第39期十段戦 ベスト16B卓レポート

【第39期十段戦ベスト16B卓 近藤・藤原が四段戦士の挑戦退けベスト8へ】

6月24日(金)十段戦ベスト16B卓が開催された。

出場選手は藤原隆弘・船木伸一・福島佑一・近藤久春の4名
(写真左上から時計回り)

 

1回戦は近藤が1,300・2,600のアガリとテンパイ料で効果的に加点してトップ。
試合は2回戦に大きく動く。

九段戦SelectでMリーガー3人を相手に堂々と勝ち上がった船木が、東2局の親番で3,900オール・2,000(+100)オールをアガると、続く2本場では

 

 

最高目の三索をツモリ、リーチ・タンヤオ・ピンフ・ツモ・三色で6,000は6,200オール。
その後、南場の親番でも加点した船木は、このゲーム73,900点(+51.9P)のトップで大きなリードを築いた。

ただ3回戦南2局4本場。このゲーム4番手の船木が親番でツモり四暗刻テンパイするが、八万を近藤に放銃してしまう。

 

 

 

チンイツ・一気通貫の12,000は13,200の失点でアドバンテージが消える。
「3回戦がひどかった」とインタビューで話した船木は、この放銃も避けなければいけなかったとSNSで残している。

続く4回戦は近藤にビッグウェーブ。東3局の親番でまず2,000オールをアガると、1本場はメンゼンの発ドラ3・12,000は12,300を福島から。

 

 

九種九牌を挟み3本場では、トイトイ・ドラ2の12,000は12,900を藤原から。

 

 

ライバルに大きなダメージを与え、勝ち上がりへ一歩抜け出した。

最終5回戦。船木との2位争いを演じている藤原の東3局親番。

配牌が

六万九万九万一筒四筒五筒八筒八筒九筒九索南北発中

とかなり苦しかったが、中を重ねて鳴けると、ドラの六索を2枚引き入れて手をまとめ、福島から三筒でアガリ7,700加点。

 

 

一方船木は南2局。

中を暗カンしてリーチをかけ勝負に出る。

 

 

ただ、最後の親番で望みをつなぎたい福島からリーチを受けると四索で福島に放銃。リーチ・白で3,900。

 

 

 

4巡目にリャンカン受けを嫌った選択が致命傷になり、試合後のインタビューでもアガリを拾えたかもしれないと悔いた。

船木はオーラスの親番は形式テンパイで粘るも、藤原に放銃して対局終了。
勝ち上がりは近藤・藤原の2名となった。

 

 

次回のベスト16・C卓は7/1(金)15時から、連盟チャンネルで放送される。

ご視聴はこちら!

 

 

(文・梅中悠介)

第39期十段戦 ベスト16A卓レポート

【十段戦ベスト16A卓、三浦智博完勝。二番手争いは魚谷侑未に軍配】

「タイトル5個くらい獲ってもおかしくないと思うよ。早くA1にいって鳳凰位を獲ってほしいね。とてもバランスがいい。」
これは解説の荒から三浦に向けてのコメントである。

「途中で負けてくれないかな。決勝にきたら獲っちゃう気がするよ。」
半ば冗談だろうが、こんなコメントもしていた。

これ以上の褒め言葉はないのではないかという気もしてくる。
対局中は表情を崩さなかった三浦だが、インタビューで「5年以内に鳳凰位獲ってほしい」と荒に直接言われると、流石にこの笑顔である。

 

 

荒絶賛の三浦の内容を振り返ってみよう。
まずは守備力の光った場面から。

1回戦東3局1本場、川原舞子が七対子、ドラ2のヤミテン。
続いて親の佐々木寿人がリーチ。

 

 

 

 

そして三浦の手牌、メンホン、七対子の1シャンテンになり、多くの人は打発になるだろう。
僕は確実に6,400点の支払いである。(ちなみに中は場に2枚切れの牌)

 

 

佐々木のリーチは単騎待ちがなさそうなので、明らかに川原のケアである。

 

 

これで気を良くした三浦は(本人にとってはさも当然かもしれないが。笑)、この後、8,000、6,400と加点し、1回戦を1人浮きのトップとする。

 

 

川原からリーチ、ドラ3の8,000。

 

 

佐々木から七対子、ドラ2の6,400。

 

 

2回戦東1局、親の三浦は白を暗カンして、先制リーチ。
佐々木、魚谷が高打点でテンパイするも、ツモアガリは三浦だった。リーチ、ツモ、白の3,900オール。

 

 

 

 

まだ4分の1も終わっていないのだが、「三浦が抜けてしまって、あとひと席の争いになってしまったな。」佐々木、魚谷、川原はそう思ったように感じる。
そのくらい実力が評価されているし、近年の三浦は充実著しい。

このあとの三浦は安定した立ち回りをみせる。
リスクの取り方が適切で、先行リーチに対しての追っかけリーチはこの形。
高目ツモなら倍満、結果は安目のツモだったが満貫だ。

 

 

三浦「今日は運良く通過できました。気を引き締めてベスト8に臨んで、荒さんにリベンジしたいと思います。」

対象的に今日1日苦しかった川原。

 

「1回戦目からふわふわしてしまって、夏目坂スタジオは何度も経験していて慣れているはずなのに、今日は結構緊張してましたね…」

初のベスト16、あと2つで決勝という強い思いがあっただろう。
しかし、今日は相手が強かったし、タイミングが悪く手がぶつかり、なかなかアガリが取れなかった。

前述、三浦の高目倍満のリーチのときも、川原は絶好の四万を引いて、3面張のリーチだった。
この巡目のリーチであれば、だいたいは加点できるのだが、もうリスクを取らなくていい三浦に手ができてしまう。
放銃にならなくてよかった、ではあるもの、この局をアガれて浮きに転じていれば、また違った1日だったように思われる。

 

 

川原「四段戦をワイルドカードで勝ち上がってから、多くの応援をいただいてベスト16まで来ることができました。道のりは長いですが、来年もこの場に戻ってくるように1年間頑張ります。」

 

 

最終戦、佐々木と魚谷の着順勝負。
東1局、川原の高目大三元もあった3人テンパイは魚谷が制す。
リーチ、ピンフ、ツモ、ドラ2の2,000・4,000。
佐々木を親被りさせ、一歩のリード、いやこのルールなら一歩以上のリードを得た。

 

 

 

 

追う立場となった佐々木だが、南入して迎えた親番ではこちら。
2秒でテンパイ、安目だったが4秒後にツモアガリ。2,600は2,700オール。
土壇場で魚谷に迫る。

 

 

 

南1局2本場、魚谷の先制リーチを受けたが、仕掛けた三色同順の1,500は2,100。
このアガリで魚谷を逆転。
3ポイントではあるが、佐々木がリードする。

 

 

しかし、魚谷も競り合いには強い。
南2局の親番、安目だったが2,000オールで再度逆転すると、

 

 

同2本場では、佐々木の仕掛けにスピードをあわせて、500(+200)オール。
これが非常によい判断だった。(カンチャンで鳴いてはいるが、リャンメンにも関わらずチー)

 

 

3本場の3,900(+300)オールで勝負あり。
(リーチ、ツモ、中、ドラ)
36期以来、二度目のベスト8進出を決めた。

 

 

佐々木「今日は勝負どころで競り負けていましたね。一歩及ばずでした。決定戦で荒さんと戦いたかったのですが、それが叶わなくて非常に残念です。また次の試合で頑張りたいと思いますので、応援よろしくお願いします。」

 

魚谷「今日もなかなか厳しい戦いだったのですが、後半、手が入ってよかったです。まずは決勝を目指して頑張ります。応援よろしくお願いします。」

 

 

(文:福光聖雄)

第39期十段戦 九段戦S Selectレポート

2022年6月12日十段戦の九段Sが行われた。

今年は五段戦から各カテゴリーで選出された1卓が放送対局になった。
それだけ注目度の高いタイトル戦である。

今回選ばれた卓は、下記4名。

前原雄大
山井弘
前田直哉
魚谷侑未

また、この九段戦Sも5回戦決着となる。

1回戦

起家から
前田、前原、魚谷、山井

東3局
全員好配牌だったが、3巡目にリーチをした前原に軍配。
安めの一が魚谷から出て3,900の出アガリ。

 

 

東4局
テンパイ取らずでドラをうまく重ねた前田が魚谷から5,200の出アガリ。
魚谷も3,900のテンパイをしており、厳しい展開。

 

 

南3局
ここまで1人沈みの魚谷だが、親番でテンパイを入れることが出来ず1人ノーテン。
山井も跳満テンパイを入れたがアガれず。
終始前原ペースで局が進みそのまま1回戦終了。

トップから、前原、前田、山井、魚谷。

 

 

2回戦

起家から
前田、前原、魚谷、山井。

1回戦と同じ並びでのスタート。

1回戦、勝負手を尽くアガれなかった山井が遂に決める。
前田からチャンタドラドラの8,000の出アガリ。

 

 

東4局
親番山井がリーチタンヤオツモドラの3,900オール。
このゲーム頭ひとつ抜ける。

 

