戦術の系譜24 齋藤 豪

みなさんこんにちは。
今日は「ネット麻雀で勝ちやすい戦術」コラム、第3回目をお送りいたします。
第3回目のテーマは「手組み」です。

対象者は、中級者以上向けとなり以下のフィールドのプレイヤーを目安とさせてください。

・ロン2 R2000前後~
・天鳳 特上卓~鳳凰卓

■「手順」と「手組み」の違いについて
今回のテーマで大事なことは、はじめに「手順」「手組み」の違いを知ることです。
人によって言葉の解釈が異なる可能性があるため、私の定義を記載します。

「手順」
→その局におけるアガリへの最短距離を走るための選択。牌効率とも言われます。
「手組み」
→その局における最善の結果を得るための選択。

手組みとは、例えば以下のような思考を経て選択する打牌を指します

・1,000点ならすぐアガれそうだけど、リャンメンを捨ててホンイツの8,000点を狙おう。
・リーチを受けたら危険な状況なので、安全牌を持ちながらスリムに進行しよう
・点数状況的にアガリの価値が高いから、大きな手を狙わずに最速を目指そう
etc…

自分の手牌だけではなく、状況を立体的に捉えて最適な打牌を選択する。
処理すべき情報が一気に増えるので、牌効率よりも難易度は上がりますが、麻雀は総合力で勝負するゲームなので、ステップアップのためには避けて通れない道です。

■シャンテン数が遠ければ遠いほど、手組の介入度が高い。
麻雀を勉強しようとすると、間違いなく「何切る問題」と出会うと思います。
多くの何切る問題は牌効率を学ぶためのものが多く、出題時点では良形の1シャンテンになっている事が大半です。
手順における最後の仕上げといった時間です。
ここまで来ると「手組み」が介入できる要素はほとんどありません。
手組みは1シャンテンまでに済ませておく必要があります。

このため「手組み」のトレーニングを行う場合は、配牌~3シャンテン程度の牌姿が望ましいです。
今日はいくつかの牌姿で、手組みの思考トレーニングをしてみましょう。

■ケーススタディ1:打点に寄せた手組み意識

 

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東1局の親番、ドラが二筒で配牌からの切り番です。
手順の牌効率だけで進めるなら字牌を打ちますが、ここで手組み(最善の結果を得るための選択)を意識してみましょう。
巡目的にまだ猶予があるので、狙えるなら多少速度が落ちても打点も追いたいところです。
将来的に打点が見込めそうな要素を挙げると次のとおりです。

・役牌を重ねてソウズのホンイツ
・123や234の三色。
・ドラ二筒を使い切ってのリーチ

牌効率で余っている字牌の発中を両方とも打ち出して行くと、ホンイツの可能性が激減します。
役牌を重ねてのホンイツは、仕掛けてもそこそこの打点が見込めますので、できれば狙いたいところです。
しかし浮いている三万を打つと、三色の可能性が無くなってしまいます。

あれじゃあ何も打てる牌が無くなったのでは?
実は1つだけ全ての打点要素を狙える打牌があります。

 

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八筒

カン七筒の受けを犠牲にすることで、全ての打点要素を残しながら進行させます。
八筒六筒と払っている間に、ホンイツに必要な牌が増えるのか、三色に必要な牌が増えるのかに注目して、伸びた方を採用するという保留の一打です。
牌効率的には不正解ですが、まだ東1局の1巡目という事を考えれば、カン七筒を犠牲にして高打点の成就率を上げても、そんなに酷い事にはならないのではないでしょうか。

ターツを破壊するという手組みは、最初は抵抗感があるものです。
また、効率が数値化しづらく、正解、不正解が判断しづらい戦術です。
ポイントとして以下の要素に注目して、裏目とのリスクとリターンを比較して判断を繰り返してトレーニングしていきましょう。

■打点に寄せた手組を行う際のポイント
・残り巡目が足りているか(すでに中盤に入ってからだと遅く、序盤であることが基本条件)
・打点上昇効率は正しいか(2翻UPする可能性があるくらいが効率目安)
・点数状況的に打点が本当に必要な局面か(アガるだけで価値が高いなら、打点は不要)

 

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この手は最終的には上記の牌姿になりました。
3色やチャンタの手替わりも見える、なかなかの価値がある手牌です。
ホンイツだけに重みをおいて三万あたりを打ち出していたら、この形はキャッチできていません。

 

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今回の手組みに近いシーンがMリーグにもありました。(2021年11月1日、第2試合目)
そこそこ見えている2翻役が1つと、うっすら見えている2翻役が1つあります。
またドラの五索も将来、採用しやすい手牌にしたいところです。
そして3巡目と序盤なので、打点に寄った手組をする条件は整っています。
伊達プロはここから手組みの一打で、見事に満貫を成就させました。

ここではあえて何を打ち出したかや、2翻役の正体までは記載しませんので、ぜひ思考のトレーニングとして考えてみてください。
(答えを求めるクレームが来たら追記します)

■ケーススタディ2:守備力を想定した手組

 

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南4局オーラス、現在2着目。
状況を列挙すると以下となります。

■状況
・トップまでは遠いので、2着終了できれば十分
・3着目の東家と、4着目の西家の点数が4,600差と近いので、この2人がアガリに向かってくる。
・3着目の東家は、流局時は伏せられるなら伏せる可能性が高い(ラス回避重視のため)
・天鳳はラスペナが大きいルールなので、ここから2着→ラスに落ちるのだけはやってない。

安全に2着を確保したいところですが、ラスも怖いというジレンマな状況ということが分かります。
牌効率では当然白ですが、中をポンした後の展開を想像してみてください。
中をポンするとターツオーバーのため、マンズの四万六万カンチャンか、ソウズの一索二索のペンチャンを落とす事になりそうです。
その間に、東家か西家のリーチが入った未来を想像してみてましょう。

東家と西家の河に注目、あ、安全牌が一つもないじゃないか…!
このため、中をポンした時のリスクが非常に大きい事が分かります。
この状況に気づいた上で、守備的な手組みの要素を取り入れた場合、複数の選択肢が発生します。

■選択肢
(1) まっすぐ白を切って中もポンして全力に進める(リスク大)
(2) まっすぐ白を切るが、形が整うか安全牌が増えるまで中はポンしない(リスク小)
(3) カンチャンかペンチャンを払って、早めに5ブロックにして中はポンしていく(リスク中)
(4) カンチャンかペンチャンを払って、早めに5ブロックにして中は形が整うか安全牌が増えるまでポンしない(リスク極小)
※5ブロック進行は、安全牌を持ちやすいので守備力があがります。

牌効率だけで考えたら (1) が正解となりますが、守備力を想定した途端に選択肢が増える事が分かります。
守備を想定した手組を行うかどうかは、次の瞬間に嫌な相手から「リーチ」と言われたら困らないかどうか、で決めるのがコツです。

これを踏まえて、最初に列挙した状況を合わせると…
「そこそこ2人が攻めてくる局面」+「放銃がラスに繋がりそう」な局面であり、
「流局」か「西家のアガリ」で終局しそうで、どちらのパターンでも2着は確保できそうです。
となれば、自分がアガらなくても2着終了のパターンが多いので、守備力は大きめに残した方が安定しそうな局面という事が分かります。

 

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どこまでリスクを下げるかはプレイヤーで判断が分かれそうですが、今回は (4) を選択しました。
この後は、捨牌のバランスで東家と西家に受けられそうになったら中をポンしていくか、鳴いてリャンメンテンパイぐらいまで伸びたら中をポンする想定で進めます。
このように、守備力を想定した手組を行う場合、時として牌効率に逆らってでも安全牌を持つべきシーンが発生します。

注意点として、安全を確保しなくて良かったり、リスクを追うべき局面で、無意味に安全度を確保しないように注意しましょう。
「安全牌を確保するのが癖」になっているプレイヤーもいます。
思考を停止せずに、必ず局面に合わせて選択しましょう。

■ケーススタディ3:仕掛け効率を考えた手組み

 

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東1局、南家スタート2巡目。
ドラが五万なので、すでにドラが4枚とビックチャンスでしかも1シャンテンです。
牌効率なら東白を打ち出して1シャンテンに構えるところですが、西がすでに1枚切られているので意外と苦しい形です。

満貫以上の打点が確保されている場合は、リーチにこだわる必要が薄くなるため、仕掛けての満貫の可能性も考慮すべきです。
ここまでを想定して仕掛け効率を考えた時に、とある牌が打牌候補になります。

 

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西としました。

メンゼン想定で進める場合は、ほとんどの場合で西に依存します。
このため、最後の西が切られた瞬間にこの手が苦しくなってしまうし、西受けがあるシャンポンリーチをかけられたとしても、西が深かったり王牌に死んでいたらアガリは厳しいでしょう。
うまくソウズとマンズが両方とも横に伸びて、西が雀頭のピンフになった場合はアガれそうですが、高望みしすぎな気もします。
となれば、西のトイツ落としをしつつ、メンゼン以外の以下2つのシナリオも追加して効率化をはかります。

東白を重ねての役牌ドラ4
・タンヤオ変化からの、クイタンドラ4

どうせ将来的に西受けが厳しいのならば、この時点で将来を見越して見切ってしまうという手組みです。
この後は、ツモを見て役牌を打ち出していくか、その前に一索を1枚外して二索三索四索四索の形にしておくかを決めます。
とにかくアガリさえすれば十分な加点が間違いない局面なので、瞬間的にも役牌の受けが2倍になる価値は大きいと考えられます。

 

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結果として今回はクイタンが採用され、高打点が運良く成就できました。
西に依存していると、変化したマンズ二万四万五万五万の形から、先に二万を切るシチュエーションも増えて、カン三万を動けなかった可能性もありました。
このように高打点が確定している手牌においては、仕掛け効率も想像しながら打ち進めてみましょう。

 

