対局番組レポート

特集企画/第四回麻雀トライアスロン雀豪決定戦 決勝レポート

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“麻雀トライアスロン”とは!?
一般的にトライアスロンとは鉄人レースと言われ、水泳・自転車・マラソンの3種目で競う耐久競技のことを言います。ではこの“麻雀”トライアスロンとは?
2009年、日本プロ麻雀連盟で創設された、まったく新しい形の“麻雀”のタイトル戦、
それが、『麻雀トライアスロン』です。
東風戦・半荘戦・三人麻雀の順に戦い、3種目をワンクールとして、1次予選・2次予選・決勝と勝ち進んで行きます。
最後が3人麻雀となっており、得点力が高く爆発力のあるゲームだけに大逆転も可能。
さらに、今回から二次予選は東風戦で各2名が敗退、半荘戦でも各2名が敗退といった、サバイバル形式のシステムとなり、さらにスリリングな展開が予想されます。
今年で4回目を迎えるこのタイトル戦ですが、毎年各界を代表する雀豪の方々にお集まりいただき、豪華な顔ぶれで開催されます。今回も腕に覚えのあるこの16名が集結しました。
※【順不同・敬称略】
出場選手紹介ページはこちら
一次予選レポートこちら
二次予選レポートこちら
二次予選を終え、惜しくも決勝進出を逃したのは雀豪3位の武藤敬司さん、同じく4位の武宮正樹さん。
実績もある方々なので、次回大会でも必ず上位争いに食い込んでくるでしょう。

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さて、ついに決勝進出者が決定いたしましたが、改めてその4名をご紹介いたしましょう。
ゲスト雀豪1位通過、先崎学さん。

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1次予選成績
東風戦1位・半荘戦1位・三麻3位
二次予選成績
東風戦4位・半荘戦1位・三麻1位
トータル96.5Pの好成績で決勝選出。
予選のトップ回数4回は、参加者の中でも先崎さんただ1人。
第一回トライアスロンでは、滝沢和典プロにまさかの逆転負け喫しているだけに、
今回は、“優勝”の二文字だけを見て戦います。
 
2位通過は川合俊一さん。

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一次予選成績
東風戦3位・半荘戦2位・三麻1位
二次予選成績
東風戦3位・半荘戦2位・三麻1位
トライアスロン初出場にもかかわらず、トータル76.0Pと成績をまとめ決勝進出となりました。
成績だけみると、川合さんは東風・半荘・三麻と徐々に調子を上げていくタイプのようです。
決勝戦でもホップ・ステップ・ジャンプが決まるでしょうか。
 
ではプロ雀士のほうもご紹介させていただきましょう。
プロ雀士1位通過は瀬戸熊直樹プロ。

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一次予選成績
東風戦3位・半荘戦2位・三麻2位
二次予選成績
東風戦4位・半荘戦1位・三麻1位
トータル80.4Pとプロ1位の成績で決勝の椅子を決めました。
瀬戸熊プロは、現鳳凰位と十段位でもある日本プロ麻雀連盟のエースと言ってもいいでしょう。
このトライアスロンも、第二回以来、2回目の決勝進出となります。
 
そして2位通過は灘麻太郎プロ。

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一次予選成績
東風戦4位・半荘戦1位・三麻1位
二次予選成績
東風戦1位・半荘戦3位・三麻2位
トータル77.8Pは、プロ雀士第3位となった前原プロ(+75.4P)を微差でかわしての決勝進出。
灘プロは、32年という長い歴史の中、日本プロ麻雀連盟の会長という重い責務を果たし、
この日、森山茂和新会長にそのバトンを渡され、ようやくその重責から開放されました。
それでどこか気持ちが楽になって、手牌も軽くなったのでしょうか。決勝の舞台まで駒を進められました。
以上、強者4名の戦いです。
決勝も予選と同じく、東風戦・半荘戦、そして最後は三人麻雀の闘いとなり、
その合計得点によって、第四回麻雀トライアスロン雀豪決定戦の勝者が決定いたします。
さあ、決勝1回戦東風戦、闘牌の開始です!!
 
