第234回:プロ雀士インタビュー後編 魚谷侑未  インタビュアー:福光聖雄

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前編では、リーグ戦の最下位をきっかけに稽古を増やしたこと、プロ13年の思い出や、仲田をとうとうマークした女流桜花について語ってもらった。
後編では、鸞和戦の戦いと、失ってしまった何か、5年後の未来について触れている。
拙い文章ではあるが、お付き合いいただければ幸甚だ。
(前編はこちら

 

【久しぶりの泣き虫マーメイド?】

福光「9年ぶりの女流桜花優勝、なかなか勝てなかったから涙するんじゃないかと期待してたんだよね。」

魚谷「終わった…ふぅ…って感じ。自分でも、泣けなかったなー不思議だなーって気分だよ。インタビューがとりやん(実況の部谷幸則)だったからか?(笑)」

 

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自分のときは泣けなくなってしまった魚谷だが、先日(2021年12月)の桜蕾戦では菅原千瑛の涙のインタビューにもらい泣き。

 

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魚谷「自分が主役じゃないから泣いちゃダメって思ってるんだけど、堪えられなかったよ。」

福光「泣いてもいいと思うよ。見ていてグッときたよ。」

ご存じの方も多いと思うが、通り名の『最速マーメイド』は、よく鳴くとよく泣くをかけて、『泣き虫マーメイド』という案もあったとのこと。
悔しくて泣き、嬉しくて泣き、感動して泣き、役牌からでも後付けでもいつでも鳴いていたのである。

 

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(懐かしの第12期女流桜花入れ替え戦。左から解説の魚谷、昇級を決めた藤井、実況の小笠原)
泣かなくなった理由について、黒木が書いた近代麻雀のnoteの記事で触れられているらしい。
途中から有料ではあるが、興味があれば読んでいただきたい。

 

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【突如スイッチの入った鸞和戦】

女流桜花の優勝を決めた2日後の鸞和戦決勝。
ノリノリで家を出たのかと思ったらそうではなかった。

魚谷「それがさー、桜花の激戦の疲れが抜けてなくて…。『クールにやろう作戦』って言って家を出たのよね。クールにやってたんだけど、まさか南3局に45,200点も持ってて沈むなんてある?」

福光「ないない(笑)」

 

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魚谷「これで目が覚めたっていうか、火がついたっていうか、3回戦4回戦と熱くやりましたわ。心が折れないのが凄いって言われたけど、そこは強みだからね。」

昔から最後まで諦めない、応援してくれるファンより先に諦めてはいけない、は魚谷の口癖。
某野球ゲームに例えると[逆境◎]が間違いなくついているし、むしろ逆境の方が好きなんじゃないかまで思ってしまう。

福光「そういえば、事前に予習しておく局を聞いたら、最終戦の南1局と南3局。どっちもオリてる局じゃん。どうして?」

魚谷「決勝のバランスで(頭取りだから)押すっていう結論になりがちだけど、この2局は真剣に考えた結果、いかないことを選んだんだよね。冷静にできたのがとても気に入ってるの。」

 

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先制リーチの猿川の待ちは一万四万七万。終盤に手づまりした柴田からリーチ、ピンフの2,000点のアガリ。

 

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この局の状況説明は長くなってしまうので放送をご覧いただきたいのだが、魚谷は大長考してのオリ。結末は、猿川が柴田から5,200点をアガリ、トータルトップになってオーラスを迎えた。

魚谷「放銃しなかったおかげで、南4局を出アガリ3,200点以上と難しくない条件で迎えられたしね。その条件で、配牌でダブ南が暗刻よ。最後にご褒美がきてくれた。こっちもホント紙一重の優勝だったね。」

 

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【失ってしまったもの】

華々しい活躍をする魚谷だが、その活躍と引き換えに失ってしまったものがある。
ふとした会話にきっかけがあったのだが、深堀りして聞いてみた。

魚谷「対局をして、楽しいと思えるときが少なくなってしまった。最近、ほとんど楽しいと思えるときがなかったなぁ。麻雀は好きなんだけど、とても好きだけど楽しく感じない。昔は楽しいしかなかったのになぁ。好きだけどなぁ。練習がキツいわけじゃないし、全然苦じゃないのだけど。」

Mリーグという大舞台、チームとファンの期待を背負って、勝っても負けてもすぐに次の戦いに備えなければならない、そんな日々を続けてきたからかもしれない。
慣れてしまった、という表現は不適切で、一喜一憂していたら身が持たないと防衛本能が働くのだろうか。
過酷な戦場に――気持ちで戦う魚谷は毎回心を燃やして――、極限の集中力で挑んでいく。
心身ともにどのくらいの負担なのか、全く想像もつかない。

前編に書いた「もういい!一人で生きてく!」「ダメです。結婚しなさい。」は冗談混じりのやり取りではあるのだが、僕は本気で結婚すべきと思っていた。
チームメイトからの励ましはあるだろうが、負けて帰ったときに、暗い家か明るい家かは大きく違うんじゃないかと思う。
魚谷が第一線で活躍し続けるためにも――

 

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【最高のパートナーと未来】

宮澤「嫁の対局は96%くらい見てる。対局を見て、これダメじゃんとか言ったことはないかな。嫁が選ぶ方ならそれは正解だよ。」

宮澤「僕は、いつも『人を超えて神になりなさい』と言ってるんだよね。」

魚谷「あはは。私は神ってガラじゃないなぁ。でも、人間の出来る最高には到達したいね。」

猫は可愛いし、旦那の性格はピカイチだそうだ。
やっぱり、結婚して良い影響あるんじゃないの?(笑)

魚谷は将来をどう考えているのだろうか?
5年後、10年後を想像してもらった。

魚谷「難しいこと聞くねー。5年後、10年後に麻雀を取り巻く環境がどうなっているか全然想像つかない。けど、選手として第一線で戦っていたいと思うよ。ただ、もし衰えてしまってパフォーマンスが出せなかったら、そのときは辞めちゃうと思う。」

このインタビュー、最初から最後までホント魚谷らしい答えが返ってくるな。嬉しいよ。

勘違いしないでいただきたいが、もう満足してしまったのでいつ辞めてもいい、ではない。
活躍できなくなったら退かなきゃいけない、という覚悟だ。
魚谷は、勝てなくなった私には存在価値はない、と言い出すような人だ。
鳳凰位には一歩後退してしまったし、セガサミーフェニックスを優勝に導いてもいないのだ。
成し遂げるまで歩みを止めることはないだろう。
まだまだまだまだ、先の長い歩みになるかもしれない。
でもいつか、魚谷ならきっと成し遂げて、素敵な泣き顔を見せてくれると思う。よろしく頼んだよ!

(文:福光聖雄)

女流プロ麻雀日本シリーズ2022 第5節レポート

2月8日、女流プロ麻雀日本シリーズ2022第5節、18〜20回戦が放送された。
17回戦までの成績は以下の通り。

 

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★18回戦(菅原、亜樹、高宮、宮内)

 

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高宮が何度も高打点のテンパイやイーシャンテンにまとめ上げるが、ことごとく他家への放銃という結果に。

 

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3人への放銃で苦しい4着に。トップはリーチ一発ツモピンフ三色ドラ裏の4,000・8,000を決めた宮内。

 

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宮内 +31.6P
亜樹 +7.8P
菅原 ▲6.7P
高宮 ▲33.7P

★19回戦(仲田、日向、菅原、瑠美)

 

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仲田がドラ雀頭の3メンチャンリーチを2回放つも、いずれも不発。2度目に至ってはリャンシャンテンの流美に追いつかれ、チンイツの放銃という悲しい結末に。

 

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瑠美は続く東4局2本場にもドラ単騎の形式テンパイを入れると、ハイテイで望外の2,600オール。

 

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細い糸をたぐり寄せるような加点の連続でトップを手にした。

瑠美 +32.9P
菅原 +3.0P
仲田 ▲9.9P
日向 ▲27.0P

★20回戦(川原、亜樹、日向、東城)

 

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東3局、亜樹が一筒四筒の高目タンヤオ、東城が一筒四筒七筒のメンホン高目イッツーのリーチ。大勝負の結果は、亜樹が高目をツモって裏ドラ1枚の4,000オール。

 

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自他ともに認める守備派の亜樹だが、この半荘が稼ぎどころと見たか強気の攻めを見せる。東4局1本場、日向が一索北のシャンポン待ちで先制リーチ。北がトイツの亜樹はリーチに回ると危ないところであったが、役なしのカン五筒ヤミテンで六万九筒と勝負!ハイテイで1,000・2,000のアガリに。

 

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オーラスも自身のアガリで締めくくり、敗退の危機から一気に中位陣へと食い込んだ。

亜樹 +37.4P
日向 +1.8P
川原 ▲12.4P
東城 ▲26.8P

20回戦を終えての成績はこちら。

 

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次回、2/19(土)14時から行う21〜24回戦の結果で決勝進出者1名、敗退者3名が確定する。次回もぜひお楽しみに!
(文・浜野太陽)

