第20期プロクイーンベスト16C卓レポート

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【第20期プロクイーン~ベスト16C卓~、西嶋、蒼木がベスト8進出】
ベスト16C卓の選手はこの4選手。

岡田桂(麻将連合)
前年度決勝によるベスト16シード
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西嶋ゆかり
二次予選からの勝ち上がり。
第15期プロクイーン
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蒼木翔子
一次予選からの勝ち上がり。
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谷崎舞華(最高位戦)
一次予選からの勝ち上がり。
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◇ 1回戦
親番で発、ドラ2の2,000オール。

一筒 上向き一索 上向き二索 上向き三索 上向き ツモ一筒 上向き ドラ一筒 上向き チー七索 左向き五索 上向き六索 上向き チー九索 左向き七索 上向き八索 上向き ポン発発発
子でもリーチ、ツモ、ピンフ、ドラの1,300・2,600をアガった岡田がトップ。

五万 上向き六万 上向き七万 上向き三筒 上向き四筒 上向き五筒 上向き七筒 上向き八筒 上向き三索 上向き三索 上向き四索 上向き五索 上向き六索 上向き ツモ九筒 上向き ドラ五筒 上向き 裏八万 上向き
2着は西嶋、オーラスにアガって着順を上げた。

 

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◇ 2回戦
南4局の親番に七対子、ドラ2の9,600をアガった西嶋がトップ。
先制リーチの現物では谷崎の放銃もやむなし。

 

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2着は岡田。ドラの七万をポンされたが、リーチに踏み切り4,000オールにした。

 

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◇ 3回戦
1着2着を岡田-西嶋、西嶋-岡田と交互に取り合ったため、すでに蒼木でもこの半荘は落とせないスコアになっている。(次のキャプチャ参照)
谷崎は2連勝条件、そのうち1回は割と大きいトップが必要だろう。

普段のスタイルではないと思うが、蒼木が仕掛けて劣勢を変えようとした。

 

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「降りることがない谷崎さんが真っ直ぐ攻めてくるので、得しないことが多いですが…」と解説の勝又。
仕掛け倒れになって谷崎の連荘になっても、局数は減らないし、谷崎が素点を稼いでくれれば、(その谷崎を逆転することで)西嶋、岡田との順位点をつけやすい。
そういった考えもあったかもしれない。

 

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6巡目、直前に対面から切られた六索を鳴かなかったのが蒼木の工夫。
太文字にして強調したいくらいだが、この六索を鳴かないのは本当に凄い。
戦後のインタビューでも勝又が絶賛していた。
九筒を鳴かないのが普通ではあるが、鳴いているとしたら、この六索も鳴く人がほとんどではないだろうか。
結果、1枚切れだが南を重ねることが出来、手牌が安定する。

 

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そして、九筒ポンのときに想定していた最高の形でフィニッシュする。
対々和、混老頭、三色同刻の3,000・6,000。

この局、岡田は七万八万が打ちきれず迂回することになったのだが、非常に難しいがアガリになる手順はあった。
この日の大きな分岐になった1局だったことは間違いない。

 

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南3局、リーチ後に七筒が通ったのが蒼木にとっては幸運で、岡田にとっては不運。
ドラが六筒であるだけに、カン四筒待ちのリーチは考えづらい。
仕方がない放銃ではあるものの、4本場と谷崎のリーチを入れて19.4Pの差がついてしまった。
こういう放銃が命取りになるのも麻雀の面白さだろうか。

◇ 最終戦
随所に好プレーが見られた西嶋だったが、このアガリも素晴らしかった。
実況と解説の声を入れてお届けする。

 

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勝又「えええ。ダマなの?なんで?(驚きの声)」
勝又「まあ、四索七索はドラ表示牌でそんなに良い待ちではないけど…」

 

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実況の阿久津「うわぁあああああ」
勝又「天才だね」

 

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このトータルスコアがあれば、(岡田がホンイツ模様で仕掛けていて)リーチをするリスクを負わなくてもよい、という判断なのかもしれない。
谷崎から7,700。見事なアガリで西嶋の通過は決定的に。

東4局、谷崎が親番で粘って6本場、岡田に待望のアガリ。

 

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岡田がお返しとばかりに後筋で蒼木から直撃をとった。
リーチ、一盃口、ドラ2の8,000は9,800。
岡田2着、蒼木4着の並びが出来たため、このひとアガリで6.8Pまで詰めた。
勝又「まだ6,800点もリードしている、と。最強戦のような1半荘勝負で1,300・2,600をツモってリードしたところと思ったら、めっちゃ有利って思えるでしょ?」
阿久津「今満貫放銃して、そうは思えないですよ。蒼木は心穏やかじゃないと思いますよ。」
阿久津の言う通りだろう。

それでも蒼木は南2局、岡田の親番をすぐに終わらせるべくリーチと勝負に出る。

 

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リーチの一発目に蒼木のアガリ牌を掴まされた岡田だったが、この後の粘りが見事。
アガリまでは結びつかなかったが、四万を使い切ってテンパイを取る。

 

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局は進み、この差がほとんど変わらずオーラス。
岡田の条件は、蒼木から5,200の直撃か満貫ツモだった。

 

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谷崎が岡田から小三元の12,000をアガって、これで勝負は決した。
蒼木は自分がつかんだら放銃になっていただけに、胸を撫で下ろしただろう。

最後に各選手の戦後のインタビューを抜粋して掲載する。

 

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谷崎「判断がチグハグになっていることが多かったように思います。(中略)たくさんの方に応援していただき、いい報告がしたかったのですが残念でした。今後も頑張ろうと思いますので、引き続き応援よろしくお願いします。」
解説の勝又も言う通りほとんど手が入らず、リーチまでいけたとしても、他家にアガリを取られたりと苦しい1日だった。
負けてしまったのは悔しいが、割と諦めもついていたように思う。

 

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岡田「この日のために1年間頑張ってきたので、もう終わってしまって残念です。皆様が応援してくださったので、最後まで楽しく戦うことができました。また戻ってこられるように頑張ろうと思います。」
1、2回戦は優勢だったので、3回戦や4回戦にどこかなかったか、と非常に悔しそうな表情に見て取れた。
来年は予選からではあるが、またの挑戦を期待したい。

 

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蒼木「三色同刻の3,000・6,000をアガれたのが大きかったと思います。思い切っていけた(九筒をポンした)のが良かったです。(中略)プロクイーンは初めてのベスト8で、このまま決勝、優勝まで頑張りたいと思います。」
30点の打牌もあれば150点のミラクルプレーもある蒼木らしい麻雀だった。

 

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西嶋「最初の2局、ガクガク震えちゃって…朝起きたときに、勝ちたすぎるのはマズいなと、電車の中で落ち着け落ち着けと思って来たのですが、着いてからも舞い上がっちゃって…でも、ほんとここで麻雀できるのが嬉しくて震えてました。」
アタリ牌を掴むのが局の終盤だったという幸運もあるだろうが、押しに押して、ギリギリで止める爽快な麻雀だった。
普段からギリギリを目指す訓練をしているのが非常に伝わってきた。
ベスト8も楽しみである。

 

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ベスト16のD卓、8/18(開催済)

ベスト8A卓、9/15(木)16時~

ベスト8B卓、9/22(木)16時~

(文:福光聖雄)

第4期若獅子戦初日レポート

『古いものが新しいものに次々と入れ替わること』

これは生命の維持に不可欠な“新陳代謝”という言葉の定義であるが何も細胞だけに限った話ではない。日本プロ麻雀連盟という組織にも通じる部分があり、次世代を担う新しい存在が団体の付加価値を高め、やがてそれが麻雀の普及・発展へと寄与する。
若獅子戦はその名の通り“29歳以下の眠れる獅子”の発掘を目的として新設されたタイトル戦であり早くも4回目を迎える事になった。

2022年8月20日
強い熱線が体に突き刺さり、まさにこれから起きる熾烈な熱戦を暗示するかのような真夏の日、無限の可能性を秘めた多くのライオンの子が『じゃん亭・錦江荘・勝どき柳』の3会場に群がった。

 

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各会場の振り分けと参加者一覧は以下の通り。(※一部欠場者含む。)

【じゃん亭】

 

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【錦江荘】

 

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【勝どき柳】

 

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G1タイトルを戴冠した者、それに準ずる活躍をしている選手から公式戦デビューとなる新人まで計103名が集結した。

【システム】
① 日本プロ麻雀連盟公式ルール50分+1局で4回戦を行いポイントプラス者が5回戦へ進出。(※各会場の卓組調整によりポイントマイナス者も進出する場合あり。)
② 5回戦終了時、上位48名が翌日の二日目へと駒を進める。(※全てポイント持ち越し。)

また初日・二日目の合計スコアによる勝ち上がり者12名とは別に推薦による4名の勝ち上がり枠を採用している。打牌選択はもちろん身なりや所作あるいはその人の持つ独特のオーラなど多角的に評価され、言わば若手オーディションのような側面も本タイトル戦の特徴の一つだろう。

【初日審査員】

 

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4回戦目終了時の結果を次に示す。
次のステージに進んだのはプラススコアである57位の木本までと人数調整により錦江荘会場からマイナスポイントが小さい順で野村(遼)・橘・山下の合計60名となった。一方では歴代若獅子が揃って途中敗退となるなど、まさに獲るか獲られるかの弱肉強食の戦いが選手達には強いられている。

 

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【5回戦目卓組】

 

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全会場合わせて15卓60名で本日最終5回戦目がスタート。

 

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48/60通過であるが翌日の二次予選はポイント持ち越しシステムとなるため、最後まで激しい戦いが繰り広げられた。

 

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【初日最終結果】
本日見事1位通過となったのは第11期JPML WRCリーグでも決勝に進出した笠原。勢いそのままに好スタートを切った。

 

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他にも若獅子戦において実績のある伊井・神森・瀧澤なども良い滑り出しとなったが、他に着目したいのはこれが公式戦初出場となったデビュー組である。なんと9名のうち、高畑・清水・大野・関・杉原・遠北の6名が翌日の二次予選へ。彼らの躍進にも期待したい所だ。

 

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通過ボーダーは+2.3Pの浜野。次点の椿は僅か0.1P差で敗退という結果となったが、その悔しい思いは次期の若獅子戦にぶつけてくるだろう。

 

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またB2リーグ所属の鈴木や第2期若獅子戦ベスト8の西名などもここで涙を呑む結果となり初日から波乱の幕開けとなった。

若獅子戦二日目はここまでのスコアを引き継いで更に48名から12名に絞るサバイバル戦となります。そして4枚の推薦枠チケットを一体誰が手にするかにも是非注目してご覧下さい。

(文:小林正和)