1回戦・東風戦(起家から、先崎、川合、灘、瀬戸熊)
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一万三万四万六万四索五筒東西西北発発中  ツモ一万  ドラ東
南家の川合さんの配牌。
ここから打北として、その後、すぐに灘プロから出た第一打の一万をいきなり仕掛けて行きます。
三万四万六万五筒東西西発発中  ポン一万 左向き一万 上向き一万 上向き
すぐに中が重なり打六万とします。
完全にマンズのホンイツですが、少しでも染め手の匂いを消すためでしょう。
この迷彩をほどこすあたりは、打ち慣れていると感心させられます。
そして、仕掛け慣れているのではとも思いました。
二万が入り西も鳴け、
二万三万四万発発中中  ポン西西西  ポン一万 上向き一万 上向き一万 左向き
6巡目には早くもこのテンパイを果たします。
しかし、これに追いついたのは、親である先崎さんでした。
三万四万五万七万七万六索七索八索三筒四筒五筒七筒八筒  リーチ
川合さんがほしい中発は、瀬戸熊プロの手の中に1枚で後は山の中。
先崎さんは、六筒2枚と九筒3枚が生きています。決着は12巡目でした。
三万四万五万七万七万六索七索八索三筒四筒五筒七筒八筒  リーチ  ツモ六筒  裏ドラ八万
開局を制したのは先崎さんのこの2,600オール。
次局は川合さん。今度は面前で攻めます。
二索三索四索七索八索九索二筒二筒五筒六筒七筒中中  リーチ  ツモ中  ドラ四筒  裏ドラ西
高めのほうをツモり、裏ドラは乗らず1,000・2,000のアガリ。
東3局は、ゲスト雀豪優勢の中、今度はプロ雀士の反撃とばかりに、灘プロが親でリーチと出ます。
七万七万七万七索七索一筒二筒四筒五筒六筒西西西  ドラ五筒
半分、足止めの意味も含めたリーチですが、もしツモアガリできれば流れに乗れそうです。
しかし、すぐに川合さんが絶好のペン七索を引き込み、
一索二索三索五索六索八索九索二筒三筒四筒五筒七筒七筒  ツモ七索
こうなれば勝負に違いありません。打二筒でリーチと行きます。
灘プロも、他家がオリてくれればこちらのものですが、リーチと言われれば腹をくくるしかありません。
両者、ツモる手にも力が入りますが、ここは流局となりました。
次局、川合さんのすごいところは見切りのタイミングです。
二万三万五万一索四索五索五索二筒四筒八筒八筒東東  ドラ一索
4巡目に東が出て、ここから仕掛けて行きます。
たしかにメンツ候補は足りているのですが、ドラも浮いていて仕掛けるのは勇気が必要です。
しかし川合さんは、前局アガれなかったことなど考え、この手はそれほど高く伸びないと判断したのかもしれません。
四索五索八筒八筒  チー三筒 左向き二筒 上向き四筒 上向き  チー一万 左向き二万 上向き三万 上向き  ポン東東東  ツモ六索
このアガリで、灘プロの親を完全に封じました。
東風戦ならではの打ち回しです。
オーラスは、親の瀬戸熊プロが果敢に攻めますが、
一万一万四万五万六万六索七索八索五筒七筒  ポン白白白  ドラ五万
終盤に、灘プロからリーチが入ります。
三万三万五万六万二索三索三索三索三索四索九筒九筒九筒  リーチ
川合さんも、
四万五万六万四索五索五索五索六索四筒四筒五筒六筒六筒
この綺麗な三色のテンパイ。
結果は、瀬戸熊プロが七万を掴み、ラス目の親番なのでこれを抑えることができず灘プロに放銃となりました。
裏ドラがなく、2,600のアガリだったので、着順の入れ替わりはありませんでした。
東風戦成績
川合俊一+20.9P  先崎学+8.4  P灘麻太郎▲4.7P  瀬戸熊直樹▲24.6P
 
