長大な坂を前にした時、人はどんな気持ちになるだろうか。
初めから頂上を明確に意識し意志をもって進む者。
ただ目の前の一歩に集中し歩み続ける者。
諦めの混じった気持ちで登りだす者。
不平や言い訳を口にして登ることさえしない者もいるかもしれない。
東京は皇居のほとりに桜の名所千鳥ヶ淵がある。
そこに至る坂道は「九段坂」と名付けられた。
『新撰東京名所図会』によると「石を以て横に階を成すこと九層にして、且つ急嶮なりし」とあり、坂の名の由来が、急坂のため九つの段が築かれていたことにあるとされている。
十段戦の道のりは気が遠くなるほど長い。
8月の初段戦を皮切りに実に3か月をかけて予選を行う。
初段者は初段戦を勝ち上がれば二段戦に。
二段者は二段戦から参加し勝ち上がれば三段戦へ…
坂の段を登るように長い長い戦いが繰り広げられるのだ。
卓内上位2名が勝ち上がるシステムのため、上位何人通過といったシステムの一般的なタイトル戦と違い、勝ち上がり人数を絞るのに時間がかかる。
対局自体にも存分に時間をかける。
八~九段戦を例にあげると、昼から八段戦4半荘、夕方から九段戦5半荘と実に9半荘の長丁場だ。
卓内決着になるため「対決」の図式が色濃くなる。果し合いの様相を呈することが多く、激戦の末、心身ともに疲労困憊になりながら坂を登っていくのだ。
新型コロナ感染症が世界を襲った2020年。
日本プロ麻雀連盟は、感染拡大防止の観点から、年内のプロアマ混合のタイトル戦、マスターズと王位戦の中止を、春の段階で早々に決断した。
その中で開催を死守したのがこの十段戦である。
運営人員も開催の長さに応じて必要となってくる。
感染対策で卓間隔をあけるため会場使用コストも大きくなった。
ベスト16からは、1卓につき1日を割いて配信を行った。
時間も手間も日本一かけている贅沢なタイトル戦と表現して過言ではないだろう。鳳凰位戦と同じ回を重ねる長い歴史を誇る十段戦は、まさにプロ連盟の威信の表れなのだ。
そんな過酷な予選を勝ち上がった4名。そこに十段位が加わり5名による決勝戦を行う。
たとえるなら、九段坂を登り切った四名の剣士を、坂上で現十段位が待ち受け、共に頂を競う、といったところか。
第37期十段戦の初日は12月7日に行われた。
当日の九段坂は快晴。ピークを迎えた紅葉の輝きがまぶしい。
決勝メンバーは以下の通り
伊藤 優孝(現十段位)
杉浦 勘介
内川 幸太郎
柴田 吉和
本田 朋広
対局は全12回戦(4回戦を3日間)
立会人、紺野真太郎の下、抜け番抽選。
[結果]
選択順位1位 杉浦 勘介 →1回戦抜け番希望
選択順位2位 内川 幸太郎 →4回戦抜け番希望
選択順位3位 本田 朋広 →5回戦抜け番希望
選択順位4位 柴田 吉和 →2回戦抜け番希望
選択順位5位 伊藤 優孝 →3回戦抜け番自動決定
対局はライブ配信。
全員PCR検査を受け感染症陰性を確認してマスク非着用での対局が実現した。
実況は古橋 崇志。初日の解説に白鳥 翔と山田 浩之。牌譜解説に大和。
1回戦(起家から、本田・伊藤・柴田・内川)抜け番杉浦
起家、本田 朋広
28期生・四段
富山県出身・37歳・A型
七段戦からの勝ち上がり
春先に北陸プロリーグ優勝からの地方チャンピオンシップを制して、その勢いのままにグランプリMAX戴冠まで昇りつめた。グランプリでは大三元を2回アガリ華のあるサクセスストーリーの主役に。各団体の強者が揃う最強戦2020のファイナルにも勝ち上がり(2020.12.7時点)最も勢いがあるプレーヤーの1人である。2020年はまさに飛躍の年だった。
しかし同時に鬱屈たる日々も過ごした。
初タイトル獲得後、沢崎 誠に祝福の言と共に「一つのタイトルで満足してはダメだ。がんばれ」と激励を受けた本田は、次のタイトルへの決意を強くしたが、前述の通り、タイトル戦が次々と中止になり悔しい思いを溜めることとなる。
