第28期チャンピオンズリーグ 決勝観戦記 紺野 真太郎
2015年10月13日
今年の夏も暑かったが、期間は短め。9月初旬にはもう秋の気配が感じられた。
毎年前期のチャンピオンリーグ決勝は真夏の決戦となることがほとんどだが、スタジオでの生配信対局となり、番組編成や対局者のスケジュールの都合で9月19日に行われることとなった。
季節はすっかり秋でも真夏の太陽のような熱い戦いが期待された。
予選、トーナメントを勝ち抜き、決勝に進出してきたのは以下の4名。
柴田弘幸
17期生 39歳 A2リーグ所属
多数のAリーガー、タイトルホルダーを輩出している17期生の柴田。決勝進出歴は6度目。2度の鳳凰戦決勝進出が光るが、タイトル獲得には至っていない。実力は折り紙つきで、未だ無冠であるのが不思議なところ。今回も大本命を背負っての戦いとなる。
西島一彦
19期生 69歳 C1リーグ所属
私の目の前でマスターズを勝ち切った西島。同年行われた世界選手権でも準優勝と当時68歳にしてブレイク。第2の人生として麻雀プロを選び、それが実を結んだ。現在のプロテスト規定では受験に年齢制限が設けられているが、西島の受験時にはそれが無く、運命に導かれたかのようでもある。勝負強さには定評があり、今回柴田の調子が上がらないようだと西島が浮上するか。
石立岳大
23期生 35歳 D1リーグ所属
石立に関して私はほとんどデータが無い。話をしたことも皆無であり、対戦も数えるほどしかない。ただ、その時の印象ではよく動く打ち手だなと感じられた。今回のメンバーは積極的に動くというよりはじっくり構えるタイプが多いと思えるので、台風の目になりえる存在であろう。
平野良栄
30期生 38歳 D3リーグ所属
先日行われた新人王戦にも決勝進出していた平野。新人ながらに立て続けの決勝進出は立派である。爆発力を持ち、リーグ戦では1節で140ポイント以上叩いたことも。だが、反面後手に回らされる局面では、大きく沈むことも。バランスをどうとっていくかが今後の課題であろう。今回は爆発力を発揮し、局面をリード出来れば面白い。
1回戦(西島、平野、柴田、石立)
東1局3巡目平野にいきなり大物手の予感。
ツモ ドラ
三元牌が全てトイツとなり大三元までという手牌。これをものにし、局面をリードすることが出来れば、優勝へ大きく近づく。そんな事は平野も十分承知であろうが、この手牌はここからが難しい。平野は打とし、色々な可能性を残した。
分岐は直後の4巡目にやってきた。親の西島が打とした。平野はこれを仕掛けた。この場面、を一鳴きするかどうかは意見が分かれるところであろう。がドラであり跳満を狙いつつ、うまく行けば大三元までと考えれば仕掛ける手もあろうし、表示牌のとドラのをなんとかしたい、大三元に拘りたいならばスルーもあろう。平野の考えは前者に近いものであろう。これがまた1回戦東1局でなければまた違ううのかもしれない。
12巡目平野はを引き当てる。大三元テンパイ。はまだ山にある・・
ポン
直後の柴田、やってきたのはその。柴田の手牌
ツモ
独特の緊張感が対局室を支配する。柴田が切るとすればこの一瞬だけであろう。ほんの一瞬の間の後、打。567の三色となった場合どうかだが、巡目を考えると出ることはないであろう。
15巡目、平野ドラのを引き暗カン。脇は強い牌を切っておらず(実際は西島、石立がテンパイ)はもう山にはないと読み、安目でも倍満を確定しにいったか。それとも敢えての暗カンで、大三元ではないと装ったか。解説の瀬戸熊はを1枚切っておくと面白いと指摘。私ならば、もう少し巡目が浅ければツモ切るであろうし、この巡目ならば暗カンしたようにも思える。大事なのはどういう結果を導きたいか、その為にどういう思考で選択したのかであろう。
