中級/第111回:中級講座『序盤、中盤、終盤』 紺野 真太郎
2016年04月13日
前回は「常に最終形をイメージして打つ」ということを書きましたが、今回は1局の中でそのイメージをどう変化させつつ、表題である「序盤、中盤、終盤」を進めていくかを書いてみたいと思います。
まず、私は1局を3つに分けて考えることが多く、それが「序盤、中盤、終盤」です。捨て牌は3段に並べますが、1段目=序盤、2段目=中盤、3段目=終盤では決してありません。ダブルリーチが入れば、いきなり中、終盤ですし、もつれて中盤のまま流局することもあります。私の中では以下のように考えています。
序盤 誰か(自分)がアクションを入れる、または、場に対して目立つ牌(連風牌、ドラなど)が打たれるまで。
中盤 誰か(自分)に明確なテンパイ(リーチ)、または、強い仕掛け(染め手やドラ、親のダブなど)が入るまで。
終盤 各自の押し引きが判明、終局に向かう。
実際に対局していると序、中盤や中、終盤がぼやけて判断がつきにくいこともありますが、概ねはこんな感じです。
では各段階でどのように考え進めていくかを書いていきます。
東1局、西家、ドラと仮定します。
序盤
こんな配牌だとしましょう。最終形を考えると
辺りになれば十分でしょうか。前回も書きましたが、東1局の配牌時なので無理のない範囲でなるべく高い手をイメージします。
1巡目のツモでを引きました。3シャンテンは変わりませんが、三色が望めるいいツモです。このまま伸びるといいですね。ここで最終形イメージに変化が出ました。
最初のイメージの他にこんなイメージも出てきました。では第一打は何を切りますか?親と南家の第一打は、とします。打牌候補としては、、でしょうか。私は切りですが、それは、場に対しておとなしい(影響の少ない)牌から切りだしていくのが基本と考えるからです。しかし、相手にファン牌が重なる前に、相手のメンゼンを崩す為になどの考えでやから切る方もいるかと思います。そういった考え方の違いがこちらから見たときに、序、中、終盤がぼやけて見える原因の1つです。でも、相手からすればあえての切り出しかもしれませんし、そういった考え方や戦略の違いが麻雀の深みや面白さに繋がるのかもしれません。
序盤は手牌をどのように進めていくかの方向性を決める時間帯です。攻めるのか、守り気味にいくのか、攻めるなら早い手なのか高い手なのかを決めていきます。(もちろん方向性は状況によって変化するものなので、その決定が全てではありません。常に臨機応変です)
少し進んで5巡目とします。捨て牌は以下の通り。
東家
南家
自分
北家
手牌
ツモ
さて、少し迷う牌を引いてきました。当初は三色なら123でしたが、引きではっきりと567が見え、それよりも注目は南家の。どうやら序盤から中盤へ移行のようです。
中盤
この段階での最終形イメージは
こんな感じでしょうか。ここでの選択は打か。打は
ここまで見えるものですが、スピードは落ちます。ですが、、と比較的安全な牌を持つことが出来ます。打は1番素直な一打です。スピードも殺すことなく、伸びれば打点も見えます。
ここは素直に打とします。
中盤は押し引きの分岐点です。ここで自分が先手(この場合だと他家より先にを切れるような手牌の進行状況)を取れているようであればアガリに向かい、他家に対応させ、優位に進めていくことを考えましょう。(いつ優位をひっくり返されるかわからないので注意は常に払う必要がありますが)しかし、そうでない場合は、場の変化に対してこちらも押していくのか、引き気味に打つかを、他家の出方により対応していくことになります。
7巡目
ツモ
捨て牌
東家
南家
自分
北家
あくまで三色にこだわるなら打ですが、もうそこまで待つ余裕はなさそうです。いつリーチが飛んできてもおかしくありません。ここはほぼ安全牌のを残して打とします。
9巡目
「リーチ」発声したのは南家です。
捨て牌
東家
南家
自分
北家
ここから終盤に突入です。
終盤
9巡目にリーチを受けましたがこの2巡は安全牌をツモ切り出来ました。東家は引き気味、北家は完全に引いたようです。
11巡目
ツモ 打
余剰牌が安全牌のから通っていないに変わり少し追い詰められました。この終盤は勝負にいくか引くかを決定し、終局に向けて細心の注意を払い進めて行きます。
捨て牌(南家9巡目でリーチ)
東家
南家
自分
北家
次のツモが南家のリーチに対して無スジの牌を掴むようなら、ここまでと考え引くことになるでしょう。ただ、ここで引いてしまうと南家のリーチが一人旅となってしまうので出来れば粘りたいところです。
13巡目
捨て牌(南家9巡目でリーチ)
東家
南家
自分
北家
ツモ
待望のテンパイ。しかも余剰牌のは直前に通りました。更に–はかなり良い待ちに見えます。(はドラ表示牌を含め自分から4枚見え。は2枚見えだが、残りはほぼ山であろう)もちろんテンパイに取りますが、リーチを打つか否かです。これも2通りの考え方が出来ます。13巡目に山に2枚残りなら十分勝負になるとリーチを打つという考え方と自分の捨て牌はリーチの南家に対して強くなく、目立っていないので、このまま静かに潜みリーチをかわしたい。というある意味全く反対の考え方です。もちろんどちらが正解とかはありません。
ここから先はアガれる時もあれば、流局することも、危険牌を掴みオリに回ること、さらには放銃することと、結末はどうなるかはわかりません。それこそ神のみぞ知るです。
結果も大事ですが、最終形をイメージし、序盤、中盤、終盤と打ち進めて行くことに意味があるのです。
そうやって積み重ねていくことが上達への道の1つだと私は考えます。
第2回目はここまでといたします。
それではまた。
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