 

東4局1本場
魚谷が七対子ドラ単騎リーチに、前田、山井は対応するが、トイトイでテンパイしていた前原はそれを無視。

ハイテイでツモり、三暗刻もついて2,000・4,000のアガリ。

 

 

南2局
前局、1,000・2,000をツモアガリした魚谷が連続のアガり。
安めだが2,000・4,000。
浮きの2着目につける。

 

 

南4局は魚谷が前原から3,900を出アガリ。

2回戦が終了。

トップから、山井、魚谷、前原、前田。

 

 

3回戦

起家から
前田、山井、魚谷、前原。

東場は大物手が出ることはなく、小場で進んだ。
十段位を5度も獲っている前原のペースに全員が飲み込まれているようだった。

南1局
前原がトータルトップになる山井からの5,200。
山井はピンフドラドラのテンパイが入っていた。
リーチをしていたら…と頭によぎったかもしれないが、相手があの前原なので結果は同じだったであろう。

 

 

 

 

南4局
魚谷が1,000点を出アガり、浮きをキープ。
山井はきつい1人沈み。

トップから、前原、魚谷、前田、山井。

混戦が続く。

 

 

4回戦

起家から
前田、魚谷、前原、山井。

前田は4連続起家。

東4局
魚谷が役役ホンイツ、山井が配牌ドラ暗刻の勝負手だったが、ここでも前原が立ちはだかる。
魚谷から1,000点のアガり。

 

 

 

南2局
親番魚谷が前田との2件リーチを制す。
前田から5,800の出アガリ。
前田も高めタンヤオのピンフドラのリーチで激痛。

 

 

南2局1本場
ここまで厳しい展開が続いていた前田だったが、遂に本手を決める。
リーチツモ役牌の2,000・3,900。
(北の暗カンをしています)

 

 

南3局
魚谷が超大物手。
前原からホンイツドラ3の出アガり。

ベスト16に向けて大きなあがり。

 

 

南4局
山井が前原から5,800の出アガり。
前原の連続放銃で一気にラス目に。
歯車が狂いだす。

 

 

南4局1本場
今度は前田が超大物手を成就。
役牌、ホンイツ、トイトイ、三暗刻の倍満。

 

 

放銃したのはまたしても前原。
3局で34,100点失った。

4回戦終了。
トップから、魚谷、前田、山井、前原。

 

 

最終戦

起家から
前原、前田、魚谷、山井。

東2局1本場
前田が2,600は2,700オール。
トータルトップになる。

 

 

東2局2本場
前田が通過を決定付ける12,000を前原から出アガリ。

 

 

南1局
後がない前原。

 

 

ダブルリーチツモドラの3,900オールの驚異的な生命力を魅せるもここまで。

 

 

トップから、前田、魚谷、山井、前原

 

 

勝ち上がりは前田、魚谷となりました。

(文:蒼山秀佑)

第39期プロテスト 執筆:廣岡璃奈

私が麻雀プロという存在を知ったのは中学3年の頃。
麻雀を知って半年か1年ほど経った時、ふとYouTubeで麻雀と検索したことだった。

そこで滝沢和典プロを初めて観た。
その麻雀、特に美しい所作には一目で引き込まれていた。

昔からこれだとハマったものには一直線。
それからはずっと滝沢プロの対局を見続けていた。

高校に入学し、麻雀を打てる機会が減っていたなかで『高校女子オープン大会』という女子高生の麻雀日本一を決める大会が開催されることになった。

これだ!と思い出場することを即決。
母や学校へ了承を取った。

クリスマスイブ。
私の競技麻雀の人生はスタートした。

他に出場していた子達はわからないが、私にはそれまで打っていた麻雀とは違う、人生を賭けたようなひりつくあの感覚に胸が躍った。このような場所でもっと麻雀したいと思った。

プロになると決心した。

高校卒業し4月1日初めて雀荘に行った。
雀荘デビューは「Lookup」。
かちこちに緊張しながら行ったことをよく覚えている。

ここで、数え切れないくらいのプロやアマチュアの方々と出会った。沢山の思い出のある場所。
上京しても長期休暇の帰省時など、必ず行っていた。

高校卒業後、声優の養成所に進み、勉強の合間を縫って雀荘に行っていた。また、麻雀の本を読んだり問題を解いたりを繰り返していた。

19歳の夏初めてプロテストを受けた。
結果は育成合格。
半年間育成に参加し再テストを行い及第点に達していれば正規合格。

半年間必死に勉強するも再テストで頭真っ白になり不合格となった。

当時ここで合格した場合、最強戦ガールズの話がきていたが、不合格となり話がなくなり自分の不甲斐なさに体調不良になるぐらい泣いた。

夢を諦められずもう一度受験。
プロテストの結果はまたも育成合格。
また半年間育成に参加した。家でそれぞれの勉強をし、テストと同じ時間で解くことを繰り返した。安定し9割以上とれるようになっていが、本番に弱いため不安を常に抱えていた。

ちなみに、この時大庭三四郎プロのブログにある条件問題の練習にすごくお世話になった。時間があると常に解いていたのはよく覚えている。

再テストから数日後、望月プロから静岡の地域限定合格になったと連絡があった。
私は、受験時から静岡支部所属を希望していたため、静岡のプロリーグ、プロアマリーグ(今の帝静戦)のみの参加を許され、桜花や鳳凰リーグは望月プロから許可がでればということになった。

こうして私は、生まれ育った静岡で、麻雀プロとしてスタートを切ることになった。

今私の周りには応援してくれる人たちがいて、支えてくれる人たちがいて、背中を押してくれる人たちがいる。
そんな暖かい場所がある。

そのおかげでどんなに怖く、苦しく、泣き喚きたいほど落ち込んでも、立ち上がって前を向いていけるのだと思う。

私は頭がいいわけでも秀でているわけでもない。それでもただ自分の憧れた麻雀プロに、一歩でも近づきたくて日々必死に勉強している。

また、プロ連盟には学ぶ場所も、チャンスもたくさんある。

麻雀の勉強会だけでなく、講師育成や実況オーディションなど幅広く学べる機会が多い。

環境だって整っている。

近年では、対局が放送されるのが当たり前の時代。
プロ連盟には専用のスタジオがあり、ほぼ毎日対局の配信が行われている。

ネット麻雀だって団体で運営しているのはプロ連盟だけ。
今年はロン2がリニューアルされ、より快適にプレイできるようになった。

チャンスという事では、昨年から若獅子戦・桜蕾戦という20代の選手限定の大会も開催されるようになった。
今まで若い選手に特化したチャンスというのは、業界全体にもあまり無かった。

私もここでチャンスを掴むことができた1人だ。

チャンスを掴めるかは自分次第。
頑張り次第でどこまででもいける世界だ。

プロになるのはスタートで続けていくのが大変で様々な理由で辞めていく人は多数いる。
私は、人生をかける価値のある世界だと思う。

今もスター選手が次々と出てきている。
次のスター選手は誰なのだろうか。
まずはこの門を叩くところから。

ご応募お待ちしております。
いつかプロ連盟の仲間として切磋琢磨できること楽しみにしています。

詳細はこちらから

第39期 A1リーグ 第5節A卓レポート

【第39期鳳凰戦A1リーグ第5節A卓 藤島が+57.5Pで6位浮上 吉田がトータル首位に】

本日の対局者は
藤島健二郎
吉田直
HIRO柴田
前田直哉

 

 

東3局。藤島がドラ一筒暗刻のカン二索リーチ。
ハイテイツモで跳満をアガると

 

 

オーラス親番では中南ホンイツチャンタドラ、6,300オール(+2,000)。
1回戦は藤島が1人浮きトップ。

 

 

3回戦では456三色リーチを高めの六索ツモで決め、本日3度目の跳満ツモ。

 

 

+57.5Pの快勝でトータルもプラスに。一気に6位まで順位を上げた。

 

 

ラス目の吉田は満貫ツモで素点を回復。1回戦は3着で終わる。

 

 

2回戦は親番で白をポン。

 

 

先にH柴田がカン八筒テンパイを入れるが、吉田の染め色ドラ表示牌待ちではリーチに踏み切れず役なしだがヤミテンに。
八筒を通した吉田が終盤に4,000オールツモで2回戦トップ。

H柴田との直接対決を+9.2Pで終え、暫定首位に。

 

 

1回戦オーラス。H柴田は三索六索のピンフテンパイを入れていた。

終盤に二索五索の延べ単騎に待ちかえするが

 

 

親番藤島に三索を通されてしまい、2人テンパイ。

5本場には吉田が先制リーチ。タンヤオピンフで追いついたH柴田はドラ引きを考慮し1巡ヤミテンとするが、次巡ツモ切りリーチ。3,900は5,400(+1,000)の直撃で2着に。

 

 

今節は▲31.8Pでトータル2位という結果に。

 

 

2回戦オーラス。ラス目の前田が高め456のリーチ。四筒をツモって3着に。

 

 

4回戦は細かいアガリを重ねてトップを取るが、▲33.2Pで終了。トータル9位となった。

 

 

 

次回A1リーグ第5節B卓は
2022/6/22(水) 16:00

一井慎也
藤崎智
勝又健志
黒沢咲

実況 古橋崇志
解説 HIRO柴田

ご視聴はこちら!