結果は3人テンパイ。私は一瞬だけ平野にはノーテン宣言の選択もあったかなと思うが、さすがに考えすぎか・・ただ柴田はを掴んでいたこと、真っ直ぐテンパイを組みリーチを打っていたら大三元放銃の可能性があったことを理解できた分、3,000点払う価値があったと思う。
東1局1本場、今度は親の西島にチャンスが訪れる。
ツモ ドラ 打
ドラのが暗刻に。これが2巡目。それが次巡には槓子になる。
5巡目西島
ツモ
ここから打としてしまう。親であり、心情は十分すぎる程理解できるが、ここでの打は早かったかなと思う。
この後テンパイまでは最低でも2枚手出ししなければならなく、その場合ドラのがなぜこのタイミングで切られたのだろうと相手に情報を与えてしまうからである。
仕掛けを考えていたのであれば尚更で、どうせ情報を与えるのであれば暗槓をし、プレッシャーも与えてしまったほうが良い気がする。
この局は柴田が丁寧に打ち回しピンフをアガリ局を進めた。東1局に現れた大物手2連発はどちらも未遂に終わった。
東4局、開局早々の大物手の気配とは裏腹に、ここまでの点数移動はおとなしく移行していたが、ここで動いた。
西島1巡目
ドラ ポン 打
比較的好形とはいえドラも無く、普段の西島ならばスルーかなと思える手牌。この時は「珍しいな。少し焦ってるかな」とも思えたが、この後もこの様な先手に拘る仕掛けを多用してきた。西島なりの決勝戦用の戦略か。
この仕掛けが6巡目テンパイ
ポン ドラ
対するは平野、9巡目にこの形
ツモ ドラ
をツモ切る。ここで西島が「カン」と力強く発声。「まさかな・・」そのまさかが普通に起こるのもまた麻雀。リンシャン牌に眠っていたのは。
明カン ポン リンシャンツモ
これは責任払いありなので平野の6,400放銃となってしまう。西島の積極策がハマった格好で、平野は何を思っただろうか・・
これが決め手となり1回戦は西島トップ、平野ラスの形となった。とはいえ、素点自体は小さく、この先どうとでも転がるであろう。
1回戦終了
西島+14.2P 柴田+5.0P 石立▲6.7P 平野▲12.5P
2回戦(平野、石立、西島、柴田)
東1局柴田4巡でこの形
ツモ ドラ
ここから打。直ぐにを仕掛け、ペンも鳴けテンパイ
チー ポン
捨て牌は
西島が4巡目に切ったドラのには反応せず最終手出しが。に目が行くのは当然で、平野がで放銃となった。しかも3,900。このルールにおける3,900は意外と大きい。簡単なようでなかなか取り返せない打点だ。
東2局、親の石立、7巡目にリーチと出る。
ドラ
1回戦、自らが動き先手を取る展開が作れなかった石立、動けそうな手もあまりなかったが、安全牌を確保することに比重を置き、手をあまり広げなかったようにも見えた。ここは親であること、先手であること、それよりも自らを奮い立たせる為のリーチに思えた。
9巡目、これに追いついたのは平野。
ツモ
既に石立のリーチに対して、と押している。そしてこのも押した。しかしリーチは打たず。石立の捨て牌に–は無くリーチの選択もあろうが、もう一役欲しいのか。はたまた一気に清一色までか・・
次巡、平野が引き入れたのは。ここで切りのリーチとした。
ツモ 打
確かにソーズが高く親にが通る保障は無い。しかもイーペーコーが付き打点も7,700以上と申し分ない。間違った選択ではないと思う。
平野のその後のツモにとが眠っていた。清一色に向かった場合、リーチ者石立のをポンする可能性もあるのでどうなっていたかは解らない。ただ、三倍満のアガリ形もあったのは事実である。
麻雀は選択の積み重ねのゲームだと思うが、アベレージだけを追うものではないとも思う。どこを勝負処と見極め踏み込むか、結局はバランスなのであろう。
東2局1本場、2巡目早くも西島が動く。
ポン 打 ドラ
これも少し遠い仕掛け。ドラを引っ張り相手のスピードを殺す狙いか。この後ツモが効き9巡目テンパイ
