第4期JPML WRCリーグ ベスト8A卓レポート
2018年09月06日
今期で第4期となる、JPMLWRCリーグ。
今回は連盟チャンネルでも放送されたベスト8、A卓をレポートしていきたい。
対局メンバーは、現鳳凰位シードとしてベスト16から出場、前原雄大。
現世界チャンピオンとしてベスト16から出場、ともたけ雅晴。
高打点と爆発力が持ち味の実力派、中村毅。
先日B1リーグ優勝、A2復帰を決めた、今まさに絶好調・藤島健二郎。
この中から上位2名が決勝の椅子に座る事ができる。
1回戦(起家から、前原・ともたけ・中村・藤島)
東1局、中村がいきなりすごい配牌だ。
ドラ
ここから6巡目にが暗刻に。7巡目にはが4枚になるがこれはツモ切って柔軟に。
しかしなかなか有効牌を引けないまま、ドラドラの前原が形になってくる。
ともたけ、藤島も1シャンテンに。
親の前原、10巡目にをポン。
ポン
12巡目には藤島がリーチ。
ともたけも同巡テンパイ、現物待ちではないがヤミテンとする。
これが大正解で、次巡のツモがで放銃回避。
中村は終盤チーテンをとらずに自力テンパイ、前原も最終ツモ番でテンパイを入れた。
それぞれの意志が伝わってくる、4人テンパイ流局でのスタートとなった。
東2局
前巡にドラのをリリースした中村、ツモで気持ちよくリーチ。
ドラ
次巡前原もテンパイ。
ヤミテンを選択するが、このは親のともたけに暗刻…。
しかもツモり四暗刻の1シャンテン。
ともたけ
アガリは中村か?ともたけのドリームか?と思っていると、次巡前原がツモ切りリーチ。
胸騒ぎを感じたのは私だけではないはずだ。
リーチ 一発ツモ 裏
この4,000・8,000でSNSは大いに沸いた。これが前原雄大。そう見せつけるようなアガリだった。
東3局
親の中村の7巡目リーチ。
リーチ
一打目に。4、5巡目には、、と切ってある。
全体的にも待ちごろのを見事ツモアガって裏ドラ2枚。6,000オールを決めた。
東4局2本場
親を迎えた藤島が2巡目に打たれたをポン。
ポン
ここからドラのを切っていった!見ればは1枚切れ。アガリにくいドラドラを捨て、連荘への道を辿る。
ツモでテンパイ。
ポン
藤島の河は
ソーズのホンイツや、字牌を警戒するだろうか?
ノーケアのを捕えて連荘に成功した。
3本場でも前原から2,000は2,900をアガるのだが、このメンバーのここからの粘りが物凄い。
4本場でともたけのリーチに対して全員がテンパイを入れるが、中村は危険牌で一旦まわるが復活。
藤島もチーテンを入れていたがドラをひかされて1人ノーテンで親落ちとなった。
南1局5本場、
親番の前原、7巡目。
ドラ
タンピンや三色変化を見てヤミテン。
8巡目に藤島も、前原の当たり牌を引き入れテンパイ。ドラのを切ってヤミテン。
この打ちに呼応するかのように、前原は次巡ツモ切りリーチ。藤島もツモ切りおいかけリーチとし、全面戦争に踏み切った。
藤島の待ちは山に2枚、対して前原の待ちはもう山に無い。勝負の行方を見守っていると手牌を倒したのは……前原!?
ともたけ
ツモ 打
ともたけがツモり四暗刻テンパイで押し出されたであった。山に無くてもアガってしまう前原の魔力が恐ろしい。
結局そこから9本場まで連荘。
南2局に藤島が5,200を討ち取るが、そのまま前原トップで終了となった。
1回戦成績
前原+32.1P 中村+17.2P 藤島▲14.2P ともたけ▲35.1P
2回戦(起家から、ともたけ・前原・藤島・中村)
東1局
1回戦では、当たり牌を多く掴まされ、苦しかったともたけの親リーチ。
リーチ ツモ ドラ 裏
前原に追いかけられるも、力強くツモアガリ、4,000オール。
東2局3本場にはこのツモアガリ!
