リレーエッセィ/第85回:井出康平
2014年02月20日
森下剛任プロからバトンを頂きました。
やっと頂きました。
もう一度言わせて頂きます。やっと頂きました。はい!
森下プロとは仲が良いのに、剛任(まさと)と知ったのは今回が始めてでした。
この場を借りて謝りたいと思います。ゴメンね(笑)
では、簡単な自己紹介からさせていただきますね。
1983年5月17日生まれ、牡牛座のO型で、生まれも育ちも千葉県鎌ヶ谷市です。
ただいま、第14回モンド杯出演中の21期生、井出康平でございます。
さて、それではせっかくですので、麻雀との出会いなんかを少し。
ずっと野球少年だった僕が、麻雀を初めて知ったのは中学3年生の秋でした。
部活を引退したあとは帰宅部となる訳ですが、同級生が麻雀牌を持ち出し、暇つぶしにやっていたのがきっかけです。それと同時に、少年マガジンで連載中だった『坊や哲』という阿佐田哲也先生の半生を描いた漫画が、当時中学生の僕らにはかっこよく見えてしまったのです。
「そいつは通らねえぜ」とか「明日は晴れるかな~」とか、本当ふざけた中学生でした(笑)
それから、野球で高校に入学するのですが、複雑な経緯で“○ニーズ”事務所の公開オーディションに合格してしまい、その模様が全国放送されてしまったのです。この放送を観た野球部の監督は激怒。
放送3分後、すぐに電話がかかってきて、次の日には退学になってしまいました。
今でも、当時の野球部の仲間達には衝撃的だったと言われるくらい、インパクトのある出来事だったんですよ。
親父は、僕が野球を辞める事に相当ショックだったみたいでした。
なんせ、寝込んでしまうという名の、仕事ボイコットが始まるくらいですから(笑)
僕が在籍していた中学の野球チームは、近隣の3つの市内から4番やエースが集められた、エリート的な硬式クラブだったのですが、ちょうど3年連続全国大会出場中の真ん中の世代だったのです。
レギュラーになって卒業した選手は、大体県内の強豪高校に進み、1年生から試合に出たり、主力選手になって甲子園に出たりと本格的なチームでした。
そこで、1番センターでスイッチヒッターとして、野球で県内の強豪私立に入ったのに辞めた訳ですから、少しは衝撃さも伝わると思います(笑)
麻雀ってどことなく野球と似ている部分があると思います。
相手のミスから始まる勢いとか、精神的な部分だとか。
そんな野球少年でしたが、中退したあとは、平日は麻雀で、土日はレッスンやコンサートなどの日々を過ごしていました。そして、その道も引退しまして、18歳から麻雀店のメンバーを7年ほどやりました。
20歳くらいから成績も負けなしになってきて、天狗のまんまプロ麻雀連盟のプロテストを受けたんです。
合格してから、先輩方の理論や戦術の豊富さに、いかに自分が井の中の蛙だったかと知らされました(笑)
それから一度休会したのですが、覚悟を決めて復帰しました。
復帰してからは精力的に活動しました。
プロは知ってもらってなんぼ。自己プロデュースが大事だと、多方面の先輩方に教わり、己をより深く見つめ直し、自分というものを理解して活動してきました。
そんな中、僕にチャンスが訪れました。
野口賞です。
準決勝をギリギリで勝ち上がり、決勝もギリギリで優勝。
麻雀は、体力も大事だと言われますが、この時初めてそのことを理解できました。
集中力の持続があんなに辛いものだとは思いませんでした。
そして野口賞枠からのモンド杯出場。
ここでは、テレビ対局の楽しさと怖さの両方を実感しました。
観戦している側は普通に見える打牌も、『あの場所で』と思いながら観ていると、意味合いが変わってくるくらいの差がありました。
最初は少し雰囲気にのまれましたが、すぐに楽しさに変わって、麻雀プロでいる限り、いつまでもこういった場所で打ちたいという気持ちが強くなっていきました。
麻雀は上手いから勝てるゲームではありません。上手いの定義は人それぞれですが、僕が目指すものは強さです。
強さを目指すのは過酷です。見方によってはひどく映ったり、結果を求められたりします。
それでも自分は、自分が描く強さを目指していきたいです。
そのために、麻雀だけではなく様々な分野で感覚を養い、瞬間瞬間を大事に戦って精進したいと思います。
今回のモンド杯は、諦めない事だけをモットーに戦いましたが、奇跡が起こりまして決勝に進む事ができました!
今回の大会のような、いわゆる格上と言われる方々と戦うのって、凄くワクワクするんですよね。
「負け戦こそ面白い」と、誰かが言っていましたもんね(笑)
こちらも是非観てください!
『傾奇者』
地元の先輩が、あまりに破天荒な道を歩んでいる僕をこう呼ぶのです。
実際に、なかなか経験できないような事ばかりやってきましたが、どの経験も無駄だとは思っていませんし、むしろ麻雀という競技の中で凄く生かせていると自負しています。
こうやって振り返ってみて、僕にも1つだけ自慢できる事があるんです。
それは夢中になれる事です。
野球も麻雀もゴールのない道。
だからこそ、夢中になれるということもありますが、1つ1つ足跡を残せるように精進していきたいものです。
そして、これからも『傾奇者』井出康平をよろしくお願いします!
では、次のバトンは、同期でもあり新女流桜花に輝いた吾妻さおりプロです!
右も左もわからなかった頃は本当にお世話になりました(笑)
よろしくお願いします!
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