十段戦 レポート

第37期十段戦八段戦レポート

10月10日、雨が降り急に肌寒くなった中、第37期十段戦の八・九段戦が行われた。
午前11時に巣鴨の日本プロ麻雀連盟本部道場に集まったのは、9月27日に七段戦を勝ち上がった選手と八段シードの選手たち。歴代タイトルホルダーやMリーグ出場選手など、どの卓も放送対局で観たいような魅力的な選手が出揃った。
特に注目となるのはMリーグの和久津・魚谷のセガサミーフェニックス対決、勝又、滝沢のEX風林火山対決の卓か。他にも歴代タイトルホルダーやAリーガーなど注目の集まる卓組となっている。

 

 

1回戦が始まり、いきなり大きな得点を手にしたのは山田。親でドラ3のリーチをかけた日吉から大三元のアガリで大きなリードを獲得。また前述の風林火山対決の卓では勝又が1人浮きのトップ。一方でセガサミーフェニックス対決では前田が1人浮きで和久津・魚谷は3・4着のスタートに。しかしその後は劣勢のプロが巻き返す展開が多く見られ、全4回戦が終了した時のスコアは以下のようになった。

 

 

各卓2位までが勝ち上がり。ワイルドカード(2位までのポイントが最も近かった選手)で齋藤も勝ち上がりとなっている。全体的に接戦の決着となり、終了後非常に悔しそうな表情を見せる選手たちが印象的だった。また、1人浮きスタートの勝又・前田はまさかの敗退。大三元放銃の日吉が勝ち抜けるなどドラマのある展開が見られた。この八段戦の中では最も段位の低い四段戦から勝ち上がりの髙橋信夫はここで敗退となった。

普段のリーグ戦などであれば4半荘の公式戦を打てば疲労困憊の状態になることも多いが、勝ち上がりの選手は数十分と経たずに開始される九段戦(全5回戦)へ進出となる。1日に9半荘もの条件戦を打つという非常に長い1日。次にシード選手として登場するのはレジェンドと呼ばれる百戦錬磨のプロたちである。
果たして見事勝ち抜き、ベスト16の放送対局へ駒を進めるのは誰になるのだろうか。

文中敬称略
文:浜野太陽