第1期若獅子戦ベスト8B卓レポート

今日の戦いで第1期若獅子戦の決勝進出者が決まる。
ベスト8B卓まで勝ち残って来たのはこちらの4名。

 

 

初戦を制したのは阿久津。
南1局1本場にチャンタ三色確定の九索南のシャンポン待ち。手堅くヤミテンとして親満のアガリ。

 

 

阿久津への手痛い九索放銃で1回戦4着となってしまった浜野がドラ2枚使いのリーチ。

 

 

二索五索は他家に吸収されて山からなくなったが、回り込んでテンパイした瀧澤が三索のワンチャンスになった二索を勝負。浜野が親満のアガリで戦線復帰のきっかけを掴む。

 

 

南4局は親番中村がツモり四暗刻テンパイ。これはツモれず流局となり、2回戦は浜野がトップ。

3回戦は中村の4,000オールからスタート。役あり、カンチャン待ちだが即リーチとし最速のツモアガリを決める。

 

 

阿久津は東場の親番でダブ東ホンイツをアガって浮きに回り、決勝の椅子に王手をかける。大量リードを持てば阿久津麻雀の真骨頂。ここから先、阿久津の勝ち上がりが危うくなる局は1つもなかった。

 

 

浜野と中村の争いは激化。南3局に満貫をツモった浜野が3回戦は2着をキープ。

 

 

浜野が12.2Pリードで最終戦へ。1着順で10ポイント差がつくので、ほぼ着順勝負である。
瀧澤は浜野と中村の2人をかわさないといけない。自身のトップは第1条件、並び作りが第2条件。そして第3条件としてかなりの点棒差が必要だ。

1回目の山場は浜野vs瀧澤の2軒リーチ。

 

 

浜野は一索暗カン、リーチ後に七筒を暗カン。他家からも倍満は確定なのがわかる。1シャンテンだった中村もこれにはさすがに参戦出来ず。字牌を暗刻落としでオリた。

2人のめくり合い勝負となり、ツモったのは瀧澤。裏ドラが一筒六索と乗って、リーチツモドラ5の跳満。瀧澤はこの後も大きな加点をしてトップ目に立ち、第1条件はクリアしたが、最終目標にはまだ届かない。

 

 

2回目の山場は南1局1本場。
前局の中村のリーチを形式テンパイで連荘した浜野の親番。中村はピンフ高め一通でヤミテンとし親番落としを狙うが、浜野からリーチが入る。中村は無筋を勝負するが、浜野が2,600オール(+1,300)をアガって中村を再逆転。

 

 

そして3回目の山場は南3局だ。浜野のリードはごく僅か。中村の親番は最大の勝負処だ。
中村の配牌はドラの一筒トイツだがさほど良くはない。2巡目に発を重ねて、仕掛けやすくなった。タンヤオを狙う浜野が早めにドラ切り。中村がポン。

 

 

自力で発を暗刻にして一索もポン。まずはカンチャンテンパイ。次に六万も暗刻にして八索単騎。跳満テンパイに昇格した。

 

 

その時の浜野の手牌。もし中村が八索を切りだと浜野はポンテンが取れるため、打六索となって跳満直撃放銃だったかも知れない。

 

 

ギリギリ助かった浜野だったが、七索が出るとチーして八索切り。中村に18,000(+1,300)の放銃となり、勝負が決着した。

 

 

第1期若獅子戦決勝進出は
澤谷諒
岡崎涼太
阿久津翔太
中村文哉
この4名に決定しました。

若獅子戦決勝は3/30(火)16:00放送開始。初代若獅子の誕生の瞬間を是非ご覧ください。

 

 

(文:編集部)

第1期若獅子戦ベスト8A卓レポート

出場した若手107名の中からベスト8A卓に進出したのは

 

 

泉裕斗・澤谷諒・岡崎涼太・鈴木誠の4名。
ここを突破して決勝に進出すると、特別昇級リーグへの出場権利が得られため、勝利の価値が高い試合になっています。

2回戦を終えて、岡崎・澤谷がトップ2着を交互に取り、2人勝ち抜けのトーナメントにおいて、追いかける泉・鈴木には苦しい展開。

 

 

2連続4着と後がなくなった鈴木が3回戦で反撃に出るも、逃げる2番手澤谷に勝負所での渾身のツモアガリが出て苦しい状況のまま最終戦に入ることになります。

<3回戦終了時>
岡崎+42.6P 澤谷+32.9P 泉▲32.9P 鈴木▲42.6P

3連続3着で最終戦に入った泉が東場の親で連荘し、少し差を詰めていくも

 

 

同じく追いかける鈴木と手がぶつかってしまい、前を走る岡崎・澤谷有利に局進んでいきます。

南1局、鈴木最後の親番は細かいアガリとテンパイ料でギリギリ繋いで4本場まで粘るも

 

 

澤谷がタンヤオドラ3を泉から直撃。
鈴木の親を落としながら泉の点数を削る最高のアガリが出て、これが決定打。

 

 

続く岡崎と澤谷の親番は無理せず、ツモってもアガらずを選択する安全な逃走劇でオーラスへ。

 

 

最後は岡崎が澤谷に打ち、2人で決勝進出を決めました。

<A卓最終結果>
澤谷+45.4P 岡崎+28.8P 鈴木▲16.7P 泉▲57.5P

(文:越野智紀)

第37期鳳凰位決定戦最終日観戦記 HIRO柴田

鳳凰位決定戦もいよいよ迎えた最終日。
ポイント状況は以下となっていた。

佐々木+50.7P 勝又▲10.3P 藤崎▲12.7P 沢崎▲28.7P

マイナスの3者にとっては4半荘で追いつけそうなポイント差だが、佐々木に追いつけるとしたら1人といったところか。
佐々木は初日から早くも首位に立ち、道中一度は勝又に抜かれるが、そのプレッシャーを感じさせない堂々とした戦いっぷりで3日間通して常に首位で終えている。
その佐々木が最終日はどのような戦い方をするか楽しみである。

 

13回戦 (起家から勝又・沢崎・藤崎・佐々木)

東1局

沢崎
一万二万三万六万六万五索五索五索六索七索六筒七筒八筒  リーチ  ドラ五索

まずは南家の沢崎ドラが暗刻のリーチ、沢崎の河には八索があるフリテンでもお構いなしといった所か。

勝又
五万五万六万七万七万二索二索  ポン四万 上向き四万 上向き四万 上向き  ポン中中中  ツモ五索

親の勝又、中ポン、そして沢崎から四万ポンとして持ってきた牌はドラの五索、沢崎にとっては痛恨ではあったが勝又もこれでギブアップとなり沢崎1人テンパイ。

東2局1本場

佐々木
五万六万七万二筒二筒三筒三筒六筒六筒七筒七筒八筒八筒  リーチ  ドラ東

西家の佐々木、緩める事無くこの手をリーチ。

沢崎
一万二万三万九万九万四索五索二筒五筒六筒七筒八筒東東

親の沢崎ドラ2枚持ちの勝負手。持ってきた二筒を真っ直ぐ打ち抜くと、佐々木への放銃となり5,200+1,300の加点で佐々木好スタート。

東3局

勝又
五万六万七万九万九万九万三筒五筒七筒七筒  ポン東東東  ドラ七万

西家の勝又が難なくこの2,600を沢崎からアガると

東4局

勝又
二万二万二万三万三万五索六索七索五筒五筒六筒六筒七筒  リーチ  ドラ一索

さらに加点すべくリーチを打つ。少しでも親の佐々木の持ち点を減らしたいところだ。

佐々木
九万九万二索三索四索七索八索九索一筒一筒 ポン東東東  ロン九万

しかし勝又がすぐに佐々木の待ちである九万を掴み佐々木のアガリ。佐々木これで持ち点を39,400まで伸ばし足元を固めていく。

東4局1本場

沢崎
一万二万三万一索三索四索四索四索一筒二筒三筒西西  ドラ八索

沢崎3巡目でこの三色のリーチを打つが、この巡目ですでに待ち牌は山に無く、他家からも出る雰囲気が無いのはこの決定戦不調の表れであろう。

勝又
一万一万二索三索七索八索九索九索二筒八筒東白白中

勝又は沢崎のリーチを受けた時点ではまだこの牌姿だったが、通っていない八筒を切ると一気に手が伸びる。

勝又
一索二索三索六索七索八索九索九索中中  ポン白白白  ロン九索

勝又がこの7,700を沢崎からアガる。沢崎はこの放銃で持ち点を14,900まで減らしてしまう。

南1局

沢崎
一万二万六万六万五筒五筒五筒東東東白白白  ロン三万  ドラ四索

南家の沢崎、四暗刻のチャンスではあったが、ここは巡目的に折り合いを付けて勝又からアガる。60符で7,700点のアガリ。

南2局

沢崎
二万三万四万五万五万七万五索六索七索二筒四筒六筒八筒八筒  ドラ六万

親の沢崎6巡目の選択が面白い。
場には五筒が1枚切れ、567の三色も見据えて二万五万切りになるのかと思いきや沢崎の選択は打六筒

沢崎
三万四万五万五万六万七万五索六索七索二筒四筒八筒八筒  ロン三筒

次巡すぐに六万を引き入れ打二万のリーチに行くと、見事にはまって藤崎から7,700をアガリ沢崎の連荘。

南2局1本場

佐々木
七索八索九索一筒二筒三筒三筒三筒四筒五筒六筒七筒八筒  ロン九筒  ドラ七万

浮きまで浮上した沢崎の連荘であったが、佐々木以外の3者は手が伸びずこの3,900を勝又からアガリ、佐々木は43,600持ちで充分なリードを広げる。

南3局

藤崎
六万六万一索二索三索四索五索六索一筒二筒三筒六筒八筒  リーチ  ドラ五筒

勝又
二万三万一索二索三索一筒二筒三筒四筒五筒六筒北北  リーチ  ロン一万

先制リーチは西家の勝又。そして親の藤崎はこの決定戦が終わりに近づいているのを感じさせるようなリーチを選択。
勝又が藤崎から高めである一万でアガリ3人浮きでオーラスへ。

南4局

持ち点は、佐々木43,600、勝又33,800、沢崎30,300、藤崎12,300。

勝又
四万五万七万八万九万一索二索八索九索一筒八筒九筒北白  ドラ一万

ここから打五万、親である佐々木の連荘は望ましくはないが、残りの半荘数を考えるとここはトップ狙いという判断か。

沢崎
六万八万一索二索三索五索六筒東南南西白白中

西家の沢崎の配牌。勝又と同様に役牌2つを生かして大きく加点したいところ。第一打は八万を選択。

佐々木
三万三万七万七万三索四索五索二筒二筒三筒三筒五筒五筒

親の佐々木も4巡目にタンヤオ七対子の1シャンテンという手で、2巡後に切った東で沢崎の手が開かれた。

 

100

 