ポン ツモ ドラ
1回戦の憂さを晴らすような美しい3,000・6,000で52,900点に。
南4局は前原が2巡目テンパイの1,000点を中村からアガリ、2着を確保。
この半荘放銃が続いてしまった中村が大きなラスとなった。
2回戦成績
ともたけ+46.9P 前原+5.1P 藤島▲9.0P 中村▲43.0P
2回戦終了時
前原+37.2P ともたけ+11.8P 藤島▲23.2P 中村▲25.8P
3回戦(起家から、前原・中村・ともたけ・藤島)
東1局
中村が国士模様。
ともたけが役なしテンパイをヤミテンしていた11巡目、待望のが来る。
ドラ ツモ
しかしともたけは更にヤミテンを続行。中村の国士が1シャンテンになったところで藤島からで3,900。
手に溺れない丁寧さが、ともたけの一流たる所以だ。
東3局も2,600オールをツモり、加点。
東3局1本場には10巡目にまた親リーチ。
リーチ ドラ
アガればこの半荘の決め手となるだろう。
しかしその前巡にテンパイしていた前原の手がこちら。
ともたけのリーチ一発目に持ってきたのは当たり牌の。
ヤミテンなら9,600の放銃になっていたのだろうか?華麗に回避した。
直後、ドラドラでテンパイした藤島が追いかけリーチ。
リーチ 一発ツモ 裏
2,100・4,100。正に紙一重。反撃の狼煙をあげた。
東4局
気持ちよく迎えた藤島の親番。6巡目、さらりとドラのを切る。
ほぼ無駄ヅモなしでテンパイし、リーチ。
リーチ ツモ ドラ 裏
アガリがあると見れば、ドラを無駄に持つ事はせず、目一杯手を広げる。藤島のアガリへの嗅覚は見事である。
南1局
中村が苦しい。そろそろアガリが欲しい。
そこへまたしても藤島のリーチが飛んできた。
リーチ ドラ
中村が一発で引かされたのは高目の。なんたる不運。
ツモ
一旦落としで堪えるが、テンパイと同時に押し出され、8,000点の放銃となってしまった。
南4局
そのまま中村は11,700点持ちのラス目でオーラスを迎えていた。
9巡目にドラ暗刻のテンパイ。
ドラ
を切ればカンのテンパイなのだが、3着目の前原は26,200なので、跳満ツモか満貫直撃しなければラス抜けできない。
テンパイ外しも有力かと思われたが中村は決意のリーチとした。
それを見て前原はオリ。50,400点持ちの親の藤島がポンテン。
万事休すかと思われたその時、中村がを引き寄せた。裏ドラも1枚乗せ、執念の3,000・6,000を決めた。
残り1回に勝負をかける。
3回戦成績
藤島+29.4P ともたけ+3.7P 中村▲11.3P 前原▲21.8P
3回戦終了時
ともたけ+15.5P 前原+15.4P 藤島+6.2P 中村▲37.1P
4回戦(起家から、藤島・前原・ともたけ・中村)
3回戦の前原のラスによって、中村以外の3人の着順勝負となった。
東1局
前原が9巡目リーチ。
リーチ ドラ
中村に暗刻だったドラのをツモりあげ、裏が2枚。3,000・6,000で一歩抜け出した。
東2局 藤島→中村1,300
東3局 藤島→ともたけ2,900
じわじわと局が進んでいく。
東3局
中村、藤島の2軒リーチ。
中村
リーチ ドラ
藤島
リーチ
次巡追いついた親のともたけ。
もも2人のリーチに危険。どちらも選ばす丁寧に現物のを切ると、次巡のツモが!
なんだかショックなツモである。ここは藤島が中村から1,300は1,600となった。
東4局
南家・藤島がをポンしてドラのを切る。
ポン 打
その後、にがくっつき、のトイツ落としでホンイツへ移行。
そこへ親の中村がリーチ!
リーチ ドラ
このリーチを受けて藤島が一発で持ってきたのは。
ツモでテンパイすると同時に場に放たれた。裏ドラが1枚乗り、9,600。
持ち点は12,900点に減り、藤島にとっては大きすぎる放銃となった。このまま脱落してしまうのか?
一方中村は35,300。
6,000オールでほぼ並びになれる。
しかし1本場は前原に捌かれて、勝負は南場へと持ち越された。
南1局
藤島12,800
前原44,300
ともたけ29,900
中村33,000
絶対に落とせない藤島の親番がやって来た。
そんな時に限って難しい手が入るものである。
ドラ
長考し、を切る藤島。しかしそのまま有効牌をひかない。
中村も上家で完全に絞り、鳴かせない。藤島の最後の親番が終わってしまった。
南2局
現状トップ目で通過の前原の親番。
ドラ
8巡目テンパイ。さぁ、どうする。普段ならもちろん迷わないが、今は逃げる立場。
じっくりと考えた末の決断はリーチであった。
追う立場の藤島、中村にとってピンチ、そしてチャンスでもある。
中村
ドラ
中村、ここからをチーして向かって行く。
そのチーによって前原のツモアガっていたがともたけに流れた。
そして……中村に暗刻になっていたが藤島に流れた!
藤島
リーチ 一発ロン
前原から僥倖の8,300。藤島に一筋の光が差す。
南3局
テンパイ1番乗りは前原。
ドラ
ともたけはこの形からをスルーしてガードを固める。
そこへ来たのは中村のドラドラリーチ。
リーチ
その時の藤島はこの形。
現物のを切り1シャンテンをキープ。前原は撤退、ともたけも一歩引いた。中村はこれをアガって親を迎えたい。
そこへ藤島、待望のツモで現物待ちのペンテンパイ!危険牌のをスッと勝負し、手元に来たを愛おしそうにツモりあげた。
藤島が、あの絶望的な状況からまさかの復活を遂げた。
南4局
いよいよオーラス。
藤島30,100
前原32,000
ともたけ28,900
中村32,000
先ほどの2,000・4,000で現状通過は前原・藤島。
ともたけの条件は1,300以上の出アガリ、ツモアガリは何でもOK。
中村はアガリを重ねるのみだ。現状1位の前原も、少しの放銃で即脱落となるしびれるオーラスになった。
まずは中村が4,000オール。上位に肉薄する。
この1本場でともたけは1000点でもOKに。
南4局1本場
ともたけ、1巡目のをポン、もポンしていく。
ポン ポン ドラ
数巡後、前原テンパイ。
藤島もテンパイ。
あがれば決勝だ。最後まで分からない結末に、思わず息を飲む。
そして……ともたけにもついに入ったテンパイ。
ポン ポン ツモ
打ち出されたは、前原への放銃牌だった。
4回戦成績
中村+26.0P 前原+4.6P 藤島▲8.9P ともたけ▲21.7P
4回戦終了時
前原+20.0P 藤島▲2.7P ともたけ▲6.2P 中村▲11.1P
1位通過 前原雄大
2位通過 藤島健二郎
最後まで何が起こるか分からない展開のなか、前原と藤島が決勝進出を決めた。
麻雀にドラマあり、落とし穴もあり。きっとこの2人なら、決勝でも沢山の驚きを私達に与えてくれるだろう。
前原が力で捩じ伏せるのか。藤島は2期決勝で敗れたリベンジを果たせるのか。
期待は高まるばかりだ。
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