何を切る? 2021年3月
2021年03月16日
第16期静岡プロリーグ決勝 3回戦 南1局 北家 望月雅継プロ
■Twitterで実施したアンケートの結果
■プロ解答
★切り
★切り
★切り
★切り
★切り
★切り
■プロの視点
望月雅継プロ
「まずは状況整理から。優勝しか意味のない決勝戦。どこかで状況を打破し、もう一度優勝戦線に戻る必要があるということ。
ここで鈴木プロに抜け出されてしまうと、追う側の自分としては数字以上に苦しい立場に追い込まれてしまう為、この局を勝負局にするという方法もあるということ。
つまり、この局面では放銃は避け、押し返すだけの理由や背景を作る必要があると私は考えていました。
改めて牌姿を見ると、親のリーチに現物牌は無く、完全な手詰まり。
打牌候補は、か。
第一感は、のスジに当たる打
。
一気通貫の可能性が無くなった事も切りやすい背景となっている。
ただペンの三色同順が否定されているわけでもなく、放銃の可能性も十分にある上に、打
としてしまうとこの後押し返す理由がなくなってしまう為、この選択肢はまず保留。
次に私がこの瞬間に絶対に打牌候補に挙げない牌を決める。
マンズ、ピンズには情報が少ないが、ツモ切ったの裏筋に当たる
。
今ツモってきた牌だ。
この捨て牌相には、好形である可能性が高い理由がある。
4枚見えたことで、リーチ宣言牌のが完全余剰牌だった事が確定。
つまり→
の切り順はターツオーバーからの選択で、危険度を考えての切り順だと言うこと。
という事は、親番である事も加味すれば、を切る前の1シャンテン形は十分形であったのではないか?と想像出来る。
加えてツモ切りからピンズの危険度を考える。
からの
の先切りがあるかどうかは微妙だが、
からの
は十分に考えられる。
ただならどうか?
ターツオーバーなら、なら、捻って先に打
も考えられる。
あえて危険度に差をつけるなら、
>
≧
となり、だけは先に打牌候補から除外する。
次に打。ワンチャンスの
待ちよりも、
を先切りからの
とⅹのシャンポン待ちの可能性の方がが高そうだが、この場合には
→
の切り順が
→
になりそうだ。ツモ
の場合にⅹとのスライドがある分、
より
を先に切るはず。
今度は自身の押し返す背景の話。
この手が押し返す形になる時はドラのが重なった場合か、マンズのイーペーコー含みの好形リーチが打てる場合と考える。つまり、この段階でドラが重なる未来を放棄するのは、押し返す形の間口を狭くする事に繋がると考える。よって打
も保留。
次にマンズの情報だが、2巡目の、そしてリーチ後の
。
他家からの捨て牌相からも全く情報が無いので、打牌候補の共に打牌理由には当たらない。
さらに、仮にが通り、構想通りツモ
となった場合、切らないと決めていた
に手が掛かる可能性が極めて高い。
そうすると、自分の意思と打牌の整合性が取れなくなるばかりか、マンズのイーペーコーや好形変化にも対応出来なくなる。よってマンズも却下。
保留したそして
。
打牌候補をこの三種類に絞り、さらにここから除外していく。
最初に除いたのは。
やはりここは勝負所。受けている余裕はないし、手牌の再構築をする時間もない。
放銃の可能性もないわけではないのでは却下。
次にだが、やはりこの形での打点向上の可能性を消すのは惜しい。
さらに1シャンテンでドラを切っての放銃ともなれば、この決勝戦自体が終わってしまう恐れもある。
ということで、切り。消去法での選択となりました。
次巡以降、ツモは拝み打ちでの打
リーチ。
ツモは打
でマンズとソーズの変化を求め、ツモ
は打
のヤミテン。
はツモ切り。
ツモは局面次第での選択で、ツモ
は巡目との兼ね合いも込みでリーチ。この瞬間そう決めました。
ここまでが長考に及んだ私の思考です。
結果はツモ打
リーチ。ツモ
で500,1000。
この局の結果も、決勝戦の結果も決して良いモノにはなりませんでしたが、メンゼンでギリギリまで粘る私の特徴が良く出た一局になったと思います。」
■終局図
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