中級/第101回『先ず勝つ可からざるを為して、以て敵の勝つ可きを待つ』 櫻井 秀樹
2015年05月15日
「先ず勝つ可からざるを為して、以て敵の勝つ可きを待つ」
さて今月は、先月の人読みの部分を守りを中心に掘り下げていきます。
よく麻雀のスタイルを○○型、○○派と例える人がいます。
・攻撃型
・守備型
・対応型
・メンゼン派
・鳴き麻雀派
・手役派
・スピード派
・ロマン派
・堅実型
などなど
ちなみに私はこの手の質問を受けると「万能型」と応えます(笑)。つまりは型無し。
まあ、型が無いのはプロとしてどうかと思いますが・・・
そして上記は重複するものもあれば、相反するものもあります。
注意したいのは「自分と相反する雀風の否定」についてです。
一緒に麻雀をしていて、自分とあまりにも違う選択をする打ち手に対して「ありえない」とか「こんなの麻雀じゃない」などと思う事があるかもしれません。
しかしそれも雀風です。相手もあなたに対して同じ感情を抱いているかもしれません。
人は人、自分は自分です。
そんな事よりもそれだけ特徴のある麻雀を打つ相手ならば、それを読みに活かし手玉にとればよいのです。
話が大部それてしまいますが、最近はネットやSNSなどで他人の麻雀を匿名で非難する書き込みが多く見られます。
私たちはプロである以上、正当な批判や注意は真摯に受け止めます。が、同時に自分の打牌選択にも必ず理由を持ち、信念をもっているはずです。
自分と違う=ありえない
と言い切るのは危険ではないでしょうか?
本題に戻ります。
オーラス ドラ
自分は北家
点数は
東家 8,200点
南家 26,300点
西家 25,500点
北家(自分)40,000点
と、しましょう。
対面の南家が4巡目に、オヤの切ったをでチーしました。
自分の手牌はある程度まとまっており、ピンフの2シャンテンくらいとします。
さて、どうしましょうか?
※が場に多く切られているなど特殊な条件は無し
まずは、通常に相手の手を推理します。
もし、対面がテンパイだと仮定したら、考えられるのは、
① 2着と800点差なので、タンヤオのネックとなる牌を鳴いた形
例えば
チー ドラ
などですね。
これなら放銃してしまってもトップです。
② しかし下記のケースだと放銃すればトップをまくられてしまいます。
チー
では、ここでもう1つ、南家の情報を追加します。
南家は
・対応型 堅実派 スピード派
であるなら、①のケースが本線でしょう。②のケースも10%ほどあるでしょうか、といった具合に読みを入れます。
もしくは、南家は
・攻撃型 ロマン派
であれば、②のケースは少ないと予想できます。
なぜなら、面前で仕上がれば逆転の手牌を、4巡目のリャンメンチーで直撃条件にはしないでしょう。
条件を満たす手作りをしているとすれば、ドラに加えホンイツや三元牌、ダブなど危険な牌も限定されます。
そして、ツモでも逆転と考えれば、危険牌を掴むまではアガリに向かう選択肢もあるでしょう。
もう1つ別のケース
東1局の南家がこのような捨て牌でリーチときました。
ドラ
どう読みますか?
見た目だけならマンズのホンイツでしょうか?
私ならばこれが、
「現鳳凰位 前田直哉」、「藤崎智」のリーチであれば、まずマンズのメンホンリーチは無いとみます。おそらくリャンメン以上、ドラ1以上の好形リーチでしょう。
「ともたけ雅晴」、「望月雅継」のリーチであれば、マンズのメンホンリーチ大本命です。
「瀬戸熊直樹」、「佐々木寿人」であれば、七対子が要注意です。
これらは思い込みに近いような読みですが、大きく外しては無いかとも思います。
是非連盟チャンネルにあがっている動画などでチェック、考察してみて下さい!
以上、私なりのかなりアバウトな人読みをあげてみました。
もちろん、第一は自分の手牌が中心ですので、人読みを過信し、雑な打牌はせず、攻めるべき局面はしっかり攻め、オリるべき局面は徹頭徹尾オリましょう。
あくまで、後手を踏んだが攻めかえす際のターツ選択や、オリる牌に窮した際に、参考にする程度で活用して頂ければと思います。
まずは相手の攻撃を読み、自軍に被害が出ないようにしたうえで、攻めに転じる。
これが負けない戦略の1つです。
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