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中級/第131回:中級講座『仕掛けのタイミング』 浜上 文吾

麻雀ファンの皆様こんにちは!九州本部の浜上です。
前回は「日本プロ麻雀連盟公式ルール」についておおまかに説明させて頂きましたが、公式ルールの対局回数が増えてくるとおそらく「仕掛け」の難しさに直面することがあると思います。
そこで今回は「公式ルールにおける仕掛けのタイミング」について私なりの思考をお伝えしたいと思います。
まずはじめに、公式ルールは一発、裏ドラがないので一般的なルールと比べると翻牌が重要な局面が多く、扱いが難しいと感じます。
私は週に1回程度、服部夫妻(服部学プロ、吉田彩乃プロ)と練習会を行っていますが、先日、第一子が生まれ練習会はお休み中です。
そこで今回は服部プロ宅にお邪魔して、連盟チャンネルを観戦したり、牌譜を見たり、仕掛けの勉強会となりました。
その中で、印象に残った局をノートに書き留めていたので、いくつか紹介したいと思います。
東1局 南家 30,000点 配牌
三万五万一索五索九索九索九索七筒八筒南北白白  ドラ三索
まずこの配牌をもらって何を考えますか?
私の理想的なのは
一索二索三索五索七索九索九索九索北北白白白
このホンイツや
一万三万一索二索三索九索九索九索七筒八筒九筒白白
このチャンタなどで高打点が狙えると良いですね。
とりあえずの目標設定はできましたが、なかなか理想通りには進行しませんよね・・・
実際の手牌進行は一索三索九筒とツモり以下の牌姿
東1局 南家 30,000点 5巡目
三万五万一索一索三索五索九索九索九索七筒八筒白白  ツモ九筒  打五万
5巡目までには比較的ツモも良くて1シャンテンとなりました。チャンタの可能性もまだあるので五万とします。
次巡のツモは五索で打三万で以下の牌姿。
東1局 南家 30,000点 6巡目
一索一索三索五索五索九索九索九索七筒八筒九筒白白  ドラ三索
ここで仕掛ける牌がいくつかあるかと思います。
自分なら白→ポンして打五索
とりあえず2,600点のテンパイが取れる上に、ツモ一索二索三索で打点向上が見込めるのが魅力です。
条件においてはまだ早い巡目のためにピンズを落としてホンイツに移行するのも個人的には嫌いではないです(最近は小さくなりテンパイ取りますが・・・)。
四索→チーして打七筒
五索とすれば白の後付けテンパイが組めるが、公式ルールでは翻牌の絞りがきつく、出てきにくい傾向にあるので、一気にホンイツ一直線です(少し大きくなってきた・・・)
以下の牌姿になり五索まわりをツモると高打点になるのが魅力です。
一索一索五索九索九索九索八筒九筒白白  チー四索 左向き三索 上向き五索 上向き
もし二索をチーしてしまうと
一索五索五索九索九索九索八筒九筒白白  チー二索 左向き一索 上向き三索 上向き
一索まわりもツモっても形が不安定なために仕掛けにくいです。
では白を1枚目は仕掛けない(メンゼンでリーチしようと考えて)という選択を仮にした場合、2枚目の白はもちろん仕掛けます。
四索ももちろん仕掛けるでしょう。
では仕掛けることができる牌が出ずにツモ三索となればどうでしょう?
東1局 南家 30,000点 7巡目
一索一索三索五索五索九索九索九索七筒八筒九筒白白  ツモ三索  ドラ三索
こうなるとピンズに手をかけたりしたくなりますよね?
私の選択は打七筒として七対子の1シャンテンに取りながら一索三索五索白はすべて仕掛けます。
ではツモ七筒はどうでしょう?
ふと考えるとパニックになりそうです。
一索一索三索五索五索九索九索九索七筒八筒九筒白白  ツモ七筒  ドラ三索
深呼吸して考えてみました。
若干七筒ツモ切りも考えてみましたが、私の選択は打八筒です。
理由としては七対子を優先する。仕掛けたときの打点が上がる形が少なくなる点です。
仕掛けの姿勢が少し後ろ向きになります=メンゼン重視になる。
自分なら最初にあげた手牌で絶対仕掛けるという牌姿が一枚変わるだけで選択が大きく変わるケースが多々あります。
こういう局面で仕掛けないと決めたはずなのに白を思わず仕掛けてしまって、打点もさほどない上に、テンパイもしくはアガリの精度も低くなってしまって放銃するという苦い思い出になったこともありました。
そこで私が大切にしていることは、
ポンテン、チーテンは状況が許せば打点にこだわらずに必ずとる。
ポンテン、チーテンを目指さないときは高打点を狙うことです。
次は私の練習会での実戦譜です。
東3局 0本場
東家 安東 34,900点
南家 吉田 24,700点
西家 浜上 34,100点
北家 服部 26,300点
 
