リレーエッセィ/第65回:高沢 智
2012年06月13日
みなさんこんにちは。
この度、ジェンプロからバトンを頂いた26期生の高沢智です。
まさか自分にバトンが渡されるとは思ってもいなかったので、渡された時はかなり動揺しました。
自分に文才はありませんが、恥ずかしながらも書かせて頂きますので、どうか皆さん読んでみて下さい。
まずは簡単なプロフィールから。
北関東支部所属 26期生 2段 34才 群馬県桐生市在住
麻雀のスタイルは、面前主体のバランス型。
はっきりいって、未だに誇れるような実績もないのですが、
この間のマスターズ決勝戦や、十段戦、王位戦などの話をさせて頂こうと思います。
十段戦は初段戦からのスタートで、初めの2日間はただがむしゃらに勝ち進むだけでした。
そして月が変わり、五段戦から九段戦Sまでの2日間は、1つ勝ち進むごとにプレシャーが圧し掛かってきました。
ここまで勝ち進んだことで、負けたくないという気持ちがどんどん強くなっていったのを覚えています。
ベスト16で力尽きる事になってしまうのですが、荒正義プロ、前原雄大プロ、望月雅継プロなど、
なかなか打つ機会のないトッププロと打つ事ができたのはいい勉強になったと思います。
その十段戦も終わり、それほど時を空けることなくすぐに王位戦がはじまりました。
王位戦は、十段戦の成績がよかったこともあり、初めてシードを貰いA級本戦からの参戦となりました。
A級本戦を通過し、A級決勝では1位通過するなど出来すぎくらいの状態でした。
準決勝の最後の半荘では、トップを取るか大きな浮きの2着で決勝進出という条件でしたが、我慢が効かず、自分から崩れてしまったのを思い出します。
この時は、十段戦と同じくベスト16で終わったことに情けなさを感じました。
そして年度が変わり、最初のタイトル戦であるマスターズが始まりました。
このマスターズもシードを頂き本戦からの参戦です。
予選はツキもあり、初めての決勝に駒を進める事が出来たのは、少し前に進めた気がしてとても嬉しく思いました。
初の決勝進出に胸が高鳴ります。
決勝の朝、いつものように朝食を食べコーヒーを飲むとなぜか喉の通りが良くない・・
緊張していた訳ではないと思うのですが、どこかいつもと違うと無意識に感じていたのかもしれません。
会場に着くと、普段とちょっと空気が違うなあと思いながら、定刻になりいよいよ対局開始となりました。
この時は、緊張もなく何時も通りに打てていると自分では思っていました。
回戦オーラス、トップ目で迎えた親番で、点数的にもトップは間違いないだろう考えてしまいました。
そこに、自分の中に甘さが出てしまったのだと思います。
いつもだったら仕掛けるところ仕掛けず、その結果、捲くられて2着になってしまいます。
そのあとの対局中に、そのことが微かに頭をよぎります。
対局中の失敗をいつまでも引きずっていても仕方のないことは経験から分かっていたので、
あまり考えないように切り替えて、対局に集中するようにしました。
しかし、2回戦、3回戦と、どうにか2着にはなるものの、どことなくいつもと違う感覚は拭い去れません。
どこかパッとしないのです。
そして4回戦、開局から6,000オールをツモリ、トータルトップ目に立ちます。
次局もツモると6,000オールのテンパイが入ります。
1シャンテンでテンパイになる牌を引いた時には、これで優勝できるのではないかと意識してしまし、
このテンパイをヤミテンに構えてしまいました。これは自分らしくなかったと反省しています。
やはり、初の決勝の舞台ということで、プレッシャーからか微妙に判断がずれてしまったのでしょう。
結果、振り込みとなり、ここで優勝できそうという感覚が、サーッと引いていくのを感じました。
そして、最終半荘のオーラス。
ここで3倍満ツモという条件を満たすテンパイが入り、後は運を天に任せるだけとなりましたが、結果は流局。
3位という結果で終わりました。
決勝が終わった直後はそれほど悔しくはありませんでした。
しかし、家に帰り寝床にもぐり込むと、あの時はこうすれば良かった、ああすれば良かったと考えてしまし、
悔しさや後悔が込み上げてきてなかなか眠れませんでした。
それでも、決勝に応援に来て下さった方の中には、「勉強になった、カッコよかった」などと言ってもらえたことは、
プロになってよかった、がんばってきてよかったと嬉しく思い、救われたように感じました。
初めての決勝は、半荘6回戦の短期決戦でしたが、とてもいい経験が出来たと思います。
麻雀を始めてここまで、自分なりに勉強もしたし努力もしてきたつもりですが、
それ以上に、これまで知り合った方々や、一緒に卓を囲んだ方たちによって今の自分があるといってもいいでしょう。
特に弟の雅とは、子供の頃からずっと一緒に麻雀を学んできました。
子供の頃から切磋琢磨できる相手がいたということが、自分にとって一番ラッキーだったのかもしれません。
そして、これから知り合う人達や、一緒に卓を囲む人達との出会いを大切にし、
これからも自分の麻雀を創っていきたいと思います。
また、この経験を生かし、いつになるか分かりませんが、再び決勝の舞台に上がれるようがんばります。
本当に面白い事書けなくてすいません。
読んで下さった方々どうもありがとうございました。
次回は、最年少Aリーガーとして大活躍中の、白鳥翔プロに渡したいと思います。
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