沢崎
一索二索三索五索五索東東南南南  ポン白白白  ロン東

一時は厳しい状況に置かれていた沢崎、この13回戦の乱打戦を、最後は佐々木から満貫の直撃を取って見事にトップとなった。

13回戦成績
沢崎+16.3P 佐々木+8.6P 勝又+4.8P 藤崎▲29.7P

13回戦終了時成績
佐々木+59.3P 勝又▲5.5P 沢崎▲12.4P 藤崎▲42.4P

 

 

14回戦 (起家から、佐々木・勝又・沢崎・藤崎)

東1局

沢崎
三万三万四万四万五万六万四索六索七索八索四筒六筒七筒八筒  ドラ三万

西家沢崎8巡目の手牌。自身の河には九索があるので打牌選択は四索四万あたりか?
沢崎は四万を選択するとすぐに三筒を引き入れリーチを打つ。

 

100

 

あっさりとこの3,000・6,000をツモアガリ、親の佐々木との差を縮める。佐々木にとっては残す3回戦を戦うにあたって試練となる立ち上がりか。

東2局

佐々木
六万六万七万四索五索六索六索八索六筒七筒八筒九筒中中  ドラ三万

ここから打六万とし中は鳴かないという意思を示す、この大舞台、このポイント状況で自らの勝ち方を通そうという姿はさすがだ。

佐々木
六万七万八万三索四索五索六索八索六筒七筒八筒中中  リーチ

八万を引き入れ迷わずカンチャン選択リーチと行く。七索は山に3枚あり今にもツモりそうだ。

勝又
六万七万八万九万九万三索四索五索七索八索七筒八筒九筒  ロン六索

そこへ追いついた勝又が二索を勝負し、藤崎からこの1,500をアガる。
藤崎の放銃ではあったが、佐々木へのマークが最大限である以上、こうなってしまうといったところか。

東2局1本場

沢崎
二万三万七万八万九万四索五索六索四筒五筒六筒九筒九筒  リーチ  ツモ一万  ドラ七万

東3局

沢崎
六万六万六万五索五索六索七索  ポン一索 上向き一索 上向き一索 上向き  ポン東東東  ドラ四万

東4局

沢崎
一万一万一万二万三万四万五万五万四筒五筒六筒七筒八筒  リーチ  ツモ九筒  ドラ八筒

追いかける側の3人にとって、一気に名乗りを上げたのは沢崎。
開局の跳満ツモアガリからさらに加点し、東場で一気に5万点オーバーとなる。

南2局

藤崎
四万五万六万七万五索六索七索三筒四筒五筒六筒七筒白白  ドラ二万

9巡目にテンパイが入るがフリテンを嫌い打三筒

佐々木
一万二万八索八索一筒一筒一筒北北北  ポン三筒 上向き三筒 上向き三筒 上向き

北家佐々木がその三筒をポンとしペン三万のテンパイを入れると、藤崎も六万を引き不本意ではあるが五万八万のリーチ。

勝又
二万二万二万五万六万七万五索七索二筒三筒四筒六筒六筒  ツモ五万

タンヤオドラ3で息を潜めていた親の勝又のツモは苦しくも五万。覚悟したかのように打五万とし藤崎5,200のアガリとなった。

南3局

佐々木
二万四万三索四索五索六索六索七索八索九索五筒東南  ツモ八索  ドラ七索

佐々木、第一ツモの八索を見ると一色手も見据え打二万とした。

 

100

 

我慢が続いた佐々木ではあったが、この12,000を勝又からアガリ一気に浮きへまわる。

南4局

藤崎
一万二万七万八万九万一索一索七索八索九索  ポン一筒 上向き一筒 上向き一筒 上向き  ロン三万  ドラ一筒

佐々木とのポイント差は100以上、厳しい差ではあるが、藤崎はこの11,600を沢崎からアガリ浮きとなる。
沢崎は一度止めた三万だっただけに意外ではあったが、アガった藤崎の手順が優秀だったと言うべきか。

南4局1本場

佐々木
四万五万六万七万七万一筒三筒四筒五筒六筒  ポン南南南  ロン二筒  ドラ七万

何が起きてもおかしくないそんな半荘、トップは佐々木。この7,700を沢崎からのアガリとなった。
佐々木にとっては僥倖のトップ、残り2半荘は体力と集中力の勝負か。

14回戦成績
佐々木+16.0P 藤崎+10.3P 沢崎+3.1P 勝又▲29.4P

14回戦終了時成績
佐々木+75.3P 沢崎▲9.3P 藤崎▲32.1P 勝又▲34.9P

 

 

15回戦(起家から、佐々木・沢崎・勝又・藤崎)

東2局1本場

勝又
二万三万四万六万六万七万七万八万四索四索四筒五筒六筒  リーチ  ロン五万  ドラ四筒

先制したのは勝又。7,700を沢崎からアガる。

東3局

藤崎
九万九万一索二索三索四索五索六索一筒二筒三筒四筒五筒  リーチ  ツモ六筒  ドラ六筒

続いて藤崎がリーチを打ち、ドラ六筒をツモり1,300・2,600のアガリ。決定戦が終わりに近づいているのを感じる。

南1局

佐々木
三万三万四万四万八万八万二索二索六筒六筒北北白  リーチ  ツモ白  ドラ二筒

3者の体力までもを奪い取るような佐々木の3,200オール。

南1局1本場

藤崎
五万五万七万八万二索三索四索四筒五筒六筒六筒七筒八筒  リーチ  ツモ九万  ドラ四索

南3局

沢崎
一万一万二万三万四万六万七万八万三索四索六筒七筒八筒  リーチ  ツモ五索  ドラ四索

藤崎・沢崎がアガるも、静かに淡々と局が進行していく。

南4局4本場

沢崎
六万七万八万一索二索三索三索四索五索三筒四筒六筒六筒  リーチ  ツモ五筒  ドラ四索

沢崎・藤崎・勝又の意地であろう、佐々木渾身の3,200オールも、この半荘放銃無しで沈みの3着に落とされる。

15回戦成績
藤崎+28.4P 沢崎▲3.9P 佐々木▲7.0P 勝又▲17.5P

15回戦終了時成績
佐々木+68.3P 藤崎▲3.7P 沢崎▲13.2P 勝又▲52.4P

 

 

最終16戦(起家から、藤崎・沢崎・勝又・佐々木)

南4局10本場
静かに佐々木の牌は伏せられた。優勝は佐々木寿人。

ウイニングランを見届けようとたくさんの視聴者が見守っていたはずだ、しかしここへ辿り着くまでの道のりはウイニングランなどと生易しいものものではなく、苦難の道であったのだ。

沢崎+79.2P
佐々木+55.2P
藤崎▲52.8P
勝又▲83.6P

このポイントは最終戦のオーラスを迎えたポイント状況である。つい先程までマイナスしていた沢崎が、現状では+90Pの加点をしている。その経過を辿ってみたい。

南2局、積み場は無い。佐々木の持ち点は39,400持ちのトップ目。いたって無風のはず・・だった。

佐々木
六万七万九万四索五索六索南南中中  ポン九筒 上向き九筒 上向き九筒 上向き  ドラ二筒

西家佐々木、3巡目に九筒をポンとし打九万南中も役牌だが、この仕掛けを入れられたら勝又・藤崎からは南中も期待できないので、ここからは自力勝負、親は沢崎だ。

沢崎
一万二万六万六万六万一索二索三索七索八索九索二筒二筒  リーチ  ツモ三万

沢崎は三色は崩れたものの、ドラ二筒を重ねての11巡目にリーチを打つ。三万は場に3枚出ているので佐々木への押さえつけも込みであろうか、
しかし、佐々木もこのポイント差なら十分勝負、いやポイント差がなくても佐々木は勝負構えか。
決着は沢崎がハイテイでの4,000オールツモ。

南2局1本場

沢崎
二万四万六万六万三索四索五索六索白白  チー六筒 左向き五筒 上向き七筒 上向き  ドラ二万

5巡目に六筒をチーすると、すぐに三万を引き打白とタンヤオへ渡る。

沢崎
二万三万四万六万六万三索四索五索四筒五筒  チー六筒 左向き五筒 上向き七筒 上向き  ツモ六筒

1,000オールの1本場のツモアガリ。ポイント差を見てもこの六筒にチーの声が出る人は中々いないように見える。

南2局2本場

沢崎
一索二索三索四索五索五索六索七索中中  チー九索 左向き七索 上向き八索 上向き  ドラ三索

2本場は、沢崎1人テンパイでの流局。佐々木に軽い手が入らない。

南2局3本場

 

100

 

一閃である。全4日間開催の決定戦、一度もプラス域に回らなかった沢崎が、ここへ来て浮上どころか佐々木をかわしての大逆転。
麻雀とは恐ろしくもあるなと思える1局であった。自分が佐々木の立場であったら、現状を把握しきれないくらい心が揺れそうだ。

南2局4本場

沢崎
四万五万六万五索六索七索一筒一筒三筒四筒六筒七筒八筒  リーチ

4本場、沢崎さらに加点を狙うがここは流局。

南2局5本場ドラ中

沢崎
七索八索九索二筒三筒四筒六筒七筒八筒北北中中  ツモ北

沢崎ここは2,600オールのツモアガリでさらに加点。リーチの選択もあったかもしれないが、供託が増えて佐々木の浮上するチャンスを減らすのが狙いだったのかもしれない。

南2局6本場

佐々木
七万七索八索九索四筒五筒六筒七筒八筒九筒  チー六索 左向き四索 上向き五索 上向き  ドラ九索

なんとか佐々木1人テンパイで沢崎の親を落とす事に成功。

南3局7本場

佐々木
一万一万二万三万三万六索六索六索八索八索五筒六筒七筒  ドラ八索

勝又・佐々木の2人テンパイ

南3局8本場

佐々木
三万四万五万六万七万七万七万七万八万五索六索八筒八筒  リーチ  ドラ七索

沢崎・佐々木のテンパイ。勝又ノーテンによりオーラスへ。佐々木は3連続のテンパイ料で少しずつ加点していく。

南4局9本場

現在のポイントは以下のとおり。
沢崎+79.2P 佐々木+55.2P 藤崎▲52.8P 勝又▲83.6P
佐々木の開始前のポイントは+68.3P。24ポイント差ではあるが浮けばほぼ並ぶ差だ。

佐々木
一万五万一索二索三索四索五索六索七索二筒三筒七筒西白  ドラ三索

佐々木の第一打は白

佐々木
一万五万八万一索二索二索三索四索五索六索七索二筒三筒七筒

字牌を処理してもまだ不十分形だ。打一万

佐々木
五万八万一索二索二索三索三索四索五索六索七索二筒三筒七筒

見ている人も声がでたであろう三索ツモ。打八万

佐々木
五万一索二索二索三索三索四索五索六索七索二筒三筒五筒七筒

雀頭が欲しいこの形。ピンズは場に安いが二筒五筒は2枚切れ。佐々木少し間を置いて打五万

佐々木
一索二索二索三索三索四索五索六索七索八索二筒三筒五筒七筒

ツモ八索でソーズの形を生かすか、それとも場に安いピンズと心中か、佐々木の選択は打五筒

佐々木
一索二索二索二索三索三索四索五索六索七索八索二筒三筒  リーチ

ツモ二索でリーチを宣言。後は信じるのみ。

 

