。

その勢いで白鳥は95,000点の大トップで首位に浮上。
沢崎も巻き込まれ、16,000点持ちと苦しいところだったが、

二万三万四万七万七万七筒七筒白白白 暗カン西牌の背牌の背西 リーチ ツモ七筒 ドラ東 カンドラ西 裏六索 カン裏七筒

リーチツモ三暗刻白ドラ4裏3の三倍満で点数を回復。
原をまくるまではいかなかったが、13位(▲51.4P)として、24回戦の結果待ちとなった。

 

【24回戦】(4位)瀬戸熊vs(5位)藤崎vs(12位)鈴木vs(13位)魚谷
※順位は20回戦終了時

鈴木(▲39.2P)と魚谷(▲47.7P)の通過条件を確認しよう。(13位の沢崎が▲51.4P)
・お互いより上の着順は通過
・鈴木が下になった場合、22,900点以上の3着で通過
・魚谷が下になった場合、31,400点以上の3着で通過

東1局、魚谷、2,000、4,000ツモアガリで一安心

東3局、魚谷、親の先行リーチが終盤に瀬戸熊への6,400放銃となり接戦。

南2局で瀬戸熊が連荘し、だんだん雲行きが怪しく・・・

なんとオーラスを迎えたときには、近藤が魚谷の上になるという大波乱。
オーラスも藤崎がアガリ、予想もしなかった魚谷、鈴木ともに敗退となった。

経験豊富な藤崎、瀬戸熊は、決勝に向けて一番の稼ぎ時だとわかっており、狙い通りの進め方だったと言える。

24回戦終了時の成績はこちら。

 

 

次回は二次予選の25回戦~30回戦。決勝へのボーダーラインがかなり高くなっており、中位~下位は戦い方が難しい。
決勝まで二次予選とプレーオフで各自4戦ずつだが、白鳥、佐々木はほぼ確定したと言えるだろう。

10/17(土)12時より対局開始。

25回戦:(1位)白鳥 vs(6位)本田vs(7位)堀 vs(12位)近藤
26回戦:(2位)佐々木vs(5位)藤崎vs(8位)森下vs(11位)沢崎
27回戦:(3位)瀬戸熊vs(4位)平賀vs(9位)坂本vs(10位)原
※27回戦終了時の順位によって28・29・30回戦を行う、30回戦終了時に下位4名が敗退

(文:福光聖雄)

第18期プロクイーンベスト8B卓レポート

 

昨年のファイナリストが3人残ったベスト8B卓は、りんのと瑠美が2年連続の決勝進出となりました。

この試合、まず主導権を握ったのは初の決勝を狙った渋谷。

 

 

手役や仕掛けをほぼ見ずに最速でリーチを目指す作戦が面白いように決まって1回戦をトップ。
2回戦も同じ展開で優勢を築いていきましたが、リズムよく打牌を繰り返していた渋谷が南2局6巡目に少考します。

 

 

日吉「これどう打ちますか?」
藤崎「僕は一筒で良いと思います。それで七万八万が重なればビッグチャンスですよね。寿人さんなんかは六索持ってくればテンパイだからとか言い出しそうですけど。」

藤崎鳳凰位の解説と同じく一筒を切った渋谷。
一筒切りのほうがバランスが良いとは思うんですが、前局まで優勢を築いてきた渋谷の打ち方なら六索を切りそうに見えました。
結果、この切り遅れた六索がりんのへの放銃に。
序盤築いた優勢は崩れ、追いかける展開になった渋谷はベスト8で敗退。
もし一筒の前に六索を切って勝ち残れていたら、そのスタイルで挑む決勝がどうなっていたのか非常に気になりました。

りんのは2回戦・瑠美は3回戦での大きなトップが決定打となり、2人がそのまま逃げ切って勝ち抜け。
西城は3回戦までに打ったリーチ9回のうち成功したのが1回だけと苦しみ、4回戦でトップを取るも前半戦のマイナスが響いて2人には届かなかった。

 

(この日の苦しさが伝わってくる西城の六索切り)

 

(四万六索三筒三索とツモが押し寄せ、りんの急浮上)

 

 

(開始前の瑠美)

(文:越野智紀)

麻雀日本シリーズ2020第4節レポート

【麻雀日本シリーズ2020第4節レポート】明暗分かれる上位陣・下位陣

開始前(14回戦終了時)のスコアと、改めて日本シリーズのシステムを掲載する。

 

 

