JPML WRCリーグ レポート

第4期JPML WRCリーグ ベスト16B卓レポート

【B卓】
前原雄大(鳳凰位)vs山脇千文美(C3)vs安村浩司(B1)vs藤井すみれ(C1)

怪物・ゴジラ・がらくた…
色々な呼ばれ方をするものの、その誰もが認める絶対強者、前原雄大が鳳凰位シードでここから登場。

対するは予選から勝ち上がってきた女流プロ2名、藤井と山脇。そしてB1セレクトにもよく登場している安村。

「ベスト16の4卓で、対局を放送して欲しい卓は?」という事前アンケートでは、このB卓が総投票数の70%を獲得。
それほど注目されている組み合わせである。

 

1回戦(藤井―安村―前原―山脇)
東1局、親の藤井が6巡目リーチ!

二万三万四万六万六万一索二索七索八索九索五筒六筒七筒  リーチ  ドラ三索

ペンチャンのドラ待ちながら、この時点で山に4枚生きていた。
9巡目には山脇が追い付く。

三万三万四万五万六万七万八万五索六索三筒四筒発発  ツモ二筒

しかしここは発を切りテンパイとらずとした。リャンメン待ちは追いかける印象だったが、山脇ここは慎重だ。
結果流局。藤井の1人テンパイだった。(なんと三索は王牌に3枚)

1本場は前原お得意のリーチ。

三万三万七万八万九万一索三索五索六索七索三筒四筒五筒  リーチ  ドラ九万

同巡安村

四万五万六万六万七万四索五索五索七索八索八索五筒六筒  ツモ六索

絶好の所を引いた安村だったが、分が悪いと見たか、現物の四万切りとした。
山脇も一瞬テンパイし、リーチをかけていれば一発で前原からのアガリだったが、ここも慎重に対応した。

結果、前原の1人テンパイ。
開かれた手牌を見て、それぞれ何を思っただろうか。

東2局2本場 供託1本

山脇
六万六万六万一索三索五索六索七索三筒四筒六筒七筒八筒  ツモ二索  ドラ一索

なかなか感触の良いテンパイ。
迷わず六万切りリーチといった。
数巡後、藤井

二万二万三万四万五万七万七万五索六索三筒四筒五筒五筒  ツモ七索  ドラ一索

追い付いた藤井。だがテンパイ打牌の五筒は山脇に放銃だ。
藤井は少考し、打三万とした。これでは勝てない、見合わないという判断だろう。
一方安村

五万六万一索二索三索四索四索四索二筒三筒三筒七筒八筒  ツモ六筒  ドラ一索

安村は二筒切りリーチ!しかしこれが山脇に放銃となり、しかも裏ドラが二筒だった。
安村→山脇8,000は8,600

東3局
先ほど放銃した安村のリーチに対し、親の前原はまっすぐ勝負した。

安村
二万三万四万五万五万二索三索四索六索七索八索六筒七筒  リーチ  ロン八筒  ドラ五筒  裏二万

前原→安村8,000

東4局
親の山脇が白をポン。藤井がリーチ

一万一万二万二万一索一索九索九索四筒四筒西北北  リーチ  ドラ五万

同巡安村もテンパイ

六万七万七万八万一索三索二筒二筒二筒三筒三筒東東  ツモ三筒

ここは懐深く打一索。さらに同巡前原

四万四万五万五万五万五索六索六索五筒六筒七筒七筒八筒  ツモ六筒  ドラ五万

六索でヤミテンを選択。四索はリーチの現物。
次巡安村が四索を掴み、前原に8,000の放銃となった。

一発、裏ドラありのルールとはいえ、8,000点の応酬。
南1局にもピンズのメンホンテンパイから安村がドラの4を切ると山脇に8,000点の放銃となった。

次局は安村の1人テンパイ。
南2局1本場
前原と2着争いをしている藤井が自風の北をポンしてテンパイ。

安村
六万六万七万八万五索五索六索六索四筒五筒六筒中中  ツモ九万  ドラ七索

何を切るか好みの分かれそうな牌姿。
安村は中落としとした。次のツモが七索だったため何切りでもテンパイするのだが、安村は打点MAXをとらえた。

六万六万七万八万九万五索五索六索六索七索四筒五筒六筒  リーチ  ドラ七索

しかし結果は流局。またしても安村の1人テンパイ。

南2局2本場 供託1本
藤井の配牌が良い。2巡目にはこの形

七万八万一索一索六索七索七索八索九索二筒三筒四筒五筒  ツモ七筒  ドラ北

藤井は三色への渡りも見て打二筒とした。
目論見通り次巡ツモ六筒となり、フリテンだが3メンチャンを残した。
しかし藤井はここから手が進まず、10巡目には前原に追い越された。

