中級/第64回『石橋を叩いて渡る』
2012年04月18日
【石橋を叩いて渡る】
ポン
上の手牌から–をチーすれば「チーテンに側テンあり」、をポンすれば「ポンテンに側テンなし」それぞれ最も有名なパターンに当てはまる。
このパターンに出くわすことは良くあることと思うが、もちろんこれが仕掛けのパターンの全てではない。
実戦では手役やドラも踏まえた上で考えるべきであり、様々なパターンに対応できるよう、もう一歩前から手牌読みをする必要がある。
≪例≫
南家が7巡目のを仕掛けて打。
『捨て牌にはソーズが高く、一色手の可能性もあるが、三色も十分あり得る。
序盤の打ち出しから、チャンタは消去して良さそうだ。ドラ側のが打たれているのでドラが固まっている可能性もある』
と、まずはこの段階で考えられることを大雑把に並べておく。
なぜ大雑把にするかというと、全てのマイナス要素について真面目に考えてすぎてしまうと、自分の打牌を制限してしまうことになるから。
相手の動向に左右されやすい、弱々しい打ち手になってしまうことを防止するために“敢えて”大雑把に考えるということである。
5巡のツモ切りが続き、手からが打たれる。
このとき、2シャンテンの東家の手牌にはとが余っている状態。
とは場に1枚づつ打たれており、仕掛けることができるかもしれない。
しかし、それは相手3人がアガリに向かっているならば、という条件があって成り立つことだ。
しかもこの深い巡目では、1種類は仕掛けることができても、その次の牌は期待が薄い。
親番をキープすることに意味はあるが、余っているのがとではリスクが高すぎる。
つまり、この手牌ではもうアガリを期待してはいけないのである。
さて、ここで南家の仕掛けについてもう一度考えてみる。
2枚以上見えていない字牌は、、、の3種類。4人の河にソーズが高く、手牌の中にはソーズが組み込まれている可能性が高い。
ソーズの枚数的に、南家の仕掛けが一色手かどうかは微妙なところ。南家が一色手なら、字牌が絡んでいそうだ。
(とはいえ、元々字牌は打たないのだから、今局では考えても仕方がないことではある)
7巡目、をチーした瞬間の打についてはどうか。はの前に新しい手出し牌である。
最後のと合わせて、が手牌に関連する牌だったら?と仮定して、南家の手牌が打点が高いパターンを考えてみる。
→の切り順から、がトイツ以上であることがわかる。もちろん、単にのターツ落としだった可能性もあるが、ソーズの部分はほぼと考えて良さそうだ。
【ある程度打点が高く、カンをチーして打たれた(7巡目)が関連牌となるパターン】
a・ チー
b・ チー
c・ チー
d・ チー
(3打目にが打たれているため、リャンカンのパターンはのみ)
–のスジで5枚目となるが上家から打たれているため、bは消去して良さそうだ。
また、ソーズの一色手の可能性がある南家に対してを打ち出した北家にも注意が必要だ。
11巡目という深い巡目に、ドラ側のを打った西家も気になる。
先ほど、「あれこれ考えすぎると弱々しくなる、だから敢えて大雑把に読む」と書いたが、
それはまだ情報が少なく、自分の押し引きの判断も微妙だった頃の話しで、この状況になれば話しは別。
東家の打ち手は、潜んでいる敵をくまなく探し、細心の注意を払ってオリる必要があるのである。
ここで答え合わせをしてみる。
南家はツモで打としてテンパイが入ったところ。
1シャンテンの形は、
チー
cの形であった。もちろんとはどちらが暗刻でも同じである。
を打った北家は、トイトイの1シャンテン、西家は三色に手変わる可能性があるテンパイが入っていた。
答え合わせをしてわかるように、南家の仕掛けを一色手と判断するのはまだ早い。
東家の立場では、安易になどに手をかけることはもっての他で、むしろは本線の1つと考えるべきなのである。
このように、手牌と捨て牌を見比べて答え合わせをするのが、捨て牌読みの練習方法の1つである。
実戦では、手が開く前に相手の進行具合を読む。
仕掛けについては、場合によっては手牌を正確に読むことができる場合もあるので、必ず手出しツモ切りを見落とさないようにするのが大切なことだ。
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