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場面が変わり、アガればトップで終了できるオーラスです。
図のようなアガリトップだったり、アガリでラス回避が確定するようなシチュエーションならば、より仕掛け効率は考えておくべきです。
例えば、図のシーンでは七索八索八索九索から八索を先に切って固定してしまうと、八索ポンのクイタンルートの可能性が減ってしまいます。

今回の局では、点数状況が難しく他家に備える必要もあるため、全力で八索をポンしてまでアガリに向かうかは難しいところです。
しかしアガらなければラスが確定する状況であれば、八索はポンする1手で間違いないです。
このため、簡単にこの形から八索を切ってはならないですし、場合によっては九索を先に切るべき牌姿になるぐらいと考えられます。
繰り返しですが、アガリの価値が高い局面においては、仕掛け手順を常に想像しながら打つようにしましょう。

■ケーススタディ4:手組みは構想力

 

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南1局の親番、微差ですがラス目なので加点していきたい局面です。
配牌で西のドラがトイツとチャンス手ですが、いかんせん形が悪くメンゼンでは厳しそうです。
とはいえ役牌も無いし、色の偏りもないのでホンイツを狙うべきかも迷います。

このような手牌こそ、手組みをしっかりと考えて進める必要があります。
現時点でメンゼン以外で狙える可能性がある役を考えてみましょう。

トイトイ
→まだ3トイツしかないが、全て19字牌なのでポンしやすい。
ホンイツ
→色が確定しないが、狙うなら一筒が鳴きやすいのでピンズよりのホンイツが本線か。
チャンタ
→19字牌の3トイツを活かせば狙えなくはない。

3つも候補にあがるならば、打点も十分ですしメンゼンにこだわらずに無理やりにでも仕掛けて行きたいところです。
そしてこの3つの候補が構想できていれば、第一打は消去法で三万が選ばれることもわかります。

 

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ツモ九索でチャンタの濃度があがりました。
とはいえ、チャンタは利用できる牌が少ないので、ホンイツの可能性も追いたいところです。
しかしホンイツを狙うならば一筒のトイツを生かしたピンズの方がまだ少し良さそうです。
となれば、ここでも決めきれず中間の打六索とします。

 

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北がポンできました。
チャンタ1本にするならばここで五筒ですが、まだピンズのホンイツルートも残して良さそうです。
ここでも中間を取って、打三索とします。トイトイの可能性も少し残っています。

 

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ドラの西がポンできました。
手組みはテンパイに近ければ近いほど、選択肢を1つに絞ったほうが効率が良くなります。
あとは字牌さえ重なればチャンタの1シャンテンになるので、ここがホンイツの見きりどころでしょう。
五筒としてチャンタに狙いを絞ります。

 

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狙い通り東を重ねて、チャンタの1シャンテンになりました。
このように、メンゼンだと厳しいが打点が見込める手牌こそ、仕掛けルートを重く見た手組みの構想を練りましょう。
最初に3つの役を想定できていなければ、どこかでこの形になり切れていない可能性があります。

■麻雀AIによる評価
1つ前のチャンタの手順が気になって、麻雀AI「NAGA」に評価を依頼してみました。

 

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NAGAはターツ落としを嫌う事が多いので、このコラムの前半のような手組みはNAGAには好まれません。
しかし強引なターツ落としをせずに、シャンテン数に無理が出ない手組みについては、選択肢が限られている分、信頼度が増していると考えられます。
先ほどの手組みは、NAGAと同等の評価でした。(発白の切り巡は影響がないに等しいので、気にしなくて良い)

なんとなく捌きが難しい手牌だと思っていたのですが、なかなかすごいと思いませんか?
簡単に字牌を打たずにホンイツとチャンタのルートを残すところとか…ちょっと人間っぽさも感じるぐらいです。
今回は紹介できていませんが、守備的な先切り(リャンメン固定など)も行うぐらい、麻雀AIは総合力があがってきています。
麻雀AIにも苦手な領域がまだあるので、全てを鵜呑みにせず取捨選択することは必要ですが、実力向上のために活用できる領域まで発展している事は間違いないでしょう。

■さいごに…
ネット麻雀だと牌効率重視の選択を行うプレイヤーが多い印象ですが、私は今回のような手組みを取り入れるようになってから、成績が安定して天鳳位にまで到達できました。
(プロ入りして体験した一発裏ドラ無しルールが、良い方向に影響を与えたと考えています)
なので、あえてネット麻雀で勝ちやすい戦術、というテーマに組み込んでみました。

しかし「手組み」は大事ですが、牌効率の基本ができていないと生かすことができません。
学ぶ順番としては、まずは牌効率をしっかりと覚えてから、手組みにチャレンジする必要があります。
また、いわゆる「手組み」をこじらせすぎると、もはや効率が悪い選択を繰り返す悪循環にもなりかねません。
よって、学ぼうとすることで成績が下がることもあるかもしれません。
あくまで基本は牌効率(手順)である事を、常に忘れないようにしましょう。

今回のコラムで私の出番はいったん最後になります。
少しでもみなさんの麻雀ライフの手助けになりましたら幸いです。
それではまたどこかでお会いしましょう。ありがとうございました。

齋藤豪
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第38期鳳凰戦A2リーグ第8節D卓レポート

魚谷侑未、残留ボーダー上までひとっ飛び!第38期鳳凰戦A2リーグ第8節D卓

11月23日、第38期鳳凰戦A2リーグ第8節D卓が放送された。
対局者は伊藤優孝、山田浩之、魚谷侑未、高橋良介。

 

 

 

ポイントを伸ばして昇級争いに絡みたい高橋と、残留を争う3名というメンバー。

最初に大物手を決めたのは山田。東2局に三色確定のリーチ!

 

 

高橋から中が放たれ、幸先の良い8,000のアガリに。しかし山田自身「良い入りだったのに台無しにした」と振り返るのが1回戦南2局。

 

 

一万四万七万待ち、高目タンピン三色のリーチ。魚谷から一万が打ち出されるも、これを見逃し!跳満ツモを狙うも…

 

 

 

魚谷の追いかけリーチに8,000の放銃。インタビューでは「ヤミテンの選択肢が浮かばなかった時点でかかっていた」と振り返った。
このアガリから水を得た魚のような状態となった魚谷。1回戦は+49.4Pのトップと、今期の不調を一気に覆すスコアに。さらに2回戦では七対子ドラドラなどアガって連勝。

 

 

 

3回戦ではオーラスに伊藤がアガリ続け1人浮きを狙うも、最後には全員テンパイを制した魚谷が浮きの2着を確保。

 

 

4回戦には役ホンイツチャンタの7,700で3勝目を決め、+96.3Pの大勝を持ち帰ることとなった。
対局終了時点のトータルポイントは以下の通り。

 

 

 

伊藤「プロリーグは力が出るからね、力が衰えた痛感はしてるんだけど、あと3回奇跡を信じてね」

 

山田「次は負けたら終わりみたいな勝負ですね。あと5、60P浮いて勝負という感じになればいいかなと思います。とりあえずプラスすることを目標に頑張ります。」

 

高橋「今日は上を意識しすぎて縮こまってしまったようなところがありました。次が上を狙う最後のチャンスと思って頑張ります。」

 

魚谷「気分的には100年くらいマイナスしてた気持ちだったんですけど嬉しいです。1回16位になってから公式ルールの練習を増やしてしっくりくる麻雀が打てるようになったので、自分も応援してくださる皆様も納得してもらえる麻雀を打って結果を迎えたいと思います」

次回A2リーグの放送は11/29(月)17時〜。
対局者は石渡正志、ダンプ大橋、一井慎也、高橋良介。
解説はHIRO柴田が務めます。

次回も是非お楽しみに!

(文・浜野太陽)

第226回:プロ雀士インタビュー 石川遼  インタビュアー:仁平宣明

何年か前に天鳳位VS連盟プロという連盟チャンネルの企画が行われた。
その名の通り、天鳳位と連盟を代表するトッププロとの対局。
そこで僕は「すずめクレイジー」という名を初めて知った。

この番組の2ndseasonの連盟公式Aルールで、天鳳位の中でひときわ輝いているなあと思った選手が彼だった。
彼は決勝まで勝ち進んで、最後までその時の鳳凰位である、前原プロとデッドヒートを繰り広げていた。

そしてこの天鳳位VS連盟プロの企画終了の時に、彼は天鳳位から唯一日本プロ麻雀連盟入会の決意を固めたのである。
すずめクレイジーことプロ雀士石川遼の誕生であった。

 

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それから時は経ち、石川遼にとってプロとしての初のリーグ戦が始まった。
僕はプライベートでよく麻雀を打つ、B1リーグに所属している福島プロに、すずめの麻雀の話しをしていた。
その事もあってか、福島プロは石川プロの連絡先を聞いてくれて、一緒に麻雀を打つことが実現した。

これが彼と僕との出会いである。
それからかなりの回数一緒に麻雀を打った。

ここからは石川プロの事をすずめという愛称で紹介したいと思います。

すずめの雀風が自分と似ていた事もあるが、自分と同型でこれだけ強い人はなかなかいないと感じていた。
よく話す僕とは対照的に、彼の控えめな性格も好きだった。

リーグ戦ですずめはB1リーグから降級していた。
すぐに戻ってくるだろうと思っていたが、彼の不調期は続きC1リーグまで降級。リーグ戦では苦戦する日々が続いていた。

そんな中迎えた今期の新人王戦。
新人?なのかどうかは別として、170人もの参加人数からすずめは見事に決勝まで勝ち残った。

決勝の面子をみて他3人の情報は無く判らなかったが、経験では格上で迎える決勝戦。
僕は九分九厘すずめが優勝出来ると信じていた。
そして彼は期待を裏切る事なく新人王の栄冠を見事に獲得した。

その翌週、すずめと麻雀を一緒に打った。

すずめ「仁平さん文章書くの得意ですか?」

といつもの控えめな口調で話してきた。

仁平 「まぁ苦手ではないよ笑」

すぐに察しはついた。

そして、前置きは長くなったが僕がこのインタビューを受けることになった。

 

