Aリーグレポート
2024年9月29日に北陸プロリーグ第5節が開催された。
まず、私が注目したのが、トータル+126.3Pと首位に立った里木。
1着、1着、2着、2着と、今節を全て連帯で終え、+67.8Pを叩き出した。
現時点で5位と100P以上差をつけ、決勝進出がほぼ見えてきたか。
里木の印象に残った局がこちら。
3回戦 南3局 0本場 西家 ドラ
ポン
ポン
自身が26,000点持ちの状況で、ここにを持ってきたが、広さを優先し、ツモ切りして3面張のままで受けた。
その結果が功を奏し、をツモって、1,300・2,600。この半荘を浮きで終わることができた。
全節▲19.9Pだったことから、今節は+20~30Pほどを目標にしていた里木。
目標より大きなプラスを持ち帰り、決勝進出に大きく近づいた。
また、今節を通して、遠くからの一色手の仕掛けを良く決めることが出来たと振り返った。競技ルールにおいて、一色手の有効性がこの結果からも感じられる。
残り3節の戦い方について伺った。
「現時点で5位と100P以上差はつけることが出来たが、これは全くセーフティとは思わないし、何度も捲られてきた経験があるので、まず6節7節も普通に気を抜かずに戦い抜きたい。」
現在トップ者としての今後の立ち回りに注目である。
次に注目したのが、今節+24.9Pを叩き、入れ替え戦圏内から脱出した文月。
第2節まで▲107.5Pであったのを地道に返済していき、第5節を終えて、▲25.5Pまで上昇してきた。
文月が印象に残った局がこちら。
3回戦 南1局 0本場 東家 ドラ 5巡目
ポン
自身が42,000点持ちで、他が沈みの状況の中、同卓者の木戸から9巡目に切りのリーチが入った。
自身の手にドラが無いことから、木戸の手が高いと評価していた文月であったが、この手をオリて、高い手をツモられるのも自分のスタイルに合わないと考えた。無筋を数枚押した結果、をツモり、700オール。
文月も振り返って、少しやりすぎではなかったのかと思ったそうだが、最後まで攻め切るという彼女らしいスタイルで、今節をプラスで終えたことから、文月も結果オーライだと振り返った。
残り3節の戦い方について伺った。
「1節、2節で▲107.5Pを叩いてしまい、毎節コツコツでも良いので、プラスを持ち帰ることを目標にしてきました。残り3節、現時点で入れ替え戦圏内を脱出したので、この流れを崩さないように上を目指していきたいと思います。」
彼女の更なる追い上げに注目していきたい。
今節は、里木のほかに、前節マイナスであった後藤、木戸がプラスを叩き、浦田は今節マイナスだったものの、決勝圏内をキープ。
一方、降級争いは混沌としてきており、前節まで決勝進出を争っていた松井が、今節の大きなマイナスで、降級圏内まで落ち込んだ。7位の獅坂から11位の松井まで、40P以内と残留争いは最後まで分からない。中位の梅本、藤本は決勝と残留争いのどちらもあることから油断ができない。
決勝を目指す者、残留を目指す者、様々な思惑が交差するリーグ戦も残り3節。
今後の展開にぜひ注目していただきたい。
次回は、10月13日に金沢で開催されます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
(文:山田 航輔)
Bリーグレポート
2024年9月29日、第7期北陸プロリーグBリーグ第5節が開催されました。今節のレポートは第40期生の髙地が担当します。初めてのレポート執筆で至らない点があるかと思いますが、暫しお付き合いくださると嬉しいです。
今節から北陸プロリーグは後半戦に入り、各々が昇級に向けて、明確なテーマを持って戦いに臨んでいく局面に入ったことと思われる。そんな中で、今節最もポイントを伸ばしたのは、私と同じ40期生の日水。+68.9Pの加点に成功し、自動昇級圏へと急浮上した。
そんな日水に、今節の戦いについてインタビューを行った。前節終了時点で上位につけていた、同卓の宮成との差をどれだけ縮められるかをテーマに臨んだという。1回戦東2局に、上家の宮成が3,000・6,000をアガって迎えた東3局、
1回戦東3局0本場南家 ドラ
ポン
8巡目にこの形でテンパイしていた所に、親の宮成からリーチが入る。ポイント状況から、ここで宮成にアガられると苦しくなると考えていたところ、次巡に をツモり打 。さらに次巡に僥倖の ツモで3,000・6,000のアガリを決めた。勝負所を見定めて競り勝てたことで、流れを引き寄せることができた。
その勢いのまま2回戦、3回戦もトップを獲り3連勝で迎えた4回戦、東3局ドラ の日水の親番で、日水は上家の私、髙地の 単騎のヤミテン七対子ドラドラに放銃したため、先ず原点の30,000点を目指すことにした。南1局7巡目に、その髙地からリーチが入る。この時髙地の河には「 」と並んでおり、大きな情報は無かった。しかし、1段目までは全て手出しで、2枚の が離れて切られたことになる。配牌から を対子で持っていたならば、切り順は「 」となるはずで、打 または打 (実際は打 時) の際に、ツモってきた を安全牌として残したケースが濃厚であった。髙地は東3局に七対子ドラドラをヤミテンにした一方で、今回はリーチをかけたことから、良形の可能性が高い、つまり4巡目の打 から裏筋の 待ち、あるいは 待ちの可能性が他の候補よりも高いと判断した。原点に戻りたい気持ちがありながらも、手牌の中で浮いていた を打たずオリに回った。実際には 待ちであり、ラス目で勝負に行かざるを得なかった対面の宮成から が打たれ、放銃となった。打点は1,300点だったものの、この放銃で宮成とのリードが僅かながら広がり、最終的にこのリードを守って終局となった。
結果的にこの半荘では原点復帰は叶わなかったものの、細かな情報を基に冷静に立ち回ることで、「上位の宮成との差をどれだけ縮められるか」というテーマに沿った麻雀が終始できた、と日水は語っていた。
余談となるが、インタビューの際、前述の4回戦の七対子ドラドラヤミテンについて、日水からその意図を逆質問された。この七対子はドラではない生牌の 単騎待ちだったのだが、3回戦終了時点で私の累積ポイントは約▲40Pだったこともあり、リーチをかけて跳満まで狙うことも考えていた。しかし、リーグはまだ3節を残しており、焦って最高打点を狙いにいく必要はなく、アガリの可能性を高め、着実にトップを獲りにいく方が良いと考え、ダマテン選択とした。対局中、このリーチ判断には少し迷ってしまったため、今後迷わず判断できるよう精進していきたい。
第5節が終了し、小林が微増で首位をキープ、先述の通り日水が爆発し自動昇級圏の2位浮上、宮成と中川がプレーオフ圏内という構図となった。しかし、如月が僅差でその直ぐ下につけ、前節大幅加点の南も更なる加点に成功するなど、3節を残してまだまだ展開が読めない状況となっている。
執筆者の髙地は、先述の日水の勢いに押され、前節から続いて小さくない失点(▲33.3P)を重ねてしまった。下位に沈んではいるものの、昇格圏を諦めてはいない。次節まずはマイナスを返済し、中団付近まで戻せればと考えている。
次節、第6節は10月13日に開催されます。最後までお読みいただきありがとうございました。
(文:髙地 真生)