第3回麻雀プロアマオープン競技会 ベスト16~決勝戦レポート 紺野 真太郎
2019年03月11日
このプロアマオープン競技会も早くも3回目、本部道場に通う一般の選手にとっても、ベスト16以降の会場となる夏目坂スタジオは聖地となりつつある。
トーナメントシステムは一発、裏ドラありのWRCルール、半荘1回勝負。1回勝負だからこその緊張感のある戦いが繰り広げられた。
ベスト16
A卓 しーらさん、篠田拓郎さん、小泉忠さん、吉田直
念願の鳳凰位となった吉田、鳳凰戦の前日調整には道場に顔を出しており、顔なじみの選手も多く、インタビューからも感謝の念が伺えた。勝ち上がることが恩返しであったが、ここは小泉さん、篠田さんの前に敗れた。
勝ち上がり 小泉忠さん、篠田拓郎さん
同時進行で行われたB、C、D卓では、丹野賢一さん、くまおさん、宮村信、立岩知朗さん、Andy-sanさん、冨田久志が勝ち上がりを決めた。
ベスト8
A卓 小泉忠さん、丹野賢一さん、宮村信、くまおさん
前半はくまおさんが抜け出すが、東3局に丹野さんがハイテイツモを決め、くまおさんに並びかける。
南1局、ここまで失点を最小限にとどめていた小泉さんが、親番で反撃のリーチ。
ドラ
これを見事に一発でツモあがり、4,000オール。決勝の椅子を手繰り寄せる。
南3局、もう1つの決勝の椅子を巡り、くまおさんと丹野さんの競り。リーチを打ったのは丹野さん。
ドラ
でツモアガリ。問題は裏ドラ。ここで1枚乗るか乗らないかで大きく違う。祈る様に捲られた表示牌は。裏ドラで1,300・2,600。このアガリが決め手となり、丹野さん、小泉さんの勝ち上がりとなった。
勝ち上がり 丹野賢一さん、小泉忠さん。
B卓 立岩知朗さん、冨田久志、篠田拓郎さん、Andy-sanさん
東2局1本場、親の冨田がリーチ。
ドラ
立岩さんから追いかけリーチを受けるも一発ツモで4,000オール。ただ1人のプロの生き残りとして意地を見せる。
東2局3本場、今度は追う篠田さんがリーチ。
ドラ
でツモ。これでも満貫あるので十分だが、裏ドラがなんと。望外の跳満ツモアガリとなった。
Andyさんも黙っていない。親番でこの4,000オール。
リーチ ツモ ドラ
3人競りの形となり、立岩さんは苦しくなる。
80分プラス1局の時間制限が使い切られる程の熱戦となったが、最後は冨田が700・1,300を決め、篠田さんを交わして2着。最後の椅子を手に入れた。
勝ち上がり Andy-sanさん、冨田久志
決勝戦 Andy-sanさん、冨田久志、小泉忠さん、丹野賢一さん
数多くの選手が半年の時間をかけて予選を行い、戦ってきたプロアマオープン競技会もいよいよ決勝。小泉さんの勝負服が異彩を放つ中、開始された。
序盤は小場で進行。全員が30,000点前後で推移していく。東4局、その空気を突き破る様に、冨田がリーチ。
ドラ
入り目は。手応え十分のリーチ。Andyさんもテンパイを入れるが、冨田を捕まえるまでには至らず、冨田渾身のツモ。3,000・6,000。東場を終えて大きく抜け出した。
南1局。抜け出した冨田であったが、皆、そう簡単には逃してくれないし、諦めもしない。親番のAndyさんが反撃の狼煙。
リーチ ドラ ツモ
冨田に並びかける。続く1本場、丹野さんが三色確定リーチ。
ドラ
は捨て牌から非常に良く見え、実際に山に2枚。これに対し冨田が追いつきリーチ。
ドラ
丹野さんの河にがあり、現物待ちだが、勝負に出た。親のAndyさんも黙っていない。七対子で追いつくと、こちらも勝負リーチ。
ドラ
枚数では冨田が有利も掴んだのは冨田。Andyさんに4,800は5,100の放銃。勝負に出た結果とはいえ、痛すぎる放銃となってしまった。
リードしたAndyさんは南3局にも1,000・2,000を決め、トップのままオーラスを迎えた。
オーラスを迎えての点数状況は、
Andyさん49,000 冨田19,100 小泉さん22,100 丹野さん29,800
冨田、小泉さんは三倍満ツモ、倍満直撃の条件、丹野さんは親なので、連荘。その親の丹野さんが先制リーチ。
ドラ
Andyさんとは4,000オールでもまだ変わらず、冨田、小泉さんの条件が厳しいため、先制リーチは非常に有効な場面。だが、その条件が厳しいはずの冨田から、無スジのが放たれる。場に緊張が走った。その時冨田はこの1シャンテン。
ドラ
リーチツモ、チンイツ、リャンペーコーならばきっちり三倍満だ。プロとしての最後の意地を見せたが、これは実らず。丹野さんがをツモり2,600オール。
続く1本場、追撃の手を緩めない丹野さん。またもやのリーチ。
ドラ
ツモ。Andyさんからしたら「乗るな!」の心境か。しかし、願いも虚しく、裏ドラは。2,600は2,700オールで持ち点は45,700点に。ついにAndyさんを捉えた。
Andyさんは43,700点。その差は2,000点。丹野さんも逆転したとはいえ、まだノーテンで親を流すことが出来るとは限らない。
3本場、手を伏せられる点差を目指し、丹野さんはリーチ。
ドラ
追い詰められたAndyさんも仕掛けで応戦。
チー
の引き合い。その時小泉さんは・・
ドラ
国士無双1シャンテン。どこからの出アガリでも届く・・
しかし、最後のは小泉さんの手には来なかった。
4本場、ここで最終局となる。決着の時が近づく。丹野さん47,700点、Andyさん46,700点、完全なアガリ競争。先に動いたのは丹野さん。
チー ドラ
Andyさんにも決断の手が。
ツモ
アガらなければならないAndyさん。上家の丹野さんは絞ることは出来ないので、タンヤオ本線。七対子も逃せないので、トイツにも手をかけられない。Andyさんが、を選択するまで、そう時間はかからなかった。
優勝は丹野賢一さん。攻める姿勢を貫いたことが優勝に繋がったと思います。ご優勝おめでとうございます。
第4回プロアマオープン競技会の予選はもう始まっています。これを読んで興味を持ち、参加してみたいと思われた方がいらっしゃいましたら幸いです。
優勝 丹野賢一さん
2位 Andy-sanさん
3位 小泉忠さん
4位 冨田久志
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