2回戦・半荘戦(起家から、川合、灘、先崎、瀬戸熊)
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このトライアスロンにおいて、東風戦はまだ肩慣らし。
いよいよこの半荘戦から勝負は白熱してまいります。
ただ、初戦ラススタートの瀬戸熊プロは、ここでラスを引かされるとかなり厳しくなるので、
ここは最悪でも2着に入りたいところです。
そして初戦トップの川合さんは、ここで連勝することができれば、優勝に王手をかけることができます。
その川合さんの親番でこの半荘戦はスタートしました。
東1局は川合さんと灘プロの仕掛け合い。この局は灘プロが捌きます。
六万七万三索四索五索五索五索  チー六筒 左向き四筒 上向き五筒 上向き  チー六筒 左向き七筒 上向き八筒 上向き  ロン五万  ドラ九万
次局、川合さんが今度は面前でテンパイを入れリーチ。
五万五万六万八万二索三索四索六筒七筒八筒北北北  リーチ  ドラ七索
しかし、灘プロがすぐに、
三万五万三索三索四索五索六索四筒四筒五筒五筒六筒六筒
このテンパイで二索を勝負します。
すると、南家の先崎さんは、
二万三万四万六万七万五索五索六索三筒三筒三筒白白  ツモ四万
ここで無筋の四万をツモり、まずは川合さんの河に八索もあることから、筋となった打五索とします。
灘プロにテンパイが入らず、二索が場に出ていなければこの五索は打てなかった可能性が高く、
このたった1つ、二索が場に出たことが、その後の局面を変化させていくことになります。
五索を打てた先崎さんは、次巡、一万ツモで打白として丁寧に回ります。
白も現物ではないのですが、ぎりぎりまで勝負を諦めない粘り強い麻雀です。
一万二万三万四万四万六万七万五索六索三筒三筒三筒白  ツモ七索
そしてこうなればリーチで勝負。すぐに灘プロから八万でアガリ、裏ドラも乗り5,200。
このアガリはやはり大きかったようです。
三万三万四万四万五万六万六万六万八万八万四索五索六索  リーチ  ツモ五万  ドラ七万  裏ドラ五索
この勢いで、次局の親番はこれを決めて一歩抜け出します。
さらに、東3局1本場、
六万六万七万七万八万八万八万六索七索八索  ポン東東東  ツモ五万  ドラ東
この手を決めて、ダントツのトップ目となります。
東2局に、川合さんと灘プロの攻防を掻い潜り、しっかりとアガリきった局がポイントでした。
ラスを引けない瀬戸熊プロは親番で一矢報います。
四万四万六万六万六万七万七万七万一索二索三索四筒五筒  リーチ一発  ツモ三筒  ドラ五万  裏ドラ発
親番でこのアガリを決め2着目へと浮上します。
さらなる加点を目論む瀬戸熊プロでしたが、今日はこの後が続きません。
三万四万五万八万八万二索三索四索六索七索七筒七筒七筒  リーチ  ドラ三万
三万三万三万五万五万五万四索四索三筒四筒五筒北北  リーチ  ドラ四索
この2つの勝負手が空振りに終わります。
迎えたオーラス。
先崎さん54,000
瀬戸熊プロ26,900
川合さん21,800
灘プロ16,300
得点状況はこうなっております。
さすがにこうなると、親番の瀬戸熊プロ以外の2人は2着を目指します。
ラス目の灘プロ配牌。
二万二万六万六万七万六索八索一筒西西白白中  ドラ六筒
2つの役牌がトイツなので、これを生かして仕掛けて行きます。
二万二万五万六万七万西西  ポン中中中  ポン白白白  ツモ西
そしてこの満貫をアガリ2着へと浮上しました。
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半荘戦成績
先崎学+51.9P  灘麻太郎+5.6P  瀬戸熊直樹▲17.2P  川合俊一▲40.3P
半荘戦終了時
先崎学+60.3P  灘麻太郎+0.9P  川合俊一▲19.4P  瀬戸熊直樹▲41.8P
3着になった瀬戸熊プロは苦しくなりましたが、最後の三人麻雀は得点が大きく動くため、
まだまだ優勝争いに食い込んでいけるでしょう。
灘プロと川合さんはトップを取って、いかに先崎さんとの差を縮めるかがカギとなります。
残すは最終戦三人麻雀のみとなりました。
 