100

 

4,000は4,900オール。僅かながらではあるが佐々木の再逆転で決着となった。

なんという劇的な展開だったのだろうか。佐々木は最後の試練を乗り越えて見事にツモアガったのだ。
ここへ辿り着くまで集中力を良く切らさずに打つ精神力も当然ながら、初日からの戦う姿勢は本当に勝者として新たな鳳凰位として素晴らしい姿であった。
第37期鳳凰位は佐々木寿人。

最終16回戦成績
沢崎+83.5P 佐々木+7.6P 勝又▲37.1P 藤崎▲54.0P

最終16回戦終了時成績
佐々木+75.9P 沢崎70.3P 藤崎▲57.7P 勝又▲89.5P

 

100

 

女流プロ麻雀日本シリーズ2021決勝レポート

~充実の亜樹、2度目の優勝!~

3/27(土)女流プロ麻雀日本シリーズ2021の決勝戦が行われた。  

 

 

ルールはWRCルール 

 

   

4回戦のトータルポイント1位が優勝となる。
(予選からのポイント持越しは無し)

今期、決勝に残ったのは、以下の4名。

 

 

1位通過
日本プロ麻雀連盟 高宮まり  
第1期女流プロ麻雀日本シリーズ優勝・他

 

 

2位通過
日本プロ麻雀連盟 川原舞子 
第15期女流桜花

 

 

3位通過

日本プロ麻雀連盟 二階堂亜樹 
第2・3期女流桜花・第2期女流プロ麻雀日本シリーズ優勝・他

 

 

4位通過
日本プロ麻雀協会 佐月麻里子 
第14・19女流雀王・他

 

 

実況:梅中悠介
解説:藤崎智 白鳥翔

高宮、亜樹は2度目の優勝を、川原、佐月は自身とのタイトル2冠を狙う。
立会人、ともたけ雅晴の開始の合図と共に、対局が開始された。

 

 

1回戦

東3局、局面が大きく動いた。
川原が三色を作りリーチに行くと、

 

 

そこに向かったのが親の高宮。出アガリ18,000の大物手で追いかけリーチ。

 

 

それをツモって6,000オール。大きなリードを得る事に成功。

 

 

さらに追撃する高宮。今度は、ホンイツ・トイトイ(ツモれば6,000オール)のテンパイを入れる。
しかし、佐月のリーチに、8,000は8,300の放銃。

 

 

南場に入ってからは、今まで耐えていた亜樹がアガリを重ねて行く。
親で3本場まで積んで、失点を回復すると、南3局でとうとう高宮を捉える事に成功する。
しかし、オーラスは高宮が逆襲。トップに返り咲き1回戦は終了。

2回戦
東3局、高宮からリーチが入る。  

 

 

そこに親の亜樹がタンヤオ、ドラ3で勝負して行く。
高宮の待ちに合わせる亜樹。 

 

  

そこに加点したい佐月のリーチがくる。

 

 

押し切る亜樹。
佐月が最後に掴んだのは、亜樹の当たり牌。しかし、それは高宮の頭ハネ。 

 

 

僅かに、亜樹の顔が陰る。しかし、自分に言い聞かせる様に、静かに2回頷いた。

 

 
 

 

その間数秒の間があった。憂い、そこから闘志を再び呼び起こす迄の、僅かな間。映像で見て感じて戴けたらと思う。
それにしても佐月は苦しい。オーラスの親で中盤に以下の手。

 

 

こうなるも、有効牌をまるで引く事が出来ない。
ようやく取れたテンパイも、余剰牌が亜樹のアタりに。
亜樹・高宮・川原・佐月の並びで2回戦終了。

3回戦

川原、佐月はどうにか2人を沈めて、自身がトップを取りたい所。
点数を積み上げる高宮。しかし、親番維持の打牌が、佐月の大物手に捕まる。 

 

 

今度は川原。気持ち良く満貫をツモり反撃の狼煙を上げる。

 

 

局はラス前まで進行。川原・佐月は自身の優勝の為に、是が非でも1・2フィニッシュを決めたい所。
しかし立ちはだかったのは、亜樹。価値ある1,000・2,000で2着浮上。
そしてオーラス、リーチを打っていた親の佐月から高宮が8,000は8,300のアガリ。

 

 

川原、佐月にとってあまりに厳しい展開となる。

亜樹・高宮・佐月・川原の並びで3回戦が終了。

4回戦

最終戦が始まった。実質2人の一騎打ち。
亜樹と高宮の差は17,6P差。
高宮は亜樹に7,600以上の差を付ければ良い。

東1局、亜樹が大物手のテンパイ。 

 

 

しかしテンパイ打牌が、佐月のリーチに放銃。ウラウラで8,000の失点となる。

 

 

しかし、そこからの亜樹が強かった。決定打のテンパイを入れた高宮からリーチ宣言牌を捉え8,000 の直撃。

 

 
 

 

更に亜樹は、発南・ホンイツの2,000・4,000をアガリ後続を引き離す。

 

 

高宮の親が落ち、佐月の執念の見逃しや、川原の決死のテンパイ等、素晴らしいプレイが出るも、亜樹の牙城を崩す事は出来なかった。

優勝は二階堂亜樹。

 

 

 

 

亜樹のインタビューが始まった。
リーチ負けしなかったので・・・
と、謙虚な発言をする亜樹だったが。藤崎の言う通り、内容は抜群だったのではないか。

勝ったり負けたりですいません。
と、笑顔を見せる亜樹。

最後はファンの方々への感謝の言葉で、締め括られた。 

 

 

女流プロ麻雀日本シリーズは、二階堂亜樹の優勝で幕を閉じた。
各選手が力を尽くした素晴らしい戦いだったと思う。
来年は誰がこの舞台に立つのだろうか?

(文:船木伸一)

女流プロ麻雀日本シリーズ2021 決勝成績表

システム

■予選全24回戦(各自8回対局)を行いポイント上位8名がプレーオフ進出
■プレーオフ全4回戦(各自2回対局)ポイントを持ち越し上位4名が決勝進出
■決勝全4回戦

決勝成績

順位 名前 1回戦 2回戦 3回戦 4回戦 合計
優勝 二階堂亜樹
(連盟会長推薦)
13.7 21.0 16.8 ▲ 3.5 48.0
2 高宮まり
(連盟会長推薦)
30.7 ▲ 3.3 6.5 ▲ 37.5 ▲ 3.6
3 川原舞子
(第15期女流桜花)
▲ 12.7 9.9 ▲ 18.0 11.5 ▲ 9.3
4 佐月麻理子
(第14期女流雀王)
▲ 31.7 ▲ 27.6 ▲ 5.3 29.5 ▲ 35.1

 

 

プレーオフ成績

順位 名前 予選合計 プレーオフ1回戦 プレーオフ2回戦 合計
1 高宮まり
(連盟会長推薦)
108.3 6.2 35.7 150.2
2 川原舞子
(第15期女流桜花)
94.8 28.4 ▲ 2.0 121.2
3 二階堂亜樹
(連盟会長推薦)
29.9 30.7 49.0 109.6
4 佐月麻理子
(第14期女流雀王)
148.7 ▲ 37.2 ▲ 12.0 99.5
5 黒沢咲
(連盟会長推薦)
36.5 17.7 ▲ 17.9 36.3
6 りんのなお
(第18期プロクイーン)
▲ 5.4 ▲ 5.7 0.9 ▲ 10.2
7 日向藍子
(連盟会長推薦)
9.7 ▲ 28.9 ▲ 24.6 ▲ 43.8
8 山脇千文美
(連盟会長推薦)
▲ 54.4 ▲ 11.2 ▲ 29.1 ▲ 94.7

 

 

予選成績

順位 名前 1回戦 2回戦 3回戦 4回戦 5回戦 6回戦 7回戦 8回戦 合計
1 佐月麻理子
(第14期女流雀王)
▲ 3.9 30.0 ▲ 22.4 ▲ 7.9 46.9 65.5 12.4 28.1 148.7
2 高宮まり
(連盟会長推薦)
13.3 17.9 ▲ 10.3 ▲ 29.2 47.6 38.9 1.4 28.7 108.3
3 川原舞子
(第15期女流桜花)
9.4 6.0 54.9 23.0 ▲ 12.0 ▲ 2.0 13.1 2.4 94.8
4 黒沢咲
(連盟会長推薦)
22.4 ▲ 27.5 ▲ 23.0 6.4 ▲ 5.6 ▲ 10.0 30.1 43.7 36.5
5 二階堂亜樹
(連盟会長推薦)
▲ 12.3 10.4 6.7 6.1 37.4 14.5 ▲ 10.6 ▲ 22.3 29.9
6 日向藍子
(連盟会長推薦)
▲ 30.1 5.5 8.9 7.4 23.1 ▲ 22.5 1.7 15.7 9.7
7 りんのなお
(第18期プロクイーン)
28.2 21.7 24.3 ▲ 27.9 27.1 ▲ 55.4 30.1 ▲ 53.5 ▲ 5.4
8 山脇千文美
(連盟会長推薦)
33.7 ▲ 24.5 ▲ 25.8 ▲ 3.6 25.0 ▲ 33.5 3.3 ▲ 29.0 ▲ 54.4
9 魚谷 侑未
(連盟会長推薦)
30.3 ▲ 19.9 6.6 ▲ 25.2 ▲ 24.3 2.1 ▲ 30.9 ▲ 8.8 ▲ 70.1
10 岡田紗佳
(連盟会長推薦)
▲ 16.9 ▲ 11.8 ▲ 6.5 15.3 ▲ 15.7 ▲ 13.7 ▲ 29.4 ▲ 5.9 ▲ 84.6
11 伊藤奏子
(第20期女流最高位)
▲ 8.9 ▲ 38.6 ▲ 25.5 ▲ 14.8 ▲ 35.6 ▲ 21.5 37.3 15.9 ▲ 91.7
12 仲田加南
(女流プロ麻雀日本シリーズ2020)
▲ 25.3 ▲ 7.3 ▲ 18.0 10.0 ▲ 17.4 ▲ 6.8 ▲ 45.9 ▲ 15.0 ▲ 125.7

第1期桜蕾戦ベスト8B卓レポート

桜蕾戦も佳境に入って来た。前日行われたベスト8A卓からは、内田みこ、中田花奈が決勝進出を決めている。この日は残り2枠を決める戦いだ。

 

 