前原
三万三万六万七万八万三索四索五索六索八索六筒七筒八筒  ドラ北

12巡目には親の安村がリーチ。

三索四索五索七索八索九索二筒三筒四筒七筒八筒発発  リーチ

これを受けて藤井はまっすぐ行けず迂回。一索のトイツ落としなどを経て回っていくが…アガリを得たのはなんと藤井だった。

四万四万七万八万六索七索八索三筒四筒五筒六筒六筒六筒  ツモ六万

2巡目の形とはかなり変わった形での500・1,000(700・1,200)となった。
南3局、藤井リーチ。
安村が仕掛けて対抗、1,000・2,000のアガリ。

南4局(藤井30,600・安村19,200・前原27,300・山脇42,900)
7巡目に藤井がリーチ。

六万七万八万五索六索一筒二筒三筒四筒四筒六筒七筒八筒  リーチ  ドラ四筒

ツモって裏ドラ1枚でトップ。
そして藤井からリーチ棒が出たことで、2着まで2,000点でよくなった前原が五万をポンしてテンパイ。

二索二索二索三索四索四筒五筒白白白  ポン五万 上向き五万 上向き五万 上向き  ドラ四筒

そこに高目三色になった安村

三万四万五万六万五索六索七索五筒六筒六筒七筒北北  ツモ二万

一万はフリテンとなっていたが力強くリーチ!しかしこの六筒が前原に放銃。前原が2着に上がり、1回戦が終了した。

1回戦
山脇+27.9P・前原+5.3P・藤井▲5.4P・安村▲27.8P

 

2回戦(前原―山脇―安村―藤井)
東1局、8巡目にリーチした山脇。

ツモったのはハイテイだった。

三万三万五万五万五万六万七万二索二索二索六索七索八索  ハイテイツモ八万  ドラ七筒  裏五索

山脇2,000・4,000のアガリ。また一歩リード。
東2局は前原が安村に5,200の放銃。
東3局、安村がダブ東ポン。六索チー。

二万七万八万九万九万三索三索  チー六索 左向き四索 上向き五索 上向き  ポン東東東  ドラ四索

9巡目にトップ目山脇からのリーチ。

二万三万六万六万二索三索四索八索八索八索二筒三筒四筒  リーチ  ドラ四索

11巡目、前原が追い付きヤミテン

三万四万五万六万六万七万八万九万一筒二筒三筒四筒五筒

リーチの現物待ち

同巡藤井
一万三万四万五万五索五索六索五筒六筒六筒七筒七筒八筒  ツモ六索  ドラ四索

一万を切れば役ありのテンパイだが、このテンパイには勝機なしと六索切り。実際に一万は山脇の当たり牌。
藤井はよく我慢しているが、終盤に山脇が一万をツモ。
裏ドラが三万でまたもや2,000・4,000のアガリとなった。

東4局は藤井が親リーチ!

三万四万五万七万八万二索三索四索六索六索二筒三筒四筒  リーチ  ドラ中

同巡前原もテンパイ。

三万四万七索八索九索二筒二筒五筒六筒七筒東東東

ヤミテン選択からの次巡ツモ切りリーチ!これに放銃するのは藤井。
藤井→前原2,600
南1局
ダブ南をポンした山脇の選択

六万七万八万七索七索九索九索三筒三筒四筒四筒  ポン南南南  ドラ四万

ここから打九索。すぐに二筒をチーして狙い通りのテンパイ。

六万七万八万七索七索三筒四筒  ポン南南南  チー二筒 左向き三筒 上向き四筒 上向き

しかしこれが中々アガれず、13巡目には前原に追い付かれた。

三万四万四万五万五万一索二索三索五索六索七索九索九索  リーチ  ドラ四万

この後も粘った山脇だったが、前原が六万をツモ。4,000オールでトップに迫る。
次局は山脇がヤミテンで安村から3,900は4,200。前原の親落としを最優先とした。
その後前原の1人テンパイを挟み南3局1本場。藤井が七万をカンしてリーチ。

二万三万四万三索三索五索六索二筒三筒四筒  暗カン牌の背七万 上向き七万 上向き牌の背  リーチ  ドラ八索四万

これをアガって良い気分でオーラスの親を迎えたいところ。
しかし山脇が立ちはだかり500・1,000(600・1,100)

四万五万六万六万二索三索四索二筒二筒二筒  ポン北北北  ツモ三万  ドラ八索四万

南4局(前原36,800・山脇48,500・安村18,900・藤井15,800)
山脇が果敢に仕掛け、7巡目にはテンパイ。

二万三万四万九万九万南南  ポン白白白  チー二筒 左向き一筒 上向き三筒 上向き  ドラ一筒

9巡目に前原がテンパイし即リーチ!