(文・吾妻さおり)

第39期 A1リーグ 第4節C卓レポート

【第39期鳳凰戦A1リーグ第4節C卓 藤崎が卓内トップ 勝又もプラス】

本日の対局者は
藤崎智
勝又健志
古川孝次
黒沢咲

 

 

開局、藤崎の手牌は白暗刻、678三色も見える1シャンテン。2枚目の八筒をポンするが、テンパイ打牌で親番古川に5,800の放銃。

 

 

次局も七対子ドラ単騎で5巡目リーチを打つも、自分の現物で脇移動となり、あまり感触は良くない。
親番で2局テンパイ連荘し、2本場に567確定のカン六索待ちリーチ。6,200オール(+1,000)のアガリ。
藤崎が攻めの麻雀を貫き、1回戦トップを取る。

 

 

4回戦南3局では親番勝又のリーチにドラの九万を押して3,900は4,200の放銃と、ここでも強気の選択。

 

 

4回戦は3着となったが、+23.9P卓内トップ。

 

 

勝又はここまで▲8.6Pと僅かなマイナス。

4回戦東1局に4,000オールをアガった親番古川が八万チー、四筒暗カンでカン四索待ち。

この仕掛けを受けながらも勝又は終盤にひっそりとメンホン七対子南単騎テンパイを入れた。

 

 

黒沢は古川のロン牌四索を止めるも南を切り、勝又のアガリに。

次局は発東ホンイツドラで満貫ツモ。

 

 

東4局には七対子ドラドラ、6,400を決めて4回戦トップ。

 

 

勝又は+15.9P、トータルもプラスになった。

 

 

古川は2回戦オーラスに五筒八筒待ち。黒沢からリーチ棒が出ていてアガれば逆転トップのテンパイだったが

 

 

二索を掴み黒沢に3,900放銃。29,900点3着となってしまう。

3回戦には発東ホンイツをアガるも浮き2着。

 

 

4回戦には東1局の親番でダブ東ハイテイドラ、4,000オールの好スタートを切るもまたも2着。

 

 

トップのない1日とはなったが▲0.5Pでトータル3位。展開は悪くとも古川は大きく沈まないのが凄い。

 

 

黒沢は藤崎の5巡目リーチを受けて七索を鳴かずに現物待ちのヤミテン。5,200は5,500(+1,000)でしっかりアガリ切る。

 

 

1回戦オーラスは浮き2着となるアガリ。

 

 

2・3回戦はマイナスながらも耐えていたが、4回戦に勝又への2回の放銃で大きく凹んでしまう。

南1局に高め一通のリーチ。勝又はドラが暗刻なので1シャンテンキープで六索をツモ切り。

 

 

7,700の直撃で勝又に一矢報いるが、ラスは回避出来ず。
▲40.3Pでトータルは4位となった。黒沢は次週6/22(水)も勝又、藤崎と同卓なのでそこでリベンジを決めたい。

 

 

次回A1第5節A卓は2日後に行われる。

2022/6/17(金) 16:00

藤島健二郎
吉田直
前田直哉
HIRO柴田

実況 古橋崇志
解説 西川淳

ご視聴はこちら!

(文・吾妻さおり)

第2期鸞和戦決勝レポート

【第2期 鸞和戦決勝 吉野敦志がプロ13年目に悲願の初タイトル】

鸞和戦(らんわせん)は2021年に設立された世代限定のタイトル戦。日本プロ麻雀連盟に所属し、予選初日の段階で男女問わず30歳以上49歳以下のプロだけが出場できる。

決勝進出者は以下の4名。

吉野敦志
西川淳
中島寛基
水野孝一

 

 

最初のアガリは吉野。親番でドラドラの手牌。六筒八筒のシャンポンで即リーチを打ち3,900オール。
3局連続アガリで56,200点持ちに。

 

 

ようやく吉野の親が落ちるも、東2局西川も連荘。3本場には吉野からの直撃を決める。

 

 

1回戦はトップに西川。
浮きの2着に吉野。
中島、水野の並びで終了。

2回戦も起家吉野が先手を取る展開となるが、1本場に吉野の親リーチに追っかけた中島が満貫ツモ。

 

 

続いて西川が567三色の跳満ツモ。親番で一通確定の追っかけリーチで4,000オール(+1,000)。

 

 

東4局2本場では水野が七対子ドラドラ、九筒単騎を吉野から。

 

 

トータル3番手まで落ちた吉野だったが、南場の親番で挽回。
まずはヤミテンの11,600を中島から。

 

 

2本場では西川のツモリ四暗刻リーチをかわして親番を繋ぐと

 

 

3本場では6,300オール(+1,000)。2回戦は吉野が大逆転トップを取る。

 

 

2回戦はトップに吉野。
浮きの2着に西川。
水野、中島の並びで終了。

3回戦は中島がリーチツモドラドラ、2,000・3,900でスタート。

 

 

オーラスは吉野がアガって2着キープ。

 

 

3回戦はトップに中島。
浮きの2着に吉野。
水野、西川の並びで終了。

最終4回戦。2番手の西川が満貫ツモで吉野に6.2ポイント差まで詰め寄り

 

 

南2局3本場には二索五索リーチを打つ。

 

 

覚悟を決めた吉野が三筒六筒で西川のリーチに押し返す。
親番を落とせない中島から三筒が出て、5,200は6,100(+1,000)のアガリ。

オーラスは全員ノーテンで流局。
第2期鸞和戦、優勝は吉野敦志に決定。プロ13年目にして悲願の初タイトルを獲得した。

 

 

 

第2期鸞和戦 決勝

優勝 吉野敦志
2位 西川淳
3位 中島寛基
4位 水野孝一

 

 

 

(文・吾妻さおり)

第17期女流桜花Aリーグ第3節C卓レポート

第3節C卓に出場した選手は

 

 

ここまでトータルポイントでプラスをしている山脇千文美・川原舞子・斉藤理絵・伊達朱里紗の4名。

1回戦を斉藤1人浮きのトップ・伊達のラスで終えると、2回戦東1局3本場。

 

 

リーチ後に伊達が掴んだ4枚目の四索でロンをするなど1回戦からの勢いが続くのかと思わせました。

このまま突き抜けていきそうな斉藤でしたが

 

 

川原がチンイツを直撃したことで状況が一変。

これを切っ掛けに、川原が4局連続でアガって2回戦で特大トップを取ると、3回戦の東2局

 

 

山脇のリーチを受けた川原が現物の九索切りで手広く受けられるところで四索をツモ切り。

 

 

この選択が功を奏し、八索引きからの六筒ロン。
九索切りでは捕らえられなかった鮮やかなアガリで山脇のリーチをかわすことに成功します。

この後、1人浮きで迎えた南4局1本場。

 

 

1巡目にテンパイした川原が北一万のシャンポンでダブルリーチを選択しましたが、これが川原的には大反省の1局でした。

すぐにアガれるかと思っていたヤオチュウ牌のシャンポンのロン牌が出ず

 

 

追いついた親の山脇の6,000オールが炸裂。

山脇にかわされた後の南4局3本場には

 

 

斉藤にも跳満を引かれた川原は3着まで転落となりました。

順番にチャンスを活かして加点する3者に対し、砂かぶり席で眺め続けて順番を待っていた伊達は

 

 

4回戦でも負の特等席から動くことが出来ず。
南3局終了時には▲100.1ポイントとアガリ見学料にしては高すぎる出費となっていましたが

 

 

気持ちを切らさず我慢した結果が最後に出て、リーチ・ツモ・三暗刻の4,200オールは次回以降に繋がるアガリ。
悲惨な1日が少しだけ緩和されました。

<第3節C卓最終結果>
川原+39.5P 山脇+28.8P 斉藤+9.8P 伊達▲79.1P

(文:越野智紀)

第243回:プロ雀士インタビュー 廣岡璃奈  インタビュアー:高橋大輔

2022年 3月31日に行われた桜蕾戦決勝はプロ2年目の廣岡璃奈が優勝で幕を閉じた。

 

100

 

皆さんこんにちは。静岡支部所属 37期の高橋大輔です。

第3期 桜蕾戦優勝の廣岡璃奈プロにインタビューをさせていただくことになりました。

高橋 『まずは桜蕾戦優勝おめでとうございます!』

廣岡 『ありがとう!』

高橋 『どんな心境で決勝戦に臨みました?』

廣岡 『決勝に残るのは2回目。前回は静岡リーグ(現帝静戦)の決勝で5回戦での敗退。何もできずに敗退したのが本当に悔しくて、今回こそは何かしら爪痕を残したいという気持ちが強かった。』

 

100

 