第39期 A2リーグ 第5節D卓レポート

古橋が大連荘で残留ボーダーへ!A2リーグ第5節D卓レポート

8月16日、A2リーグ第5節D卓が放送された。対局者は古橋崇志、井出康平、石渡正志、猿川真寿。

 

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★1回戦
古橋がメンタンピンツモの2,600オールで先制するも、東2局では猿川に絶好のテンパイ。

 

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ドラかイーペーコーかという手でリーチをかければ11,600が確定するが、自分から三筒六筒は4枚見えており、古橋はマンズのホンイツ模様。
ここはリーチをかけなかった場合のアガリ率の高さを重視し、古橋からヤミテンの5,800。
東3局2本場ではペン三筒待ちから一筒単騎への待ち変えが奏功し、井出から役ホンイツの5,200。

 

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このリードを生かした猿川が初戦トップ。

★2回戦

東4局、井出がドラを雀頭に振り替えてリーチツモピンフドラドラの2,000・4,000。

 

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古橋も南1局にチートイツドラドラをツモり、井出と共にリード。

 

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井出・古橋が700点差でオーラスを迎えるが、ここから古橋が大ブレイク。
まずは南4局3本場。発暗刻、ドラの“北”トイツの配牌を受け取ると、2度受けのソーズをさばいて5,800。

 

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4本場、猿川がドラ1のペン三万リーチ。井出も3メンチャンのリーチで追いかけますが、ここは仕掛けた古橋が2軒リーチを蹴るジュンチャン三色のアガリ。石渡は苦しい連続の放銃に。

 

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流局を挟んで6本場、ここも古橋がリーチピンフツモドラ1の2,600オールで6万点を超えていく。

 

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7本場、ドラ1のリーチを1巡でツモアガり2,000オール。

 

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8本場、三色確定のリーチをまたもや1巡でツモ。4,000オール!

 

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ようやく親番を流せたのは9本場。井出が役ホンイツのアガリで浮きに回る。古橋は理想的な大連荘となり、1半荘で+64.4Pのトップを獲得。

★3回戦

先ほどの大連荘が嘘のように、低打点の応酬で局が進行。
東2局、井出が仕掛けをケアしながらのヤミテンで700・1,300をアガるが、これがこの半荘の最高打点。

 

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この他2回のアガリを手にした井出がトップ。

★4回戦

古橋の大トップにより、初戦トップから当日マイナスまで後退してしまった猿川であったが、東1局にリーチをかけて高目のツモ。

 

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リーチツモ三色の2,000・4,000。
親番でも2,900、1,300オールで5万点近くまで得点を伸ばしていく。

一方、好調の古橋も東4局3本場、親番でダブ東トイツ、白暗刻の超好配牌!ダブ東を鳴くことができ、ホンイツもつけ1,2000のアガリに。

 

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さらに続く4本場、再び古橋がダブ東をポン。ダブ東発・チャンタで連続の親満テンパイとなるが、ここは仕掛けた井出がタンヤオ三色ドラ1の1,000・2,000。

 

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この半荘は猿川が逃げ切り、トップを獲得。

1日終了時点のトータルポイントは画像の通り。

 

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古橋が2回戦の大トップを活かし+60.6Pの一人勝ち。残留ボーダーラインまで復活することに成功した。
猿川は2回のトップも、2回戦の沈みが響いてマイナス。
3回戦トップを獲得した井出も小さなマイナスで抑えるが、
トップが無く2回の4着に沈んだ石渡が▲56,7Pのマイナス。一旦は残留ラインを気にする戦いになっていきそうだ。

次回A2リーグの放送は9/6(火)。対局者は和久津晶、高橋良介、山田浩之、柴田吉和。解説は井出康平が務めます。
次回も是非お楽しみに!本日の速報は以上です。

(担当:浜野太陽)

「~心境の変化~」 佐々木 寿人

私は昔から早期決着が好みだった。
「早く帰りたいだけだろ」と言われることも多かったが、そんなものは理由の5割にも満たない。
無駄に試合を長引かせるのが嫌なだけである。試合が長引く要因の最たるものは、やはり局数が増えることにある。つまりは、他家の連荘ということだ。

どうにもならないときも確かにある。だが、これが自ら引き起こしてしまったものだとしたら、後の勝敗にも大きな影響を及ぼすと思うのだ。

私が極端にアガリ逃しを嫌うのはこのためだ。50分で終わるものを80分に引き伸ばして何になる。特に1日に何度も対局するようなときは、脳や精神に対する負担も小さい方がいいに決まっている。

“無駄なく、隙なく”
これが私のモットーである。

直接聞いたわけではないが、古川さんにもそれに近い匂いを感じることがある。
古川さんの手数はA1でも圧倒的に多く、アガリの精度も高い。打点は二の次で、とにかくアガリによって自らのペースに持ち込んでいくシーンを幾度となく見せられてきた。

初日の1回戦、古川さんの入り方はいつもと同じように見えた。しかしながら、前田さんへの大きな放銃が続いて4着スタート。
特筆すべきは、残りの3ゲームに一切戦い方を変えなかったことだ。

普段は勝った試合しか見ない私も、この鳳凰位決定戦だけは何度も見返したから間違いはない。
そこで1つの考えが浮かんだ。古川さんは、2日目もおそらくこの戦い方でくる。ならばそこに乗っかってしまおうという作戦である。

初日を+58.0Pの1人浮きで終えることができた私にとって、古川さんが安く局を回してくれるなら、これほど有難いことはない。そのときにはじっくり手を作ってぶつけ、そうでないときに早く正確にアガリを取りにいく。シンプルであるが、もしかするとこれが最も優勝に近いやり方なのでは、という結論に行き着いたのである。

この方針変更は打点型の2人にとってもきつくなるはずで、両方が浮上してくるようなことにはならないように思えた。
何度となく敗れてきたからこそ言えることだが、こういった戦いにおいて蚊帳の外に置かれることは本当に苦しいのだ。
言い方を変えれば、ライバル達を振り払った先にしか優勝はない。だがそれは、必ずしも自力だけでどうにかなるものでもない。4人で戦うからこそ、時に他力に助けられる場面もあるのだ。

5回戦は、黒沢さんが軽快にアガリを重ねる出だしとなった。
一方の私は、一切の収入がないまま東3局を迎えることに。
その東3局も、11巡目には私以外の3者がテンパイを果たしている。

 

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確かに当時も、場に怪しい雰囲気が出ているなと感じ取った記憶がある。
12巡目、私も八筒を引いてテンパイするが、八索は既に全枯れ。打九索でとらずと構える。
14巡目、前田さんが黒沢さんのロン牌である八万を掴むが、二万と入れ替えて放銃を回避。これで八万が山からなくなる。
16巡目、古川さんが前田さんのロン牌であるドラの六索を引く。

五万七万八万八万八万二筒三筒四筒四筒五筒六筒七筒七筒  ツモ六索

ここまでのポイントからも切っておかしくない場面ではあったが、古川さんはこれを打たずに打七筒としてテンパイを壊す。さすがの守備力である。

これで前田さんの待ちもカラ。
私はこの七筒にポンテンをかけ、3者にほぼ当たることのなさそうな七索を打った。

二万三万四万二索二索三索四索八筒八筒八筒  ポン七筒 上向き七筒 上向き七筒 上向き

そして次巡、三筒を引いて四索のノーチャンスである打二索とすると、同巡に黒沢さんから三筒を捕らえることに成功した。

二万三万四万二索三索四索三筒八筒八筒八筒  ポン七筒 上向き七筒 上向き七筒 上向き  ロン三筒

不思議なアガリだな、これが率直な感想だった。
自分が明らかに四番手であることを自覚していただけに、たかが1,000点とは言え望外のアガリに思えたのだ。
しかしながら、こんな些細なきっかけからガラリと展開が変わるのも麻雀の面白いところである。

私は続く親番で、500オール、1,100オールとアガリ、親が落ちた後もテンパイ料、1,000は1,300と安いながらも加点に成功。
そして南2局では、フリテンの一万四万をツモアガって原点復帰を果たした。

二万三万四万四万七万八万九万二筒三筒四筒六筒七筒八筒  ツモ四万  ドラ九万

南3局、親は古川さんに回った。
3巡目、北家の黒沢さんが南を重ねて1シャンテン。

五万三索四索五索六索七索八索東南北北中中  ツモ南  ドラ二筒

東として、ホンイツの匂いを消しにかかる。
7巡目、親の古川さんも1シャンテンとなる。

二万二万三万五万六万八万八万九万九万九万六筒六筒中  ツモ六筒

中切りなら黒沢さんにポンテンが入るところだが、古川さんの選択は打三万
一万はまだ2枚切れという場況であったが、ここは手広さより打点を見ての一打だったのだろう。

だが、続けて古川さんのもとにやってきたのは北だった。
これでどちらを切っても黒沢さんに鳴かれるどころか、7,700の放銃の未来まで見えることとなってしまった。
ちなみに古川さんが前巡に中を切っていたなら、この北で黒沢さんの満貫ツモである。
そんなこととは露ほども知らぬ私は同巡、絶好の六万を引き入れてテンパイ。

四万五万七万七万一索二索三索四索五索六索二筒四筒五筒  ツモ六万
 
当然ドラの二筒を切ってリーチと出る。
14巡目、古川さんが六万を引く。

 

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古川さんが凄いのは、ここでも中切りとならないことである。
確かに黒沢さんが押してきていることはわかる。ただここは、古川さんも広く構えてアガリをモノにしたい局面であるはずなのだ。
加えて私の河を見ても、マンズの中頃が通る保証はない。それでも黒沢さんの河にある五万を切ってくるのは、1年間リーグ戦を戦ってきた黒沢さんに対する古川さんなりの評価だったのではないだろうか。

本手は黒沢さんで、中をぶつけるのは最後の最後という判断は、確かに合っていたのである。
だが局がもつれたことにより、恩恵を授かったのはこの私だった。

四万五万六万七万七万一索二索三索四索五索六索四筒五筒  リーチ  ロン六筒 

これが黒沢さんからの直撃で、トップ逆転。
5回戦はこのまま逃げ切りに成功することになった。

今振り返っても、この5回戦に黒沢さんの追い上げを振り切ったことは、優勝に向けて大きなポイントになったと思う。
東場と南場の古川さんの親番は、仮に私が打っていたならいずれも失点で終わっている。
東場は、リーチ棒付きで前田さんへの満貫放銃。
南場は、黒沢さんの満貫ツモで親被り。