開局は杉浦の4,000オールが炸裂。234が崩れる入り目ながらも、思い切りの良いドラ単騎リーチを打ってツモアガリ。

 

 

南場の親番でも再び4,000オール。入れ替え戦で女流桜花Aリーグ入りを果たした時のような、圧倒的な強さを見せる。

南2局4本場。親番早川が上家の一筒を鳴かずに発を重ねてメンホンでヤミテン。

 

 

開局から果敢に攻めていた駒田が、1シャンテンで九筒をツモ切り親満の放銃。

早川はこの親番は離さないと8本場まで積み上げて杉浦を抜き去りトップ目に。

南3局は駒田がリーチ。ツモったのは八万ながらも、一発と裏ドラがついた跳満ツモで一撃原点復帰。

 

 

これを親被りした伊達は苦しい箱下スタートとなってしまうが、2回戦からは吹っ切れたように攻める。

東3局 西家 伊達の配牌
六万八万九万三筒五筒八筒三索六索南白発中中 ツモ六万 ドラ四索

1枚目の中をスルー。ホンイツトイトイに仕上げ、2軒リーチを受けた直後に跳満ツモアガリ。

六万六万発発中中中  ポン四万 上向き四万 左向き四万 上向き  ポン東東東  ツモ六万

杉浦は東四万を伊達に鳴かせてしまった上に手が伸びず、さらに駒田と早川がリーチ。オリに回ったが結果は最悪。このままではマズいと即ギアを入れ替えたのが凄い。
片方が2枚切れのシャンポンリーチを打ち5,200点をアガると、南1局には中ドラ3のアガリ。
伊達に800点差まで詰め寄るが、オーラスは伊達がアガってトップ。

3回戦は開局に早川が倍満ツモ。

 

 

決め手になりうる一撃だが、対局者の心は折れていなかった。伊達はヤミテンからツモり三暗刻に待ち変えしてリーチ、満貫をツモる。

 

 

最も厳しい位置にいる駒田も2度目の一発ツモで跳満。(七万が表ドラ)

3回戦南4局2本場。

他家に大物手をツモられて苦しい杉浦。順位点アップは難しいと判断し、ダブ南をポンで2フーロ、五万八万テンパイ。

 

 

しかし、駒田は3回戦のトップを諦めていなかった。手牌がソウズに伸びると、ドラの三筒を切った。

 

 

これを親番伊達がポンテン。だが現状役がない。発の後付けかトイトイ変化、最悪親権維持。実質1シャンテンと言える。

 

 

早川は役ありの五筒八筒待ちのヤミテン。アガリトップだ。

 

 

ドラ切りの駒田も最後方からチンイツで追いつく。

伊達のツモは三筒
加カンをすると新ドラは七索。駒田の手が跳満に昇格し、ツモか伊達直撃でトップが見えたが…。

「ツモ」

 

 

何と伊達のツモは五万
リンシャンの役が付き、ドラ4で親満のアガリ。
2連勝でトータル2位に付けた。

 

 

最終戦。早川は2人にかわされなければ通過。伊達、杉浦の差は21.5ポイント。1着順10ポイント縮まるので2着順差ならほぼ達成。駒田はとにかく素点を集めてトップ、さらに2人かわさないといけない。

まずは駒田が満貫ツモ。これを何度でも繰り返すしかない。気合いが入っている。

東2局1本場は杉浦が高め倍満テンパイするも流局。

三万三万南南  暗カン牌の背七万 上向き七万 上向き牌の背  ポン九万 上向き九万 上向き九万 右向き  ポン北北北 ドラ九万六万

交代劇を繰り広げた2位争い。南2局に杉浦が満貫ツモで僅かながらリードする。これにより親番が落ちた駒田はおよそ役満直撃の条件となってしまった。

もつれにもつれた最終戦もオーラス(流れ3本場)

 

 

杉浦と伊達の差は1.1ポイント杉浦がリード。このまま終われば杉浦、伊達は何でもアガれば通過。伊達テンパイで杉浦ノーテンでもOKだ。

7巡目に伊達からリーチが入る。
杉浦の牌姿は整っていないが、仕掛けて一生懸命手を作る。親番の早川は現状首位。伊達にツモられてもノーテン流局でも通過のため、連荘はまずない。実質これが最終局。とにかく前に進むしかないのだ。

 

 

しかし、杉浦が追いつく前に伊達がツモ。6時間半に及ぶ長い戦いはこれで決着となった。

 

 

第1期桜蕾戦決勝進出者は

内田みこ
中田花奈
早川林香
伊達朱里紗

となった。

 

 

決勝戦は3/29(月)16:00開始予定。こちらも是非ご覧ください。

(文:編集部)

第1期桜蕾戦ベスト8A卓レポート

【第1期桜蕾戦、ベスト8A卓勝ち上がりは内田みこ・中田花奈!】

3月22日(月)、連盟チャンネルにて第1期桜蕾戦ベスト8A卓が放送された。

対局者は内田みこ、中田花奈、香野蘭、夏目翠。

 

 

若手ながらいくつかのメディアで活躍している内田・夏目が新人の香野・中田を迎え撃つ格好だ。

対局が開始すると、なんといきなり内田が7連続のアガリで7万点のトップ目に!

 

 

この嵐の中4,900点持ちまで追い込まれた中田だったが、南3局には待ち取りに成功しリーチ一発ツモドラ3の3,000・6,000で戦線に復帰。

 

 

このアガリで1回戦は2着目まで浮上。この後も内田が展開をリードし、残り3人で1つの椅子を争う格好に。

勝負は最後までもつれ、最終戦オーラス時点では内田は実質的に通過確定。夏目は3倍満ツモor倍満直撃条件。香野は1,300・2,600ツモor満貫出アガリor3,200直撃条件。中田はアガるか流局で通過という条件に。

こういったオーラスはいざ蓋を開けるとテンパイを入れるのがやっとというケースが多いのだが、ここまでの桜蕾戦同様、ドラマチックなラストが待っていた。

まずは条件にもってこいの配牌を手にした香野が3巡目にピンフドラ1のリーチ!

 

 

これが山に5枚!この巡目でリーチを受けた中田としては気が気ではなかっただろう。しかし黙っていなかったのは夏目。15巡目に国士無双をテンパイ!

 

 

これが山にまだ1枚!しかし次巡掴んだのは香野のアガリ牌の八索
もちろん自らの勝利のために打ち出すしかない。香野としては出アガリの場合裏ドラ条件となるが、16巡目に打ち出されてしまっては見逃すことはできない。結果的には裏ドラを乗せることはできず、勝ち上がりは内田・中田という結果に。

 

 

内田「ここまで来たら優勝しかないです。細かいミスもいっぱいしちゃったので決勝までに調整したいです。」

 

 

中田「自分でも分かるくらいミスが多く、モヤモヤが残る対局でした。決勝では満足のいく、自分のできる限りが出せたらと思います。」

これで決勝メンバー4名のうち2名が確定。ここまで毎回劇的な展開が待ち受けている桜蕾戦。ベスト8B卓も、決勝戦も見応えのあるものになることは間違いないだろう。

決勝戦は3月29日(月)16時〜。是非ご視聴ください。

(文・浜野太陽)

第1期若獅子戦ベスト16CD卓レポート

【第1期若獅子戦ベスト16トーナメント C卓D卓が同時開催】

今期から始まった若獅子戦。107名の参加者から16名が選出され、A卓からは澤谷、阿久津、B卓からは浜野、鈴木がベスト8に駒を進めた。

この日はベスト16のC卓D卓が同時開催。各卓上位2名に残る戦いである。

まずは別卓の選手を紹介

 

 

木場佑二(きばゆうじ)
37期。下手で破天荒な麻雀で場をカオスにして行きたい。

泉裕斗(いずみゆうと)
現役大学生。強く押す所は押して行きたい。

中村文哉(なかむらふみや)
自分の麻雀を確立してブームを起こして行きたい。

皆川侑亮(みながわゆうすけ)
貴重な推薦枠を頂けたので、引き出しの多さを活かして勝ち上がりたい。

放送卓はC卓。出場選手は以下の4名。

 

 

瀧澤光太郎(たきざわこうたろう)
本日最年少20歳の学生。打点の独特な作り方をみてほしい。

伊井功雅(いいくうが)
本日最年長28歳。流れと感性を大事に、第一打に字牌は切らない。

滝田直大(たきたなおと)
明日が大学の卒業式。リーチをたくさん打って行きたい。

岡崎涼太(おかざきりょうた)
失敗を恐れずに、悔いのないように頑張ります。

1回戦を制したのは瀧澤。ドラ白を引いてメンホンツモり三暗刻のヤミテン。

 

 

すぐに七索が出て満貫をアガリ、リードを守りきった。

2回戦のトップは岡崎。リーチツモドラドラの満貫が決め手となった。

 

 

伊井は2着2回でまとめており、大きなアガリがないながらもほぼ横並び状態。一方ラスラスで1人沈みの滝田は3回戦は是非トップを、最低でも2着にならないと厳しい。

3回戦は大いに荒れた。
東1局、瀧澤が先制リーチ。滝田、岡崎も追いつき瞬く間に3軒リーチ。

 

 

しかし、岡崎の宣言牌六索が瀧澤のロン牌。メンタン一発裏で親満のアガリとなる。
放銃した岡崎もめげずに東3局に親満ツモを決めて失点をほぼ取り戻すと、2本場には高めをツモって親跳満のアガリ。

 

 

一気にトータルトップまで突き抜けた岡崎が、3本場でも先制リーチ。七対子で追いついた滝田が、追っかけリーチで伊井から6,400(+1,900)で連荘を止めると…。

 

 

南1局にタンヤオドラドラテンパイをヤミテン。ドラ3に昇格させてから岡崎を直撃。

 

 

南2局には伊井が我慢のヤミテンで針の糸を通すような満貫ツモ。滝田と伊井がようやくペースを掴み始めては来たが、岡崎と瀧澤がリードのまま残り1戦となった。

最終4回戦、伊井はドラポンで満貫テンパイも、親番を落とせない滝田からの出アガリ。滝田は南場の親番で5本場まで粘るも、瀧澤を大きく沈めるには至らず。オーラス親番で伊井が一度アガリ連荘するが、1本場に岡崎がアガって対局終了。

D卓はラス2回で厳しいポイントだった泉が、後半2戦で怒涛の追い上げ。中村が最終戦トップ目で1枠確保。

 

 

泉がオーラスにメンホンをアガって逆転。次局皆川も再逆転のヤミテンを入れていたが、無念の流局。

 

 

最終成績表はこちら。

 

 

ベスト8進出は以上の8名に決定。

第1期若獅子戦ベスト8A卓
3/25(木)17:00開始

 

 

第1期若獅子戦ベスト8B卓
3/26(金)17:00開始

 

 

(文:編集部)