高橋『決勝戦東1局。初アガリはメンチンでしたね!!』

廣岡『まだ緊張でガチガチの中でのメンチンで心臓バックバクでした(笑)』

高橋『結構二万切りのところは九索切る人多そうだな〜と思って見てたんですがどの辺りから染めの意識ありました?』

1回戦 東1局 0本場 親花宮 6巡目
廣岡 二万二万七筒七筒二索四索五索五索五索六索七索八索九索      ツモ二索      打二万

廣岡『二万切りした時には結構染めを考えていました。ただ染める前にテンパイしたり、ドラをひいたりしたら予定変更するつもりでした。』

高橋『なるほど!では自然に染まればって感じだったんですね!!』

 

100

 

高橋『次局には白、ドラ3の12,000。南場の親番では2度先制リーチに追っかけての12,000を決めました。特に嶺上開花でアガった4,000オールなんかはノッてるなぁ〜と感じたのですが。』

 

100

 

100

 

廣岡『調子悪くはないかな、という感じでしたね。まだまだポイント的には足りないと思っていたし、油断できる状況ではなかったので慎重に落ち着けと自分に言い聞かせていました。』

 

100

 

高橋『3回戦 南1局 親番で競っている3着目の桜木さんからの先制リーチに対してリーチのみの愚系で追っかけたの結構強気だなって思って。』

廣岡『オリきる自信がなかったのと、親番だったので強気に攻めた結果が良い形になった。この決勝戦において自分が動いた時はいい方向に行くことが多かった。』

高橋『最終戦開始前に2位との差ですら約110ポイント差。どんな心境で最終戦臨みました?』

廣岡『普通に打っていれば捲られないポイント差。油断したら痛い目に合うことは分かっている。親への放銃は避けながらアガれそうな手はアガリにいこうといった感じだった。』

ところが、優勝を目前にした廣岡に試練が襲いかかる。

 

100

 

100

 

最終戦
東1局 暗刻の中を切っての18,000放銃。
南1局 同じく暗刻の九索切っての12,000放銃。

高橋『この2つの放銃。相当グラッと来たんじゃない?』

廣岡『親のリーチにはオリるつもりだったから中で打った時は多少グラッとは来たけど、ポイント差のおかげでまだ大丈夫だった。九索で放銃した時は相当焦ったかな。もう生きた心地は全くしなかったよ。』

 

100

 

東4局には国士無双の横移動。

廣岡『一歩間違えれば自分が切っている牌。自身が1シャンテンの段階で切ってロンと言われるのが嫌だった。もう少し巡目が進めば絶対切らなかったけど、数巡でテンパイしたら間違いなく切っていた。次局配牌を取る時には震えが止まらなかったよ。』

開始前100ポイントあった点差はオーラスには倍ツモ条件まで迫られた。油断したわけではないが自身の守備力、メンタルの弱さを再認識できた決勝だったと廣岡は語った。

高橋『桜蕾戦を優勝して変わったことを教えてください。』

廣岡『新ロン2の広報をさせていただいたり、本部の仕事をさせてもらえるようになったことかな。』
『あとは高校女子オープンで優勝した時や、プロ入り後にお世話になった方々から、たくさん祝福の言葉をいただいて・・・、改めてまたここから頑張ろうという気持ちになれたことかな。』

高橋『では最後にこれからの麻雀プロとしての目標を教えてください。』

廣岡『私がまだ高校生の時、実際に麻雀を打てる場所というのはほとんど無かった。そういった場所を作りたい。これは私が麻雀プロを目指した主な理由でもあるので叶えたい。』

廣岡と初めて会ったのは、それこそ高校生の頃で、お互いが”学生麻雀甲子園”という男女混合で学生だけが出られる麻雀大会の予選に出ていた。
際立って所作がキレイで打ち慣れている女の子がいるなぁと記憶していた。

その大会では、お互い負けてしまったものの、翌年女子だけが出場できる高校女子オープンで優勝を果たした。

この頃から”桜蕾戦優勝”の片鱗を見せていたのかもしれない。

 

100

 

最後に、廣岡は”第3期桜蕾戦優勝”と共に女流桜花Aリーグを勝ち取った。
女流桜花のAリーグには名だたる大先輩達が待ち構えている。

今日このインタビューは女流桜花第2節の対局前にさせていただいたのだが彼女の目にはメラメラと燃える炎のようなものを感じた。

彼女はGPC(グッドプレイヤーズクラブ)神奈川の運営にも携わっており、これから”廣岡璃奈”という名は麻雀界に瞬く間に広がっていくだろう。

これからの彼女の活躍に乞うご期待!!

第24期北陸プロアマリーグ「帝陸戦」第4節レポート

第24期北陸プロアマリーグ【帝陸戦】第4節のレポートを執筆いたします、日本プロ麻雀連盟第38期生の宮成さくと申します。
今年度からプロとなり、ご存じでない方が大半だと思いますので、簡単に自己紹介いたします。

私は富山県出身で、大学で一度石川県に出ましたが、現在は地元富山で会社員をしております。麻雀以外ではドライブとアクセサリー収集が好きです。
麻雀を始めたきっかけは、小学生の頃に父親に教えてもらい、元々頭を使うゲームが好きだったため、「面白い!」と思ったことです。
大学生になり本格的に点数計算等を覚え、麻雀を通して色々な方々と出会い、日本プロ麻雀連盟に所属する運びとなりました。
まだまだ未熟な部分もありますが麻雀に真摯に向き合っていきたいと思います。よろしくお願いいたします。

それではレポートに移ります。
6月12日に、帝陸戦第4節が開催されました。
今節はプレーオフに残る上位8名が決まる重要な節となり、ボーダーも第3節終了時点で+40P前後と大混戦。
前節終了時にポイントがプラスで終わっている方が多く、どのプレイヤーにも可能性が残る状況となっておりました。

結果は、前節までの合計が▲8.0Pの26位であった京田さんが、驚異の+121.3Pを叩き出し、圧巻の1位通過!一発裏無しの連盟公式ルールでは難しい大逆転となりました。
私は京田さんの隣の卓で打っていたのですが、京田さんの卓からは「32,000!」の発声が聞こえたり、その他にも高打点が飛び交う波乱の展開となっている様子でした。(後に聞いたところによると大三元が出たそう)
2位に岡田プロ、3位に豊田さん。上位8名中プロが3名という結果になりました。

また、前節終了時の上位8名のうち5名が入れ替わる波乱の展開となりました。

プレーオフに進出した中でも私が注目したのは、今年度から所属となった松井直大プロ。
1年目にして+86.9Pの4位。第1節はマイナススタートだったものの、その後着実に点数を伸ばしプレーオフ進出を決めました。同期として誇らしい限りです。

そんな松井プロに今節で印象に残った局についてお聞きしました。
以下は「選択に迷った局」とのこと。

2回戦東1局の親番 ドラ七索
4巡目に

一万二万三万二索三索四索五索六索七索三筒三筒三筒四筒

この形でテンパイ。
リーチするか?ヤミテンか?迷うが、四万引きのタンヤオと三色やドラ七索引きの3面待ち手替わりがあり、巡目も早いことを考慮しヤミテンを選択。7巡目に七索を引き入れリーチ。一索ツモで3,900オール。

松井プロは、自分以外の人ならばどのような選択をするのか気にされていました。
親番かつ東1局で点数に動きがないこともあり、人によって選択が分かれる局となりそうです。
皆様はどうされますか?
(個人的にはリーチで他者の足止めが好きなので、即リーチしてしまいそうです…)
人によって結果が違ってくるのも麻雀の面白いところですね。

第4節の結果は以下の通りとなります。

順位 名前 プロ/一般 合計 1節 2節 3節 4節
1 京田 芳宏 一般 113.3 68.2 ▲ 27.4 ▲ 48.8 121.3
2 岡田 拓也 プロ 101.5 18.7 44.7 ▲ 20.1 58.2
3 豊田 直幹 一般 99.8 74.4 50.2 ▲ 81.5 56.7
4 松井 直大 プロ 86.9 ▲ 16.5 7.1 45.0 51.3
5 山元 一成 一般 84.5 46.0 ▲ 5.6 17.2 26.9
6 南 和之 プロ 79.7 ▲ 62.2 44.8 39.7 57.4
7 窪田 一彦  一般 71.5 25.4 17.2 13.0 15.9
8 押川 憲一 一般 58.0 40.4 33.6 ▲ 32.0 16.0
9 藤本 鉄也 プロ 52.5 82.2 15.9 ▲ 32.9 ▲ 12.7
10 表 勝正 一般 39.9 26.0 ▲ 18.0 3.4 28.5
11 堀田 徳彦 一般 39.0 ▲ 38.9 16.9 19.0 42.0
12 恵比須 均 一般 38.9 ▲ 30.4 27.4 55.9 ▲ 14.0
13 荒谷 誠 プロ 35.3 4.7 0.0 19.9 10.7
14 飯田 輝雄 一般 34.2 ▲ 0.1 ▲ 19.6 49.2 4.7
15 岡田 雅文 一般 33.5 ▲ 12.7 0.0 43.7 2.5
16 森田 有一 一般 30.0 6.8 2.0 ▲ 40.6 61.8
17 加治 竜也 一般 27.3 33.0 ▲ 67.8 39.1 23.0
18 吉田 健彦 一般 27.2 45.2 38.9 ▲ 22.8 ▲ 34.1
19 相澤 道徳 一般 21.9 ▲ 26.9 43.1 8.9 ▲ 3.2
20 志多木 健 プロ 16.5 41.8 ▲ 16.3 ▲ 40.5 31.5
21 獅坂 祐一 プロ 4.9 ▲ 50.1 29.8 21.5 3.7
22 新保 翔太 一般 2.8 9.2 10.3 3.6 ▲ 20.3
23 里木 祐介 プロ ▲ 0.8 8.0 4.8 50.4 ▲ 64.0
24 西田 大志 一般 ▲ 5.6 ▲ 24.5 14.2 29.7 ▲ 25.0
25 日水 亮輔 一般 ▲ 14.4 0.0 19.5 62.7 ▲ 96.6
26 中谷 徹也 一般 ▲ 16.1 50.8 ▲ 28.1 ▲ 33.2 ▲ 5.6
27 堂垂 正裕 プロ ▲ 18.7 ▲ 22.2 34.6 ▲ 26.3 ▲ 4.8
28 宮成 さく プロ ▲ 22.7 8.0 21.0 ▲ 55.5 3.8
29 如月 靖之 プロ ▲ 30.0 ▲ 13.3 ▲ 33.2 41.8 ▲ 25.3
30 梅本 翔 プロ ▲ 30.9 ▲ 28.8 ▲ 29.0 5.6 21.3
31 山田 航輔 一般 ▲ 33.8 15.8 ▲ 28.3 ▲ 42.6 21.3
32 小林 和樹 プロ ▲ 39.5 34.1 ▲ 12.9 0.2

