第4期JPML WRCリーグ ベスト16C卓レポート
2018年08月31日
【C卓】
ともたけ雅晴(WRCチャンピオン)vs東谷達矢(C1)vs桜川姫子(D2)vs中村慎吾(C1)
WRC世界チャンピオンのともたけ雅晴がシード選手として登場。
1回戦(ともたけ―桜川―中村―東谷)
C卓は中村の1,000・2,000からスタート。この卓はテンポが良く、回りが早い。
東4局1本場ではともたけがをポン。
ポン ドラ
やはりともたけの仕掛けは迫力がある。ともたけの1人テンパイで流局。
南3局2本場
持ち点はこうなっていた。
(親から)中村26,300・東谷21,500・ともたけ31,000・桜川41,200
親の中村
リーチ ドラ
そして仕掛けて対抗していた東谷。
ポン チー ドラ
ツモればトップ目になる中村だったが、を掴み東谷に放銃。
中村→東谷3,900は4,500
南4局
(親から)東谷27,000・ともたけ31,000・桜川41,200・中村20,800
ともたけがチー。
チー ドラ
東4局同様、ドラがでともたけの一色仕掛け。ともたけブランドもあり、他家はなかなか行きにくい。
ここで東谷がをカンすると新ドラが。そしてラス目の中村が11巡目にリーチときた。
放銃するとラス落ちまであるともたけはのトイツ落としで撤退。親の東谷がスジのを切るとこれがロン。
中村
リーチ ドラ
裏ドラは乗らなかったものの、東谷からの3,200直撃で順位が入れ替わり、跳満相当のアガリとなった。
1回戦
桜川+26.2P・ともたけ+6.0P・中村▲11.0P・東谷▲21.2P
2回戦(東谷―中村―桜川―ともたけ)
東1局は中村の2,000・4,000スタート。
東2局、東谷・桜川の2軒リーチ。
ともたけが無スジのを切ると、なんと中村と桜川のダブロン。
上家の中村のアガリが成立。
ドラ
ともたけ→中村7,700
同3本場ではともたけが中村から2,000は2,900のアガリ。少し取り返した。
南3局
(親から)桜川19,000・ともたけ24,200・東谷32,000・中村44,800
親の桜川に選択の時。
ドラ
桜川は切りを選択。
そして2巡後のツモをとらえ、リーチと行った。
リーチ
かなり手応えがあったと思う。しかし現実は残酷なもので、雀頭のをもう1枚持ってきて放銃となってしまった。
チー
リーチが入ってからチーしてテンパイを入れた中村に8,000の放銃。
南4局も5巡目に中村が先制リーチ。親のともたけ追いかけるも、中村がツモ。
リーチ ツモ ドラ 裏
1,300・2,600のアガリで中村は60,000点トップとなった。
2回戦
中村+45.0P・東谷+5.7P・ともたけ▲14.4P・桜川▲36.3P
2回戦終了時
中村+34.0P・ともたけ▲8.4P・桜川▲10.1P・東谷▲15.5P
中村が頭一つ抜け出し1人浮き状態だが、ポイント差はそれほどないため油断はできない。残り2回。
3回戦(中村―ともたけ―桜川―東谷)
東2局、中村が3巡目テンパイ
ドラ
次巡にツモ→打で役ありへ。6巡目にはを引きタンヤオもついた。
しかし中村がアガれぬまま巡目は進み、14巡目桜川
ツモ ドラ
切りリーチ!
そして次巡ともたけの手牌。
ツモ
ともたけはを切り、待ちを選んだ。18,000テンパイ。
しかし桜川の一発ツモ!なんと裏ドラがで3,000・6,000のアガリ。
次局、親を迎えた桜川は10巡目にリーチ!
しかしここはともたけに捌かれる。東谷→ともたけ2,000
南入時点での持ち点
中村26,500・ともたけ29,000・桜川39,500・東谷25,000
南1局
12巡目、中村がリャンメンをチーした。そして切った牌がである。
中村がテンパイだとするなら、こののまたぎスジは非常に切りづらい。しかもその場合、中村のスタイルからいってドラドラ以上も想定しなければならない。
そしてともたけがこの形である。
ツモ ドラ
さて何を切るか。
ともたけは危険を承知で、打点MAXを目指し切りとした。このは無事に通過。
続いて桜川が1シャンテンからをツモ切ると、これが中村に放銃となる。
チー ロン
トップ目から5,800の放銃となった桜川。少しもったいなく思えた。
次局桜川、三色テンパイをヤミテン。この選択が功を奏し、すぐにともたけから2,600は2,900のアガリ。
南2局、5巡目桜川の手牌
ツモ ドラ
手格好、点棒状況などから、早めにドラを切ってタンヤオに向かう手はある。
しかし桜川はを切った。次に持ってくるもツモ切った。
桜川には「こうと決めたらこう!」といった節がある。悪く言えばわがままな麻雀なのだが、この手も結局桜川らしい最終形となる。
リーチ
ツモれば3,000・6,000からという勝負手になっていた。
だが結果は流局。ともたけ、桜川の2人テンパイ。
南2局1本場 供託1本
桜川、下家東谷のチャンタ仕掛けに対し打ちにくいを手に置いていた。
しかし高め三色のテンパイになってしまった桜川。
ツモ ドラ
桜川はを切った。これが東谷に放銃となる。
チー ロン ドラ
危ないとは思っていた。
だけど手牌に真っ直ぐ向き合うのが姫子流なのだ。
