リレーエッセィ

第81回:岡本和也

201310リレーエッセィ:岡本和也

古橋崇志プロからバトンを頂いた静岡支部の岡本和也と申します。
第27期新人王戦で優勝できたおかげで、このような機会を頂けたことに感謝しております。

まずは、簡単に自己紹介をさせて頂きます。

1981年8月10日生まれの獅子座のA型。
生まれは静岡県浜松市で、社会人になってから3年半の間、東京で働いていました。
現在は静岡県在住で、静岡プロリーグを中心に麻雀活動を行っております。

麻雀に初めて出会ったのは高校時代の部活の合宿中で、同級生の部活仲間が麻雀牌を持ってきたことがきっかけでした。
それまでは「ドンジャラ」すらやったことが無かったため、やり方も全く分からない状態で、トイトイと七対子、三元牌があればアガれるということしか知らずにやっていました。

その後、大学時代にどっぷりと麻雀生活にのめり込んだものの、社会人になってからは初めての一人暮らしに戸惑ったり、仕事に慣れる・覚えることに必死になっており、麻雀から遠ざかっていました。

社会人になってから、ある程度落ち着いてきた頃に、ふと「久しぶりに麻雀を打ちたい」と思った時に訪れたお店に麻雀プロの方が居たことがきっかけでした。
・・・ですが、当時は「四筒四筒六筒六筒八筒八筒という牌姿から何を切る」と問われた場合、「その時の気分で四筒八筒!」と答える位、我流で打っていました(笑)ので、麻雀プロを目指すにあたり、プロの方の戦術書を読んだり、ロン2でプロの対局を見たり、過去のプロ試験の筆記を解いたり等、基礎から勉強をやり直しました。

■プロになってから

静岡プロリーグに参加するようになってから、Aルール(一発・裏ドラなし、30,000点持ちの30,000点返しの変動順位点)の麻雀に苦しみました。
望月支部長を筆頭に、圧倒的に格上の方との対局もそうでしたが、それまでは、巷の「一発・裏ドラ・赤有り」のルールを主体で麻雀をしており、単なる牌効率では打点が上がらなかったり、「30,000点になれば浮くことができる」ということで無理なリーチをかけて大怪我をしたり・・・等。

「プロという肩書が付いたまま麻雀を打っていいものだろうか?」と悩んだ時期もありましたが、プロになって3年目となり、何とか今に至っています(苦笑)

■第27期新人王戦について

3年目のプロまでが出場資格を持つ新人王戦。
今回の第27期は新人王戦の中でも過去最多の128名の参加で、想定以上の人数で急遽対局会場が変更になる程でした。

地方からの参加ということで、初めの4半荘はサブ会場での対局となりました。
1回戦目は何とかトップで無難に終えたものの、2回戦目はノーホーラ(1回もアガリが無い状態)の4着…。

麻雀は大きなミスをしても勝てる時もあれば、何をどう頑張っても負けてしまう時もあります。
負けが確定した状態でも、いかに傷口を浅くするかを考えながら戦うことはできます。

「アガれないものは仕方がない」、そう気持ちを切り替え、3回戦は2着、4回戦は1着の約43Pで予選通過となりました。

5回戦はぎりぎり浮きの3着、そして6回戦では決勝で戦うこととなる清水哲也プロとの対局でした。
清水プロは面前・仕掛けのバランスが良く、東場の親で6,000オールのアガリをしたり、東場を終えた時点で50,000点を越えるトップ。かたや自分は、18,000点程のノーホーラ(また!)状態。
そのような状態でしたが、南場の親番で6,000オールのアガリ等で清水プロをかわし何とか1着となりました。

決勝進出が決まる7回戦目では、同じ静岡支部の坪井哲也プロと対局でした。
7回戦開始時点では+74.4Pの総合6位に付けており、決勝進出には大トップが条件でしたが、「決勝卓で戦ってみたい!」その気持ちに手牌が同調してくれたのか、順位点込みで+25.6Pのトップを取り、滑り込みで決勝進出となりました。

■新人王戦決勝戦

決勝はポイント持ち越しなしリセットしての2半荘勝負ということもあり、先行有利の戦いでした。
初めての決勝ということもあり、自分の打牌が記録に残ることも去ることながら、大勢の方に観られながら打つことに緊張しました。

「何でこんな人が決勝に残っているんだろう?」
「そこは○○切りの方が良いんじゃない?」

初めのうちは、そんなことを考えながら恐る恐る戦っていましたが、「今の自分の力で打つだけだ!」と心に決めてからは、普段以上に卓に集中していました。
対局者の所作・動作、河からの情報、仕掛けの打点、危険な牌等…、スポーツで言われる「ゾーン」に入り込んでいたんだと思います。

東2局2本場 親:三浦智博プロ
13巡目に清水プロの五万をチーしてのカン三筒のテンパイ。

二万二万二筒四筒六筒七筒八筒  チー五万六万七万  ポン七索七索七索  ドラ七万

ピンズの高い場況で、私も以下の牌姿の1シャンテン。

三万三万七万五索六索六索三筒五筒五筒八筒八筒九筒九筒

「ドラ七が引ければ打五索のヤミテンかな」と思っていた所、三浦プロのチーによりドラ七万が流れたものの、最終的に三筒待ちの七対子テンパイをするも三浦プロに三筒をツモられてしまう。

三筒はこっちもアガリ!」と思う反面、前局からの当たり牌の残り方、引き具合で自分の状態は悪いと確信しました。

その後、東4局0本場、東4局1本場、親番である南1局0本場の計3連続放銃となりましたが、静岡支部で諸先輩方に痛め付けられている(苦笑)おかげか、持点もそこまで減っておらず精神的にもまだまだ戦える状態でした。ただ「流れを変えるきっかけを見つけないと!」とは思っていました。
結局、1回戦が終わった時点で私の1人沈みとなりましたが、2回戦目に大きなツモアガリをすればまだまだ戦えるという気持ちと、「あとはぎりぎりまで前に出るだけだ」と気持ちを切り替えて2回戦に突入しました。

2回戦:東3局1本場 親:岡本 
前局にタンヤオドラ2の5,800点をアガることができ、次は十分4,000オールを狙える以下の牌姿。

二万三万四万四万六万七索一筒二筒三筒四筒六筒白白  ツモ五万

3巡目という早い段階だったため、手広く受けたつもりの打一筒を選択するも次巡ツモ白
この牌姿については色々な場面で取り上げて頂いたため、これ以上は割愛させて頂きますが、この1局からでも自分の未熟さを痛感しました。

新人王戦優勝特別インタビュー2回戦のオーラス、不恰好ながらも役牌のシングルバックの仕掛けになりましたが、大久保プロからアガリ牌である中が打たれ、1回戦1人沈みからの逆転優勝をすることができました。

■その後・・・

新人王戦で優勝してからだいぶ日が経ちましたが、優勝した実感はまだぼんやりとしたものでしかありません。
麻雀プロになった時もそうでしたが、タイトルを取ったからいいのではなく、新人王戦を勝ち取った結果、今後どうしていくのかが大切です。

今後は1人でも多くの方に応援して頂けるよう、また1人でも多くの方が「ステキな麻雀生活」を送れるよう精進していく所存ですので、これからもどうぞよろしくお願い致します。

次のバトンは、最強戦の全日本プロ代表決定戦で決勝まで進んだ河井保国プロにバトンを渡したいと思います。
河井プロよろしくお願い致します!