▲ 60.9

33 成田 理良 プロ ▲ 50.1 ▲ 10.9 ▲ 65.7 21.2 5.3
34 林 龍司 一般 ▲ 56.4 ▲ 34.5 9.1 ▲ 50.0 19.0
35 浦田 豊人 プロ ▲ 59.7 ▲ 77.6 79.5 ▲ 31.1 ▲ 30.5
36 南 宏生 一般 ▲ 60.5 ▲ 7.3 ▲ 2.0 17.5 ▲ 68.7
37 戸村 聖一 一般 ▲ 62.6 17.3 ▲ 22.5 ▲ 58.5 1.1
38 藤田 竜弥 一般 ▲ 70.3 0.0 ▲ 30.5 0.0 ▲ 39.8
39 瀧根 克登志 一般 ▲ 82.8 8.4 ▲ 50.8 ▲ 12.7 ▲ 27.7
40 宮川 悟 一般 ▲ 92.2 ▲ 18.0 ▲ 66.8 35.9 ▲ 43.3
41 今村 伸平 一般 ▲ 94.2 ▲ 54.5 ▲ 73.3 35.2 ▲ 1.6
42 文月 愛美 プロ ▲ 100.1 ▲ 15.2 40.9 ▲ 34.4 ▲ 91.4
43 栄田 勇作 一般 ▲ 113.7 ▲ 57.0 ▲ 34.7 ▲ 26.4 4.4
44 藤岡 誠 一般 ▲ 194.7 ▲ 64.8 ▲ 67.7 ▲ 40.4 ▲ 21.8

プレーオフに進出された皆様、おめでとうございます。優勝目指して頑張ってください!

今期は44名と多くの方々に参加いただき、様々な方と麻雀を打つ中で、私自身たくさんの気づきがありました。この場を借りて感謝申し上げます。また皆様と麻雀を打てれば嬉しいです!

長くなりましたが、お付き合いいただきありがとうございました。以上でレポートを終了いたします。

(文:宮成さく)

第39期 A2リーグ 第3節D卓レポート

古橋崇志、もやもやの1日!A2リーグ第3節D卓レポート

6月21日、第39期鳳凰戦A2リーグ第3節D卓が放送された。
対局者は山田浩之、内川幸太郎、古橋崇志、客野直。

 

 

直近でA2リーグ連続在籍が山田7期、内川6期、古橋・客野5期と、常連となりつつある4名。
1回戦は全員が高打点を成就する激しい展開に。東1局、内川が高目のツモで2,000・4,000。

 

 

東3局、古橋がドラと發のシャンポンリーチで2,000・4,000。

 

 

山田は5,800の放銃がありながらも、南3局1本場には受けつつの手組みで望外のドラ暗刻のアガリ。

 

 

オーラスにはツモれば6,000オールのリーチも、客野が地獄単騎の七対子ドラドラで押し返し2,000・4,000。

 

 
 

 

全員が満貫のアガリを決める中、4着に沈んでしまった山田であったが、2回戦では低打点のアガリを重ねてトップを獲得。
3回戦東2局は3人テンパイを制し、安目ながら2,000・3,900。

 

 

さらに東3局にダブ東ドラの2,600オールをツモアガリ…

 

 

2回のトップを獲得。ポイントをプラスにまとめた。
一方で終始苦しんだのは古橋。インタビューでは2回戦東3局の手順について後悔を語った。

 

 

(テロップは誤りでドラは五筒

リーチタンヤオピンフドラを見て、ドラは1枚切る構想の打六索
セオリー通りの打牌にも思えるが、この後裏目の七索を先に引いてしまってから、テンパイ打牌のドラが親への放銃というもやもやする結果に。

 

 

古橋のもやもやはこれに留まらなかった。3回戦東4局、親番で内川のリーチを受けてこの形。

 

 

現物は1枚もなく、トイツの南もまだ場には出ておらず、内川の役牌。とりあえず自身の手を進める打九万とすると、これが高目の放銃。

 

 

リーチピンフ一通ドラの8,000。

さらに南2局3本場、親の内川の白の仕掛けを受けてこの形。
マンズの高さから先に処理した三万が…

 

 

 

内川へ5,800の放銃。どちらも非常にもやもやする結果となり、2〜4回戦は4着に沈む結果となった。

4回戦終了時点のトータルポイントは画像の通り。

 

 

 

古橋が▲87.3Pと苦しい1日。内川が+36.8Pで暫定トータル首位に。

次回A2リーグの放送は6/28(火)。

対局者は石渡正志、紺野真太郎、山田浩之、三浦智博。解説は和久津晶。
次回も是非お楽しみに!

ご視聴はこちら!

(文・浜野太陽)

戦術の系譜31 前原 雄大

~負けを心に刻む~

麻雀が強くなる為には様々な方法が存在している。
とある敬愛する人が言っていた。

「とにかく、3年間毎日休まず仕事をやり続けなさい」
「それで仕事が上手く行くようになるのですか?」
「それは才能というものもあるのだから、一言では上手く行く、とは言えない。ただ、続けられた者は仮にその仕事が上手く行かずとも、別の仕事に就いた時何らかのカタチで上手く行く」

__なるほどと思えた。

麻雀に置き換え考えてみた。
麻雀はまだまだ未成熟な世界だから、殊更特別な才能など必要だと私は思っていない。
かく言う私も3年間休まず麻雀を打ったことはない。おそらく、1年間休まず打った事もない様に思える。

そんな私でもその人の言葉にはなるほどと頷ける。
私が色濃く麻雀を打っていたのは20代半ばから後半にかけてである。
日本プロ麻雀連盟の道場が市ヶ谷にあり、その傍に先輩の営む麻雀店があり、そこに通っていた。

麻雀に常勝はない。そんな事は解っていたが、酷い内容の負け方をして、自分が許せず、敗因を考えながら20数キロ、歩いて帰途に着いた事もあった。
勝った時の記憶はあまり無い。人にもよるのだろうが、負け、敗因を曖昧では無く記憶に留める事は、その人の成長に繋がる事に間違いない様に思える。

 

~決めごとを作らない~

例えば海であれ、空であれ、様々な表情を持っている。
穏やかな時もあれば荒れ狂う時期の海もある。
突然表情が変わる時もある。

麻雀も同じで、ダメな時はダメなもので大自然と似ており、どうしようもない時もある。
それ故に、あまりいい加減な決め事は作らない方が良いと考える。
それでも、先日行われた最強戦は少しだけ決め事を作った。

それは、余程の高得点でない限り、仕掛けないという事である。
私の場合仕掛けるという事はオリないと言う事であり、長期戦でもどうかと考えるが、短期戦では敗因になっても勝因にはならないからである。

予選トーナメントでは東3局3本場5巡目テンパイ。

二万四万六万六万六万四索四索八索八索八索六筒七筒八筒  ドラ四索

ここからの10巡目

四万五万六万六万六万四索四索八索八索八索六筒七筒八筒  ツモ三万

東3局ながらこのアガリが大きく残り、あとは自然に身を任せば良いだけの状態となった。
誰が打っても結果は同じだったように思える。

問題は予選決勝戦、今度は1位以外意味が無い。

問題その1
東2局2巡目

二万二万三万三万四万四万四万六索三筒三筒七筒発発  ツモ五索  ドラ四索

私は手拍子で打七筒としたが、打った瞬間過ちとは言わないまでも違和感を覚えた。
発を仕掛けない前提であれば、やはりここは打四万だろう。腰の重い打ち手であれば打発もあるだろう。

 

100

 

