第129回:中級講座『検証してみましょう!』 浜上 文吾
2017年10月12日
麻雀ファンの皆様こんにちは!
九州本部の浜上です。
前回は「映像対局を観戦する」というトレーニングを紹介しましたが、今回、久しぶりに映像対局の機会があり、反省する局があったのでその局をひも解いて紹介したいと思います。
先日開催された、最強戦2017全日本プロ代表決定戦の私の実戦譜です。
半荘1回戦勝負でトップのみが勝ち上がるというシステムです。
タイムシフトで見返して牌譜を作成してみました。
先行有利なシステムですので最初の親でできるだけ得点を稼ぎたいものです。
起家スタートの私の配牌
東1局
ドラ
すでに1メンツ完成していてリャンメンターツが1組でドラ2枚のチャンス手です。
ドラを2枚使ってタンヤオ狙いです。
7巡目までは
4巡目にのトイツ落としをして、タンヤオ狙い、8巡目にツモ
ツモ ドラ
となり分岐点です。
皆さんなら何を捨てますか?
7巡目までの捨て牌は以下の通り(影になっている牌はツモ切り)
全体的に字牌が多く捨てられており、全員がタンヤオ中心に手を進めていると考えます。
をツモる前にはやポンでタンヤオ仕掛けも視野にいれていましたが、七対子の1シャンテンになり少考します。
今回の対局は1回戦勝負でトップ者のみが勝ち上がりのシステム。親の跳満をツモアガリできるようならば勝利がぐっと近づきます。
私の選択は七対子を一番に考えて、打。
ポンテン、チーテン以外はしないように大物手狙いの思考でした。
打は跳満をアガるには最速手順のひとつですが、これを書いている今でもあまりにも固すぎるような・・・
大物手を狙うにしてももう少し工夫は必要です。
■七対子も考えて手を進めるなら
ピンズの上目のが3枚捨てられていて、下目の牌のが1枚しか捨てられていないという状況からピンズの下目が薄いのでは?と判断してのリャンメンターツを捨てる選択をしたほうが柔軟に対応できそうです。
■タンヤオ仕掛けを中心に手を進めるなら
ターツを多く残すを捨てる選択をしたほうが良さそうです。
少考して選択したを捨てた瞬間は、中途半端な選択をしたのではないか?と少しメンタルにブレが生じました・・・
同巡、南家の佐藤晃大プロ(東北本部所属)からが捨てられるも当然仕掛けられません。
完全なるミスですね(泣)
タンヤオ、七対子、ドラドラにこだわり過ぎた為に、その後のツモは噛み合わず手痛い親落ちとなってしまいました。
それではをポンした場合の検証です。
■を選択した時は
この牌姿からをポン。効率より打点に重視(遠いトイトイ狙い)で、打もしくはを捨てると
ポン
次巡ツモとなり打でのシャンポン待ちとなり、更にをツモり4,000オールのアガリになります。
私の選択だとこの可能性が一番あったかもです。
■ターツを選択した時は
この牌姿からをポン
ポン
次巡ツモとなり打で待ちの5,800テンパイになるでしょうか?
次のツモはツモ切りして最初の5,800テンパイか、を捨ててタンキテンパイでトイトイ狙いもありです(場況、アガリやすさによりますが)。
■を選択した時は
この牌姿からをポン
ポン
おそらくのカンチャンターツを捨てる可能性が高いので、
ポン
次巡ツモとなり結果的には選択ミスです。
ただし、次巡が暗刻になり
ポン
となりテンパイには一手遅れではありますが、あとは雀頭探しで受け入れ自体は広くなり、勝負しやすい状況になるでしょう
まとめてみますと、打としたことで仕掛けにくい(七対子一本)状況を作り出してしまったわけでピンズターツ落としか受け入れ重視でリャンメンターツを作ることが正しい選択だったと言えます。
本来では私が選択できない手順も検証してみましたが、1回戦勝負の短期決戦では大物手をアガることができればかなり有利な状況を作り出すことができますが、こだわり過ぎてしまうと良くない結果になることがあるということがわかりました。
この対局では道中跳満をツモアガリして優位に進めていましたが、オーラスに逆転され敗退しました。
この1局の選択ミスが敗因の一つだと考えます。
自分としては普段からフーロ率も少なく、じっくりと腰を重く打つことを大切にしています。しかしながら、必ずしも「重く打つ=打点重視するということ」ではないことに気付きました。
打点を重視することは悪いことではないですが、柔軟な対応力、判断力を養うことが大事なことだと思います。
一昔前は対局を観戦するチャンスは少なかったと思いますが、映像配信の機会が増えたおかげで、トレーニング法は数多くあります。
牌譜を作り出すことはけっこう大変な作業ではありますが、ノートに書いて考えるという行動は脳力の活性化に繋がり、自然と牌姿も覚えることが出来ると思います。
私はこの方法で記憶力がついたと考えています。
是非お試しください!
もし私のノートを覗いてみたいという方はお声かけください(笑)!
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