第38期十段戦 ベスト16A卓レポート
2021年06月24日
今期の十段戦もいよいよベスト16になりました。
初段から残っていた笠原拓樹は九段戦で負けてしまい、低段位から勝ち上がっているのは三浦智博のみ。(B1リーグ、四段からの勝ち上がり)
その三浦以外は、十段位決定戦への進出経験があるのではないでしょうか?
1回戦こそ満貫級のアガリが飛び交うものの、2回戦以降は解説の柴田十段位の言葉を借りると「ねっとり」した展開。
2回戦は6,400点が1回。
3回戦は最高打点がなんと2,600点。
4回戦も7,700点が1回と、相手に主導権を握らせない戦いが続きます。
面白いのですが、レポート映えはしません(涙)。最終戦まで進めます。
4回戦終了時
内川+22.3P 沢崎+19.8P 荒+3.5P 藤崎▲45.6P
おおよその条件となりますが、
・内川と沢崎は着順勝負
・荒は内川か沢崎のどちらかを沈めて、約1万点の差
・藤崎は7万点超のトップ
といったところでしょう。
東1局
荒が4巡目にドラのを切ると…
前巡にを重ねた親の内川がポン。
内川にとっては絶好のタイミングでした。
荒
チー
ドラ
内川
ポン
加カン
残り1枚のは沢崎の手に収まり、1枚の
を引き当てる争いとなりましたが、打点は大違い。
内川は通過がほぼ決定的になるのに対し、荒はそれを阻止するだけのアガリ。
やはりこの形では押し切れず、途中でオリることになります。
このの行方ですが、思わぬところに落ち着きます。
を鳴いた時点では予想も出来なかった、藤崎のアガリ(7,700点)。
内川は通過を決めるどころか、ビハインドを背負ってしまうことになりました。
展開の利に、荒と沢崎は「藤崎、ナイス!」と思ったことでしょう。
このビハインドを取り返すべく粘る内川、南3局、親の藤崎の仕掛けにドラのを勝負。藤崎との2人テンパイ。
同1本場も、ドラが出る入り目にいったん天を仰ぐも、再度読みを入れて勝負。(さらにリーチ)
藤崎・内川・荒の3人テンパイとなり、100点ですが逆転しました。
(このときの藤崎の待ちはカン。リャンメンが入ると放銃になっていたかもしれない。)
結果を見ているから感じるだけかもしれませんが、この半荘は、荒・沢崎の方に風が吹いていたように思えます。
南3局2本場、荒の早いテンパイに、飛び込んだのはやはり内川でした。
2,000+600の放銃で沢崎がトータル2着目になり、
ロン
ドラ
オーラスも荒のアガリ。
4巡目のポンでテンパイ、6巡目ツモの高速決着でした。
ポン
ツモ
ドラ
(文:福光聖雄)
カテゴリ:十段戦 レポート