仮に打四万なり、打発なりしておけば、

二万二万三万三万四万四万五索六索七索三筒三筒七筒八筒

この牌姿になり、沢崎誠さんから九筒を捉えていた可能性が高い。しかも裏ドラは二万である。
断定はできないが、起家スタートを考えればリーチである。幾ら先行しても結局は点数を合わされてしまうのだから。

問題その2
南2局2本場

 

100

 

結果は最上と出たが、私は5巡目ツモ一筒で僅かだが時間を使っている。

三万三万四索五索六索六索二筒三筒四筒六筒六筒七筒八筒  ツモ一筒  ドラ六筒

欲しいのは満貫以上なのだから、ここで仮にリーチを打って五筒が出たらどうするのか!
ここはノータイムで一筒のツモ切りである。
自分の事だから記しやすい。やはり、プロとしては問題である。

南3局ドラ八索

 

100

 

100

 

今局はおそらく誰が打っても同じだろう。違うとすればテンパイトラズか。いずれにしても、どうやってもアガっているのである。
結果はともかく、戦術としてはメンゼン主義を選択し、実践できたように思う。
ただ、最強戦に関しては階段を一つ登ったに過ぎない。

多いと思うか少ないと思うかはその人次第であるが、以前にも記したように週に5日程麻雀を打っている。
勝って喜ぶ事は昔から無いが、負けて自分に嫌気がさす事に少しは慣れたが反省の繰り返しである。

麻雀が強くなる方法は幾らでもある。
一番手っ取り早いのはとにかく、量を熟し適格な反省をするのが良い。
量は裏切らないし、量はやがて質を超える。考えなくとも身体が、指が麻雀を打ってくれる。
プレッシャーのかかる真剣味を帯びた麻雀を熟して行けば強くならないはずも無い。

殊に若い人は体力もあり、感性も研ぎ澄まされている。
その時期に打った麻雀の量は齢を重ねるごとに年輪のように太く実るものである。

転ぶ事を恐れてはいけない。転んだ数だけ転び方を覚えケガをしなくなるものである。
そして、それがやがて貴方の麻雀のフォームを作ってくれるものだから。

全4回に渡り、読んでくださった方々には御礼申し上げます。
生きている限り、全ての対局にこの身を捧げる所存であります。

第5期北陸プロリーグ 第2節レポート

勝負師に、「戦いの後」は無い。あるのは「次の戦いの前」だけだ。
私の座右の銘の1つである。1つの戦いが終わり、喜びを、或いは悔しさを噛みしめる時間は短い。その勝利を、その敗北を如何に糧にして次に臨むか、であると思う。

令和4年6月12日、北陸プロリーグ第2節。
今期は第2節ながら戦いは縦長の様相を呈してきている。

19名から最初に3桁に乗せてきたのは志多木。
今節81.0のポイントを叩き堂々の首位浮上。
「恥ずかしながら、まだ北陸プロリーグの決勝の舞台に立ててはいないので、今年こそはと思っています。」
振り返った会心の1局が下記。

2回戦東2局 南家 ドラ北

六万八万四筒四筒一索一索一索六索六索七索七索八索八索

6巡目にてのテンパイ。
次巡に持ってきた七索でテンパイを壊して打六万
すぐに四筒を引き、四暗刻へと手牌を伸ばし、10巡目に荒谷よりアガリ。

四筒四筒四筒一索一索一索六索六索七索七索七索八索八索 ロン六索

このアガリで半荘を制し、2、3、4回戦を3連勝で飾る事となる。
圧巻は4回戦。「プロになって初めてでした。」と語るオーラスの親番。
時間にして1時間。実に9本場まで攻勢を続け、大トップでこの日を締めくくる。

「今期は開幕から、夏目坂スタジオで優勝して大先輩の本田ロードを再現することしか考えていません。残り6節、手を緩めることなく全力で戦い抜きます。」

豪快さと緻密さを備えた志多木の麻雀が、今期の北陸プロリーグを牽引していくこととなるのだろうか。

里木、堂垂、安城といった面々が安定してスコアを伸ばしてきた中で、前節の負債を完済して、上位に食い込んできたのが女流の文月。
前期も中盤から後半にかけて決勝争いを演じた才媛。着実に実力をつけてきているのだろう。

控えめな彼女が分岐点に挙げた1局。

3回戦東3局 ドラ発

四万五万一筒二筒三筒五筒七筒八筒九筒二索三索四索東

好配牌の勝負手。縦横を受け間違えることなく、最高打点をツモアガる。

一筒二筒三筒四筒五筒六筒七筒八筒九筒二索三索四索発 リーチ ツモ発

このアガリのおかげでその後余裕のある打ち方が出来ました。と文月は嬉しそうに語った。
線の細さというか、ともすれば崩れやすさを内包していた文月の雀風に変化が生じている感がある。

「まだ6節あります。ミスを少なく抑えられるよう挑みたいと思います。」

安城、文月。或いは別の誰かが、北陸プロリーグを女性で初制覇する日も近いのかもしれない。

もう1人今節特筆すべきプロを上げるならば、2年目の岡田だろう。
前期ルーキーにてリーグ4位につけた実績がフロックなのかそうではないのか。
彼にとっては実力を証明したい気合のこもった1年ではないだろうか。

「中途半端な手で放銃しないよう押し引きを間違えず。かつ自身のことのみではなく全体を見ての局進行を心掛けていきたいです。また、所作やマナーもより気を付けて対局に臨んでいきたいと考えています。」

岡田は、今リーグとは別に北陸で開催されている「新人研修リーグ」でも首位を快走している。その場所にて、支部長の浦田や木戸や私に指導を受けながらも日々奮戦している。

「次節もこれまで通りの心構えで臨んでいけたらと思います。」

若手らしからぬ落ち着きは、前年結果を出している自信の表れか。はたまた己の麻雀に対する取り組みへの確かな手ごたえか。
岡田の2年目の挑戦はまだ始まったばかりである。

下位勢は、プロの洗礼を浴びた新人達。そして実績のあるベテラン達。
各々には各々の、負けたくない、負けられない理由がある。
私を含めて、絶対にこのままで終わらないと捲土重来を期す面々。
まだ戦いは4分の1。誰にも当確ランプも、赤信号も灯ってはいない。

2節を終えた後、ではなく3節の始まる前、である。
次の勝負にあたって、如何に己を高めて悔いの残さない戦いをするか。
今一度、私自身も気合を入れなおして、次の戦いに備えたいと思う。
次回第3節は7月24日より。どうか応援の程、宜しくお願い致します。

順位 名前 合計 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節
1 志多木 健 116.0 35.0 81.0            
2 里木 祐介 97.8 70.5 27.3            
3 堂垂 正裕 63.9 43.8 20.1            
4 獅坂 祐一 52.0 58.8 ▲ 6.8            
5 安城 るい 50.5 37.4 13.1            
6 文月 愛美 26.9 ▲ 40.6 67.5            
7 成田 理良 24.4 22.7 1.7            
8 小林 和樹 18.5 4.4 14.1            
9 岡田 拓也 16.9 ▲ 25.6 42.5            
10 南 和之 10.8 54.5 ▲ 43.7            
11 浦田 豊人 1.3 ▲ 10.8 12.1            
12 梅本 翔 ▲ 12.4 ▲ 0.6 ▲ 11.8            
13 如月 靖之 ▲ 38.0 ▲ 38.2 0.2            
14 後藤 正博 ▲ 43.2 ▲ 36.0 ▲ 7.2            
15 木戸 僚之 ▲ 67.6 ▲ 38.0 ▲ 29.6            
16 荒谷 誠 ▲ 74.3 ▲ 18.3 ▲ 56.0            
17 藤本 鉄也 ▲ 82.1 ▲ 30.6 ▲ 51.5            
18 宮成 さく ▲ 83.2 ▲ 55.0 ▲ 28.2            
19 松井 直大 ▲ 84.2 ▲ 34.4 ▲ 49.8            

「~勝つためのバランス~」 佐々木 寿人

5歳の息子と公園に行き、シーソーに乗る。
当たり前だがこちらが腰を浮かせなければ、息子はずっと宙に浮いたままだ。
こんな何気ない遊びの中にも駆け引きがあり、自身が子供の頃には全く意識しなかったことである。

最近では、何かにつけて勝負に勝つためのヒントを見出そうとしている自分がいる。
我々の世界にはゴールというものがない。何かタイトルを獲ったからそれで終わりということはなく、また次の試合に向けてしっかりとしたパフォーマンスが求められていく。
現役である限り、これがどこまでも続いていくのだ。

私も45歳となり、おそらくこれ以上大きな成長は望めないだろう。もう決して若くはないし、色々な面で衰えもやってくる。
ただ、歳を重ねたことで見えてきた部分というものも少なからずあるわけで、今が打ち盛りという実感もある。
25歳の自分より、45歳の自分の方が強いと言えるのも不思議な気がするが、20年先も一線で活躍するためにどうあるべきかということは最近よく考える。