「最低でも決勝」との思いを実現し「どんな内容でも良い。とにかく勝ちたい」と静かに語る。
注目の開局、東1局。
親の本田。
この1シャンテン。
3巡目に上家から放たれた2枚目のをポンせず。
大事な初戦。まずアガることを重視してテンパイをとる打ち手も多いだろう。
しかし本田は十分な形や打点が見込まれないときは、たとえ親でテンパイでも仕掛けない。
グランプリでも披露した懐の深さは健在だった。
ここは見事な手順で伊藤が柴田から5,200のアガリ。
柴田 吉和
28期・五段
山形県出身・42歳・O型
八段戦からの勝ち上がり
語り草となっている第32期十段戦
最終戦オーラス。
藤崎 智と櫻井 秀樹が同点という最高潮クライマックスで国士無双をツモり大逆転優勝を果たした。
あれから5年。優勝を足掛かりに他団体トッププロが鎬を削る場でも活躍。その経験や技術を取り入れたことで確実に強くなったと自他共に認める。
昨年の決定戦をリアルタイム観戦し、この大舞台へ戻りたいという気持ちを抱きつつも、タイトル獲得経験が無欲で冷静な対局を可能にしているようだ。
東3局
親番の柴田
4巡目に放たれたを1鳴き。
鳴いて2シャンテン。愚形もある。
点数状況やダブであることの違いを踏まえても、東1局の本田との対比が面白い。
積極的な姿勢がプレッシャーを与えたか、本田や内川は早々に受けに回った。
首尾よく高目5,800のテンパイにたどりつくが、ここは伊藤のアガリが先。
しかし、次局、有力な手替わりもあるテンパイを果敢にリーチに踏み切りツモって満貫。
やはり柴田はツモが似合う。3方向から点棒を受け取る姿を実によく見かけるではないか。
ところで死神の鎌を見たことはあるだろうか?
それは突然やってくる。
何か魔が差したように気が緩んだ時、自分のアガリに欲がでた時、もう大丈夫だろう、と油断した時…
視界の外からひっそりと背後に忍び寄り、前触れなく冷たい光と共に振り下ろされるのだ。
「死神」とはよくいったものだ。
伊藤 優孝の通り名である。
どんなに「死んだ」ように見えても突然やってくる。
伊藤 優孝
1期・九段
秋田県出身・71歳・A型
ディフェンディング決勝シード
36期十段戦で圧勝。
続く36期鳳凰位戦A1リーグは残り2節の状態でマイナス200Pを超える絶望的な位置から最終節に大逆転での残留。今期も、マイナス200Pを超えた状態から2週連続で国士無双ツモの離れ業を見せつけ上り調子で残留ポジションにつけている。(2020.12.7時点)
今回の決定戦は「(連覇は)簡単には行かないよ。ご老人の希望となれるように良い戦いを頑張る」と柔らかい優孝節ではぐらかしたが、奥に潜んだ鋭い眼光は対局した者なら身をもって知るところだ。
南1局1本場
柴田と内川がテンパイ。親の本田も超勝負手で強い牌を押している局面。
伊藤の13巡目。
ドラ
ここにを重ねてテンパイ、打。
静かにゆっくりと振りかぶる。ヤミのテンパイで高め12,000の超重量の鎌だ。
この手がゆっくり開かれる瞬間の冷たい空気は何と伝えれば良いのだろう。想像すると観ているだけで背筋が凍る…
が、ここは内川がホンイツの1,000・2,000をツモり、伊藤は人知れず静かに鎌を収めた。
続く南2局が伊藤の凄まじさを感じた初日の中でも一、二を争うキーとなる局。
柴田が7巡目にしてドラ雀頭のチャンス手リーチを打つ。
待ちのは、なんと山に6枚生きでアガリは約束されたようなもの。
それを受けた親の伊藤は3シャンテンで自身のホンイツに必要なを打ってオリる。
ように…見えたが。
リーチ後に出た1枚目のをスルーしたのに2枚目のをポン。
そして役牌ホンイツの5,800をテンパイ!
