第38期十段位決定戦最終日レポート
2021年10月13日
【優勝は荒正義!連盟タイトルグランドスラム達成】
2021/10/9(土)、第38期十段位決定戦の最終日。2日目8回戦を終え、ポイント状況は混沌としていた。
首位から5位までの差が僅か32.2P。首位三浦の途中敗退から5位瀬戸熊の優勝まであり得る、稀に見る接戦。誰も抜け出せず、しかし誰も脱落せず。全ては最終日に持ち越された。
【9回戦 藤原、荒、柴田、瀬戸熊】
9回戦は不穏なほど静かな立ち上がりとなった。何度も流局が続きアガリが一度も出ないまま東場が終わる。テンパイ料で稼いだ柴田が36,000持ちトップ目で南場へ。
南1局5本場。親番藤原はドラ1のヤミテン。瀬戸熊から出て3,900は5,400(+4,000)のアガリを決める。
南3局には親番柴田がピンフで先制リーチ。荒のテンパイ打牌がとなり、2,900のアガリ。
次局も親番柴田はポンでアガリに向かう。上家の荒は柴田のケアを怠らず、ここからトイツ落としとするが
何と七対子ドラドラに仕上げて瀬戸熊から出たでロン。6,400は6,700のアガリで荒も浮きに回る。
オーラスは柴田がドラのをポンしてテンパイを入れるが、2着目の藤原が捌いて終了。
【10回戦 荒、瀬戸熊、藤原、三浦】
柴田が9回戦トップでトータルプラスに転じ、5位になる可能性が消えた。この中の1名が途中敗退となる。
南2局3本場。親番瀬戸熊。この回トップ必須なので親番は手放せない。カンでリーチに出る。
これに真っ向勝負を挑むのはカンをチーしてチンイツを狙っていた三浦。瀬戸熊の宣言牌をポンしてテンパイ。後にに待ち変えてツモアガリ。
オーラスは荒がダブとのシャンポンリーチ。
高めのツモで2,000・4,000。10回戦は荒が逆転トップを決めた。
【11回戦 三浦、荒、藤原、柴田】
全員がアガリを決めて一歩も譲らないままオーラスへ。藤原がカンの三色テンパイ。ツモか三浦から直撃でトップのリーチを打つ。
ここに追い付いたのは親番の柴田。の追っかけリーチ。
2軒リーチを受けた三浦は以下の1シャンテン。手広く受けて押し返しを狙うなら切り。引きでのイーペーコードラドラも捨てずに最も打点を見るならかか。
オリるならあたりが候補。
三浦が選んだのは。藤原が5,200(+1,000)直撃で11回戦トップとなった。
【最終12回戦 藤原、荒、柴田、三浦】
東2局1本場。親番荒がリーチ。高めイーペーコーのをツモって4,100オール(+1,000)を決めると
この手で荒の選択は。
ダブ暗刻出来合いの四暗刻1シャンテンとチャンス手。3,900の可能性もある切りは、親満ツモのリードを守り切れる自信の現れか。
荒はのポンテンを取り待ち。
柴田が重なりを見てテンパイまで引っ張ったドラが打たれ、荒7,700は8,300のアガリ。
勝負局となったのは東4局。
藤原はのフリテンリーチ。高め567のツモなら跳満だ。
荒は2フーロしてタンヤオドラ3テンパイ。
親番三浦が追いついてテンパイ、切り追っかけリーチ。
荒がタンヤオドラ3、7,700(+1,000)のアガリで勝負局を制して優勝を決めた。
鳳凰位、王位、マスターズ、グランプリの覇者が十段位を獲得。連盟タイトル戦グランドスラムを達成した。
第38期十段位決定戦 最終結果
優勝 荒正義
2位 三浦智博
3位 藤原隆弘
4位 柴田吉和
5位 瀬戸熊直樹
(文:編集部)
カテゴリ:十段戦 レポート