第1期若獅子戦ベスト16AB卓レポート

若獅子戦は将来の麻雀界を担うスター選手を発掘することを目的として、今年から設立されたタイトル戦です。
出場した107名のうち成績上位12名と審査員に推薦された4名の16人が勝ち上がりとなり、ベスト16A卓に出場となったのは

 

 

櫛田利太(予選1位)澤谷諒(予選8位)宮澤太佑(予選9位)阿久津翔太(審査員推薦)の4名。

一進一退の好ゲームとなったA卓は最終戦の南3局。

 

 

トータル3番手の阿久津がトータルトップの澤谷から5,200点をアガって立場が入れ替わります。

オーラス親の阿久津は流局すればノーテンでも勝ち上がりでしたが、澤谷に満貫以上をツモられると親被りでトータル3番手に戻るという現状1番手でも油断は出来ない状況。

 

 

ここでオリやすく早アガリも狙える絶好の配牌を貰った阿久津でしたが、1巡目から受けの選択をして生殺与奪の権を他人に握らせます。

3番手に後退した澤谷は800・1,600以上のツモアガリか出アガリなら櫛田から1,000点以上・宮澤から2,000点以上・阿久津から3,200点以上で、さらに櫛田とのテンパイノーテンでも逆転と少し複雑な条件。

 

 

苦しい配牌の澤谷でしたが、9巡目にピンフドラ1のテンパイが入ります。
ヤミテンだと阿久津以外から出れば逆転ですが、ツモってしまうと届かない。
リーチならアガれば逆転ですが、流局テンパイノーテンでの逆転に宮澤テンパイの条件が足されるので少し難しくなります。
ここで澤谷は自らの手で勝ちを掴みに行くリーチを選択。

 

 

これに対し同巡櫛田にもテンパイが入ります。
澤谷が800・1,600から1,600・3,200をツモアガリをすると櫛田は敗退。
それ以上なら阿久津が敗退で、それ以下なら澤谷が届かず敗退。
澤谷がリーチ棒を出したことで流局しても櫛田の勝つ確率が上がり、櫛田も複雑な状況になりましたがリーチを選択。
澤谷と同様に自力で勝負にでました。

 

 

結果は澤谷が一発ツモの2,000・4,000で逆転トップ。
櫛田は直前に出したリーチ棒が響いてトータル3番手に落ちて敗退。
A卓からの勝ち上がりは澤谷・阿久津に決まりました。

<A卓最終結果>
澤谷+37.1P 阿久津+8.6P 櫛田▲13.8P 宮澤▲31.9P

同時に行われていたベスト16B卓は

 

 

浜野太陽(予選2位)曽篠春成(7位通過)高瀬翔(10位通過)鈴木誠(審査員推薦)の4名で行われ、こちらは3回戦で10万点に近いトップを取った浜野と、オール2着の鈴木が勝ち上がりを決めました。

<B卓最終結果>
浜野+45.0P 鈴木+41.2P 高瀬▲19.9P 曽篠▲76.3P

(文:越野智紀)

戦術の系譜17 内川 幸太郎

皆さんこんにちは。
第2回目となる今回は前回最後のこの文
「戦術の多くは攻撃面と守備面に分かれますが、1局だけをみたものと1半荘、またはその日1日をみたものもあります」
こちらを深く掘り下げて戦術というものの意味を考えていきたいと思います。

そもそも戦術の定義とは?
何か目的を達するために戦略という外枠を立て、それらを実行するに作戦を練り、その作戦を実行するための技術が戦術となると僕は認識しています。

僕が今出ているプロの試合にもさまざまなものがありまして、年間48半荘ほどを打ち競い合う鳳凰位戦(A2リーグ戦)。
1日4.5半荘のトーナメントを繰り返し勝ち上がっていく十段位戦やグランプリMAX。
12半荘前後で行われるタイトル戦決勝戦。

全て勝ち上がり条件が違い、その試行回数も違います。
リーグ戦は上位1~2割の昇級または決定戦進出が決まり、下位も同等ほどの比率で降級になります。
トーナメントはその日の上位2名になるのが命題でポイントの多寡は問いません。
決勝戦は、優勝しか価値はありません、1位になれば良いです。

勝ち上がり条件がそれぞれで違うので、目的を達成するための戦略が違ってくるのは当たり前で、それに従い戦術も当然変わってきます。

昇級降級のあるリーグ戦は、その道中のポイント状況に見合った選択をする事が多くなるでしょう。
昇級争いはリスクが少なく、降級争いはリスクとの闘いです。
僕の戦い方としてはリーグ戦序盤こそ大きく腕を振ってリードを取りに行きます。
仮にイニシアチブが取れなくてもやり直しがきくからです。
以前Bリーグにいた時はこの真逆で、まず残留ありきでツキが向いた時にいつか昇級できるだろうという戦い方をしていました。
その結果、7年半もB1、2リーグに居ました(落ちはしませんでしたが)
目標は鳳凰位ではなかったの?と自分に問いただしてから勝負にいけるようになりましたね。

トーナメントはその日で生き死に賭けますから、リスク回避が肝になる場面とリスクをいくらでも負える場面がはっきりしやすいです。
僕はトーナメントが大好きです。
心理状況が打牌に顕著に現れ、そこを読むのを得意としているので勝率も非常に高いです。
コツは通過ラインを常に意識する事と、自力だけでなく他力も時に利用することが良いと思っています。

タイトル戦決勝戦などの短期決戦の1位縛りに関してはあまり誇れる戦術は持ち合わせていません。
まだまだ僕自身が勉強している最中です。
過去大きいタイトル戦の決勝は、7回ほど経験していますが取れたのは一度きり。
次に決勝に乗った時に取ってようやく確率内と要勉強ですね。
現状自分なりにわかっている事は、最後まで自力で戦い抜かなきゃ優勝は無い、展開での優勝は無いという事だけです。

いまざっと書いたところが戦略の部分です。
決してプロ向けに書いたわけではなく、皆さんでも使える場面があると思います。
昨今は一般の方でも出られる大会が増え、ワンデーの大会を始め有志によるリーグ戦も多々見受けられます。
ワンデーの大会で優勝を目指すなら、普段よりも前のめりに攻撃的にならざるを得ません。
アグレッシブな戦術を選ぶと良いでしょう。
リーグ戦で安定成績を残したいのであれば、リスクを抑えた選択の戦術を選ぶと良いでしょう。

この戦術の系譜というタイトルのコラムをいまいちど戦術というものの意味をしっかりと捉え、ご自身の麻雀力向上のため、再度第1回から書かれている戦術はどの場面で使えるのか?どの戦略を立てた時に一番マッチする戦術なのかを考えながら読み返して欲しいなと思った次第です。

戦術だけを理解しても、前提となる戦略にそぐわなければ正しい価値を導き出せません。

繰り返しになりますが、参加する大会のレギュレーションを見極め、それに対して戦略を立て実行する戦術を選ぶ。
このことを意識して麻雀を打つとご自身の麻雀に深みが増し、新たな麻雀感も養われ更に楽しくなること間違いありません。

麻雀は打つだけでも楽しいものですが、勝ち方を覚え上達を感じると更に楽しくなります。
ぜひ勝ちにもこだわり思考を巡らせる事を楽しんでください。

今回は戦術の意味をいまいちど考えてもらう文にしました。
是非この戦術の系譜コラムをご自身の麻雀に活かせていただけたら幸いです。

【麻雀最強戦2021 女流チャンピオン戦】優勝は川原舞子!

3月21日(日)15時より、「麻雀最強戦2021 女流チャンピオン戦」が行われた。
その模様はAbemaTV麻雀チャンネルにて生配信され、現女流桜花の川原舞子が優勝!
麻雀最強戦2021FINALの切符を手にした。

(麻雀最強戦キンマweb-近代麻雀)

 

 

第11期グランプリMAX決勝戦二日目レポート

~稀に見るシーソーゲーム! 激闘の果てに勝ち残った者は!?

3/20(土) グランプリMAX最終日が行われた。 

 

 

 

グランプリMAXは、昇段の際に用いられるポイントをランキング化し、ランキング上位者と、現タイトルホルダーが一堂に会する、今年を締め括るタイトル戦になっている。

決定戦初日を終え、ポイントは以下の通り。    

 

 

 

 

 

本田朋広 初日1位+64.4P  

 

 

 

山田浩之 初日2位+35.0P  

 

 

 

沢崎誠 初日3位▲45.6P  

 

 

 

柴田吉和 初日4位▲53.8P  

本日、最終日に、5.6.7.8回戦が行われ、トータルポイント1位が優勝者となる。
逃げる本田と、追う3者。果たして、本田を捉える事が出来るのであろうか。

 

 

 

実況は、お馴染み日吉辰哉。
解説は藤崎智、瀬戸熊直樹が努める。 

初日同様、立会人、ともたけ雅晴の合図で、5回戦が開始された。 

 

 

 

5回戦。

東1局、山田がこのアガリ。  

 

 

   

親被りが本田で、いきなりトータルポイントを逆転してしまった。

それだけでは終わらなかった。
次は、初日の鬱憤を晴らすかの様に柴田が12,000  

 

 

 

打ち込みに回ってしまった沢崎も、山田から8,000。 

 

 

 

大物手が乱舞する展開に、置いて行かれたのが本田。
次は私が、と大物手のテンパイを入れるも、

 

 

 

アガったのは山田。

本田に試練の時が訪れる。

5回戦は、山田・柴田・沢崎・本田の順となり首位は山田に。

6回戦
逆転した山田。ポイント差は35.3P。決して小さく無い差である。
更に離す事が出来れば、悲願の優勝にぐっと近づく。

東4局、山田の仕掛けが思わぬ伸びを見せ、ホンイツの柴田から7,700。

 

 

   

この半荘においても本田の上に立つ。
しかし、南1局。同じく思わぬ伸びを見せた本田の手に山田が8,000の放銃。

 

 

 

それが響き、沢崎・本田・柴田・山田の順で6回戦終了。

7回戦
東3局、山田・本田・柴田の手がぶつかり、山田から柴田に5,800は7,000の放銃。 

 

 

 

これにより、本田がトータルトップに返り咲く。
だが次局、山田が柴田から5,200は6,700をアガリ返して、再び首位に。 

 

 

 

首位を巡り、一進一退の激しい攻防が繰り広げられたが、最後に抜け出したのは本田。

トータル首位で最終戦に臨む事となる。

最終戦
本田と、山田の差は9.4P。
2人の戦いは、山田リードで南場に入っていた。
沢崎・柴田の条件があまりに厳しいものだったから、正直このままオーラスまで向かうものだと思っていた。

しかし、レジェンド沢崎、最後の親番で、諦めない事の大切さを見せ付けてくれる事になる。
沢崎の親番が続いていく。50,000・60,000・70,000 山田は懸命に立ち向かって行く。しかし沢崎の親を落とす事が出来ない。

2本場71,000持ちの親沢崎は三色リーチを打った。牌音は高く美しかった。まさかを期待させる力強さがあった。 

 

