第3期JPML WRCリーグ 決勝観戦記 福島 佑一
2018年03月09日
平昌オリンピックで日本人のメダルラッシュに沸く中、夏目坂スタジオで熱い戦い繰り広げられた。
まずは選手紹介から
清原継光
25期 39歳
第40期王位
「緊張していますが緊張に負けないで、いままで培ったものがだせれば」
中川基輝
31期 31歳
第2回WRC覇者
「全力をつくして、連覇を目指します」
小林正和
31期 31歳
「教えてもらったことをいかして、攻めるとこは攻めて守るとこは守って頑張ります」
ケネス徳田
29期 41歳
「目先にとらわれないで新しいセオリーをつくる」
1回戦(小林・ケネス・中川・清原)
東1局
半荘4回の短期決戦、できれば先手とりたいところで5巡目に中川がリーチをうつ。
暗カン ドラ
そこにケネスが2つ鳴いて追いつく。
ポン ポン
勝ったのは中川、ケネスの放銃で2,600、安いがまず先手をとる。
東2局
小林に大物手が入る。
ドラ
そこにまたケネスが放銃してしまい高めで12,000、親番の1シャンテンで1巡残したドラがつかまってしまった。親番だけに目一杯にうける選択もあっただけに手痛い放銃になってしまった。
東3局
親番の中川がいろいろな選択があるなかで、一番速く一番高い手でアガリきる。
ツモ ドラ
一発で6,000オール。
東3局 1本場
ドラ
10巡目、親の中川がこの形からをしかける。これは意外だった。前回の決勝では自分に流れがきたとき中川はメンゼンを貫き仕上げていた。あとで聞くと「本当に流れがきたと思ったらメンゼンでいくが、まだだと思った」と言っていた。流れや体勢の考え方は人それぞれ違い、経験によって培っていくものだと思う。この鳴きの是非は難しいが結果はと食い下げアガリのがし、テンパイで連荘するも次局で親番をおとしてしまう。
東4局 5本場
親番の清原にテンパイが入る。
ツモ ドラ
なんとここでドラをきってリーチにいく、清原は「このリーチをみせることでこの後の戦いできいてくるかなと」確かに相手には強烈な印象は与えただろうが、この局の結果はをツモってきてのアガリのがしで流局。
南3局
親番の中川が3巡目でこの形。
ツモ ドラ
をきるのもあるが打点をみて切り、これがうまくいき暗刻にしてをポンしてをつもり4,000オール。
南4局
中川に4巡目にテンパイが入りヤミテンにかまえ、変化したところで
ツモ 打 ドラ
すぐにつもり2,000・4,000、1回戦は中川がトップをとる。
中川+44.2P 清原+14.6P 小林▲9.2P ケネス▲49.6P
2回戦(清原・小林・中川・ケネス)
1回戦大きなラスになってしまったケネスとしては、なんとしてもプラスで終わらなければ優勝が厳しくなってしまう。清原、小林としては中川より上の着順で終わりたいところだろう。
東1局
まず、清原の先制リーチからスタートする。
ツモ 打 ドラ
ここにとびこんでしまったのがケネス。安めのながら裏がのって5,800。
東1局 2本場 ドラ
なんとか立て直したいケネスがアガる。
ツモ
リーチにいくかと思ったがここは冷静にヤミテン、まだまだあせりはないようだ。
東2局
ここで3者がぶつかる最初はケネス。
リーチ ドラ
そこに中川。
リーチ
そして親の小林も追いつく。
リーチ
結果はケネスがをつかみ頭ハネで小林に放銃、裏が1つのり12,000。
ケネスは前局のアガリからつなげていきたかったが手痛い放銃になってしまった。
東3局
中川が親で主導権をとりにいく。
ポン ポンして
ポン ポン ドラ
この形。この後ツモがきき、
加カン ポン カンドラ
こうなり、ケネスもおいつく。
ポン
そこに小林も参戦し、1シャンテンでをつかみ中川に7,700の放銃。
小林もドラ3の1シャンテンではあったが、ここは我慢する手もあったか。
東4局
4巡目に親番のケネスがダブを暗カンする、そして6巡目に小林にテンパイが入る。
ツモ リーチ ドラ
親番のケネスが現状ラスで暗カンもしているので、まっすぐむかってくるであろう局面で思い切ったリーチをうった。タイトル戦の決勝ではこういった思い切りも必要である。