南3局、東谷の4巡目リーチ。
それを一発で掴んでしまう桜川の流れの悪さ。一発目は避けたものの、手が進み2,600の放銃となった。
南4局
(親から)東谷31,300・中村30,800・ともたけ27,600・桜川30,300
大接戦。上から下まで3,700点差。
順位点が1着順10,000点差なので、1,000点のアガリでも実質跳満クラスになることも。もし東谷がともたけに2,000点でも放銃すれば、それ即ち役満放銃と同じなのである。
そんなしびれるオーラス。
最初にテンパイしたのは10巡目、中村。そして12巡目にともたけがリーチ同巡、桜川にもテンパイが。
ツモ ドラ
桜川が長考。放銃すればラス落ち。
でもじっとしていてもラスになるかもしれない。手牌をもう一度見てみる。美しい。なに、悩むことはない。なぜなら手牌と真っ直ぐ向き合うのが姫子流なのだから。(※想像です)
長考後、桜川はを切った。するとともたけに一発放銃。
リーチ ロン
このアガリでともたけがトップまで駆け上がった。
3回戦
ともたけ+20.6P・東谷+6.3P・中村▲4.2P・桜川▲22.7
3回戦終了時
中村+29.8P・ともたけ+12.2P・東谷▲9.2P・桜川▲32.8P
4回戦(ともたけ―中村―東谷―桜川)
なんとともたけが東1局に6,000オール。いきなり全員の予定が狂うことに。さらに次局も2,000は2,100オールで持ち点は54,300点に。
東3局には東谷も4,000オールをアガリ、トータルトップだった中村がじわじわと追い詰められる。
南入時点
ともたけ47,500・中村23,500・東谷39,500・桜川9,500
トータルはまだ中村の方が東谷より13,000点上にいる。しかし東谷がともたけより上にいくとかなり危ない。
これが南3局には
ともたけ43,500・中村21,500・東谷41,400・桜川13,600
親の東谷がをポン。ドラの単騎にすることで、他家をやりにくくした。そして1人テンパイとなり、ついにこの半荘トップ目に。
これで現状、ともたけ・東谷の勝ち上がり。
中村はこの状況にならないようずっと戦っていたのだが、なかなか噛み合わない。次局も東谷の着順を落とすべく仕掛けていくが、東谷に放銃となってしまう。
中村→東谷1,500は1,800
流局を挟み、3本場では中村がともたけに放銃。1,300は2,200。
自分がアガる道以外にも、ともたけに東谷をまくってもらう道がある中村。この放銃は勝ちに近づく一手でもあった。
最終戦南4局
(親から)桜川14,100・ともたけ44,200・中村15,000・東谷46,700
桜川は連荘あるのみ。一次トーナメントで見せた姫子無双を起こせるか。中村は東谷と12.7ポイント差。
つまり(条件1)跳満ツモ、(条件2)着順を落とせる2,600の直撃。
桜川の手牌が良い。
ツモ ドラ
桜川、ソウズが良いと判断したか、打とする。
その後をツモるもこれをツモ切り。確かに三暗刻にはなりにくい。もうと心中覚悟か。
一方、10巡目には役なしテンパイしていたともたけ。
別にミスではないが、待ちを替えながらアガリ逃しを数回していた。
ツモアガリでも400・700で東谷と着順変化はない。このアガリ逃しで助かったのは中村である。
そして終盤に差し掛かり、(条件1、2)が難しいと判断した中村は、第3の道を目指す。
それは自分とともたけがテンパイ、東谷がノーテンでの流局である。
桜川もノーテンの場合は勝ち上がり。桜川テンパイでも今度は上にいる状態でもう1局となる。
中村はテンパイに向かいをポン。ドラのをも切った。
これをスルーしテンパイを取らなかった桜川。ドラ3の手を役なしになんてできない、と姫子流を貫いた。
中村がもポンしてテンパイ。
ポン ポン ドラ
テンパイとなったものの、中村にアガリによる条件はない。
そして親の桜川。終盤に入ってからの仕掛けて形式テンパイも受け入れず、あくまでメンゼンテンパイにこだわったがなんと最後までにくっつくことはなかった。
親のノーテンが確定した。
この時点でともたけはテンパイを維持。東谷はノーテン。
まさに中村の描いた第3の道に光が射したのだ。
しかし運命のいたずらか。ともたけが最後に引いた牌は中村の当たり牌の。
仕掛けから見ても、中村にともたけからの出アガリ条件はない。切れば中村が通過、切らなければ東谷が通過。ともたけは切るにせよ、切らないにせよ、通過である。
だが、ともたけは切らなかった。暗刻のを1枚はずしノーテン。
どちらにせよ通過とはいえ、相手に出アガリ条件がないとはいえ、余裕のある立場から、当たりの形になっている牌を、ともたけは切ることはないのである。
これにて勝負は決した。
中村は最初から最後まで、最善を尽くしたように思う。本当に惜しかった。
そして初戦ラスながら、その後はずっと好位置につけた東谷。最後の局は本当にツラかったと思う。
ベスト8でもその大局観とバランス取りで頑張ってほしい。
1位通過:ともたけ雅晴 2位通過:東谷達矢
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