第108回:中級講座『構想~対応力~その弐』 山田 浩之
2015年12月11日
先月、序盤のポイントとしてお伝えしたように、アガリを逃さぬように目一杯に手を広げて次のような牌姿になりました。
ツモ ドラ
東3局 東家 7巡目(日本プロ麻雀連盟Aルール)
456と567の三色をねらっていたところ、ツモでソウズの一通もみえてきました。
3つは天秤にかけられないので、どれか1つは諦めなければなりません。
さてどうしますか?
1)ツモ切り
2)切り
3)切り
シャンテン数を落とさずに手役を狙うのはこの3択です。麻雀力UPのためにもまず自分で考えてみてください。
まず理想形をイメージしてみましょう。
類似したパターンはまだまだありますが、このようなイメージはもてたでしょうか?
それでは各選択肢のメリットディメリットを考えてみましょう。
1)切り
これは456、567の三色が狙えます。跳満から倍満までMAXの打点が狙えることが最大のメリットですが、という裏目が存在することがディメリットになります。
2)切り
これは、567の三色と一通が狙えます。牌効率上ロスがないのですが、ドラを手放すので満貫までと打点が下がります。
3)切り
これは456の三色と一通が狙えます。これは三色と一通両方で跳満が狙えますが、とという2つのカンチャンができ、形が悪くなるのが気になります。
これをふまえると1)が一番優秀だと思います。
ですが実際のリーグ戦では3)を選択しました。これは他者の河の情報があったからです。
南家
西家
北家
ドラがマンズということもありますが、極端にマンズが高いことがわかるでしょう。
しかもが使われていなそうなので山に残っていそうです。
切りで456の三色やドラの重なりの保険はかけていますが、一通に照準を定め、すぐに引かないかぎりは全部払っていくつもりでした。
実戦では狙い通り、とツモり、一通確定のリーチを打ち、アガリをものにすることができました。
これはかなりうまくいった例ですが、中盤になると相手の河から得られる情報が増えていきます。
その情報をしっかり把握して、攻守にいかしていくことが大切です。
では逆にこのリーチを受けた子方の立場になって考えてみましょう。
捨て牌は以下
(はツモ切り)
まず一番のポイントはと両面を払っていることです。が手出しかどうかで意味が全く変わってくるので見落としは禁物です。
そして、下家がマンズのホンイツの可能性があるのに、と打ち出すということは全力でアガリに向かっていることがわかります。
打点のある好形1シャンテン以上とみて間違いないでしょう。テンパイが入っている可能性もあります。
ということは、よほどの手が入っていない限りはしっかり対応しなくてはなりません。
手出しをみたら、いつ親からリーチがきてもいいように準備する必要があるのです。
そうすることで失点をおさえることができます。
このように守備の面でも、相手の河や手出しなのかツモ切りなのかを見ることは大切になります。
そしてドラの切りリーチ。
点数がフラットな東場で、見た目上ドラターツを払ってのリーチ。
(二度受けの待ちの可能性はある)ということは相手が普通に打っているとすれば、待ちはわかりませんが打点のあるリーチだということは予測できます。
それに自分の手の価値、打点の高さや速度、形を踏まえて正面から戦うのか、まわりながら捌くことを目指すのか、しっかり受けるのか判断していかなくてはなりません。
次回は色(一色手)についてお伝えしたいと思います。
それではまた来月(^_^)/~
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