何を切る? 2022年2月

第20期太閤位決定戦 最終戦 南4局1本場 東家 山中翼プロ

 

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■Twitterで実施したアンケートの結果

 

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■OPENRECで実施したアンケートの結果

 

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■ニコニコ生放送で実施したアンケートの結果

 

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※放送時、選択肢に二万が無い不備がありました。謹んでお詫び申し上げます。

■プロ解答

六筒切り

 

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東切り

 

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二万切り

 

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■実況・解説陣 (アンケート時)

 

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勝又「まずこの場面で想定できる基本的なこととして、決勝戦のオーラスなのでダブル役満でも条件を満たさない2人から簡単に発が出てきてポンできるということは少ないんじゃないかということ。さらに、例えば高谷さんから発をポンできたとしてもその後にチーはさせてもらえないんじゃないかということは考えなくてはいけないです。」
優月「なるほど。」
勝又「なので、一牌も鳴けないかもな・・という状況下で絶対にノーテンと言えない親番、さぁどうする?ってことですよね。」
優月「難しい!!」
勝又「ちなみに優月さんなら何切ります?」
優月「ドラだけど東切るしかないんじゃないかなって・・・」
勝又「ここで東を持つメリットとしては、東が重なったアガリ、例えばドラドラ七対子などは優勝の決定打に近い打点になりうる。逆に東を切るメリットは、もっとも手広くてアガリに近いということ。」
優月「そんなに簡単にアガれそうには見えないので、とにかく目一杯広げたいなと思いました。さて、勝又さんの選択は!?」
勝又「僕も東を切る一手かなと思います。仮に東以外の牌を切って次巡東
が重なったとしてもその手牌はかなり重たいんですよね。もし東を切らないんだったら七対子に決め打ちます。」

■プロの視点
山中翼プロ
「この場面の選択としては、一万二万のペンチャン落とし、または手役を見ての六筒八筒切り。テンパイ必須の条件だけ考えると目一杯の東と三択の打牌候補があります。
下家の高谷プロはアガれば勝ちという状況で、さらにノーテンテンパイで負けてしまうことを考えると、目一杯に構える東切りが第一候補でしたが、僕の選択は自身の第二候補である六筒からカンチャンを払う選択肢を選びました。
八筒から切らない理由は、チャンタ三色を見ている訳ではなく、下家の手牌が整う前にタンヤオに必要な牌を切りたかったのが大きな理由。
第一候補だった東切りとしなかった理由はいくつかあります。
まず、周りに打牌制限があり、1枚鳴けるかどうかという特殊な状況で、フラットな場面だったとしてもテンパイできるかわからない厳しい牌姿から想像できたアガリ形が七対子でした。
ドラを重ねて七対子をアガリ切ることができれば次局大きなアドバンテージになるし、七対子を視野に入れながら道中発を鳴くことができた場合の打点の種にもなります。
もう1つ重要視していたのが、序盤のドラ切りで打点が無いと教えてしまう手組が高谷プロを楽にさせてしまうという考えでした。」

■終局図

 

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日本プロ麻雀連盟チャンネルはこちらから
OPENREC 日本プロ麻雀連盟チャンネル
ニコニコ生放送<PC版>

第12期グランプリMAX一次予選B卓レポート

吉田・黒沢が混戦を抜け出し通過!

2月15日、第12期麻雀グランプリMAX一次予選B卓が放送された。

対局者は伊藤優孝、黒沢咲、勝又健志、吉田直。

 

 

1回戦は大物手こそ無かったものの、南1局4本場供託2本という勝負どころで勝又がタンヤオドラドラの3,900。

 

 

これで頭ひとつ抜け出すとそのまま初戦トップを飾る。

2回戦は黒沢の高打点が炸裂。
カン二筒の三色をヤミテンに構えると…

 

 

リーチをしていてはどんなに頼んでも入れ替えられない九筒を引き入れ、ジュンチャンに昇格。吉田から12,000のアガリを手にした。

 

 

これでリードを築いた勝又・黒沢であったが3回戦では苦しい展開に。積極的に参加し続ける勝又は最後の1枚が遠く、アガリはゼロ。黒沢はオーラスに勝負懸けの高目三色リーチを敢行するも…

 

 

リーチ後に掴んだドラの七索を吉田がポン。三万を掴み、吉田へ11,600の放銃。

 

 

横一線の状況となり、最終戦は全員に十分な可能性のある点差で迎えた。

 

 

まず通過を決定づけたのは黒沢。東3局1本場にツモドラ3の2000・3,900。

 

 

南1局にタンヤオピンフツモドラの2,600オールと、どちらもヤミテンで手堅くアガリをものにした。
続く勝負どころは南2局。勝又が高目7,700のリーチ。

 

 

高目をツモるか吉田から直撃でアガれば一旦ほぼ並びという大物手だ。しかしここは吉田がカン三筒をツモり2,600オール。

 

 

これで勝負が決まり、一次予選B卓通過は吉田・黒沢という結果に。

 

 

続く一次予選C卓の対局者は前原雄大、HIRO柴田、紺野真太郎、仲田加南。
熱い戦いを是非お楽しみに。

ご視聴はこちらから

(文・浜野太陽)

第20期関西プロリーグ 第11節成績表

Aリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 10節 11節 合計
1 山中  翼 54.7 ▲ 34.9 ▲ 53.1 25.5 28.6 38.9 30.2 58.0   28.8 40.4 217.1
2 横山  毅 74.8 2.4 97.7 ▲ 5.7 47.0   ▲ 23.7 ▲ 20.4 22.0 10.6 ▲ 30.2 174.5
3 吉本 卓矢 26.0 73.7 ▲ 4.3 2.7   7.4 ▲ 10.3 35.6 19.1 ▲ 4.1 ▲ 31.2 114.6
4 藤川 議次 20.9 83.0 60.1 ▲ 13.8 ▲ 0.6   25.5 ▲ 11.2 ▲ 33.7 ▲ 38.0 8.3 100.5
5 城  裕介   ▲ 23.4 ▲ 28.0 47.9 37.6 ▲ 20.4 8.1 ▲ 82.4 10.3 106.7 16.6 73.0
6 北村 祐二 ▲ 7.3 9.5 ▲ 22.7 12.6 1.8 49.1 ▲ 1.7 ▲ 13.6 1.6   24.7 54.0
7 稲岡 ミカ ▲ 8.4 4.4 ▲ 18.3 2.1 ▲ 57.4   35.9 2.7 ▲ 25.5 30.1 44.8 10.4
8 辻本 翔哉 ▲ 48.1 ▲ 74.3 11.7 3.4 12.7   23.6 ▲ 13.5 63.5 ▲ 37.5 47.0 ▲ 11.5
9 音羽 なお ▲ 52.7 10.1 ▲ 16.6 ▲ 39.5 28.1 ▲ 1.2 29.5   ▲ 33.7 ▲ 35.0 31.8 ▲ 79.2
10 辻井 和也 ▲ 3.0 ▲ 25.8 ▲ 6.6 ▲ 21.9 30.0   ▲ 54.0 58.0 ▲ 4.3 ▲ 51.4 ▲ 39.9 ▲ 118.9
11 花岡 章生 18.7 16.7   ▲ 9.5 11.0 ▲ 28.8 ▲ 55.1 57.5 4.3 ▲ 65.9 ▲ 73.4 ▲ 124.5
12 長尾 浩平 ▲ 84.1 ▲ 37.9 ▲ 0.8   ▲ 59.5 ▲ 17.5 ▲ 8.0 ▲ 46.6 ▲ 0.3 77.1 12.4 ▲ 165.2
13 佐々木 亮 8.5 51.2 ▲ 19.1 ▲ 5.8 ▲ 80.3 ▲ 27.5   ▲ 24.1 ▲ 23.3 ▲ 22.4 ▲ 51.3 ▲ 194.1

 

Bリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 10節 合計
1 濱中 真志 4.8 ▲ 15.3 48.9 109.6 ▲ 31.0 ▲ 29.2 80.8 22.2 53.7 29.2 273.7
2 大橋慶一郎 5.0 87.8 ▲ 4.5 ▲ 1.5 23.6 45.2 37.9 ▲ 8.9 17.3 ▲ 26.9 175.0
3 丸山  直 38.1 34.1 64.7 43.8 0.5 1.8 ▲ 53.7 12.6 46.1 ▲ 26.6 161.4
4 米川 基紀 59.9 61.2 ▲ 17.1 28.2 ▲ 30.3 ▲ 7.0 ▲ 0.2 14.4 ▲ 21.3 ▲ 13.5 74.3
5 川上 直也 ▲ 8.3 24.7 ▲ 95.3 22.0 40.4 ▲ 9.0 6.6 22.4 7.8 32.5 43.8
6 吉田 圭吾 ▲ 7.6 18.4 1.5 1.5 ▲ 13.9 32.7 ▲ 45.2 5.5 8.3 27.1 28.3
7 山室 太二 ▲ 57.0 ▲ 40.8 73.0 ▲ 23.0 28.0 ▲ 77.4 62.1 33.8 ▲ 12.1 ▲ 35.1 ▲ 48.5
8 山神  剛 2.7 ▲ 41.9 ▲ 63.5 53.0 4.5 ▲ 28.0 ▲ 13.9 2.4 ▲ 20.0 33.4 ▲ 71.3
9 辰巳 晴基 15.8 ▲ 92.9 ▲ 43.4 ▲ 42.5 56.9 65.2 15.5 ▲ 32.4 ▲ 22.6   ▲ 80.4
10 福原  剛 23.4 ▲ 16.9 ▲ 8.0 ▲ 95.3 ▲ 25.5 16.3 ▲ 5.3 33.9 ▲ 18.3 9.1 ▲ 86.6
11 秋山 淑子 ▲ 45.4 3.4 ▲ 54.2 4.2 40.8 4.5 ▲ 34.5 ▲ 21.8 3.9 0.3 ▲ 98.8
12 稲垣 諒彦 ▲ 21.4 ▲ 36.7 77.7 ▲ 4.6 22.9 0.9 ▲ 54.7 ▲ 32.5 ▲ 45.4 ▲ 31.7 ▲ 125.5
13 上村 宜久 ▲ 47.9 ▲ 12.1 8.1 ▲ 58.2 ▲ 7.9 26.6 ▲ 54.7 ▲ 15.0 ▲ 8.4 2.3 ▲ 167.2
14 貫上 洋志 ▲ 12.1 7.0 11.1 ▲ 38.2 ▲ 131.0 ▲ 42.6 9.3 ▲ 56.6 ▲ 10.0 ▲ 45.1 ▲ 308.2

 

C1リーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 桑田 憲汰 63.4 33.3 45.6 51.1 5.2 198.6
2 美里麻 21.8 72.7 ▲ 31.4 18.0   81.1
3 高橋 侑希 36.6 ▲ 2.6 ▲ 14.5 ▲ 13.9 63.3 68.9
4 丸井 一輝 22.0 ▲ 10.9 31.6 ▲ 38.1 42.6 47.2
5 木下 恭子 26.7 ▲ 17.5 ▲ 28.3 48.2 7.2 36.3
6 伊原 達矢 29.1 ▲ 22.1 ▲ 15.2   3.9 ▲ 4.3
7 上村 政雄 ▲ 1.6 24.3 ▲ 29.2 ▲ 31.4 12.6 ▲ 25.3
8 佐藤 伶太 7.4 ▲ 9.6 ▲ 1.9 34.2 ▲ 79.8 ▲ 49.7
9 猪鼻 拓哉 ▲ 47.2 ▲ 52.2 16.9 14.9 10.4 ▲ 57.2
10 吉田 拓也 ▲ 19.5 30.2 ▲ 50.2 28.3 ▲ 55.0 ▲ 66.2
11 筒井 宏晶 ▲ 48.5 ▲ 32.9 51.2 ▲ 49.2 8.0 ▲ 71.4
12 山本 裕之 ▲ 46.9 ▲ 8.7 13.5 ▲ 31.0 ▲ 0.9 ▲ 74.0
13 井上 泰秀 ▲ 45.3 ▲ 4.0 ▲ 8.1 ▲ 31.1 ▲ 17.5 ▲ 106.0

 

C2リーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 山本 琢慎 23.6 ▲ 31.1 23.2 42.5 41.9 100.1
2 楠木 一朗 62.2 23.5 30.5 ▲ 42.5 ▲ 0.4 73.3
3 三代  凱 ▲ 13.1 66.4 ▲ 53.0 ▲ 5.3 60.1 55.1
4 後藤 正博   39.0 4.2   7.8 51.0
5 若井  翼 ▲ 15.6 48.2 44.0 ▲ 66.0 31.3 41.9
6 松尾  潤 ▲ 32.3 12.4 ▲ 26.0 64.7 6.1 24.9
7 黒羽  翔 ▲ 25.5 22.9 49.7 ▲ 10.5 ▲ 22.2 14.4
8 掛樋 忠雄 ▲ 21.1 10.3 24.1 ▲ 4.7 ▲ 13.5 ▲ 4.9
9 三好 直幸 94.1 ▲ 4.6 2.4 ▲ 150.0 14.7 ▲ 43.4
10 藤根 梨沙 ▲ 57.9 13.0 20.0 20.2 ▲ 51.0 ▲ 55.7
11 真田 悠暉 6.6 ▲ 19.2 ▲ 73.9 13.7 ▲ 64.1 ▲ 136.9
12 長野 恵美 ▲ 69.4 ▲ 95.4 10.9 ▲ 31.0 47.1 ▲ 137.8
13 南田 明宏 47.4 ▲ 85.4 ▲ 56.1 ▲ 4.1 ▲ 57.8 ▲ 156.0

 

C3リーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 合計
1 黒石  翔 18.2 48.5 37.7 46.2     150.6
2 原田 保正 51.0 34.9   32.5 ▲ 38.3   80.1
3 金子 大地 ▲ 13.4 ▲ 10.8 34.7   40.1   50.6
4 中川 天基 76.7 ▲ 14.7 ▲ 49.6 ▲ 28.4     ▲ 16.0
5 寺本 光一 30.3 ▲ 7.8   ▲ 50.3 11.4   ▲ 16.4
6 天江しおり ▲ 64.2           ▲ 64.2
7 福田 和真 ▲ 70.9 ▲ 26.0 4.0   ▲ 33.2   ▲ 126.1

第12期グランプリMAX一次予選A卓レポート

その年に活躍した選手やビッグネームが集結して、年度末に開催されるタイトル戦『麻雀グランプリMAX』が今年も始まりました。

一次予選A卓に出場した選手は

 

 

森山茂和・蒼山秀佑・二階堂亜樹・藤島健二郎の4名。

 

 

1回戦は開局から連荘した亜樹が安定した局回しで好スタートを切ると

 

 

続く2回戦では初戦3着だった森山が、藤島からの国士無双の出アガリを皮切りに

 

 

そこから怒涛の手役ラッシュ。
持ち味の打点力を発揮して特大トップを奪い、亜樹をかわしてトータルトップ目に浮上しました。

 

 

3回戦以降は蒼山が調子を上げ、森山・蒼山・亜樹の三つ巴で最終戦に突入。
森山・蒼山を追いかける展開になった亜樹は4局連続流局後に

 

 

ホンイツを蒼山から直撃して逆転。

 

 

最後は森山との着順勝負となった蒼山が、オーラスの親番で森山の逆転手をかわして一度はピンチを凌ぐも

 

 

次局、再び森山に入った逆転手をツモられて勝負あり。

 

 

森山・亜樹が二次予選に駒を進めました。

<グランプリMAX一次予選A卓成績>
森山+32.6P 亜樹+31.2P 蒼山+31.0P 藤島▲95.1P

(文:越野智紀)

第38期鳳凰位決定戦最終日レポート

【佐々木寿人が2連覇を達成】

 

 

鳳凰位決定戦もいよいよ最終日。3日間12回戦を終えて佐々木の1人浮き。古川・前田との差はおよそ80、黒沢とは150の差がある。
追う側の3名の共通目標は「佐々木を沈める」事だが…。

東1局。佐々木がドラを重ねて七対子八索単騎。前田から出て9,600のアガリ。

 

 

南3局に古川がダブ南ホンイツ、
2,200・4,200をツモって浮きに回るが

 

 

オーラスは黒沢と前田の2人テンパイで流局し、古川は沈みの2着。佐々木の1人浮きで13回戦が終了。

東3局1本場。親番黒沢の先制リーチが入る中、前田が456三色確定のペン七万で追いつく。三筒切り追っかけリーチに出るが

 

 

黒沢の中ドラ3、12,300(+2,000)に放銃となる。

佐々木とトップラス。理想的な並びでオーラスを迎えた黒沢だが、点差を考えると素点はいくらでも欲しい場面。七対子でテンパイした黒沢はドラ七索単騎リーチ。

 

 

佐々木は発五万をポンしてトイトイのテンパイ。黒沢から九索が出て7,700は8,000(+2,000)のアガリ。佐々木が3着に浮上する。

次局は古川が2,200・4,200のアガリで佐々木の連荘を阻止。

 

 

15回戦は佐々木の1,300・2,600ツモアガリからスタート。

 

 

東2局には南暗刻の待ち選択で二筒を先処理。

 

 

黒沢のツモリ四暗刻”二筒””西”待ちリーチが入るが、佐々木もテンパイを取り切る。

東3局1本場には前田が中をポン、カン二万待ちをツモって2,000・3,900は2,100・4,000(+2,000)。

 

 

東4局には古川がフリテン高め六筒ツモの4,000オール。

 

 

南3局には前田がドラ暗刻のトイトイをツモリ三暗刻で決めて3,000・6,000(+1,000)。
佐々木に親被りさせてようやく沈みを押し付けるが

 

 

オーラス。親番古川の先制リーチに、佐々木はメンタンドラの三筒四筒追っかけリーチ。

 

 

5,200をアガった佐々木は浮きの3着に。大きなリードを維持して最終戦を迎えた。

東1局に親番古川にドラ暗刻の手。六索九索リーチで12,000のアガリ。

 