同い年で、競輪界のスター選手である佐藤慎太郎さんの存在も大きい。
レースの内容もそうだが、佐藤さんのドキュメンタリー動画で徹底的に自身を追い込む姿を見た時に、私は感動すら覚えた。
日々ここまでやりこんでいるからこそ、我々の心を動かすようなレースができるのだ。

「限界?気のせいだよ!」

佐藤さんのこの言葉に、中年世代の自分がエネルギーをもらっているのは間違いない。

ちなみに古川孝次さんは、その更に上を行く73歳。衰えなど微塵も感じさせないあの機動力を見せつけられれば、自身が老け込むにはまだ早いというものだ。
また、荒正義さんが十段位獲得により、プロ連盟初のグランドスラムを達成されたことも大きな刺激となった。

そして思う。
自分などまだまだだなと。
 

今期最初のアガリは、前田直哉さんだった。

五万七万四索四索七索八索九索南南南発発発 ロン六万  ドラ四索

放銃したのは古川さんで、6,400。
これが9巡目の出来事だったのだが、7巡目に私の手牌はこうなっていた。

二万三万四万六万七万五索六索二筒二筒六筒七筒八筒東  ツモ六万

入り方としてはやや弱気かななどと思いながら、私はこの六万をツモ切った。
前田さんのテンパイがその同巡だったため、結果的には間に合った形である。

自身にアガリがなく、放銃の可能性がある牌を先処理できたのだから、プラスに捉えるべきなのだろう。
当然ながらプラスの精神状態が長ければ長いほど、内容のいい戦いが出来ているということにもつながる。
今はまだそのきっかけを探っている段階とも言える。

しかしながら、1回戦はなかなかアガリが遠かった。
古川さんの1,300オール、黒沢咲さんの3,000・6,000、前田さんの9,600など、3者がアガリを重ねていく中で、東場は遂にノー和了。
もどかしさは付きまとうが、ここは我慢の時だ。

南1局2本場、ようやくチャンスらしい手牌がやってきた。

一万五万九万一索四索六索七索二筒三筒四筒七筒八筒中  ツモ七筒  ドラ七筒

第一ツモがドラの七筒とくれば、後はアガリ役をどこに求めるかだが、タンヤオが本線になりそうだ。
ましてや供託が3本付きとあれば、この時点から食い仕掛けも意識しなければならない。

9巡目、私のツモ切った白を古川さんがポン。その捨て牌相から、ソーズの一色手が濃厚である。
そして11巡目、私のもとに絶好のドラがやってくる。

 

100

 

ヤミテンでも満貫の手牌だが、ソーズ待ちは古川さんの色と被っている可能性が高い。

「たった1,000点ケチってどうする!積もれば跳満でぃ!」

ということでリーチ。供託も4本となり、初戦の勝負所となった。

結果は古川さんのテンパイ打牌で満貫の出アガリ。
これでようやく原点復帰となったが、問題はこの一発で終わらないことである。
特に次局は、戦前からカギになると言い続けてきた親番だ。

打点は後からでいい。
私はとにかく親番を長く持続させることに意識を傾けていた。

八万八万八万二索六索七索八索八索九索二筒三筒東発発  ドラ八筒

好配牌である。ただ、アガリにいくならやはり発は一鳴きだろう。
先手、先手で前に出る。そして誰も届かないところまで突っ走る。
昨年とテーマは変わらない。

七万八万八万八万七索八索九索一筒二筒三筒  ポン発発発  ロン九万  
 
続く1本場もその姿勢だ。

一万四万一索六索八索八索九索一筒四筒五筒六筒九筒九筒西  ドラ東

決していいとは言えない手牌でも、最短でのアガリを目指していく。

六索六索七索八索八索四筒四筒五筒六筒七筒  チー三万 左向き二万 上向き四万 上向き  ロン七索

2局合わせてもわずか3,300点の収入と思われるかもしれない。
しかし、大爆発のためにはこういった繋ぎが非常に重要なのである。
相手の親番をいかに早く流し、自分の親番をいかに長く続けるか。
これが私の勝負論の根幹にあるものと言っても過言ではない。

この日一番のアガリも、やはり親番に訪れた。
その局面とは、3回戦の南3局だ。

私は前局に、古川さんからダブ南チャンタドラ2の満貫をアガリ、600点ほど浮きに回って親番を迎えた。

一万五万四索六索六索九索九索三筒九筒南南西白中  ドラ七筒

とてもいい配牌とは言えないが、1つ決めていたことがあるとするなら、南は1枚目から仕掛けるということだ。
その先にソーズのホンイツやトイトイなど、高打点の可能性も十分に秘めた手牌である。

南が鳴けない間に五万三筒が横に伸びたり、ドラを引いたりしたなら、その時は安くアガる選択も捨てない。
親番に拘るというのは、そういうことだ。

高打点にもメンゼンにも縛られず、素直な進行を目指すのである。
6巡目、その南が暗刻になった。打西

五万四索六索六索九索九索一筒三筒六筒南南南中

アガリにはまだ遠い形だが、これで大分仕掛けやすくなったと言える。

10巡目、前田さんの切った九索をポン。打一筒として1シャンテン。

二索四索四索六索六索五筒六筒南南南  ポン九索 上向き九索 上向き九索 上向き

これで3,900も見えてきた。そして13巡目、六索も鳴けてテンパイ。

四索四索五筒六筒南南南  ポン六索 上向き六索 上向き六索 上向き  ポン九索 上向き九索 上向き九索 上向き

もうオリの選択肢はない。

15巡目、南家の黒沢さんがリーチ。考えることといえば、南が出たら大明カンだなぐらいのものである。
ここは斬るか斬られるかの勝負だ。

17巡目、ツモ六筒。河を見ても、これはかなり危険なスジに映る。かと言って五筒も通っているわけではない。
加えて前田さんのフーロメンツに四索があり、トイトイに受け変えればアガリの可能性は極めて低いものとなるだろう。
本音は六筒をツモ切りたかった。ただ黒沢さんの捨て牌に八筒がある分、打五筒と構えただけである。
勝算の薄い捲り合いになった。それが素直な感情だった。

しかしながら、これがアガリにまで結びついた。
この同巡、古川さんに七対子ドラドラのテンパイが入ったのだ。

 

100

 

確かに私は六索ポンの打五索だし、最終手出しが五筒である。先に述べた通り、前田さんのフーロメンツに四索が含まれてもいる。
二索五索に関しては、場に全見えだ。四索南かの選択なら、やはり打四索となりそうである。

正直言って望外のアガリではあったが、この日最もテンションが上がった瞬間でもある。
後で映像を見返したときに、黒沢さんのリーチが六筒九筒待ちだったということも、2日目に向けて好材料となった。

これから何度となく訪れる勝負所を、どれだけ制すことができるか。
タイトル戦を勝つためには絶対に欠かせない要素だ。

だが、初日を終えてここにもう1つの思いが加わった。
それはまた次回に触れていこうと思う。

第17期女流桜花Aリーグ第3節B卓レポート

第3節B卓に出場した選手は

 

 

菅原千瑛・杉浦まゆ・吾妻さおり・和久津晶の4名。

1回戦、前節の終盤から復調の気配を見せていた和久津がトップ目で迎えたオーラスの親番

 

 

ツモれば8,000オールのテンパイが入ります。
現状のマイナスを大きく返済するチャンスでしたが、

 

 

タンヤオピンフをヤミテンにしていた菅原が狙い通りに二索五索を振り替え、高めの五筒をツモって逆転トップ。

勝負手が不発に終わっただけでなくトップも捲られる嫌な展開を受け、和久津は積極的な仕掛けで自分の世界に引き込みます。

 

 

まずは1巡目に切られた二万をリャンメンでチー。
タンヤオとホンイツと役牌の全てから遠い仕掛けです。

 

 

続いては1巡目に切られた八筒をポン。
ターツが足りず、雀頭も無くなります。
遠いタンヤオの仕掛けですがドラは白です。

 

 

この頃には和久津の仕掛けに目が慣れてきたので驚かなくなっていましたが、今度は4巡目の五索三索四索でチー。
一番手近なタンヤオでも4シャンテンです。

どれもアガリ率を高める以外に狙いがありそうな仕掛けで、この3局に共通するのは自分の手が苦しいことや前局に親がアガっているということでしょうか。

今期のフーロ率が40%を超えてきた和久津。
令和の時代に亜空間殺法を蘇らせようとしているのかもしれません。

 

 

<第3節B卓最終結果>
和久津+32.9P 吾妻+22.8P 菅原+7.5P 杉浦▲63.2P

(文:越野智紀)

第39期十段戦 九段戦Selectレポート

【第39期十段戦 九段戦Select 船木・佐々木が勝ち上がりで九段Sへ進出】

本日の対局者は

船木伸一
佐々木寿人
黒沢咲
萩原聖人

 

 

最初の山場は1回戦東2局。黒沢の手牌は風牌3種がトイツ。1枚目の東南をスルーする。初っ端から黒沢らしさ全開だ。

 

 

ドラ表示牌の西は2枚目なのでポン。南ポン、東暗刻にし、満貫テンパイ。後に北を引ければ小四喜チャンス。

同じ局、親番船木の手牌。中をポンして1シャンテンだが、ドラの北がポツンと浮いていたが

 