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仁平 「新人王獲得おめでとうございます。」
すずめ「ありがとうございます。」

仁平 「まずは率直な感想をお願いします!」
すずめ「とにかく嬉しいです。大小様々な大会で決勝を戦ったことは今まで何度かありましたが、一度も優勝できていませんでした。今回勝てなかったら、今後も無理なんじゃないかと思ってました。」

仁平 「決勝戦を迎える心構えは?」
すずめ「ガンガン攻めようと思ってましたね。そうじゃなきゃ勝てないと。」

仁平 「新人王戦がスタートして1回戦を断トツで終わる事が出来ましたが、この時に新人王を少し意識したのではないですか?」
すずめ「リードはそこそこあるものの、チャンス手が何回か空ぶって、そこまで良い気分じゃなかったです。」

仁平 「2回戦3回戦を2着で終えて最終戦、成績だけ見ると断トツになっていそうなのですが、1回戦を箱ラスで終えた荒井プロが猛烈な追い上げで、ポイント差は僅か10ポイントちょっと。トータルトップの為、座順はラス親でしたが、この時どんな気持ちで最終戦を迎えましたか?」
すずめ「荒井プロのハリケーンがストップするよう、お祈りしてました。」

仁平 「ここから長い長い最終戦が始まるのですが、その前に少し話しそれます。笑 連盟に入会しようと思った経緯などを教えてください。」
すずめ「天鳳位vs連盟プロに出場している内に、連盟のことが好きになりました。企画が終わったら絡む機会がなくなるわけで、それは寂しいなと思っていたのですが、そんな折りに連盟に誘っていただき、渡りに船といった感じで決めました。」

仁平 「最短の対戦数で天鳳位を獲得しているのですが、その時の思い出なども良かったら聞かせて?」
すずめ「非常にストレスの溜まるゲームですが、物に当たるといったことはありませんでした。押し入れの布団に頭を突っ込んで叫び声をあげたことはあります。」

仁平 「すごいストレス解消方ですね(*_*)笑!麻雀以外の趣味に、将棋、推理小説と麻雀格闘倶楽部の選手紹介の所にあるのですが、その事についてもよかったら聞かせてください。」
すずめ「綾辻行人先生などの真本格派ミステリーが大好物です。将棋は窪田義行七段のファンです。」
仁平 「僕も中学までは将棋をやっていました。麻雀プロで将棋好きな方多いですね。福島プロも強いみたいだから今度対戦してるの見てみたいなぁ」

 

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仁平 「話は大分それましたが、新人王最終戦について聞きたいと思います。最終戦が始まって東3局に事件が起きます。ここまでトータル3位の原田プロに、親満放銃と小高プロの親番で7,700の放銃。特に2度目の三色の7,700オリうち放銃はかなり精神的にこたえたのではないですか?」
すずめ「ちょっと厳しくなったかもと思いましたが、絶対あきらめないぞと自分に言い聞かせました。」

仁平 「この後、手が落ちてまわりに圧倒されるのですが、焦りなどはなかったですか?」
すずめ「荒井プロの早い暗カンからの親リーチの局は、牌勢に差がありすぎて苦笑してしまいましたね。焦りとかはないです。」
仁平 「僕だったらこの圧倒的な牌勢の差をみて、相手がミスをしてくれないと厳しいなぁと感じてしまいますね。」

仁平 「ここから荒井プロの猛攻を受けながらも、アガリをとって再び交わしてラス前にまた荒井プロに僅かに交わされてと、デッドヒートを繰り返して迎えたオーラスでしたね。。この時の心境は?」
すずめ「良い配牌が来てくれるよう祈りながらサイコロを振りました。祈りが通じましたね。」

仁平 「オーラス2,600オールをツモって迎えた最終局、荒井プロの優勝条件は満貫ツモか、跳満出アガリ以上。少し安心な気持ちで迎えたと思いますが、最後の2枚目九筒ポンという違和感のある仕掛けは反射的なものだったのですが?」
すずめ「荒井プロから残りツモ番1回のリーチが来なくてホッとしたところに、続けて九筒を切られて思考が追い付きませんでした。」
仁平 「無意識に鳴いてしまったポンだったんだね。」

仁平 「終わった後、瀬戸熊プロに1枚目を鳴いていたら跳満ツモられてたよと言われた時の感想は?」
すずめ「荒井プロの序盤の切り出しが苦しい感じで、最後まで条件クリアの手ができなかったのかなと思っていたのでビックリしました。」

仁平 「こうして新人王石川遼が誕生したのですが今後の目標などにをお聞かせください。」
すずめ「Aリーグを目標としています。自分がまだ戦ったことのないステージに立ってみたいです。」

仁平「ありがとうございました。近い未来、一緒にAリーグで闘いたいと心底思います。それには僕もAリーグに居続けないとならないので頑張ります!今日はありがとうございました。それではお互い大好きな甘いものを食べに行きましょう!笑」

 

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第38期鳳凰戦A1リーグ第13節B卓レポート

【沢崎と瀬戸熊がプラス H柴田は順位を1つ落として暫定5位】

 

 

本日の対局者は
4位 HIRO柴田
7位 沢崎誠
9位 近藤久春
13位 瀬戸熊直樹

 

 

最初に大物手を実らせたのはH柴田。ドラドラ七対子のヤミテンから一万を引いたタイミングでリーチ。3,100・6,100のツモアガリで一歩リードする。

 

 

沢崎は大きく叩けば決定戦が狙えるかも知れないが、そうでなければほぼ残留のポジション。今日は高打点を狙って来るのが予想出来たが、早速心躍る手順を魅せてくれた。

南2局親番。五筒引きは一応テンパイ逃しとなる牌である。沢崎が切ったのは出来メンツを壊す五索。高め一通のフリテンリーチ上等の構えだが

 

 

嬉しい事にフリテン解消、かつ一気通貫確定の六筒が先に来てくれた。五万八万リーチを打つと

 

 

ラス牌の高め五万が沢崎の手元に。メンピンツモ一通ドラの6,000オールを決める。

波乱はまだ続く。南2局親番なし、12,400点持ちラス目の瀬戸熊が一筒四筒七筒でリーチ。沢崎からホウテイロンで7,700は8,300(+2,000)で3着に浮上すると

 

 

次局はピンフドラ高め三色テンパイの親番近藤から切られた五万を捕まえて7,700。

 

 

瀬戸熊にとっては浮きに回る嬉しいアガリ。近藤にとっては耐えに耐えた半荘での南場の親番。たった1牌の勝負も許してもらえない展開で厳しい1人沈みとなった。

1回戦の後半で怒涛のアガリを決めた瀬戸熊が2回戦も好調。まずは東場の親で高めツモの3,900オールをアガる。

 

 

迎えた南2局の親番で今度はカン七索をツモってダメ押しの4,000オール。

 

 

オーラスも瀬戸熊がアガって1人浮きトップを飾った。

3回戦は東1局に親番近藤がメンタンピン高め三色の二筒五筒八筒リーチ。

 

 

沢崎のテンパイ打牌が八筒となり、近藤が12,000のアガリ。そのまま3回戦トップを取る。

一方放銃してしまった沢崎だが、南2局の親番でリーチタンヤオツモイーペーコーの3,900オール。

 

 

オーラスにはテンパイ料を取って浮きに。沢崎は親満放銃分を取り戻して2着を確保した。

4回戦。近藤がペン三万のダブルリーチ。

親番沢崎は九種九牌倒牌を宣言せず、僅か4巡で国士無双1シャンテン。山には東2枚南3枚あったが…。

 

 

三万も山に3枚あり、近藤がツモ。ダブルリーチツモドラで2,100・4,000のアガリとなった。

しかし今日の近藤には苦戦が続く。H柴田にダブ南ドラドラ8,000。沢崎に発ホンイツ5,200と連続で放銃。瀬戸熊がツモアガリで浮きに回って迎えたオーラス。

 

 

沢崎がヤミテンで八筒ロン。1,300で本日2勝目を挙げた。
近藤は1回戦と同じく1人沈みとなってしまった。

 

 

卓内トップは沢崎。存分にらしさを見せ、大胆な選択もありつつ安定感も両立する手腕は流石である。
瀬戸熊は3着3回ながらも原点付近を保ち沢崎と同等のプラスを確保。順位を一つ上げて最終戦にのぞみを繋いだ。

 

 

次回A1第13節C卓は
2021/12/1(水) 17:00

藤崎智
勝又健志
吉田直
西川淳

解説 瀬戸熊直樹

(文:編集部)

第1期鸞和戦ベスト8A卓レポート

【第1期鸞和戦ベスト8A卓、紺野が小四喜、最後は柴田と冨田の競りに】

対局者は、紺野真太郎、冨田久志、勝又健志、柴田吉和の4選手。
前日の11月18日、この日は伊達朱里紗(KONAMI麻雀格闘倶楽部)がMリーグレコードとなる105,500点のトップを取った話題で盛り上がっていた。
その裏で大敗したのが、今日の選手である勝又。
「思うことはあるかもしれないけど、打牌に影響することがないようにトレーニングしているでしょう。」とは、本日解説の西川淳。
しかし、この日も勝又は受難の1日だった。

 

 

 

開始直後、1人ノーテンで3,000点を払った後、次局は七対子のテンパイから使っている一索を持ってきて七対子に放銃。
大した失点ではないのだが、苦しい1日になりそうで、あまり気分のいいものではない。

実際にも1回戦はラス、2回戦も1人沈みのラス目だった。
それでも、2回戦南3局の親番でリーチ、ツモ、ドラの4,000オールと食らいついていた。(九索を暗カンしている)

 

 

そして、事件の3回戦東3局に移る。
紺野が東を仕掛け、冨田が白を仕掛けているが、足止めも兼ねてリーチの一手だろう。

 

 

 