 

南2局には前田が11,600は12,200のアガリ。古川、前田が点棒を持つが

 

 

前田が親番を繋いだ4本場。とうとう佐々木が二索五索で捌く。1,000は2,200のアガリ。

最終戦オーラス。
古川は役満、前田はダブル役満が必要。黒沢はトリプル役満直撃でも古川と変わらずという条件となり

 

 

オーラスは全員ノーテンで終了。
第38期鳳凰位決定戦は佐々木寿人が優勝。2連覇達成となった。

 

 

4位 黒沢咲

とにかく寿人さんが強かった。もう少し良い戦いをしたかったけど、勝負手がなかなか決まらず未熟さが出てしまった。本当に沢山の方に応援していただいて、噛み締めながら打っていました。ありがとうございました。

 

3位 前田直哉

初日から我慢が続いたので、どこかでチャンスが来るかと思っていたのですが、リードしている寿人が揺るがなくて、放銃してもすぐ盛り返す底力があった。また彼に挑戦出来る様に頑張りたい。

 

2位 古川孝次

初日のマイナスがずっと尾を引いていました。最終日は王道のメンゼンを使って全ツッパで行こうと思ったけど、(13回戦に)寿人に走られてしまって難しいなと思いました。

 

優勝 佐々木寿人

本当に嬉しいですけど1ヶ月間キツかったです。2日目にリードを取れて、そこから負けるわけには行かないという気持ちがありましたが、何とか連覇する事が出来ました。ありがとうございました。

 

 

(文:編集部)

第9期麻雀プロアマオープン競技会 準々決勝・準決勝・決勝レポート

2022年2月13日土曜日、第9回麻雀プロアマオープン競技会の準々決勝、準決勝、決勝戦が行われた。
ルールはWRCルールの制限時間60分。

 

 

準々決勝

 

 

A卓 山田樹プロ×有田将之プロ×のりさん×山部正人さん
勝ち上がり 山田樹プロ、山部正人さん

 

 

B卓(放送卓) 柴田吉和プロ×後藤竜司さん×ルギアさん×シマカタさん
この卓は前回優勝シードの柴田吉和プロに、アマの方3人という卓になった。
ルギアさんが仕掛けなどの手数で加点、柴田プロも親での加点で通過。

 

 

勝ち上がり 柴田吉和プロ、ルギアさん

 

 

C卓 藤原隆弘プロ×くまっちさん×西角健二さん×立岩知郎さん
勝ち上がり 西角健二さん、立岩知郎さん

 

 

D卓(放送卓) 荒正義プロ×松村祐輔さん×藤次祐紀さん×かずや☆雀アカさん
こちらのD卓はレジェンド荒プロとアマの方3人という戦い。
かずやさんが東場で4万点を超えて一安心と思いきや、親番の荒が大爆発となり5連続アガりの8万点付近に。両名がそのまま勝ち上がりとなった。

 

 

勝ち上がり 荒正義プロ、かずや☆雀アカさん

準決勝

 

 

A卓 柴田吉和プロ×荒正義プロ×山部正人さん×立岩知郎さん
準決勝A卓はプロとアマの2対2の構図。
柴田プロが頭1つ抜けオーラス、3人競りの中、荒が親番で6.000オールを決め、逆転トップに。

 

 

勝ち上がり 荒正義プロ、柴田吉和プロ

 

 

B卓 山田樹プロ×ルギアさん×かずや☆雀アカさん×西角健二さん
準決勝B卓はプロ1名とアマ3名という卓。
かずやさんが序盤でトップ目に立つが、山田プロが親番で4.000オールを決め、オーラスに3人が2.000点内の僅差に。親の西角さんがヤミテンでツモアガリし、通過を決めた。

勝ち上がり 西角健二さん、山田樹プロ

 

 

決勝

 

 

柴田吉和プロ×荒正義プロ×山田樹プロ×西角健二さん
決勝卓はプロ3名とアマ1名という構図。
東4局山田プロの親番で加点を決め6万点を超える点棒状況に。
南場は流局が多く、山田プロのトップのままゲーム終了となった。

 

 

優勝 山田樹プロ
2位 荒正義プロ
3位 西角健二さん
4位 柴田吉和プロ

 

 

 

優勝は37期生の山田樹プロとなった。柴田、荒の両名に勝ちきることができた決勝は、自信になるだろう。今後の活躍にも注目したい。
第10期麻雀プロアマオープン競技会はすでに始まっている。果たして次回優勝するのは誰になるのか。次回もお楽しみに。

(文、鈴木誠)

戦術の系譜27 三浦 智博

「連盟公式ルールが難しくて打ち方が分かりません」

以前ある後輩プロに聞かれた質問です。
そのプロは、一番よく打つМリーグルールに近いルールでは好成績を残せているけど、連盟公式ルールでは成績を残せずリーグ戦を降級してしまって悩んでいるとのことでした。

実はこの手の質問はプロ、アマの方問わずたまに受けるのですが僕はこう答えるようにしています。

「連盟公式ルールが一番シンプルです」

僕自身公式ルールについてはまだまだ研究、改良の余地があると考えていますが、これだけは間違いないと思っています。

この「シンプル」というのは「簡単」という意味ではなく、麻雀に対してシンプルに考えるのが強いという意味です。
例えば「速さと打点のバランスのとれた手組や鳴き」だったり「手牌の価値を理解した正確な押し引き」などの基本的な能力が成績に直結しやすいです。

当然Мリーグルールでも大事なことなのですが、前回までの話にあったように大きな順位点や一発赤があることにより選択が複雑になります。

さて今回のテーマなのですが上記と一緒によく聞かれる質問で「序盤の打点を見た手組」について書いてみようと思います。

連盟公式ルール 西家1巡目

 

100

 

四索中が浮いていてドラが中なので、四索を切るのが無難に見えます。しかしこの手は手なりで進めてもドラが重ならないかぎりリーチのみ、しかも愚形残りになりそうです。

ということで、三色やタンヤオの種である四索は残したいところです。当然ドラの中も残したいので他の選択を考えてみましょう。

四筒西はどうでしょうか?上手くいけば三色やタンピンで高打点になるかもしれないです。しかし、一番手っ取り早い七対子ドラドラの可能性が下がるので最善手とは言えません。

残る選択は九筒です。唯一手役に絡んでいないターツを外して、その間に何を引くかでこの手の方向性を決めるのは有力な手です。

ということで、九筒が手役を狙った連盟公式ルールならではの選択・・・なのですが、じつはМリーグルールでも九筒切りがよかったりします。
一発裏ドラがあってもリーチのみの愚形はハイリスクローリターンだからです。

ただしМリーグルールには次のようなパターンがあります。

 

100

 

先ほどの牌姿から五万赤五万に変わりました。これなら赤を使ったリーチで十分勝負手になりうるので手なりで四索を切る手も有力になります。

今回の話をまとめると、価値の低い手の時に手役を見た選択はどちらのルールも同じなのですが、赤や一発裏ドラがある分、Мリーグルールは手なり進行が有利になることがある、ということです。

3回にわたって「連盟公式ルールとМリーグルールの違い」をテーマにこの戦術の系譜を書かせていただきましたが、今回の記事が最終回となります。
僕自身まだまだ勉強中ですので、皆さんにとって価値のある内容になったかは分かりませんが、この記事を読んだことで少しでも連盟公式ルールや、Мリーグルールが前より面白いと思っていただけたら幸いです。

最後まで読んでいただきありがとうございました!さようなら!

地方リーグChampionship2022レポート

全国の8拠点の王者が一同に集まり、真の頂点を決める地方チャンピオンシップ。
今回のメンバーは以下の通り。

 

 

予選
2卓で半荘1回ずつ行い、各卓の上位2名が決勝戦に駒を進める。

決勝
2半荘のトータルポイントを争い、優勝者を決める。
この地方チャンピオンシップの優勝者には麻雀グランプリMAXの参加権利を与えられる。

 

予選A卓起家から
竹田(皇帝位準優勝)
増田(北関東リーグ優勝)
里木(北陸リーグ優勝)
青嶋(静岡リーグ優勝)

東1局から果敢に鳴いた青嶋が、竹田から役役ホンイツの7,700の出アガリ。
まだソーズが余っていないこともあってか、打ち出された六索だったが、この1回勝負での7,700はかなり痛い放銃となった。

 

 

東2局、先程7,700を放銃した竹田がツモり四暗刻のテンパイ!リーチといく。

 

 

ダブ東トイトイをテンパイした増田から8,000出アガリ。

 

 

東4局、東3局に5,200をアガった青嶋が、決勝の椅子を決定づける4,000オール。
持ち点が5万点オーバーになる。

 

 

南1局、里木がヤミテンで青嶋から6,400は7,000の出アガリ。
青嶋にとっては打点は高かったが、局が進むので悪くはない放銃になったか。

 

 

南4局、3着目竹田と2着目里木の点差は3,000点。
結果は竹田、里木の2人テンパイで終了。
竹田は何度か勝ち上がりの手順があっただけに悔しい敗退となった。

 

