第12期JPMLWRCリーグベスト8B卓レポート
2023年02月03日
<これが麻雀の恐さ!1牌がもたらした勝負の行方>
第12期 JMPL WRCリーグ ベスト8B卓は
伊藤俊介・浦野修平・奈良圭純・仲田浩二(1回戦席順)の4選手による対戦。
2022年世界チャンピオンの奈良に対し、キャリア浅い3選手がどう挑むかが注目された対局は
終わってみると、麻雀の恐ろしさを改めて知る一戦となった。
試合の大きな転換点は3回戦南3局2本場に訪れる。
この時点でのスコアは、浦野+43.8 仲田+6.1 伊藤▲12.6 奈良▲38.3。
浦野が通過へ足場を固め、2ラススタートと苦しんだ奈良が巻き返しを図っていた場面。
ここまで大きなアガリがなかった親番の伊藤が、好配牌からツモも効いて、5巡目に一気通貫・ドラ2の12,000テンパイ。カン待ちをヤミテンに構える。
この。浦野と仲田に孤立し、いつ切られてもおかしくない状況だった。
結果は6巡目に浦野が放銃。
回避は難しかったが、この1回の放銃でこれまで築いてきたリードが吹き飛んでしまう。
仲田は対局後、浦田からソウズを鳴けるようにするため、端のから切ったと語り、は単に後回しになっただけであった。しかし、1巡のこの選択が、試合の行方を大きく変えることになる。
本当に麻雀は難しく、恐ろしいものである。
さて12,000(+600)をアガった伊藤は続く3本場でチートイツをリーチツモ。
裏ドラも2枚載せて6,000オール(+900)。
その後も8本場まで連荘を続け、この親番で決勝進出を安泰のものにした。
もう1つの決勝進出枠を巡る争いのヤマは、4回戦東1局1本場に訪れた。
前局4,000オールで追い上げる奈良が先にテンパイし、トータル2位の仲田は一気通貫ペンでヤミテンに構える。
そこへトータル3位の浦野がリーチをかけて襲いかかるが、一発目にドラが通ってしまう。
浦野へドラでの放銃がなくなった仲田は、次順にツモ切りリーチ。ライバル浦野からの5,200(+1,300)直撃に成功する。
これが決め手となり、決勝進出は伊藤と仲田に決まった。
浦野は伊藤への12,000放銃までは安定した試合運びだっただけに非常に悔しい敗戦。
1回戦東1局で四暗刻単騎テンパイも待ち牌2枚が王牌でアガれなかったこともあり、悲運が重なったゲームだった。
一方の奈良は最終戦に、出アガリでも倍満スタートとなるツモり四暗刻をテンパイし、
アガリ牌が脇に流れなければと思わせる大きな見せ場を作った。
終始離された苦しい試合展開だったが、あと一歩というところまで迫り、存在感は示した。
決勝戦は直近2期の優勝者に、公式戦決勝は初の37期前期入会の2人が挑む構図になった。
注目の対戦は2/10(金)14時に幕が開く。
解説:藤島健二郎・齋藤豪
実況:優月みか
(文:梅中悠介)
カテゴリ:JPML WRCリーグ レポート