 

連続で北を引いて暗刻になり、4,000オール。船木が1人浮きのトップを取る。

2回戦。東1局は萩原が北ドラドラ、黒沢から5,200のアガリ。

 

 

次局は親番佐々木が萩原から5,800の直撃。
※正しくは東2局

 

 

しばらく大人しかった船木だが、親番で発白ホンイツ、3,900オールを決める。

 

 

南2局。萩原が二索五索で先制リーチ。

 

 

このリーチを受けた黒沢。牌の持ち方からカン三索待ちに取るのは受けの麻雀として自然だが、リーチに踏み切って2,000・3,900にしたのは見事。

2回戦オーラスは佐々木が2着浮上のアガリ。

 

 

3回戦に入っても船木の安定感は揺らがず。東1局2本場に満貫ツモ。

 

 

オーラスは佐々木が2,600を萩原からアガって1人沈みを回避。

 

 

船木が3連勝で+84.9Pと独走し、あと1枠の争い。2位黒沢と4位萩原の差は31.1P。残り2戦なら十分可能性はある。

注目の4回戦。
親番佐々木が白をポンしてホンイツ気配。ソウズは切られていないが字牌が2種余っている。

黒沢は一索四索五索待ちに変化。親番佐々木に真っ向勝負のリーチを宣言するが

 

 

佐々木はカン八索待ちで18,000のアガリ。放銃した黒沢だけでなく、追う萩原にとっても痛い1局となった。

最終戦。南中八筒をポンした萩原は満貫テンパイ。
佐々木を沈めないと勝ち上がりが難しい為、黒沢から出た七筒に見逃しをかけるも、佐々木に放銃となってしまう。

 

 

南3局。佐々木はチーして一通片アガリの九万待ちテンパイ。

 

 

一方、親番黒沢は高め九蓮宝燈のテンパイ。一万も山に1枚残っていたが

 

 

テンパイ打牌に九万が選ばれて佐々木のアガリ。

 

 

もし六万を切っていたら、黒沢の手元にラス牌の一万が訪れたかも知れない。出来ればもうちょっと先まで観ていたい1局だった。

 

 

九段戦Select卓からは
船木伸一
佐々木寿人
の2名が勝ち上がり

 

 

同日に別会場で行われた九段戦の結果はこちら

 

 

第39期十段戦 九段戦S Selectは
2022/6/12(日) 12:00

前原雄大
山井弘
前田直哉
魚谷侑未
 
実況 阿久津翔太
解説 勝又健志

ご視聴はこちら!

日本プロ麻雀連盟公式ルールで5回戦を行い、上位2名が勝ち上がり

(文・吾妻さおり)

何を切る? 2022年6月

第30期麻雀マスターズ 5回戦(最終戦) 南4局2本場 南家 白鳥翔プロ

 

100

 

100

 

 

■Twitterで実施したアンケートの結果

 

100

 

■OPENRECで実施したアンケートの結果

 

100

 

■ニコニコ生放送で実施したアンケートの結果

 

100

 

■プロ解答

九筒切り

 

100

 

五万切り

 

100

 

一筒切り

 

100

 

二筒切り

 

100

 

■実況・解説陣 (アンケート時)

 

100

 

小笠原「マスターズ最終戦オーラスからの何切る?です。」
内川 「優勝がかかる大事な場面ですね!」
小笠原「そうなんです!逆転条件もある中で、さてどうしましょう?」
内川 「条件はあるけど、こういう状況下では脇からの出アガリはほとんど無いものとしてツモアガリの条件を第一に考えるよね。」
小笠原「アンケートの選択肢は、五万 一筒 九筒となっています。」
内川 「どれも牌効率的にはそんなに遜色ない選択肢かな。」
小笠原「内川プロは何を選ぶのでしょうか?」
内川 「僕は九筒です。なぜならヤミテンが効くからですね。」
小笠原「一筒との差って何かあったりするんですか?」
内川 「一筒は浅井プロが切っていてそこは持っていないケースが多いので。この状況だと七対子も考えて、全く良くない九筒よりは優先して残したいです。」

■プロの視点
白鳥翔プロ
「ある程度はまっすぐ進めてくるであろう奈良プロの河にピンズが高く、条件の無い伊藤プロの河は当てにはならないとはいえ、ピンズを一枚も切っていないという状況。ここで重たいピンズの形を自力決着にかけるには心許なく、五万の縦重なりも視野に入れて一筒切りとしました。今もう一度局面を振り返ると、ドラドラ固定の五万を打つ方が良いかなと思っています。」

■終局図

 

100

 

日本プロ麻雀連盟チャンネルはこちらから
OPENREC 日本プロ麻雀連盟チャンネル
ニコニコ生放送<PC版>

【麻雀最強戦2022 男子プロ理詰めの極致】優勝は石川遼!

6月20日(日)15時より、「麻雀最強戦2022 男子プロ理詰めの極致」が行われた。

その模様はAbema麻雀チャンネルにて生配信され、石川遼が優勝!

 

 

 

(麻雀最強戦キンマweb-近代麻雀)

第39期 A2リーグ 第3節C卓レポート

「プロ生活一番負けたわ」井出康平、苦悩の1日!

6月14日、第39期鳳凰戦A2リーグ第3節C卓が放送された。
対局者は、和久津晶、白鳥翔、井出康平、三浦智博。

 

 

1回戦は高打点がぶつかり合い、白鳥・和久津・三浦と順番に高打点のツモ。

 

(中・ドラドラ)

 

(リーチツモドラ3)

 

(中・ホンイツ)

 

東4局5本場、和久津が3フーロ。

 

 

東を止めていた井出であったが、11,600のテンパイが入り勝負。

 

 

8,000の放銃で、1回戦1人沈みに。井出としては前節大きくマイナスしていたこともあり取り返したいところ。
2回戦南2局、待望のドラ暗刻テンパイが入るが…

 

 

 

和久津へチンイツの8,000放銃となり、またしても1人沈みに。

2回戦を終えた時点で▲75.1Pのビハインドを負った井出は浮上のきっかけを掴めず、この日4連続の4着。
SNSでは「プロ生活一番負けたわ」と綴った。

一方で得点を伸ばしたのは、試合後のインタビューで「配牌が悪いからってじっとしているのが苦手」と語った和久津。
3回戦南1局、この配牌を取ると八筒ポン・白ポンと発進。

 

 

 

2つ仕掛けてこの形は、和久津ファンであれば見慣れた光景だろう。むしろ一筒がトイツな分、やや整っていると言えるかもしれない。
この局は13巡目に白鳥が12,000のテンパイを入れ一筒を勝負。

 

 

ポンしてドラ単騎テンパイを入れた和久津が2,000・4,000のアガリとなった。

 

 

1日終了時点のトータルポイントは以下の通り。

 

 

 

卓内トップは全連対で+53.8Pの和久津。
白鳥・三浦もポイントを伸ばし、明暗が分かれる1日となった。

次回A2リーグの放送は6/21(火)。
対局者は、山田浩之、内川幸太郎、古橋崇志、客野直。
解説は紺野真太郎が務めます。

次回も是非お楽しみに!

ご視聴はこちら!

(文・浜野太陽)

第39期十段戦 九段戦Sレポート

6月12日、九段戦Sが巣鴨道場にて行われた。
全6卓24名で開催され、勝ち上がった12名に昨年の決勝進出者を加えた16名が十段戦ベスト16に進出となる。

 

 

5卓のみは九段戦Sセレクトとして放送されていたので、そちらもせひご覧ください。

 

 

出場選手はご覧の通りです。

 

 

注目は現鳳凰位の佐々木寿人。
鳳凰位、十段位のW戴冠に期待が高まる。
また、地方勢からは九州本部から浜上文吾、静岡支部から中寿文、東北本部からは皆川直毅らがここまで勝ち残っている。

この日もルールは日本プロ麻雀連盟公式ルール、
ワイルドカードはなく、各卓2名が勝ち上がりのトーナメント方式。
時間無制限で対局がスタートした。

 

 
 

 

 

 

 

結果は以下の通り

 

要所でアガリを決めた川原、親番で連荘しポイントを稼いだ藤島の2名がベスト16に進出を決めた。

 

皆川があと一歩で通過の位置につけるも、吉田直に国士無双の放銃。
その後は越野と近藤が4回戦までのリードを守りきり通過。

 

石川遼、船木の2名が4回戦までに得た大幅リードを守り切り通過。

 

最終戦、佐々木、森山の着順勝負に注目が集まる。
森山がラス前の親番で連荘、あと一歩で通過という位置につけるも、佐々木が勝負所でアガリを決め切って通過を決めた。
4卓は中、佐々木が通過。

 

トータルトップ目の福島以外の3者が大混戦。
ダンプ大橋もラス前に5本場まで連荘しオーラス500・1,000条件まで差し迫るも浜上の勝利。
6卓からは福島、浜上が通過となった。

ベスト16以降は全卓放送となるので皆さまぜひお楽しみに。

(担当:松田彩花)