【システム】
■16人で一次予選全24回戦(各自6回戦)を行い下位4名が敗退
■12人でポイントを持ち越し、二次予選全6回戦(各自2回戦)を行い下位4名が敗退
■8人でポイントを持ち越し、プレーオフ全4回戦(各自2回戦)を行い上位4名が決勝進出
■ポイントをリセットし決勝4回戦

今節の15回戦~20回戦が終わると、各自一次予選は5回戦消化し残り1戦となるのだが、多井が「今日は20ポイントプラスして帰りたい」と語るように、余裕をもって一次予選を通過したい。

そんな中、大きく貯金を作ったのは、佐々木。
15回戦で10万点に近い大トップ、17回戦のラスは小さいラスで収めるという、理想の稼ぎ方で首位に浮上。
白鳥も本日の1戦でトップを取り、決勝に向けて好位置。

中位~下位陣は苦戦が目立ったが、見せ場は十分。

18回戦沢崎、崖っぷちからの逆転の跳満ツモ。

 

 

裏ドラ三索

19回戦、原は近藤のアガリ牌でもある七索を引き勝ち倍満。

 

 

(裏ドラは乗らず倍満止まり)

20回戦、鈴木、上家の魚谷を直撃し、価値ある3着浮上。

 

 

アガリやテンパイ・ノーテンで2着に浮上するので、魚谷にとってはやむ無しの放銃ではあるが、本日2ラスと厳しい結果となった。

4節終了時のトータルスコア

一次予選

順位 名前(敬称略) 1回戦 2回戦 3回戦 4回戦 5回戦 6回戦 合計
1 佐々木寿人 6.5 49.7 9.5 81.2 ▲ 21.1 125.8
2 平賀聡彦 61.0 20.4 20.8 ▲ 13.0 14.1 103.3
3 白鳥翔 49.1 ▲ 20.0 ▲ 7.3 38.1 25.6 85.5
4 瀬戸熊直樹 8.0 ▲ 6.9 44.7 14.1 ▲ 7.4 52.5
5 藤崎智 27.6 ▲ 9.7 31.5 ▲ 32.7 8.3 25.0
6 森下剛任 41.7 ▲ 14.4 3.8 23.7 ▲ 32.9 21.9
7 本田朋広 30.8 ▲ 6.9 ▲ 28.1 ▲ 13.1 26.2 8.9
8 堀慎吾 ▲ 20.5 ▲ 13.6 32.6 8.2 ▲ 7.1 ▲ 0.4
9 坂本大志 3.5 ▲ 26.9 16.0 ▲ 7.6 10.1 ▲ 4.9
10 原浩明 ▲ 16.1 ▲ 29.1 ▲ 6.5 2.2 32.6 ▲ 16.9
11 多井隆晴 ▲ 23.5 23.1 4.7 ▲ 42.5 9.0 ▲ 29.2
12 鈴木大介 0.8 ▲ 16.2 11.2 ▲ 27.3 ▲ 7.7 ▲ 39.2
13 魚谷侑未 8.1 ▲ 36.3 29.9 ▲ 23.2 ▲ 26.2 ▲ 47.7
14 沢崎誠 ▲ 45.7 32.7 ▲ 20.6 ▲ 47.4 21.3 ▲ 59.7
15 近藤誠一 ▲ 41.3 ▲ 26.3 ▲ 0.3 ▲ 31.1 ▲ 10.0 ▲ 109.0
16 伊藤優孝 ▲ 58.3 ▲ 36.7 ▲ 11.7 ▲ 31.7 20.5 ▲ 117.9

一次予選最終節は、間を開けず9/20(日)14時より対局開始。
お見逃しなく。

21回戦:(1位)佐々木vs(8位)堀 vs(9位)坂本vs(16位)伊藤
22回戦:(2位)平賀 vs(7位)本田vs(10位)原 vs(15位)近藤
23回戦:(3位)白鳥 vs(6位)森下vs(11位)多井vs(14位)沢崎
24回戦:(4位)瀬戸熊vs(5位)藤崎vs(12位)鈴木vs(13位)魚谷

(文:福光聖雄)

第37期鳳凰戦A1リーグ第7節B卓レポート

【2020/9/14(月)A1第7節B卓 HIRO柴田が役満字一色をツモアガリ!】

 

 

HIRO柴田は前回の第6節、▲74.2Pと大きなマイナスを背負い一気に9位まで順位を落とした。
若くしてA1に昇級。一度A2に落ちた時は一期でA1に返り咲き、しかし、強いが故に下位争いの経験に乏しい。
「今日はヤミテンします。」と消極的な作戦でこの対局にのぞんだ。

