十段戦 レポート/第32期十段戦 ベスト8A卓レポート 勝又 健志
2015年09月24日
5月から始まった十段戦もいよいよベスト8の対局が始まる。
半荘5回を戦い上位2名が決勝進出となるトーナメント戦だ。
このトーナメントという戦い。当然、麻雀である以上攻めるべき手牌でしっかり攻め切ることは大切なことであるが、順位が大きく影響するため、勝負局の見極めがとても難しいものとなる。
1回戦(起家から、古川、浜上、藤崎、柴田)
東1局。親の古川に7巡目テンパイが入り、即リーチにいく。
リーチ ドラ
浜上は、
この三色の1シャンテンであっただけに攻め返すかと思われたが、ここはオリを選択。
ドラ無し愚形残りの1シャンテンでは、見合わないという判断であろう。
一方、藤崎の手牌は以下。
同じく三色の1シャンテンであるが、こちらはドラもありリャンメンターツもあるだけに攻め返していく。
8巡目に自風のをポンしてテンパイを取ると全面対決の構え。
結果は、手詰まりの柴田が古川の筋を追って藤崎への放銃となった。
ポン ロン
先制点をあげた藤崎は、東3局でも、
ツモ ドラ
この4.000オールをアガリ1回戦のトップをものにした。
2着には、東4局1本場で
リーチ ツモ ドラ
このアガリを決めた古川が。
1回戦結果
藤崎+23.3P 古川+8.8P 浜上▲6.8P 柴田▲25.3P
2回戦(起家から浜上、柴田、藤崎、古川)
1回戦では、中々自身の持ち味を出させてもらえなかった浜上が、東1局にピンフの1.500をアガると東1局1本場では
リーチ ドラ
このリーチにいく。このリーチは浜上のフォームではないが、なんとか主導権を取りたいというリーチであろう。
想定通りに一人旅となった浜上は、このリーチをツモアガリ。
東1局2本場では、さらにリードを広げようと手牌を目一杯に構え攻める浜上。
しかし、これ以上は連荘させまいと藤崎が
ポン ツモ ドラ
これをアガって捌く。
東2局。親の柴田が、
ドラ
この四暗刻リーチにいくが、今度は古川が
加カン ロン
これで捌く。2人のA1リーガーが要所でアガリ切り、浜上、柴田はペースを握れない。
そして、2回戦目のトップも藤崎。
南1局に
リーチ ツモ ドラ
これをアガリ連勝を決めた。
2回戦結果
藤崎+21.8P 浜上+7.5P 古川▲9.5P 柴田▲19.8P
2回戦終了時
藤崎+45.1P 浜上+0.7P 古川▲0.7P 柴田▲45.1P
3回戦(起家から柴田、古川、藤崎、浜上)
東2局。ここまで2連勝で大きなリードを持った藤崎が勝負に出る。
親の古川が、ダブのポン、のチーと仕掛けているところに、
ドラ
ここから、ドラのを打ち出す。
結果こそ、藤崎がその後にツモ切りしたで古川に
ポン チー ロン
この放銃となったが、早くも藤崎が勝負を決めにきたという1局であった。
南1局。ここまで手牌に恵まれず、苦戦を強いられてきた柴田にチャンス手が入る。
6巡目
こうなると、ここでの暗カン。親番だけに、理想形をタンピンイーペーコーとし、手広くを切るかと思われたが、ここは打点に拘った。
この選択が見事に成功し、
暗カン ツモ
この4.000オール。会心のアガリをものにして、この半荘トップとし、ポイント差を一気に縮めた。
3回戦結果
柴田+21.9P 藤崎▲2.4P 浜上▲4.9P 古川▲15.6P 供託1.0P
3回戦終了時
藤崎+42.7P 浜上▲4.2P 古川▲16.3P 柴田▲23.2P 供託1.0P
4回戦(起家から浜上、藤崎、古川、柴田)
東1局から古川が、変幻自在の攻めを見せる。
まずは、
ドラ
これをリーチツモで700・1,300。
東2局は仕掛けて
ポン ロン ドラ
東3局は
ロン ドラ
東3局1本場こそ、1,300は1,600の放銃となったが、東4局は仕掛けてテンパイと加点を積み重ねる。
南場に入っても、リーチツモで500・1,000、仕掛けてタンヤオで300・500と、打点こそないものの主導権を握り続ける。
そして、トップ目で迎えた南3局の親。
リーチ ツモ ドラ
このアガリで1人浮きのトップをものにした。
4回戦結果
古川+33.1P 浜上▲6.0P 藤崎▲8.1P 柴田▲21.0P 供託2.0P
4回戦終了時
藤崎+34.6P 古川+16.8P 浜上▲10.2P 柴田▲44.2P 供託3.0P
5回戦(起家から古川、藤崎、柴田、浜上)
藤崎は2人に逆転されなければ良いため、大きなラスを引かなければ決勝。
古川、浜上は27.0ポイント差のため、トップ3着で15,000点の差が必要。
柴田は、古川をラス、浜上を3着の並びを作った上で60,000点ほどのトップが必要といったところ。
東1局1本場、浜上は、6巡目に
ドラ
こうなるとここから切り。最高形である三暗刻を見ながらの進行である。
こう構えた以上、9巡目に打たれたを仕掛けない。ライバル古川の親だけに仕掛けてかわしにいくかと思われたがここは勝負と出る。
10巡目。後のない柴田にテンパイが入りリーチにいく。
ドラ
次巡、これをツモアガリ2,000・4,000。古川が親がぶりをしたことで、柴田、浜上のチャンスも増えてきた。
東3局、今度は柴田が勝負にでる。
ダブ、、をポンして
ポン ポン ポン ドラ
ここからを切ってトイトイに受ける。古川が4巡目にドラの、そして7巡目にはまで切って攻めてきているが、柴田の選択は打点追及であった。
これが見事に決まりを引き寄せ4,000オールのアガリ。その差20ポイント程まで迫ってくる。
東3局1本場。柴田、今局は三色を見切り最速のテンパイを果たし即リーチにいく。
ドラ
勢いに乗った親リーチならば、1人旅かと思われたが、なんとここで古川が攻め返す。
そして、15巡目テンパイすると追いかけリーチにいく。
リーチ
結果は、古川が柴田からのアガリとなった。打点こそ1.300だが価値あるアガリであった。
東4局1本場、藤崎が
ポン ポン ロン ドラ
これをアガリ、決勝進出を確実なものにした。そして、放銃は古川。ライバル浜上の親を落とすべく仕掛けてテンパイを入れたが、手痛い失点となった。
南3局を迎えてポイント状況は、
藤崎+29.8P
古川▲6.2P
柴田▲8.2P
浜上▲18.4P
供託3.0 (現時点での順位で順位点を加算)
熾烈な2着争いとなっている。そして、ここで決定打がうまれる。
親の柴田、7巡目にホンイツのテンパイ。
チー ポン ドラ
これをすぐに引きアガリ見事決勝戦の切符を手に入れた。
5回戦結果
柴田+42.3P 浜上+4.1P 藤崎▲10.3P 古川▲36.1P
5回戦終了時
藤崎+24.3P 柴田▲1.9P 浜上▲6.1P 古川▲19.3P 供託3.0
十段位決定戦は9/26よりスタートする。
みなさんお楽しみに!
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