ポン ドラ
対する平野。こちらは西島より一歩早く6巡目にテンパイ
ドラ
13巡目にを暗刻にして–待ち変えリーチにいった。
この宣言牌を仕掛けたのが親の石立。
チー
こちらは–。
3者に挟まれた柴田。苦しい・・
チー ツモ
リーチ者の平野は宣言牌の以外マンズを切っていない。そのを仕掛けた石立も1枚も切っていない。特に石立の6巡目から9巡目のは全て手出しで、ドラが重なり、ホンイツへ移行したように見える。更にその親に上家でリーチを打っていった平野もそれなりの手であろう。この場面柴田はもちろん放銃はしたくないが、放銃をしたくない相手を順位つけると、石立、平野、西島となり、石立、平野の現物の打としたのだろう。これが西島の3,900に捕まるのだが、柴田は放銃した自分の不調さよりも西島の好調さを感じずにはいられなかったのではないだろうか。
後日この場面を柴田に聞いた。「西島さんドラ単騎かなって思ったんですよ。雰囲気がドラ1枚持っての仕掛けっぽかったんで。もちろんドラが重なってのテンパイもあるので放銃は微妙でしたね・・」
柴田の読みはその通りでやはり場を読む能力は高い。柴田は雰囲気が・・とか感じが・・という言葉をよく使う。その感覚はそれぞれのものであり、解るようでもあり、解らないようでもある。ただそういう部分で戦っているし、生命線でもある。
東3局、ここまで噛み合わなかった平野にタンピン三色の勝負手が入る。しっかりとリーチを打ち、高目をツモり3,000・6,000。反撃態勢となる。
東4局、3巡目石立が仕掛ける。
ドラ ポン 打
今決勝初めての先手取りの仕掛け。ここまで無難にきたが、ここからは戦いの舞台に乗っていくという意思表示か。
だが、石立の手は思うように進まず、反対に親の柴田にテンパイが入る。
ツモ ドラ
「1回ヤミテンか・・」
「リーチ」
柴田はリーチを打った。12,000を拾うのではなく6,000オールを引きにいった。この場面、石立の仕掛けがある以上、ももこぼれ難くなっているのでこの判断もわかる。問題は引けるかどうかだが、結果は流局。リーチを打たなければこぼれた可能性もあっただけにどうだったろうか。
東4局1本場、石立の先制リーチ。
ツモ 打 ドラ
石立に初めて手役らしい手役が入った。これに柴田が放銃。石立がトップ目に浮上し、柴田はラスに転落する。前局ヤミテンにしていればこの局の展開も変わっていただろうと思わずにはいられない1局であった。
ただこのまま落ちていく柴田ではなかった。南4局親番7巡目リーチ。
ドラ
これは2,600オールを引きにいくというよりも相手を止める為のリーチか。平野42,400西島31,700石立30,000柴田15,900の並び。誰も放銃したくない場面で、先に仕掛けていた西島、ドラトイツだった石立を降ろし1人テンパイ。これは目論見通りか。続く1本場。
柴田配牌
ドラ
生き返った。勝負手だ。7巡目
ツモ 打 ドラ
ここは前局とは意味合いが全く違う。6,000オールを引きに行くリーチだ。そして即ツモ。安目ながら4,000オールで浮きに回った。調子、展開に恵まれなくともゲームをまとめる能力の高さを見せた半荘であった。
2回戦終了
平野+14.3P 柴田+4.2P 西島▲4.4P 石立▲14.1P
トータル
西島+9.8P 柴田+9.2P 平野+1.8P 石立▲20.8P
3回戦(石立、柴田、平野、西島)
親の石立9巡目に仕掛ける
ドラ チー 打
上家の西島がと手出ししてきてのチーなので微妙か。受ける牌が無い中スピードも劣っている。
西島がテンパイ即リーチ
ツモ ドラ 打
石立もを落としタンヤオで応戦もやはり追いつかず。西島をツモり1,300・2,600
九種九牌を挟み、東2局1本場、西島5巡目リーチ。
ドラ