100
 
東3局 西家 34,100点 配牌
四万七万七索七索一筒二筒五筒七筒九筒東東東発  ツモ一万
第一ツモはドラの一万で何を狙いますか?
この局における私のテーマは
・原点より4,100点浮いており、後半戦に向けて加点したい
・現状トップ目の安東Pの親を流したい
この2点です。
配牌を取ってみると、翻牌の東が暗刻でありますが、残りは愚形が多くてあまり良くないですね。
ここから流したいだけで何でもかんでも仕掛けても不安定なので、とりあえず手なりで進行させます。
6巡目には
一万七索七索八索一筒一筒四筒五筒七筒九筒東東東  ツモ五筒
トイツが4組できて最初の分岐点です。
選択肢としては一万九筒七索でしょうか?
捨て牌を見渡してみると
安東 南四筒 上向き六筒 上向き四万 上向き東六筒 上向き
吉田 八索 上向き八万 上向き白八筒 上向き九筒 上向き一索 上向き
浜上 発白四万 上向き二筒 上向き七万 上向き
服部 五索 上向き三筒 上向き八筒 上向き八万 上向き七索 上向き
全体的にちょっと変な捨て牌ですね。
少考の後に私の選択は(誰も仕掛けないで!と祈りながら)一万です。
誰からも仕掛けが入らなかったので第一関門はクリア。
若干ソウズが場に高く、ピンズが安い。
そこで今回は局を流すことがテーマではありますが、少し打点も作りたい欲が出てきました。
一筒一筒二筒四筒五筒五筒七筒九筒七索八索東東東  ツモ八筒  打七索
二筒を捨ててテンパイ率を上げる選択肢もありますが六索九索ツモでテンパイの場合はリーチをしても打点的な魅力があまりないので、ピンズが安い局面(仕掛けることができそう)を利用して効率よく打点を上げる選択をしました。
結果は
一筒一筒二筒四筒七筒八筒九筒東東東  ポン五筒 上向き五筒 上向き五筒 上向き   
ポンして5,200のテンパイ。
その後一筒ポンして四筒タンキにマチカエ⇒もし仮に押し返された場合の守備も考えてタンキ待ち。
最終的には六筒ツモで
六筒七筒八筒九筒東東東  ポン一筒 上向き一筒 上向き一筒 上向き  ポン五筒 上向き五筒 上向き五筒 上向き
このテンパイとなりました。
結果はアガリには結びつきませんでしたが他家にプレッシャーをかけることもできて親を流すことができました。
おおまかな捨て牌の色読みだけでテンパイできたと思います。
まとめてみると
仕掛けのタイミングは
・ポンテン、チーテンは点数状況が自分に有利ならば積極的に取る。
・打点が狙えそうな手牌の時でもポンして1シャンテンくらいを目標に構える。
と考えます。
以前の私は仕掛けることができない(自信がない)から仕掛けずにメンゼンに拘ってきたことがありましたが、このようにノートに書きだして復習することで少しだけ仕掛けができるようになり、成績が安定するようになりました。
是非ご自身の麻雀ノートをうまく活用してレベルアップを目指しましょう!