 

「研究不足が悪い方向に出てしまった」と戦後のインタビュー。
紺野とは対戦経験も多いので、研究不足はこの放銃のことではないだろうが、前半でスコアを苦しくしてしまい、このリーチを打たざるを得なかった、からかもしれない。
今日はどうしようもなかった、と言ってもよいと思うが、苦しい中での工夫はとても勉強になる。
(インタビューで、「昨日も負けてしまい、負けが続いているので…」とコメントしていたので、どうやら前日の負けのダメージも心に残っていたようです。)

このアガリで紺野は確定、勝又は脱落。冨田と柴田で2番手を争うことになった。
ここで冨田の紹介をしよう。
冨田久志、27期D2リーグ、麻雀のスタイルは“超”メンゼンの攻撃型。

 

 

 

 

公式ルールではどちらの手もヤミテンがセオリーだが、冨田のスタイルはリーチ。
バットを長く持って振り回されると、いつホームランになってもおかしくない。
経験豊富の3者もきっとやりづらかっただろう。

最終戦を迎えて、冨田と柴田は0.3ポイント差、この半荘の着順勝負。
冨田のスタイルでは当然のリーチ。
ツモって柴田に親被りをさせることになれば、大きなリードになるだろう。

 

 

 

しかし、勝又への7,700の放銃(南、中、ホンイツ)。
振り返ると、これが敗着となってしまった。

冨田の最後のお願い(逆転チャンス)は南2局、ドラはないが二筒は山に2枚あった。

 

 

 

 

 

柴田の、目立たない一手だが六筒を切ってスライドしたのが好プレー。
六筒の方が安全なので」とさも当然のようにコメントしていたが、ツモ切りしていてもおかしくないだけに、技術と丁寧さが光った一打だった。

ベスト8B卓は11/26(金)17時から対局開始。
決勝進出は誰になるのでしょうか。お楽しみに。

 

 

 

(文:福光聖雄)

第46期王位戦A級決勝レポート

【王位戦準決勝進出者16名が決定!】

去る11月21日、第46期王位戦A級決勝が行われた。
前日の本選を勝ち上がった58名とここから登場のシード選手14名。計72名が、現王位・森下剛任の待つベスト16への椅子を争い戦った。

王位戦概要はこちら

当日の対局場は感染症防止のため、巣鴨・連盟本部道場と有楽町・錦江荘の2か所。

 

 

ルールは日本プロ麻雀連盟公式ルール

システムは各会場36名の参加で全6回戦の15名勝ち上がり。

1-4回戦後、各会場36名から下位16名カット。
5回戦後、20名から下位4名カット。
そして最終で6回戦後、16名から7名もしくは8名勝ち上がりで計15名が準決勝進出となる。

過酷な1日になることは間違いないが、ここで勝てば放送対局。所属団体・プロアマの垣根を越えての熱戦の1日となった。

 

【1~4回戦】

まずはここからのシード選手を紹介していこう。

 

 

 

前回ファイナリスト、歴代王位、現鳳凰位や現十段位をはじめとしたタイトルホルダー他、強力なメンバーが勝ち上がり者を待ち受ける。

各会場、毎半荘メンツ入れ替えで4回戦を行い、36→20名。
現女流桜花の川原舞子・A1リーガーで鸞和戦決勝進出・紺野真太郎、前女流桜花・古谷知美らがここで敗退。

 

 

【5回戦】
残った20名から下位4名カット。
ここでは現十段位荒正義、現将王・木村和幸、МリーグKADOKAWAサクラナイツ所属内川幸太郎らが敗退。

 

 

【最終戦】
各会場16名から7名ないし8名がベスト16へ勝ち上がり。

[巣鴨本部道場]

 

 

巣鴨会場では上位陣が危なげないゲーム回しで早々に勝負を決める展開が続いた。
現女流雀王・佐月や、Мリーグ渋谷ABEMAS所属・松本ら日本プロ麻雀協会の選手の活躍も目立った。

勝ち上がり
刀川昌浩(連盟)
三ヶ島幸助(協会)
須賀智博(連盟)
佐月麻理子(協会)
東城りお(連盟)
井出一寛(連盟)
松本吉弘(協会)

 

[錦江荘会場]

 

 

道中四暗刻をアガった静岡支部所属の渡辺史哉が早々に大きな貯金を作る一方、ポイントが近い選手の競り合いもあった。両会場の8位でポイントの多寡を競う注目のワイルドカード争いは巣鴨道場・樋口と錦江荘・藤井の夫婦対決となったが、ここは藤井が7.7ポイント差で最後の切符を手にする結果となった。

勝ち上がり
渡辺史哉(連盟)
蒼山秀佑(連盟)
二階堂亜樹(連盟)
佐々木寿人(連盟)
天津みろう(協会)
二階堂瑠美(連盟)
伊藤俊介(連盟)
藤井すみれ(連盟)

ベスト16の模様は日本プロ麻雀連盟チャンネルにて生放送予定!
「第46期王位戦~準決勝~」
11月27日(土)12時~

OPENREC

ニコ生

(文:編集部)

第46期王位戦A級本戦レポート

日本プロ麻雀連盟の4大タイトルの1つである王位戦。
昨年は新型コロナウイルスにより中止となったが今年は2年振りに開催された。
ここ最近は落ち着いて来ているものの、まだ油断出来ない状況である為、7会場に分かれてA級本戦は行われた。

王位戦の開催概要はこちら

 

 

トライアル方式で4回戦行い、トータルポイントプラス者+αは5回戦へ。
5回戦終了時、規定人数が翌日11/21(日)のA級決勝に進出となる。
通過人数は各会場で異なるが、どの会場も参加人数25%と決まっている。

本戦からは各団体を代表する選手達がたくさん参加し、そこに予選を勝ち抜いた選手を加え熱い闘牌が行われる。
ここからは注目選手の紹介。

 

【巣鴨連盟道場】8名

・紺野真太郎、近藤久春、和久津晶、井出康平

 

・本田朋広、東城りお、川原舞子、渋川難波(協会)

 

 

首位通過は最高位戦日本プロ麻雀協会の須藤泰久。
4回戦終了時で通過ボーダーの川原舞子と次点の大和が同卓。
開局大和が川原から満貫をアガるも、川原はその後しっかり粘り浮きに回って両選手とも通過した。

 

【錦江荘会場】11名

・沢崎誠、瀬戸熊直樹、黒沢咲、ダンプ大橋、二階堂亜樹、仲田加南

 

・河野高志(RMU)、松ヶ瀬隆弥(RMU)、阿部孝則(RMU)、福田大志(最高位戦)、醍醐大(最高位戦)、石井一馬(最高位戦)

 

 

首位通過はA1リーグ所属でMリーガーの沢崎誠。
同じくMリーガーの二階堂亜樹も続いて通過した。

 

【ゴースタ神田南口会場】10名

・藤原隆弘、ともたけ雅晴、原佑典、宮内こずえ、尻無濱航(協会)

 

 

首位通過は釣本契介。
今年プロデビューで初の王位戦。
A級予選からの参加で見事勝ち上がり。

 

【ゴースタ水道橋会場】10名

・杉浦勘介、藤島健二郎、内川幸太郎、白鳥翔、山井弘

 

・堀慎吾(協会)、松本吉弘(協会)、矢島亨(協会)、佐月麻理子(協会)、忍田幸夫(麻将連合)、木村和幸(麻将連合)

 

 

首位通過は日本プロ麻雀協会の松本吉弘。
前回行われた第44期王位戦でもベスト16まで勝ち上がっており今回も注目。

 

【じゃん亭会場】6名

・前田直哉、吉田直、古橋崇志、二階堂瑠美、伊達朱里紗

 

首位通過は二階堂瑠美。
先日2度目のプロクイーンを獲得しMリーグにも今季より参戦。
この日も表情豊かに闘牌していた。

 

【勝どき柳会場】6名

・HIRO柴田、西川淳、一井慎也、岡田紗佳、井上絵美子

 

 

首位通過は斎藤桂史。
普段は麻雀教室の講師や連盟で仕事をしている。

 

【岡会場】6名

・勝又健志、山田浩之、菊田政俊、小林正和、山脇千文美

 

 

首位通過は吾妻さおり。
女流桜花連覇に第28期麻雀マスターズ決勝進出など実績十分。

 

 

ワイルドカードとして各会場の次点者の中で1番ポイントを持っている1名が勝ち上がり。
その一枠に入ったのは最高位戦日本プロ麻雀協会の坂井秀隆。
第44期王位戦でベスト16に残っている。

以上58名が勝ち上がりA級決勝へ駒を進めた。
ここにシード者14名を加え72名で、現王位森下剛任が待つ準決勝に向け激闘が繰り広げられるだろう。

 

 

(文:木原翼)

第38期鳳凰戦A1リーグ第13節A卓レポート

【前田が+48.3Pで3位浮上 古川連続プラスは6節でストップ】

 

 

本日の対局者

1位 古川孝次
5位 前田直哉
7位 杉浦勘介
10位 紺野真太郎

 

 

1回戦は南1局に前田がドラを引いてリーチ。四筒をツモって、リーチツモ発ドラの2,000・3,900を決める。

 

 

オーラスは古川がドラ八万単騎のリーチ。1人テンパイで流局し、紺野と同点3着に。順位点は▲5.5Pずつとなる。

 

 

2回戦東2局1本場。親番の杉浦がピンフ一通確定の五筒八筒リーチ。

 

 

古川から出て11,600は11,900をアガってトップを取る。

3回戦南2局1本場。7,700ロン、1,000・2,000ツモとアガリを重ねた杉浦はピンズのホンイツ狙い。8巡目に発を切る。

 

 

紺野はこの発をポンせず。同巡にペン七索を引いて発南待ちのヤミテンに。

 

 