先制リーチかと言えばそうではない。親の柴田が切り出したドラを平野がポンしている場面だ。だが西島は臆することなくぶつけにいった。1,300・2,600力強く引き勝つ。この勝負強さこそ西島最大の武器だ。
そんな西島を親番で平野が捕える。
チー ドラ ロン
5,800。この3回戦はこの2人がリードしオーラスを迎える。
西島39,500、平野32,500、5巡目親の西島に選択が訪れる。
ツモ ドラ
かかチーテンを取れるだけにペンチャンには手を掛けないだろう・・場はソーズが高い。打はを引いた時の強さを重視。打はにくっついた時の強さ重視。西島は打とした。
同巡平野がリーチ。
ドラ
浮いて終わらせることより、優勝する為、トップを獲りにいくリーチ。
対する西島、リーチを受けを引き現物の打。1シャンテンは変わらないがリャンメン2つに。次巡のツモは。手順通りに進めていたが裏目を引いた。これはが現物なのでスジでツモ切り。次はドラの。を勝負。2巡後ツモでテンパイ。ドラを切り追いかけリーチ。ただひとつ気がかりはこので追うのは難しいながらもアガリがあったということ。私なら打のところで打たずに、点差を考えオリていたかもしれない。
西島がリーチを打った段階では山に2枚対1枚で西島有利であったが、西島の–は脇に流れた。そして西島のツモ筋にはが眠っていた・・
平野が連勝でトータルトップに立った。新人王戦の雪辱を果たすことができるのか・・
3回戦終了
平野+16.7P 西島+7.3P 石立▲9.0P 柴田▲15.0P
トータル
平野+18.5P 西島+17.1P 柴田▲5.8P 石立▲29.8P
4回戦(柴田、西島、平野、石立)
東3局ここまでは点棒の移動はわずか。11巡目西島。絶好のを引き入れリーチ。
ドラ
が2枚切れだけにを拾う選択も勿論あるが、ここまでの西島の戦い方を考えればリーチが妥当であろう。ここまで好位置の西島を走らせるわけにもいかぬ三者は降りずに懸命に粘るが、その3者にとっては無情の西島ツモ。3,000・6,000。特に平野は痛恨の親かぶりである。
勢いにのる西島次局わずか5巡でこのテンパイ
ポン ドラ
8巡目にをツモりシャンポンに受け変え。親の石立も粘る。13巡目、でチーして追いつく。
チー
ギリギリのテンパイ。西島は受け変えた後なのでは出ない。せめて・・いや、だけは引くな・・
残りツモ2回、石立のツモは・・打牌が早い石立にしては珍しい小考・・ポイント差を考えたらもう1回の親も無駄には出来ない。絞り出すようにを打ち出した。5,200・・ワイプに映る石立はある種、納得したかの表情であった。
西島の勢いを止められないまでも、じりじり追い上げる者がいた。柴田だ。南3局持ち点29,200。ここで浮けないようだと西島が楽になる。
西島、柴田の第1打、自風のをポン。遠い仕掛けではあるがプレッシャーを与えるには十分か。上家の柴田、慎重に鳴かせないよう手を進め、10巡目にリーチを打った。
ドラ
こうなると西島のほうが受けに回らされる。柴田は程なくを引き1,300・2,600。原点を超え浮きに。オーラスも満貫をアガリ、最終戦は西島VS柴田の様相を呈していくこととなった。
4回戦終了
西島+24.2P 柴田+16.4P 石立▲13.4P 平野▲27.2P
トータル
西島+41.3P 柴田+10.6P 平野▲8.7P 石立▲43.2P
西島と柴田の差は30.7ポイント。西島は浮いてさえいればほぼ安全圏。しかし、原点を割った瞬間にわからなくなる。果たしてどのような結末が待っているのだろうか・・
最終戦(柴田、平野、石立、西島)
最終戦はそれまでのトータルポイントで、座順が決まる。トータル2位の柴田が起家となるので、いきなり山場がやってくることとなる。
柴田配牌
ドラ
「なんだこれ・・」