 

 

ファンを背負う、トッププロの執念。

そこに本田がぶつけていく。暗刻のドラを切って追いかけリーチ!。逃げない姿勢。現グランプリの意地。決着は一瞬だった。

 

 

 

 

 

本田・山田に肉薄する。

南3局、山田にツモれば、2.000・3.900の勝負手が入る。 

 

 

 

そこに、親柴田のリーチが飛ぶ。

 

 

  

暗刻筋を勝負して向かう山田。しかし次の無筋で動きが止まる。 

 

 

 

実況の日吉が叫ぶ。山田の決断はオリ。
柴田の次の牌は、皮肉にも山田の当たり牌であった。 

 

 

 

執念の連荘を続ける現十段位柴田であったが、その親も終わりの時が訪れる。
柴田のリーチに、本田が仕掛けて応戦。結果は本田が制した。あまりに大きい、発・ドラ3であった。 

 

 

 

オーラス、山田の条件は、2.000・3.900。
懸命に手を作る山田であったが、その手が開かれる事は無かった。

第11期グランプリMAX優勝者は、本田朋広の連覇で幕を閉じた。 

 

 

 

ずっと息が苦しかった。やっと息が吸える。と本田は語った。
ポーカーフェイスの向こうで、自分と闘い続けていたのだろう。戦いから解放された、爽やかな笑顔を見せてくれた。

 

 

 

仲間への思い。そして、力強い言葉を残して、インタビューが終了した。 

 

 

 

最後に森山会長の挨拶の言葉で、第11期グランプリMAXが締め括られ、今年度のタイトル戦がすべて終了した。

 

 

  

凄まじい戦いであった。内容・ドラマ性・表情、どれを取っても皆さんの心に強く残ったのでは無いかと思う。
まだ見ていない方が居たら、是非、映像で見て欲しい。素晴らしい感動が待っている事と思う。

(文:船木伸一)

第11期グランプリMAX決勝戦初日レポート

~充実の本田、連覇に向け視界良好~

3/13(土)第11期麻雀グランプリMAX決勝戦初日が開催された。
グランプリMAXとは、昇段の判定に用いられるポイントをランキング化し、ランキング上位者と、現タイトルホルダーが一同に会し行われる、本年度を締め括るタイトル戦になっている。
ルールは、日本プロ麻雀連盟公式ルール(一発・裏ドラ・カンドラ無し)で行われ、2日間、計8回戦で優勝者を争う。

今年決勝に残ったのは、以下の4名。

 

 

本田朋広  
昨年度のグランプリ覇者C2リーグ所属。
今年は前年度優勝シードで、ベスト16からの勝ち上がり。 

 

 

沢崎誠  
タイトル多数。
A1リーグ所属。
ポイントランキング2位。
ベスト16からの勝ち上がり。

 

 

山田浩之 
A2リーグ所属。
ポイントランキング19位。
一次予選からの勝ち上がり。

 

 

柴田吉和  
現十段位 
B1リーグ所属。
十段位シードによりベスト16からの勝ち上がり。

本田は連覇を・山田は悲願のG1初タイトルを・沢崎は鳳凰戦の雪辱を、柴田は十段との二冠を。
それぞれの想いを胸に、立会人ともたけ雅晴の合図と共に、1回戦が開始された。 

 

 

1回戦、沢崎の仕掛けを掻い潜って、山田がアガリトップを飾る。 

 

 

 

2回戦 南場に入って本田が大爆発。ラス前で満貫をアガリ親を迎えると、好配牌からリーチ、ピンフ、ドラドラの11,600(沢崎から)。

 

 

次局も急所をアッサリ引き込んでこのリーチ!

 

 

高めを柴田からアガって1人浮き67,800の大トップ。

 

 

 

3回戦 苦しい展開だった、起親・沢崎がリーチ・ホンイツの大物手をドラ3の山田から。マムシの片目がとうとう開いたか?

 

 

大きな失点となった山田だが、見事なリカバリーで失点を戻すと、南場の親番で三色リーチを一発ツモ。(一発役は無いが)
山田自身、手応えがあったのだろう。ツモる手に力が込められていた。これも映像の醍醐味なんだと思う。

 

 

それにしても、苦しいのは柴田。3巡目、山に4枚生きのこのリーチもアガれないばかりか、3人テンパイにされてしまう。

 

 

 

柴田の心中如何ばかりか・・・
山田トップ・浮きの沢崎が2着。 

 

 

4回戦 本田が純チャンのドラ待ちでテンパイ。ラス牌のドラを引きアガリ、大きなリード。
追う、沢崎・柴田は本田の親でツモアガリ満貫のテンパイ。  

 

 

何とか親被りをさせたい2人だが、流局。2人には苦しい戦いが続く。
オーラス、親沢崎のリーチが入る。リーチ・タンヤオ・ドラ1の勝負手だ。 

 

 

そこに対し、本田の対応が素晴らしかった。解説の勝又でさえ、「このアガリ、拾える人は、中々いませんよ。」
と、言わしめる見事な打ち回しで。アガリ切りトップを奪取する。 

本田にとって会心の、他3人にとっては悪夢のオーラスであった。

これにて初日が終了した。

首位・本田、2位・山田、3位・沢崎・4位に柴田と続く。

 

 

本田・山田のマッチレースを中心に、最終日は回る事になりそうだが、沢崎・柴田も苦しい戦いを何回も制してきた、歴戦の猛者。
果たしてどんなクライマックスが待ち受けているのだろうか?

最終日は、3/20(土)に行われる。

(文:船木伸一)

第1期桜蕾戦ベスト16C卓D卓レポート

【第1期桜蕾戦、ベスト8メンバーが決定!】

3月16日(火)、連盟チャンネルにて第1期桜蕾戦ベスト16C・D卓が放送された。

 

 

C卓の対局者は咲良美緒、美里麻、香野蘭、伊達朱里紗。

 

 

D卓(放送卓)の対局者は駒田真子、岡田紗佳、大槻あいみ、夏目翠。

 

 

放送卓・D卓の様子をメインに紹介していきたい。
まず初戦を抜け出したのは夏目。メンタンピンのツモアガリなどがありトップ目で南3局の配牌を開けると、ドラドラのカン八筒をテンパイしている。通常時であれば即リーチの選択肢も有力だが、夏目の選択は打九筒のテンパイ外し。自身がトップ目ということもあり、スピードよりも好形テンパイを優先したいという選択だ。この選択は功を奏し、リーチピンフドラドラ高目イーペーコーというテンパイで復活すると…

 

 

 

メンタンピンドラ1で追いかけた駒田のリーチ宣言牌をとらえ、8,000のアガリ!
駒田はここでは放銃となったが、1・2回戦を2着でまとめると、3回戦には要所でめくり合いをものにして6万点近くの大トップ。

 

 

最終戦にはほぼ通過確定のリードを手にした。残る椅子を争うのは岡田、夏目、大槻。岡田が頭一つリードしており、夏目は1着順+15,000点あまりの差を詰めなければならない。大槻は6万点超えのトップであればチャンスが出てくるところ。
岡田は初戦から一貫した安定感を見せており、夏目の仕掛けに回りながら七対子で供託つきのアガリを手にするなど盤石かと思われたが…

 

 

東4局、変則的な捨て牌の大槻から先制リーチ。手詰まった岡田が選んだのは高目の当たり牌となっており…

 

 

裏も乗って16,000の放銃となってしまった。オーラスには夏目と岡田はテンパイ料で逆転する点差でわずかに夏目がリード。大槻は倍満ツモ条件となっていたが…

 

 

大槻が通過条件を勘違いしての、ピンフのみのアガリで倒牌。規定上勝ち上がり条件を満たさないアガリは禁止されてはいるが、倒牌が完了してしまっているため今回アガリ自体は成立。チョンボなどはなく、別途ペナルティが課されるという裁定に。

この結末をもって通過者は駒田・夏目となった。

大槻にとっては罪悪感と自責の念でいっぱいのデビュー戦となってしまったが、この経験をバネに成長して欲しいところだ。勝ち上がり(の未来があったかは分からないが)目前で終了となってしまった岡田も悔しい気持ちもあったと思われるが、別の局面で自分自身のプレーを反省する旨をSNSに投稿していた。

※大槻プロのアガリに関して、黒木プロがキンマwebのコラムで記事にされましたので、詳しくはこちら(キンマweb)からご覧いただけます。

別卓・C卓の勝ち上がりは香野・伊達。香野は初戦を2着でまとめると、2回戦では初戦トップの美里麻から国士無双のアガリ。最終戦オーラスには伊達と咲良でアガった方が2番手で通過という僅差の戦いに。仕掛けてアガった伊達が通過を決めた。

以上の結果をもってベスト8の組み合わせが決定。

 

 

桜蕾戦ベスト8の放送は3月22・23日17時~。ぜひご視聴ください。

(文・浜野太陽)

第1期桜蕾戦ベスト16A卓B卓レポート

ベスト16最初の試合はA卓B卓の2卓。

 

 

A卓に出場した選手は、杉浦まゆ(予選1位)太田寛子(予選8位)内田みこ(予選9位)安藤りな(審査員推薦)の4名。

序盤から走っていた内田と、3回戦の大きなトップで追いついた杉浦の2人がリードをして迎えた最終戦。

 

 

内田の仕掛けに杉浦が打ち、追いかける太田を抑えて逃げ切り。
A卓は内田・杉浦の勝ち上がりになりました。

<A卓最終結果>
内田+45.7P 杉浦+26.7P 太田▲8.8P 安藤▲64.6P

 

 

B卓に出場した選手は、中田花奈(予選2位)菅原千瑛(予選7位)蒼木翔子(予選10位)早川林香(審査員推薦)の4名。

予選2位の好成績でベスト16に進出し、注目を集めていた中田。
1回戦こそ4着スタートだったものの、2回戦のトップで盛り返し、続く3回戦のオーラス

 

 

積極的なリーチが功を奏し、並んでいた早川・蒼木を突き放すハイテイでの跳満。
2人を30ポイント近く離す大きなアガリを決めて最終戦に入りました。

<B卓3回戦終了時>
中田+47.2P 蒼木+20.0P 早川+10.4P 菅原▲77.6P

 

 

ところが、これで有利になるかと思われた中田でしたが、最終戦の開局で少牌をしてしまい30ポイントのペナルティ。
綺麗にリードが無くなり3人横並びの状態で、あらためて最終戦がスタートになりました。
更にこれが切っ掛けになったか、それまで苦しんでいた菅原が大爆発。
最後の親番を残して6万点を超え、もう何が起きてもおかしくない状況にまで勝負はもつれましたが

 

 

最後は中田が自力でアガって決着。
ベスト16B卓は早川・中田の勝ち上がりになりました。

<最終結果>
早川+10.4P 中田+10.3P 蒼木▲13.0P 杉浦▲27.7P

(文:越野智紀)