一手進んだ杉浦から南が出て8,300のアガリ。3回戦は紺野がトップを取る。

4回戦南3局3本場。親番の紺野が一万四万七万三万六万のフリテンリーチをツモって4,300オール(+1,000)。本日2勝目を挙げ、苦しい序盤の失点を全て取り戻した。

 

 

卓内トップは前田。1222着のオールプラスで3位に浮上。古川とのポイントも1節で逆転可能な差となった。
紺野も序盤はかなり厳しい展開だったが、メンゼンホンイツをきっかけに本日プラスに出来たのは大きい。最終節A卓は濃厚だがポイントにはかなり余裕が出来た。

 

 

 

次回A1リーグ第13節B卓は
2021/11/14 (水)17:00

沢崎誠
瀬戸熊直樹
HIRO柴田
近藤久春

解説 勝又健志

(文:編集部)

第16期女流桜花 Aリーグ プレーオフ成績表

B C1 C2

入れ替え戦結果(1st stage)

黒沢咲vs西城凛vs天音まことvs岡田紗佳

勝ち上がり:黒沢咲

入れ替え戦結果(2nd stage)

高宮まりvs楠原遊vs古谷知美vs黒沢咲

古谷知美(Aリーグ13位) +35.9P
楠原遊(C1リーグ1位) +28.5P
高宮まり(Bリーグ4位) ▲0.4P
黒沢咲(1st stage勝者) ▲64.0P

次期女流Aリーグ昇級:古谷知美(残留)

第15期女流桜花
川原 舞子

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 プレーオフ 合計
1 仲田 加南 52.2 127.8 17.7 ▲ 11.2 ▲ 4.9 35.6 25.6 69.3 312.1
2 魚谷 侑未 ▲ 45.3 99.9 46.8 9.6 32.9 33.7 ▲ 18.2 ▲ 38.3 121.1
3 内田 美乃里 ▲ 49.2 17.3 21.3 13.5 34.3 20.5 ▲ 16.4 44.4 85.7
4 山脇 千文美 18.8 ▲ 34.3 36.5 ▲ 105.7 77.2 ▲ 65.8 83.6 28.0 38.3
5 伊達 朱里紗 ▲ 21.5 ▲ 7.0 ▲ 61.0 35.5 ▲ 34.2 50.2 40.3 25.7 28.0
6 和久津 晶 18.0 ▲ 44.1 3.6 ▲ 26.6 27.3 59.3 29.4 ▲ 56.7 10.2
7 二階堂瑠美 ▲ 19.1 ▲ 43.9 55.2 25.9 17.0 2.4 ▲ 4.7 ▲ 40.6 ▲ 7.8
8 二階堂亜樹 1.3 7.5 ▲ 14.3 82.6 7.5 0.9 ▲ 69.1 ▲ 31.8 ▲ 15.4
9 吾妻 さおり 37.6 11.0 10.6 20.6 ▲ 25.0 3.8 ▲ 60.7 ▲ 2.1
10 中山 奈々美 ▲ 38.7 74.2 13.1 ▲ 6.3 ▲ 2.5 0.1 ▲ 53.3 ▲ 13.4
11 杉浦 まゆ ▲ 68.4 ▲ 31.4 11.2 7.4 ▲ 11.7 ▲ 7.5 43.4 ▲ 57.0
12 白銀 紗希 49.1 ▲ 24.9 ▲ 22.3 ▲ 50.0 ▲ 25.5 ▲ 1.5 ▲ 9.1 ▲ 84.2
13 古谷 知美 ▲ 2.8 ▲ 11.5 ▲ 69.4 ▲ 31.7 ▲ 7.6 ▲ 15.4 51.6 ▲ 86.8
14 美波 智子 63.2 ▲ 66.6 ▲ 28.8 7.0 ▲ 40.5 ▲ 62.6 34.6 ▲ 93.7
15 武石 絵里 ▲ 15.1 ▲ 49.4 ▲ 46.6 12.8 8.7 ▲ 84.8 30.4 ▲ 144.0
16 和泉 由希子 ▲ 95.3 ▲ 24.6 24.4 16.6 ▲ 74.0 9.1 ▲ 108.4 ▲ 252.2

第38期鳳凰戦A2リーグ第8節C卓レポート

昇級争い激化!第38期鳳凰戦A2リーグ第8節C卓

11月16日(火)、第38期鳳凰戦A2リーグ第8節C卓が放送された。
対局者は石渡正志、内川幸太郎、和久津晶、白鳥翔。

 

 

 

昇級を争う石渡・白鳥、そこに大きくプラスして食い込みたい和久津。内川は残留のため、大きくプラスというよりは負けたくない気持ちの強い節だ。
1回戦は東1局から、石渡がここまでの好調さを表すようなメンゼンホンイツ七対子のツモアガリ。

 

 

待ち選択もあったが、出アガリ狙いの南待ち地獄単騎ではなく八筒単騎のツモ。インタビューでもこの場面の話題となり「無難に入れたかなと」と感触を語った。
一方、共に昇級を争う白鳥も好プレーを見せる。3回戦南3局、リーチを受けて単騎待ちかペン七筒待ちかを選べる場面。

 

 

八筒九筒が現物であり、解説の藤崎は「安全にテンパイを取り続ける意味でも単騎待ちに取るのがセオリー」と話したが、ここはペン七筒に取り、見事1,300・2,600のツモアガリ。

 

 

藤崎も「七筒によっぽど自信があったっていうことですからね。見事としか言いようがないですね」と絶賛するアガリとなった。

対局終了時の成績は画像の通り。

 

 

 

先述の好プレーを見せた石渡・白鳥がポイントを伸ばし、2〜4位が15P以内という接戦に。

 

石渡「ツイートをした時イイネやコメントをくださる方が増えてきて、そういう方々のおかげで今日は踏ん張れました。鬼的な戦い方をあと3節していきます。」

 

和久津「次もしチャンスがあれば2・30P浮いて(昇級の)チャンスを残したいです。次も、待ってるの苦手なんでゴチャゴチャしようと思います。」

 

内川「次が正念場だと思います。残り2節で+30Pくらいできれば(残留が)安泰だと思うので、そこを目指していきたいと思います。」

 

白鳥「とりあえず今節脱落しなくてよかったと思います。最終節で上位卓に入れるように、しっかりポイントを伸ばして昇級したいと思います。」

 

次A2リーグの放送は11/23(火)17時〜。
対局者は伊藤優孝、山田浩之、魚谷侑未、高橋良介。解説は紺野真太郎が務めます。
次回も是非お楽しみに!

(文・浜野太陽)

第46期王位戦A級予選③レポート

【11/14(日)の部からは35名が勝ち上がり】

今年のA級予選は10/31(日)11/13(土)11/14(日)の3日に分けて行われる。(いずれか1日のチャレンジ)
すでに2日間の予選は終了し、本日は最後の35枠を決める対局である。

王位戦の開催概要はこちら

 

 

11/14(日)のA級予選③は5会場での分散開催となった。
トライアル方式で4回戦を行い、プラス者(マイナス者は各会場0〜3名まで)は5回戦へ。5回戦終了時、規定人数が11/20(土)のA級本戦に進出となる。通過人数は会場ごとに異なるが、会場参加人数上位25%と決まっているため、通過人数の多寡による有利不利はない。

【巣鴨道場】7名

 

 

 

巣鴨道場の1位通過は中村毅。名前はつよしと読む。第19期發王戦、第30期十段戦決勝進出経験あり。

 

 

 

 

錦江荘は連盟34期生北陸支部の美咲優菜が首位通過。177cmの自称長身No.1女流プロである。足の長さが半端ないです。

 

 

 

 

ゴースタ神田南口の1位通過は浅井裕介。キャッチフレーズは日本一キレやすいプロ雀士。最高位戦のA1昇級を決めている。

 

 

 

 

じゃん亭1位通過は連盟34期生の柴田航平。1回戦に+74.6の1人浮きを決めての通過。身長188cm。

 

 

 

 

勝どき柳からは清水隆市が首位通過。普段は雀荘勤務で腕を磨いている。

上記の35名が11/20(土)の王位戦本戦に進出となった。

第46期王位戦A級予選②レポート

【第46期王位戦A級予選② 11/13(土)の部からは43名が勝ち上がり】

今年のA級予選は10/31(日)11/13(土)11/14(日)の3日に分けて行われる。(いずれか1日のチャレンジ)

王位戦の開催概要はこちら

 

 

11/13(土)のA級予選②は5会場での分散開催となった。
トライアル方式で4回戦を行い、プラス者(マイナス者は各会場0〜3名まで)は5回戦へ。5回戦終了時、規定人数が11/20(土)のA級本戦に進出となる。通過人数は会場ごとに異なるが、会場参加人数上位25%と決まっているため、通過人数の多寡による有利不利はない。

【巣鴨道場】9名

 

 

 

 

巣鴨道場の1位通過はRMUの里中花奈。4連勝の最終戦2着で断トツだったようだ。パン作りに凝っていてライセンスを所持しているとの事。

 

 

 

 

 

錦江荘は連盟の早川林香がトップ通過。第1期桜蕾戦準優勝の経歴を持つ。デビューは東北本部で3年程前から東京に来ている。

 

 

 

 

 

ゴースタ神田南口は協会の尻無濱航。麻雀最強戦2021の激闘対局が記憶に新しい。甘いマスクに天然で麻雀が強いそうなので気になる方はネットで検索してみよう。

 

 

 

 

じゃん亭は連盟34期生の桜木里咲。負けたらすぐ寝られるけど、勝ったら興奮して寝られないとの事。私はどちらも寝られないので羨ましい。

 

 

 

 

 

勝どき柳からは連盟の山本祐輔。2018西東京アマ最強位らしい。D3リーグの時に2位と倍以上の差をつけた断トツで優勝している。

上記の43名が11/20(土)の王位戦本戦に進出となった。

(文:編集部)

第16期女流桜花Aリーグ プレーオフA卓レポート

【魚谷が決定戦進出に王手】

 

 