そうさせないのは、古川さんの守備に対する高い意識と、危険を察知する鋭い嗅覚に他ならない。
ただ、それによって私が浮上するきっかけを掴んだこともまた事実である。

日吉風に言えば、「風が吹いている」のである。
この5回戦オーラス、3巡目に北家の古川さんが中を仕掛けた。

一万二万五万六万一索二索五索六索七索五筒南中中  ドラ一索

これは場に2枚目の牌ではあるが、24,000持ちということをふまえると、あまり鳴きたくはないところだ。
しかし、古川さんには一切の迷いがない。私がトップで終わったとしても連荘されるよりましと、2,000点でしっかり蹴りにくる。
先に述べた通り、これはリードする私にとって有難く、追いかける前田さん、黒沢さんにとってはきついのだ。
2日目を迎えるにあたり、古川さんの出方に合わせていくことを念頭に置いていた私は、真っ直ぐに手を進め、8巡目にリーチを打った。

七万八万九万三索四索三筒四筒五筒六筒六筒七筒八筒九筒 

ドラもないピンフのみの手でも、このリーチによって古川さんを受けに回らせられることが十分に想定できたからである。

一万二万六万六万一索二索三索四索五索六索  ポン中中中  ロン三万

この時は既に古川さんにテンパイが入っていて、私の現物である三万で前田さんからのアガリとなったが、2日目の初戦をトップで終えることができたのは、精神的にも非常に大きかった。
この日行われた5回戦から8回戦までの成績は、1・2・3・1で、ここまでの沈みは一度しかない。
初日の映像を何度となく見返した上での作戦変更が、上手くはまったとしか言いようがない。

トータルポイントも+93.2Pと、目標とする100ポイントにあと一歩というところまでこぎつけた。
ここからは、はやる気持ちを抑えていかに勝ち切るかということが重要になってくる。
大きなリードを奪ってもなお、自身の心が休まる日は来なかった。
 
  
  
 
 
 
  

戦術の系譜33 森下 剛任

前回は序盤・中盤ほどリスクと引き換えにアガリ率をあげて、他者より早くアガることが防御に繋がるという戦術でした。

今回の戦術は、残り【スジの本数と残り巡目】についてです。

麻雀における「スジ」には、
1―4、2-5、3-6、4-7、5-8、6-9の6本のスジがあります。

マンズ、ピンズ、ソウズの3種類があるので、3種類×6本の合計18本のスジが存在します。

私の通り名は『東海1の押し麻雀』で、もちろん長所ではあるがまったく守備を考えていないわけではありません。
自分の打点や他者の打点、テンパイ・ノーテンなどを元に押し引きを考えます。

相手からの先制リーチや仕掛けに対して、

①自分のアガリを優先して真っ直ぐ押し返すのか
②迂回してテンパイが取れるように粘るのか
③他家に放銃しないように完全撤退するのか

といった押し引きの判断材料の1つに、残りスジの本数と1局が終了するまでの残り巡目を常に気を付けています。

例で言えば、ダブルリーチや3巡目以内の早いリーチを受けた際に、自分の手牌が以下のような手牌だったとしましょう。

三万五万七万四索五索七索八索三筒四筒四筒五筒六筒七筒  ツモ五索  ドラ七索

他家からリーチを受けた時に、安全牌はメンツに組み込まれている五筒の1枚しかなく、1巡の安全はかえたとしても次巡に手が詰まりそうであったり、この手牌は大物手に仕上がる可能性が見込めるので、「①自分のアガリを優先して真っ直ぐに押し返す」を選択します。

早い巡目のリーチは、必ずしも高打点であったり、良形のテンパイであるとは限りません。
手痛い放銃になってしまうケースもありますが、しっかりと自分のアガリを目指し、放銃する事は仕方の無い事として割り切ってしまいます。

次に、ある程度の巡目が進んでからの他家からリーチや仕掛けがあった際についてです。
残り巡目が5巡、残りスジの本数が5本であった場合に押し返すか否かは、現在の自分の持ち点状況、着順やトータルポイント等も加味した上で押し引きを判断します。
では、残り巡目が2巡、残りスジの本数が3本であった場合はどうでしょうか。
オリてしまうとほぼ負けが確定してしまう親番であれば押し返さざるを得えませんが、そうでない場合は、私は残りの無スジの牌は押し返さない事が多いです。

ただ親の仕掛けが1,500点確定の場合に、自分がドラ3などの大物手の時は残り1スジでも切る場合があります。
これは相手が良形ではない時の見返りが大きいためです。もちろん打牌する時は覚悟して打ちましょう。

私の基準としては自分の手牌がある程度の中打点で、アガれそうな場合は残り5スジぐらいまでは勝負します。
これは普段の稽古で自分なりの基準を見つける事をオススメします。

参考例として幾つか挙げましたが、「残り巡目が○巡、残りスジの本数が●本であった場合」と様々なケースで、押し返すのか押し返さないのかの押し引き判断を自分にあった麻雀観と照らし合わせながら、見つけて頂けたら攻めの幅も広がると思います。

注意点としては、スジが当てはまるのは「相手の待ちがリャンメン待ち以上」の時になりますので、相手の捨て牌が不規則であったり、七対子やチャンタなど、何かしらの手役を狙っていそうな場合には、むしろスジ牌が危険な事も多いので気を付けましょう。

「今まで残りスジの本数を数えた事が無かった」という方は、是非ともこの思考を取り入れた上で麻雀の稽古をして頂きたいと思います。
始めのうちは、残りスジの本数のカウントに手間取る事もありますが、慣れてくれば自然と残りスジの本数を考えながら麻雀を打てるようになります。

残りスジを意識する事で、おぼろげながらでも相手がどのような牌を欲しそうかを考える事に繋がり、相手の手牌構成も想定する事が出来てきます。

【意識の無意識化】ができれば、その思考はあなたの“技”となるでしょう!

次回の戦術は「親と子の戦い方の違い」についてお話しします。

お楽しみに!

何を切る? 2022年8月

麻雀日本シリーズ2022 13回戦 南2局1本場 東家 柴田吉和プロ

 

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■Twitterで実施したアンケートの結果

 

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■プロ解答

九万切り

 

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七索切り

 

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七筒切り

 

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七万切り

 

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五筒切り

 

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■実況・解説陣 (アンケート時)

 

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古橋「三色も見える。四暗刻も見える。チンイツも見える…ということで会長、何を切りましょうか?」
森山「私ならチンイツは逃したくないですね。」
古橋「なるほど。では三色も見て七索あたりですか?」
森山「チンイツを本線に見るとしても、ここで三色かトイツ系かどちらかは手役を見切らなければいけないんですよ。」
古橋「そうなんです!」
森山「ドラが東ということで、ドラを引いてきた時には七対子もあるかな…くらいに考えながら五筒くらいから切って、やはり本線はチンイツ。下家に七筒が現物ということで、五筒七筒の順で嫌うかな。」

 

■プロの視点
柴田吉和プロ
「自身に残された半荘数が少なく、素点を稼いだトップが欲しい半荘で、親を離したくない場面。不安定な三色は捨てて、四暗刻は逃さないように、チンイツとトイトイ・七対子の天秤をかけました。ここで打七筒とした後は、五万九万はポンしてチンイツ移行するつもりでした。」

 

■終局図

 

100

 

日本プロ麻雀連盟チャンネルはこちらから
OPENREC 日本プロ麻雀連盟チャンネル
ニコニコ生放送<PC版>

第10期麻雀プロアマオープン競技会 本戦レポート

第10期プロアマオープン競技会本戦レポート

少し早い台風が日本列島に訪れた8月13日、第10期プロアマオープン競技会の本戦が行われた。

巣鴨にある日本プロ麻雀連盟本部道場の道場部がプロアマオープンの予選会としての意味合いを持ち、2022年1月~6月の半年間の成績上位者・入賞者40名がこの日道場に集い、翌日に行われるベスト16を目指し戦う。荒天の中、遅刻者欠席者なく定時に対局開始となった。

 

 

【大会システム】WRCルール
①40名で半荘3回戦を行い上位12名がトーナメント進出
②12名を3卓に分け半荘1回戦を行い、各卓上位2名が翌8月14日に行われるベスト16(日本プロ麻雀連盟チャンネルにて放送)へ勝ち上がり。
プロアマオープン競技会に関してはこちら

参加者は以下の40名。

 

 

プロ連盟からは有田将之・高橋大輔が参加。

 

 

道場部でもお馴染みの2名がポイント上位となり本戦からの参加となった。

 

 

1回戦・2回戦終了。会場で連勝したのは山部さんのみ。WRCルールのため、まだまだ誰にもチャンスがある。

 

 

そして3回戦が終了。
12名がトーナメントに進出。

 

トーナメント1卓
きのぴーさん・キモトさん・高橋大輔プロ・金山二郎さん

 

トーナメント2卓
山部正人さん・森雅彦さん・後藤竜司さん・有田将之プロ

 

トーナメント3卓
タケタケさん・かずや⭐︎雀アカさん・加藤鳩さん・チャヤまんさん

 

ここは60分の時間制限ありのトーナメント戦1半荘。
いつも道場部(このプロアマオープンの予選でもある)で打っている選手たちだけに、ほとんどの卓がスムーズな進行で時間内に対局を終えた。

熱戦の末、勝ち上がったのは
高橋大輔プロ・きのぴーさん
森雅彦さん・後藤竜司さん
かずや☆雀アカさん・加藤鳩さん
そして急遽ワイルドカードで進出となったのはチャヤまんさん。

7名が勝ち上がりとなり、鳳凰位・佐々木寿人プロ、前回優勝の山田樹プロや月間優勝のシード選手が待ち受ける準々決勝のメンバーが確定。

 

 

巣鴨連盟本部道場今は年でオープン5周年。
記念すべき第10期プロアマオープン競技会の優勝者は一体誰になるのか。
放送ページ
第10期麻雀プロアマオープン競技会~準々決勝・準決勝・決勝~【無料放送】

(文:編集部)

第3回リーチ麻雀世界選手権

『第3回リーチ麻雀世界選手権』開催決定!!