そこに!
振り込めば高め満貫となるをキャッチしてしまうが…
ここからノータイムでを止める。
止めただけでなく結果がこれである。
あまりの出来事に実況、解説陣は絶叫。
リーチ者の柴田はテンパイから止められた可能性が高いことを目の当たりにして思わずのけぞった。
因みにを1鳴きした場合、柴田がツモあがっている。解析不能。このアガリは世界広しといえども伊藤にしか成しえない芸当に映る。
このアガリでリードを守った伊藤だったが、この半荘は南3局に2軒リーチを制し初アガリを手にした本田が次局も2連続アガリで逆転トップを果たす。
1回戦成績
本田+12.1P 伊藤+7.3P 柴田▲6.8P 内川▲12.6P
2回戦(起家から、内川・杉浦・伊藤・本田)抜け番柴田
内川 幸太郎
22期・七段
長野県出身・39歳・O型
ベスト16からの勝ち上がり
2年前の6月9日。
日本プロ麻雀連盟最高顧問、故・小島 武夫プロを送り出す連盟葬があり、告別式が9:30からしめやかに行われた。
有志の連盟員が早朝から準備と対応にあたった。
当日は告別式終了後、十段戦の六段戦が開催される予定だった。
その場で連盟員を集めて森山 茂和会長が挨拶。
「対局前に早朝から手伝ってくれた君たちの中から十段位が生まれると信じている」
その言葉を直立不動で耳を傾けていた一人が式の受付を担当した内川だった。
果たして、ベスト16で、半荘1回で9万点差を逆転するなど神がかり的な快進撃を続けそのまま頂点へ。
昨年はディフェンディングとして臨むも伊藤の前に完敗。リベンジを期して最初からこの場を強く意識していたという。決意が眼差しに宿っている。
当日、内川は自身のSNSで心境を「いざ参る!」と表現した。
流局が2回続いた東2局2本場
柴田のリーチに対して、内川、1シャンテンから真っすぐ打ち抜き5,200の放銃。
しかし失点に対して微塵も後悔の色が出ない。
続く東3局1本場
親の伊藤からリーチ。
本田が対抗。
暗刻のを切り、大きなリスクを負ってでもアガリを獲りにいく「覚悟」を見せる。
これに呼応するかのように内川がフリテンのを熱のこもったツモで1,000・2,000。
内川の反撃開始だ。
一歩も引かない決戦ムードが卓を覆う。
南場にはいってラス目の内川の親番。
「やーっ!!」
まるで剣道の追い込み稽古のように体を前に出す内川の気迫が伝わってくる。
まずは平場で1,000オール。
その1、1本場
VS本田
難解な牌構成を「手順マエストロ」らしく丁寧にタンヤオピンフイーペーコーの手に育てる。
リーチのモーションがすごい。
ツイッター速報担当の越野 智紀が「しなり」とメモをした。
ここに本田が七対子ドラ2のテンパイをいれる。待ちは内川の現物待ちの。
さらにドラをもう1枚持ってきたところで空切りでの追っかけリーチ!
対決の構図が明瞭な一騎打ち。
他家からロン牌がでると思ってない内川はじっと目を閉じツモに集中し、待望のアガリ牌を卓上に打ち付けた!
その2、2本場
VS杉浦
内川、軽妙な手順でピンフドラのリーチ。
今度は杉浦がメンホンの4メンチャンのテンパイで追いつく!
打ち合いの末、内川が杉浦から5,800を討ち取る。
その3、3本場
VS伊藤、杉浦
ならば2人がかりだ。
内川がドラ3の大チャンス手をいれると、伊藤が一気通貫のテンパイ。そして杉浦がホンイツのテンパイ。
ここは内川が杉浦に真っすぐ放銃。3,900は4,800。
まだまだー!