7節終了時の上位8人をA卓(2,4,6,8位)B卓(1,3,5,7位)の2組に分け、それまでのポイントを持ち越して行った4半荘の上位3人が決定戦に進出します。

現行のシステムになり、先にプレーオフの試合を消化するA卓から2人以上決定戦に残ったことは一度もなく、昨年は決定戦進出の3人ともB卓から残っていました。

通過への条件が厳しいA卓4人の目標は、

①B卓の3人にかわされないように、5位の瑠美と大きく差をつけた状態で卓内1位になること。
②それがかなわない場合は、B卓の2人にかわされないように、3位の和久津と大きく差をつけた状態で卓内2位になること。

以上の2点。
3位和久津・5位瑠美のどちらかが100P浮くことはあっても、和久津+60P(トータル+126.9P)・瑠美+90P(トータル+122.8P)のように2人合わせて150P浮く展開になることは相当レアケースなので、+120P持った卓内1位になっていれば安全圏と言えそうです。

 

 

その条件に一番近い場所からスタートした魚谷は役有りリーチを一度も打たず。
親への放銃もリーチの現物で打った2,900の1回だけと、自身に課せられたミッションを粛々と進めていきます。

 

 

最終局も、2番手内田の親が続くよりは亜樹に打っても良しの構えで、ホウテイにドラを放ち、決定戦への通行料8,000点を支払って+121.1Pでミッションコンプリート。

 

卓内2位の内田は+85.7Pと最低限のノルマはクリアしました。
B卓の下位3人からは狙われる立場ですが、1位の仲田は自分のスタイルを貫くタイプ。
内田は仲田が他3人を沈めることを期待しての結果待ちです。

 

Aリーグ初出場となった伊達は健闘するも6位。

 

亜樹は7節からの不調が響いて8位まで落ち、今期の女流桜花を終えました。

 

 

<プレーオフA卓成績>
内田+44.4P 伊達+25.7P 亜樹▲31.8P 魚谷▲38.3P

(文:越野智紀)

第1期鸞和戦ベスト16D卓レポート

【第1期鸞和戦ベスト16D卓、鷲見隼人、柴田吉和が勝ち上がり】

この日の対局者は、2次予選をトップ通過でジャンプアップした木島甲太郎

 

鷲見隼人(静岡支部所属)

 

藤島健二郎(Aリーグシードで2次予選から)

 

予選が十段位決定戦の翌日だった柴田吉和の4選手。

 

1回戦をトップで終えた藤島、2回戦東2局、この悪配牌を上手くまとめて2,600オールのツモアガリ。

 

 

 

この日の解説は藤島と同期の山田浩之。
藤島の実力を痛いほど知っている山田からは、名言はしないまでも、ここまで好調であれば、早くもひと席は藤島で決まったかといった雰囲気が感じられる。

同1本場、敗れはしたが、木島のファインプレーが藤島を楽にさせなかった。

 

 

 

木島が掴んだ七万は、役なしとはいえこの形のテンパイでは止められないだろう。
ドラが六万にも関わらず、先に四万を切って宣言牌にしなかった藤島の工夫が生きたと誰しもが思ったはずである。
前局があったからか、藤島を研究していたのかはわからないが、木島はなんと発切りで放銃を回避する。

 

 

そしてこの局の結末は、同じく役なしのテンパイで粘っていた鷲見がツモアガリ。
もちろん藤島は、七万を止められたことはわからないし、誰かにアガられて親落ちすることはよくあることと意に介していないだろうが、振り返ってみるとこの局が藤島のアガリになっていたら勝ち上がっていたように思う。

2回戦南4局、親の柴田、このリーチは非常に勇気がいる。
柴田は勇敢な男だと言い換えてもいい。

 

 

ヤミテンでも9,600、特に公式ルールでは魅力的な打点だし、もっと良い待ちに替わる可能性もある。
空振ってしまったらと思うとリーチの声はなかなか出ない。

 

 

 

 

 

 

次局は鷲見が1,300・2,600のツモアガリ。
南4局のこの点数から沈まされるとは、プロ歴の長い藤島もあまり経験がないだろう。

3回戦、木島がトップを取り、最後まで粘りを見せる。

 

 

 

最終戦は、柴田、藤島、鷲見の3者の競り、少し離れて木島、という並びでスタートしたが、藤島はほとんど手が入らず、柴田と鷲見が勝ち上がり。
好調だった2回戦までにどうにかできたのではないか、と対局後のインタビューで語っていたが、僕からは盤石に進めていたように見えていただけに、1つ勝つことの難しさを感じる1戦であった。

 

 

ベスト8A卓、11/19 17時~
ベスト8B卓、11/26 17時~

(文:福光聖雄)

「~勝負の3日目~」 佐々木 寿人

鳳凰位決定戦は、全日程が午後2時から執り行われる。
そこに向けての私のルーティンは決まっていた。

午前9時に起きて朝食をとり、朝風呂に浸かって午前11時に家を出る。
会場となる夏目坂スタジオに到着するのが、午後12時を少し過ぎた頃。
そこからアーケード版の麻雀格闘俱楽部を1時間ばかりプレーする。
最後の最後まで真っ直ぐ打ち抜くためのイメージトレーニングは欠かさなかった。

対局場に持ち込むのは白湯。冬場ということもあり、身体を冷やさないためである。
試合前日の夜は、どの日もよく眠れた。
プロ歴16年目の今となっては、前夜にぐだぐだ考えて眠れないということも一切なくなった。
これまで積み上げた数えきれない敗戦の経験から、なるようにしかならないと、どこかで割り切れているからだろう。

ただ唯一眠れなかったのが、最終日を終えての夜。まぁこればかりはさすがに仕方あるまい。
あの日だけはかなりの疲労感があったものの、目が冴えて全く眠りにつけなかった。
もし負けていたらと思うと、今でもぞっとする。
そのことについては、次回に詳しく書き記すことにしよう。

この日の初戦となる9回戦は、勝又さんの2,000・3,900でスタート。

一索二索三索四索五索六索七索九索南南  ポン発発発  ツモ八索  ドラ三万

現状、最大のライバルのアガリではあるが、仕掛けられた時点からしっかりとガードに徹した私に焦りはない。
ただ、勝又さんを抑えていかなければ自身の優勝もない。
ここまでを見る限り、私と勝又さんの争いになっていくのだろうなと考えるのが自然である。
それぐらい沢崎さんと藤崎さんの出来が良くないように思えていた。

となれば、この2人に浮上のきっかけを与えないことも重要である。
残り8回戦ともなってくると、考えなければならない要素も増えてくる。
やはり、一騎打ちとなっていった方が戦い易いことは間違いない。

自身の初アガリは東3局。

一万三万四索五索六索発発  ポン南南南  ポン八筒 上向き八筒 上向き八筒 上向き  ロン二万  ドラ三万

そして南1局3本場には1,000・2,000のツモアガリ。

一索一索一索二索三索四索七索八索九索二筒二筒四筒五筒  リーチ  ツモ六筒  ドラ四索

このアガリで原点復帰とまではいかないものの、勝又さんを逆転することに成功。
理想はこのままの並びで終えることだったが、オーラスに大きな落とし穴が待っていた。
勝又さんのリーチに対し真っすぐ五索を打ち抜くと、これがロン。

一万二万三万五万五万五万六索七索四筒五筒六筒八筒八筒  リーチ  ロン五索  ドラ五万

 

100

 

8,000点の放銃は4着落ちかつ、トータルトップの座からも陥落という手痛い結果に終わってしまう。
これで2日目に続き、初戦は4着という出だしだ。

しかも2日目は、ここから連続となる4着を食らっている。
勝又さんとのポイント差を考えれば、それだけは絶対に避けなければならない。
早い段階で再びトータル首位に立つことが、私にとって一番の命題だった。

9回戦終了時
勝又+49.8P 佐々木+30.1P 藤崎▲37.7P 沢崎▲43.2P

10回戦、心底切望していた時間帯が遂にやってきた。
南3局、私は親番を迎えていた。

一万一万四万五万七万八万九万二索三索四索六筒七筒八筒  ドラ八万

このリーチは流局となったが、1人テンパイ。
南3局1本場、引き戻しの九万を引き入れてリーチ。

一万一万四万五万六万七万三索三索三索四索五索五索六索  ツモ九万  ドラ二筒

もちろん形的には不満が残るが、既に沢崎さんがダブ南を仕掛けていて、あまり時間的な猶予もないとみての選択だった。
これが即引きアガリとなり、1,100オール。
沢崎さんの手牌はドラのタンキ待ちだが、これも山に2枚生きていて、まさに紙一重の勝負だった。

二索三索四索二筒四筒五筒六筒西西西  ポン南南南

南3局2本場、またも沢崎さんの仕掛けからスタート。

三万三万六万二筒三筒六筒七筒七筒八筒中  ポン白白白  ドラ六万

沢崎さんとしては、とにかく早く私の親を流してオーラスの親を迎えたいところだろう。
だが、私にしたってここは一つの勝負所である。

この時の持ち点状況はこうなっていた。
藤崎44,500、佐々木35,300、勝又24,700、沢崎15,500

既に親番の残っていない勝又さんとは、1万点以上の差がついている。
つまりは、ここがライバルを突き放すチャンスなのだ。

4巡目、沢崎さんにスピードを合わせるべく、七索から仕掛ける。

二万四万五万六万三索三索四索五索四筒四筒中  ポン七索 上向き七索 上向き七索 上向き

中として1シャンテン。

7巡目、ツモ六万、打二万

四万五万六万六万三索三索四索五索四筒四筒  ポン七索 上向き七索 上向き七索 上向き  ドラ六万

これで高打点でのアガリも見えてきた。
同巡、西家勝又さんの切った四筒をポンしてテンパイ。

四万五万六万六万三索四索五索  ポン四筒 上向き四筒 上向き四筒 上向き  ポン七索 上向き七索 上向き七索 上向き  ドラ六万

そして次巡、あっさりと三万を引く。2,000は2,200オール。
同3本場、今度の配牌はいい。

五万六万七万七万三索四索五索九索四筒五筒五筒東北発  ドラ九筒

六索八万四万と引いて、4巡目には以下の形となる。

四万五万六万七万七万八万三索四索五索六索四筒五筒五筒

こうなればもう引き下がることはない。5巡目、勝又さんがペン三万を仕掛ける。

 