第216回:第8期JPML WRCリーグ優勝特別インタビュー 伊賀則夫  インタビュアー:西島一彦

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生きる極意は「三感四恩」

第8期JPMLWRCリーグで優勝された、伊賀則夫プロのインタビューを西島一彦が務めさせて頂きます。
闘牌につきましては、浜野太陽プロの的を得た「決勝戦レポート」をご参照ください。

伊賀プロと私は、30年前に商社に勤務していた時に、銀座の伊賀さんが経営するクラブで取引先を接待した際に知り合い、それ以来お付き合いをさせていただいています。
西島「先ずは、75歳にしての戴冠の快挙おめでとうございます。今の率直な感想をお聞かせください。」

伊賀「ありがとうございます。私は、チャンピオンズリーグと呼ばれていた時代から一度も欠席することなく参戦して来たので、この努力を麻雀の神様が微笑んでくれたのでなないかと思っているのです。」

西島「ベスト8までは常に好成績で勝ち進んで来られましたが、決勝戦の1回戦で4位のスタートでしたね。この時の心境はどうだったのですか?」

伊賀「このシリーズ、初めて苦境に陥ったのですが、2回戦が私の大好きな親番スタートとなったので、チャンスありと気を取り直して卓に向かいました。」

西島「勝ちを意識した局面、一打は?」

伊賀「3回戦までずっと競い合ってきましたが、4回戦東3局で三筒とドラの六索のシャンポンをリーチ一発でつもったときです。」

 

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西島「あの時解説の瀬戸熊プロと山田プロが絶句して、その後笑っていましたよ。20代の若者相手に最年長?の伊賀さんの打ち方が一番若いと解説陣が感心していましたが、今までの人生と関係があるのでは・・・?」

伊賀「では、チョット自己紹介をさせていただきます。」

私は1945年11月生まれの75歳で昭和43年に大学を卒業してから30歳まで新聞記者をしていました。ある日、実の妹(メチャンコ美人です)が、「お兄ちゃん、銀座でクラブを経営しようと思うんだけど、しっかりした男性が必要なので一緒にやろうよ」と誘われ、悩んだ末、思い切ってクラブ経営の世界に飛び込みました。1976年(45年前)銀座並木通りに14坪の小さな、でも、とってもお洒落なクラブを開店し、翌年には2店舗目を、更に、アレヨ・アレヨと次々に店舗を増やし、一時は従業員数が500名を超えるそこそこの企業になったのですが、バブルが弾けて持っている物の殆どを失うことになりました。「地獄を見た」とはこういう事なのだと悟ったのですが、時すでに遅しでしたね。
クラブ1店舗を残し、持っている(店舗15店・土地・マンション数棟・株券・ゴルフ会員権20箇所くらい)すべてを売りまくり、結果20億円の債務が残りました。

「この後、相当長くなるので中略します(笑)」

その後新たに立ち上げた、サウナ&カプセルホテル事業が功を奏し、今では借金ゼロ、自社ビルを銀座に持つに至っています。この「諦めない粘り」と、体力が若さの秘訣ですね。体力づくりは、西島さんと参加した青梅マラソン・千葉マラソン芦ノ湖一周(22キロ)競歩、別府の100キロウォーク等々です。特に思いで深いのは芦ノ湖一周(箱根町主催)で、ゴールをした人にスピード三角くじを引くチャンスがあるのですが、1位でゴールした私が数千枚の中の1枚しかない1等賞を最初に引き当てたとことです。 僕はついているんだな~とつくづく思いましたね。

西島「はい。悪運とも言います。では、運を呼び込む生き方を連盟の若手の皆様に紹介して下さい。」

伊賀「季節柄もあるのですが、私が大事にしている言葉が「三感四恩」。本来は、ご存知三寒四温ですが、この四字熟語をもじって、感謝・感動・感激の「三感」と、親の恩・人の恩・物の恩・地の恩・の「四恩」です。三感は、本来の三寒が意味するように厳しくなければいけません。四恩は、逆に暖かく見つめ直す必要があるのではないかと思っています。なぜ、感謝・感動・感激を厳しく捉えなければならないのか?それはこの三感が心の躍動だからです。心が開かれて素直な状態でなければ絶対にこの「三感」を味わうことが出来ないと思うのです。人は多くの人間に支えられて生きています。人間ばかりでなく、自然や様々な物質が私たちの「生」を支えています。だからこそ人を大事にし、物を大切にしなければならないのです。環境破壊が叫ばれて久しくなりましたが、「ゴミ・水・大気汚染・地球温暖化現象」等々です。私たち、人間のおごりが自然の恵みに対する恩を忘れている結果なのではないでしょうか。今回の優勝は、今までお世話になったすべての方々に対し、感謝・感激・感動です。」

西島「とても理に適った素晴らし感性ですね。最後になりましたが、来期以降の目標をどうぞ!」

伊賀「生きているうちに一度でいいから、Aリーガーと呼ばれたいです。西川淳プロ主催の千葉ESリーグで3連覇したい。第一回世界選手権パリ大会ではベスト8でしたが、いつか優勝して世界チャンピオンになりたい。」

西島「長時間有難うございました。これからも益々の活躍をお祈りします。」

いくつになっても、若さと希望を失わない伊賀則夫プロでした。

 

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第1期桜蕾戦予選レポート

3/13(土)第1期桜蕾戦が開幕した。

 

 

桜蕾戦とは、ニューヒロインの誕生を願うべく作られた連盟の新タイトル戦である。
参加資格は30歳未満の女流連盟員である事。今期の参加人数は28名。既に映像媒体で活躍しているプロもいれば、今期入会したばかりの新人も参加している。
優勝者には、女流桜花Aリーグへの特別昇級が与えられるた為、今すぐ活躍したい新人女流にとって、喉から手が出る程欲しいタイトルと言えるだろう。

桜蕾戦の予選開催日は1日で、若獅子戦同様WRCルールで行われる。(一発・裏ドラあり)
4回戦終了時、ポイント上位20名が5回戦に進出。5回戦終了時上位12位までがベスト16に進出する。(加えて、敗退者の中から、審査員推薦により4名がベスト16に進出)

審査員は、前原雄大・藤崎智・滝沢和典・佐々木寿人・白鳥翔の錚々たるメンバー。

 

 

チェック項目は多岐に渡り、麻雀の内容は勿論の事、細かな所作にも真剣な目が注がれていた。
特に今期合格した新人は桜蕾戦がデビュー戦であり、緊張した者も多数いると思う。

厳しい試練なのかも知れないが、トッププロに麻雀を見てもらえる事は、そうそうある事ではないし、乗り越えて優勝した先には大きな実りがあるのも事実。

そんな緊張感と期待の中、第1回戦が開始された。

1回戦トータルトップを飾ったのが、杉浦・続いて岡田・夏目・伊達と続いていく。

ここで、注目選手の一部を紹介。  

 

 

岡田紗佳
MリーグKADOKAWAサクラナイツ所属
第5期 Lady`s 麻雀グランプリ~前期リーグ戦~・~CLIMAX~優勝 
女流雀士 プロアマNo.1決定戦 てんパイクイーン3期 
八局麻雀5・7優勝 
第2回クイーンズリーグ優勝 

 

      

伊達朱理紗 
声優としても活躍しており、麻雀格闘倶楽部などにも出演中。

   

   

早川林香  
昨年度、女流桜花Aリーグへ昇級。

 

 

菅原千瑛 
第3期 Lady`s麻雀グランプリ 後期リーグ戦優勝 
麻雀最強戦2016 女流プロ代表決定戦 「下剋上血戦」優勝 
八局麻雀9優勝 
 

2回戦、杉浦・夏目が大きくポイントを伸ばしていく。岡田も流石の安定感で追随。
3回戦、菅原が大トップで4位に食い込んで来た。期待の新人・中田も大きくポイントを伸ばす。
逆に苦しくなって来たのが香野・藤居・川上。20位のボーダーが▲20.8Pとは言え、これ以上のマイナスポイントは避けたい所だ。

4回戦、ここで下位8人が敗退となる。
上位陣は、杉浦が国士無双を上がって盤石の態勢に。
5位の駒田が62.7Pでこの辺まではほぼ通過濃厚か。

4回戦の20位ボーダーは▲22.8P。残念ながら、ここで21位加賀谷以下8名が敗退となった。

最終戦は、大きく順位が変動した。
マイナスポイントから逆転でベスト16の切符を手に入れたものが多数出たのである。
太田・蒼木・大槻は最終戦大きく浮き、ベスト16の切符を掴み取った。
ただ残念ながら、その裏で惜しくも敗退した選手もいた。
伊達・後藤は僅かなマイナスで、夏目・桜木は、強烈な追い上げを見せたが惜しくも届かなかった。

こうして、予選最終戦は終わった。

緊張で力が出せず悲しみに暮れている者がいるかも知れない。
また、最後に僅かなミスをして負けてしまった者もいるかも知れない。
それぞれの思いを抱えて、桜蕾戦は進んで行く。

予選通過者(通過順位順) 
杉浦まゆ・中田花奈・咲良美緒・駒田真子・岡田紗佳・美理麻・菅原千瑛・太田寛子・内田みこ・蒼木翔子・香野蘭・大槻あいみ
(審査員推薦により、夏目翠・伊達朱里紗・早川林香・安藤りな)

以上16名が ベスト16に進出する。

(文:船木伸一)

第1期若獅子戦予選二日目レポート

前日行われた5回戦を勝ち残った52名が、ベスト16の切符を賭け、本日の戦いに挑む。

 

 

ルールは同じくWRCルール。
前日から持ち越されたポイントと、本日の5回戦分を加え、トータルポイントの多い順から12名がベスト16に進出となる。
(更に、審査員推薦で、敗退者から4名がベスト16に進出)

2日目の注目点としては、3回戦終了時36名・4回戦終了時24名と、徐々に人数が削られる点。
前日の5回戦の疲れも癒えぬまま、3回戦からはサバイバル戦の要素が加わる為、肉体的にも精神的にも、追い込まれる事が予想される。

正に若獅子を目指す予選と言えるだろう。強く逞しくである。
特に、今期合格した新人はデビュー戦でもあり、右も左もまだ分からないまま大変だとは思うが頑張ってほしい。

森山会長の激励や

 

 

審査員5名の挨拶があり

 

 

1回戦が開始された。

1回戦で大きくポイントを伸ばしたのは、木場・曽條・泉・渡辺(英)辻本・岡崎。
実力者、櫛田・浜野もポイントを伸ばしてきた。

特に浜野は、2日目を有利に戦う為、初日強引に四暗刻を狙い成就させたとの事。高い戦略性が垣間見える。

 

 