 

勝ち上がり 青嶋、里木

 

予選B卓起家から
山中(太閤位)
杉村(中部リーグ優勝)
石井(天翔位)
西野(雪華位)

フレッシュなA卓とは対象的に、ベテラン勢の多いB卓。
東1局は西野のリーチ、ツモ、東の1,000・2,000からスタート。

 

 

東2局、杉村はピンフイーペーコードラ、西野はチンイツと勝負手がぶつかった局だったが、石井に軍配。
リーチ、ツモ、ドラドラの2,000・3,900のアガリ。40,000点を超えて1人抜ける。

 

 

南2局、ここまで展開が辛かった4着目山中が、力強い2,000・3,900(2,200・4,100)のツモアガリで3着に浮上。
石井以外の3名が接戦に。

 

 

南4局、連続で3,900をアガった親番西野が2着となり、伏せれば通過となった続く2本場。
山中、杉村共に勝ち上がりの手が入るも2人テンパイで終了。

 

 

2卓勝ち上がり 石井、西野

 

決勝戦1回戦起家から
青嶋、石井、里木、西野

東2局、親番石井がリーチピンフドラをツモアガリ。2,600オール。

 

 

続く1本場、西野に大物手が入る。
ホンイツ、トイトイ、東ドラドラを青嶋から出アガリ。

 

 

(西野は北をポン)

東4局、里木がリーチ、ツモ、三暗刻で大きな2,000・4,000をアガる。

 

 

南4局、南場は西野が軽快に捌いていき、最後は青嶋の1人テンパイで終了。

トップから
西野+18.5P
石井+11.2P
里木 ▲7.3P
青嶋▲23.4P

2回戦起家から
石井、里木、青嶋、西野

里木が東1局から2,600、3,900、1,500(+300)を連続でアガリ順調に加点をする。

東2局、1回戦の4着や、前局では頭ハネなど決勝に来て苦しい展開が続いていた青嶋が執念をみせる。
リーチ、ツモ、イーペーコー、ドラの2,000・3,900(2,200・4,100)のアガリ。

 

 

南1局、里木が、4着目で最後の親となった石井から5,200の出アガリ。
0.1P差ながらトータルトップ目に立つ。

 

 

 

南4局、連荘条件の西野が三色でテンパイ。
アガれば優勝の里木はペン三万でテンパイ。
この一騎打ちは次局に持ち越しとなるかと思われたが、西野が無筋の一万を持ってきて打三万として勝負あり。

 

 

 

優勝は北陸リーグ優勝の里木祐介となりました!

 

 

(文:蒼山秀佑)

第9期麻雀プロアマオープン競技会 本戦レポート

本戦を勝ち上がった選手は、翌日2/13(日)に夏目坂スタジオで行われる準々決勝に進出します。

 

 

プロアマオープン競技会に関してはこちら

【大会システム】WRCルール
①32名で半荘3回戦を行い12名がトーナメントへ
②12名をABC卓の3卓に分けてトーナメント半荘1回戦を行い、各卓上位2名が通過。
③3位で一番持ち点の多い者1名が通過。合計7名が準々決勝に進出

 

 

 

全卓2回戦が終了し、最終戦開始前の12位は+9.1P。
たくさんポイントを持っている者は守備に回り、ギリギリの者は+9.1Pより多めに稼いでおきたい。足りない者は逆転狙いの勝負に打って出る。
トライアル形式の対局では、最終戦の通過ラインは上がる事がほとんどです。

 

 

しかし今回はかなりの接戦。最終戦トップに上位陣が多かったのも重なり、+3.1P下がるレアケース。+6.0Pまでがトーナメント進出となりました。

12名を3卓に分けてのトーナメント1回戦。

 

 

卓内1位と2位の6名+規定により、3位で一番持ち点の多い7名が準々決勝進出を決めました。

ベスト16進出者

かずや☆雀アカさん
立岩知朗さん
西角健二さん
のりさん
シマカタさん(3位枠)
松村祐輔さん
山部正人さん

上記に前回優勝者、連盟タイトルホルダー、巣鴨道場月間ランキング上位者などのシード選手を加えて準々決勝が行われます。

【第9期麻雀プロアマオープン競技会~準々決勝・準決勝・決勝~無料放送】

2022/02/13(日) 13:00開始

準々決勝の組み合わせは画像をご覧ください

 

 

(文:編集部)

第20期北関東プロリーグ決勝レポート

【第20期北関東プロリーグ決勝戦、優勝は初出場の増田真人!】

2022年2月7日に行われた決勝戦、まずは進出した4名を北関東支部のTwitterを引用して紹介する。

1位通過、重原聡(26期、プロリーグはD2)
「スタジオ対局が初めてなので、絶対緊張すると思います。先ずは落ち着いて自分の麻雀が出来て、決勝のスタートラインに立てると思います。後は思いっきり楽しんでチャレンジしたいと思います!」
今期はぶっちぎりでの決勝、勢いのまま本命か!

 

2位通過、増田真人(37期、プロリーグはD2)
「37期前期の増田真人です。放送対局初めてですが、気負うことなく自分の麻雀を打ち、勝利を目指します。頑張ります。」
まだデビューして間もないながらも既にD2、そして北関東決勝と実力は十分!

 

3位通過、小林正和(31期、プロリーグはC1)
「手強い対戦相手が揃い、誰が勝ってもおかしくない決勝メンバーとなりました。最近の対局ではなかなか勝ちの報告が出来ずにいるので、ここでの優勝をきっかけに風向きを変えたいと思ってます。そして最後は強い気持ち!!」

 

4位通過、新井駿一(30期、プロリーグはD2)
「優勝インタビューのことで頭いっぱいですが、楽しみつつ観てる人がワクワクする麻雀が打てるよう頑張りますので、応援宜しくお願いします。」

新井は2年連続の決勝進出。
『配牌の良さが持ち味』という面白い(?)紹介だったが、昨年の決勝では恵まれずジリ貧で終わってしまい、悔しかっただろう。

1回戦、南場の親も落ちてラス目。今年も…と不安がよぎったが、この一撃。

 

 

新井は、2回戦も引き続き好調。
1人浮きで迎えた南4局の親番は、“好配牌”からの4巡目リーチ。
誰も立ち向かえず、悠々と高目のドラをツモって2,600オールとさらにリードを広げる。

 

 

同1本場も親の新井の先制リーチ。
出アガリでも11,600、河も非常に強く、ここで今日の大勢を決めてしまいそうだった。

 

 

しかし、本局は小林と増田のファインプレーに阻まれる。
小林は待ち替えの誘惑に負けず、同じ待ちのまま押して、三索を打たず。

 

 

増田は白のトイツ落としで回りながら終盤にテンパイ、アガリ切って終局させた。

 

 

3回戦、増田と小林が猛追するも、なかなか新井の点数は減らない。

 

 

重原のリーチを受け、トイトイ、ドラ2のテンパイから当たり牌の四筒を掴んでオリ。
なかなかできる打牌ではない。(新井は一索三索をポン)

 

結果から振り返ると勝負のアヤはこの局だったと思うが、逆にリーチの増田からアガることになれば決定打。
終局後のインタビューでも、押したことに後悔はしていないとのこと。
ちょっと多くドラを送り込んだ、麻雀の神様の悪戯に思えてしまう。

 

 

 

最終戦、スコアは次のキャプチャを見ていただきたいが、重原はやや離れてしまい、増田と小林が新井を捕らえられるかといったところ。
しかし、今日の小林は不遇な高い放銃が多かった。

 

 

誰が打ってもおかしくない重原のホンイツ、七対子、ドラ2に飛び込んでしまい、これで終戦。
それでもこの中での実績が一番(第3期と第9期のJPMLWRCリーグ優勝)なだけあって、手組も押し引きも良かったと思う。
彼の努力と実力を買っているので、急に僕の思いをぶっこむのだが、3連覇くらいお願いしたい。

増田と新井の優勝争いは、勝負処を連続して制した増田に軍配が上がった。
新井にとってはどれも妥当な打牌で、どれか1つでもアガれていれば勝てただけに、やり切ったとはいえ、悔しさが残る敗戦となってしまった。
今日は優勝した増田を称えよう。

(その1)二筒を選べば回避できたが、中筋の四筒になるのは仕方がない。3,900点。

 

 

 

(その2)当然のポンテンも、追いつかれた上に薄い六索を掴んでしまい、またも3,900点の放銃。

 

 

 

(その3)親重原との2件リーチになるが、無筋を勝負した増田がアガリ切る。
オリていたら、山には新井のアガリ牌の九筒しかなかったので、どうなったかわからなかった。

 

 

 

 

 

増田「1回戦は凄い緊張して…2回戦から落ち着いたんですけど…1回戦は反省すべき点が多かったと思うので、後で見直したいと思います。」
(2/12(土)の地方リーグチャンピオンシップに向けて一言)
増田「緊張しないで、楽しんでぶつかっていこうと思います。応援よろしくお願いします。」

増田さん、優勝おめでとうございます!