 

 

2回戦東1局、北家。ドラ八万
H柴田の配牌は9種11牌。まずは流すかどうか。
トータル順位を考えると国士無双やホンイツをみて流局させず続行する方が自然だが、全員第一打が西
もう残り1枚しかない。
トイツの字牌どちらも役牌。ホンイツやトイトイの保険もあるが、敢えてドラ色から切り始めた。

 

 

2巡目北と3巡目白 はどちらも鳴かず。国士は捨てきれない。
直後発を持って来て役牌3トイツ。
次は鳴こう。そう決めた瞬間。

 

 

瀬戸熊から白をツモ切られ、ポン。ピンズのホンイツチャンタ本線で発進。

 

 

親の瀬戸熊は3連続有効牌引き。北家のH柴田がポンするほど瀬戸熊のツモ番は増え、手が育っていく。

 

 

東がポン出来て選択。南は生牌。中は1枚切れ。七筒九筒外しもアリだが、柴田は南切りとする。
3役ホンイツチャンタ、跳満の1シャンテン。

 

 

中が重なり、搭子変更。高め字一色大三元のダブル役満、安め字一色の役満の1シャンテンだ。

 

 

瀬戸熊は1シャンテンから動かないまま、北も引かされる。
柴田の北スルー、白 2鳴きがここで効いたか。
ポン出し南の後九筒七筒手出し、バラバラに見えたのもあるだろう。早くテンパイし親リーチを被せたかったか。
1回戦はトップ、この半荘を強い攻めで大トップを決めれば下位から抜け出せると逸る気持ちがあったかも知れない。
とにかく北を切らせる何かが瀬戸熊の中にあった。

 

 

決着はわずか1巡だった。
国士を見切ってからホンイツを狙い、瞬く間に字一色。それまでの動作、一切淀みなかった柴田の右手が発を静かに置いた途端に震えた。

長年麻雀プロの第一線で戦い続け、何度も役満をアガっている柴田でも震えるのだ。
しかしまだ戦いの最中。すぐに抑え込んで次局へ向かった。

 

 

柴田が卓内トップ。3回戦まで丁寧にまとめていた紺野が最終戦南場の2連続満貫を決め、プラスで終えた。
吉田も序盤は打点重視のフリテンリーチ、タンヤオツモリンシャン三色などらしい手組みを魅せたが、柴田が絶好調になってからは行きたい気持ちを抑えたように見えた。

瀬戸熊が一番苦しい日だったが、4回戦に攻めの麻雀で浮きに回り失点を少し戻して踏みとどまった。

 

(文:編集部)

麻雀最強戦 タイトルホルダーvsMリーガー最強の女流プロ決戦

タイトルホルダーvsMリーガー最強の女流プロ決戦、優勝は黒沢咲プロ。黒沢プロは12月13日のファイルに進みます。(麻雀最強戦公式Twitter)

A2リーグ第6節A卓レポート

【A2リーグ第6節A卓レポート】自称モブキャラが主人公になった日!

9月15日に行われた第37期鳳凰戦A2リーグ第6節A卓は、トータル▲29.6Pからスタートした一井があれよあれよと4連勝!一気に昇級が狙える位置まで順位を上げました。

試合開始前のスコアと順位は以下の通り。

前節直対で藤島にトータルトップの座を明け渡したダンプのリベンジや、これまで全節マイナスでそろそろ尻に火が付いている魚谷の戦い方などに注目が集まる対局。
いざ対局が始まると、ダンプがピンフ一通ドラ1確定の手をリーチして跳満に仕上げたかと思えば…

そのダンプから魚谷が親のタンピン三色を直撃するなど、非常にスリリングな展開!

しかし半荘が終わると、気づけばトップにいるのは一井。リーチピンフドラ1など中級打点の手を非常に多くツモアガリ、他選手の手を潰しながら常に3万点後半をキープします。
5回戦には東1局からメンゼンの役役チャンタをツモアガリ、そのリードを活かして1人浮きの4勝目を達成しました。

実況解説用のアンケートに「A2リーグのモブキャラです」と自虐風にコメントしている一井。Mリーガーやベテランひしめくメンバーの中で確かに注目度は落ちるかもしれませんが、今回の活躍は否応なく主人公並みに注目せざるを得ない結果となりました。