2回戦、新人木場の勢いが止まらない。大きく加点しポイントは200を超えた。
その下に選手番号一桁の実力者が続く。

そしていよいよカットラインが発生する3回戦。敗退となるのは16名。
現状のボーダーは、佐藤の19.0P。付近の選手たちは悩ましい。

最終的な目標は勿論12位だ。だからカットラインに拘らず、大きくポイントを伸ばしたい。
しかし、次に進む事が出来なければ元も子もない。
次に進む事が出来れば、素晴らしいプレーが出来るかもしれない、1秒だって長く留まりたいものだ。

その葛藤が、残り僅かな体力と精神力を蝕んでいく。
サバイバルの3回戦。終了時のボーダーは20.0Pであった。

残念ながら37位の沖野以下16名がここで敗退。

庄田(第30期チヤンピオンズリーグ優勝)

 

 

阿久津(2019年特別昇級リーグ優勝)
渡邊(The Legend of Dragon Youht2020優勝)
などの前評判の高い選手も敗退となった。

次の4回戦で更に12名が敗退となる。
現状のボーダーは60.4Pの吉田。3回戦までとは打って変わり、跳ね上がるボーダー。
4回戦はさらに熾烈さを増していく。4回戦終了時のボーダーは大高の53.5P。
惜しくも25位沼川以下12名が敗退となった。

実力者の鈴木もここで敗退。

 

 

最終戦。ボーダーは曽條の89.0P。だが、実際はもう少し上がりそうではある。
運命の最終戦が始まった。

最終ボーダーは12位の中村99.4P。見事な逆転だが、ボーダー付近は大混戦だった。
ボーダーから10P以内に、滝田・中村・皆川・佐藤・藤間の5選手がひしめき合い、それも最終戦は皆プラスという激闘だったのだ。

終局後、運営の瀬戸熊が、24人の選手に語り掛ける。「皆さん此処まで来たんだ。負けたら悔しいに決まっている・・・」瀬戸熊の言葉は続く。
悔しさで顔が紅潮している者もいた。まだ20代。彼らの戦いは始まったばかりなのだ。

予選通過者。(順位順)
櫛田利太・浜野太陽・瀧澤光太郎・木場佑二・泉裕斗・井伊功雅・曽條治成・澤谷諒・宮澤太裕・高瀬翔・滝田直大・中村文哉。
(審査員推薦者:皆川侑亮・岡崎涼太・鈴木誠・阿久津翔太)

以上16名の戦いは続く。若獅子たちのこれからの戦いにもご注目ください!

(文・船木伸一)

何を切る? 2021年3月

第16期静岡プロリーグ決勝 3回戦 南1局 北家 望月雅継プロ

 

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■Twitterで実施したアンケートの結果

 

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■プロ解答

三索切り

 

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一索切り

 

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二万切り

 

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五万切り

 

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四筒切り

 

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五筒切り

 

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■プロの視点
望月雅継プロ
「まずは状況整理から。優勝しか意味のない決勝戦。どこかで状況を打破し、もう一度優勝戦線に戻る必要があるということ。
ここで鈴木プロに抜け出されてしまうと、追う側の自分としては数字以上に苦しい立場に追い込まれてしまう為、この局を勝負局にするという方法もあるということ。

つまり、この局面では放銃は避け、押し返すだけの理由や背景を作る必要があると私は考えていました。

改めて牌姿を見ると、親のリーチに現物牌は無く、完全な手詰まり。
打牌候補は、二万五万一索三索四筒五筒か。

第一感は、六索のスジに当たる打三索
一気通貫の可能性が無くなった事も切りやすい背景となっている。
ただペン三索の三色同順が否定されているわけでもなく、放銃の可能性も十分にある上に、打三索としてしまうとこの後押し返す理由がなくなってしまう為、この選択肢はまず保留。

次に私がこの瞬間に絶対に打牌候補に挙げない牌を決める。
マンズ、ピンズには情報が少ないが、ツモ切った六筒の裏筋に当たる五筒
今ツモってきた牌だ。

この捨て牌相には、好形である可能性が高い理由がある。
4枚見えたことで、リーチ宣言牌の九索が完全余剰牌だった事が確定。
つまり七索九索の切り順はターツオーバーからの選択で、危険度を考えての切り順だと言うこと。
という事は、親番である事も加味すれば、九索を切る前の1シャンテン形は十分形であったのではないか?と想像出来る。

加えて六筒ツモ切りからピンズの危険度を考える。

六筒六筒七筒からの六筒の先切りがあるかどうかは微妙だが、三筒四筒六筒からの六筒は十分に考えられる。
ただ二筒三筒六筒ならどうか?
ターツオーバーなら、二筒三筒六筒七索九索なら、捻って先に打九索も考えられる。

あえて危険度に差をつけるなら、
二筒五筒>一筒四筒五筒八筒
となり、五筒だけは先に打牌候補から除外する。

次に打一索。ワンチャンスの一索四索待ちよりも、二索を先切りからの一索とⅹのシャンポン待ちの可能性の方がが高そうだが、この場合には七索九索の切り順が九索七索になりそうだ。ツモ六索の場合にⅹとのスライドがある分、七索より九索を先に切るはず。

今度は自身の押し返す背景の話。
この手が押し返す形になる時はドラの一索が重なった場合か、マンズのイーペーコー含みの好形リーチが打てる場合と考える。つまり、この段階でドラが重なる未来を放棄するのは、押し返す形の間口を狭くする事に繋がると考える。よって打一索も保留。

次にマンズの情報だが、2巡目の一万、そしてリーチ後の八万
他家からの捨て牌相からも全く情報が無いので、打牌候補の二万五万共に打牌理由には当たらない。

さらに、仮に二万五万が通り、構想通りツモ一索となった場合、切らないと決めていた五筒に手が掛かる可能性が極めて高い。
そうすると、自分の意思と打牌の整合性が取れなくなるばかりか、マンズのイーペーコーや好形変化にも対応出来なくなる。よってマンズも却下。

保留した一索三索そして四筒
打牌候補をこの三種類に絞り、さらにここから除外していく。

最初に除いたのは三索
やはりここは勝負所。受けている余裕はないし、手牌の再構築をする時間もない。
放銃の可能性もないわけではないので三索は却下。

次に一索だが、やはりこの形での打点向上の可能性を消すのは惜しい。
さらに1シャンテンでドラを切っての放銃ともなれば、この決勝戦自体が終わってしまう恐れもある。

ということで、四筒切り。消去法での選択となりました。

次巡以降、ツモ一索は拝み打ちでの打二万リーチ。
ツモ二索は打三索でマンズとソーズの変化を求め、ツモ二万三万四万七万は打一索のヤミテン。一万はツモ切り。
ツモ五万は局面次第での選択で、ツモ六万は巡目との兼ね合いも込みでリーチ。この瞬間そう決めました。

ここまでが長考に及んだ私の思考です。
結果はツモ六万一索リーチ。ツモ一万で500,1000。

この局の結果も、決勝戦の結果も決して良いモノにはなりませんでしたが、メンゼンでギリギリまで粘る私の特徴が良く出た一局になったと思います。」

 

■終局図

 

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日本プロ麻雀連盟チャンネルはこちらから
OPENREC 日本プロ麻雀連盟チャンネル
ニコニコ生放送<PC版>

女流プロ麻雀日本シリーズ2021プレーオフレポート

【決勝進出者が決定!女流プロ麻雀日本シリーズ2021プレーオフ】

3月14日、OPENREC日本プロ麻雀連盟チャンネルにて女流プロ麻雀日本シリーズ2021プレーオフが放送され、決勝進出の4名が確定した。

 

 

プレーオフに進出した8名による4回戦の様子をそれぞれ紹介したい。

【プレーオフ1回戦】:佐月麻理子・黒沢咲・二階堂亜樹・山脇千文美

佐月は暫定首位で余裕がある状況。黒沢・亜樹はボーダー付近でポイントを伸ばしたいところ。山脇はボーダーまで90Pほど差があるため連勝条件か。
戦いが始まって目立ったのはやはりトップが必須とも言える状況の山脇。七対子ドラ4や、リーチ發メンホン一通といった大物手を見せるが…

 

 

いずれも不発。一方鋭く切り込んだ亜樹が放銃を回避しつつ勝負所でアガリを決めると、オーラス時点では5万点超えのトップ目に。置いていかれた黒沢だったが…

 

 

オーラス親番でペンチャンを一発でツモっての6,000オール!ボーダー争いがより白熱する展開となった。

亜樹+30.7P 黒沢+17.7P 山脇▲11.2P 佐月▲37.2P

【プレーオフ2回戦】:高宮まり・川原舞子・日向藍子・りんのなお

先ほどの戦いで上がったボーダーを追いかける日向・りんのは、最低1回はトップが必要なところ。一方ポイントをキープすれば通過の高宮・川原がどうかわしていくかという戦い。
普段は強い押しが特徴の高宮が、イーペーコー出来合いのピンフテンパイをヤミテンに構えるなど、条件戦ならではの守備的な一面を見せる。

 

 

川原も守備的な進行を見せ、ジリジリと得点を減らすものの親番を迎えると…

 

 

ドラ3の大物手を実らせ、一気に復活。オーラスも役なしのテンパイをしっかりとリーチ。日向の猛攻を退け、トップでさらなるリードを獲得する結果に。

 

 

川原+28.4P 高宮+6.2P りんの▲5.7P 日向▲28.9P

【プレーオフ3回戦】:黒沢咲・二階堂亜樹・川原舞子・山脇千文美

亜樹・黒沢にとっては最終戦。両者で着順が上の選手が暫定4位の椅子をゲットするという戦いだ。まず飛び出したのは亜樹。いきなり6,000オールをツモったかと思えば、1本場はダブルリーチ!

 

 

これもツモって4,100オール。いきなりの大爆発で川原に並ぶも、当然黙っていないのは黒沢。

 

 

既視感のある一通の一発ツモですぐに追いかけ、2万点差まで追い上げるも…逆転は叶わず。亜樹が実質的に決勝の椅子を獲得する結果となった。

亜樹+49.0P 川原▲2.0P 黒沢▲17.9P 山脇▲29.1P

【プレーオフ4回戦】:高宮まり・佐月麻理子・りんのなお・日向藍子

プレーオフ最終戦となる4回戦は、高宮・佐月は箱下3万点ほどのラスでなければ決勝進出。対して日向・りんのは13万点ほどのトップで決勝進出という過酷な条件戦に。
東3局、メンホン七対子ドラ単騎のリーチを入れた日向だったが、ドラ暗刻の高宮へ8,000の放銃。

 

 

これまでの好調・不調を象徴するような展開となり、攻め続けた高宮が最後もアガリ切って首位通過を決めた。

高宮+35.7P りんの+0.9P 佐月▲12.0P 日向▲24.6P

この結果をもって、決勝進出者は高宮・川原・亜樹・佐月の4名に確定となった。

 

 

決勝戦は半荘4回戦で争われ、今年の優勝者を決する。放送は3月27日(土)14時~。是非ご視聴ください。

(文・浜野太陽)