最終戦・三人麻雀(起家から、灘、川合、瀬戸熊、先崎)
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日本プロ麻雀連盟の公式対局のシステムとして、最終戦の起家や並び順は、これまでの成績によって決定いたします。
起家=2着目
南家=3着目
西家=4着目
北家=トップ目
これは、優勝の可能性がなくなった他家が、親番もなくなり他に迷惑をかけないようにとなにもしなくなり、そこで親が無駄な連荘などして麻雀の内容に歪みが生まれないようにと考えられたシステムです。
またこの三人麻雀に限っては、最後のオーラスの抜け番が勝負の行方を左右する可能性も高く、オーラスに抜け番で一番不利になる西家は、トータルラス目になっているのです。
西家はオーラスを迎えた時点で、トータルでトップ目に立っていないと、かなり不利になってしまし、そのあたりも戦い方が多少変わってくることでしょう。
まず先手を取ったのは川合さんでした。
二索二索三索五索八索五筒八筒南南西北北中  ドラ四筒
ここから3巡目に出た北を仕掛けて行きます。
これまでも川合さんは仕掛けを多用し、また、仕掛けないときはリーチに行き、とにかく前に前に出て、攻める姿勢を崩しません。
この仕掛けでテンパイが入ったのは、西家スタートとなった、どうしても得点を叩いておきたい瀬戸熊プロ。
四索四索七索七索七索四筒四筒五筒七筒七筒八筒八筒九筒  ツモ三筒
ドラが出てしまう形になってしまいましたが致し方なしのドラ四筒切りリーチ。
しかし、次のツモは四索・・・今回の決勝はどうもかみ合っていないようです。
次巡六筒ツモも、裏は乗らず1,000・2,000のアガリとなりました。
そして次局、川合さんは親番を迎え、ここから連荘モードに突入します。
二索二索五索一筒一筒二筒五筒六筒東東白中中  ドラ六索
まずはここから二索をポンして行きます。東一筒も鳴けて、
五筒六筒中中  ポン一筒 上向き一筒 上向き一筒 左向き  ポン東東東  ポン二索 上向き二索 上向き二索 左向き
これを受け、瀬戸熊プロは粘って、
四索四索六索七索八索四筒五筒五筒七筒九筒九筒九筒西  ツモ四筒
この形までこぎつけ、ここで生牌の西を切るか、七筒もしくは五筒などを切れば1シャンテンにはなりますが、
七筒は当たりですし、西はトイトイがあるので非常に切りにくい牌です。
ましてやテンパイしているならいざ知らず、まだ1シャンテンということでここは一旦打九筒と構えます。
すると次のツモは三筒。これはテンパイ逃しですが、七筒は当たり牌なので逃したことにはなりません。
次は生牌のドラ六索。これでさすがにギブアップ。打九筒
かなりのところまで踏み込む瀬戸熊プロでさえも、川合さんのこの仕掛けには対応せざるを得ませんでした。そしてこの仕掛けがこの後の大連荘を呼び込みます。
東2局1本場、
二索二索五索六索四筒六筒六筒六筒七筒七筒八筒八筒九筒  ツモ七索  ドラ八索
四筒切りで六筒九筒二索待ちの3メンチャン。
九筒切りでカン五筒待ちなのですが、場に二索が1枚と九筒が1枚、五筒は1枚も見えていません
となると、残っている枚数は実は同じ。川合さんの選択は打四筒
これは、例え枚数は同じでも種類が多いほうが有利ということでしょう。
たしかに、他家が五筒だけ抑えてアガリに行くのと、二索九筒六筒と3種もある牌を抑えてアガリ切るのは、後者のほうが難易度は高いように思われます。また、カンチャンとシャンポンの時は、手牌にもよりますが、シャンポンのほうが若干有利な気がします。結果は、赤五筒を一発でツモった川合さん。ここは苦笑いするしかありませんが、その後きっちりとラス六筒をツモって連荘には成功。
次局は、灘プロが先制リーチ。
一索二索三索四索五索六索七索九索一筒一筒五筒六筒七筒  ドラ西
これに追いついた川合さんは、
二索三索三索四索四索六索六索六索七索八索九索発発
ここでリーチと宣言します。
凄いのは、灘プロの捨て牌に川合さんのアガリ牌である二索が切られていることです。
普通は現物待ちなのでヤミテンの選択になると思うのですが、ここは勝負どころと判断されたのでしょう。
また、先崎さんとのトータルポイントを考えても大きなアガリが必要と思われたのだと思います。
一発で五索を灘プロから討ち取り、大きな12,000のアガリとなりました。
これで先崎さんとのポイント差は、19.4P差となり、現実的に捲くれる数字になってきました。
流局を挟み次局4本場も、
一万一万四索五索六索二筒三筒四筒七筒七筒八筒八筒九筒  ロン六筒  ドラ白  裏ドラ四索
5,800は8,200点のアガリになりました。(1本場600点)
そして5本場。この局は正直驚きました。まず、後がない灘プロが、
五索五索六索六索九索九索西西北北発発中  リーチ  ドラ二索
このメンホン七対子の中タンキリーチ!
そして、これ以上、川合さんに連荘されたくない先崎さんは、
二索二索二索八索八索五筒六筒七筒七筒八筒九筒中中  リーチ
