十段戦 レポート

第39期十段位決定戦最終日レポート

【第39期十段位決定戦最終日 優勝は魚谷侑未!】

十段戦もいよいよ最終日。
三浦、荒、魚谷は最大4戦。
近藤、浜上は抜け番を残しているので最大3戦となる。

 

 

【9回戦】抜け番 近藤

最初のアガリは三浦、満貫のツモアガリでリードするが

 

 

オーラス1本場。この半荘ラス目の魚谷が渾身の6,000オールで前線復帰。

 

 

4本場では浜上がトップ逆転の満貫ツモ。

 

 

波乱の9回戦は浜上がトップ、魚谷が浮きの2着、三浦、荒の並びで終了。

浜上は近藤に61.4P差を突きつけ、10回戦の結果を待つ身となった。

 

【10回戦】抜け番 浜上

近藤はこの半荘で浜上を交わさなければ敗退となってしまう。83,500点(1人浮きなら79,500点)トップが必須という非常にシビアな条件戦。

しかし、この10回戦が大事なのは近藤だけではない。
現状3番手となってしまった荒はトータル首位となった魚谷に満貫ツモで親被りをさせて反撃開始すると

 

 

勢いそのままに3連続のアガリ。荒がこの半荘のトップ目に立つ。

南1局には近藤がドラ雀頭のリーチ。高めの四万ツモで跳満に仕上げる。

 

 

しかし二の矢が継げず3着となり、近藤の十段戦はここまでとなった。

10回戦はトップに荒、浮きの2着に魚谷。近藤、三浦の並びで終了。

 

【11回戦】

 

 

開始前よりポイントが詰まって残り2回戦。

三浦がピンズのホンイツを白ツモで跳満に仕上げ、トータル首位に立つ。

 

 

魚谷も黙ってはいない。親番で3,900オールは4,000オール(+1,000)を決めると

 

 

東4局には三浦に親被りさせる2,000・3,900ツモ。2回の大物手をアガった魚谷が逆転。

荒も負けじと南場の親番で3,900オール。

 

 

打撃戦となった11回戦を制したのは魚谷。先制リーチを打った三浦にメンホン七対子ドラドラで追いつき

 

 

西をロンして跳満のアガリ。今決定戦初のトップを飾った。

11回戦はトップに魚谷、浮きの2着に荒、三浦、浜上の並びで終了。

 

【最終12回戦】

 

 

先にぶつかったのは荒と三浦。荒が発中ドラドラのアガリで魚谷に迫り

 

 

次局のテンパイ料で逆転。荒と魚谷は一進一退の攻防を繰り広げるが、南3局5本場に魚谷が一万単騎をツモ。

魚谷が2.9Pリードで最終戦オーラスへ。

 

 

【オーラスの条件】

荒は500・1,000ツモ
魚谷から1,600
浜上から3,200
三浦から7,700

魚谷は自分ノーテンで荒テンパイはNG。

先手を取ったのは魚谷。ドラドラだが、待ちは2枚切れのペン七筒。巡目もまだ早いためテンパイ外しもある牌姿だが、魚谷は意を決してリーチに踏み切る。

アガリ優勝となった荒は真っ向勝負。仕掛けて応戦し七筒を放った。

 

 

7,700放銃となってしまった荒の条件は倍満ツモ。魚谷から跳満直撃。

13巡目に一万四万待ちのホンイツテンパイが入るが、このままでは高めツモでも跳満。ヤミテンとし、更なる変化を待つ。

 

 

残り1巡でツモリ四暗刻の形になるが、実は二万三万待ちは純カラ。

少考の末、荒は三暗刻確定の二万五万待ちを選んでリーチ。

 

 

山に2枚残っている五万をツモれば優勝。観る側の期待も高まるが

 

 

荒の1人テンパイで流局。
以上で第39期十段位決定戦、全対局が終了。
優勝は魚谷侑未。女流初の十段位が誕生した。

 

 

 

魚谷「最後まで油断せずにとは思っていました。(オーラス1本場の)荒さんのリーチは怖かったです。今日が3日間の中で一番手が来てくれました。今日は凄くツキがあって十段位になる事が出来ました。獲りたいタイトルだったので嬉しいです。このタイトルに恥じないようなプロで居られるように頑張ります。応援よろしくお願いします。」

 

 

【第39期十段位決定戦 最終結果】

優勝 魚谷侑未
2位 荒正義
3位 三浦智博
4位 浜上文吾
5位 近藤久春

(文・吾妻さおり)