第109回:中級講座『一色手~字牌の扱い~』 山田 浩之
2016年02月09日
みなさんの好きな手役はなんですか?私の好きな手役はホンイツです。
私は関西出身で、三麻から覚えたからというのもあるのかもしれません。
またホンイツはどこから仕掛けるか、どの字牌を残すかなど選択が多く難しいですが、そこがまた楽しいところだと思います。
そんな一色手について今回は書きたいと思います。
ではまずホンイツのメリットデメリットについて確認していきましょう。
メリットはまず、役牌や一通、トイトイやチャンタなど複合できる役が多く、仕掛けても満貫や跳満クラスの高打点を狙うことができます。
また、仕掛けても高い可能性があるので相手にプレッシャーをかけることもできます。
そして、字牌を多く抱えることで先手をとられても受けることができるといったところでしょうか。
デメリットは狙いがばれやすいので相手に対応されやすいことと、自分が染めている色以外ツモ切ることになるので狙われやすいということでしょう。
自分がホンイツを狙っているときは他家もホンイツになりやすく、字牌が高くなるケースも多く、そうなると余った字牌が放銃になることも多いです。
そうならないためにも、ホンイツは何でも仕掛けるのではなく、急所から仕掛けていくのが成功の秘訣となります。
では私の今期のリーグ戦の実戦譜から見ていきましょう。
<字牌の扱い>
ツモ ドラ
東4局南家 1巡目
この配牌を見てみなさんは何を感じますか?
メンツはオタ風のの暗刻のみ、と両面ターツがあるものの、ピンズはと5枚あるが形が悪い。そして1枚の字牌が3種あります。
愚形が多くスピード感に欠ける手牌で、面前では厳しい手だなということが感じられたでしょうか?
そこがポイントです。
面前で手なりで打っても愚形の2,600になりそうです。
の暗刻をいかし、ペンカンというネックを処理するためにも仕掛けも考慮してホンイツを狙うことが有効です。
ロン
第一打でホンイツを意識して、字牌から切らなければ手なりでアガれるホンイツでした。
これはアガれたケースですが、字牌さえ残せればホンイツになっていたというケースは結構あると思います。
ホンイツは字牌の扱いがポイントになります。
<上家を利用する>
こちらも今期のリーグ戦から
ツモ ドラ
東4局1本場 南家 19,900点持ち 1巡目
前局は仕掛けていた親の櫻井に2,900の放銃。苦しい点数状況だが、まだ親はあります。
その親で挽回するためにも、ここは1回アガっておきたいところです。したがって、この局のテーマは打点よりもスピードでした。
そして配牌はそこそこ。マンズの一通やチャンタ、234、345の三色が見えます。
手なりでと字牌から処理していって5巡目に以下の牌姿に
上家の櫻井がの2鳴きからソウズのホンイツ模様。
堅実な櫻井の雀風から考えると、配牌でとが両方トイツであればは1鳴きの可能性が高く、牌姿にもよりますが、無理にホンイツを狙わないだろうと考えました。
まだ字牌も余っていないためテンパイの可能性も低く、鳴かれる可能性も低いと判断し、少々荒っぽいですがドラの切りとしました。
カン引きからのダイレクトのアガリが狙いですが、真の狙いはもちろんマンズのチンイツ。まだ9枚しかないので、自力ではなかなか難しいですが、ここでのポイントは上家の親が違う色に寄せているということです。手が進んでいれば、マンズを鳴かせてくれるでしょう。
チー チー ツモ
目論見通り2フーロできて、満貫をアガることができました。
上家がリーチしているときも同様にチャンスです。相手はテンパイしているのでリスクは大きくなるので注意しなければなりませんが。
逆に言えば、下家が染め手をやっているときは、安易な安いリーチは気を付けなければなりません。
ホンイツのコツは思い切って狙うこと。そして試してみて経験を積み重ねることです。
みなさんも常識にとらわれすぎずにいろんなことを試してみてください。
遠回りだと思うかもしれませんが、様々な経験こそが麻雀の強さにつながると思います。
私の担当はここまでとなります。
短い間でしたが、読んでくださってありがとうございました。
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