ここまでぐっと我慢してきましたが、ここは灘プロに放銃になっても構わないとばかりに、
自身も勝負手だけに果敢に攻めてリーチと行きました。
これを受けた川合さんですが、こちらも勝負手が入っていました。
五索五索六索七索七索七索三筒四筒五筒五筒五筒七筒七筒  ツモ二筒
このテンパイとなり、川合さんはそっと、六索を切ってヤミテンに構えます。
私はこの時、え!五索切ってリーチに行かないの!?と思いました。
ここでアガることができればかなり楽になるのにと。
しかし川合さんは冷静でした。
たしかに、五索は超危険牌で、六索は筋。だったら無理な勝負はかけないで、筋を切って様子を見る。
五索を切るなら待ちが悪いだけにヤミテンは当然の選択。
また、打点が必要な灘プロのリーチだけに高いのは想像でき、先崎さんが灘プロに放銃するという展開も考えられます。
しかし次巡、川合さんのツモは中。ここまでか・・・と正直思ったその直後、川合さんの選択は、打七筒
ここでも私は、え!?と驚きの声をあげそうになりました。
ちなみにこの三人麻雀はダブロンありのルールなので、もしこの中を捨てて放銃となってしまった場合、両方、跳満からのスタートになるので、ここまでリードしている先崎さんの優勝で、ほぼゲームは終了となっていたでしょう。
結果、両者アガれず、川合さんも結局、テンパイまでは行きませんでしたが、見ているこちら側は手に汗握る、もの凄い攻防を見ることができました。
その川合さんの抜け番。
先崎さんが先制リーチ。
三索三索三索六索七索八索五筒六筒七筒九筒九筒中中  リーチ  ドラ九筒
これに追いついたのは瀬戸熊プロ。
一索二索三索六索七索八索六筒七筒八筒東東発発  リーチ
この追いかけリーチ。
ここで一番瀬戸熊プロを応援していたのは、なにを隠そう抜け番の川合さんに違いありません。
川合さんはあと20,000点くらい先崎さんと差を縮めなければいけないので、先崎さんにはアガられたくないはずです。その願いが通じたのか、瀬戸熊プロのアガリとまでは行きませんでしたが、流局となりました。
これで東3局7本場、供託:4,000
さあ、ここが川合さんにとって正念場となります。
九万九万一索二索二索二索三索四索四索六索八索西西  ツモ八索  ドラ九筒
6巡目、ここで川合さんは打九万とし、ソーズのホンイツを目指します。
すぐに役牌である西が鳴けて、1シャンテンになりますが、この仕掛けで、
二筒二筒三筒三筒四筒六筒七筒九筒九筒東東南南  ツモ一筒
先崎さんにこのツモ一筒が流れます。
正直難しい手になりました。東南も生牌。九筒はドラです。
みなさんなら何を切りますか?
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先崎さんの選択は七対子も残る打六筒でした。
川合さんも五索を引き入れ、二索五索八索の3メンチャンのテンパイ。
先崎さんは次に東をツモって、七筒切りで九筒南シャンポンのテンパイ。
ヤミテンで12,000点あります。
川合さん打東・・これは先崎さんの入ったほう・・一打一打緊張が走ります。
先崎さん九索ツモ切りでここは勝負どころと川合さんはソーズのホンイツですが押していきます。川合さんも六索ツモ切りで、これはいったい誰がアガるのでしょうか!?
先崎さんも川合さんも、ここはお互いに一歩も引けません。
さあ、これをアガリ切ったほうが、優勝をぐっと引き寄せ王手です。
先崎さんは四筒一筒を振り替え、さらにヤミテン続行。
川合さんのツモはまた六索です。シャンポンにしていればこれでアガリがあったのですが、
さすがに3メンチャンをシャンポンにはできないでしょう。
するとここで、親の瀬戸熊プロが私を忘れてもらっては困るとばかりに満を持してのリーチ。
一万一万二索三索四索五索六索七索五筒五筒五筒八筒九筒  リーチ  ドラ九筒
そうなると、先崎さんもここはもうオリられないので、追いかけリーチで真っ向勝負です。
瀬戸熊プロ五筒を暗カン。新ドラは八索です。川合さん乗りました。
そして決着の時が訪れました。
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二筒二筒三筒三筒四筒四筒九筒九筒東東東南南  リーチ  ツモ九筒  ドラ九筒 カンドラ八索  裏ドラ八筒 カン裏四索
先崎さんが大きな大きな倍満のアガリで天王山を制すことができました。
これで一気に川合さんを捲くってトップ目に立ちます。
南1局に川合さんが再度、
三索四索四索五索六索二筒三筒四筒五筒五筒七筒八筒九筒  リーチ  ツモ二索  ドラ六索  裏ドラ西
このアガリでトップを捲くりますが、先崎さんは70,000点近くある2着で安泰の位置。
さすがに川合さんの反撃もここまで。
第四回麻雀トライアスロン雀豪決定戦は先崎学さんの優勝で幕を閉じました。
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tri優勝した先崎学さん、第2位川合俊一さん tri第3位灘麻太郎プロ、第4位瀬戸熊直樹プロ