100

 

ドラが九筒だけに嫌な仕掛けではあるが、この後もまずは自分の手牌進行が優先である。
7巡目、ツモ三索

四万五万六万七万七万八万三索四索五索六索四筒五筒五筒  ツモ三索

形だけなら七万切りだろう。だがここは、ギリギリまで手役を追う局面だ。
456の三色を強く見るならば打五筒の一手なのである。

9巡目、ドラの九筒を引く。もちろん切るには切る。ただ、勝又さんに鳴かれるのだけは厄介である。
もしこれがポンされたなら、こちらに仕掛け返す選択も出てくる。特に、沢崎さんから三索が切られたケースだ。

既に私の手牌に2枚あり、勝又さんが端絡みの手牌を狙っているなら、三索は急所の牌とも言える。
後は六筒のチー。普段ならば絶対に仕掛けることなどありえない。
だが、みすみす勝又さんにアガらせる訳にもいかない。この九筒が鳴かれたからには、相応の対処をせねばなるまい。それだけは頭に入れながら、私は九筒をツモ切った。

幸いなことに、勝又さんからポンの声は掛からなかった。
この局面で勝又さんが1,000点仕掛けを入れているとは思えず、ちょっと意外な感じもしたが、これでしばらくは面前路線を貫けることになった。

そして次巡、ツモ三索でテンパイ。

四万五万六万七万七万八万三索三索四索五索六索四筒五筒  ツモ三索

心なしか、リーチ宣言の打牌も強くなっていた。
ここで12,000の加点なら、優勝争いの趨勢はぐっと私の方へと傾いていく。
そして2巡後、勝又さんから六筒が放たれた時、これでもう自分が脱落することはないという確信を持つことができた。

とどめは4本場だった。
10巡目、北家の藤崎さんからリーチが入る。

一万二万三万三万五万七索八索九索四筒五筒六筒中中  ドラ三万

私の手牌はこうだ。

四万四万五万五万六万四索五索六索八索八索四筒五筒中

ツモ七万で生牌の中をぶつける。この手で引く気はさらさらないし、41,300持ちの藤崎さんを沈めるチャンスでもある。
13巡目、ツモ六万でリーチ。

四万四万五万五万六万六万四索五索六索八索八索四筒五筒

高目の六筒なら、出アガリでも18,000という勝負手だ。
今決定戦でも、自身の気持ちが高ぶった局面の一つである。

結末は17巡目だった。
藤崎さんが最後のツモ番で三筒を掴み、11,600は12,800のアガリ。

親が落ちたオーラスこそ藤崎さんの満貫ツモとはなったものの、ビッグイニングとなった南3局のおかげでこの半荘はトップ。
勝又さんを4着に沈めたことで、トータルでも大きな差をつけての首位に返り咲いた。

10回戦終了時
佐々木+72.8P 勝又+14.7P 藤崎▲28.1P 沢崎▲60.4P

11回戦開始。
3者とはそれなりに点差をつけている。
マイナスしている藤崎さんと沢崎さんは、まずプラス域に戻すことが絶対条件だ。
となれば、私の優先順位は勝又さんとの点差をさらに広げること。この差を守り切ろうなどという意識は微塵もなかった。

南1局、私は親番である。

 

100

 

5巡目、北家の勝又さんからリーチ。私も七対子の1シャンテンだが、ドラの五筒が浮いた形。
しかし捉え方によっては、これも勝負手。五筒タンキは最もわかりやすい最終形と言えるし、先制リーチの勝又さんだってアガリ牌でなければ切るしかないのだ。

このシンプルな思考が勝負事では大切だったりするのである。
10巡目、ドラを重ねてテンパイ。

九万六索六索八索八索九索九索三筒三筒五筒北北白  ツモ五筒

危険度が高いのは九万の方だったが、私は生牌の白タンキでのリーチ。
全体的に字牌が安いなら、これで勝負とみての選択だった。

実際この白は山に3枚残りだったが、12巡目に勝又さんから九万がツモ切られ、14巡目、八筒で2,600の放銃となった。
まだまだ楽には決まらない。

南4局、私は15.300持ちの4着目に沈んでいた。
原点復帰も難しく、勝又さんの原点を削ることが最大のテーマである。

勝又さんの浮きは900点。これを沈めることが出来れば、順位点の差も13ポイントから、4ポイントにまで詰められる。
10回戦でのトップを少しでも無駄にしたくはないところである。

8巡目、手牌がうまく纏まりツモ六筒でテンパイ。

三万四万五万五万六万七万三索四索五索六索二筒七筒八筒  ツモ六筒  ドラ一筒

ツモアガリか、勝又さんからの出アガリでミッションクリアだ。
そして次巡、ツモ二万。これなら文句なし。素点を少しでも回復するべくリーチの一手である。
当然、見逃しの選択肢もなかった。

そんなことをして勝又さんに連荘を重ねられるようなことがあれば、それこそ支離滅裂である。
状況が悪い時でも、とにかくやれることをやり続けるしかないのだ。

二万三万四万五万五万六万七万四索五索六索六筒七筒八筒  リーチ  ツモ五万

このアガリで勝又さんの原点を割ることに成功し、最悪の結果だけは免れた。
これで3日目も残り1戦。最終日を少しでも有利なポイント差で迎えるためにも、得点の上積みを図りたいところである。

11回戦終了時
佐々木+55.3P、勝又+9.0P、藤崎▲22.3P、沢崎▲43.0P

11回戦に続き、12回戦も起家スタート。

五万五万七万七万九万一索一索一索一索二索三索七索八索  ドラ一筒

この手牌に六万を連続で引き込み、手応え十分のリーチから入る。

五万五万六万六万七万七万一索一索一索二索三索七索八索  リーチ

だが、ここは勝又さんに1.000点で捌かれる。
東3局、カン二万を引き入れてリーチ。

一万二万三万五万五万五万一索二索三索一筒三筒南南  リーチ  ドラ六索

とにかく攻め続けるが、ここも親の沢崎さんに跳ね返される。

一万一万五索六索一筒二筒三筒四筒五筒六筒発発発  リーチ  ツモ七索

東4局、またも沢崎さんから先制リーチ。

四万五万六万六万七万二索三索四索八索八索五筒六筒七筒  リーチ  ドラ西

沢崎さんは11回戦でトップを獲り、この半荘も45,700持ちと上昇気流に乗りつつある。
一度きっかけを掴めばしっかりと畳み掛けてくるところは流石の一言である。

8巡目、私も七索を引いて追いついた。

三万三万三万七万七万八万八索九索五筒五筒東東東  ツモ七索

どちらを切っても役はある。ただ、シャンポンに受ければツモり三暗刻の形だ。
5秒ほど考えて出した答えは、七万切りのリーチ。

場に八万九万がそれぞれ2枚ずつ飛んでいることから、受けの強い方を選んだのである。
結果はすぐに出た。

沢崎さんが九万を掴み、3,200は3,800のアガリ。
八万を切っていれば3.900の放銃になったとはこの時知る由もないが、これで2着浮上。

南1局、まずは1,500のアガリで連荘。

一万一万六万七万八万七索八索九索三筒四筒六筒七筒八筒  ロン五筒  ドラ南

同1本場、手応え十分のリーチは1人テンパイで流局。

三万四万五万六万七万二索二索三索四索五索六筒七筒八筒  ドラ白

同2本場、タンヤオの仮テンを取っていたところにドラの南を持ってくる。

四万六万七万八万三索四索五索五索六索七索六筒七筒八筒  ツモ南

これでもリーチで引きアガリなら3,900オールとなるが、到底最終形とは呼び難い。
それをリーチと宣言してしまうのだから、やはり気持ちが焦っているのだろう。
案の定、2巡後に二索を持ってくる。

六万七万八万二索三索四索五索五索六索七索六筒七筒八筒

ドラをポンされたとしても、これなら正々堂々勝負だ。
ここにきて、それを待つことができない自分が情けなかった。
だが11巡目、沢崎さんのリーチ宣言牌が南となり、この手がアガリに結び付いた。

四万五万六万五索六索七索八索九索九索九索四筒四筒南  ツモ七索

11回戦を終えた時点で、私と沢崎さんとのポイント差は98.3Pだった。
沢崎さんからしても、ここから逆転するためには私を大きく沈める作業が必要である。
残りの試合数もふまえ、時間的猶予はあまりないとの判断だったのだろう。
望外とも言えるアガリを拾った私だったが、このゲームでトップを獲ったのは沢崎さんだった。

一時は42,100まで積み上げた点棒も、最後には原点割れ。
ただ、せめてもの救いは、勝又さんを4着に沈めることが出来たことである。

この日も100ポイントには到達できなかったが、これで私以外の3者がトータルでマイナスポイントとなった。
最終日は圧倒的有利なポジションからのスタートとなる。

だが、このポイントを伸ばせないようでは優勝もない。
追いかける3者を、最初の2戦でどれだけ突き放せるかが一つのカギにもなってくるだろう。
「鳳凰位戦史上最高の激戦」とも謳われた最終日は、私にとって過去経験のないほどの死闘となった。

12回戦終了時
佐々木+50.7P 勝又▲10.3P 藤崎▲12.7P 沢崎▲28.7P

麻雀日本シリーズ2021第6節レポート

2021年11月13日土曜日 麻雀日本シリーズ2021第6節が行われた。
二次予選のプレーオフに向け、一次予選最後の一戦となる。

 

 

21回戦 (白鳥、近藤、内川、勝又)