一発でをツモり2,000・4,000。
南1局
ここまで苦しい展開が続いていたケネスがみせる。
ツモ ドラ
ここでテンパイとらずでツモ切り、その後を引き入れでリーチ、清原から高めのでアガリ8,000。
ここから立て直すかと思われたが、次局親の小林に5,800を放銃してしまう。
南3局
親の中川が2,600オールをアガリオーラスをむかえる。
南4局 ドラ
点棒状況は小林45,200 中川43,600 清原24,500。
中川が先にしかける、清原のリーチをうけ小林は放銃してしまうと着順が落ちてしまうためオリを選択。
中川も一度まわったが終盤にテンパイを入れる。しかし最後のツモで危険牌をひいてオリてしまう。
本人も後悔していたがここは清原に8,000を放銃しても2着だっただけに勝負したほうが得なように思える。
2回戦
小林+29.2P 中川+17.6P 清原▲8.5P ケネス▲39.3P
トータル
中川+61.8P 小林+20.0P 清原+6.1P ケネス▲88.9P
3回戦(小林・中川・清原・ケネス)
小林、清原は最低限中川より上の着順でおえ、できればトップをとりたい。
ケネスは大きなトップをとりつつ、並びもつくらなければならないので苦しいか。
中川はできればこの半荘で決めたい。
全員それぞれの思惑がある中勝負の3回戦がはじまる。
東1局
親の小林が3巡目に変化をまたずリーチにいく。
ツモ 打 ドラ
中川がおいつく。
ツモ 打
打点は中川のほうがあるが、待ち4枚対4枚で5分。ここは小林がツモり1,000オール。
1本場では、ケネスから5,800は6,100をアガリ2本場をむかえる。
東1局 2本場
6巡目に親番の小林にテンパイがはいる。
ツモ ドラ
打でヤミテン、この1巡前に中川に
このテンパイが入っていた。すれすれで放銃を回避した小林は、ツモで切りでリーチにいく。
中川がツモで待ちでおいかけるが、小林がツモり2,000は2,200オール。ここでついにトータルでも中川をかわす。
3本場でも中川から1,500は2,400をアガリ差をひろげる。これ以上はまずいと清原がしかけてアガリ親番をおとす。
東4局
ついに決め手がでる、小林が10巡目にこのテンパイ
ツモ 打 ドラ
次巡、ラス牌のをツモり8,000・16,000。
南3局
まだまだ諦めていない中川は5巡目にリーチにいく
ツモ 打 ドラ
これが1回戦ならヤミであろうが、現状小林との差は約60Pあり8,000をアガっても現実的な差にはならないが、もし跳満をツモり、さらに現状22,400点差の清原をオーラスにまくり、2着になれば30Pぐらい差になり逆転も見えてくる。
しかしここは清原にアガられしまい中川の執念は実らず。
南4局
清原が9巡目に国士の1シャンテンにこぎつげるが、小林に8,000を放銃してしまい差をひろげられてしまう。
ロン ドラ
3回戦
小林+82.2P 清原+1.0P 中川▲31.2P ケネス▲52.0P
トータル
小林+102.2P 中川30.6P 清原+7.1P ケネス▲140.9P
4回戦(中川・清原・ケネス・小林)
中川、清原、ケネス、諦めずに小林を追いかけるが小林がすきをつくらず逃げきる。
4回戦
清原+33.5P 小林+15.1P ケネス▲10.7P 中川▲37.9P
トータル
小林+117.3P 清原+40.6P 中川▲7.3P ケネス▲151.6P
第3回WRCリーグ覇者は小林正和に決まった。
冒頭のコメントでいっていたように、攻めるところは攻め守るところは守る、それがしっかりできたからこそ優勝だと思う。
打ち上げの席で小林は
「これからがスタートだと思うので、より一層がんばります」
確かに、知名度が低い若手がタイトルを1つとっただけでは、活躍の場は大きくは広がらない。とはいえタイトルをとった直後になかなかでてこない言葉である。
この言葉を聞いて今後も活躍するだろうと思わせてくれた。
小林さん優勝おめでとう。
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