第133回:中級講座『皇帝位決定戦を振り返って』 浜上 文吾
2018年02月14日
麻雀ファンの皆様、こんにちは!
九州本部の浜上です。
今期は各地方本部、支部の決勝戦も「日本プロ麻雀チャンネル」で放送されることになりました。
私の所属する九州本部は初代九州本部長のタイガー中島様からの多大なサポートにより、【~タイガー中島杯~第18期皇帝位決定戦】として放送させていただきました。
九州本部の対局を映像対局で放送したことにより大変貴重な経験と今後の地方活性化につながる第一歩だと感じました。
対戦者:浜上文吾vs柴田祐一朗vs塚本将之vs坂平二郎
実況:小車祥
解説:和久津晶・中村政時(九州本部長)
実況には九州本部出身、九州本部初のG1タイトルホルダー(第22期マスターズ)小車祥プロ(第22期マスターズ)。
解説には第16期皇帝位決定戦を観戦に来てくださったり日頃からお世話になっているA1リーグの和久津晶プロ、そして九州本部長の中村政時プロ。
結果はプロデビュー前から九州リーグに参戦し、ストレート昇級した新人の坂平二郎プロ(33期生)の圧勝で幕を閉じました。
私は見せ場はあったものの3着4着4着3着と一度も浮くこともなく悔しい敗戦となりました。
九州に戻り、仲間から幾つか質問のあった牌姿がありますので今回はそれを題材にしようと思います。
まずは【1回戦】
東1局0本場 東家 坂平 +12,000
リーチ ツモ ドラ
起家スタートの坂平の4,000オールで始まり、
南1局0本場 東家 坂平 +11,600
リーチ ロン ドラ
南1局1本場 東家 坂平 +12,000
ツモ ドラ
大物手を連発して(エンジンが違いすぎる・・・)坂平独走状態でむかえた南3局0本場の局面です。
全体牌譜は
得点状況は
東家 浜上 17,100点(▲15.9P)
南家 塚本 26,800点(▲4.2P)
西家 坂平 64,900点(+46.9P)
北家 柴田 11,2000点(▲26.8P)
カッコ内は順位点も含めたトータルポイント。
南3局0本場 東家 浜上 17,100点 配牌
ドラ
1メンツありますがネックになりそうな部分も多く、少し苦しい配牌です。
役牌のやが重なるのも考えて、第一打はを選択し、手なりで手を進めます。
とツモで役牌の重なりよりピンフ系の手を考えてと捨てます。
4巡目にはネックの1つであったドラ含みのターツにをツモで以下の画像です。
直線的に手を進めるならで良さそうですが、現在の得点状況から、私は123、234の三色狙いでを選択します。
ツモ 打
5巡目にはツモとなりまだ三色も狙いつつ、をほぐして以下の画像です。
6巡目にをツモり打として絶好の1シャンテンです。
6巡目
ドラ
この時考えていたことは
①ツモだと手替わり待ちでヤミテン(三色狙い)。
②ツモだと6,000オールを狙ってリーチ。
③ツモだと・・・。
と若干迷っていると、7巡目にツモでテンパイします。
さて選択の時です・・・
迷いが生じていたため(準備不足)少考します。
皆様ならどうしますか?
ツモ ドラ
選択肢は4つです。
①切りヤミテン
②切りリーチ
③切りヤミテン
④切りリーチ
今回は得点状況からヤミテンを選択する気はありませんでしたので切りリーチか切りリーチで悩みます。
では捨て牌に注目してみましょう。
東家 浜上
南家 塚本
西家 坂平
北家 柴田
切り⇒メリットはでアガると12,000か6,000オールの高打点が狙える、デメリットはでアガると2,900と安くなる。
切り⇒メリットはどちらでアガっても5,800か2,600オールとそこそこの打点が狙える、デメリットはをツモアガリした時の点差に差がある(2,600オールと6,000オール)
捨て牌から7巡目までにが1枚も場に出てないのが一番気になりましたので、は誰かに持たれているのではないかと考え切りリーチを選択しました。
狙いは一発で原点をクリアしたいのです。
私は元々細かく点数を積み上げることは好みません。
私の雀風はのんきな手役派だと思っています。
1つのアガリで局面を変えることが出来るのが手役派の魅力と考えての選択です。
結果は1シャンテンの塚本からがツモ切りされ2,900のアガリとなりました(ひょっとして感触悪い?)。
を選択していたら5,800だったなとは思いませんでした。
あくまで自分の雀風からの強いこだわりです。
長期的に考えてみるとを選択して、ドラメンツを固定したほうが成績は安定するのかもしれませんね。
2回戦終了時、坂平が2連勝で以下の状況です。
坂平 +69.0P
塚本 ▲ 8.1P
浜上 ▲27.2P
柴田 ▲33.7P
首位の坂平との差は96.2Pとかなり離されてしまっています。
東2局親のときには
ドラ
これでリーチを打つも空振り2,000点放銃してむかえた東3局の牌譜です。
3回戦 東3局 北家 浜上 26,300点
配牌
と好配牌です。
とツモで4巡目の牌姿は
ドラ
こうなり1シャンテンです。
234、345の三色もしくはドラ重なりがベストでしょうか?
そう考えていると6巡目にはドラのがトイツになり選択の時です。
選択肢は3つ。
①切りヤミテン。
②切りリーチ。
③切りテンパイトラズ。
捨て牌は
東家 坂平
南家 塚本
西家 柴田
北家 浜上
ポイントは坂平の4巡目手出しのと6巡目のツモ切りが気になります。
テンパイもしくは良い形の1シャンテンかな?と考えてのんきな私でもテンパイはとりました。
九州に戻って驚いたことは、意外と即リーチする人が多かったことですね。
私も瞬間、リーチの選択も考えましたが
①が連続形であるのでリャンメン待ち以上にしてアガリの精度を求めたい。
②ドラとのシャンポン待ちになった時に待ちの精度は落ちるがかなりの高打点が期待できるのでヤミテン選択です。
普段だと早い巡目ということもあっておそらくを選択してのんびり三色かドラとのシャンポン待ちにしたいな~と考えているでしょうね。
今回の皇帝位決定戦では結果的には惨敗でしたが、調子が悪いなりには自分らしい対局はできたかと感じています。
ご視聴してくださった方はおそらく私のことをオールドクラシックと感じたのではないでしょうか。
簡単にまとめてみますと、調子があまり良くない時には難しい選択をしなければならないことが多いです。
そんな時は選択肢のメリット・デメリットをそれぞれ見出ししっかり判断することによって、自分のスタイルの確立、そしてその結果を受け止めることにより次への進歩へと繋がると思います。
良い結果を残せるようお互い頑張りましょう!
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