主催:WRC

開催国:Austria
開催都市:Vienna
大会会場:INTERCONTINENTAL VIENNA

参加国:33ヶ国
参加数:160名
※参加国及び参加人数は予定
開催日程:2022年8月25日~8月28日

この大会の模様は日本プロ麻雀チャンネルで生配信いたします。

8月24日=選手登録及びオープニング
8月25日=1回戦~5回戦
8月26日=6回戦~10回戦
8月27日=ベスト32 ベスト16
8月28日=ベスト16 決勝
※日付はオーストリアの日付
※ベスト32~ベスト8までは2回戦のトーナメント
※決勝は2回戦のトータル

日本人参加数=38名予定
日本プロ麻雀連盟出場者:33名

100

森山 茂和
Shigekazu Moriyama

100

伊藤 優孝
Yūkō Itō

100

ともたけ 雅晴
Masaharu Tomotake

100

藤崎 智
Satoshi Fujisaki

100

黒木 真生
Masao Kuroki

100

山井 弘
Hiroshi Yamai

100

西川 淳
Jun Nishikawa

100

HIRO柴田
Hiro Shibata

100

柴田 吉和
Yoshikazu Shibata

100

古橋 崇志
Takashi Furuhashi

100

日吉 辰哉
Tatuya Hiyoshi

100

本田 朋広
Tomohiro Honda

100

ガース ネルソン
Garthe Nelson

100

ダニエル モレノ
Daniel Moreno

100

ケネス徳田
Tokuda Kenesu

100

奈良 圭純
Keijun Nara

100

齋藤 豪
Gō Saitō

100

越野 智紀
Tomonori Koshino

100

山田 学武
Manabu Yamada

100

西島 一彦
Kazuhiko Nishijima

100

伊賀 則夫
Norio Iga

100

平野 良栄
Ryoei Hirano

100

土屋 幸弘
Yukihiro Tsuchiya

100
100

二階堂 瑠美
Rumi Nikaidō

100

二階堂 亜樹
Aki Nikaidō

100

和泉 由希子
Yukiko Izumi

100

蒼井 ゆりか
Yurika Aoi

100

ジェン
Jen

100

山脇 千文美
Chifumi Yamawaki

100

菅原 千瑛
Hiroe Sugawara

100

早川 林香
Rinka Hayakawa

100

美晤
Mio

100

香野 蘭
Ran Kouno

100
100

第18期静岡プロリーグ 第4節レポート

まだまだ頼りない支部長代行ですが、みんなを引っ張って行きたいと思います。
これからも一緒に戦ってください!
先月の十段戦ベスト16で敗れた中の言葉。

静岡支部といえば、望月の印象がやはり強い。
望月が支部長を退き、今まで作り上げてきたものを考えると、代行となった中の重圧は計りしれない。

どうやって支部をまとめよう?
若手が増えた静岡支部には、広報や麻雀普及活動も大事。
だけど支部を背負っていくためには、麻雀で結果を出してこそ説得力も生まれる。
そんなことは前々から話してくれていた。
(書くの2回目かも?)

支部長代行になってからすぐ結果を出してくれたことは嬉しく思う。
負けてしまったけど・・。

静岡プロリーグの前日も、小1時間負けた話し聞かされたけど、どうせなら勝った話ししてくれよな笑
中さんについていきますよ。一緒に戦っていきましょう!

それでは静岡プロリーグの結果を。
太田、栗島が大きくポイントを伸ばし、
別日対局では島崎がポイントを伸ばした。

太田は初戦ラスから3連勝で90ポイントの大勝。
見事な麻雀だった。

最初は自分の注目卓でもある
川崎、小林、鷲見、京平の卓を見ていた。
2回戦から隣の卓で、太田の声がよく聞こえていたので一局見ることに・・。

カン二万の5,200。
愚形だったが、ハンパじゃなく美しい手順だった。
その1局で太田の後ろを離れられなくなった。
別に注目卓の麻雀が、つまらなかったわけではない。
それほどまでに太田の麻雀は完璧に近かったのだ。
初戦ラスから90勝つのも頷ける。
いやマジで強い!!

正直前期の決勝戦では、太田の力は半分も出せていなかった。あの麻雀を打ち続けたら決勝確定。本調子の太田とまた戦いたい。

栗島は大勝したのを初めて見た。それだけ雀力がついてきたのだろう。上位陣を脅かす存在になってほしい!

島崎は別日対局で大勝。後ろで見ていたが、ほとんどミスがないように見えた。強い!
島崎は同世代のライバル。負けたくない相手の1人だ。

来節は折り返しの5節。順位が動き出してきた。
上位陣は踏ん張れるのか!?下位陣もまだまだチャンスあり!

決勝進出は誰の手に???

(文:青嶋宏樹)

順位 名前 合計 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 10節
1 川崎義之 213.9 68.8 96.5 46.3 2.3
2 太田昌樹 155.3 53.5 10.6 91.2
3 青嶋宏樹 115.6 83.1 32.5
4 島﨑涼 111.8 43.0 73.4 ▲ 4.6
5 栗島有紀 77.4 16.1 61.3
6 石津寿人 53.8 ▲ 34.7 89.3 ▲ 0.8
7 渡辺史哉 51.7 73.7 ▲ 22.0
8 高橋大輔 36.0 20.8 15.2
9 平岡理恵 31.6 55.4 ▲ 23.8
10 鈴木秀幸 29.7 4.1 ▲ 27.5 29.7 23.4
11 斉藤隆 18.3 ▲ 8.6 26.9
12 岡本和也 12.5 33.4 ▲ 35.5 26.0 ▲ 11.4
13 鈴木郁孝 8.4 51.5 2.8 ▲ 19.7 ▲ 26.2
14 中寿文 3.5 3.5
15 土屋幸弘 0.0
15 大橋幸正 0.0
17 安藤銀一 ▲ 0.4 35.7 ▲ 36.1
18 杉村泰治 ▲ 6.0 9.8 ▲ 57.4 41.6
19 京平遥 ▲ 10.7 25.4 ▲ 36.3 0.2
20 山下棟健 ▲ 11.8 ▲ 39.3 19.5 30.4 ▲ 22.4
21 小林正和 ▲ 14.7 ▲ 27.2 12.8 ▲ 7.5 7.2
22 橘太一 ▲ 37.6 ▲ 29.7 55.6 ▲ 63.5
23 鷲見隼人 ▲ 38.5 ▲ 11.6 3.8 ▲ 30.7
24 井坂彰宏 ▲ 56.7 ▲ 38.5 ▲ 18.2
25 天音まこと ▲ 70.0 ▲ 64.8 ▲ 5.2
26 安部颯斗 ▲ 94.8 ▲ 81.5 ▲ 33.1 ▲ 5.8 25.6
27 廣岡璃奈 ▲ 101.8 ▲ 75.9 ▲ 13.7 ▲ 12.2
28 高村龍一 ▲ 111.6 ▲ 41.0 ▲ 20.7 ▲ 49.9
29 平野敬悟 ▲ 125.3 ▲ 23.0 ▲ 25.1 ▲ 51.5 ▲ 25.7
30 渡辺洋巳 ▲ 141.0 ▲ 73.8 ▲ 25.8 ▲ 41.4
31 ダニエルモレノ ▲ 178.3 ▲ 79.2 ▲ 78.8 ▲ 20.3

第17期女流桜花Aリーグ第5節B卓レポート

着順よりも素点が重要と言われることが公式ルールでは良くあります。

 

 

第5節B卓に出場した4選手のこの日の着順は

鈴木彩夏(3着1着3着1着)
川原舞子(1着2着2着4着)
桜川姫子(4着3着1着3着)
杉浦まゆ(2着4着4着2着)

トップ2回でラス無しと着順だけ見ると一番プラスしていそうな鈴木は

 

 

3回戦での素点を大きく削られた3着でのマイナスが響き、本日▲5.3Pと浮きに届かず。
次いでトップ1回2着2回と着順の良かった川原は

 

 

1回戦に2度の大きなアガリで1人浮きのトップを取るも、最後のラスで浮きを削られ+11.4Pと勝ち切れず。

この2人を抑えて卓内トップに立ったのは着順だけだと3番手の桜川。
1節前に僅かながらもAリーグ初の浮きで終わり潮目を変えた桜川は

 

 

3回戦に掴んだ大きな波、四暗刻のツモアガリで一気に抜け出すと

 

 

その後も一気通貫の4,000オールや

 

 

ピンフ・タンヤオ・三色と手役ラッシュでダメ押しが決まって9万点越えの超特大のトップ。
他3戦のマイナスを一撃で打ち消し、素点の大切さを証明した。

 

 

トータルでも遂に最下位を脱出して15位に浮上した桜川は、残り2節で最低2つ良ければ3つ以上着順を上げるという目標が現実的に見えてきました。

 

<第5節B卓最終結果>

桜川+38.7P 川原+11.4P 鈴木▲5.3P 杉浦▲44.8P

(文:越野智紀)

第39回静岡リーグ帝静戦(プロアマ混合)第4節レポート

先日行われた十段戦ベスト16。
麻雀を始めた時から、その背中を見続けている私にとって、その対局は大きく脳裏に焼き付いている。
残念ながら敗退してしまったものの、支部長代行となった中プロの健闘は素晴らしいものだった。

第4節。
最終節へ向けた最も大事な節と言っていいだろう。

1位は渡辺洋巳プロ。
今回は順調にポイントを増やし、第3回以来、18年ぶりとなる決勝へ向け、状態は良い。

2位は舟橋さん。
今節大きくポイントを伸ばし、安全圏で最終節を迎える。

3位からは川崎プロ、1節未消化ながら天音プロ、そして桜雷廣岡プロ。
ここまでがボーダーで110.5P。

3位以下はほとんど団子状態と言っていいポイント状況で、最終節はボーダーも大きく変動するだろう。

最後の最後まで混戦が予想される第39回静岡リーグ帝静戦。
決勝へ進むのは一体誰なのか、熱い闘牌を乞うご期待。

(文:橘太一)

順位 名前 プロ/一般 合計 1節 2節 3節 4節 5節
1 渡辺洋巳 プロ 177.4 87.5 ▲ 45.8 56.1 79.6  
2 舟橋晃 一般 160.8   45.6 16.4 98.8  
3 川崎義之 プロ 124.4 108.7 ▲ 18.7 ▲ 13.1 47.5  
4 天音まこと プロ 119.6 29.6 4.8 85.2    
5 岡本和也 プロ 112.2 42.9 4.4 63.4 1.5  
6 廣岡璃奈 プロ 110.5 33.0 51.5 ▲ 1.7 27.7  
7 松尾政人 一般 96.8 15.1 48.3 42.8 ▲ 9.4  
8 渡部文也 一般 88.4 25.6 26.8 46.4 ▲ 10.4  
9 松本貴仁 一般 88.0 104.4 ▲ 12.5 55.1 ▲ 59.0  
10 鷲見隼人 プロ 87.6 1.1 18.2 ▲ 18.6 86.9  
11 平野敬悟 プロ 83.9 ▲ 42.2 55.2 ▲ 2.5 73.4  
12 石津寿人 プロ 83.8 30.0 ▲ 1.0 48.3 6.5  
13 土屋幸弘 プロ 75.1 ▲ 24.0 39.6 21.6 37.9  
14 松永誠 一般 74.5

