上級/第94回『復習問題』 猿川 真寿
2014年10月27日
今回は最終回なので、問題形式にします。
麻雀は基本、打牌としてアリかナシの選択だと思っています。
なので、局面においてこの打牌しかないということはほぼないので答えは1つではありません。
それでは考えてみてください。
第1問
5巡目に西家からリーチが入った。
自分の態勢は良さそう。何を切るか?
解説
2通りの考え方が出来ます。
まず、1つは態勢がいいから真っ直ぐ手を進める打六。
もう1つの考え方は、態勢が良いということは展開もいい。
この展開という意味は、リーチが入らなければ六切りになる。
テンパイという情報を教えてもらったので、それに対応しながら真っ直ぐ打つという手もある。
違う展開を考えると東家が、間4ケンのを打ってきている。
確かに、捨て牌をみるとホンイツや七対子がありそうな捨て牌だが、ドラトイツのピンフ系ということも十分考えられるので勝負にいっていると言える。
おかげで、切りにくかったも切れるようになった。
よって、展開から考えると
1、リーチが入ったこと
2、が安パイになったこと
3、が3枚切れてること
これらをふまえると、切り
切りもいいと考えられる。
第2問
同じく態勢はいい。
親からリーチが入って尚且つ巡目も深くなってきた。
何を切るだろうか?
解説
この局面は相当難しい。
結論から書けば、1シャンテンを維持する、
、
になる。
問題は、この優劣になるのだが、まずも薄そうで、自分のアガリはかなり難しそうである。
そう考えるとドラの切りになりそうだが、攻めの迫力が欠けるのが少し気になる。
唯一、いきやすい条件は、ドラがすべて見えていること。
親の手役を考えてみると、捨て牌から123の三色とダブはあってもおかしくないと考察する。
よって、打点は低いかも知れないが、と
のシャンポンで放銃も後味が悪い。
消去法で考えると、態勢がよくドラ2も考えるとがいいのかということになりそうなのだが、私がこの局面を観戦していたときに
はいき過ぎじゃないか?と感じた記憶があるので、実際に私が打っていたら何を切っていたかは分からない・・・
今、これだけ考えても結論が出ない。
ちなみに少し話は逸れるが、真っ直ぐいっているから手が入るという感覚は昔は結構あったが、最近はそれほど意識していない。
ただ、このいう態勢がいい局面で素直に手を進めていれば、2,000点の放銃で済んでいたのに、
オリたがために、をツモられて4,000オールにされたという状況が1番の罪だと私は思っている。
そうならない為にも、態勢のいいときは基本的に素直に手牌進行を努めることにしている。
もし、親のリーチでなかったら迷わず切りの選択になる。
第3問
跳満が見える1シャンテンだが、親からリーチがかかってきている。
態勢が悪い時はどうするだろうか?
解説
現物の打。
スジのを切って満貫級の1シャンテンにも受けれるが、
が当たらないとは限らない。
完全に経験則で言ってしまうが、態勢が悪い時は先手を取られてから、アガリがつくときは
小回りより大回りのほうがいいと思う。
よって、が
でも
切りになる。
あとは他者の動きを見ながら対応するようにしよう。
この時は、基本的にはかわしにいく事よりも、放銃しないことを1番に考える。
これで私の上級講座は終わりになります。
ネットなどでは、良くも悪くも様々な反響があって、私自身としては書いて良かったと思っています。
皆さんがどういう感想をもったかということより、読んでもらえたことに感謝してます。
こう見えても、私は12年前まで流れ否定者でした。
当然、態勢についても「そんなのないよ」と思っていました。
考え方が変わったきっかけは、C1の壁をなかなか越えれなかった時期です。
態勢論を信じたというよりは、試してみたというほうが正しいでしょう。
言い方を代えれば、デジタルの追求を諦めたともいえます。
でも、今思えばそれが私には向いていたのかも知れない。
未だ道半ばなので結論は出ていませんが、麻雀が強くなるのに必要なことは、環境ときっかけ。
それによって、覚える基礎能力で勝負は決まるのだと思っています。
私の態勢論を読むと、相手の手牌が自然なのかということがかなり重要になってきます。
そんなの分かるはずないという人もいるでしょう。
私も分かるときがあるし、分からないときも多々あります。
でも、それでいいのです。
思考力はどんどん付いてきます。
実際、年々読みの部分は強化されてきてると思っています。
私がスタイルチェンジして良かったなと思えることは、色々な事象を考えるようになり、麻雀がより一層楽しくなったことです。
別に私の麻雀観が正しいと思っているわけではないし、デジタルが間違っているとも当然思わないし、弱いとも思わない。むしろ、強いと思う人も沢山いる。
皆さんに伝えたかったのは、こういう考え方もあるということ。
麻雀を楽しく勝つための、少しでも参考になってくれたらいいなと思っています。
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