第34期十段戦 ベスト16B卓レポート HIRO柴田
2017年07月14日
今回の出場選手は以下。
森山 茂和 (九段戦Sからの出場)
勝又 健志 (七段戦からの出場)
荒 正義 (九段戦Sからの出場)
櫻井 秀樹 (前年度決勝シード)
十段戦ベスト16ともなればどの卓も過酷なのは間違いないが、このB卓だけは特に厳しいと言われているだけに注目されている。
ここで勝ち上がればそのまま勢いに乗って決勝までいってもおかしくないだろう。
1回戦(起家から、森山・勝又・荒・櫻井)
東1局 親森山 ドラ
開局から個性のある麻雀がぶつかることとなる。
森山この配牌を
森山
ドラ
道中ピンフの1シャンテンだったが配牌から手役をみた残しが見事なこのリーチ。
森山
リーチ
森山の捨て牌に、手出しで打たれたが雰囲気を感じさせられるが、そこに切り込んで行ったのは勝又。
勝又
勝又のテンパイ打牌は。森山の捨て牌相は三色なら567・678か?三色ならはちょっと危ないぞ、一通なら出来上がりでなければは大丈夫、だけどドラはだから油断できない。
考えてしまったら色々ある。勝又の選択は森山の捨て牌にがある為か、それともリーチを最大限に評価してかヤミテンを選ぶ。
勝又、そしてと勝負していくが当たり牌のを引くと素直にと並べ、次にを引き見事な攻守のバランスでテンパイする。
南1局 親森山 ドラ
1回戦の主役は勝又となる。テンパイノーテンが続く小場の動きから、
勝又
チー ツモ ドラ
この1,000・2,000をきっかけに、
南2局 親勝又 ドラ
リーチ ツモ ドラ
この3,900オールで一気に抜け出す。細かい失点をせずに見事に加点しての大きい1人浮きのトップを取る。
1回戦成績
勝又+31.5P 櫻井▲5.4P 荒▲8.6P 森山▲17.5P
2回戦(起家から、勝又・荒・森山・櫻井)
東1局 親勝又
好調勝又の親の十分形リーチに対して森山・荒が向かっていく。
勝又
リーチ ドラ
森山
荒
ポン ポン ロン
荒のサバキが決まる、ここで簡単に勝又に道を譲らないベテラン2人の気迫を感じさせられた。
東3局 親森山
ここまで我慢が続いた櫻井、高めをツモれば倍満まであるリーチを打つも、同巡に勝又が大物手をツモアガる。
櫻井
リーチ ドラ
勝又
ツモ
南1局 1本場 親勝又
さらに加点して2連勝に近づく勝又を止めに行ったのは荒。
荒
ツモ ドラ
4巡目のテンパイで、これは1回戦でも見られたが、好調者が親番の時には欲にとらわれず、ヤミテンという荒の大局観を見せられる。
このヤミテンがあるからこそ、リーチがいきてくるのだろう。見事な3,000・6,000。
南2局 親荒
親の荒がここは攻め時とリーチを打ち、次巡すぐに3,900オールをツモアガる。
荒
ツモ ドラ
荒が一気に勝又を引き離しに行くが、続く1本場では勝又が3,900をアガリ、森山・櫻井には厳しい状況で2回戦が終る。
勝又
ポン チー ロン ドラ
2回戦成績
荒+30.9P 勝又+14.1P 櫻井▲16.4P 森山▲28.6P
2回戦終了時成績
勝又+45.6P 荒+22.3P 櫻井▲21.8P 森山▲46.1P
3回戦(起家から、櫻井・勝又・森山・荒)
3回戦は打ち手の意図するものなのか?スピーディな展開で進んでいく。
南2局までの4者のアガリは、
櫻井、1,300のアガリが1回。
勝又、400・700のツモアガリが1回。
森山、300・500のツモアガリが1回。
荒400・700、500・1,000この2つのツモアガリ。
南2局の時点で荒が1人浮きだ。
南2局 親勝又
ここで森山が一気に突き抜けるべく大物手のリーチを打つ。
森山
リーチ ドラ
勝又
チー ツモ