四万五万六万八万九万一筒一筒三筒四筒五筒七筒八筒九筒  リーチ  ドラ一筒

そしてアガリ牌の七万を一発でツモり、さらには裏ドラも一筒で3,000・6,000になるのだから恐れ入る。
この跳満のアガリでトップももぎ取った。

2回戦
前原+33.8P・山脇+20.5P・安村▲19.1P・藤井▲40.6P

2回戦終了時
山脇+48.4P・前原+39.1P・藤井▲40.6P・安村▲46.9P

 

3回戦(藤井―山脇―安村―前原)
東1局、安村のリーチに前原が飛び込む。

八万九万三索三索五索六索七索六筒七筒八筒中中中  リーチ  ロン七万  ドラ八筒  裏六索

追いかける立場の安村、この大事な3回戦で嬉しい8,000スタートとなった。

しかし次局は山脇に2,900放銃。
続く1本場、安村8巡目リーチ。

三万四万五万八万八万八索八索四筒五筒六筒七筒八筒九筒  リーチ  ドラ九筒

それを受けた山脇

六万七万八万九万六索六索六索七索八索二筒七筒七筒九筒  ツモ二筒  ドラ九筒

打点のある最終形を見るなら六万七筒だろうか。しかし無理をする必要のない山脇、一発目ということもあってか現物の七索切りとする。だがこうなると次の八索が危ない。
次のツモが五索→打九万(無スジ)
不思議だった。結局2巡後に完全撤退。最後まで八索を切ることはなかった。
山脇と言えば仕掛け屋なイメージが強いが、放銃がかなり少ないように感じる。この辺の嗅覚が、山脇の秀でているところなのだろう。
安村、前原の2人テンパイ。

ここから安村が抜けた展開となり、南2局。
持ち点(親から)山脇24,500・安村44,600・前原25,100・藤井25,800

なんとか上の着順で終わりたい藤井、ドラの中を切ってリーチ!

五万六万七万四索五索六索四筒五筒六筒七筒七筒八筒中  ツモ四筒  ドラ中

その時山脇

一万二万三万二索三索三索三索七索八索三筒五筒中中  ドラ中

リーチ宣言牌の中を鳴くかどうか悩んでいた。少考したあと中をポンして打二索。すぐに三筒を引いてテンパイした山脇は打五筒とした。
するとこの五筒が前原に放銃。素晴らしい捌きを見た。

南3局、前原が8巡目にリーチ。
山脇は安全牌を切りながらなんと国士無双の1シャンテンとなった。

一万一万九万一索一筒三筒九筒東南西北白中  ドラ八万

リーチしていた前原が三筒を切ると、親の安村からロンの声。タンヤオドラドラの7,700。前原の捨て牌に六筒があったゆえのヤミテン。
山脇はテンパイすると放銃となっていた。

次局には藤井と前原の2軒リーチ。
前原が競り勝ち1,000・2,000(1,100・2,100)のアガリ。

南4局(前原23,700・藤井22,700・山脇22,400・安村51,200)
2着争いは接戦である。最終戦に望みを繋げるために、藤井はなんとしても2着を取りたい。
藤井は発をポンし、その後テンパイした。

三万三万一索二索三索一筒三筒六筒七筒九筒  ポン発発発  ツモ二筒  ドラ九筒

2着前原とは1,000点差。同点の場合の順位点はきっちり分けである。(2着3着で同点の場合は順位点±0)
藤井の選択はドラの九筒切り。
数巡後八筒をツモり、大きな大きな300・500。単独2着で3回戦フィニッシュした。

3回戦
安村+35.9P・藤井▲1.2P・前原▲11.8PP・山脇▲25.5P

3回戦終了時
前原+27.3P・山脇+25.5P・安村▲11.0P・藤井▲41.8P

 