102.0 14.6 ▲ 21.1 ▲ 21.0  
15 春田篤志 一般 72.9 ▲ 7.2 30.5 41.9 7.7  
16 竹内秋成 一般 67.2 33.7 13.4 ▲ 4.7 24.8  
17 みさき 一般 60.3 31.4 6.7 1.4 20.8  
18 太田昌樹 プロ 60.0 41.4 ▲ 0.4 25.4 ▲ 6.4  
19 西田孝志 一般 50.7 ▲ 10.7 4.7 22.7 34.0  
20 井坂彰宏 プロ 49.8   14.1 35.7    
21 鈴木貴仁 一般 47.2 ▲ 6.4 10.5 15.7 27.4  
22 中野一男 一般 40.5 50.6 ▲ 20.7 7.9 2.7  
23 大河内茂之 一般 37.9 ▲ 21.8 27.5 38.0 ▲ 5.8  
24 鈴木秀幸 プロ 37.4 45.0 44.0 ▲ 53.6 2.0  
25 吉野潤 一般 28.0 ▲ 13.8 23.1 19.5 ▲ 0.8  
26 サワグチ 一般 26.5 ▲ 25.1 33.7 ▲ 14.2 32.1  
27 杉村泰治 プロ 26.3 31.6 37.3 ▲ 3.5 ▲ 39.1  
28 松本和樹 一般 21.1 ▲ 20.2 ▲ 13.3 54.6    
29 渡辺史哉 プロ 19.7 9.2 16.6 ▲ 7.7 38.5 ▲ 36.9
30 斉藤隆 プロ 19.1 ▲ 9.1 43.5 ▲ 24.4 9.1  
31 宮地孝尚 一般 13.7 43.1 ▲ 31.9 ▲ 29.9 32.4  
32 望月雅継 プロ 11.6 11.6        
33 大枝史 プロ 8.6 22.5 ▲ 13.9      
34 京平遥 プロ 4.7 ▲ 17.6 ▲ 10.6   32.9  
35 片山一哉 一般 4.5 25.8 ▲ 11.5 12.9 ▲ 22.7  
36 坂本彰光 一般 2.1 ▲ 20.8 ▲ 32.8 34.9 20.8  
37 川嵜彬史 一般 ▲ 1.5 25.9 5.0 ▲ 21.8 ▲ 10.6  
38 青嶋宏樹 プロ ▲ 1.7 ▲ 7.4 ▲ 1.8 ▲ 30.8 38.3  
39 影山恒太 一般 ▲ 11.6 ▲ 39.4 50.4 ▲ 22.6    
40 岡田充弘 一般 ▲ 12.2 15.1 20.6 ▲ 31.2 ▲ 16.7  
41 山内紀博 一般 ▲ 12.4 ▲ 15.5 ▲ 30.7 56.7 ▲ 22.9  
42 ダニエルモレノ プロ ▲ 13.3 23.5 44.1 ▲ 65.7 ▲ 15.2  
43 山下棟健 プロ ▲ 14.4 ▲ 30.1 ▲ 38.6 51.1 3.2  
44 鈴木元司 一般 ▲ 15.1 41.5 39.0 ▲ 54.4 ▲ 41.2  
45 鈴木孝輔 一般 ▲ 16.2 ▲ 43.2 3.1 36.8 ▲ 12.9  
46 鈴木博直 一般 ▲ 16.3 30.6 25.6 ▲ 47.4 ▲ 25.1  
47 高村龍一 プロ ▲ 16.6 ▲ 27.4 79.2 ▲ 82.8 14.4  
48 えいいち 一般 ▲ 17.1 ▲ 2.6 ▲ 59.7 49.1 ▲ 3.9  
49 鈴木郁孝 プロ ▲ 18.8 ▲ 47.1 ▲ 28.3 17.7 38.9  
50 夏目大樹 一般 ▲ 28.1 ▲ 17.9 ▲ 57.6 4.1 43.3  
51 松清一樹 一般 ▲ 28.2 1.5 ▲ 23.8 11.7 ▲ 17.6  
52 金田年伸 一般 ▲ 30.1 ▲ 14.2 32.6 ▲ 20.3 ▲ 28.2  
53 栗島有紀 プロ ▲ 34.2 29.5 ▲ 18.4   ▲ 45.3  
54 安藤銀一 プロ ▲ 37.5 ▲ 11.7 ▲ 38.3 12.5    
55 安部颯斗 プロ ▲ 37.8 32.9 ▲ 25.9   ▲ 44.8  
56 小林正和 プロ ▲ 39.6 ▲ 38.1 ▲ 58.1 24.2 32.4  
57 伊藤真 一般 ▲ 43.5 23.0 ▲ 71.2 4.7    
58 りえ 一般 ▲ 46.0 43.6 0.4 ▲ 57.4 ▲ 32.6  
59 前嶋茂 一般 ▲ 51.5 0.8 ▲ 11.3 ▲ 1.1 ▲ 39.9  
60 中寿文 プロ ▲ 58.9 53.7 ▲ 44.6 ▲ 26.6 ▲ 41.4  
61 島﨑涼 プロ ▲ 70.7 2.4 ▲ 69.8 11.5 24.7 ▲ 39.5
62 堀田賢 一般 ▲ 70.9 ▲ 3.0 ▲ 38.0 18.0 ▲ 47.9  
63 高橋活 一般 ▲ 77.9 ▲ 12.9 ▲ 53.2 ▲ 6.2 ▲ 5.6  
64 山田昭裕 一般 ▲ 78.2 ▲ 14.1 18.0 ▲ 36.9 ▲ 45.2  
65 高橋大輔 プロ ▲ 81.6 ▲ 41.5 ▲ 45.8 5.7    
66 橘太一 プロ ▲ 83.0 ▲ 39.8 20.2 ▲ 15.4 ▲ 48.0  
67 大谷数則 一般 ▲ 98.2   ▲ 0.2 ▲ 40.6 ▲ 57.4  
68 安間隆弘 一般 ▲ 105.9 ▲ 79.7 20.9 1.5 ▲ 48.6  
69 伊藤裕美子 一般 ▲ 106.4 ▲ 56.1 ▲ 5.6 ▲ 19.8 ▲ 24.9  
70 KANTA 一般 ▲ 110.7 ▲ 54.4 ▲ 27.7 30.5 ▲ 59.1  
71 堀孔明 一般 ▲ 127.5 ▲ 81.4 42.1 ▲ 43.8 ▲ 44.4  
72 能瀬美咲 一般 ▲ 128.9 ▲ 43.3 ▲ 39.4 ▲ 41.9 ▲ 4.3  
73 白井健夫 一般 ▲ 163.8 ▲ 49.2 ▲ 56.0 ▲ 45.2 ▲ 13.4  
74 橋詰真由美 一般 ▲ 174.1 ▲ 77.2 ▲ 18.7 ▲ 78.2    
75 井上一雄 一般 ▲ 192.5 ▲ 69.1 ▲ 34.4 ▲ 32.7 ▲ 56.3  

第5期北陸プロリーグ 第3節レポート

記録的な猛暑となりつつある今夏ではあるが、このような時に度々使われる言葉が、「暑さに負けぬ熱戦が繰り広げられた」である。
これはけだし名言であり、我々競技麻雀打ちは各々がその熱量を観てくれる方々に伝える責務がある、と私は考える。

物書きならばその筆で。
歌うたいならばその声で。
麻雀打ちはその打牌をもって、観てくれる方の心を動かすような姿勢を示さねばならない。

競技プロを名乗って十余年。未だ浅学の身ではあるが、気概だけは失わず背中を押してくれる方々の為に日々腕を振りたいと思う。

令和4年7月24日。北陸プロリーグ第3節。
前半にして早くも明暗の分かれる様相を呈してきた感のある節となった。

着実にプラスを重ね首位を堅持する志多木。今期の彼からは決勝へ懸ける強い意志が窺える。豪放な風貌に似合わぬ繊細さも好結果を導く一因だろう。
数字的に結論付けるには尚早だが、決勝の椅子を1つ固めたのでは、と感じてしまう程に強く、上手い麻雀を見せてくれている。

2位につけたのが女流の安城。
「思う通りの手組が出来て、攻守のバランスの取れた節でした。」
まだまだ若手と言っても良い可愛らしい安城だが、二度の北陸プロリーグ決勝や、女流桜花参戦、夕刊フジ出場、金沢麻雀王決定戦連覇など、そのキャリアの幅は北陸の地において出色である。

「国士無双テンパイや4巡目のメンホンリーチも梅本君に上手に捌かれました。強かったです。」
心に残った1局を彼女に尋ねた返答がこちらである。
自身の成就した手よりも、他者の好手を即答してくる安城の謙虚さと向上心が垣間見える。
オーラスに原点復帰のアガリを重ねたことも好結果の一因と振り返る。

「今期こそ絶対決勝戦に勝ち進んで優勝して、応援してくれる方たちに恩返しがしたいです。」

常に上を目指す貪欲さと、応援してくれる方のことを思って牌を握る安城。
北陸最強プリンセスが大きな舞台で大輪の花を咲かせられるのか。要注目である。

トータル4位には、ポイントを大きく伸ばしてきた北陸支部長の浦田。
今節(5人打ち)は同卓者に新人研修リーグ参加者が3名おり、しかも2人は今期デビューの新人である。開催者として講師でもある自身にとって大きなプレッシャーにもなったと言う。

「負けたら洒落にならない。下手をすると新人研修リーグ存亡の危機だ。」

支部長ゆえの教える側としての重圧。だが浦田はそれを跳ね除けて1121と3トップにて+73.9Pという大きなプラスをものにする。

そんな浦田も、前述の安城に続き、振りかえって心に残る1局は華麗なアガリの局ではなく、己を戒める失着のものだった。

1回戦オーラス 北家 42,000点持ち2着 6巡目 ドラ四索

一万一万三万四万五万六万七万六筒二索二索二索三索六索 ツモ五筒

トップ目である文月とは6,000点差
一万は親である宮成の現物。ここで選択したのは打六索。ドラ跨ぎを処理してシャンテン数を上げる。
だがこれが失着だったと浦田は振り返る。

「どちらかのリャンメンが入ってリーチを打つか?いやしない。ヤミテンで進めて親リーチが来たら現物一万を落としてタンヤオでかわしに行くだろう。ならば最初から一万を1枚外して手を広げて、大きくタンピン三色を狙う局面ではないのか?まだ逆転を諦めるには早いのではないか。」

結果として流局となったが、浦田の手は
三万三万五万六万七万五筒六筒七筒二索二索二索五索六索 ツモ七索

という逆転トップの目もあった。

「この半荘はたまたまの展開でトップが取れたが、いつも新人に教えている『オーラスに入る前にテーマを決める』という事が自分で実践できていなかった。この後得点を重ねる事が出来たが、もし負けていたら間違いなく敗因の1局だった。」

己のミスを即座に気づき、戒めて対応する浦田の強者たる所以の垣間見えた瞬間である。

「前期は最終節までずっと決勝圏内にいたのに、最後の最後で脱落してしまった。今期は先ずしっかりと決勝進出を果たし、夏目坂で優勝を勝ち取りたい。」

支部長という重責を担いながらも、誰よりも勝ちに貪欲な浦田の戦いぶりは、観る者の心を動かすに十分値する。

苦戦の多い新人・若手の中で、今節漸く反撃の狼煙を上げたのがルーキーの女流、宮成。
若者らしく、最速の手組を重視する現代麻雀を得意とする、まだあどけなさの残る女性である。