これだけで、この最終戦西島にとって簡単でないものになるであろうと予測できる。30.7ポイント差といっても4,000オールで逆転される点差なのだ。
柴田、2巡目にをポン。表示牌であるから目立たない。1シャンテン。5、6巡目に、を引き入れテンパイ。
ポン ドラ
この時西島もこの1シャンテン
ドラ
数巡の間であれば西島を捉えることは十分可能なテンパイである。が、しかし・・
直後の平野
ツモ ドラ
平野は前巡打としテンパイを取らなかった。それはいいと思う。ならばここはを打って欲しかった。表示牌のから動き、その後手出し2回。テンパイしていないことの方が多いかもしれない。でも鳳凰位や十段位の決定戦ではこのを打つ者はいないと思う。平野には酷な言い方かもしれないが、そういうものがタイトル戦決勝の価値だと思う。
1本場は西島が必死に柴田の親を蹴り原点確保。東2局はノーテンも1本場を平野、石立のテンパイを躱し400・700。32,200まで持ち点を伸ばす。
東3局西島はをポンしこの1シャンテン
ポン ドラ
上家の親石立、マンズを切らずに粘りこの形
ツモ ドラ
既に13巡目アガリを見るにはソーズを残したい。それでも石立はを掴んだ。切ろうかという瞬間、思い直したかのようにを切った。親番であること、西島の仕掛け、ドラや打点、トータルポイント、全てを受け止めそれでもを切った。西島はチーして–待ち。次巡石立が掴んだのは。さすがに落胆の表情。今決勝1番の長考。考え抜いた末、手牌からを抜いた。ギリギリの選択。
この局はまだ終わらない。柴田は次に石立の切ったをポンした。
ポン
親がオリたのを感じ、すかさず形式テンパイを取りに来た。そしてを引き入れテンパイ。西島の1人テンパイを阻止した。
東4局1本場、西島に親をやらせるわけにはいかない柴田がわずか5巡で蹴る。残すは南場のみ。
柴田最後の親番は九種九牌のあとの1本場、まだあきらめていない石立が3,900をアガリ親が流れる。
南2局、8巡目に石立リーチ。
ドラ
西島は仕掛けを入れていたが撤退。柴田はドラを打てばテンパイだったが、自分がアガるよりも西島の素点を削りたい場面なので引いた。石立のアガり牌は山に残っておらず、最後の親番の平野も粘り2人テンパイ。3人掛かりで西島に楽をさせない。
南2局1本場、7巡目柴田仕掛けチーテン
チー ドラ
親番平野がリーチ。を引いての–待ち。西島の素点を削ることを考えればここも引く手もあったが、柴田はを押した。直後の平野、を掴み3,900。もうこうなると理屈ではないだろう。柴田の勝負感覚でを通しアガり切った。
3人テンパイの後の南3局1本場、親の石立4巡目リーチ。
ドラ
高目4,000オールで西島は沈む。石立が引いたのはドラのであった。4,000オール。遂に西島が原点を割った。
この時点で西島と柴田の差は3.7ポイント。まだ西島が上であるが、もうどう転ぶかわからない。
南3局2本場、柴田6巡目1シャンテン
ドラ
打点的には条件を満たしているが形は厳しい。西島12巡目テンパイ。
ドラ
柴田もここまで育っていた。
ドラ
西島の–は山にが2枚残り。柴田必死のツモもテンパイが入らない。親の石立は形式テンパイを入れる。こちらも必死だ。西島、柴田ともツモは後1回・・
西島の手元にはが引き寄せられていた。事実上の決着の瞬間であった。
南4局、柴田の条件は1,600・3,200か5,200直撃であったが、もうそんな手を入れる力は残っていなかった。
優勝 西島一彦
後日、私は柴田の出勤日に道場へ行きこの決勝の話をした。柴田なりの見方や意見が聞け有意義であったと思う。私と柴田が卓に入っている時に平野が来た。最近はかなりの頻度で足を運んでいるようだ。平野は別卓に入り淡々と打牌を繰り返していた。私は特に声を掛けなかったが、その姿勢が実を結ぶこともあるであろう・・
カテゴリ:JPML WRCリーグ 決勝観戦記