次局で返す刀だ。
ドラ3のリーチを打った本田からしっかりとアガリをもぎ取り、続くはさばき手で本田から連続アガリ。
圧巻はオーラス。
先にテンパイした伊藤と杉浦の七対子ドラ2のリーチをすり抜けて、華麗にホンイツ七対子をアガリきった!
内川の恐るべき打突力!
この半荘、ラス目からの3連続を2回含む7回のアガリで1人浮きの圧勝!
2回戦成績
内川+40.3P 伊藤▲1.6P 本田▲14.2P 杉浦▲24.5P
2回戦終了時
内川+27.7P 伊藤+5.7P 本田▲2.1P 柴田▲6.8P 杉浦▲24.5P
3回戦(起家から、内川・杉浦・柴田・本田)抜け番伊藤
十段戦決勝史上、対局者平均年齢が最少とされた半荘。
派手な力の勝負がみられるかと予想したが、別の意味での力勝負となった。
東1局。
内川の親番。
北家、本田の手牌
ドラ
2巡目に出たを1鳴きしてポンテン。
すぐに杉浦から1,000の出アガリ。
実況が「わずか15秒での決着」と表現したこの速攻。
ピンフ三色も見える手だけに様子をみる打ち手もいるかもしれない。
1回戦の親で役牌ポンテンを取らなかった本田なら尚更だ。
解説陣から「暫定トップの内川に楽をさせないためかもしれない」という指摘があったが、自然な手筋でもあるので真相はわからない。
しかし南1局。
同じく親は内川。
北家、本田の配牌
この第一打がなんと
チャンタ三色が明確に見えるだけに、打点よりもスピードやアガリやすさを主眼としていることは明白だ。
その目的が内川を封じることにある可能性は十分にある。
その後、辛くチーテンをとって隙無くアガリに結び付けた。
その因果もあってか内川が苦しい。
チャンス手は入るのだが、要所をさばかれ、おろされる。
放銃はないのにラス目に。
柴田も楽ではない。
高打点テンパイが入るのだが一度もアガリに結びつかない。
しかし実に4回の1人テンパイで収入。アガリ無しで4万点のトップ目となったが、良いのか悪いのか。
お互いがお互いを楽にさせない綱引きが延々と続く。
杉浦も我慢比べの渦中にあった。
初戦となった2回戦は引く時と行く時の緩急にメリハリをつけたが、勝負局が振込となりラスを引いた。
今回も耐える局面が多く、特に親番で我慢をしなければならなかったのはキツイところだ。
杉浦 勘介
20期・六段
愛知出身・39歳・AB型
ベスト16からの勝ち上がり
今から4年前。
第33期鳳凰位戦A2リーグ最終節で降級が決まった杉浦は、吐き捨てるような、それでいて噛みしめるかのような口調でインタビューで応じた。
「実力がないとどのみち同じことになる。力を付けて戻ってきたい」
その間、どのような修練を積んだことだろう。
36期B1リーグ優勝でA2復帰を果たすと、今期のA2も頭一つ抜けた首位を走っている(2020.12.7時点)
昨年は十段戦決定戦で伊藤の前に敗れたが、周囲が口を揃えて言うように力強さが格段に増した。
もう一度伊藤に挑戦したいという気持を原動力に決勝の場に再び舞い戻ってきた。
その杉浦に南3局にやっと快心のアガリ。
ドラ
このバラバラの配牌を持前の技術で七対子ドラ2のテンパイに持ち込むとリーチ。
結果、柴田からの回し打ちのような放銃で満貫となった。
派手な河となっていたが、リーチをしないと柴田からは出ないどころかを使われてリーチされてた可能性も大きく、価値の高いリーチ判断となった。
積極策が功を奏し一撃でトップ目に。
さて、この半荘は全12局中流局が6回と非常にタフな内容となった。
その最たるものがオーラス南4局である。
5巡目
ここまでノーホーラの内川が仕掛ける。
ドラ
ここからをチー。
6巡目
柴田がポンしてだけあがれる片アガリのテンパイ。
ポン
7巡目
本田がチンイツに向かってチー。
チー
このチーで同巡、次巡と立て続けに内川が欲しかった急所のとが杉浦に流れる。
10巡目
チンイツの急所で本田が欲しいをチーしようとすると、それを内川がポン。
もちろん邪魔ポンではないし、自身も欲しい牌ではあるのだが、内川にとっては鳴くと満貫のアガリが消え浮きは難しくなる。
となると、マンズは親の本田には鳴かせられないという意識もあったか。本田は激痛。
12巡目
その内川のポンで、柴田が掴まされたのは、アガれないほうの!