「初めてのプロリーグなので緊張します。」

そんな彼女が今節大きくスコアを伸ばす事となった切っ掛けとなる1局。

1回戦オーラス 親番 20,000点持ち 6巡目 ドラ六筒

六万八万三筒四筒五筒六筒六筒八筒九筒九筒三索四索五索 ツモ七万

オーラス親番でアガリの欲しい局面。
宮成の選択は九筒切りのヤミテンであった。
ドラドラの手牌。八筒九筒で横に曲げる打ち手も多いだろう。しかし彼女の選択は後のタンヤオ変化を見てのヤミテン。
プロになる以前から私は宮成の麻雀を見ているが、この「一歩構えなおす」打ち方は彼女の引き出しの広がりを感じる一打である。

程なく打ち出されたドラをポンして手牌を変化させて11,600のアガリをものにする。

六万七万八万二筒三筒四筒五筒三索四索五索 ポン六筒六筒六筒 ロン二筒

「結果的にアガれましたが、正解だったかはわかりません。ですがこれでプラスの流れに乗れました。何事も初めての経験なので楽しみながら上位目指して頑張りたいです。」

安城、文月に続き北陸にも先が楽しみな才媛が現れたのかもしれない。
彼女の素直で伸びやかな手組に、競技麻雀の奥深さをミックスさせて生まれる化学反応が楽しみでならない。

上位者がスコアを伸ばす反面、下位者は負債を膨らませている。
個々人の名前は言わないが、実力上位と目されるプロが何人も苦杯をなめている。
勿論競技プロとして、勝つことがその存在証明足りうる。
だが冒頭で述べたように、「観る者の心を動かす麻雀」はできているのか。
プロとして常に対局を観てくれている誰かを意識して、十全に悔いの無い麻雀を打てているのか。
これは不甲斐ない成績に甘んじている私自身への内なる問いかけでもある。

良い時も悪い時もあるのが麻雀である。
その上で何を残し、何を観せて、何を次に繋げるのか。
北陸のプロが皆、今一度思いを馳せて、次なる戦いに臨んでいただきたいと願う。

次節第4節は8/28。
金沢にての開催となります。
応援の程、宜しくお願い致します。

(文:荒谷誠)

順位 名前 合計 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節
1 志多木 健 137.8 35.0 81.0 21.8
2 安城 るい 115.0 37.4 13.1 64.5
3 里木 祐介 92.0 70.5 27.3 ▲ 5.8
4 浦田 豊人 75.2 ▲ 10.8 12.1 73.9
5 南 和之 63.3 54.5 ▲ 43.7 52.5
6 文月 愛美 34.5 ▲ 40.6 67.5 7.6
7 岡田 拓也 27.9 ▲ 25.6 42.5 11.0
8 獅坂 祐一 24.1 58.8 ▲ 6.8 ▲ 27.9
9 成田 理良 7.1 22.7 1.7 ▲ 17.3
10 堂垂 正裕 5.7 43.8 20.1 ▲ 58.2
11 小林 和樹 ▲ 1.2 4.4 14.1 ▲ 19.7
12 梅本 翔 ▲ 5.2 ▲ 0.6 ▲ 11.8 7.2
13 如月 靖之 ▲ 32.5 ▲ 38.2 0.2 5.5
14 宮成 さく ▲ 41.3 ▲ 55.0 ▲ 28.2 41.9
15 木戸 僚之 ▲ 79.2 ▲ 38.0 ▲ 29.6 ▲ 11.6
16 荒谷 誠 ▲ 87.4 ▲ 18.3 ▲ 56.0 ▲ 13.1
17 藤本 鉄也 ▲ 99.9 ▲ 30.6 ▲ 51.5 ▲ 17.8
18 後藤 正博 ▲ 109.4 ▲ 36.0 ▲ 7.2 ▲ 66.2
19 松井 直大 ▲ 133.5 ▲ 34.4 ▲ 49.8 ▲ 49.3

第17期女流桜花Aリーグ第5節A卓レポート

第5節A卓に出場した選手は

 

 

山脇千文美・二階堂瑠美・吾妻さおり・仲田加南の4名。

1回戦は開局に

 

 

山脇がタンヤオ・ピンフ・三色で7,700をリーチの瑠美から直撃すると

 

 

負けじと次局には放銃した瑠美がリーチ・ツモ・七対子・ドラ2のアガリ。

そこから山脇・山脇・瑠美・山脇・瑠美・山脇・山脇・瑠美・瑠美と意地の張り合いのような2人のアガリ合戦がオーラスまで続いて、瑠美と山脇が大きく素点を稼いで1回戦を終了します。

山脇6回瑠美5回のアガリを眺めるだけの苦しい1回戦になった仲田と吾妻は、2回戦3回戦でトップを取り負債完済までもう一歩まで近づくも、4回戦目に2人の明暗が分かれます。

山脇の猛攻を喰らい、持ち点を800点まで落とした仲田が

 

 

仕掛けたタンヤオ・チンイツで反撃を開始すると

 

 

親番の苦しい配牌も仕掛けて状況を打開し、白・ホンイツ・ドラ3の18,000。
たったの2局で浮きにまわり、そこからも得点を重ねて一時は5万点を越えてトップ目に立ちます。

仲田の脅威の生命力で62,400点差をひっくり返され、さらに瑠美には7本場まで連荘を許して原点を割るところまで追い詰められていた山脇は

 

 

仕掛けたタンヤオ・三色・ドラ2をアガリ踏み止まって卓内トップで終え

 

 

トータルも白銀をかわして首位に浮上。

吾妻は荒場に巻き込まれ苦しい1日となった。

<第5節A卓最終結果>
山脇+36.7P 瑠美+7.0P 仲田▲3.8P 吾妻▲39.9P

(文:越野智紀)

【麻雀最強戦2022 女流プロ最強新世代】優勝は杉浦まゆ!

8月14日(日)15時より、「麻雀最強戦2022 女流プロ最強新世代」が行われた(司会:小山剛志/アシスタント:矢野優花/実況:古橋崇志/解説:土田浩翔/ナビゲーター:梶本琢程)。

その模様はAbema麻雀チャンネルにて生配信され、杉浦まゆが優勝を勝ち取った。

 

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麻雀最強戦キンマweb-近代麻雀

第1期帝群戦  決勝成績表

準決勝 A卓

順位 名前 プロ/一般 合計 1回戦 2回戦 3回戦
1 吉田 幸雄 プロ 22.0 ▲ 41.6 6.9 56.7
2 檜山 拓 一般 37.4 34.2 ▲ 5.6 8.8
3 佐藤 拓馬 一般 ▲ 64.4 ▲ 9.8 ▲ 29.4 ▲ 25.2
4 小金井 竜馬 一般 7.0 17.2 28.1 ▲ 38.3

準決勝 B卓

順位 名前 プロ/一般 合計 1回戦 2回戦 3回戦
1 渡部 正 一般 26.6 ▲ 34.5 33.6 27.5
2 須長 正和 プロ 44.3 53.5 ▲ 12.9 3.7
3 伊藤 泰斗 一般 ▲ 11.4 ▲ 4.4 8.6 ▲ 15.6
4 西嶋 ゆかり プロ ▲ 59.5 ▲ 14.6 ▲ 29.3 ▲ 15.6

決勝戦

順位 名前 プロ/一般 合計 1回戦 2回戦 3回戦 4回戦
1 須長 正和 プロ 8.5 ▲ 23.3 28.7 ▲ 36.2 39.3
2 吉田 幸雄 プロ 24.9 ▲ 37.4 3.6 43.2 15.5
3 渡部 正 一般 ▲ 27.9 9.0 ▲ 7.7 ▲ 18.4 ▲ 10.8
4 檜山 拓 一般 ▲ 5.5 51.7 ▲ 24.6 11.4 ▲ 44.0