4回戦(前原―山脇―安村―藤井)
東1局

前原
二万三万四万八万八万三索四索二筒三筒七筒八筒九筒発  ツモ二索  ドラ発

これをドラの発切りヤミテン。
同巡山脇

六万七万八万六索二筒二筒四筒四筒五筒五筒六筒六筒発  ツモ四索

ドラの発を合わせ打ってヤミテン。
同巡安村

一万三万五万七万八万八筒八筒西西西  チー二索 左向き一索 上向き三索 上向き  ツモ六万

一万切りテンパイ。
3者が同巡にテンパイするから面白い。
結果は藤井が一筒をツモ切り、前原の1,500のアガリとなった。

1本場は安村がリーチして1人テンパイ。上の2人は安村のリーチには向かいにくい。

東2局2本場 供託1本
早くもターニングポイントとなりそうな局に。
藤井が4巡目リーチ。

四万五万六万一索二索三索四索五索六索五筒六筒九筒九筒  リーチ  ドラ一索

6巡目に安村追いかけリーチ。

四万五万六万三索四索二筒三筒四筒六筒六筒六筒七筒七筒  リーチ

下2人のリーチ合戦。
結果は安村が七筒での放銃。安目だったが裏ドラが四万で8,000点の支払いとなった。
この安村の放銃で上の2人は少し楽に。藤井がアガる分にはまださほど問題ではない。と思っていただろう…

東3局にも藤井が5巡目リーチ。
17巡目にツモ。

一万一万二万二万一索一索六索六索七筒七筒西西発  ツモ発  ドラ五索  裏六筒

ドラは乗らず1,600・3,200のアガリ。
東4局 親・藤井
ダブ東ポンして1人テンパイ。
東4局1本場
10巡目に藤井がリーチ。
そろそろ全員が止めたいと思ってきているだろう。

同巡山脇

二万二万四万五万六索七索八索三筒四筒六筒七筒南南  ツモ八筒  ドラ南

親のリーチを受けた一発目。安全牌はない。勝負できる手格好ではある。しかし何を切る?
山脇の選択はドラの南切りだった。
格好良いと思った。もしも当たってしまったらと考えると、切れない人も相当数いるのではないか。山脇のメンタルの強さを見た。

だがここは藤井が一発ツモ。

四万五万六万二索三索四索三筒四筒五筒六筒七筒九筒九筒  リーチ  ツモ二筒  ドラ南  裏六筒

4,000は4,100オール。トータルポイントも肉薄した。

次局は山脇が捌きに。

六万六万七万七万四索四索五索三筒三筒三筒  チー七筒 左向き六筒 上向き八筒 上向き  ドラ三万

藤井も悪くない形。

二万三万四万四万五万五索五索七索八筒八筒九筒中中  ドラ三万

ここからツモ切った七万を山脇がポン。その後山脇に三万三万六万とツモ切られるものだから藤井はたまったもんじゃない。
結果、山脇ツモ300・500は500・700。
南入となった。

持ち点(親から)前原23,300・山脇24,000・安村13,600・藤井59,100

現状、藤井はトータル2位前原と13,300点差。現実的な数字である。
5巡目、藤井にテンパイが入る。

七万八万一索二索三索五索五索六索七索七索九索五筒五筒  ツモ八索  ドラ八筒

これは打五索のヤミテンとする。
そして8巡目にアガリ牌の六万を持ってきた藤井。打七索でフリテンリーチと行った。
すると13巡目に前原が仕掛けてドラスジの五筒を勝負!現状ライバルのリーチに対してこのプレー。解説の瀬戸熊は、前原にしか出来ないと絶賛。
こうなると本当に勝ってしまうのが前原。勝てる時に、前に出るのだ。

一万二万三万四筒四筒七筒八筒発発発  チー四万 左向き五万 上向き六万 上向き  ロン六筒  ドラ八筒

藤井から2,900のアガリとなった。

続く1本場は山脇が1,000は1,300をアガリ、次局も山脇が1,500をアガった。またその次局も1,500は1,800をアガリ少しずつ加点していく山脇。
南2局2本場
安村がリーチ

三万四万五万五索六索四筒五筒六筒六筒七筒八筒東東  リーチ  ドラ五筒

このリーチに対し、テンパイしている2人。
前原は押し、山脇は引いた。しかし安全牌も無くなり、テンパイし直した山脇が四索で放銃。裏ドラは乗らず、3,900は4,500のアガリ。

南3局は全員ノーテンとなり、最終局へ。

南4局1本場
(前原27,200・山脇25,100・安村15,600・藤井52,100)
藤井は現状ターゲットの山脇と20.3ポイント差。とにかく一度アガること。
安村の条件は前原、山脇から倍満直撃。

最終局が始まり、すぐに山脇が自風の西をポン。藤井はドラドラながらまだ3シャンテン。
南をポンした前原が山脇に1,000は1,300を打ち、B卓の戦いは終焉を迎えた。

藤井・安村も戦っていたが、イメージとしては2人の幾度ものリーチを、するするとすり抜けてアガった山脇と、真っ向から粉砕した前原の勝ち上がり。という印象となった。

1位通過:山脇千文美 2位通過:前原雄大