親の勝又も高め5,800のテンパイをするが、このは押し切れず森山の1人テンパイとなる。
南3局 1本場 親森山 ドラ
荒が8巡目に絶好のテンパイを入れそして辛くもヤミテンを選択。
荒
櫻井も遅れてテンパイを入れるがヤミテンを選択、少しでも加点したい状況でこの選択ということは画面越しでは伝わらない何かがあるのだろう。
櫻井
ドラ
荒有利か?と思ったが、ここは森山最後のをツモアガリ1,300オールとした。
森山
ポン ポン ツモ
南3局 1本場 親森山 ドラ
トータルトップである勝又。ここは積極的に親を落としに仕掛けるが、森山に急所のが入り4,000オールとなる。
森山
ツモ ドラ
このアガリで森山が1人浮きのトップを取り、マイナスを減らし勝ち上がりへの射程圏に。
3回戦成績
森山+27.6P 勝又▲5.8P 櫻井▲8.0P 荒▲13.8P
3回戦終了時成績
勝又+39.8P 荒+8.5P 森山▲18.5P 櫻井▲29.8
4回戦(起家から、勝又・櫻井・荒・森山)
東4局 親森山
櫻井はなんとか終盤にこの5,200のテンパイを入れる。はドラ表示牌を含め2枚見えている、選択は。
櫻井
ドラ
そので、前巡にテンパイを入れていた勝又が2,600をアガる。3回戦にも感じたが、これを見るに勝又にはもう勝ち上がりへの道のりが見えているのだろう。
勝又
ロン
南2局 1本場 親櫻井 ドラ
なんとしても加点したい櫻井。上手く荒のロン牌であるを使いきりリーチを打つも、荒の2,000・4,000のツモアガリとなる。
櫻井
リーチ
荒
ポン ツモ
この時点で荒が4万点を越えかなり有利な位置となる。
南4局 親森山
森山シャンテン数を落し、テンパイを崩しと工夫し最終形リーチを打つ。
森山
ロン ドラ
なんとこれをトップ目荒から捕らえ逆転トップ事態は急変し最終戦となる。
4回戦成績
森山+19.6P 勝又+8.5P 荒▲5.5P 櫻井▲22.6P
4回戦終了時成績
勝又+48.3P 荒+3.0P 森山+1.1P 櫻井▲52.4P
5回戦(起家から、勝又・荒・森山・櫻井)
最終戦を向かえポイント状況から考えるに、勝又はほぼ安泰、荒・森山は着順での勝負、櫻井は最低でも6~7万欲しい。
東1局 親勝又
森山ドラのをポンするも、アガリまでは届かず1人テンパイでまずは一歩リード。
森山
ポン ドラ
東2局 一本場 親荒
森山
リーチ ロン ドラ
森山はさらにこの3,900のアガリで荒を離す。
東4局 親櫻井
少しでも加点したい荒、加点を狙うだけなら真っ直ぐに進めばいい、ただそこへも緩急を付ける荒の名人芸ともいえる技術が面白い。
荒
チー ドラ
テンパイも欲しいこの局面でも終盤にを引きノーテンに崩す、結果は全員ノーテン。
南1局 1本場 親勝又
荒、今度は一気にリーチと行く、は3枚切れだが結果を出すのツモアガリ。
荒
リーチ ツモ ドラ
このアガリで荒・森山の点差は1,200点緊張感が漂う。
南2局 親荒 ドラ
森山がダブを鳴いて一気にマンズホンイツへ寄せる。
そこへ荒は下家の森山へマンズをかぶせていきリーチを打つ、待ちは3枚切れているカンだったがこれを見事にアガるのだ。
荒
リーチ ロン ドラ
南4局は勝又がダブを仕掛ける、荒は3,900までは放銃できるが7,700は敗退となる。
荒が真っ直ぐに打った牌は勝又の2,000のアガリとなって決着した。
5回戦成績
櫻井+24.7P 荒▲2.3P 森山▲6.5 勝又▲15.9P
5回戦終了時成績
勝又+32.4P 荒+0.7P 森山▲5.4P 櫻井▲27.7P
勝ち上がり 勝又健志・荒正義
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