※モブキャラ=アニメなどで群衆の1人として登場するキャラクターのこと

1日を終えてのトータルスコアは以下の通り。

上位陣がポイントを減らし、現時点でトータルマイナスの選手ですら昇級がありえるようなスコアの並びに。

一井はSNSで「いろいろ反省点もありながら戦う気持ちを切らさずやれたことは収穫。もっと強くなれると信じる」と振り返りました。
一方、本日ついにプラスできた魚谷は「30,000点が遠い…」と苦しさを呟いていました。

※文中敬称略
(文:浜野太陽)

第37期鳳凰戦B1Select前期第4節レポート

【B1リーグSelect 前期第4節は猿川が真っ直ぐ放銃麻雀を貫き卓内トップ】

連荘中の猿川の親と、西家石渡の2件リーチに挟まれた刀川。

二万二万四万五万六万四索四索五索八索四筒五筒六筒七筒  ツモ六索  ドラ三筒

自身の手も良く、この六索ツモで雀頭と456三色が完成し1シャンテン。

共通安牌は1枚もない。

あなたなら何を切りますか?

八索切り

七索のワンチャンス。生牌。猿川の河はソーズが高い。石渡は3巡前に七索、宣言牌も七索である。
トイツを連続で並べないのは手牌に1枚必要だった場合が多いが、石渡の八索と何かのシャンポンは考えにくい。
「自分が一番要らないから切る」ならアリだ。

四索切り
これも生牌。2人に七索が通っているので、三索のワンチャンス。
石渡は一索も切っているので中スジでもある。
もう1メンツ欲しい自身にとっての連続形だが、三索七索が3枚見えていてくっつき牌の機能はイマイチ。

七筒切り

石渡の現物1枚切れ。猿川はピンズの上の切りが早く、石渡には現物。
親に歯向かった石渡の方が本手と評価すれば選べなくもない。
しかし、自身のくっつき牌としては圧倒的に優秀。
二筒九筒まで全て役ありテンパイを取れる。アガリに向かうなら絶対切りたくない牌でもある。

四万切り
猿川の現物2枚切れ。直前に切られた親の現物。石渡が役ありか本手の四万待ちで追いついたならヤミテンにしそうという読みに頼る。456三色部分のメンツ壊しになり、アガリは諦めるに等しい。親にだけには絶対打ちたくない時の打法。

二万切り

四万のワンチャンス。
通れば2巡凌げる。真っ直ぐではないが、雀頭落としならメンツ壊しよりもリカバリーが効きやすい。
石渡の三万はツモ切りで、七索より三万が不要なのも判断材料の1つ。

「放銃するなら真っ直ぐ」

起家の猿川はTwitterに掲げた言葉通りにスタートから手数で攻めた。
繋いだ東1局3本場。七対子ドラドラの四万待ちヤミテン。
2巡後に二万引きで跳満ツモのリーチに踏み切る。
猿川の捨て牌は七対子単騎も読みに入るとは思うが、それ以上にソーズの高さが目立つ。
スジを頼って二万出アガリの可能性もなくはない。

ドラドラ対決に名乗りを挙げたのは石渡。急所の二筒を引き、東九索のシャンポンに。
待ちは良くないが打点は十分。一騎討ちを挑むべく追いかけリーチを敢行。

冒頭の何切るに直面した刀川が選んだのは二万。猿川の親満に放銃となってしまう。

放銃で大ダメージを受けた刀川だが、その後が本当に強かった。まずは猿川からメンタンピンドラの7,700直撃。
南場の親では絶好の六筒引きテンパイでリーチし、一気通貫の一筒をツモ。6,000オール。

オーラスも刀川はタンヤオトイトイドラ3の跳満テンパイを入れる。
刀川のドラポンが入り、親番ラス目の白鳥は絶体絶命。親番を死守すべくギリギリの打牌選択。
七万四万となるべく多くのスジを勝負しないで1シャンテンをキープし、このテンパイ打牌だけ勝負!