第47期”雀サクッ杯” 関西プロアマリーグ 帝阪戦  最終節成績表

順位 名前 プロ/一般 合計 1 節 2 節 3 節 4 節 5 節
1 山地 義昌 一般 186.8 ▲ 28.2 98.0 0.0 61.7 55.3
2 丸山 直 プロ 181.5 42.4 35.7 38.3 20.1 45.0
3 片山 一哉 一般 134.3 ▲ 5.1 13.0 33.0 15.4 78.0
4 高谷 圭一 プロ 99.6 33.9 52.5 36.3 17.6 ▲ 40.7
5 山本 琢慎 プロ 94.8 7.5 ▲ 10.9 3.9 ▲ 10.8 105.1
6 小西 隆之 一般 88.7 26.0 7.1 85.7 ▲ 24.1 ▲ 6.0
7 猪鼻 拓哉 プロ 77.5 4.3 ▲ 72.1 99.4 44.4 1.5
8 北野 剛史 一般 76.2 0.0 ▲ 49.9 70.3 28.8 27.0
9 林 俊輔 一般 75.7 23.8 44.6 10.5 ▲ 19.7 16.5
10 中本 裕也 プロ 65.1 ▲ 16.1 0.0 19.8 0.3 61.1
11 北村 祐二 プロ 59.8 7.4 ▲ 1.5 65.0 54.0 ▲ 65.1
12 上村 宜久 プロ 50.5 18.9 36.1 37.6 ▲ 42.1 0.0
13 三井 武郎 一般 47.3 25.0 3.6 0.0 38.9 ▲ 20.2
14 吉田 拓也 プロ 45.8 18.1 0.7 27.0 0.0 0.0
15 原田 保正 プロ 45.7 83.9 23.1 ▲ 31.0 ▲ 38.0 7.7
16 内田 雄司 一般 44.8 ▲ 26.9 ▲ 6.9 14.9 15.5 48.2
17 段谷 昭夫 一般 33.2 13.9 0.0 2.3 0.0 17.0
18 森田美津子 一般 26.9 14.4 ▲ 14.3 ▲ 18.7 45.5 0.0
19 鈴木 勝之 一般 16.7 32.9 ▲ 34.4 55.4 ▲ 15.0 ▲ 22.2
20 横山 毅 プロ 15.4 ▲ 4.6 0.0 0.0 1.8 18.2
21 堀中 康行 一般 4.3 ▲ 4.3 0.0 37.0 ▲ 28.4 0.0
22 貫上 洋志 プロ ▲ 1.1 28.5 ▲ 64.2 0.0 0.0 34.6
23 岩本 貴 一般 ▲ 1.4 10.8 10.2 ▲ 48.0 20.7 4.9
24 山下加代子 一般 ▲ 1.4 30.2 ▲ 3.6 ▲ 25.9 31.3 ▲ 33.4
25 米倉 勝彦 一般 ▲ 2.6 ▲ 19.9 13.4 0.0 3.9 0.0
26 山中 翼 プロ ▲ 3.3 3.8 ▲ 2.0 ▲ 28.9 23.8 0.0
27 田平 康雄 一般 ▲ 18.1 ▲ 91.2 0.0 ▲ 1.2 16.2 58.1
28 北山 悟 一般 ▲ 18.3 0.0 6.3 ▲ 24.3 ▲ 0.3 0.0
29 大口 伸也 一般 ▲ 22.3 ▲ 28.1 63.7 ▲ 57.9 0.0 0.0
30 熊田 高大 一般 ▲ 23.1 ▲ 18.2 52.6 ▲ 49.2 ▲ 8.3 0.0
31 川上 直也 プロ ▲ 28.2 21.7 29.9 ▲ 51.0 ▲ 19.3 ▲ 9.5
32 芦高 彰吾 一般 ▲ 32.2 ▲ 60.1 0.0 2.2 0.0 25.7
33 五月女 義彦 一般 ▲ 34.8 ▲ 7.5 51.6 ▲ 16.9 ▲ 48.6 ▲ 13.4
34 稲岡 ミカ プロ ▲ 39.1 ▲ 15.8 68.0 ▲ 28.8 23.1 ▲ 85.6
35 柴田 秀昭 一般 ▲ 39.3 88.3 ▲ 29.5 ▲ 26.9 ▲ 22.9 ▲ 48.3
36 阿部 一幸 一般 ▲ 47.3 35.7 10.9 ▲ 7.8 ▲ 12.8 ▲ 73.3
37 青地 暁子 一般 ▲ 49.4 ▲ 75.8 ▲ 9.1 42.9 ▲ 7.4 0.0
38 宮西 康行 一般 ▲ 51.2 ▲ 10.7 ▲ 42.8 43.2 4.0 ▲ 44.9
39 高橋 活 一般 ▲ 58.0 8.1 ▲ 100.3 34.2 0.0 0.0
40 谷口 弘昌 一般 ▲ 68.3 63.6 ▲ 37.0 ▲ 97.4 2.6 ▲ 0.1
41 水島 勉 一般 ▲ 77.4 33.3 ▲ 66.0 ▲ 44.7 0.0 0.0
42 春木 駿 一般 ▲ 82.9 ▲ 69.5 2.1 20.1 10.0 ▲ 45.6
43 濱中 真志 プロ ▲ 85.5 ▲ 16.7 21.2 ▲ 7.8 ▲ 76.9 ▲ 5.3
44 美里麻 プロ ▲ 88.4 0.0 ▲ 24.6 5.4 0.0 ▲ 69.2
45 井上 雅照 一般 ▲ 92.6 ▲ 25.5 ▲ 43.4 ▲ 33.5 ▲ 41.7 51.5
46 樽井 信晶 一般 ▲ 108.2 ▲ 68.0 0.0 ▲ 79.4 39.2 0.0
47 山宮 雅之 一般 ▲ 112.5 ▲ 42.6 ▲ 37.3 ▲ 19.6 17.5 ▲ 30.5
48 藤井 一弘 一般 ▲ 116.0 26.9 ▲ 90.5 ▲ 52.4 0.0 0.0
49 若井 翼 プロ ▲ 124.5 ▲ 70.7 ▲ 24.4 ▲ 29.4 0.0 0.0
50 井上 礼子 一般 ▲ 137.8 ▲ 29.2 15.6 ▲ 52.6 ▲ 71.6 0.0
51 藤澤 俊郎 一般 ▲ 148.2 23.8 ▲ 47.1 ▲ 22.9 ▲ 36.4 ▲ 65.6

第39期 A2リーグ 第5節C卓レポート

瀬戸熊が再びトータル首位浮上!A2リーグ第5節C卓レポート

8月10日(火)、第39期鳳凰戦A2リーグ第5節C卓が放送された。
対局者は白鳥翔、山田浩之、柴田吉和、瀬戸熊直樹。

 

 

★1回戦

山田がアガリを重ね、南2局の親番でイーペーコー確定のリーチ。高目のツモで5万点近くまで点数を伸ばす。

 

 

山田 4,000オール

南2局3本場2軒リーチが流局して3本場。
瀬戸熊がツモジュンチャンの2,000・3,900で浮きに回り、

 

 

南3局の親番では山田の先制リーチに追いかけ、安目ながら5,800の直撃。
オーラスには山田がさばき手をアガリきり、トップを確保する。

 

 

★2回戦

山田の東ドラ1、白鳥のリーチドラ1、柴田のピンフのみ、白鳥のリーチのみとかわし手のアガリが続き、白鳥がトップ目で南場へ。
南2局、1回戦に続き山田の手順が光る。2巡目に役牌の南が暗刻のカン六索テンパイも、これを取らずの選択。

 

 

3メンチャンに変化してのリーチをツモり、2,600オール。

 

 

さらに1本場、白鳥から役ホンイツの5,800を直撃してトップを逆転すると…

 

 

オーラスにはドラの白をポンしてのアガリで大トップを獲得。連続トップで+50.6Pと絶好調の前半戦に。

 

★3回戦

東3局3本場、ここまで連続の4着と苦しい柴田がリーチをかいくぐり連荘。2本場ではダブ東を仕掛けてアガリ、供託を回収してトップ目に。

 

 

しかし南1局1本場、ここまで大人しい瀬戸熊が親番で三色の見える手牌。高目の四索四万と引き入れメンタンピンツモ三色の6,000オールに!

 

 

南3局には、白鳥も三色確定のリーチを高目のツモで3,000・6,000のアガリと、高打点が飛び交う。

 

 

この半荘もジリジリと点棒を削られる柴田。オーラスにはヤミテンの中ドラ1、3,900を放銃し沈みに回ってしまいこの表情。

 

 

 

柴田にとって苦しい展開が続く。

 

★4回戦
東1局、瀬戸熊がリーチツモ中の2,600オールで抜け出すと、1本場でドラトイツの手牌。仕掛けて西とドラのシャンポン待ちとなり、終盤にテンパイをとった山田から西で7,700のアガリに。

 

 

続いて東1局3本場、ドラドラの瀬戸熊が三色のつく一万のみ出アガリできる強烈なヤミテン。これに山田が飛び込み、トータルマイナスとなる4着に。

 

 

オーラス、親番の山田は3メンチャンリーチをかけるもメンホンの柴田が高目のツモ。

 

 

本日苦しかった柴田だが、約5万点持ちの2着で失点を抑えた。

1日終了時点のトータルポイントは以下の通り。

 

 

 

瀬戸熊が1人勝ちの格好。+57.9Pの卓内トップで、内川を逆転し首位に再浮上となった。

次回A2リーグの放送は8/16(火)。
対局者は古橋崇志、井出康平、石渡正志、猿川真寿。解説はHIRO柴田。

次回も是非お楽しみに!

(文・浜野太陽)

第39期 B1リーグSelect 前期最終節レポート

【第39期鳳凰戦B1リーグSelect 前期最終節 刀川昌浩がA2に昇級】

 

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本日のSelect卓の対局者は
刀川昌浩
菊田政俊
仲田加南
前原雄大

 

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見所は刀川と菊田の直接対決。トータルが上の方は別卓に関係なく昇級出来そうである。
仲田はかなりの差があるものの、ポイントを減らしたくない上記2人相手なので、先手を取れればチャンスはある。
前原は降級圏脱出を目指す戦い。30〜40はプラスしたいので思い切って来るだろう。

【1回戦】

菊田が四万七万待ちでリーチ。

刀川も五筒八筒待ちで追いつくが、マンズを引いて迂回する。

 

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四万西のシャンポンで再びテンパイを入れた刀川が、ドラをツモって満貫のアガリ。幸先良いスタートを切る。

 

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菊田もリーチドラ3の満貫をアガって浮きの2着。

【2回戦】

1回戦は1人沈みとなってしまった仲田だが、メンホンの一筒四筒七筒をヤミテンにして刀川から満貫をアガると

 

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南場の親ではタンピンイーペーコードラの五万八万待ち。11,600は11,900(+1,000)で2回戦トップを取る。

仲田の大物手に2回放銃した刀川はラスとなるが、まだ菊田より上に位置している。

【3回戦】

東1局。前原がピンズで2フーロして北七筒のシャンポン待ち。
ハイテイツモで満貫をアガると

 

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次局はダブ東をポンして菊田から5,800のアガリ。3回戦は前原がトップを取った。

【4回戦】

3回戦終了時の成績表はこちら。

 

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3位スタートの石川正明がトータル+147.0で首位に立っている。菊田は同卓の刀川を捲るのが条件となった。もちろん石川が最終戦でマイナスする可能性もあるが、それでも自身の浮きは絶対条件だ。
前原も沈めば厳しい。浮き2着でも可能性は残るが、狙うはもちろんトップだ。

前原のリーチを受けた親番の刀川はタンピン高め234の二万五万待ち。
そこにドラの七万を引かされる。刀川はここが勝負所と見てツモ切りリーチを打つが、すぐに前原が跳満ツモを決める。

 

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南2局2本場。親番のない菊田はピンフのツモアガリをせずにフリテンリーチ。

 

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仲田の追っかけリーチを受けながらも1,300・2,600は1,500・2,800(+1,000)のツモアガリ。

オーラス。菊田が刀川を捲るには跳満ツモか満貫直撃が必要。

トップを目指す前原が連荘して4本場。三索六筒のシャンポンの先制リーチを打つ。

菊田も前原に素点を削られ続けるのは本意ではない。メンホンが狙える手牌、ドラも余る形だが四索から勝負する。

 

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しかし四索に刀川からロンの声。

 

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刀川が3着浮上のアガリを決めて今期の対局が終了。

 

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刀川はトータル2位でA2へ昇級。
「菊田君との直対で上の方は昇級だと思ってた。A2は今度で3回目だと思うので攻めっ気を強く出来るように頑張りたい。」

 

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菊田は4位で残留。
「ツモアガリがないので雰囲気悪いなとは思っていました。2回戦終わった時点で石川さんが首位まで来ているのがわかって焦ってしまったかなと。また頑張り直します。」

 

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仲田は8位で残留。
「1回戦で出遅れてしまい弱い気持ちが出ましたが、今日はツイていました。来期も応援を無駄にしないように頑張ります。」

 

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前原は13位で残留。
「第4節の勝負所で負けているので、昇降級よりも良い内容の麻雀を打とうと決めていた。商品として成り立つ麻雀を普段から打ちたい」

 

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B1リーグ前期からは2名が昇級。
半年間の休場を経て、第40期からA2リーグに参戦する。

 

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B2リーグからは5名が昇級。
第39期後期からB1リーグに参戦する。

(文・吾妻さおり)