 

 

(文:福光聖雄)

女流プロ麻雀日本シリーズ2022 第4節レポート

【女流プロ麻雀日本シリーズ2022 第4節レポート】

 

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2022/2/4(金)は13〜17回戦が行われた。システムは以下の画像の通り。

 

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【13回戦】

 

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佐月がイーペーコーを確定させて六索を切っての六万九万リーチ。裏ドラ2枚で3,000・6,000。

 

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東3局にはドラ雀頭の一万四万リーチ。現物待ちタンヤオテンパイの宮内が一万をツモ切り、メンピンドラドラ裏で8,000で加点し、佐月が大量リード。

南1局。日向がドラ雀頭の三筒六筒リーチ。
和久津が中をポンしてペン三筒待ち。
佐月は三暗刻完成の六筒単騎だが、4枚目の三筒引き。カン四筒にも受けられるが

 

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佐月は三筒暗カンを選択すると、カンドラで三万が乗る。ドラの九索単騎に待ち変えで六筒を勝負し、日向のアガリ。裏ドラが3枚乗って12,000の直撃となる。

 

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13回戦 結果
日向 +23.0
佐月 +12.2
宮内 ▲5.4
和久津 ▲29.8

【14回戦】

 

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魚谷の親リーチを受けた逢川。七索七索八索九索の役なしテンパイで魚谷から七索がツモ切られてしまい、ロン出来ず。

 

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しかしドラが通った事により二万五万八万三万待ちになった所で追っかけリーチ。一発ツモで2,100・4,100(+1,000)を決める。

 

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南2局には親番東城がツモリ三暗刻の三索三万待ちリーチ。魚谷が3メンチャンで追っかけリーチを打つが、ドラの三索を掴んでしまい、東城12,000(+1,000)のアガリ。

14回戦 結果
東城 +34.4
逢川 +8.7
宮内 ▲2.1
魚谷 ▲41.0

【15回戦】

 

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内間が五万八万リーチ。親番魚谷はタンヤオのカン六万テンパイが入るが、テンパイ外しの八筒切り。次巡タンヤオ三色に仕上げて追っかけリーチに出る。

 

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メンホンカン八索待ちの高宮が内間のロン牌を掴むがビタ止めのファインプレー。そして内間がラス牌の六万を掴んでしまう。
裏ドラが六筒でメンタン三色ドラ3の18,000(+1,000)。魚谷が14回戦のラスをほぼ帳消しにするトップ。

 

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オーラスは日向が中ポン、五索チーで二索五索待ち。1,100・2,100(+1,000)のアガリで2着キープ。

15回戦 結果
魚谷+39.8
日向 +8.5
高宮 ▲9.8
内間 ▲38.5

【16回戦】

 

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日向が六万九万リーチ。ドラ七索を暗カン。新ドラでタンヤオが付く六万をリンシャンからツモって4,000・8,000(+1,000)。

 

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東3局は、岡田がペン三筒のドラ待ちリーチ。裏ドラも乗って2,000・4,000(+1,000)。

 

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16回戦 結果
日向 +29.3
岡田 +5.9
逢川 ▲6.2
黒沢 ▲29.0

【17回戦】

 

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東城が二索五索リーチ。3メンチャンで追っかけリーチを打った菅原から二索が出て東城のアガリ。裏ドラ2枚で8,000(+1,000)。

 

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東3局。トップ目の東城が先制リーチを打つが、佐月が三筒六筒一筒待ち追っかけリーチで反撃。ドラの一筒をツモって裏ドラ1枚、3,000・6,000(+1,000)のアガリ。

 

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17回戦 結果
佐月 +26.9
東城 +16.7
菅原 ▲11.2
黒沢 ▲32.4

 

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第10期 JPML WRCリーグ ベスト8B卓レポート

ベスト8B卓に出場した選手は

 

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古橋崇志・本田朋広・黒木真生・原佑典の4名。

 

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開局からリーチチートイツ裏ドラ2を本田から

 

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リーチタンヤオ裏ドラ2を原から直撃した古橋は

 

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ドラ4枚を使った中ホンイツもツモアガリ、貰った好材料を全てアガリに結びつけて1回戦で大きなトップを取ります。

 

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古橋の猛攻をモロに受けてしまった本田は、黒木から小三元をアガって息を吹き返すと

 

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次局の4,000オールでマイナスを綺麗に完済。

 

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3回戦は本田の負債を渡されていた黒木にチャンスが回ってきて

 

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立て続けに古橋から大物手を討ち取り、順番に回ってきたチャンスを全員が活かす形でトップとラスの差が近づいていきます。

通過ラインの黒木・原の浮きが10ポイント強と三番手以降もトップを取れば逆転可能な僅差で迎えた最終戦は

 

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まず黒木が一人抜け出す4,000オールをアガリ

 

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続いて原も6,400の直撃で並んでいた本田を振り切って逃げ切り。

 

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ベスト8B卓からの決勝進出は黒木真生・原佑典に決まりました。

<JPML WRCリーグベスト8B卓成績>
黒木+61.8P 原+8.6P 本田▲29.6P 古橋▲40.8P

(文:越野智紀)

第17期静岡プロリーグ 決勝レポート

第17期静岡リーグ決勝戦に出場した選手は

 

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青嶋宏樹・平岡理恵・石津寿人・太田昌樹の4名。

1回戦から持ち前のフットワークの軽さで青嶋が場面を支配していくと

 

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九筒切りからカン五筒をチーして七筒切りという怪しげな仕掛けで石津を捕え、タンヤオ三色ドラ2は7,700のアガリでリードを広げていきます。

 

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青嶋の手数に対して一撃の重さで勝負したい太田は、タンヤオピンフみたいな捨て牌でチンイツドラ3・高目イーペーコーの超勝負手でリーチ。

 

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ピンズを勝負してテンパイを取った青嶋は肝を冷やすことになりましたが、結果は流局で太田の渾身の一撃は空振りに終わりました。

その後も青嶋の仕掛けと、他家の高打点という対決の図式が続きましたが

 

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無数の攻撃の中に忍ばせた鋭い刃で全員を切り刻む青嶋に隙は無く

 

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3回戦までの37局中15局で仕掛けて攻め抜くと、最終戦を残して二番手と80ポイント近く離す快走劇を見せました。

 

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最終戦、なんとか青嶋からの直撃が欲しい石津は2枚切れの九索単騎待ちでのリーチを敢行。
789の三色で仕掛けて九索を持っていそうな青嶋からの降り打ちを狙った大勝負に出ます。

 

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懸命に降りていた青嶋は残り1巡で現物が枯れ、石津の書いた脚本通りに事が進行。
リーチ後に六索が通ったことで、2枚切れの九索で倍満放銃待ったなしの状況になりましたが

 

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長考の末に六万を捻り出し、最後の難所を無事通過。

 

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親の残っていた平岡が最後に連続満貫ツモで意地を見せるも反撃もそこまで。

 

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第17期静岡リーグは青嶋宏樹の優勝で幕を閉じました。

<17期静岡リーグ決勝戦成績>
青嶋+66.0P 平岡+18.7P 石津▲23.5P 太田▲61.2P

(文:越野智紀)

第10期 JPML WRCリーグ ベスト8A卓レポート

【第10期 JPML WRCリーグ ベスト8 A卓 渡辺英梧・佐々木寿人が決勝進出】

 

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渡辺英梧

佐々木寿人

桜川姫子

中村毅

 

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【1回戦】

東2局3本場。佐々木がトイトイ三暗刻4,300オールのツモアガリを決めて大きくリード。

 

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リードを持った佐々木は手を緩めない。中村の親リーチに一万四万七万で追いつきリーチに出るが

 

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宣言牌の四索で中村がロン。12,000のアガリで浮きに回る。

東4局。親番の桜川にチャンス手。6巡目にドラ五索引き。対子手を強く見る六索切りとし、仕掛けた佐々木が一索を切るがポンもせず。是非とも決めたい手だったが

 

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佐々木に中ドラの500・1,000でかわされてしまい、桜川には厳しい半荘となった。

 

【2回戦】

2番手中村が+14.6。渡辺と桜川は気を取り直して中村を捉えたい所だが、先に名乗り上げたのは渡辺だった。

東1局にリーチ一発ツモ発ドラで2,000・4,000のアガリ。

東3局にも同じくリーチ一発ツモ発で4,000オール(+1,000)で持ち点を52,800点まで伸ばす。

2本場では一筒単騎。純チャン三色イーペーコーの18,600(+1,000)のアガリ。放銃はメンピンイーペーコードラのリーチを打っていた桜川だった。

 

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アガリ倒した渡辺は南3局2本場に2,900は3,500のアガリで10万点超え。半荘1回で+90.2をマークし、ほぼ当確。

1回戦トップの佐々木は▲0.1の2着でほぼ無傷。中村、桜川にとってはあまりにも痛い2回戦であった。

 

【3回戦】

東3局。中村は345三色にこだわり残したカン四索リーチ。一発でツモって3,000・6,000を決めて反撃開始。

 

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次局渡辺から先制リーチに怯まず、中村も三索切り追っかけリーチを打つが、宣言牌で渡辺がロン。リーチドラ3、8,000の直撃で中村を突き離す。

