十段戦 レポート/第34期十段戦 ベスト8A卓レポート HIRO柴田
2017年08月03日
準決勝ベスト8A卓ここを勝ちあがれば決勝だ。各々の選手が自分の勢いを信じて挑んでくるだろう。今回勝ち上がってきた4名は以下。
青山めぐみ(二段戦からの出場)
荒正義(九段戦Sからの出場)
柴田吉和(前年度決勝シード・ベスト16からの出場)
瀬戸熊直樹(九段戦Sからの出場)
1回戦(起家から、青山・荒・柴田・瀬戸熊)
東1局 親青山
開局に思い切ったリーチを打ったのは柴田。打点こそあるものの3枚切れのシャンポンでリーチ。
柴田
ロン ドラ
放銃となったのは荒。まずは柴田の狙いどおり5,200と好スタート。
東3局3本場 親柴田
柴田の連荘が続いたこの局、わずか5巡で大物手テンパイを入れたのは荒。
荒
ドラ
続いて瀬戸熊もリーチ。柴田もそこへドラを勝負と打ち出し緊迫した局面となる。
柴田
瀬戸熊
ロン
柴田・瀬戸熊、荒の手牌を知ることもなく、めくり合うが結果は荒の放銃となった。
東4局 親瀬戸熊
青山が軽快にポンと動く、守備が強い青山が動いたのだから十分形ということは対戦者には伝わっていそうだ。
青山
ポン ポン ドラ
そこへ親の瀬戸熊リーチ、柴田もドラを暗刻にして追いかけるがその牌が瀬戸熊にあたってしまう。
柴田
リーチ
瀬戸熊
ロン
このアガリで瀬戸熊が一歩リードする。
南2局 親荒
瀬戸熊が絶好のドラを引き入れリーチ。
瀬戸熊
リーチ ドラ
この瀬戸熊リーチを柴田が仕掛けて見事にアガリきり逆転する。
柴田
チー ロン
南4局7本場 親瀬戸熊
柴田の連荘を引き継ぐ形となった親の瀬戸熊ドラの扱いが難しくフリテンとはいえマンガンのテンパイとなりドラ切りリーチ。
そこへ我慢が続いた荒の追撃となるリーチに瀬戸熊が再度ドラを持ってきてしまい放銃となる。
瀬戸熊
リーチ ドラ
荒
リーチ ロン
荒のアガリで柴田は1人浮きとなり荒3着浮上で1回戦を終える。
1回戦成績
柴田+37.7P 瀬戸熊▲8.5P 荒▲11.8P 青山▲17.4P
2回戦(起家から、荒・青山・柴田・瀬戸熊)
東3局 親柴田
瀬戸熊・荒が好調柴田の親を落とそうと仕掛ける、そこへ柴田、瀬戸熊の当たり牌であるを重ねリーチと迎え撃つ。
瀬戸熊
チー ポン ドラ
柴田
ツモ
どちらが勝ってもおかしくない局だったが、柴田が3,900オールをツモアガリ連荘となる。
東3局3本場 親柴田
柴田の親の爆発力が際立っている中、ここは荒・青山の両者が仕掛ける。
青山
ポン ドラ
青山は鳴いたがは鳴かずの良形と受けのバランス感が好手となりツモが伸びる。
荒
チー ポン
青山
ポン ロン
荒の早いテンパイに青山が見事に追いつきアガリきる。
南1局 親荒 ドラ
青山が早いテンパイを入れる。
青山
ポン
そこへ親の荒、3色にならないを引いたのでカンリーチと相手を止めに行く。
荒
リーチ
リーチ後にドラのは場に3枚でることになる、注文どおり受けにまわった青山だが守備意識は非常に高く最後のが見えるまでは打たれそうにない。
そんな親のリーチに向かって行ったのは瀬戸熊、異様な捨て牌の正体は四暗刻だった。
瀬戸熊
ロン
これに放銃したのは荒、これで3者を追いかける展開となり2回戦とはいえ苦しくなる。
南2局 親青山
親の青山三色のヤミテンに構えるが多面張となるを引きフリテンリーチを選択。
青山
ツモ 打 ドラ
この判断が見事に決まりツモの3,900オール。この大きなアガリで2回戦は3人浮きで終了する。
2回戦成績
瀬戸熊+32.5P 柴田13.4P 青山+8.9P 荒▲54.8P
2回戦終了時成績
柴田+51.1P 瀬戸熊+24.0P 青山▲8.5P 荒▲66.6P
3回戦(起家から、青山・荒・柴田・瀬戸熊)
東1局 親青山
上下の差がはっきりでてきた3回戦、もうマイナスは許されない荒が仕掛ける。
荒
ポン ドラ
少しでも自分のリズムにもっていきたい荒だがすでには瀬戸熊の当たり牌。
瀬戸熊
ロン
そして瀬戸熊ドラのツモで打と手変わると荒がポンをして狙いすましたようにがロンとなる、そんな日なのだろう。
東3局 親柴田
柴田がドラを鳴いて荒のリーチに応戦するがここは荒が引き勝つ。
柴田
ポン ドラ
荒
ツモ
この柴田の親かぶりで雲行きが変わってくることとなる。
南1局 親青山
前述の2局以降は小場で進むこととなった今局に青山がシフトチェンジする。
青山
打 ドラ
今までの青山の打点と守備を重視した打ち方を見ていたらホンイツか七対子を残した打牌選択かと思ったが、青山は真っ直ぐとした。
そして青山が仕掛けを入れると荒に大物手テンパイが入るがその打牌が青山につかまる。
荒
打
青山
ポン チー ロン ドラ
守備の強さと時おりみせる思い切りの良さ、このバランスが青山の持ち味なのだろう。
南1局1本場 親青山
柴田
リーチ ドラ