リーチツモ役牌三暗刻ドラの6,000オールで大逆転トップを決めた。

2回戦終了時には大きく遅れをとった石渡だったが、後半2回で巻き返しに大成功。
東場の親番ではトイトイで仕掛けてトップ目猿川から7,700を直撃。
オーラス親番はリーチツモ三色をツモってから怒涛の連荘で大トップ。

4回戦では、1巡目で三色ドラ1の1シャンテンになった刀川のアガリかと思われたが


西ポンで345メンツ落としで強引にホンイツに向かい、ドラを重ねた直後にポン。
ラス牌の四筒ツモ。そのまま2連勝を決めた。


2回戦までは一番厳しかった石渡だが、終わってみれば猿川と2人でプラスを分け合う形になった

(文:編集部)

第18期プロクイーン決定戦ベスト8A卓レポート

【古谷、藤井、決勝進出!】

第18期プロクイーン、ベスト8A卓は1回戦から大荒れ。

東2局に佐月のリーチに追っかけた古谷がリーチ一発ピンフ三色の8,000。

五万六万七万二筒二筒五筒六筒七筒六索七索七索八索九索 リーチ 一発ロン五索 ドラ発 裏四索

放銃した佐月も迎えた東3局の親番で、3件リーチを制し4,000オール。

三万三万三万五万六万七万七万八万九万五筒六筒北北 リーチ ツモ四筒 ドラ北 裏六筒

そして東4局

マンズがよいと見て打四筒

二筒五筒のテンパイは逃すも、この形でテンパイ。

そして、六筒七筒"九筒には受けず、初志貫徹のマンズ待ち。

最速の18,000!!
逆に菅原は果敢に追っかけリーチとしたが、18,000の大きな失点となってしまう。

さらにこの次局、今度は佐月から12,000。

二万二万二万三万四万四万五万六万四筒六筒  ポン七筒 左向き七筒 上向き七筒 上向き  ロン五筒  ドラ七筒

南場に入ると藤井が加点、オーラスで更に古谷が加点と、1回戦から上下の差が開く結果に。

1回戦終了時
古谷+68.1、藤井+16.7、佐月▲31.1、菅原▲53.7

2回戦、もうすでに藤井より下の着順では終われない佐月、菅原であったが、2人の望みを砕くこのアガリ。

三色のつかない安目ではあったが、裏ドラ2枚で6,000オール。
このまま、藤井トップ、古谷2着で2回戦は終了。

2回戦終了時
古谷+73.6、藤井+53.2、菅原▲61.2、佐月▲65.6

3回戦、4回戦に波乱は起きず、古谷、藤井の勝ち上がりとなった。
両者ともプロクイーンは初の決勝進出。

ベスト8、B卓は9/18(金)、16:00より対局開始。現プロクイーン日向藍子に挑戦する残り2名は誰になるのでしょうか?

渋谷菜瑠美vs二階堂瑠美vsりんのなお(協会)vs西城凛

(文:福光聖雄)

第15期女流桜花Aリーグ第5節B卓レポート

今期の女流桜花は、1節4試合の全7節28試合で行われます。
第7節終了時にピンクゾーンに入った下位3人は女流桜花Bリーグへ降級。
オレンジゾーンの1人はAリーグ最後の1枠を賭けた入れ替え戦へ。
グリーンゾーンの上位8人はポイントを持ち越してのプレーオフを行い、その結果上位3人が古谷知美女流桜花が待つ決定戦へ進出になります。

【第5節B卓結果】

稲岡+21.7P 亜樹+13.7P 魚谷▲11.4P 西山▲24.0P

この日は稲岡が+21.7Pと前節からの好調をキープし、トータル+26.0Pとスコアを伸ばしました。
卓内トップだった稲岡は手数の多さに定評があり、それが活きたのが1回戦の東4局。

魚谷のマンズのホンイツ仕掛けと稲岡のリーチに挟まれた亜樹が、前巡に七万を切れずにテンパイを外すも、八万を引いてテンパイ復活するや今度は稲岡の無筋である四索を勝負に踏み切りました。

打点重視のスタイルに変わってきた魚谷に対し、稲岡は手数重視。
魚谷のホンイツ仕掛けと稲岡のリーチを比較して、手数重視の稲岡のリーチのほうが安いパターンも多くて勝負しやすいと判断したのでしょう。
しかし、亜樹の勝負した四索でリーチ・タンヤオ・ピンフ・ドラの7,700点をアガった稲岡は、これを切っ掛けに1回戦で大きなトップを獲ります。

稲岡は女流桜花に第8期から参加していて、第10期にCリーグ5位。
続く11期にBリーグ5位から入れ替え戦に出場して勝ち上がり、連続昇級でAリーグ入り。
高いフーロ率で沢山参加するスタイルは「浪速のガトリング砲」と呼ばれ、毎局熱い勝負が見られるのが特徴です。
手数の多さには放銃がつきものでAリーグでは苦戦していますが、残留を続けて今期で4年目。
参加率が高いまま失点を減らす、ロン牌以外は押すという究極のスタイルに稲岡がどこまで近づけるか注目しています。

(文:越野智紀)