JPML WRCリーグ レポート

第13期JPMLWRCリーグ決勝レポート

【“勝ちたい気持ち”のぶつかり合い。誰が優勝しても初戴冠の大接戦を制したのは塚田悠介!】

児玉佳宏×塚田悠介×小高佑貴×仁科優太

解説:齋藤豪・渡邉浩史郎
実況:仲田浩二

 

100

 

36期生の塚田や37期生の小高・児玉・仁科というプロ歴3、4年程の若手で構成された第13期JPML WRCリーグ決勝戦。誰が優勝しても初戴冠という開始前から火花が飛び散りそうな顔合わせとなった。

1回戦は予想通り四者がぶつかり合う展開へ。小高→仁科→塚田→児玉の順にマンガン・ハネマン級のアガリを重ねるが一歩抜け出したのは仁科。

 

100

 

南2局に白をポンして高め大三元テンパイである。山に中は1枚眠っていたが小高より小三元ドラドラのハネマンの出アガリで波に乗ると、次局の南3局も塚田よりホンイツ5,200でトップを決めた。

 

100

 

熾烈な1回戦を制した仁科は2回戦に入っても勢いそのまま

 

100

 

東2局にリーチ・ツモ・七対子・ドラ2・裏2のハネマンツモで連勝を飾る。

全4回戦の決勝戦において優勝条件の目安である2トップを早々に決められてしまった他三者。しかし、ここから“仁科”包囲網が張られた。

3回戦東3局1本場では仁科の先制リーチを跳ね返すように児玉・小高もリーチで対抗すると

 

100

 

親番の児玉が勇気のいるテンパイ外しから最速の4,000オールでポイントリーダーへ躍り出た。

東3局3本場では児玉に続けとばかりに塚田にも大きなアガリが生まれる。

 

100

 

リーチ・ハイテイ・ツモ・タンヤオ・七対子でラスから一気にトップに迫るポジションへ。

これだけでは終わらない。仁科にとって我慢の時間が続く。

 

100

 

南2局1本場では小高が4,000オールを決め、瞬く間にラスを押し付けられた仁科。そんな暗雲が立ち込める展開であったが、それでも逆風を跳ね除ける。

4回戦
南1局1本場
東家・仁科
一万二万三万八万八万三索四索三筒四筒五筒八筒八筒八筒 リーチ ツモ五索 ドラ五万 裏八筒

僥倖の裏3。言葉が少し悪くなるが、ここまで来たら神がかり的な手順やスーパープレイなど若手にとっては二の次。今は結果が全てなのである。そんな仁科の“勝ちたい”気持ちに牌が応えて迎えた最終戦オーラス。

 

100

 

児玉は連荘が必須であり塚田はハネマンツモが第一目標。しかし、その状況下で児玉の様子がおかしい。これまで淡々と打牌を繰り返していたが僅かながら所作に乱れが生じている。それもそう。ニ副露しながらも残りツモ番1回残してノーテンだからである。そして最後のツモ牌は…。

 

100

 

待望の九索テンパイ。児玉も先日に開催された第3期鸞和戦決勝戦で悔しい準優勝を味わっており“勝ちたい”気持ちでは負けてないのである。1牌の後先。これが違っていたら優勝は仁科であったがフィナーレは次局以降へ持ち越し。そしてドラマのような仕切り直しの中、意外にも早く局面が動く。

 

100

 

条件変わらずの塚田が8巡目にハネマンツモ確定リーチ。それは仁科にとって1巡1巡が心臓を掴まされる時間の始まりを意味していたが、更に追い討ちを掛けるかのように試練の選択がやって来る。

 

100

 

一万を切ると二索五索テンパイ。しかし6,400以上の放銃は逆転を許してしまう。仁科は少しばかり時間を使うとオリの選択へ。そして…。

 

100

 

塚田は五索をツモ切り最終手番で五筒を引き寄せる。それは塚田の“勝ちたい”気持ちが土壇場で勝ると同時に初タイトル第13期JPML WRCリーグ優勝を手にした瞬間でもあった。

 

100

 

【第13期JPML WRCリーグ】
優勝 塚田悠介
2位 仁科優太
3位 児玉佳宏
4位 小高佑貴

(文:小林正和)