リレーエッセィ/第67回:福光 聖雄
2012年08月23日
みなさんこんにちは。
白鳥プロからバトンを受け取りました、25期生の福光聖雄です。
白鳥プロと言えば、麻雀道画の麻雀相談所!
堀内プロとの掛け合いが非常に面白く、一見の価値ありです。
雀力向上に役立つかはわかりませんが(おいっ)、是非是非ご覧ください。
折角の機会ですので、『らしい』話をしてみましょうか。
(飽きてしまった方は、読み飛ばして、下の方に普通の(?)話を書くので、そこから読んで下さいな)
ドラ 開局、西家6巡目。
ルールは連盟Aルール(一発赤裏ドラなし)とします。
リーチするのとしないのとはどちらが得なのでしょうか?
横軸を得失点、縦軸を確率とすると、リーチした場合は、おそらく次のグラフのようになります。
※ 実際に存在しない点数があるため、グラフは滑らかにはならない。
※ 確率は私の感覚でのプロット。この点は後述。
平均すると(=期待値を取ると)、若干マイナスだったとします。(正確には計算できないのだけど)
では、リーチしないほうがよい?
リーチしなかった場合を赤いグラフで追加してみます。
期待値は、リーチをしないほうもマイナスになりそうです。
正確には計算できないので推察ですが、期待値は、リーチをする>リーチをしない、になるのではないでしょうか?
両方ともにマイナスになるのは不思議な気もしますが、
配牌が悪ければ、その時点でその局の期待収支はマイナスになりますからね。
さて、期待値が上ということで、リーチと結論付けてよいかというと、そうではありません。
開局とはいえ、8,000や12,000の放銃になった場合は、半荘が終わった時点でラスになる可能性が高くなります。
逆に、1,300や500・1,000をアガったとしても、最終順位にはほとんど影響しないでしょう。
つまり、順位点やオカを加味する必要があります。(連盟Aルールでは、オカはないですが)
グラフで表現するとこんなかんじでしょうか?(青点線)
「勝因にはならないが、敗因にはなりえるリーチ」という表現をすることがありますが、
グラフからも読み取れるかと思います。
場面を変えて、KTT(=クマクマタイム、瀬戸熊プロの親番での大連荘の愛称)発動中の瀬戸熊プロの親番だったとしましょう。
おそらく、リーチをかけても瀬戸熊プロはオリないので、アガリの確率は多少あがるかもしれませんが、
放銃の確率も大きくあがってしまいます。(オレンジ線)
話の流れは、損だからリーチはしないほうがよい、ではありますが、十段位戦の決勝だとしたら・・・?
上のグラフは、横軸は自分のポイントでしたが、頭取りの試合は「相手との点差」で判断すべきです。
具体的な例で、親の満貫をツモられた場合、自分のポイントだけ見れば▲4,000点ですが、点差で考えると▲16,000点になってしまいます。
ですので、私はリーチと結論づけています。
・・・ま、正直なところ、実戦でリーチに踏み切れるかはわかりませんけどね。。。
さてこの話、まだまだ続くのですが、(もう飽きたよね・・・)何ページあっても足りないので、ポイントだけ。
・縦軸の確率を正確に出すのは困難
・確率を統計で求めても、ルールによる違いや、局面の違いでかなり確率にブレが出る
・まして、自身の体験からは、サンプル数(試行回数)不足ですし、覚えてられるわけもなく、不可能
・確率が正確にわからなくても、ある程度の想定から、AとBのどちらがよいかは判断できそう
・横軸の点数が、人によっては等価でない場合がある
極端な例ですが、『これをアガれば昇級、降級はない』という局面は、1,000点の失点も48,000点の失点も大差がなく、アガリ確率が高いほうを選ぶ。
あ、誤解のないように伝えておくと、すべて数値的に判断しているわけではなく、判断のうちの一部の要素です。
対人のゲームですから、駆け引きとかありますしね。
対局中はここまで考えられないので、事前に検討して決めをつくるときに利用したりしてます。
お待たせしました(?)。後半は普通の話。
『継続』
今も昔も変わっていませんが、一番大切にしている言葉です。
プロデビューから3年半が経ちましたが、どんなに結果が出なくても、全てのタイトル戦にエントリーすること、そして、5年は継続しようと決めていました。
自分の想像していたよりもかなり恵まれ、1年目には新人王、去年は最強戦に残りニコニコ生放送デビュー、
今年はなんと、麻雀格闘倶楽部に出演することができました。
麻雀格闘倶楽部で思い出しました。このページに注目です!(①の右側)
http://www.konami.jp/am/mfc/mfc_uv/news/039.html
コナミさんありがとうございます。(嬉し涙)
一方で、リーグ戦ではC3で足踏み。その他のタイトル戦でも目立った結果は出ずと、期待には応えられず、悔しい思いを抱いているときもあります。
終わった戦いを明日の糧に、今と変わらず、いやより一層、努力を継続していきたいと思います。
最後になりますが、麻雀格闘倶楽部のサポーターへのメッセージ、私のメッセージが日の目を見ることはないかも・・・と不安だったりします。(切実)
もし、そこまで辿りついて頂いて、そして、このエッセィも読んでくれた方に一言。
メッセージは、一風変えて「○○のときは、△△は当たらない!」というMy理論を書いてみました。
理論的・心理的に当たり牌になりにくい、と考えていますが、もちろん100%ではないので、勝負処や安牌に窮したときに使って下さい。
私と対戦したときに裏をかいて利用するのも有効です。(笑)
最後まで読んで下さった方、長文にも関わらず、ありがとうございました。
次のバトンは、先日のチャンピオンズリーグを優勝した、西川淳プロにお願いしたいと思います。
決勝戦はまさに完敗でした。
昨年のマスターズの決勝に残り、リーグ戦もB2、B1へと連続昇級と、近年良績続きで、何かきっかけがあったのでしょうか?
では西川プロ、よろしくお願いします。
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