第245回:プロ雀士インタビュー 吉野敦志  インタビュアー:井出康平

第2期鷲和戦を制した吉野敦志。
彼を初めて知ったのは今から約9年くらい前だろうか。

当時、猿川会なる集いが定期的にあり(今もあるのかな?笑)そこに可愛がってもらってる若手としていたのが初対面だった。
その頃ちょうど『KO麻雀』という番組をリニューアルしたくて、適任者を探している真っ最中だった。

『若くて勢いがあり弄られる』

吉野を見たときにすぐピンときた。(中村慎吾はおまけ)
まだ、当時全く無名だった彼に、約3年に渡りレギュラー出演してもらったのだが、同時にある罪悪感が僕には湧いていた。
今回の鷲和戦を勝つまで、彼はプロ生活において全くと言っていい程結果が出なかったのだ。

入会まもない頃は周囲からの期待も高く、いずれ結果はついてくるだけの素質は持ち合わせていると誰もが思っていた。
試合内容はもちろん見れないが、普段の麻雀を考えたら下振れではすまないくらいの結果だったと思う。

まだ配信環境も少なかったあの時代。いきなりの抜擢が吉野に空回りを与えたのではないかと責任を感じていた。
しかし、プロの世界。プレッシャーをプラスに変えれないのならそこまでの選手。
責任を感じるよりも、起用した吉野を信じようと決意したのが懐かしいくらいの月日を感じる。

井出「吉野改めておめでとう!っていうか、会うのも久しぶりだね!何年ぶり?」

吉野「ありがとうございます!多分3年ぶりくらいですかね!井出さんも生きてたんすね!」

 

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相変わらずの吉野節(笑)。考えてみたら本当に3年くらい会っていなかった。この日は最近ゴルフにはまってる三田夫婦も交え、ラウンドに行ってきた帰り道のお寿司屋さんでインタビューは行われた。

井出「吉野よく辞めなかったよね。辞めようかなって考えた時期はなかったの?」

吉野「ありましたよ。やっぱり結果が出ないし、色々な人に可愛がってもらってるし…。葛藤がありましたよ。」

井出「やっぱりあったんだね。最善を尽くしても結果が出るとは限らないし、10年くらいが一区切りになるかなって思うしねー。」

吉野「生活環境も変わって色々大変でしたし、今は飲食で働いてます。圧倒的に打半荘数が減ったのに、鷲和戦は不思議と勝つ気しかしなかったっす。」

これまた興味深いワードだ。麻雀と接する時間が減ったのに、突然結果が出だしたりするのはあるあるな気がする。

吉野「やっぱり、くだらない見落としとかはちょいちょい出ちゃうんですけど、天才なんで頭で考えるより感覚で打てちゃうんすよね。」

本人は冗談交じりでそう話すが、吉野は本当に天才肌だと思う。
『センス』という言葉があるのだが、吉野はセンスの塊だと思う。
何をやらせても見様見真似である程度のものはこなしてくる。

これは主観だが、才能と感覚が優れてる吉野に足らなかったのは麻雀の経験ではなくて、人生の経験値だと思ってた。
誰からも可愛がられる吉野にとっては、その環境が成長の妨げになってる気がしていた。自分主体の行動が圧倒的に少ない事で、麻雀という対人ゲームの中でのサバイバル感が養えていないのがネックだと思っていた。

そんな自分にとっては、とても興味深い話しだったが、やはり吉野は天才。それを結びつける感覚や、言語化する事はできないのだ。本能ではうっすらわかっているのかもしれないが、天才とはそうゆうものなのかもしれない。

井出「勝負所ってあった?」

吉野「井出さんこれ何切ります?」

 

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井出「さすがに九索切りそうだなー」

吉野「井出さん甘いっすね。ドラ切りっすよ!」

 

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井出「へー!まあ実戦的っちゃ実戦的だね!」

吉野「この半荘(2回戦)で最大80P差まで西川さんに開かれたんですけど、南1局の親で吹いて色々あったんですよ。」

この吉野の連荘中に西川はツモり四暗刻をリーチ。リンシャンから8枚目の二筒五筒を掴み吉野に連荘を許すなど気持ち悪い展開になっていった。
そのあとも遠い仕掛けが吉野に6,000オールを成就させたりと一気に追い付かれてしまう。
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吉野「結果論なんですが、このタイミングで西川さんにドラドラ七対子のテンパイが入ってるんですよ。僕のドラ切りを見てツモ切りリーチにくるんですが、ヤミテン続行だと他家から9,600出アガリしてそうなんですよ。」

三田「これみた時に、精神的に西川さんが追い込まれてるように映ったよね。」

吉野「多分、僕のドラ切り見てのリーチだと思うんですが、このリーチに怯まないでアガリで蹴れたのがかなり大きかったですね」

 

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三田「打ってる本人はドラ切りがそんな風に展開が動いたのはわかってないだろうけどね。リーチを打った西川さんすらもね。」

三田「勝つときはそんなもんなのかもしれないね」

吉野「ただ、最大80P差があったものを追い詰められた感じは伝わってきたんで、そこは怯まないで畳み掛けられた感じはかなり感触がよかったです」

そんな時に、お寿司屋さんの方がお茶を運んでくれた。その際に。

「もしかして麻雀プロの方々ですか?」

三田「はい。一応(笑)」

「マスター!やっぱり麻雀のプロの方々みたいですよ!」

店主「やっぱり!麻雀の話ばかりしてるから、もしかしたらと思ってね!私もYouTubeとかケーブルテレビとか観てましてね!」

三田「YouTubeなら彼とか観ませんでしたか?彼最近タイトル戦優勝しまして」

店主「いやー、どうかなー。誰がどうかわからないけど、つい観ちゃうんだよねー」

店主と麻雀業界の話をしてる時の吉野の照れ臭い感じがなんともいえない。
鷲和戦に勝たなければ、自分が麻雀プロだと名乗るのも拒んだかもしれない。タイトルを取ったことで、一応麻雀プロですと照れながらも答えられた事が吉野は一番大きな収穫かもしれない。

井出「大事なのは取ったあとだぞ!大体吉野は…ブツブツブツブツ…」

吉野「井出さん、僕もうタイトルホルダーですから!井出さん風呂場で一生懸命ゴルフのスイング熱弁してたんすけど、素っ裸で真剣に語られても目が下半身しかいかないっすから!」

三田「吉野。それな。」

吉野は可愛い。それも天性のものだろう。可愛いだけではダメな世界。それも段々わかってきたのだろう。

上手くいかないけど諦めなかった。我慢した。環境も変わった。
凄く上から目線に感じるかもしれないが、試合をしてる時の顔つきはすごく逞しく感じた。
それは、上手くいかなかった10年と向き合った男の顔のような気がする。関係性や過程を知っているからなのかもしれないが、自分にとってはとてもカッコいい男の顔だった。

一同「ごちそうさまでした!」

店主「お兄ちゃんの顔思い出したよ。観てた観てた!今思い出したよ!」

井出「お前サイン書いてけよ(笑)」

吉野「井出さん、バカにしてるっしょ?(笑)」

やっぱり照れた吉野を見て思う。可愛いがよく似合う男だ。
おめでとう。吉野。

第20期プロクイーンベスト16B卓レポート

大島・東城が接戦を制してベスト8へ!第20期プロクイーンベスト16B卓レポート

8/5(金)、第20期プロクイーンベスト16B卓が放送された。
対局者は東城りお、大島麻美(協会)、二階堂亜樹、藤井すみれ。

 

 

★1回戦
ベスト8を懸けた戦いは初戦から約2時間のロングゲームに。
最初に抜け出したのは東3局、追いかけリーチを一発でツモった亜樹。

 

(リーチタンヤオピンフ一発ツモの2,000・4,000)

しかし南1局では大島が3,200オールのアガリを含む5局の連荘でトップを逆転。

 

 

さらに5本場、藤井がリーチピンフイーペーコーをツモって裏ドラ1枚の2,000・4,000をアガリ、大島・亜樹に肉薄。

 

 

置いていかれた東城であったが、オーラス親番を迎えて開いた手にはドラの五万が暗刻!
四筒のリャンメンチーから発進し、トップを狙って攻めた藤井から12,000のアガリ。

 

 

目まぐるしい着順移動の結果は、トップから大島、東城、藤井、亜樹。東場を終えてトップ目に立っていた亜樹がまさかの4着となった。

 

★2回戦

東2局1本場、東城がドラドラのリーチ。大島はホンイツの1シャンテンで当たり牌の三筒を掴み、一旦暗刻の東切りで迂回。しかし次巡カン七万ツモで満貫のリャンメンテンパイが入ると、三筒勝負で7,700の放銃に。

 

 

 

放銃となった大島であったが、次局タンヤオドラドラを積極的にリーチの選択。リーチピンフドラ1で追いかけた藤井にめくり勝ち8,000のアガリ。

 

 

失点を1局で挽回し、1回戦に続いて東城と大島が連対を決める。

 

★3回戦

東1局、ここまで連続の4着に沈んでいた亜樹が4巡目に出アガリ跳満のリーチ!

 

 

ここまでの形勢が一気に崩れる6,000オールのアガリ。
さらに1本場、白暗刻の亜樹がカン六索の即リーチを一発ツモの4,000オール。

 

 

3回戦開始から6分で10,100オールのアガリに。
一気に混戦となるも、南3局に親番の東城がピンフドラ1のリーチを一発ツモ。最終戦へ向けてかなり有利なポジションにつける。

 

 

焦点は一旦、亜樹と大島の争いに。

南4局2本場、親番の大島がドラ白六筒のシャンポンリーチ。仕掛けてテンパイを入れていた亜樹であったが、一発目に引いた三索で撤退。

 

 

長引いた局は終盤に大島が高目のツモ。6,000オールのアガリでトータルトップ目に!

 

 

亜樹は押していればアガリがあっただけに後悔の残る局となったか。

次局、大島にさらに大物手。ピンフのリーチをツモると裏ドラ2枚の4,000オール!

 

 

この半荘のトップを逆転することは叶わなかったが、頭一つ抜けて最終戦へ。

 

★4回戦
最終戦の焦点は、逃げる東城と追う亜樹による26.3P差の争い。
東1局1本場、亜樹が役ホンイツドラドラの2,000・4,000をツモれば…

 

 

東城も南1局の親番でホンイツの2,600オールをアガリ返すシーソーゲームに。

 

 

なかなか効果的な加点ができない大島も4着目に沈み、オーラス時点ではわずかにビハインドしている亜樹が400・700で大島を逆転するほどの接戦となる。

 

 

オーラス、7時間弱の熱戦に終止符を打ったのは大島。仕掛けて400・700のアガリで、東城と共に勝ち上がりを決めた。

 

 

 

 

終了時点のトータルポイントは画像の通り。

 

 

次回プロクイーンベスト16C卓の放送は8月12日(金)。
実況は阿久津翔太、解説は勝又健志。

次回も是非お楽しみに!

(文・浜野太陽)