柴田5巡目と早いリーチを打つ。
一方で柴田リーチ時の青山は仕掛けてはいるが形が弱い。
青山
ポン ポン
真っ向勝負の青山にここからは打ち出されることは無く、さらにこの2つのポンがドラ2の瀬戸熊への牽制となり柴田と1対1の図式を作り2人テンパイへともつれこむ。
青山
ポン ポン テンパイ
南1局2本場 親青山
柴田この青山の親落としで仕掛けるも、手変った後の待ちに打点が伴ってしまいアガリが苦しくなる。
柴田
チー ドラ
すると局が長引き、手が進んでいた荒のアガりとなる。
荒
ロン
この半荘は柴田このたった1度の放銃で1人沈みで終了となる。
3回戦成績
瀬戸熊+12.8P 青山+5.0P 荒+2.9P 柴田▲21.7P
3回戦終了時成績
瀬戸熊+36.8P 柴田+29.4P 青山▲3.5P 荒▲63.7P
4回戦(起家から、瀬戸熊・荒・柴田・青山)
東1局 親瀬戸熊 ドラ
対局終了後の青山のコメントより「山にいると信じていた」と。
青山
リーチ ツモ ドラ
は2枚切れだった、リーチをしたら全員がこのを止めてしまうだろう。
そんな彼女が自分を信じて打ったリーチから生まれた3,000・6,000これには瀬戸熊・柴田の両者へプレッシャーがかかったはずだ。
東2局 親荒
青山の先制リーチ、対してまだポイント有利な柴田はここでアガリを取れればさらに展開がよくなるので早い段階で勝負へでた。
柴田
リーチ ドラ
青山
リーチ ロン
しかしここは待ち牌が有利な青山へ柴田が3,900の放銃となる。青山にとっては当面のライバルなので嬉しいアガリだ。
東3局 親柴田
青山またもや先制の早いリーチを打つ。
青山
リーチ ドラ
青山が抜け出しているこの4回戦、瀬戸熊の視点からすれば柴田より上位で終えることが何よりも大事で、放銃を嫌がる選択もあったはずだ。
だが瀬戸熊の選択は自分らしく攻めることを選んだ。何枚も牌を勝負し鳴いて3,900にも目も寄せずメンゼンで進めてヤミテンの5,200をアガリきる。
瀬戸熊
ロン
南3局1本場 親柴田
親の柴田が4巡目に相手の足止めも含めリーチといく。
柴田
リーチ ドラ
トップ目の青山チンイツへの渡りを見てスジのを打つと放銃という危険な選択もあったが自分に甘えずドラ色ではないと選択。
そして青山最後に勝負とテンパイをとることに成功する。
青山
南4局 親青山
なんとしても原点を上回りたい柴田に手が入る。とポンをしてドラも暗刻だ。
良すぎたせいもあり最終形が単騎待ち選択となるがこれが功を奏して荒から出アガることとなる。
柴田
ポン ポン ロン ドラ
柴田にとっては非常に大きな1局となり3人浮きで終了した。
4回戦成績
青山+17.1P 瀬戸熊+7.4P 柴田+4.4P 荒▲28.9P
4回戦終了時成績
瀬戸熊+44.2P 柴田+33.8P 青山+13.6P 荒▲92.6P
5回戦(起家から、柴田・青山・荒・瀬戸熊)
いよいよ最終戦青山が柴田を20P・瀬戸熊を30P追う並びなので相手を沈めてしまえば現実的な数字だ。
東2局 親青山
親の青山がホンイツへ一気に寄せるとツモもそれに答えるように伸びて8巡でアガリきる。
ロン ドラ
放銃は荒、青山絶好の9,600スタート。
これをみて柴田・瀬戸熊にとって色々とテーマができたはずだ。
南1局 親柴田
この時の青山と柴田のポイントが青山+19.6P・柴田+19.8Pとわずか200点差だ。
柴田は現在4着で3着瀬戸熊と600点差なのでまだ青山のほうが不利にみえる。
その青山の7巡目の手牌に選択が訪れる。
青山
ドラ
打点が欲しいところなので青山の選択は落とし。すぐにを引きテンパイ逃しが見えたところで柴田からリーチがくる。
柴田
リーチ
結果は流局、青山先ほどの打牌選択がでリーチと青山が宣言すれば柴田への放銃という結果もあっただけに。紙一重の勝負となってきた。
南3局 親荒
柴田+19.2P、青山+17.6Pその差1.6Pと無いようなものだ柴田自らアガって決めにいこうと仕掛ける。
対して青山も打牌に力を入れてリーチと勝負にでた。
柴田
ポン ポン ドラ
青山
リーチ ロン
非常に大きな3,900のアガリとなった。これで6.2P青山リードで最終局を迎える。
南4局 親瀬戸熊
1局勝負となるこの局、柴田が8巡で条件を満たすテンパイを入れる、アガリ牌は山に残り3枚。
柴田ドラのツモ切りに緊張感が伝わってくる。
柴田
ドラ
青山、自分の過程を信じた力が通じたのだろう柴田のアガリは訪れなかった。
5回戦成績
荒+13.9P 青山+9.4P 瀬戸熊▲6.3P 柴田▲17.0P
5回戦終了時成績
瀬戸熊+37.9P 青山+23.0P 柴田+16.8P 荒▲78.7P
勝ち上がり 瀬戸熊直樹 青山めぐみ
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