フリテンとなり柴田はでの出アガリが利かなくなる。
13巡目。
しかもその柴田のアガリ牌のを内川が喰い取り2枚に重ねる。
も萬子もドラも切れないので、仕方なく三色はあきらめ内川は打
15巡目。
柴田、マンズを引かされテンパイを崩す。
16巡目。
杉浦、ピンフのテンパイで、を勝負!
理だけではなく、気配察知や勝負感覚に力強さや磨きがかかっている印象だ。
17巡目。
杉浦の捨てたを本田がポン。
そして、同巡、内川の手が下図。
マンズや字牌は親の染め手に切れない。他家もテンパイ濃厚。
打つ牌が無い…
強いて言うなら…
内川の苦渋の打牌はドラの
オーラスのこの局面でこの選択を強いられるとは。
苦虫を噛み潰すかのような表情の内川。心中いかに。
4者がお互いをがっぷり掴んで離さず、まるで泥中、乱闘の絵図。
結果、本田と杉浦の2人テンパイで終ったが、一牌の後先や仕掛けの有無が強烈な因果関係を残し、4者の思惑がぶつかった面白い局となった。
機会があれば是非映像でご視聴いただきたい。
この半荘は、オーラスに柴田がアガリ、内川は1回もアガれず1人沈みのラス。
ミスがあるでもなく、ただ押し付けられた感が強い。
最終戦を見守ることなく会場を背にした内川の肩は、雪辱への闘志に燃えているようにみえた。
3回戦成績
杉浦+15.9P 柴田+6.1P 本田+1.3P 内川▲23.3P
3回戦終了時
伊藤+5.7P 内川+4.4P 柴田▲0.7P 本田▲0.8P 杉浦▲8.6P
4回戦(起家から、柴田・杉浦・伊藤・本田)抜け番内川
東1局
伊藤にチャンス手。
ポン ドラ
ここにを持ってきてツモ切りで本田のピンフに放銃してしまう。
他家に気配がなかった。
手出しを見せたくなかった。
安く見せたかった。
など、色々な理由があったかもしれないが、打点が変わらないなら安全度の高いを切るのが順当に見える。
伊藤転落のきっかけになりかねないな、と感じた次局。
気のせいだった。
東2局、南家・伊藤
ポン ドラ
これを高めでツモって4,000・8,000!
この日の最高打点。強烈!!
しかし、この倍満親かぶりをした杉浦がメンゼンホンイツのアガリなどで回復。
その杉浦。南場の親番。
ドラ
ここを躊躇なくリーチ。
本田から3,900をアガリ、いよいよ逆転してトップ目に。
リーチ判断は微妙な要素が多々ありそうだが、今の杉浦からは迷いが感じられない。
オーラスは、またもや混戦となったが、伊藤が変幻自在の仕掛けで流局テンパイにたどり着き再度トップに立ち初日を締めくくる。
4回戦成績
伊藤+12.6P 杉浦+7.9P 柴田▲4.3P 本田▲17.2P
4回戦終了時
伊藤+18.3P 内川+4.4P 杉浦▲0.7P 柴田▲5.0P 本田▲18.0P
一日を通じて、各々が持ち味を出した名局が並び、誰も抜け出せない、抜け出させない鍔迫り合いが続いた。
ポイント差は、有って無いような大接戦。
2日目以降が非常に楽しみである。
昼から始まった対局だが、死闘が終了したのは実に21:00。
空には下弦の月。