日本プロ麻雀連盟第32期十段戦 ベスト16Ｃ卓レポート ともたけ 雅晴 - 日本プロ麻雀連盟

台風の通過で心配された天気も朝には雨も上がり、これから行われる十段戦ベスト16の熱戦を予言するような、夏の暑い日射しが戻ってきた。

決勝の舞台まで残る関門は２つ。
最初の関門に挑戦するのは、１回戦の起家から、柴田、古川、灘、勝又の４人。

東１局
10巡目に親の柴田がをチーして局面が動く。
すると13巡目に西家の勝又が、

  ドラ

ここからをツモってテンパイ。
ピンフや三色の変化もあるのでヤミテンに構え、打牌したを北家の灘がポンして

  ポン

こちらもテンパイ。
次巡、勝又はをツモってを切ればピンフのテンパイに変化できるが、が６枚見えてることもあり、そのままツモ切りでリーチ。
同巡灘は、ドラのをツモって、ストレートにアガリ向かってで放銃。
2,600と点数的には助かったが、灘にしてみれば自分の手が高くなって「しめしめ」と思っていた矢先の放銃で、開けられた形を見てグラッときたのでは…

この放銃が祟ったかどうかはわからないが、この後も灘は
東３局　西家柴田

  ドラ

これでリーチ。
南家・灘

追いかけリーチをうつもで8,000の放銃。

南３局　西家・柴田

  ドラ

このリーチ。

南家・灘

このテンパイをしているところにをツモり、マチを変えるとフリテンになるので、そのままツモ切り7,700の放銃。
柴田に456の三色というストレートパンチを２回浴びた灘は、１回戦とはいえ痛い１人沈みの大きなラスで終わる。

１回戦結果
勝又＋20.5P　柴田＋13.0P　古川＋3.4P　灘▲36.9P

２回戦は東１局に灘が勝又から開局の「倍返し」となる5,200をアガってスタートし、そのリードを保ったままオーラスも勝又のリーチを交わして1,300・2,600＋1,000(リーチ棒)をアガリトップ。
１回戦の負債を半分以下にした。

２回戦結果
灘＋24.4P　柴田＋9.0P　勝又▲12.9P　古川▲20.5P

２回戦終了時
柴田＋22.0P　勝又＋7.6P　灘▲12.5P　古川▲17.1P

３回戦は古川から12,000をアガった勝又がリードのままオーラスを迎え各自の持ち点は

勝又39,100
灘30,200
柴田29,000
古川21,700

という状況で、北家・柴田が序盤に自風のをポンして動く。
何点でもアガれば原点復帰するので、当然といえば当然なのかもしれないが、ちょっと遠いところからなので微妙な感じがしていると、ここまであまり目立たなかった古川の手牌が水を得た魚のようにどんどんと育ち10巡目

  リーチ

この高目三色、ツモればトップとなるリーチをかける。
13巡目にきっちりをツモって3,000・6,000でトップ。

３回戦結果
古川＋11.7P　勝又＋7.1P　灘▲6.8P　柴田▲12.0P

３回戦終了時
勝又＋14.7P　柴田＋10.0P　古川▲5.4P　灘▲19.3P

４回戦も３回戦のオーラスに気持ち良いアガリを決めた古川が
東１局

  チー  ポン  ドラ

このホンイツをテンパイ。
13巡目にを加カンするとリンシャンからをツモって2,000・4,000。

そのリードを保って逃げ切り２連勝。

４回戦結果
古川＋19.9P　柴田＋11.7P　灘▲11.3P　勝又▲20.3P

４回戦終了時
柴田＋21.7P　古川＋14.5P　勝又▲5.6P　灘▲30.6P

いよいよ最終５回戦、起家スタートの柴田が2,000(勝又から)をアガって迎えた１本場で妙手を見せる。

東１局１本場
北家・勝又14巡目

  ドラ

ここからをツモって切りでヤミテン。

東家・柴田16巡目

ここにをツモってテンパイだが打牌は…
を切ってピンフのテンパイに取ると勝又に7,700＋300(１本場)の振り込みになるのだが、勝又の最終手出しがということもあってかを切ってリーチとする。
同巡、勝又がをツモ切り放銃(3,900＋１本場300)。

順位点を考えず素点だけでみても、上下24,400の差。
振り込んだ勝又にしてみれば「まだ始まったばかり、チャンスは必ずくる」という気持ちだろうが、「やられた」という思いも残ったのでは…
局は勝又１人沈みのまま進み、オーラスを迎えた時点での各自の持ち点は

東家勝又17,700
南家柴田31,200
西家古川35,200
北家 灘35,900

アガれば良い柴田、古川、大物手を決めなければいけない灘、安全圏まで連チャンするしかない勝又が小刻みに増やして迎えた
南４局４本場
南家・柴田７巡目

  リーチ  ドラ

ここでリーチ。対する親の勝又は

  ポン

この１シャンテン。
柴田のツモに力が入るがツモれず、12巡目にをポンして勝又が追い付き一騎打ちの戦いに。
白熱の戦いも15巡目、後のない勝又がを掴んで決着。

５回戦結果
古川＋14.7P　灘＋8.4P　柴田▲7.1P　勝又▲16.0P

最終成績
古川＋29.2P　柴田＋14.6P　勝又▲21.6P　灘▲22.2P

勝ち上がった古川、柴田には最終関門でも「自分の麻雀」を貫いての健闘を祈りたい。
以上、ベスト16Ｃ卓のレポートでした。