 

 

白鳥が随所でアガリを決めトップに。近藤はオーラスのアガリで2着に浮上。
内川は、手は入るものの、他家とぶつかる展開が多く、厳しい4着に。
勝又は最後まで粘るがオーラスに近藤にかわされ3着に。

 

 

 

白鳥翔 +37.7P
近藤誠一 +12.3P
勝又健志 ▲1.3P
内川幸太郎 ▲48.7P

 

22回戦 (瀬戸熊、多井、矢島、醍醐)

 

 

後がない瀬戸熊はかなり大きいトップを取らないといけないポジション。ホンイツや親での跳満を決め、オーラスも少しでも素点をプラスにするためにアガリ、トップに。
多井は親で満貫のアガリでポイントをキープしつつ安定した打ち回しで2着に。
矢島は高打点が飛び交う中なんとか原点付近の3着でまとめた。
醍醐は痛い親の跳満放銃などが響き大きいマイナスに。

 

 

 

瀬戸熊直樹 +38.0P
多井隆晴 +13.8P
矢島亨 ▲8.6P
醍醐大 ▲43.2P

 

23回戦 (沢崎、山田、木村、本田)

 

 

沢崎はじりじりと点棒が減っていく展開の中なんとか最低ラインのマイナスポイントで耐えた。
山田は親でのヤミテンの判断が上手くいき、2着に。
木村は東1局から満貫を決め、アガリたい局や手牌が実を結ぶ展開が多くトップに。

 

 

何としてでも大きいトップを取りたい本田、3着目で迎えたオーラス。東北の役満プリンスが天和チャンスのダブルリーチを打つが不発にとどまり3着のまま終了に。

 

 

木村和幸 +33.8P
山田浩之 +8.7P
本田朋広 ▲11.7P
沢崎誠 ▲30.8P

 

24回戦 (柴田、河野、佐々木、藤崎)

 

 

柴田は東1局の親でアガったが、そのまま佐々木の波に飲まれマイナスの大きい3着に。
河野は攻めダルマの攻撃を耐え、マイナスの大きい2着で終了。
藤崎は手が佐々木とぶつかる展開が多く、かなり大きめの4着に。
本日の主役となった魔王佐々木。なんとアガリ回数が14回。手を休めない最後まで責め抜く姿勢に牌もついてきていた。13位でスタートした24回戦を3位まで順位をあげた。

佐々木寿人 +119.2P
河野高志 ▲17.8P
柴田吉和 ▲41.6P
藤崎智 ▲59.8P

 

 

 

 

上位から、白鳥、矢島、佐々木、木村、沢崎、多井、河野、近藤、勝又、柴田、山田、醍醐、の12名が二次予選のプレーオフに進むこととなった。

 

 

次回の麻雀日本シリーズ2021第7節は
2021/12/18(土)14:00開始となります。
実況、日吉辰也
解説、前田直哉

次回もお楽しみに。

(文:鈴木誠)

何を切る? 2021年11月

第38期十段位決定戦 12回戦 東2局2本場 東家 荒正義プロ

 

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■Twitterで実施したアンケートの結果

 

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■OPENRECで実施したアンケートの結果

 

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■ニコニコ生放送で実施したアンケートの結果

 

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■プロ解答

 

八筒切り

 

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六万切り

 

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七筒切り

 

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■実況・解説陣 (アンケート時)

 

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古橋「ダブ東が暗刻で四暗刻まで見える1シャンテンですが、藤崎さんどうですか?」
藤崎「まぁ僕は大きいんでね、四暗刻狙ってるフリして隣の七筒切ってますね。笑」
古橋「ホントに七筒切ります?」
藤崎「もちろんこれが1回戦目なら四暗刻を逃すわけにはいかないってなるけど、最終戦ということで、ポイント状況的にもリーチツモダブ東とかでもかなり大きい状況なんだよね。」
古橋「リャンメンに決めるにしても、五万八万六筒九筒の選択があると思うのですが・・?」
藤崎「それは一手先にホンイツまであると思うので。」

■プロの視点
荒正義プロ
「この時点で三浦との一騎打ち。前局の4,000オールに感触があったので、この親で決めようと思いました。
東のツモで感触は十分。ドラが八万なので、六万切りは自然な応手です。
この一手と思いました。
トイトイや四暗刻も見えるけど、ここは連荘が第一。ドラでアガれば文句なしです。
トイツ手は受けが狭く、ノーテンで終局してしまう可能性があります。
ライバルの三浦はラス親なので、最後は1対1の勝負になります。目標では、ここで3万点以上の浮きが必要と考えていました。
三浦君の打牌には信頼があり、素質は十分。早くA1に上がり、タイトルホルダーになってもらいたいものです^^」

 

■終局図

 

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第38期鳳凰戦A1リーグ第12節C卓レポート

【沢崎が卓内トップ 黒沢もプラスでトータル200超え】

 

 

本日の対局者

2位 黒沢咲
3位 前田直哉
6位 勝又健志
9位 沢崎誠

 

 

1回戦南1局。勝又が高めの八万ツモで2,000・3,900のアガリでトップを取る。

 

 

2回戦オーラス。親番沢崎がペン七索をチー。ドラを1枚切っての三索六索一索に受ける。

 

 

程なくツモって6,000オール。2回戦は沢崎の1人浮きトップ。

3回戦東1局1本場。前田がメンタンピンイーペーコーの五万八万をツモって2,100・4,100(+1,000)のアガリ。

 

 

東4局の親番でもカン八索リーチで先手を取った前田だが

 

 

黒沢がメンホンで追いついて五筒ツモ。2,000・4,000(+1,000)のアガリ。

オーラスは沢崎がピンズのホンイツで仕掛ける中、勝又がタンヤオドラドラの四索七索のヤミテンを入れる。

 

 

親番の前田も終盤にテンパイを入れるが、直前に勝又が三筒を通しただけに、二筒がかなり切り辛くなった。おそらくテンパイ勝負にする予定だった七索を選択し、勝又に5,200の放銃、前田にとっては手痛い結果となった。勝又にとっては最高のアガリで3回戦は浮きの2着に、トップは黒沢。

4回戦は再び沢崎の半荘。トップ目で迎えたオーラスにこの手が入り、素直にペン三索ダブルリーチとする。

 

 

これに追いついたのが前田。ピンフ高めドラの五筒八筒に取って追っかけリーチ。もともと4着目のオーラス、ドラをツモれば勝又を逆転という状況が打たせたリーチだった。

 

 

結果は沢崎が5,200(+1,000)のアガリで本日2勝目を挙げた。

 

 

 

黒沢がトータル200を超えて2位キープ。最初に12節を終えて最終戦1位〜5位のC卓で打つ事がほぼ確定となった。
勝又と前田にとっては残り2節が正念場。
沢崎は今日の卓内トップで暫定8位に。上を見る戦いに専念出来るので、同卓者を捕まえて大きく叩けばチャンスはある。

次回A1第13節A卓
2021/11/17(水)17:00
古川孝次
前田直哉
紺野真太郎
杉浦勘介

解説 森山茂和

(文:編集部)

【麻雀最強戦2021 ザ・リベンジ】優勝は仲田加南!!

11月14日(日)15時より、麻雀最強戦2021ザ・リベンジが行われた。

その模様はAbemaTV麻雀チャンネルにて生配信され、日本プロ麻雀連盟の仲田加南が優勝!
麻雀最強戦2021FINALの切符を手にした。

 

 

(麻雀最強戦キンマweb-近代麻雀)

第38期鳳凰戦A2リーグ第8節B卓レポート

一井慎也、圧巻の3トップ!第38期鳳凰戦A2リーグ第8節B卓レポート

11月9日(火)、A2リーグ第8節B卓が放送された。対局者は明石定家、藤島健二郎、一井慎也、古橋崇志。

 

 

 

残留争いがチラつく明石・古橋にとっても大事な節であるが、なんといっても焦点となるのは現在昇級圏に君臨する一井・藤島の直接対決だ。

2人のポイントが大きく変動したのは3回戦。
東4局に藤島は親のピンフドラドラ、一井はピンフ高目三色という大勝負手の二軒リーチ!

 

 

 

ここは一井が7,700の大きな直撃で制すと、南2局にも親の七対子ドラドラを直撃。

 

 

この半荘の素点だけで27P差をつけ、大きくリード。
続く4回戦では藤島が意地を見せ、5万点のトップ目に。

 

(役ホンイツの6,400)

 

(ツモ中ドラドラの2,000・4,000)

しかし、オーラス時点で沈んでいた一井が親番を手放さない。古橋のリーチに追いつき11,600をアガると…

 

 

さらに次局、テンパイ料で藤島を逆転。

 

 

 

普段はクールな藤島が非常に厳しい表情を見せる印象的な一場面となった。

1日を終えてのトータルポイントは画像の通り。

 

 

 

古橋はマイナスで降級圏に突入。
 

「悲観せずに最後まで一生懸命戦ってA2リーグにしがみついて、昇級してくる井出康平をやっつけたいと思います」
(井出康平は当日の解説でした)

明石は1ケタのマイナスで、上も下も非常に遠いポジションに。
 

「2節連続マイナスなので、次回はプラスしたいと思います」

藤島はこの日4半荘連続でオーラスに着順ダウンという苦しい展開。
 

「今日はふがいない寄りだったと思いますけど今月もう1回あるので、しっかり切り替えて第9節を迎えたいと思います。」

一井は圧巻の3トップで、昇級枠の1つに半分腰掛けたような状況に。
 

「今回も次節も山場山場と続いていきますが、一半荘一半荘できることをやっていけば結果がついてくると思うので目の前の勝負に一生懸命になりたいと思います」

次回A2リーグの放送は11/16(火)17時~。
対局者は石渡正志、内川幸太郎、和久津晶、白鳥翔。解説は藤崎智が務めます。
次回も是非お楽しみに!

(文・浜野太陽)

2021A2_8_B1