今回は、予選から雀豪の方々の成績がよく、決勝でも先崎さんと川合さんのマッチレースといった感じとなりました。灘プロ、瀬戸熊プロもどうにか突破口を開こうとしましたが、今回のお2人の前では成す術なしといった感じだったでしょうか。
川合さんはホップステップジャンプとは行きませんでしたが、その見事な押し引きで先崎さんをギリギリのところまで追い詰めることができました。あの中を止めた局はお見事だったのではないでしょうか。
優勝した先崎さんですが、最後は、さすが将棋棋士の先を見据えた一打ともいえる見事な手順でメンホンを決められ、終始安定した内容の麻雀を打たれていたように思います。
第一回大会でも優勝目前まで迫ったところで、滝沢和典プロに国士無双で逆転され、本当に悔しそうだったのを今でも思い出します。その時の悔しさが大きかった分、今回は本当に嬉しい優勝となったのではないでしょうか。

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先崎さん優勝おめでとうございました!!
放送は終了してしまいましたが、今後も連盟チャンネルやDVDなどで見られることができると思いますので、その時は是非ご覧下さい。
これで、優勝したのがプロ雀士2回、ゲスト雀豪が2回と、イーブンという形になりましたが、第五回が開催されるとしたら、ゲスト雀豪が勝利するのか、それともプロ雀士が意地を見せるのか、また次回のゲスト雀豪はいったいどんな強者が集まるのか!?ご期待下さい!!
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