オーラスは渡辺と桜川の2軒リーチとなり、リーチ棒が出た事により佐々木を捲れる中村が300・500(+2,000)のツモアガリで2着に滑り込んだ。

 

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【最終 4回戦】

 

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東3局2本場。桜川が五索をポンしてチンイツドラ。6,200オール(+1,000)のアガリ。

 

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東4局には中ホンイツの四万七万を中村から見逃し。中村をラス目にすると渡辺と佐々木との点差が埋まらないからである。次巡メンホン七対子の五万単騎に受け変えてツモか直撃を狙うが流局。

南場の親番に全てを賭けたい中村と桜川の望みを断ち切ったのは佐々木だった。

南2局2本場。中村のテンパイ打牌三索に佐々木がロン。

 

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タンピン三色12,600(+1,000)をアガると、3本場には発中ホンイツ12,900を桜川からロン。

 

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南3局には最後の親番を落とせない桜川から発ドラ3。8,000は9,500で決定打。

オーラス、桜川の通過条件は佐々木からトリプル役満直撃となってしまった。

オーラス親番の中村は1人テンパイで親番を繋ぐが、1本場でのテンパイ打牌白で渡辺がロン。これにより全対局が終了。

 

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第10期JPML WRCリーグ、A卓からの決勝進出は

渡辺英梧

佐々木寿人

の2名に決定した。

 

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第233回:プロ雀士インタビュー前編 魚谷侑未  インタビュアー:福光聖雄

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2022年1月5日、A2リーグ最終節A卓の対局を祈るように観戦する僕がいた。
魚谷、初戦をトップ。やや安堵する僕。
しかし、僕の祈りとは裏腹に、その後4着を3回。
魚谷の降級は決定的になってしまった。
(補足:サムネイルは、最終節の対局後のインタビューのキャプチャ)

ファンの方は想像つきにくいかもしれないが、――まあ、なったことのない僕が言うのも違和感があるが――Aリーグからの降級は非常に重いし、悔しい。
この数日後に予定していた女流桜花と鸞和戦の優勝インタビュー、その優勝など吹き飛んでしまい、慰撫するインタビューになってしまうのではないか。
そんな心配をしながら、インタビューに臨んだのである。

【麻雀の変化】

もう一つ僕には心配事があった。
お互いに麻雀には熱く、盛り上がるのはいいのだが、熱くなりすぎてしまい、インタビューが麻雀だけにならないかと。
重要なイベントとして、魚谷は昨年に結婚している。
魚谷ファンは目を瞑りたくなるかもしれないが、そのあたり、しっかりとインタビューしていきたい。

福光「去年の出来事を振り返って、どんなことがありました?(露骨)」

魚谷「あー、結婚したねぇ。1月に入籍したからそろそろ1年だわ。」

福光「うんうん。急だったからびっくりしたよ。他にはー?」

魚谷「リーグ戦で最下位になった。」

 

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魚谷「リーグ戦で最下位になったときに、麻雀を見つめなおさないといけないなと思ったの。そこまでは何かしっくりきてない感覚はあったのだけど、忙しいことを理由に向き合えてなかった。」

世の中にコーチが存在するように、自分で自分のプレーを見直して修正していくのは難しい。
結果が偶然に左右される麻雀は特に難しいと思っている。
魚谷はさらにこう続けた。

魚谷「一昨年、黒沢さんがリーグ戦でA1に昇級したじゃん。リスペクトもあって、もう少し打点寄りにしたほうがいいのかなーと鳴きを減らしたのよ。でも、その弊害で、鳴くべきときにも仕掛けてなくて、それがダメだった。」

魚谷「あと、自分にはそのスタイルが合わないのもあった。今期は(よく仕掛ける)藤島さんが勝ってるし、今は自分に合った麻雀にした方がいいって思ってるよ。」

魚谷の強さの一つは『理詰め』であると思う。
女性は感覚的、男性は理論的な人が多いと一般的には言われているが、魚谷と麻雀の話をすると、理論がちゃんとしているなぁと思わされることが多い。
この自己分析も印象的だったが、夏以降、練習量を増やしたと断言したのも驚いた。
魚谷自身も、この修正と練習量の増加による効果を実感しているという。

魚谷「あともうちょっとで残留に届きそうだったけどねー。前半(内容が)悪かったから仕方ないよ。そこから立て直そうと最善は尽くせたから。」
とサバサバした様子。

【Mリーグ、セガサミーフェニックスに東城りおが加入】

福光「今期から後輩にあたる東城さんが加入して、なにか変化はあったりする?」

魚谷「心の部分で、どういう心構えで打ったらいいかは、よくアドバイスしてるかも。元々メンタル強いからあまり心配はしてないけど。チーム戦って思うと、日和ったり行き過ぎたりしちゃうから、個人戦と思ってやりな、って言ってるよ。そういうのはベテラン3人が引き受ける。」

今期始まってすぐだったか、『自分でなんとかしなきゃって思っちゃったよー。チームメイトを信じなきゃ。』と内輪のグループLINEに嘆いたことがある。
責任感の強い魚谷らしいエピソードで気に入っている。

 

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左ビスコ、右もちゃ。最近のプライベートは猫しか語ることありませーん、とガード固し。

「もういい!一人で生きてく!」「ダメです。結婚しなさい。」こんなやりとりした仲じゃん。

【13年間の思い出】

魚谷と僕は同期の25期生。今年度が終わって、プロ入り後13年が経過する。
ほぼ13年の付き合いなのだが、どういうキッカケで仲良くなったのかは全く覚えていない。申し訳ない。
プロ13年間の思い出を聞いたら、意外な答えが返ってきた。

魚谷「福光くんが1年目の夏に新人王を獲ったとき、すごいなーって感動して泣いてたけど、その時すみれに『悔しくないの?私は悔しいよ』って言われたのを覚えてるよ。」(藤井すみれ、同期の25期生)

魚谷「最初の女流桜花。あのときのメンタルはよかった。焦ることはなくて、出来ることをやろうという気持ちだった。勝たなきゃとも思わなかったな。」

魚谷「同期の中でヤス(安村浩司)が最初にBリーグに昇級したとき、このときはすごく悔しかったね。」

 

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魚谷が最初に女流桜花を獲ったときの最終戦南3局。
ダブ南を鳴いて、ドラ待ちのカンチャンをツモったのを、なぜか今でも覚えている。
この頃は人気も実力もトッププロになるとは全然想像つかなかったなぁ…

【とうとう仲田加南をマーク?】

福光「今期の女流桜花決定戦は歴代一番の内容だと思ったけど、結婚した影響とかあるの?」

魚谷「それは無いね。やっぱり夏以降に増やした稽古のおかげだと思う。」

福光「(ちぇー。無いと言い切られた…)」

魚谷「終わった後、仲田さんに『初めてゆーみんにマークされて嬉しい』って言われたのよ。観て気づくのは難しいかもしれないけどね。他の2人に利するリスクもあるから、あまりやりたくないんだけど、初めてマークする戦法を使ったよ。」

福光「初日のレポートを書いたけど、わからなかったなぁ」

魚谷「仲田さんに自由に打たせない、点数を持たせない。これを意識してやっていたよ。それでも紙一重の差だったからツイてたよ。」

 

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ヤミテンにされていたら放銃していた、と魚谷は語る。
仲田のリーチの是非は難しく、たまたま自分にいい結果になっただけだったと。

(後編に続く)

(文:福光聖雄)

”雀サクッ杯”第46期関西リーグ(プロアマリーグ) 冬 最終節成績表

順位 名前 プロ/一般 1 節 2 節 3 節 4 節 合計
1 川上 直也 プロ 70.6 ▲ 19.7 95.3 110.4 256.6
2 水島 勉 一般 40.1 101.1 85.9 ▲ 31.0 196.1
3 林 俊輔 一般 4.6 31.9 86.8 43.6 166.9
4 楠田 重頼 一般 ▲ 77.2 92.9 26.3 70.2 112.2
5 稲岡 ミカ プロ 45.9 32.8 ▲ 0.3 20.2 98.6
6 三井 武郎 一般 109.5 ▲ 25.0 31.0 ▲ 27.3 88.2
7 阿部 一幸 一般 30.9 33.5 23.5 0.0 87.9
8 北山 悟 一般 18.6 81.7 ▲ 21.0 0.0 79.3
9 根越 英斗 プロ 103.1 ▲ 14.3 ▲ 9.5 ▲ 5.0 74.3
10 上村 宜久 プロ 49.5 ▲ 13.1 ▲ 4.7 39.1 70.8
11 佐藤 伶太 プロ 39.8 65.6 12.2 ▲ 52.6 65.0
12 高橋 悟志 プロ 31.4 ▲ 19.1 36.1 5.2 53.6
13 南田 明宏 プロ 12.1 78.2 ▲ 71.2 29.4 48.5
14 高谷 圭一 プロ 59.5 ▲ 77.7 38.7 24.8 45.3
15 五月女 義彦 一般 0.0 2.5 ▲ 8.0 39.6 34.1
16 岩本 貴 一般 ▲ 68.1 45.7 82.5 ▲ 29.8 30.3
17 山下加代子 一般 ▲ 19.6 39.4 ▲ 0.6 0.0 19.2
18 吉田 拓也 プロ 19.5 ▲ 27.8 13.1 0.0 4.8
19 見野 マリ子 一般 42.6 ▲ 2.1 ▲ 38.0 0.0 2.5
20 内田 雄司 一般 ▲ 68.0 51.0 100.0 ▲ 82.3 0.7
21 沢田 和夫 一般 ▲ 25.9 102.7 ▲ 26.5 ▲ 52.7 ▲ 2.4
22 丸山 直 プロ ▲ 44.2 ▲ 59.3 29.8 61.4 ▲ 12.3
23 山口 昇子 一般 ▲ 4.4 ▲ 32.0 20.9 0.0 ▲ 15.5
24 森田美津子 一般 0.0 27.5 7.1 ▲ 52.5 ▲ 17.9
25 若井 翼 プロ ▲ 31.8 ▲ 12.3 12.6 0.0 ▲ 31.5
26 山地 義昌 一般 40.6 57.5 ▲ 131.6 0.0 ▲ 33.5
27 吉田 圭吾 プロ ▲ 9.1 ▲ 36.7 ▲ 0.8 0.0 ▲ 46.6
28 大口 伸也 一般 ▲ 85.5 69.6 ▲ 37.5 ▲ 10.9 ▲ 64.3
29 田平 康雄 一般 ▲ 9.0 ▲ 49.6 ▲ 5.8 0.0 ▲ 64.4
30 浜田 敬 一般 62.5 ▲ 73.1 ▲ 57.2 0.0 ▲ 67.8
31 横山 毅 プロ ▲ 15.0 ▲ 62.5 4.5 0.0 ▲ 73.0
32 北野 剛史 一般 ▲ 72.0 6.0 ▲ 67.8 56.2 ▲ 77.6
33 井上 礼子 一般 0.0 ▲ 41.5 ▲ 7.3 ▲ 38.7 ▲ 87.5
34 谷口 弘昌 一般 2.3 ▲ 70.2 ▲ 48.0 9.5 ▲ 106.4
35 北村 祐二 プロ 36.5 ▲ 7.6 ▲ 83.9 ▲ 66.2 ▲ 121.2
36 濱中 真志 プロ 37.4 ▲ 57.8 ▲ 112.3 ▲ 12.3 ▲ 145.0
37 熊田 高大 一般 ▲ 80.4 ▲ 26.5 ▲ 75.0 0.0 ▲ 181.9
38 井上 雅照 一般 ▲ 89.2 ▲ 74.8 45.0 ▲ 91.3 ▲ 210.3

第4期北陸プロリーグレポート

【第4期北陸プロリーグ決勝戦 里木が初優勝】

第3期を優勝した本田朋広は、その後に行われる地方リーグチャンピオンシップを制して麻雀グランプリMAXの出場権を獲得、そして勢いのまま勝ち進みグランプリMAXも優勝。
翌年もグランプリMAXを連覇、その後、MリーグTEAM RAIDENに指名されるというドリームロードを歩んだ。
どうやらこれを本田ロードと呼ぶらしいが、地方本部・支部に所属する選手の大きな希望となった。

2022年1月28日に行われた北陸プロリーグの決勝戦、木原翼は初の決勝だが、藤本鉄也、梅本翔、里木祐介は第3期に本田に破れた決勝戦のメンバー。
第2の本田となるべく、またこの舞台に戻ってきた。

木原翼(1位通過、199.3P)
「思い切って攻めて優勝したい。」

 

藤本鉄也(2位通過、162.9P)
10期生、北陸支部の副支部長。4期連続決勝進出。
「ありがたいことに応援を沢山いただいている。若手についていける(攻め負けない)ように頑張りたい。」

 

梅本翔(3位通過、151.5P)
「最終節から今日の決勝まで、誰よりも麻雀を打って練習してきました。全力でぶつかっていこうと思います。」

 

里木祐介(5位通過、71.6P)
「いつも通りよく鳴いて、よくアガって、よく放銃して、最終的に一番ポイントを持っていたいと思います。」

 

4位の岡田拓也が出場を辞退したため、5位の里木が繰り上がり。
岡田は初の決勝進出のため無念だっただろうが、コロナウイルスの流行はどうしようもない。
また来年の決勝進出に期待したい。

 

 

好スタートを切ったのは梅本。東、西、ホンイツの8,000を木原から。

 

 

しかし、この半荘のトップはベテランの藤本。
リーチ、ドラ2と一気通貫、ドラ1の2つの5,200を決める。

 

 

 

木原にとって、今日は厳しい1日だった。
1回戦は高打点のアガリがなく、どちらかといえば戦った4着ではなくジリ貧の4着。
続く2回戦東2局、藤本は二筒三筒三筒からの三筒ポンなので、早いか高いか、どちらもあるか、またはトイトイか、などと読んではいただろうが、このワンチャンスの三索が放銃になって7,700点の失点は厳しい。
手がバラバラならまだしも、木原も役ありのテンパイだった。

 

 

木原は、3回戦にはどうしてもトータルスコアから無理をせざるを得ず、藤本のソーズのホンイツにドラの南を勝負。
鳴かれた後、12,000点の放銃となるという悪循環。
今日は自分の日ではなかったと割り切るしかないだろう。

 

 

 

2回戦に戻るが、里木と梅本の明暗を分けたのはこの局。
ピンフ、一気通貫、ドラ2とヤミテンでも満貫、ツモって跳満の手をリーチとは驚いた。

 

 

コメントから推察するに里木の攻めは多様で、リーチも色々あるのだろう。
対戦経験の多い梅本もそれはわかっている。

 

 

しかし、開かれて愕然とする12,000。
梅本の失着というより、里木の作戦勝ちという見方が適切だろう。

3回戦、梅本は里木とのこのめくり合いを制しトップ。
最終戦に望みをつないだが、今日はここまで。
また来期も見たいと思わせられる麻雀だった。期待している。

 

 

 

 

最終戦は東1局から山場だった。
親番の藤本はドラが暗刻の4巡目テンパイ。難しい選択だが、八万切りのテンパイ外し。
ここから南が鳴ければアガリは確実、里木から直撃できたなら優勝は決まったようなもの。

 

 

しかし、なかなかテンパイし返さない上に、里木に捌かれてしまう。
七万のツモアガリもあっただけに痛恨の逸機。

 

 

このあと、一度はトータルトップに立つものの、最後は里木に競り負け。
戦後のインタビューでも一番ツイてたのでは、と言っていただけに悔しい敗戦だろう。

 

 

最後はこの南3局、里木が逆転したアガリで締めよう。
序盤の切り出しが秀逸で、この一索は受けに回っても止められる牌ではなかった。

 

 

八筒チー、打発でテンパイ)

 

里木「2年前の負けた映像を見直したりして、それが生かせたのかなと。本田さんのように地方リーグチャンピオンシップを制して、グランプリまで登りつめたいです。」

 

 

(文:福光聖雄)

第22期皇帝位決定戦レポート

第22期皇帝位決定戦出場した選手は

 

 

柴田祐一朗・氏家義成・松尾樹宏・竹田巧の4名。

 

 

1回戦は元最強位の氏家がオーラスに逆転トップを奪い好スタートを切るも、2回戦・3回戦で痛恨のラスを引き優勝争いから脱落。

 

 

逆に1回戦で1人沈みのラスを引いた竹田が、2回戦で1人浮きのトップを奪うと

 

 

3回戦も6,000オールで2戦連続1人浮きで最終戦をトップで迎えました。

最終戦の東1局、竹田を追いかける柴田が

 

 

役無しテンパイからポンして九筒切り、

 

 

フリテンの六筒をチーして三万切りと粘り強くテンパイを維持して連荘すると

 

 

絶対に親番を手放さないと、次局も形式テンパイを目指した仕掛け

 

 

氏家のリーチを受けた柴田は形式テンパイ取らずに迂回を選択していたが

 

 

これがタンヤオドラ3に化けて3,900オールのアガリとなり、トータルで竹田をかわしてトップ目に立ちました。

 

 

離されてしまった3番手の松尾は、跳満をツモって維持を見せるも、それ以後は柴田と竹田が交互にアガる2人の戦い。

 

 

南3局1本場に七対子ドラ2をアガって7.6ポイントリードした柴田は

 

 

アガれば優勝のオーラスで、仕掛けてタンヤオテンパイのカン四万待ち。

 

 

その柴田のロン牌が出ない形で追いついた竹田は、ドラがトイツでアガれば逆転の二索五索待ちでリーチ。

 

 

どちらに転んでもおかしくない最後の勝負は、山に1枚残っていた四万が柴田の元へ舞い込み決着。

 

 

第22期皇帝位に柴田祐一朗が輝きました。

<第22期皇帝位決定戦成績>
柴田+34.4P 竹田+22.6P 松尾▲7.5P 氏家▲49.5P

(文:越野智紀)